JPH08314468A - 防音材 - Google Patents

防音材

Info

Publication number
JPH08314468A
JPH08314468A JP7116191A JP11619195A JPH08314468A JP H08314468 A JPH08314468 A JP H08314468A JP 7116191 A JP7116191 A JP 7116191A JP 11619195 A JP11619195 A JP 11619195A JP H08314468 A JPH08314468 A JP H08314468A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
noise
elastic body
soundproof material
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7116191A
Other languages
English (en)
Inventor
Zenichi Yasuda
善一 安田
Tadanobu Iwasa
忠信 岩佐
Masazumi Furukawa
雅澄 古河
Fujio Ninomiya
藤雄 二之宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP7116191A priority Critical patent/JPH08314468A/ja
Priority to US08/551,034 priority patent/US5744763A/en
Publication of JPH08314468A publication Critical patent/JPH08314468A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】騒音源が多数存在し、異なる周波数レベルの騒
音が発生したとしても、その騒音をより効率的に抑制す
ることのできる防音材を提供する。 【構成】フードパネル5のエンジンルーム側の面には、
防音材1が取着される。防音材1は、種々のサイズ、形
状及び種類を備えた粉砕ゴムよりなる粉砕ゴム層2と、
当該粉砕ゴム層2を被覆する被覆層3とを備える。被覆
層3はフィルムよりなる上層3aと下層3bとから構成
され、下層3bには複数の小さな透孔6が設けられてい
る。防音材1に設けられている多数の粒状の粉砕ゴム自
身及び粉砕ゴム間の空隙により騒音が個々局所的に吸収
されうる。また、被覆層3の下層3bには、透孔6が設
けられているため、入射された騒音の波が、透孔6を通
って粉砕ゴム層2の内部へと導かれやすく、上記粉砕ゴ
ムによる吸音作用がより確実なものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被取着体に取着される
防音材に係り、例えば、車両用のフードパネル、ルーフ
パネル、フロアパネル、エンジンのエンジンカバー等に
取着され、騒音が外部や車両室内等に伝播するのを抑制
するための防音材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両用のフードパネル
(ボンネット)のエンジンルーム側の面には、エンジン
等から発生する騒音が外部に洩れるのを極力抑えるため
に、シート状の防音材が取着されている。
【0003】この種の防音材としては、例えばフェルト
やグラスウール等の素材が採用されている。或いは、グ
ラスウール層をフェルト層で被覆してなる防音材も採用
されている。そして、これら防音材を構成する素材とし
ては、発生する騒音の周波数レベルに合ったものが採用
される傾向にある。例えば、エンジンルームの周りに
は、上記のようなグラスウール層及びフェルト層の2層
構造物が、ルーフパネルには無数の透孔を有する塩化ビ
ニルレザーが、ホイールハウスにはフェルトが、フロア
パネルにはアスファルト、フェルト及びカーペットの3
層構造物がそれぞれ採用されていた。
【0004】しかしながら、上記技術では、例えばエン
ジンルームの如く、騒音源が多数存在し、発生する周波
数レベルが異なる場合には、効果的な防音性能が得られ
ない場合があった。すなわち、エンジンルーム内には、
エンジン本体、吸気系、ミッション等といった各種部材
が配設されている。そして、これら各種部材からは、様
々な周波数レベルを持った騒音が発生していた。これに
対し、上記技術における防音材は、全体としての騒音レ
ベルの低減を狙ったものであり、各種部材から発生する
様々な周波数レベルを持った騒音を全て吸収するという
概念はなかった。その結果、所定の周波数レベルの騒音
を吸収できたとしても、それ以外の周波数レベルの騒音
を吸収できない場合があった。
【0005】また、実開平2−7700号公報において
は、合成樹脂製殻体をブロー成形法により得るととも
に、当該殻体内に緩衝材粒を充填してなる定在波吸収部
材が開示されている。この技術においては、製作の簡易
性、量産性の向上が図られているとともに、定在波の吸
収能力の向上を図ることが目的とされている。すなわ
ち、定在波が殻体より内部に伝達されると、相互に接触
している各緩衝材粒同士間に摩擦が生ずるとともに、そ
のエネルギーが摩擦熱に変換され、これにより定在波エ
ネルギーの減衰が図られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報に
開示された技術においては、殻体は単純にブロー成形に
より得られるもの(例えば樹脂シート、フィルムと推察
される)であった。このため、実際にエンジンルーム内
等で発生した騒音の大部分は、当該殻体によって反射さ
れてしまい、充分な吸音効果を期待するのは困難であっ
た。つまり、殻体によって反射された騒音の波は、いず
れかの隙間から抜け出て、結局のところ、騒音を抑制す
ることができないという事態を招くおそれがあった。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、騒音源が多数存在し、
異なる周波数レベルの騒音が発生したとしても、その騒
音をより効率的に抑制することのできる防音材を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、被取着体に取着
され、当該被取着体の内側で発生した騒音の外側への伝
播を抑制するための防音材であって、ゴム状弾性を有す
る多数の粒状弾性体よりなる粒状弾性体層と、前記粒状
弾性体層を被覆するフィルム状の被覆手段とを備えると
ともに、前記被覆手段のうち、少なくとも騒音の入射す
る側には、前記粒状弾性体の粒径よりも小さな透孔を設
けたことをその要旨としている。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の防音材において、騒音の入射する側と反対側
の前記被覆手段の少なくとも一部にも、前記粒状弾性体
の粒径よりも小さな透孔を設けるとともに、当該透孔の
設けられた前記被覆手段と前記被取着体との間には、空
気層を設けたことをその要旨としている。
【0010】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項1又は2に記載の防音材において、前記粒状弾性体
は、サイズ及び形状の少なくとも一方において分布を有
していることをその要旨としている。
【0011】併せて、請求項4に記載の発明では、請求
項1乃至3のいずれかに記載の防音材において、前記粒
状弾性体は、2種類以上の素材により構成されているこ
とをその要旨としている。
【0012】加えて、請求項5に記載の発明では、請求
項1乃至4のいずれかに記載の防音材において、前記粒
状弾性体のサイズ、形状及び種類の少なくとも1つを、
部位に応じて変更させたことをその要旨としている。
【0013】さらにまた、請求項6に記載の発明では、
請求項1乃至5のいずれかに記載の防音材において、前
記透孔のサイズ及び透孔間のピッチの少なくとも一方
を、部位に応じて変更させたことをその要旨としてい
る。
【0014】ここで、上記の粒状弾性体層を構成する粒
状弾性体としては、所定のゴム状弾性を有するものであ
る必要があり、例えば粉砕ゴムや、別途成形された粒状
のゴム、或いはゴム状弾性を有する樹脂等が挙げられ
る。特に、粉砕ゴムとしては新たに粉砕ゴムとして製造
されたものの外、使用済若しくは不良品となった加硫ゴ
ムが粉砕されたものも採用されうる。また、その材質と
しては、何ら限定されるものではなく、天然ゴムや、E
PDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、
SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、CR(クロロプ
レンゴム)、NBR(ニトリルゴム)等の各種合成ゴ
ム、TPS(熱可塑性ポリスチレン)、TPO(熱可塑
性ポリオレフィン)、ポリウレタン等のゴム状弾性を有
する各種合成樹脂等、いかなるものも採用しうる。
【0015】また、粒状弾性体として発泡弾性体を用い
ることもできる。発泡弾性体としては、例えば、発泡ポ
リウレタン等の粉砕物或いは粒状成形物の如き、発泡に
より所定の弾性を有することとなったものが挙げられ
る。なお、その材質としては、上記と同様何ら限定され
るものではなく、上記発泡ポリウレタンの外、発泡ゴム
等、いかなるものも採用しうる。
【0016】併せて、被覆手段としては、粒状弾性体を
被覆するフィルム状(もしくはシート状)のものであっ
て、防音材としての一定の形態を確保できるものであれ
ばいかなるものを用いてもよい。例えばPET(ポリエ
チレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフ
タレート)等のポリエステル、ナイロン等のポリアミ
ド、PP(ポリプロピレン)等のポリオレフィン、PV
C(ポリ塩化ビニル)等の各種合成樹脂素材により構成
されるフィルム等が好適に採用されうる。
【0017】
【作用】上記請求項1に記載の発明によれば、防音材は
被取着体に取着され、この防音材により、当該被取着体
の内側で発生した騒音の外側への伝播の抑制が図られ
る。
【0018】防音材は、ゴム状弾性を有する多数の粒状
弾性体よりなる粒状弾性体層と、前記粒状弾性体層を被
覆する被覆手段とを備えており、主として粒状弾性体に
より騒音の伝播が抑制される。すなわち、粒状弾性体層
に入射された騒音の波が多数の粒状の弾性体自身に伝達
されると、弾性体間の空気の粘性抵抗と熱伝導により、
騒音の有するエネルギーの減衰が図られる。あるいは、
弾性体自身が微振動するとともに、相互に接触している
弾性体同士間に摩擦が生ずる。そして、それらのエネル
ギーが振動熱、摩擦熱に変換され、これにより騒音の有
するエネルギーの減衰が図られる。
【0019】さて、本発明によれば、被覆手段のうち、
少なくとも騒音の入射する側には、粒状弾性体の粒径よ
りも小さな透孔が設けられている。このため、透孔から
粒状弾性体は溢れることなく被覆手段内に保持されう
る。また、入射された騒音の波、すなわち空気の粗密波
が、透孔を通って粒状弾性体層の内部へと導かれやすい
ものとなる。従って、上記粒状弾性体による吸音作用が
より確実なものとなる。
【0020】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明の作用に加えて、騒音の入射する側
と反対側の被覆手段の少なくとも一部にも、粒状弾性体
の粒径よりも小さな透孔が設けられるとともに、当該透
孔の設けられた被覆手段と被取着体との間には、空気層
が設けられている。このため、粒状弾性体により吸収さ
れなかった騒音の波は、騒音の入射する側と反対側の被
覆手段に設けられた透孔を通過して空気層へと入射され
る。そして、空気層内にて騒音の波の一部が吸収される
とともに、その他は被取着体に当たって反射され、再度
透孔から粒状弾性体層へと導かれる。そして、再度粒状
弾性体層内に導かれた騒音の波は、当該粒状弾性体にて
吸収されうる。
【0021】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
上記作用に加えて、粒状弾性体は、サイズ及び形状の少
なくとも一方において分布を有しているため、サイズ、
形状等が適宜に調整されることにより、複数の周波数レ
ベルを持った騒音が遮蔽、吸収されうる。
【0022】併せて、請求項4に記載の発明によれば、
上記作用に加えて、粒状弾性体は、2種類以上の素材に
より構成されているため、粒状弾性体の種類が適宜に調
整されることにより、複数の周波数レベルを持った騒音
が遮蔽、吸収されうる。
【0023】加えて、請求項5に記載の発明によれば、
上記作用に加えて、前記粒状弾性体のサイズ、形状及び
種類の少なくとも1つが、部位に応じて変更されうる。
このため、特に、部位毎に騒音発生源が異なる場合に
は、粒状弾性体のサイズ、形状及び種類の少なくとも1
つをその騒音の周波数レベルに応じたものとすることに
より、部位毎に騒音が遮蔽、吸収されうる。
【0024】また、請求項6に記載の発明によれば、上
記作用に加えて、前記透孔のサイズ及び透孔間のピッチ
の少なくとも一方が、部位に応じて変更されうる。この
ため、特に、部位毎に騒音発生源が異なる場合には、透
孔のサイズ及び透孔間のピッチの少なくとも一方をその
騒音の周波数レベルに応じたものとすることにより、部
位毎に騒音が遮蔽、吸収されうる。
【0025】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明を具体化した第1実施例を
図面に基づいて説明する。
【0026】本実施例において、図1に示すように、自
動車の被取着体としてのフードパネル(ボンネット)5
のエンジンルーム側(図の下側)の面には、エンジン等
から発生する騒音が外部に洩れるのを抑えるための防音
材1が取着されている。この防音材1は全体としてシー
ト状をなし、種々のサイズ、形状及び種類よりなる粉砕
ゴムを備えた粒状弾性体層としての粉砕ゴム層2と、当
該粉砕ゴム層2を被覆する被覆手段としての被覆層3と
を有している。
【0027】粉砕ゴム層2を構成する粉砕ゴムは、加硫
ゴムがカッタ又はすり鉢等を備えた粉砕手段により粉砕
されることにより構成されるもので、種々の形状及びサ
イズ(本実施例では粒径「2.0mm」以下のものが大
半)を有している。また、粉砕ゴムを構成するゴムの材
質としては、EPDM、SBR、NBR等が混在されて
いる。また、さらに、ゴムの構造としては、ソリッドゴ
ム及び発泡状のスポンジゴムが混在されている。
【0028】一方、本実施例において被覆層3は、例え
ばPP製のフィルムにより構成されている。すなわち、
被覆層3は、フードパネル5に接触する上層3aと、エ
ンジン側の下層3bとから構成され、これらの周縁部分
が相互に融着された状態となっている。なお、本実施例
における防音材1は、その周縁部分において、図示しな
いクリップが取付けられることによりフードパネル5に
対し取着されている。
【0029】本実施例では、前記被覆層3のうち、下層
3bには、図示しない針状物等が用いられることによっ
て、複数の透孔6が形成されている。これらの透孔6は
所定の間隔を隔てて設けられているとともに、そのサイ
ズは、粉砕ゴムが溢れない程度に、粉砕ゴムの粒径より
も小さいものとなっている(但し、図では便宜上、透孔
6は比較的大きめに描かれている)。
【0030】次に、上記のように構成されてなる本実施
例における防音材1の作用及び効果について説明する。
本実施例では、フードパネル5に取着された防音材1に
より、フードパネル5を境としてエンジンルーム内で発
生する騒音が外部に伝播するのが抑制されうる。すなわ
ち、防音材1に設けられている多数の粒状の粉砕ゴム自
身及び粉砕ゴム間の空隙により騒音が個々局所的に吸収
されうる。より詳しくは、被覆層3を通過した入射され
た騒音の波が多数の粒状の粉砕ゴム自身に伝達される
と、粉砕ゴム間の空気の粘性抵抗と熱伝導により、騒音
の有するエネルギーの減衰が図られる。あるいは、粉砕
ゴム自身が微振動するとともに、相互に接触している粉
砕ゴム同士間に摩擦が生ずる。そして、それらのエネル
ギーが振動熱、摩擦熱に変換され、これにより騒音の有
するエネルギーの減衰が図られる。
【0031】特に、本実施例によれば、被覆層3の下層
3bには、透孔6が設けられている。このため、入射さ
れた騒音の波、すなわち空気の粗密波が、透孔6を通っ
て粉砕ゴム層2の内部へと導かれやすいものとなる。従
って、上記粉砕ゴムによる吸音作用をより確実なものと
することができる。また、透孔6は比較的小さいので、
粉砕ゴムは透孔6から溢れることなく被覆層3内に確実
に保持されうる。
【0032】さらに、エンジンルーム内には、エンジン
本体、吸気系、ミッション等といった各種部材が配設さ
れている。そして、これら各種部材からは、様々な周波
数レベルを持った騒音が発生しうる。しかし、本実施例
における粉砕ゴムのサイズ、形状及び種類(構造も含
む)としては、様々なものが混合されており、遮蔽、吸
収可能な騒音の周波数レベルが個々の粉砕ゴムによって
異なっている。このため、複数の周波数レベルを持った
騒音がエンジンルーム内において発生したとしても、個
々の粉砕ゴムによってこれらの騒音をより一層確実に遮
蔽、吸収することができる。また、粉砕ゴムのサイズ、
形状及び種類を適宜に設定することにより、周波数レベ
ルに応じた防音効果を期待することができる。
【0033】さらに、本実施例では、被覆層3の下層3
bには、透孔6を設けるようにしたため、該透孔6のサ
イズ(孔径)や、ピッチ(透孔6の間隔)を適宜変更す
ることによっても、種々の周波数レベルを持った騒音に
対処できる。
【0034】ここで、上記の作用効果を確認するべく、
以下に示す実験を行った。すなわち、透孔6のサイズ、
ピッチが異なる粉砕ゴムをそれぞれ被覆層3で被覆した
サンプル等を用意し、それぞれについて吸音率を測定し
た。その結果を図2,4に示す(但し、図4については
後述する空気層14が設けられている)。なお、サンプ
ルの厚さは、図2に関しては「15mm」とし、図4に
関しては「10mm」とした。
【0035】図4からも推認されるように、透孔6を有
する被覆層3で被覆したサンプルは、透孔のない場合に
比べて全体的に防音効果が高いことがわかる。また、図
2,4に示すように、透孔6のサイズ、ピッチに応じて
吸音特性が異なることがわかる。従って、複数の周波数
レベルを持った騒音が発生したとしても、これらを適宜
設定することにより、個々の周波数レベルを持つ騒音を
確実に遮蔽、吸収することができるといえる。
【0036】(第2実施例)次に、本発明を具体化した
第2実施例を図3等に基づいて説明する。但し、本実施
例においても、基本的な構造については上述した第1実
施例とほぼ同等であるため、重複する部分については同
一の名称及び符号を用いるとともに、主として異なる点
について以下に説明する。
【0037】図3に示すように、本実施例でも、防音材
11は、粒状弾性体層としての粉砕ゴム層12と、同粉
砕ゴム層12を被覆する被覆手段としての被覆層13と
から構成されている。また、被覆層13は、第1実施例
と同様、PP製のフィルムよりなる上層13a及び下層
13bから構成されている。
【0038】本実施例では、上層13aと、フードパネ
ル5との間には、空気層14が複数箇所に設けられてい
る点で、上記第1実施例と大きく異なっている。また、
本実施例では、下層13bのみならず、上層13aのう
ち、上記空気層14に面した部分においても透孔15が
設けられている。
【0039】上記の構成とすることにより、本実施例で
は、第1実施例で記載した作用効果に加えて、以下の作
用効果を奏する。すなわち、騒音の入射する側と反対側
の上層13aにも、透孔15が設けられているととも
に、当該透孔15の設けられた上層13aとフードパネ
ル5との間には、空気層14が設けられている。このた
め、粉砕ゴムにより吸収されなかった騒音の波は、上層
13aの透孔15を通過して空気層14へと入射され
る。そして、空気層14内にて騒音の波の一部が吸収さ
れるとともに、その他はフードパネル5に当たって反射
され、再度透孔15から粉砕ゴム層12へと導かれる。
そして、再度粉砕ゴム層12内に導かれた騒音の波は、
当該粉砕ゴムにて吸収されうる。従って、騒音の周波数
によっては、より一層確実に騒音を遮蔽、吸収すること
ができる。
【0040】また、本実施例においても、透孔15のサ
イズ(孔径)や、ピッチ(透孔15の間隔)を適宜変更
することによって、種々の周波数レベルを持った騒音に
も対処できる。さらに、本実施例では空気層14を設け
るようにしたので、該空気層14の大きさや厚さ(高
さ)を適宜変更することによって、種々の周波数レベル
を持った騒音にも対処できる。
【0041】ここで、上記の作用効果を確認するべく、
以下に示す実験を行った。すなわち、粉砕ゴムをそれぞ
れ透孔15のピッチが異なる被覆層13で被覆して厚さ
5mmの空気層14を形成するようにして、フードパネ
ル5に相当するパネルに取着して、これをサンプルとし
た。そして、それぞれについて吸音率を測定した。
【0042】また、粉砕ゴムを、サイズが0.5mm、
ピッチが4mmの透孔15を有する、PP製の厚さ0.
5mmのフィルムよりなる被覆層13で被覆して、これ
をフードパネル5に相当するパネルに取着して、空気層
を設けないものと、厚さ5mm、15mmの空気層14
を設けたものを用意して、サンプルとした。そして、そ
れぞれについて吸音率を測定した。なお、この場合のサ
ンプルの厚さは、いずれも「15mm」と一定にした。
【0043】それぞれの結果を図4,5に示す。図4に
関しては既述したが、透孔15のピッチに応じて吸音特
性が異なることがわかる。従って、複数の周波数レベル
を持った騒音が発生したとしても、これらを適宜設定す
ることにより、個々の周波数レベルを持つ騒音を確実に
吸収することができるといえる。また、図5に示すよう
に、空気層14を設けた場合には、空気層を設けない場
合に比べて、吸収できる周波数レベルが低い方へシフト
することがわかる。また、空気層14の厚さが大きいほ
ど、吸収可能な周波数レベルが低い方へシフトすること
がわかる。これらのことから、空気層14の厚さ(高
さ)等を適宜変更することによって、種々の周波数レベ
ルを持った騒音にも対処できるといえる。
【0044】尚、本発明は上記各実施例に限定されず、
例えば次の如く構成してもよい。 (1)前記実施例では、粉砕ゴム層2,12を、種々の
形状、サイズ、種類の混在されてなる粉砕ゴムにより構
成したが、形状、サイズ、種類のいずれかのみを分布を
持たせて混在させるようにしてもよい。また、意識的に
部位毎に形状、サイズ、種類に分布を持たせるようにし
てもよい。さらに、透孔6,15及び空気層14につい
ても同様のことがいえる。
【0045】(2)前記実施例では、エンジンルーム内
のフードパネル5に防音材1,11を取付けるようにし
たが、その外にもエンジンのエンジンカバー、ルーフパ
ネル、ホイールハウス、フロアパネル等の自動車におけ
る各種被取着体のほか、その他の騒音を抑制するための
箇所にも取着させるようにしてもよい。
【0046】(3)前記各実施例では、粒状弾性体とし
て粉砕ゴムを採用し、これにより、粒状弾性体層として
の粉砕ゴム層2,12を構成するようにした。これに対
し、発泡ポリウレタン等の粉砕物或いは粒状成形物の如
き、発泡により所定の弾性を有することとなった発泡弾
性体によって粒状弾性体層を構成するようにしてもよ
い。なお、発泡弾性体の材質としては、何ら限定される
ものではなく、上記発泡ポリウレタンの外、発泡ゴム
等、いかなるものも採用しうる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の防音材に
よれば、騒音源が多数存在し、異なる周波数レベルの騒
音が発生したとしても、その騒音をより効率的に抑制す
ることができるという優れた効果を奏する。
【0048】特に、請求項2に記載の発明によれば、上
記効果をより一層確実なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における防音材を模式的に示す断面
図である。
【図2】第1実施例の効果を確認するための図であっ
て、周波数に対する吸音率の関係を種々の粉砕ゴムによ
り測定した結果を示すグラフである。
【図3】第2実施例における防音材を模式的に示す断面
図である。
【図4】第1、第2実施例の効果確認のための図であっ
て、周波数に対する吸音率の関係を透孔間隔を変更させ
て測定した結果を示すグラフである。
【図5】第2実施例の効果を確認するための図であっ
て、周波数に対する吸音率の関係を空気層の厚さを変更
させて測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,11…防音材、2,12…粒状弾性体層を構成する
粉砕ゴム層、3,13…被覆手段としての被覆層、5…
被取着体としてのフードパネル、6,15…透孔、14
…空気層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 1/86 E04B 1/86 Q B62D 25/10 G G10K 11/16 G10K 11/16 D (72)発明者 古河 雅澄 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 二之宮 藤雄 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被取着体(5)に取着され、当該被取着
    体(5)の内側で発生した騒音の外側への伝播を抑制す
    るための防音材であって、 ゴム状弾性を有する多数の粒状弾性体よりなる粒状弾性
    体層(2,12)と、前記粒状弾性体層(2,12)を
    被覆するフィルム状の被覆手段(3,13)とを備える
    とともに、 前記被覆手段(3,13)のうち、少なくとも騒音の入
    射する側には、前記粒状弾性体の粒径よりも小さな透孔
    (6,15)を設けたことを特徴とする防音材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の防音材において、騒音
    の入射する側と反対側の前記被覆手段(13)の少なく
    とも一部にも、前記粒状弾性体の粒径よりも小さな透孔
    (15)を設けるとともに、当該透孔(15)の設けら
    れた前記被覆手段(13)と前記被取着体(5)との間
    には、空気層(14)を設けたことを特徴とする防音
    材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の防音材におい
    て、前記粒状弾性体は、サイズ及び形状の少なくとも一
    方において分布を有していることを特徴とする防音材。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の防音
    材において、前記粒状弾性体は、2種類以上の素材によ
    り構成されていることを特徴とする防音材。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の防音
    材において、前記粒状弾性体のサイズ、形状及び種類の
    少なくとも1つを、部位に応じて変更させたことを特徴
    とする防音材。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の防音
    材において、前記透孔(6,16)のサイズ及び透孔
    (6,16)間のピッチの少なくとも一方を、部位に応
    じて変更させたことを特徴とする防音材。
JP7116191A 1994-11-01 1995-05-15 防音材 Pending JPH08314468A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7116191A JPH08314468A (ja) 1995-03-14 1995-05-15 防音材
US08/551,034 US5744763A (en) 1994-11-01 1995-10-31 Soundproofing insulator

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5467995 1995-03-14
JP7-54679 1995-03-14
JP7116191A JPH08314468A (ja) 1995-03-14 1995-05-15 防音材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08314468A true JPH08314468A (ja) 1996-11-29

Family

ID=26395483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7116191A Pending JPH08314468A (ja) 1994-11-01 1995-05-15 防音材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08314468A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002521722A (ja) * 1998-07-24 2002-07-16 ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー 吸音用微小穿孔ポリマーフィルムおよびそれを用いた吸音材
JP2013539552A (ja) * 2010-08-25 2013-10-24 ハーペー ペルツァー ホルディング ゲーエムベーハー 広帯域吸音体
JP2015107667A (ja) * 2013-12-03 2015-06-11 三菱自動車工業株式会社 車両用フードレゾネータ装置
GB2521603A (en) * 2013-12-20 2015-07-01 Hardie James Technology Ltd An acoustic damping building material
CN105539598A (zh) * 2016-02-04 2016-05-04 柳州环球汽车内饰件有限公司 汽车发动机罩

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002521722A (ja) * 1998-07-24 2002-07-16 ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー 吸音用微小穿孔ポリマーフィルムおよびそれを用いた吸音材
JP2013539552A (ja) * 2010-08-25 2013-10-24 ハーペー ペルツァー ホルディング ゲーエムベーハー 広帯域吸音体
JP2015107667A (ja) * 2013-12-03 2015-06-11 三菱自動車工業株式会社 車両用フードレゾネータ装置
GB2521603A (en) * 2013-12-20 2015-07-01 Hardie James Technology Ltd An acoustic damping building material
GB2521603B (en) * 2013-12-20 2018-08-01 Hardie James Technology Ltd An acoustic damping building material
CN105539598A (zh) * 2016-02-04 2016-05-04 柳州环球汽车内饰件有限公司 汽车发动机罩

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5744763A (en) Soundproofing insulator
US20040168853A1 (en) Acoustic tile and its use in vehicle sound proofing
US20110139542A1 (en) Acoustic shield
US20070137926A1 (en) Acoustical component for enhancing sound absorption properties while preserving barrier performance in a vehicle interior
RU2481976C2 (ru) Многослойная акустическая структура обивки кузова автотранспортного средства (варианты)
JPH08314468A (ja) 防音材
US20230192011A1 (en) Automotive trim part with vibration damping properties
JPH08310314A (ja) 防音材
JPH08185188A (ja) 防音材
JP2001184076A (ja) 吸音構造体
RU2490150C1 (ru) Модифицированная слоистая акустическая структура обивки кузова автотранспортного средства
JP2002180845A (ja) 自動車エンジン用防音カバー
JPH08301023A (ja) 防音材
JP3701010B2 (ja) 自動車用インシュレータダッシュ
JPH08301024A (ja) 防音材
JPH0934469A (ja) 防音材
JP6734717B2 (ja) フェンダー用騒音低減部材
JP3749050B2 (ja) 吸音構造体
JPH08129109A (ja) 遮音材
JP4704910B2 (ja) 吸音シート
JP3521577B2 (ja) 吸音材
JP2652218B2 (ja) 車体用一体成形防音材
WO2024004919A1 (ja) 遮音構造体および防音構造体
US6013362A (en) Soundproof material
Hirabayashi et al. Application of noise control and heat insulation materials and devices in the automotive industry

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees