JPH08314525A - 産業用ロボットの制御装置および産業用ロボットの加速時間設定方法 - Google Patents

産業用ロボットの制御装置および産業用ロボットの加速時間設定方法

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JPH08314525A
JPH08314525A JP12247795A JP12247795A JPH08314525A JP H08314525 A JPH08314525 A JP H08314525A JP 12247795 A JP12247795 A JP 12247795A JP 12247795 A JP12247795 A JP 12247795A JP H08314525 A JPH08314525 A JP H08314525A
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JP
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acceleration
movable part
time
slider
calculated
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JP12247795A
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Inventor
Kiyoshi Miyazaki
清 宮崎
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Shibaura Mechatronics Corp
Original Assignee
Shibaura Engineering Works Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 産業用ロボットの加速時および減速時におけ
る産業用ロボットの破損或いは動作不良の発生を防止す
ることができ、動作上の信頼性を格段に向上することが
できる産業用ロボットの制御装置および産業用ロボット
の加速時間設定方法を提供する。 【構成】 ロボット1は、モータ6、9によってボール
ネジ15が回転されることによりボールネジ15に螺合
されたスライダ2が移動し、スライダ2を含む総質量m
の可動部を有している。制御装置11は、可動部が速度
v0の定速走行状態から空走し摩擦力により停止するま
での空走距離Lを測定する。制御装置11は、速度v0
と、測定された空走距離Lとから、空走状態での可動部
に作用する加速度αを演算する。制御装置11は、演算
された加速度αと予め定める基準摩擦力fとから、可動
部の総質量mを演算する。制御装置11は、演算された
総質量mと、予め定める可動部の最大加速度α0とか
ら、可動部の最小加速時間Tacを演算する。制御装置
11は、演算された最小加速時間Tacを定めて、可動
部を移動制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業用ロボットの制御
装置および産業用ロボットの加速度設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業用ロボット(以下、ロボット)の一
例として、ステッピングモータ(以下、モータ)で回転
駆動されるボールネジに螺合しているスライダが、ボー
ルネジの双方向の回転に伴って直線状に往復移動する構
成が用いられる場合が多い。このような構成を相互に直
交するXY方向或いは相互に直交するXYZ方向に組み
合わせることにより、平面上の任意の位置、或いは空間
内の任意の位置に前記スライダを移動させることができ
る。以下の説明では、前記直線移動を行う構成がXY方
向に組み合わせられている場合を想定する。
【0003】このような平面上の任意の位置で作業を実
行できるロボットにおいて、ロボットの移動上の原点な
どから、所定の経路を経て所定の作業位置に前記スライ
ダを移動させる必要がある。このとき、スライダは停止
位置から加速し、定速状態をへて減速して停止する。こ
のようなロボットの移動は、例としてティーチングペン
ダントなどの入力装置を用いて、操作者が所定の言語を
用いてプログラムとして入力している。
【0004】一方、前記スライダの加速および減速に関
して、モータの特性、或いはモータからボールネジへ動
力を伝達する動力伝達機構の機械的強度、更にはボール
ネジの機械的強度などに基づいて、最大加速度或いは最
大減速加速度(以下、総称して加速度とする。必要な場
合は加速度或いは減速加速度と称する場合がある)が予
め定められている。前記操作者は、前記ロボットの移動
に関するプログラムを入力する場合、前記最大加速度を
勘案して、設定する加速度或いは減速加速度を定めてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなロボットの
移動に関するプログラムを設計し入力する場合に、人手
で行うため、ロボットに設定される加速度或いは減速加
速度が誤って前記最大加速度を超えて設定され、或いは
入力される場合がある。このような誤ったプログラムが
入力されたロボットが稼働を開始すると、動力伝達機構
或いはボールネジが破損したり、モータの特性と不適合
なプログラムとなって、設計した動作をロボットが実行
できない動作不良が発生する。これにより、ロボットの
動作上の信頼性が低いという問題点がある。
【0006】本発明は、上述の技術的課題を解決するた
めになされたものであり、その目的は、産業用ロボット
の加速時および減速時における産業用ロボットの破損或
いは動作不良の発生を防止することができ、動作上の信
頼性を格段に向上することができる産業用ロボットの制
御装置および産業用ロボットの加速時間設定方法を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の産業用
ロボットの制御装置は、モータによってボールネジが回
転されることにより該ボールネジに螺合されたスライダ
が移動し、該スライダを含む質量mの可動部を有する産
業用ロボットを駆動制御する産業用ロボットの制御装置
であって、該可動部が速度v0の移動状態から空走し、
摩擦力が作用して停止するまでの空走距離Lを測定する
空走距離測定手段と、該速度v0と該空走距離Lとか
ら、該空走状態での該可動部に作用する加速度αを演算
する加速度演算手段と、該演算された該加速度αと予め
定められた基準摩擦力fとから、該可動部の該質量mを
演算する質量演算手段と、該演算された質量mと、予め
定める該可動部の最大加速度とから、該可動部の最小加
速時間を演算する時間演算手段と、該演算された最小加
速時間以上の加速時間を定めて、該可動部を移動制御す
る移動制御部とを備えており、そのことによって、前記
目的を達成することができる。
【0008】請求項2の発明の産業用ロボットの加速時
間の設定方法は、モータによってボールネジが回転され
ることにより該ボールネジに螺合されたスライダが移動
し、該スライダを含む質量mの可動部を有する産業用ロ
ボットの加速時間を設定する方法であって、該可動部が
速度v0の移動状態から空走し、摩擦力が作用して停止
するまでの空走距離Lを測定するステップと、該速度v
0と該空走距離Lとから、該空走状態での該可動部に作
用する加速度αを演算するステップと、該演算された該
加速度αと予め定める基準摩擦力fとから、該可動部の
該質量mを演算するステップと、該演算された質量m
と、予め定める該可動部の最大加速度とから、該可動部
の最小加速時間を演算するステップと、該演算された最
小加速時間以上の加速時間を定めて、該可動部を移動制
御するステップとを含んでおり、そのことによって、前
記目的を達成することができる。
【0009】
【作用】請求項1の発明の産業用ロボットの制御装置で
制御される産業用ロボットは、モータによってボールネ
ジが回転されることにより該ボールネジに螺合されたス
ライダが移動し、該スライダを含む質量mの可動部を有
している。制御装置の空走距離測定手段は、可動部が速
度v0の移動状態から空走し摩擦力により停止するまで
の空走距離Lを測定する。加速度演算手段は、速度v0
と、空走距離測定手段によって測定された空走距離Lと
から、該空走状態での可動部に作用する加速度αを演算
する。質量演算手段は、加速度演算手段で演算された加
速度αと予め定める基準摩擦力fとから、可動部の質量
mを演算する。時間演算手段は、質量演算手段で演算さ
れた質量mと、予め定める可動部の最大加速度とから、
可動部の最小加速時間を演算する。移動制御部は、時間
演算手段で演算された最小加速時間以上の加速時間を定
めて、可動部を移動制御する。
【0010】これにより、産業用ロボットの移動に関す
るプログラムを設計し入力する場合に、人手で行う場合
と比較し、ロボットに設定される加速度が、前記最大加
速度を超えて誤って設定され、或いは入力されることを
防止することができる。従って、産業用ロボットにおい
て、モータからボールネジに動力を伝達する動力伝達機
構或いはボールネジが破損したり、モータの特性から設
計した動作をロボットが実行できない動作不良が発生す
る事態を防止することができる。
【0011】請求項2の発明の産業用ロボットの加速時
間の設定方法は、モータによってボールネジが回転され
ることにより該ボールネジに螺合されたスライダが移動
し、該スライダを含む質量mの可動部を有する産業用ロ
ボットの加速時間を設定する方法である。本発明の設定
方法では、可動部が速度v0の移動状態から空走し、摩
擦力が作用して停止するまでの空走距離Lを測定し、速
度v0と空走距離Lとから、空走状態での該可動部に作
用する加速度αを演算する。つぎに、演算された加速度
αと予め定める基準摩擦力fとから、可動部の該質量m
を演算し、演算された質量mと、予め定める可動部の最
大加速度とから、可動部の最小加速時間を演算する。前
記演算された最小加速時間以上の加速時間を定めて、可
動部を移動制御する。これによっても、前記請求項1の
発明の作用が実現されることができる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の一実施例の産業用ロボット1
(以下、ロボット)の系統図であり、図2はロボット1
の一部分の断面図である。以下、本実施例のロボット1
の構成を図1を参照して説明する。ロボット1は、例と
して各種の動作を行うチャックなどが取付けられるスラ
イダ2をY軸方向に往復平行移動するY軸駆動部材3
と、Y軸駆動部材3をX軸方向に往復平行移動するX軸
駆動部材4とを備える。Y軸駆動部材3は、レール部5
とモータ6とエンコーダ7とを備える。X軸駆動部材4
は、レール部8とモータ9とエンコーダ10とを備え
る。各駆動部材3、4のモータ6、9と、エンコーダ
7、10とは、マイクロコンピュータなどの制御装置1
1に接続され、制御装置11に設けられているメモリに
入力され記憶された動作プログラムに基づいて各種動作
を行っている。
【0013】前記モータ6、9は、制御装置11に記憶
されている前記動作プログラムに基づいて、スライダ2
がXY平面上の所定の経路を経て所定の動作位置に移動
するように、加速時の加速時間、定速時の定速時間、お
よび減速時の減速時間が個別に定められ、これらの加速
時間、定速時間、および減速時間に基づいて駆動制御さ
れる。また、各エンコーダ7、10は、各モータ6、9
の回転速度および回転方向に対応する態様のそれぞれ複
数のパルス信号からなる検出信号Sy、Sxをそれぞれ
出力する。これらの検出信号Sy、Sxは制御装置11
に入力され、後述する信号処理が行われ、前記加速時
間、定速時間、および減速時間が演算される。演算され
て得られた加速時間、定速時間、および減速時間に基づ
いて、制御装置11はモータ6、9を駆動する。
【0014】前記検出信号Syは、例として相互に位相
がずれた2つのパルス信号として実現される。制御装置
11は、この2つのパルス信号の周波数からモータ6の
回転速度、従ってスライダ2の走行速度を検出すること
ができ、また、2つのパルス信号の相互の位相のずれの
時間的前後関係からモータ6の回転方向、従ってスライ
ダ2の走行方向を検出することができる。X軸駆動部材
4のエンコーダ10からの検出信号も前記エンコーダ7
からの検出信号と同様に定められ、前述したY軸駆動部
材3におけるスライダ2の走行速度および走行方向の検
出動作と同様に、X軸駆動部材4が走行駆動するY軸駆
動部材3の走行速度および走行方向が制御装置11によ
って検出される。
【0015】以下、例としてY軸駆動部材3の詳細な構
成について、図2を参照して説明する。Y軸駆動部材3
は、長手板状の支持板12と、支持板12の両端に支持
板12と垂直に設けられた端板13、14とを備え、端
板13にはボールネジ15の一端が回転自在に支持さ
れ、端板14にはボールネジ15が貫通して回転自在に
支持される。端板13、14間のボールネジ15にはス
ライダ2が装着される。スライダ2は、ボールネジ15
の双方向の回転に従って矢符A1方向またはその逆方向
に平行移動され、例として端板13、14間に固定され
る案内レール(図示せず)などによって、前記ボールネ
ジ15の周りに回転しないように保持される。前記ボー
ルネジ15の端板14の外方に突出した端部は、モータ
6の回転軸にカップリング16を介して連結され、モー
タ6の双方向の回転に伴って双方向に回転駆動される。
【0016】このようなY軸駆動部材3の構成は、X軸
駆動部材4でも基本的に同様であり、X軸駆動部材4の
構成部分について言及するときは、Y軸駆動部材3の構
成について用いた前記各参照符号に添字aを付して用い
る。
【0017】図3は本実施例のロボット1の電気的構成
を示すブロック図である。本実施例のロボット1の前記
制御装置11は、前記モータ(図中、符号My、Mxで
示す)6、7をエンコーダ9、10(図中、Ey、Ex
で示す)とI/O(入力/出力)バッファ17を介して
接続されているマイクロプロセッサを含んで構成される
処理部18と、メモリ19とを備ている。メモリ19に
は、例としてY軸駆動部材3が後述するようにモータ6
からの駆動を受けず空走する場合におけるスライダ2、
ボールネジ15、カップリング16、およびモータ6の
回転軸などのY軸駆動部材3の可動部に加わる基準摩擦
力fのデータが記憶されている。この基準摩擦力fのデ
ータは、ロボット1の製造時にバネばかりなどを用いて
測定して予め得ることができる。また、Y軸駆動部材3
における前記可動部の機械的強度などの点で、該可動部
に可能な最大加速度α0も、ロボット1の製造時の実験
などにより予め知ることができる。この最大加速度α0
に関するデータも、前記メモリ19に予め記憶されてい
る。メモリ19には、更に、前記ロボットに入力された
動作プログラムや各種定数、或いは後述するように定め
られる前記加速時間、定速時間、および減速時間などの
随時設定される定数、或いは各種変数などが記憶されて
いる。
【0018】図4は本実施例のロボット1の動作を説明
するフローチャートである。本実施例の特徴の一つは、
以下の点にある。ロボット1において、例としてスライ
ダ2に装着されるチャックなどの動作端が取り替えられ
るなどにより、ロボット1がモータ6、9によって駆動
すべき質量が変動したり、或いはロボット1が工場の生
産ラインなどに新規に設置されるなどして、ロボット1
の動作時の前記加速時間、定速時間、および減速時間な
どを新たにロボット1に対して設定する必要が生じたと
きに、この各種時間の設定を操作者の入力に依存せず
に、ロボット1が自動的に行い、これらの各種時間をロ
ボット1が記憶する。ロボット1は自動的に設定され記
憶された前記各時間のデータに基づいて、前記各モータ
6、9を回転駆動する。この点が本実施例の特徴の一つ
である。
【0019】以下、本実施例の動作例について図1〜図
4を参照して説明する。以下の説明では、Y軸駆動部材
3の動作例について説明するが、X軸駆動部材4につい
ても同様な処理が行われる。ステップa1において、操
作者はロボット1のY軸駆動部材3のモータ6を起動し
スライダ2を所定方向に移動開始させる。ステップa2
において、エンコーダ7からの検出信号を測定しスライ
ダ2の走行速度を検出する。具体的には、制御装置11
を用いて、Y軸駆動部材3のエンコーダ7からの前記検
出信号であるパルス信号の周波数を計数し、これに基づ
いてモータ6の回転速度を検出する。ステップa3にお
いて、スライダ2の速度が速度v0であるかどうかを判
断する。具体的には、前記検出信号の周波数が、スライ
ダ2が速度v0である場合に対応する周波数であるかど
うかを判断する。この判断が否定であれば処理はステッ
プa2に戻り、検出信号の周波数の前記計数を行う。ス
テップa2、a3の処理により、スライダ2が速度v0
で走行するようにモータ6への駆動信号が制御される。
【0020】ステップa3において、スライダ2が速度
v0で走行していることが判断されると、処理はステッ
プa4に移り、操作者はモータ6をサーボフリーの状態
にする。このサーボフリーの状態とは、モータ6を空転
させ、加速或いは減速などを行わない状態である。従っ
て、スライダ2は慣性で走行し、スライダ2に作用する
力は、スライダ2とレール部5の前記案内レールとの
間、或いはスライダ2とボールネジ15との間などにお
ける摩擦力のみである。この摩擦力は、一般に前記基準
摩擦力fである。スライダ2は前記基準摩擦力fのみに
よって次第に減速される。この基準摩擦力fは、前述し
たようにロボット1の製造時に測定によって予め得られ
ており、基準摩擦力fのデータはメモリ19に記憶され
ている。また、Y軸駆動部材3における前記可動部に可
能な最大加速度α0もメモリ19に予め記憶されてい
る。
【0021】ステップa5において、スライダ2が停止
したと判断されるまで、前記検出信号の周波数の計数を
行う。ステップa5でスライダ2が停止したと判断され
ると、処理はステップa6に移り、モータ6をサーボフ
リーの状態にした時点からスライダ2が停止するまでス
ライダ2が空走した空走距離Lを、エンコーダ7からの
検出信号のパルス数を計数することにより演算する。ス
テップa7において、スライダ2が空走しているときに
スライダ2に作用している加速度αを以下のようにして
演算する。
【0022】スライダ2が空走している状態での力と加
速度とに関する方程式は、スライダ2に作用する力とし
て基準摩擦力fと加速度αとこのときのY軸駆動部材3
における可動部であるスライダ2、ボールネジ15、カ
ップリング16、およびモータ6の回転軸などの総質量
mとを用いて、下式、 f=mα (1) で表される。また、前記一定速度v0、および空走距離
Lから、 mv0/2=mαL (2) から、 α=v0/2L (3) が得られる。
【0023】ステップa8では、前記第1式と第3式と
から、 m=f/α=2Lf/v0 (4) によって、前記可動部の総質量mが演算される。ステッ
プa9では、演算されて得られた総質量mから、以下の
ようにしてY軸駆動部材3における最適加速時間Tac
が演算される。
【0024】前述したように、メモリ19に記憶されて
いるY軸駆動部材3における前記可動部の最大加速度α
0と、前記演算されて得られた可動部の総質量mとか
ら、可動部に印加される力の最大の限界値f0は、 f0=mα0 (5) となる。従って、制御装置11の処理部18は、限界値
f0に関して、 f0=mα0≧mβ (6) の関係になる加速度βを適宜定める。この加速度βは最
大加速度α0と等しくてもよく、或いは最大加速度α0
に1以下の所定の係数を乗じた数値に選ばれてもよい。
つぎに、加速度βと、前記可動部がこの加速度βで加速
して到達する速度v0と、速度v0になるまでの加速時
間Tacとの間には、 v0=βTac (7) の関係があることから、加速時間Tacとして、 Tac=v0/β (8) が得られる。
【0025】このようにして、Y軸駆動部材3の総質量
mを有する前記可動部を停止状態から速度v0にするま
での加速時間Tacが得られる。
【0026】この加速時間Tacは、総質量mの前記可
動部を加速度βでこの加速時間Tacだけ加速すること
によってこの可動部が速度v0に到達する時間となって
おり、可動部を設計された定速走行時の定常速度v0に
到達させることができる。
【0027】また、この加速時間Tacで可動部を停止
状態から速度v0に到達するまで加速しても、加速度β
は、前記最大加速度α0に対して前記第6式を満足して
いる。従って、この加速度βで可動部を駆動しても、ボ
ールネジ15やカップリング16などに、その機械的強
度を超える力を作用させず、ボールネジ15やカップリ
ング16などが破損する事態が防止される。
【0028】また、加速時間Tacの設定は、前述した
ように可動部、具体的にはスライダ2を速度v0で走行
させた後、Y軸駆動部材3を前述したようなサーボフリ
ー状態にすることによって自動的に行われる。これによ
り、加速時間Tacのデータを操作者が手動で入力する
場合と比較し、入力ミスなどにより加速時間Tacが経
過しても、設計された定常速度v0に到達しない事態
や、前記最大加速度α0を超えた加速度で加速されてし
まう事態の発生を防止することができる。これにより、
ロボット1の動作上の信頼性を格段に向上することがで
きる。
【0029】前記の説明では、スライダ2の速度が増大
する加速時の場合を説明したが、スライダ2が定常速度
から停止する際の減速時の減速時間も、前記加速時間T
acと同一の加速時間のデータを用いることができる。
更に、スライダ2の全移動距離L0から前記空走距離L
の2倍を差し引けば、定常速度v0での走行距離にな
り、この走行距離を走行する走行時間は、(L0ー2
L)/v0で得られる。従って、ロボット1は、スライ
ダ2の起動時、定常速度時、および減速時の各移動時間
を個別にそれぞれ自動的に設定することができる。これ
により、ロボット1の使用性が格段に向上される。ま
た、このような効果を達成することができる産業用ロボ
ットの加速度設定方法を実現することができる。
【0030】前記実施例では、Y軸駆動部材3に関して
説明したが、X軸駆動部材4に関しても同様な処理が可
能である。この場合、X軸駆動部材4の可動部は、Y軸
駆動部材3、ボールネジ15、カップリング16、およ
びモータ6の回転軸などになる。従って、本発明によっ
て、X軸駆動部材4、およびY軸駆動部材3のいずれに
対しても、同様な操作で最適な加速時間および定常速度
時間を自動的に設定することができ、このような場合も
前記実施例で説明した効果と同様な効果を達成すること
ができる。
【0031】前記実施例では、相互に直交するX軸、お
よびY軸に沿って移動可能なX軸駆動部材4およびY軸
駆動部材3に関して説明したが、相互に直交する3軸、
或いは回転駆動されるロボットに関しても同様な処理を
行って、前記加速時間、および定速走行時間を設定する
ことができる。従って、このような場合も前記実施例で
説明した効果と同様な効果を達成することができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明に従えば、
制御装置の空走距離測定手段、加速度演算手段、質量演
算手段、および移動制御部とによって、可動部が速度v
0の移動状態から空走し摩擦力により停止するまでの空
走距離L、このときの加速度α、可動部の質量m、およ
び可動部の最小加速時間を演算し、時間演算手段で演算
された最小加速時間以上の加速時間を定めて、可動部を
移動制御するようにしている。
【0033】これにより、産業用ロボットの移動に関す
るプログラムを設計し入力する場合に、人手で行う場合
と比較し、ロボットに設定される加速度が、前記最大加
速度を超えて誤って設定され、或いは入力されることを
防止することができる。従って、産業用ロボットにおい
て、モータからボールネジに動力を伝達する動力伝達機
構或いはボールネジが破損したり、モータの特性から設
計した動作をロボットが実行できない動作不良が発生す
る事態を防止することができ、ロボットの動作上の信頼
性を格段に向上することができる。
【0034】請求項2の発明の加速度の設定方法によっ
ても、請求項1の発明の効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のロボット1の系統図であ
る。
【図2】ロボット1の一部分の断面図である。
【図3】本実施例のロボット1の電気的構成を示すブロ
ック図である。
【図4】本実施例のロボット1の動作を説明するフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 ロボット 2 スライダ 3 Y軸駆動部材 4 X軸駆動部材 6、9 モータ 7、10 エンコーダ 11 制御装置 15 ボールネジ 18 処理部 19 メモリ Sx、Sy 検出信号 L 空走距離 m 可動部の総質量 v0 定常速度 α0 最大加速度 β 適正加速度

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータによってボールネジが回転されるこ
    とにより該ボールネジに螺合されたスライダが移動し、
    該スライダを含む質量mの可動部を有する産業用ロボッ
    トを駆動制御する産業用ロボットの制御装置であって、 該可動部が速度v0の移動状態から空走し、摩擦力が作
    用して停止するまでの空走距離Lを測定する空走距離測
    定手段と、 該速度v0と該空走距離Lとから、該空走状態での該可
    動部に作用する加速度αを演算する加速度演算手段と、 該演算された該加速度αと予め定めた基準摩擦力fとか
    ら、該可動部の該質量mを演算する質量演算手段と、 該演算された質量mと、予め定める該可動部の最大加速
    度とから、該可動部の最小加速時間を演算する時間演算
    手段と、 該演算された最小加速時間以上の加速時間を定めて、該
    可動部を移動制御する移動制御部とを備える産業用ロボ
    ットの制御装置。
  2. 【請求項2】モータによってボールネジが回転されるこ
    とにより該ボールネジに螺合されたスライダが移動し、
    該スライダを含む質量mの可動部を有する産業用ロボッ
    トの加速時間を設定する方法であって、 該可動部が速度v0の移動状態から空走し、摩擦力が作
    用して停止するまでの空走距離Lを測定するステップ
    と、 該速度v0と該空走距離Lとから、該空走状態での該可
    動部に作用する加速度αを演算するステップと、 該演算された該加速度αと予め定める基準摩擦力fとか
    ら、該可動部の該質量mを演算するステップと、 該演算された質量mと、予め定める該可動部の最大加速
    度とから、該可動部の最小加速時間を演算するステップ
    と、 該演算された最小加速時間以上の加速時間を定めて、該
    可動部を移動制御するステップとを含む産業用ロボット
    の加速時間設定方法。
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