JPH1018086A - 電解着色アルミニウム材料およびその製造法 - Google Patents

電解着色アルミニウム材料およびその製造法

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JPH1018086A
JPH1018086A JP16800096A JP16800096A JPH1018086A JP H1018086 A JPH1018086 A JP H1018086A JP 16800096 A JP16800096 A JP 16800096A JP 16800096 A JP16800096 A JP 16800096A JP H1018086 A JPH1018086 A JP H1018086A
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aluminum material
less
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electrolysis
acid
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Tadashi Mizusawa
澤 正 水
Yoshinobu Saito
藤 芳 信 斉
Tadashi Komatsuzawa
松 澤 正 小
Masatoshi Watanabe
辺 正 敏 渡
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 十分な耐光性、製造時の付き廻り性、再現性
を有する、淡いグレー系色または淡いブルーグレー系色
の電解着色アルミニウム材料。 【解決手段】 日本電色工業株式会社製の携帯用分光色
差計(Cランプ使用)により測定した、JIS Z−8
722に準じて測定される、明度指数ならびにクロマテ
ィクネス指数が、下記の範囲内である色を有する、電解
着色されたアルミニウム材料。L*60以上80以下。
*−4.0以上3.0以下。b*−9.0以上3.0以
下。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解着色されたア
ルミニウム材料、特に特定の色調を有する電解着色され
たアルミニウム材料に関する。本発明は、さらに前記ア
ルミニウム材料の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、実用化されてきた電解着色法によ
るアルミニウム材料の色は、淡褐色から黒色のものがほ
とんどであった。しかし、昨今、種々の方法が提案さ
れ、従来、得られなかった色を有するアルミニウム材料
が供給されはじめている。
【0003】例えば、特開昭54−13860号および
特開昭59−4519号各公報には3次元電解着色法が
記載されており、この方法により青色や緑色に着色され
たアルミニウム材料が得ることができる。
【0004】また、特開平5−331688号公報に
は、陽極酸化処理をしたアルミニウム材料を高濃度リン
酸水溶液中、特定の条件で電解することによりバリアー
層を調整し、さらに予備電解処理、電解着色処理をする
ことにより、優れた着色を有する着色被膜を得ることが
できることが記載されている。この方法によれば、彩度
の高い安定した干渉色が得られることも記載されてい
る。
【0005】特公平6−76679号公報には、陽極酸
化処理済みのアルミニウム材料をアノード分極の強い電
流で再陽極酸化処理をし、さらにカソード分極の強い電
流で電析処理する電解着色法が記載されている。
【0006】また、特開平6−272082号公報に
は、陽極酸化処理をしたアルミニウム材料をリン酸溶液
中で中間処理した後、さらに再陽極酸化処理を行う電解
着色法が記載されている。この方法によれば、暗濃色感
に富む着色被膜が得られることも記載されている。
【0007】特公平8−3157号には、硫酸ニッケル
とスルファミン酸を含む着色浴中で、負側電圧の絶対値
に対する正側電圧の比が1を超え2以下である電圧波形
を有する矩形波交流を用いる電解着色法が記載されてい
る。
【0008】このように、多くのアルミニウム材料の電
解着色法が提案されているが、本発明者らの知る限り、
そのいずれよっても、淡いグレー系色、または淡いブル
ーグレー系色の着色被膜を有するアルミニウム材料を得
ることができなかった。このような淡いグレー系色、ま
たは淡いブルーグレー系色のアルミニウム材料は、例え
ば建材用として、昨今、市場の要望が強いものである
が、従来はコストが高い自然発色合金でしか得ることが
できなかったものであり、コスト的に有利な電解着色し
たアルミニウム材料で、このような色のものが得られる
ことが期待されているものである。また、従来の方法で
得られたブルー系色電解着色アルミニウム材料は、耐光
性が不十分であったり、製造時の付き廻り性、再現性が
不十分であったり、さらには、ほとんどのものにおいて
電着塗装が困難である、という問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記したよ
うな問題点を解決した、淡いグレー系色または淡いブル
ーグレー系色の電解着色アルミニウム材料を提供するも
のである。また、本発明は、従来、製造することが困難
であった淡いグレー系色または淡いブルーグレー系色の
電解着色アルミニウム材料を安定に製造する方法を提供
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要] <要旨>本発明の電解着色されたアルミニウム材料は、
明度指数ならびにクロマティクネス指数が下記の範囲内
である色を有すること、を特徴とするものである。 L* 60以上83以下 a* −4.0以上3.0以下 b* −9.0以上3.0以下
【0011】また、本発明のアルミニウム材料の電解着
色法は、陽極酸化処理をしたアルミニウム材料に対し
て、下記の各工程の処理を行うことにより電解着色被膜
を形成させること、を特徴とするものである。 (1)このアルミニウム材料を陽極として、酸性の電解
液中において、直流成分を含むアノード分極の強い交流
電流で電解を行う第1工程、 (2)第1工程を経たアルミニウム材料を陽極として、
下記の(a)および(b)を含有する電解液中で直流成
分を含むアノード分極の強い交流電流で電解を行う第2
工程、(a)金属塩を少なくとも1種、(b)無機酸ま
たは有機酸、あるいは無機酸または有機酸のアンモニウ
ム塩、を少なくとも1種、 (3)第2工程を経たアルミニウム材料を、前記した
(a)および(b)を含有する電解液中で直流成分を含
むカソード分極の強い交流電流で電解を行う第3工程。
【0012】<効果>本発明のアルミニウム材料によ
り、従来の方法により得ることができなかった、耐光性
に優れ、かつ電着塗装が可能な、淡いグレー系色または
淡いブルーグレー系色を有するアルミニウム材料が提供
される。
【0013】また、本発明の方法により、従来の方法に
比べて製造時のつき廻り性および再現性に優れ、かつ色
の濃さを任意にコントロールできる、電解着色アルミニ
ウム材料の製造方法が提供される。
【0014】[発明の具体的説明] <特定の色調を有するアルミニウム材料>本発明のアル
ミニウム材料は、電解着色が施されたものであって、そ
の明度指数ならびにクロマティクネス指数が下記の範囲
内である色を有することを特徴とする。 L* 60以上83以下 a* −4.0以上3.0以下 b* −9.0以上3.0以下
【0015】さらに、その明度指数ならびにクロマティ
クネス指数が下記の範囲にあるものが好ましい L* 60以上80以下 a* −3.5以上2.0以下 b* −8.0以上3.0以下
【0016】さらに、その明度指数ならびにクロマティ
クネス指数が下記の範囲にあるものがより好ましい L* 65以上80以下 a* −3.0以上1.5以下 b* −7.0以上2.0以下
【0017】さらに、その明度指数ならびにクロマティ
クネス指数が下記の範囲にあるものが最も好ましい L* 70以上80以下 a* −2.5以上1.5以下 b* −6.0以上2.0以下
【0018】ここでL* 、a* 、およびb* は、JIS
Z−8722に準じて測定される明度指数ならびにク
ロマティクネス指数であり、具体的には日本電色工業株
式会社製の携帯用分光色差計(Cランプ使用)により測
定したものである。
【0019】また、ここでいう電解着色とは、陽極酸化
処理によりアルミニウム材料表面に生じた陽極酸化被膜
を、金属塩類を用いて電解的に着色することをいう。電
解着色されている陽極酸化被膜の厚さは任意であるが、
一般的に6〜25μm、好ましくは10〜20μm、で
ある。
【0020】従来、このような色を有しながら電着塗装
が可能である電着塗装済みのアルミニウム材料を得るこ
とは困難であった。この材料は、具体的には、下記の方
法により製造することができる。
【0021】<原料アルミニウム材料>本発明の方法に
より電解着色を施すアルミニウム材料には、一般的なア
ルミニウム材料から目的に応じて任意に選択ができる
が、アルミニウム含有量が90%以上のものが好まし
い。また、その形状も、板材、条材、押出型材、または
棒材など、いかなる形状のものも用いることができる。
【0022】また、原料アルミニウム材料として、特有
の着色を有する自然発色合金も用いることも可能であ
る。しかし、本発明においては電解着色によってアルミ
ニウム材料に着色するので、原料に着色しておくことは
必要ではないことに加え、自然発色合金はコストが高い
ので、本発明の方法を適用するのには適当ではない。
【0023】<電解着色アルミニウム材料の製造法>前
記したような原料アルミニウム材料に対して、典型的に
は下記の処理を行って、電解着色被膜を形成させる。こ
こで前処理(1)および後処理(6)は必要に応じて実
施すればよい。 (1)前処理 (2)陽極酸化処理 (3)第1工程処理 (4)第2工程処理 (5)第3工程処理 (6)後処理
【0024】各処理の詳細は、下記の通りである。 (1)前処理工程 前記したアルミニウム材料に電解着色を施すに先立っ
て、必要に応じて、前処理を行う。この処理は、アルミ
ニウム材料に対して電解着色を行う際に、一般的に行わ
れるものであってよく、例えば、次に示すようなもので
ある。まず、酸性またはアルカリ性の脱脂浴中で、材料
表面に付着した油脂分や汚染物質を除去する。水洗後に
加温されたアルカリ性浴、例えば水酸化ナトリウム浴、
中でエッチング処理を行い、汚れを除去するとともに表
面粗度を均一にする。水洗後、さらに酸性浴、例えば硝
酸浴または硫酸浴など、に浸漬してスマット除去を行
い、最後に水洗する。
【0025】(2)陽極酸化処理 必要に応じて前処理をしたアルミニウム材料に、引き続
いて陽極酸化処理を行う。陽極酸化処理は、前記アルミ
ニウム材料を陽極とし、電解により前記材料表面に酸化
被膜を形成させることからなるものである。この陽極酸
化処理も、工業的に通常行われている方法を用いること
ができる。
【0026】具体的には、無機酸(例えば硫酸、クロム
酸、リン酸およびその他)または有機酸(例えばシュウ
酸、スルファミン酸およびその他)を含む電解液中で、
陽極にアルミニウム材料、対極にアルミニウムまたは鉛
などを用い、直流または直流と交流の重畳波などの電流
を通電することにより行う。供給する電流および電圧は
任意であり、必要に応じて陽極酸化処理中に電流又は電
圧を変化させてもよい。
【0027】これのような処理により形成させる陽極酸
化被膜の厚さは任意であるが、この酸化被膜の厚さが厚
いほど、本発明による着色が淡色に、薄いほど濃色にな
る傾向があり、本発明においては、一般的には6〜25
μm、好ましくは10〜20μm、の酸化被膜を形成さ
せる。
【0028】(3)第1工程処理 この処理は、陽極酸化処理を行ったアルミニウム材料に
対して、これを陽極として、酸性の電解液中において、
直流成分を含むアノード分極の強い交流電流で電解を行
うことからなる。電解液には、無機酸(例えばリン酸、
リン酸水素ナトリウム、亜リン酸、硫酸、クロム酸およ
びその他)および(または)有機酸(例えばシュウ酸、
酒石酸、スルファミン酸およびその他)を含有するもの
が用いることができる。これらの中で、特にリン酸を含
有する電解液を用いるのが好ましい。
【0029】電解は、直流成分を含むアノード分極の強
い交流電流で行うが、下記の条件で行うことがより好ま
しい。 周波数 30〜250Hz 交流定電流 0.1〜1.0A/dm2 または交流定電圧 5〜14V 直流定電流 0.05〜0.5A/dm2 電解時間 40〜180秒 また、交流電流には矩形波などの変形波形の電流を用い
ることもできるが、正弦波交流であることがさらに好ま
しい。
【0030】ここで「アノード分極が強い」とは、アル
ミニウム材料側から電解液側に向かって流れる電流が正
としたとき、この電流値の1周期の積分値が正であるこ
とを意味する。
【0031】(4)第2工程処理 この処理は、上記第1工程を経たアルミニウム材料に対
して、これを陽極として、下記の(a)および(b)を
含有する電解液中で直流成分を含むアノード分極の強い
交流電流で電解を行うことからなる。 (a)金属塩を少なくとも1種、(b)無機酸または有
機酸、あるいは無機酸または有機酸のアンモニウム塩、
を少なくとも1種。
【0032】ここで、金属塩を形成する金属は、本発明
の効果を損なわない限り、任意のものを選択できるが、
ニッケル、コバルト、スズ、鉄、銅、モリブデン、マン
ガン、亜鉛、セレンおよびマグネシウムからなる群から
選ばれるものが好ましく、ニッケルまたはスズが特に好
ましい。また、金属塩またはアンモニウム塩のカウンタ
ーイオンとなるものも含めた無機酸または有機酸も任意
であるが、無機酸は、硫酸およびホウ酸からなる群から
選ばれるもの、有機酸は、酢酸、酒石酸、スルファミン
酸、スルホサリチル酸、およびクエン酸などからなる群
から選ばれるものが好ましい。
【0033】なお、ここで電解液中に含有される金属イ
オンの酸化を防ぐために、酸化防止剤を添加することが
好ましい。酸化防止剤も任意のものを選択できるが、例
えば、電解液がスズ塩を含有する場合、酸化防止剤とし
て、クレゾールスルホン酸、フェノールスルホン酸、硫
酸ヒドラジン、ホウフッ化水素酸または酒石酸などを添
加することが好ましい。
【0034】電解は、アノード分極の強い交流電流で行
うが、下記の条件で行うことがより好ましい。 周波数 10〜250Hz 交流定電流 0.01〜1.0A/dm2 または交流定電圧 12〜23V 直流定電流 0.1〜1.0A/dm2 電解時間 20〜120秒 また、交流電流が正弦波交流または矩形波交流であるこ
とがさらに好ましい。
【0035】(5)第3工程処理 この処理は、上記第2工程を経たアルミニウム材料に対
して、前記第2工程処理の項において述べた(a)およ
び(b)を含有する電解液中で直流成分を含むカソード
分極の強い交流電流で電解を行うことからなる。ここで
用いる電解液も、前記した第2工程で規定した範囲内の
ものが用いることができる。両工程の組成は同一でも異
なってもよい。第2工程で使用した電解液そのもので第
3工程処理を行ってもよく、その場合には印加電流を変
えるだけでよいのでコスト的にも好ましい。
【0036】電解は、カソード分極の強い交流電流で行
うが、下記の条件で行うことがより好ましい。 周波数 5〜120Hz 交流定電流 0.3〜1.2A/dm2 直流定電流 0.1〜1.0A/dm2 電解時間 30〜120秒 また、交流電流が正弦波交流または矩形波交流であるこ
とがさらに好ましい。
【0037】ここで「カソード分極が強い」とは、アル
ミニウム材料側から電解液側に向かって流れる電流が正
としたとき、この電流値の1周期の積分値が負であるこ
とを意味する。
【0038】(6)後処理 電解着色処理後の後処理は、本発明に必須ではないとし
ても好ましいものであり、そのためには公知のいかなる
方法も用いることができる。具体的には、(イ)染色、
例えば浸漬染色、吹き付け染色、写真染色およびその
他、(ロ)封孔処理、例えば加圧水蒸気封孔処理、沸騰
水封孔処理(必要に応じて封孔助剤を使用する)および
その他、(ハ)塗装、例えば静電塗装、電着塗装、スプ
レー塗装、浸漬塗装、およびその他などが上げられる。
【0039】本発明の方法により電解着色されたアルミ
ニウム材料は、特に、電着塗装が可能であることに特徴
がある。すなわち、従来のブルー系に電解着色されたア
ルミニウム材料は、電着塗装工程で脱色などにより大き
く変色するため、封孔処理仕上げや作業効率の悪い静電
スプレー塗装仕上げとするのが普通であった。本発明の
アルミニウム材料は、電着塗装工程で生じる変色が非常
に少ないので電着塗装が可能である。
【0040】
【発明の実施の形態】
【実施例】実施例1 電解着色を施すアルミニウム材料として、アルミニウム
板(A1100−H14)を用い、下記のような工程で電
解着色処理をした。
【0041】(1)前処理工程 アルミニウム材料を5%水酸化ナトリウム浴(50℃)
中に5分間浸漬してエッチングを行い、次いで10%硝
酸(常温)浴中でスマット除去を行った。
【0042】(2)陽極酸化処理工程 前記アルミニウム材料を、170g/リットル硫酸浴
(20℃)中で30分間/電流密度1.5A/dm2
陽極酸化処理を行い、13μmの陽極酸化被膜を形成さ
せた。
【0043】(3)第1電解処理 前記アルミニウム材料を、80g/リットルリン酸浴
(27℃)中で、正弦波交流80Hz0.2A/dm2
と直流0.10A/dm2 を重畳した、アノード分極の
強い制御された電流により電解処理を80秒間行った。
【0044】(4)第2電解処理 前記アルミニウム材料を、下記の電解着色浴(25℃)
中に浸漬し、正弦波交流100Hz0.3A/dm2
直流0.3A/dm2 を重畳した、アノード分極の強い
制御された電流により電解処理を60秒間行った。 <電解着色浴> 成分 硫酸ニッケル 30 g/リットル 硫酸第1スズ 2 g/リットル 硫酸 15 g/リットル 酸化防止剤 8 g/リットル
【0045】(5)第3電解工程 第2電解処理終了後、直ちに、前記アルミニウム材料を
前記電解着色浴中で、矩形波交流60Hz0.8A/d
2 と直流0.4A/dm2 を重畳した、アノード分極
の強い制御された電流により電解処理を60秒間行っ
た。
【0046】(6)後処理工程 前記アルミニウム材料を、ニッケル塩を含む封孔浴(9
0℃以上)中に浸漬して、20分間封孔処理を行った。
【0047】これらの処理により、均一な淡いグレー色
のアルミニウム材料が得られた。この材料を、日本電色
工業(株)製の携帯用分光色差計NF−902(C光源
使用)を用いて、JIS Z−8722に準じて測色し
たところ、L* 76.37、a* 0.24、b*
0.46であった。
【0048】実施例2〜12 実施例1に対して、第1電解工程から後処理工程を、表
1〜6のように変えて、電解着色アルミニウム材料を得
た。なお、実施例2においては、原料アルミニウム材料
として、アルミニウム押出型材(A6063S−T5)
を使用した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】得られた材料は、いずれも均一なグレー系
色〜ブルーグレー系色に着色されていた。これらについ
て、実施例1と同様に測色した結果は表7に示すとおり
である。
【0056】 表7 * * * 実施例1 76.37 0.24 0.46 実施例2 64.26 0.14 −2.03 実施例3 63.19 0.03 −6.47 実施例4 66.07 −0.50 −4.93 実施例5 72.36 −0.36 −0.91 実施例6 73.78 −0.37 −0.88 実施例7 77.74 0.66 −1.02 実施例8 71.85 1.22 1.20 実施例9 69.00 2.28 2.91 実施例10 66.80 1.18 −2.65 実施例11 75.40 1.12 −1.41実施例12 65.13 0.88 2.84
【0057】このように本発明の方法によって、アルミ
ニウム材料に均一な淡いグレー系色〜淡いブルーグレー
系色を着色することができた。さらに、これらの材料
は、いずれも電着塗装をすることができた。
【0058】
【発明の効果】本発明により、従来の方法により得るこ
とができなかった、耐光性に優れ、かつ電着塗装が可能
な、淡いグレー系色または淡いブルーグレー系色を有す
るアルミニウム材料が提供されること、また、本発明の
方法により、従来の方法に比べてつき廻り性および再現
性に優れ、かつ色の濃さを任意にコントロールできる、
電解着色アルミニウム材料の製造方法が提供されるこ
と、は[発明の概要]の項に前記したとおりである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡 辺 正 敏 神奈川県平塚市西八幡1−4−3 株式会 社パイロット平塚工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】明度指数ならびにクロマティクネス指数が
    下記の範囲内である色を有することを特徴とする、電解
    着色されたアルミニウム材料。 L* 60以上83以下 a* −4.0以上3.0以下 b* −9.0以上3.0以下
  2. 【請求項2】明度指数ならびにクロマティクネス指数が
    下記の範囲内である色を有する、請求項1に記載のアル
    ミニウム材料。 L* 60以上80以下 a* −3.5以上2.0以下 b* −8.0以上3.0以下
  3. 【請求項3】明度指数ならびにクロマティクネス指数が
    下記の範囲内である色を有する、請求項1または2のい
    ずれか1項に記載のアルミニウム材料。 L* 65以上80以下 a* −3.0以上1.5以下 b* −7.0以上2.0以下
  4. 【請求項4】明度指数ならびにクロマティクネス指数が
    下記の範囲内である色を有する、請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載のアルミニウム材料。 L* 70以上80以下 a* −2.5以上1.5以下 b* −6.0以上2.0以下
  5. 【請求項5】封孔処理仕上面、電着塗装面、静電塗装面
    または吹付塗装面のうち、少なくともひとつをその表面
    上に有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアル
    ミニウム材料。
  6. 【請求項6】陽極酸化処理をしたアルミニウム材料に対
    して、下記の各工程の処理を行うことにより電解着色被
    膜を形成させることを特徴とする、アルミニウム材料の
    電解着色法。 (1)このアルミニウム材料を陽極として、酸性の電解
    液中において、直流成分を含むアノード分極の強い交流
    電流で電解を行う第1工程、 (2)第1工程を経たアルミニウム材料を陽極として、
    下記の(a)および(b)を含有する電解液中で直流成
    分を含むアノード分極の強い交流電流で電解を行う第2
    工程、(a)金属塩を少なくとも1種、(b)無機酸ま
    たは有機酸、あるいは無機酸または有機酸のアンモニウ
    ム塩、を少なくとも1種、 (3)第2工程を経たアルミニウム材料を、前記した
    (a)および(b)を含有する電解液中で直流成分を含
    むカソード分極の強い交流電流で電解を行う第3工程。
  7. 【請求項7】第2工程および(または)第3工程に用い
    る電解液が、ニッケル、コバルト、スズ、鉄、銅、モリ
    ブデン、マンガン、亜鉛、セレンおよびマグネシウムか
    らなる群から選ばれる金属の塩を含有する、請求項6に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】第2工程および(または)第3工程に用い
    る電解液が、ニッケルおよび(または)スズの塩を含有
    する、請求項7に記載の方法。
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