JPH08318492A - 産業用ロボットの制御装置および産業用ロボットの警報方法 - Google Patents

産業用ロボットの制御装置および産業用ロボットの警報方法

Info

Publication number
JPH08318492A
JPH08318492A JP12247895A JP12247895A JPH08318492A JP H08318492 A JPH08318492 A JP H08318492A JP 12247895 A JP12247895 A JP 12247895A JP 12247895 A JP12247895 A JP 12247895A JP H08318492 A JPH08318492 A JP H08318492A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frictional force
movable part
slider
acceleration
industrial robot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12247895A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Miyazaki
清 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibaura Mechatronics Corp
Original Assignee
Shibaura Engineering Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shibaura Engineering Works Co Ltd filed Critical Shibaura Engineering Works Co Ltd
Priority to JP12247895A priority Critical patent/JPH08318492A/ja
Publication of JPH08318492A publication Critical patent/JPH08318492A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Position Or Direction (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Manipulator (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロボットの動作が不良となった場合に速やか
に外部に対して警報を発生することにより、動作上の信
頼性を向上することができ、また、産業用ロボットの各
部の破損を防止することができる産業用ロボットの制御
装置および産業用ロボットの警報方法を提供する。 【構成】 ロボット1は、チャックなどが取付けられる
スライダ2をY軸方向に往復平行移動するY軸駆動部材
3と、Y軸駆動部材3をX軸方向に往復平行移動するX
軸駆動部材4とを備える。Y軸駆動部材3は、レール部
5とモータ6とエンコーダ7とを備える。X軸駆動部材
4は、レール部8とモータ9とエンコーダ10とを備え
る。各駆動部材3、4のモータ6、9と、エンコーダ
7、10とは、マイクロコンピュータなどの制御装置1
1に接続され、制御装置11に設けられているメモリに
入力され記憶された動作プログラムに基づいて各種動作
を行っている。制御装置11には警報部20が接続され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業用ロボットの制御
装置および産業用ロボットの警報方法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業用ロボット(以下、ロボット)の一
例として、ステッピングモータ(以下、モータ)で回転
駆動されるボールネジに螺合しているスライダが、ボー
ルネジの双方向の回転に伴って、案内レールに沿って直
線状に往復移動する構成が用いられる場合が多い。この
ような構成を相互に直交するXY方向或いは相互に直交
するXYZ方向に組み合わせることにより、平面上の任
意の位置、或いは空間内の任意の位置に前記スライダを
移動させることができる。以下の説明では、前記直線移
動を行う構成がXY方向に組み合わせられている場合を
想定する。
【0003】このような平面上の任意の位置で作業を実
行できるロボットにおいて、ロボットの移動上の原点な
どから、所定の経路を経て所定の作業位置に前記スライ
ダを移動させる必要がある。このとき、スライダは停止
位置から加速し、定速状態をへて減速して停止する。こ
のようなロボットの移動は、例としてティーチングペン
ダントなどの入力装置を用いて、操作者が所定の言語を
用いてプログラムとして入力して実行している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなロボットが
実際に稼働される際に、前記ボールネジ或いは案内レー
ルに塵埃や汚れ、各種異物が付着し、これによりスライ
ダに大きな摩擦力が作用することがある。このような場
合、スライダを事前にプログラムされた所定の経路に沿
って所定の時間で移動させるために、モータを所定の駆
動状態で駆動しても、所定の経路を移動するのに過大な
時間を要し、スライダが目的とするXY平面上の動作位
置に到達できない不具合を生じる。これにより、ロボッ
トの動作上の信頼性が大きく損なわれる。また、摩擦力
が過大に大きい場合、この摩擦力に抗してスライダを走
行させようとすると、前記ボールネジなどの動力伝達機
構が破損する場合がある。
【0005】本発明は、上述の技術的課題を解決するた
めになされたものであり、その目的は、ロボットの動作
が不良となった場合に速やかに外部に対して警報を発生
することにより、動作上の信頼性を向上することがで
き、また、産業用ロボットの各部の破損を防止すること
ができる産業用ロボットの制御装置および産業用ロボッ
トの警報方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の産業用
ロボットの制御装置は、モータによってボールネジが回
転されることにより該ボールネジに螺合されたスライダ
が移動し、該スライダを含む質量mの可動部を有する産
業用ロボットを駆動制御する産業用ロボットの制御装置
であって、該可動部が速度v0の移動状態から空走し、
摩擦力が作用して停止するまでの空走距離Lを測定する
空走距離測定手段と、該速度v0と該空走距離Lとか
ら、該空走状態での該可動部に作用する加速度αを演算
する加速度演算手段と、該演算された該加速度αと予め
定める基準摩擦力f0とから、該可動部の該質量mを演
算する質量演算手段と、該演算された該加速度αと、該
演算された可動部の質量mとから、該空走状態の可動部
に作用する摩擦力fを演算する摩擦力演算手段と、該演
算された摩擦力fと、該基準摩擦力f0とを比較して、
該摩擦力fが該基準摩擦力f0を超えたときに警報を出
力する警報出力手段とを備えており、そのことによっ
て、前記目的を達成することができる。
【0007】請求項2の発明の産業用ロボットの警報方
法は、モータによってボールネジが回転されることによ
り該ボールネジに螺合されたスライダが移動し、該スラ
イダを含む質量mの可動部を有する産業用ロボットの警
報方法であって、該可動部が速度v0の移動状態から空
走し、摩擦力が作用して停止するまでの空走距離Lを測
定するステップと、該速度v0と該空走距離Lとから、
該空走状態での該可動部に作用する加速度αを演算する
ステップと、該演算された該加速度αと予め定める基準
摩擦力f0とから、該可動部の該質量mを演算するステ
ップと、該演算された該加速度αと、該演算された可動
部の質量mとから、該空走状態の可動部に作用する摩擦
力fを演算するステップと、該演算された摩擦力fと、
該基準摩擦力f0とを比較して、該摩擦力fが該基準摩
擦力f0を超えたときに警報を出力するステップとを含
んでおり、そのことによって、前記目的を達成すること
ができる。
【0008】
【作用】請求項1の発明の制御装置で制御される産業用
ロボットは、モータによってボールネジが回転されるこ
とにより該ボールネジに螺合されたスライダが移動し、
該スライダを含む質量mの可動部を有している。制御装
置の空走距離測定手段は、可動部が速度v0の移動状態
から空走し、摩擦力が作用して停止するまでの空走距離
Lを測定し、加速度演算手段は、速度v0と空走距離L
とから、空走状態での可動部に作用する加速度αを演算
する。また、質量演算手段は、演算された加速度αと予
め定める基準摩擦力f0とから、可動部の質量mを演算
する。摩擦力演算手段は、加速度演算手段で演算された
加速度αと、質量演算手段で演算された可動部の質量m
とから、空走状態の可動部に作用する摩擦力fを演算
し、警報出力手段は、摩擦力演算手段で演算された摩擦
力fと、予め測定された可動部の基準摩擦力f0とを比
較して、摩擦力fが基準摩擦力f0を超えたときに警報
を出力する。
【0009】これにより、産業用ロボットが実際に稼働
される際に、産業用ロボットのボールネジなどに塵埃や
汚れ、各種異物が付着し、これによりスライダに大きな
摩擦力が作用する場合でも、摩擦力の過大な増大が速や
かに検知され、前記警報出力手段で警報が出力される。
これにより、スライダが目的とする動作位置に到達でき
ない不具合の発生を防止することができ、産業用ロボッ
トの動作上の信頼性を格段に向上することができる。ま
た、前記警報出力によって、スライダを過大な摩擦力に
抗して駆動する事態が防止され、ボールネジなどの産業
用ロボット各部の破損の発生を防止することができる。
【0010】請求項2の発明の産業用ロボットの警報方
法は、可動部が速度v0の移動状態から空走し、摩擦力
fが作用して停止するまでの空走距離Lが測定され、速
度v0と該空走距離Lとから、空走状態での可動部に作
用する加速度αが演算される。つぎに、演算された加速
度αと予め定める基準摩擦力f0とから、可動部の質量
mが演算される。演算された加速度αと、可動部の演算
された質量mとから、空走状態の可動部に作用する摩擦
力fが演算され、演算された摩擦力fと予め測定された
可動部の基準摩擦力f0とが比較され、摩擦力fが該基
準摩擦力f0を超えたときに警報が出力される。このこ
とによって、前記請求項1の作用と同様な作用が達成さ
れる。
【0011】
【実施例】図1は本発明の一実施例の産業用ロボット1
(以下、ロボット)の系統図であり、図2はロボット1
の一部分の断面図である。以下、本実施例のロボット1
の構成を図1を参照して説明する。ロボット1は、例と
して各種の動作を行うチャックなどが取付けられるスラ
イダ2をY軸方向に往復平行移動するY軸駆動部材3
と、Y軸駆動部材3をX軸方向に往復平行移動するX軸
駆動部材4とを備える。Y軸駆動部材3は、レール部5
とモータ6とエンコーダ7とを備える。X軸駆動部材4
は、レール部8とモータ9とエンコーダ10とを備え
る。各駆動部材3、4のモータ6、9と、エンコーダ
7、10とは、マイクロコンピュータなどの制御装置1
1に接続され、制御装置11に設けられているメモリに
入力され記憶された動作プログラムに基づいて各種動作
を行っている。制御装置11には、後述する動作を行う
警報部20が接続されている。
【0012】前記モータ6、9は、制御装置11に記憶
されている前記動作プログラムに基づいて、スライダ2
がXY平面上の所定の経路を経て所定の動作位置に移動
するように、加速時の加速時間、定速時の定速時間、お
よび減速時の減速時間が個別に定められ、これらの加速
時間、定速時間、および減速時間に基づいて駆動制御さ
れる。また、各エンコーダ7、10は、各モータ6、9
の回転速度および回転方向に対応する態様のそれぞれ複
数のパルス信号からなる検出信号Sy、Sxをそれぞれ
出力する。出力された検出信号Sy、Sxに基づいて、
制御装置11はモータ6、9が前記予めプログラムされ
た加速度、定常速度、および減速加速度に対応する回転
状態および回転速度となるように、モータ6、9に制御
装置11から出力される駆動信号を調整する。このよう
にして、制御装置11は、モータ6、9を予めプログラ
ムされた動作状態に対応する適正な回転状態に制御する
ことができる。
【0013】例として、モータ6の回転状態の制御は具
体的には以下のようにして行われる。前記検出信号Sy
は、例として相互に位相がずれた2つのパルス信号とし
て実現される。制御装置11は、この2つのパルス信号
の周波数からモータ6の回転速度、従ってスライダ2の
走行速度を検出することができ、また、2つのパルス信
号の相互の位相のずれの時間的前後関係からモータ6の
回転方向、従ってスライダ2の走行方向を検出すること
ができる。X軸駆動部材4のエンコーダ10からの検出
信号も前記エンコーダ7からの検出信号と同様に定めら
れ、前述したY軸駆動部材3におけるスライダ2の走行
速度および走行方向の検出動作と同様に、X軸駆動部材
4が走行駆動するY軸駆動部材3の走行速度および走行
方向が制御装置11によって検出される。
【0014】以下、例としてY軸駆動部材3の詳細な構
成について、図2を参照して説明する。Y軸駆動部材3
は、長手板状の支持板12と、支持板12の両端に支持
板12と垂直に設けられた端板13、14とを備え、端
板13にはボールネジ15の一端が回転自在に支持さ
れ、端板14にはボールネジ15が貫通して回転自在に
支持される。端板13、14間のボールネジ15にはス
ライダ2が装着される。スライダ2は、ボールネジ15
の双方向の回転に従って矢符A1方向またはその逆方向
に平行移動され、例として端板13、14間に固定され
る案内レール(図示せず)などによって、前記ボールネ
ジ15の周りに回転しないように保持される。前記ボー
ルネジ15の端板14の外方に突出した端部は、モータ
6の回転軸にカップリング16を介して連結され、モー
タ6の双方向の回転に伴って双方向に回転駆動される。
前記モータ6およびエンコーダ7は、前記警報部20が
接続された制御装置11に接続されている。
【0015】このようなY軸駆動部材3の構成は、X軸
駆動部材4でも基本的に同様であり、X軸駆動部材4の
構成部分について言及するときは、Y軸駆動部材3の構
成について用いた前記各参照符号に添字aを付して用い
る。
【0016】図3は本実施例のロボット1の電気的構成
を示すブロック図である。本実施例のロボット1の前記
制御装置11は、前記モータ(図中、符号My、Mxで
示す)6、7をエンコーダ9、10(図中、Ey、Ex
で示す)とI/O(入力/出力)バッファ17を介して
接続されているマイクロプロセッサを含んで構成される
処理部18と、メモリ19とを備えている。処理部18
には、後述する条件が成立した場合に外部に対して警報
を出力する例として警報ブザーや警報表示装置などの警
報出力部20が接続されている。
【0017】メモリ19には、例としてY軸駆動部材3
が後述するようにモータ6からの駆動を受けず空走する
場合におけるスライダ2、ボールネジ15、カップリン
グ16、およびモータ6の回転軸などのY軸駆動部材3
の可動部に加わる初期摩擦力f0のデータが記憶されて
いる。この初期摩擦力f0のデータは、ロボット1を工
場などに設置する場合に、バネばかりなどを用いて測定
して予め得ることができる。また、Y軸駆動部材3にお
ける前記可動部の機械的強度などの点で、該可動部に可
能な最大加速度α0も、ロボット1の製造時の実験など
により予め知ることができ、この最大加速度α0に関す
るデータも、前記メモリ19に予め記憶されている。メ
モリ19には、更に、前記ロボットに入力された動作プ
ログラムや各種定数、或いは後述するように定められる
前記加速時間、定速時間、および減速時間などの随時設
定される定数、逐次測定される可動部の質量や可動部に
作用する摩擦力、或いは各種変数などが記憶されてい
る。
【0018】図4は本実施例のロボット1の動作を説明
するフローチャートである。本実施例の特徴の一つは、
以下の点にある。ロボット1が実際に稼働される際に、
ロボット1のボールネジ15などに塵埃や汚れ、各種異
物が付着し、これによりスライダ2に大きな摩擦力が作
用する場合、この摩擦力の過大な増大を速やかに検知
し、外部に対して警報を出力する。この点が本実施例の
特徴の一つである。
【0019】以下、本実施例の動作例について図1〜図
4を参照して説明する。以下の説明では、Y軸駆動部材
3の動作例について説明するが、X軸駆動部材4につい
ても同様な処理が行われる。以下の説明におけるステッ
プa1〜a8は、ロボット1を例として工場などに設置
した際の初期設定動作として実行される処理であり、そ
れ以降のステップa9〜a12は、ロボット1が実際に
稼働を開始してからの処理である。従って、ステップa
1が開始される以前に、前述したようにバネばかりなど
を用いて、前記初期摩擦力f0の計測を行い、得られた
データをメモリ19に記憶させておく。
【0020】ステップa1において、操作者はロボット
1のY軸駆動部材3のモータ6を起動しスライダ2を所
定方向に移動開始させる。ステップa2において、エン
コーダ7からの検出信号を測定しスライダ2の走行速度
を検出する。具体的には、制御装置11を用いて、Y軸
駆動部材3のエンコーダ7からの前記検出信号であるパ
ルス信号の周波数を計数し、これに基づいてモータ6の
回転速度を検出して、この回転速度に対応するスライダ
2の走行速度を検出する。ステップa3において、スラ
イダ2の速度が速度v0であるかどうかを判断する。具
体的には、前記検出信号の周波数が、スライダ2が速度
v0である場合に対応する周波数であるかどうかを判断
する。この判断が否定であれば処理はステップa2に戻
り、検出信号の周波数の前記計数を行う。ステップa
2、a3の処理により、スライダ2が速度v0で走行す
るようにモータ6への駆動信号が制御される。
【0021】ステップa3において、スライダ2が速度
v0で走行していることが判断されると、処理はステッ
プa4に移り、操作者はモータ6をサーボフリーの状態
にする。このサーボフリーの状態とは、モータ6を空転
させ、加速或いは減速などを行わない状態である。従っ
て、スライダ2は慣性で走行し、スライダ2に作用する
力は、スライダ2とレール部5の前記案内レールとの
間、或いはスライダ2とボールネジ15との間などにお
ける摩擦力のみである。スライダ2は前記摩擦力のみに
よって次第に減速される。この摩擦力fは、ロボット1
の工場などへの設置時などでは、前記初期摩擦力f0と
同一と見なすことができる。この初期摩擦力f0のデー
タはメモリ19に記憶されている。また、Y軸駆動部材
3における前記可動部に可能な最大加速度α0もメモリ
19に予め記憶されている。
【0022】ステップa5において、スライダ2が停止
したと判断されるまで、前記検出信号の周波数の計数を
行う。ステップa5でスライダ2が停止したと判断され
ると、処理はステップa6に移り、モータ6をサーボフ
リーの状態にした時点からスライダ2が停止するまでス
ライダ2が空走した空走距離Lを、エンコーダ7からの
検出信号のパルス数を計数することにより演算する。ス
テップa7において、スライダ2が空走しているときに
スライダ2に作用している加速度αを以下のようにして
演算する。
【0023】スライダ2が空走している状態での力と加
速度とに関する方程式は、スライダ2に作用する力とし
て初期摩擦力f0と加速度αとこのときのY軸駆動部材
3における可動部であるスライダ2、ボールネジ15、
カップリング16、およびモータ6の回転軸などの総質
量mとを用いて、下式、 f0=mα (1) で表される。また、前記一定速度v0、および空走距離
Lから、 mv0/2=mαL (2) から、 α=v0/2L (3) が得られる。
【0024】ステップa8では、前記第1式と第3式と
から、 m=f0/α=2Lf0/v0 (4) によって、前記可動部の総質量mが演算される。この処
理が終了すると、前述した初期設定処理は終了する。
【0025】ステップa9では、ロボット1が工場の生
産ラインなどで可動するために実際に起動される。ステ
ップa10では、前記可動部に作用する摩擦力fが、以
下に説明するように計測される。ロボット1は、生産ラ
インにおける生産のための動作に関わりのないタイミン
グ、例として毎日の起動時、終了時、或いは待機状態な
どにおいて、前記ステップa1〜a8を自動的に実行
し、可動部に作用する摩擦力fを以下に説明するように
計測する。ステップa1〜a6は、前記の説明と同様な
処理を実行する。ステップa7の加速度αの演算におい
て、既に演算されて得られた総質量mと、前記速度v0
と、計測して得られている空走距離Lとから、加速度α
は、 f=mα (5) で表される。また、前記一定速度v0、および空走距離
Lから、 mv0/2=mαL (6) であり、これから、 α=v0/2L (7) が得られる。
【0026】第7式を第5式に代入すると、 f=v0m/2L (8) が得られる。
【0027】ステップa11では、ステップa10で得
られた摩擦力fと前記初期摩擦力f0とを、予め定めら
れる許容範囲Δfを基準として下式に基づいて比較す
る。
【0028】 |f−f0|>Δf (9) ステップa11において、第9式が成立すれば、ロボッ
ト1のY軸駆動部材3において、前記ボールネジ15或
いは案内レールに塵埃や汚れ、各種異物が付着するなど
して、スライダ2に過大な摩擦力が作用していることに
なる。このとき、処理はステップa12に移り、制御装
置11は前記警報部20で警報音の発生、或いは警報表
示の実行などの警報動作を実行させる。ステップa11
で第9式が成立しないことが判断されると、処理はステ
ップa10に戻り、前記摩擦力の計測を次のタイミング
で行う。
【0029】このようにして、本実施例のロボット1で
は、スライダ2に過大な摩擦力が作用していることを逐
次検出しリアルタイムに警報動作を行うようにしてい
る。これにより、ロボット1が実際に稼働される際に、
ロボット1のボールネジ15などに塵埃や汚れ、各種異
物が付着し、これによりスライダ2に大きな摩擦力が作
用する場合でも、摩擦力の過大な増大が速やかに検知さ
れ、警報部20によって警報が出力される。これによ
り、スライダ2が目的とする動作位置に到達できない不
具合の発生を防止することができ、ロボット1の動作上
の信頼性を格段に向上することができる。また、前記警
報出力によって、スライダ2を過大な摩擦力に抗して駆
動する事態が防止され、ボールネジ15などのロボット
1の各部の破損の発生を防止することができる。
【0030】また、本発明の他の実施例として、前記第
1式〜第9式によって、ロボット1の実際の稼動時に測
定された摩擦力を摩擦力f(i)とし、つぎのタイミン
グで測定された摩擦力を摩擦力f(i+1)として、前
記第9式に代えて、下記の第10式、 |f(i+1)−f(i)|>Δf (10) で、スライダ2に作用している現在の摩擦力f(i+
1)が、前回測定された摩擦力f(i)に対して過大に
増大しているかどうかを判断するようにしてもよい。こ
の場合には、ロボット1の使用に伴う磨耗の進行による
摺動抵抗の変化など時間的に必然に変化する要素を、過
大な摩擦力の発生の判断の根拠から除外することができ
る。これにより、本実施例において、前記実施例で説明
した効果に加え、過大な摩擦力の発生の判断をより高精
度に実行することができる。
【0031】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明に従えば、
制御装置の空走距離測定手段、加速度演算手段、および
質量演算手段によって、空走距離L、空走状態での可動
部に作用する加速度α、可動部の質量m、および空走状
態の可動部に作用する摩擦力fが演算される。これらの
演算結果に基づいて、警報出力手段は、演算された摩擦
力fと、予め測定された可動部の基準摩擦力f0とを比
較して、摩擦力fが基準摩擦力f0を超えたときに警報
を出力するようにしている。
【0032】これにより、産業用ロボットが実際に稼働
される際に、産業用ロボットのボールネジなどに塵埃や
汚れ、各種異物が付着し、これによりスライダに大きな
摩擦力が作用する場合でも、摩擦力の過大な増大が速や
かに検知され、前記警報出力手段で警報が出力される。
これにより、スライダが目的とする動作位置に到達でき
ない不具合の発生を防止することができ、産業用ロボッ
トの動作上の信頼性を格段に向上することができる。ま
た、前記警報出力によって、スライダを過大な摩擦力に
抗して駆動する事態が防止され、ボールネジなどの産業
用ロボット各部の破損の発生を防止することができる。
【0033】請求項2の発明の産業用ロボットの警報方
法によっても、請求項1の発明の効果と同様な効果を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のロボット1の系統図であ
る。
【図2】ロボット1の一部分の断面図である。
【図3】本実施例のロボット1の電気的構成を示すブロ
ック図である。
【図4】本実施例のロボット1の動作を説明するフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 ロボット 2 スライダ 3 Y軸駆動部材 4 X軸駆動部材 6、9 モータ 7、10 エンコーダ 11 制御装置 15 ボールネジ 18 処理部 19 メモリ 20 警報部 f 摩擦力 f0 初期摩擦力 L 空走距離 m 可動部の総質量 Sx、Sy 検出信号 v0 定常速度 α 加速度

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータによってボールネジが回転されるこ
    とにより該ボールネジに螺合されたスライダが移動し、
    該スライダを含む質量mの可動部を有する産業用ロボッ
    トを駆動制御する産業用ロボットの制御装置であって、 該可動部が速度v0の移動状態から空走し、摩擦力が作
    用して停止するまでの空走距離Lを測定する空走距離測
    定手段と、 該速度v0と該空走距離Lとから、該空走状態での該可
    動部に作用する加速度αを演算する加速度演算手段と、 該演算された該加速度αと予め定める基準摩擦力f0と
    から、該可動部の該質量mを演算する質量演算手段と、 該演算された該加速度αと、該演算された可動部の質量
    mとから、該空走状態の可動部に作用する摩擦力fを演
    算する摩擦力演算手段と、 該演算された摩擦力fと、該基準摩擦力f0とを比較し
    て、該摩擦力fが該基準摩擦力f0を超えたときに警報
    を出力する警報出力手段とを備える産業用ロボットの制
    御装置。
  2. 【請求項2】モータによってボールネジが回転されるこ
    とにより該ボールネジに螺合されたスライダが移動し、
    該スライダを含む質量mの可動部を有する産業用ロボッ
    トの警報方法であって、 該可動部が速度v0の移動状態から空走し、摩擦力が作
    用して停止するまでの空走距離Lを測定するステップ
    と、 該速度v0と該空走距離Lとから、該空走状態での該可
    動部に作用する加速度αを演算するステップと、 該演算された該加速度αと予め定める基準摩擦力f0と
    から、該可動部の該質量mを演算するステップと、 該演算された該加速度αと、該演算された可動部の質量
    mとから、該空走状態の可動部に作用する摩擦力fを演
    算するステップと、 該演算された摩擦力fと、該基準摩擦力f0とを比較し
    て、該摩擦力fが該基準摩擦力f0を超えたときに警報
    を出力するステップと を含む産業用ロボットの警報方
    法。
JP12247895A 1995-05-22 1995-05-22 産業用ロボットの制御装置および産業用ロボットの警報方法 Pending JPH08318492A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12247895A JPH08318492A (ja) 1995-05-22 1995-05-22 産業用ロボットの制御装置および産業用ロボットの警報方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12247895A JPH08318492A (ja) 1995-05-22 1995-05-22 産業用ロボットの制御装置および産業用ロボットの警報方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08318492A true JPH08318492A (ja) 1996-12-03

Family

ID=14836847

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12247895A Pending JPH08318492A (ja) 1995-05-22 1995-05-22 産業用ロボットの制御装置および産業用ロボットの警報方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08318492A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1932629A1 (en) * 2006-12-11 2008-06-18 Abb Research Ltd. A method and a control system for monitoring the condition of an industrial robot

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1932629A1 (en) * 2006-12-11 2008-06-18 Abb Research Ltd. A method and a control system for monitoring the condition of an industrial robot

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4390415B2 (ja) ロボットの位置決め制御方法と位置決め制御装置
KR20110053450A (ko) 로봇의 브레이크를 검사하기 위한 방법
JP3211406B2 (ja) 制振制御方法およびこれを用いた速度パターン算出方法および装置
JPH08318492A (ja) 産業用ロボットの制御装置および産業用ロボットの警報方法
CN110053042B (zh) 机器人控制装置
JP3479922B2 (ja) 電動機駆動系の負荷定数測定方法
JPH06225565A (ja) 電動機駆動系の慣性負荷測定方式
JPH05346359A (ja) 負荷イナーシャ測定装置
JPH08314525A (ja) 産業用ロボットの制御装置および産業用ロボットの加速時間設定方法
JPS6263303A (ja) 多関節ロボツトの機械原点位置補正方法
JPH09247972A (ja) 停止位置制御方法および装置
JPS63286705A (ja) ロボットの位置検出方法
JP3060448B2 (ja) 座標測定機の測定範囲制御方法及びミスカウント検出方法
JPH0239208A (ja) 原点復帰方法
JPH0897590A (ja) 自動押し当て方法及び装置
JPH05318199A (ja) プレス機械の定位置停止方法
JPH03291569A (ja) 加速度測定装置
JP3101961B2 (ja) 座標測定機のプローブ位置決め方法並びにその装置
JP2005114389A (ja) Gps移動精度評価機とコンピュータ・ソフトウエア
JP3357529B2 (ja) 位置制御方法および装置
JP2002354858A (ja) 電動機制御装置
JPS63223906A (ja) 駆動制御装置
JPH0330816Y2 (ja)
JPS59219185A (ja) 産業用ロボツトの制御装置
JPH092784A (ja) 作業機の旋回速度検出装置