JPH08310314A - 防音材 - Google Patents

防音材

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JPH08310314A
JPH08310314A JP7116190A JP11619095A JPH08310314A JP H08310314 A JPH08310314 A JP H08310314A JP 7116190 A JP7116190 A JP 7116190A JP 11619095 A JP11619095 A JP 11619095A JP H08310314 A JPH08310314 A JP H08310314A
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JP
Japan
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noise
soundproof material
layer
crushed
rubber
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Application number
JP7116190A
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English (en)
Inventor
Zenichi Yasuda
善一 安田
Fujio Ninomiya
藤雄 二之宮
Yutaka Ogasawara
豊 小笠原
Masazumi Furukawa
雅澄 古河
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】騒音源が多数存在し、異なる周波数レベルの騒
音が発生したとしても、その騒音を効率的に吸収し、様
々な角度から入射される騒音に対しても充分な防音性能
を発揮しうる防音材を提供する。 【構成】フードパネルPのエンジンルーム側の面には種
々のサイズ、形状及び種類を備えた粉砕ゴムよりなる粉
砕ゴム層2と、これを被覆する被覆層3とを備えた防音
材1が取着される。防音材1のうち騒音発生側の面には
ディンプル状の吸音凹部4が形成されている。多数の粒
状の粉砕ゴム自身及び粉砕ゴム間の空隙により騒音が個
々局所的に吸収されうる。また、吸音凹部4により実質
的表面積が増大し、騒音の波が防音材1の内側表面に当
たる確率、特により垂直に近い状態で当たる機会が増す
こととなる。さらに、入射した騒音の波が、吸音凹部4
の一部に当たった場合には、反射して別の部位に当たる
機会も増大し、その際吸音の機会が確保されることな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被取着体に取着される
防音材に係り、例えば、車両用のフードパネル、ルーフ
パネル、フロアパネル、エンジンのエンジンカバー等に
取着され、騒音が外部や車両室内等に伝播するのを抑制
するための防音材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両用のフードパネル
(ボンネット)のエンジンルーム側の面には、エンジン
等から発生する騒音が外部に洩れるのを極力抑えるため
に、シート状の防音材が取着されている。
【0003】この種の防音材としては、例えばフェルト
やグラスウール等の素材が採用されている。或いは、グ
ラスウール層をフェルト層で被覆してなる防音材も採用
されている。そして、これら防音材を構成する素材とし
ては、発生する騒音の周波数レベルに合ったものが採用
される傾向にある。例えば、エンジンルームの周りに
は、上記のようなグラスウール層及びフェルト層の2層
構造物が、ルーフパネルには無数の透孔を有する塩化ビ
ニルレザーが、ホイールハウスにはフェルトが、フロア
パネルにはアスファルト、フェルト及びカーペットの3
層構造物がそれぞれ採用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、例えばエンジンルームの如く、騒音源が多
数存在し、発生する周波数レベルが異なる場合には、効
果的な防音性能が得られない場合があった。すなわち、
エンジンルーム内には、エンジン本体、吸気系、ミッシ
ョン等といった各種部材が配設されている。そして、こ
れら各種部材からは、様々な周波数レベルを持った騒音
が発生していた。これに対し、従来技術では、全体とし
ての騒音レベルの低減を狙ったものであり、各種部材か
ら発生する様々な周波数レベルを持った騒音を全て吸収
するという概念はなかった。その結果、所定の周波数レ
ベルの騒音を吸収できたとしても、それ以外の周波数レ
ベルの騒音を吸収できない場合があった。
【0005】また、上記従来技術におけるシート状の防
音材は、平坦状に形成されているか、或いは、フードパ
ネル等の形状に沿った形状を有しているが、騒音は必ず
しも当該防音材に対し、垂直に当たるとは限らない。従
って、防音材に対する入射角が比較的大きな騒音につい
ては、騒音が反射されてしまいやすく、充分な吸収が困
難となるおそれがあった。そのため、防音性能(特に、
吸音性能)の面で、必ずしも充分なものが得られてはい
なかった。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、騒音源が多数存在し、
異なる周波数レベルの騒音が発生したとしても、その騒
音を効率的に吸収することができ、しかも、様々な角度
から入射される騒音に対しても充分な防音性能を発揮す
ることのできる防音材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、被取着体に取着
され、当該被取着体の内側で発生した騒音の外側への伝
播を抑制するための防音材であって、ゴム状弾性を有す
る多数の粒状弾性体よりなる粒状弾性体層と、前記粒状
弾性体層を被覆する被覆手段とを有し、少なくとも一部
の内側表面には凹凸を設けたことをその要旨としてい
る。
【0008】また、請求項2に記載の発明においては、
被取着体に取着され、当該被取着体の内側で発生した騒
音の外側への伝播を抑制するための防音材であって、ゴ
ム状弾性を有する多数の粒状弾性体よりなる粒状弾性体
層と、少なくとも前記粒状弾性体層間に設けられ、当該
弾性体の動きを拘束するための拘束手段とを有し、少な
くとも一部の内側表面には凹凸を設けたことをその要旨
としている。
【0009】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項1又は2に記載の防音材において、少なくとも前記粒
状弾性体層と前記被取着体との間には、空気層が形成さ
れるようにしたことをその要旨としている。
【0010】併せて、請求項4に記載の発明では、請求
項1又は3に記載の防音材において、前記被覆手段の少
なくとも一部には、前記弾性体が脱落しない程度の透孔
を形成したことをその要旨としている。
【0011】ここで、上記の粒状弾性体層を構成する粒
状弾性体としては、所定のゴム状弾性を有するものであ
る必要があり、例えば粉砕ゴムや、別途成形された粒状
のゴム、或いはゴム状弾性を有する樹脂等が挙げられ
る。特に、粉砕ゴムとしては新たに粉砕ゴムとして製造
されたものの外、使用済若しくは不良品となった加硫ゴ
ムが粉砕されたものも採用されうる。また、その材質と
しては、何ら限定されるものではなく、天然ゴムや、E
PDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、
SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、CR(クロロプ
レンゴム)、NBR(ニトリルゴム)等の各種合成ゴ
ム、TPS(熱可塑性ポリスチレン)、TPO(熱可塑
性ポリオレフィン)、ポリウレタン等のゴム状弾性を有
する各種合成樹脂等、いかなるものも採用しうる。
【0012】また、粒状弾性体として発泡弾性体を用い
ることもできる。発泡弾性体としては、例えば、発泡ポ
リウレタン等の粉砕物或いは粒状成形物の如き、発泡に
より所定の弾性を有することとなったものが挙げられ
る。なお、その材質としては、上記と同様何ら限定され
るものではなく、上記発泡ポリウレタンの外、発泡ゴム
等、いかなるものも採用しうる。
【0013】さらに、被覆手段としては、粒状弾性体を
被覆し、防音材としての一定の形態を確保できるもので
あればいかなるものを用いてもよく、例えばPET、P
BT(ポリブチレンテレフタレート)等のポリエステ
ル、ナイロン等のポリアミド、PE、PP(ポリプロピ
レン)等のポリオレフィン、PVC等の各種合成樹脂素
材並びに、綿、麻、パルプ等の天然繊維素材等により構
成される不織布、織布、ネット、フィルム等が好適に採
用されうる。
【0014】また、拘束手段としては、粉砕ゴム間に配
設され、粉砕ゴムの動きを拘束するものであればいかな
るものを用いてもよいが、例えばPET(ポリエチレン
テレフタレート)、ナイロン等のPA(ポリアミド)、
PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)等各
種合成樹脂製のファイバー、ペレット、ネット、フィル
ムが一旦熱で融解され、又はペースト状とされ、その後
冷却固化することにより構成されたものであってもよ
い。或いは接着剤により構成してもよい。或いは、液状
ゴムを塗布し加硫接着してもよい。
【0015】特に、粒状弾性体層を構成するものとし
て、発泡弾性体が採用されたような場合には、拘束手段
としてはポリプロピレンが好適に採用されうる。
【0016】
【作用】上記請求項1に記載の発明によれば、防音材は
被取着体に取着され、この防音材により、当該被取着体
の内側で発生した騒音の外側への伝播の抑制が図られ
る。
【0017】防音材は、ゴム状弾性を有する多数の粒状
弾性体よりなる粒状弾性体層と、前記粒状弾性体層を被
覆する被覆手段とを備えており、主として粒状弾性体に
より騒音の伝播が抑制される。すなわち、粒状弾性体層
に入射された騒音の波が多数の粒状の弾性体自身に伝達
されると、弾性体間の空気の粘性抵抗と熱伝導により、
騒音の有するエネルギーの減衰が図られる。あるいは、
弾性体自身が微振動するとともに、相互に接触している
弾性体同士間に摩擦が生ずる。そして、それらのエネル
ギーが振動熱、摩擦熱に変換され、これにより騒音の有
するエネルギーの減衰が図られる。特に、異なったサイ
ズ、形状、素材等を有する粒状弾性体が混在している場
合には、複数の周波数レベルを持った騒音が遮蔽、吸収
されうる。また、被覆手段により、粒状弾性体の脱落が
防止されうる。
【0018】さて、本発明では、防音材の少なくとも一
部の内側表面には凹凸が設けられているため、騒音の
波、すなわち、空気の粗密波が防音材の少なくとも一部
の内側表面に当たる確率が増大するとともに、その内側
表面に対し、より垂直に近い状態で当たる機会が増すこ
ととなる。また、入射した騒音が、凹部の一部に当たっ
た場合には、反射して別の凸部に当たる機会も増大し、
その際吸音の機会が確保されることなる。従って、様々
な角度から入射する騒音の波が防音材によって吸収され
る機会が増大し、騒音は効率的に吸収されることとな
る。さらに、上記凹凸により、防音材全体としての形状
保持性が向上することとなる。
【0019】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の被覆手段に代えて設けられた拘束手段に
より、粉砕ゴムの脱落が防止されうるとともに、防音材
の形状保持性が確保されうる。この点を除いては、上記
請求項1に記載の発明と同等の作用を奏する。
【0020】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項1又は2に記載の発明の作用に加えて、少なくと
も粒状弾性体層と被取着体との間には、空気層が形成さ
れる。このため、騒音の波が粒状弾性体間の隙間を伝搬
した場合であっても、当該波は空気層へと入射される。
そして、空気層内にて騒音の波の一部が吸収されるとと
もに、その他は被取着体に当たって反射され、再度粉砕
ゴム層へと導かれる。再度粉砕ゴム層内に導かれた騒音
の波は、当該粉砕ゴムにて吸収されうる。
【0021】特に、この空気層を設けることにより、吸
収される騒音の周波数レベルが低周波数側へとシフトす
ることとなる。このため、所望とする周波数レベルをも
った騒音を効果的に吸収することも可能となる。
【0022】また、これらの作用により、粉砕ゴム層を
薄くした場合等であっても充分な防音作用が得られる。
従って、防音材全体の軽量化が図られうる。併せて、請
求項4に記載の発明によれば、請求項1又は3に記載の
発明の作用に加えて、被覆手段の少なくとも一部には、
弾性体が脱落しない程度の透孔が形成されている。この
ため、騒音は、透孔から粒状弾性体層に入射されやすい
ものとなり、より一層粒状弾性体層によって吸収されや
すくなる。
【0023】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明を具体化した第1実施例を
図1,2に基づいて説明する。
【0024】本実施例において、自動車の被取着体とし
てのフードパネル(ボンネット)Pのエンジンルーム側
(図の下側)の面には、エンジン等から発生する騒音が
外部に洩れるのを抑えるための防音材1が取着されてい
る。図1に示すように、この防音材1は全体としてシー
ト状をなし、種々のサイズ、形状及び種類よりなる粉砕
ゴムを備えた粒状弾性体層としての粉砕ゴム層2と、当
該粉砕ゴム層2を被覆する被覆手段としての被覆層3と
を有している。
【0025】前記粉砕ゴム層2を構成する粉砕ゴムは、
加硫ゴムがカッタ又はすり鉢等を有してなる粉砕手段に
より粉砕されることによって構成されるもので、種々の
形状及びサイズ(本実施例では粒径「2.0mm」以下
のものが大半)を有している。また、粉砕ゴムを構成す
るゴムの材質としては、EPDM、SBR、NBR等が
混在されている。さらに、ゴムの構造としては、ソリッ
ドゴム及び発泡状のスポンジゴムが混在されている。
【0026】一方、被覆層3は、例えばPET製のフィ
ルムにより構成されている。そして、上層及び下層より
なる被覆層3の周縁部分が相互に融着されるか、あるい
は袋状の被覆層3の端縁部分が閉じられることにより、
粉砕ゴムが外部に飛散するのが確実に防止されるように
なっている。なお、本実施例における防音材1は、その
周縁部分において、図示しないクリップが取付けられる
ことによりフードパネルPに対し取着されている。
【0027】さて、本実施例では、前記防音材1(被覆
層3)のうち騒音発生側(図の下側)の面には、凹凸と
してのディンプル状(半球状)の吸音凹部4が多数形成
されている。
【0028】また、前記防音材1(被覆層3)のうちフ
ードパネルP側(図の上側)の面において、少なくとも
その周縁部及び中央部分の一部には、突起5が形成され
ている。また、これら突起5の形成されていない部分は
凹部6となっている。そして、突起5の先端面が前記フ
ードパネルPに当接することにより、フードパネルP及
び凹部6にて囲まれた空間が形成され、該空間が空気層
7となっている。
【0029】さらに、前記被覆層3のうち、騒音発生側
の部分及び空気層7に面する部分には、複数の透孔8が
形成されている。これら透孔8は、粉砕ゴムが脱落しな
いよう、基本的には前記粉砕ゴムよりも小径に形成され
ている。
【0030】次に、本実施例における防音材1の作用及
び効果について説明する。本実施例では、フードパネル
Pに取着された防音材1により、フードパネルPを境と
してエンジンルーム内で発生する騒音が外部に伝播する
のが抑制されうる。すなわち、防音材1に設けられてい
る多数の粒状の粉砕ゴム自身及び粉砕ゴム間の空隙によ
り騒音が個々局所的に吸収されうる。より詳しくは、被
覆層3を通過した入射された騒音の波が多数の粒状の粉
砕ゴム自身に伝達されると、粉砕ゴム間の空気の粘性抵
抗と熱伝導により、騒音の有するエネルギーの減衰が図
られる。あるいは、粉砕ゴム自身が微振動するととも
に、相互に接触している粉砕ゴム同士間に摩擦が生ず
る。そして、それらのエネルギーが振動熱、摩擦熱に変
換され、これにより騒音の有するエネルギーの減衰が図
られる。
【0031】また、特に、エンジンルーム内には、エン
ジン本体、吸気系、ミッション等といった各種部材が配
設されている。そして、これら各種部材からは、様々な
周波数レベルを持った騒音が発生しうる。しかし、本実
施例における粉砕ゴムのサイズ、形状及び種類(構造も
含む)としては、様々なものが混合されており、吸収可
能な騒音の周波数レベルが個々の粉砕ゴムによって異な
っている。このため、複数の周波数レベルを持った騒音
がエンジンルーム内において発生したとしても、個々の
粉砕ゴムによってこれらの騒音をより一層確実に吸収す
ることができる。
【0032】さらに、本実施例では、防音材1のうち騒
音発生側の面には、ディンプル状(半球状)の吸音凹部
4が形成されている。このため、図2に示すように、騒
音の波が当たりうる表面積が増大することとなり、防音
材1の内側表面に当たる確率が増大する。また、その内
側表面に対し、騒音の波がより垂直に近い状態で当たる
機会が、増すこととなる。
【0033】さらに、入射した騒音が、吸音凹部4の一
部に当たった場合には、反射して別の部位に当たる機会
も増大し、その際吸音の機会が確保されることなる。従
って、様々な角度から入射する騒音の波が防音材1によ
って吸収される機会が増大し、効率的に吸収されること
となる。その結果、優れた防音性能を発揮することがで
きる。
【0034】さらに、本実施例では、上記吸音凹部4を
はじめ、凹部6及び突起5を形成したことにより、防音
材をフラットに形成した場合に比べて、形状保持性を高
めることができる。その結果、持ち運び、取付等が容易
に行うことができ、作業性の著しい向上を図ることがで
きる。
【0035】また、本実施例では、粉砕ゴム層2とフー
ドパネルPとの間には、空気層7が形成されているた
め、騒音の波、すなわち空気の粗密波が粉砕ゴム間の隙
間を通過した場合であっても、当該波は空気層7へと入
射される。そして、空気層7内にて騒音の波の一部が吸
収されるとともに、その他はフードパネルPに当たって
反射され、再度粉砕ゴム層2へと導かれる。再度粉砕ゴ
ム層2内に導かれた騒音の波は、当該粉砕ゴムにて吸収
されうる。その結果、より一層防音性能を高めることが
できる。
【0036】また、特に、この空気層7を設けることに
より、吸収される騒音の周波数レベルが低周波数側へと
シフトすることとなる。このため、所望とする周波数レ
ベルをもった騒音を効果的に吸収することも可能とな
る。
【0037】さらに、これらの作用により、粉砕ゴム層
を薄くした場合等であっても充分な防音作用が得られ
る。従って、防音材1全体の軽量化を図ることができ
る。併せて、本実施例では被覆層3の所定部分には、透
孔8が形成されているため、騒音は、透孔8から粉砕ゴ
ム層2に入射されやすいものとなり、より一層当該粉砕
ゴム層2によって吸収されやすくなる。
【0038】(第2実施例)次に、本発明を具体化した
第2実施例を図3に基づいて説明する。但し、本実施例
においても、基本的な構造については上述した第1実施
例とほぼ同等であるため、重複する部分についてはその
説明を省略するとともに、主として異なる点について以
下に説明する。
【0039】図3に示すように、本実施例では、第1実
施例で説明した吸音凹部4の代わりに、前記防音材1
(被覆層3)のうち騒音発生側(図の下側)の面には、
凹凸としての半球状の吸音突起11が多数形成されてい
る。
【0040】本実施例においても、上記と同様の作用効
果を奏する。尚、本発明は上記各実施例に限定されず、
例えば次の如く構成してもよい。 (1)凹凸の形状は、前記各実施例のものに限定される
ものではなく、実質的な表面積を増大することを企図し
て形成されたものであれば、いかなる形状をなしていて
もよい。例えば、図4に示すように、第2実施例の半球
状の吸音突起11に代えて、断面台形状(例えば円錐台
状)の凹凸としての吸音突起12を設けるようにしても
よい。
【0041】(2)前記実施例では、粉砕ゴムの脱落を
防止するための手段として被覆層3を設けるようにした
が、これに代えて又はこれとともに、粉砕ゴムを拘束す
るための拘束手段を用いることとしてもよい。例えば、
この拘束手段は、粉砕ゴム層2内において、個々の粉砕
ゴム間に位置するよう配設されるものであって、例えば
PET、PA、PVC、PE等各種合成樹脂製のファイ
バー、ペレット、ネット、フィルムが一旦熱で融解さ
れ、その後冷却固化することにより構成されたもの、或
いは接着剤等が採用されうる。或いは、液状ゴムを塗布
し加硫接着してもよい。このような拘束手段を用いるこ
とによっても、個々の粉砕ゴムが拘束された状態とな
り、粉砕ゴムの脱落が防止されうる。
【0042】(3)前記各実施例では、粒状弾性体とし
て粉砕ゴムを採用し、これにより、粒状弾性体層として
の粉砕ゴム層2,6,12を構成するようにした。これ
に対し、発泡ポリウレタン等の粉砕物或いは粒状成形物
の如き、発泡により所定の弾性を有することとなった発
泡弾性体、或いは合成樹脂製の弾性体等によって粒状弾
性体層を構成するようにしてもよい。なお、発泡弾性体
の材質としては、何ら限定されるものではなく、上記発
泡ポリウレタンの外、発泡ゴム等、いかなるものも採用
しうる。
【0043】(4)前記各実施例では、防音材1に突起
5を形成し、これによって防音材1とフードパネルPと
の間に空気層7を形成するようにした。しかし、空気層
7は、少なくともフードパネルP及び粉砕ゴム層2によ
って構成されるものであればいかなる構造をしていても
よく、例えば、フードパネルPにフランジを有するケー
スを取着し、当該フランジにクリップ等を介してシート
状の防音材を取付けるようにしてもよい。かかる構成と
しても、空気層を形成することができ、上記実施例と同
等の作用効果を得ることができる。
【0044】なお、上記空気層7及び透孔8について
は、省略することも可能である。 (5)前記第1実施例では、粉砕ゴム層2を、種々の形
状、サイズ、種類の混在されてなる粉砕ゴムにより構成
したが、形状、サイズ、種類のいずれかのみを分布を持
たせて混在させるようにしてもよい。
【0045】(6)前記実施例では、エンジンルーム内
のフードパネルPに防音材1等を取付けるようにした
が、その外にもルーフパネル、ホイールハウス、フロア
パネル、エンジンのエンジンカバー等の自動車における
各種被取着体のほか、その他の騒音を抑制するための箇
所に取着させるようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の防音材に
よれば、騒音源が多数存在し、異なる周波数レベルの騒
音が発生したとしても、その騒音を効率的に吸収するこ
とができ、しかも、様々な角度から入射される騒音に対
しても充分な防音性能を発揮することができるという優
れた効果を奏する。
【0047】特に、請求項3,4に記載の発明によれ
ば、より一層確実に防音性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における防音材を模式的に示す断面
図である。
【図2】第1実施例の防音材の作用を説明するための拡
大断面図である。
【図3】第2実施例における防音材を模式的に示す断面
図である。
【図4】別の実施例における防音材を模式的に示す断面
図である。
【符号の説明】
1…防音材、2…粉砕ゴム層、3…被覆手段としての被
覆層、4…凹凸としての吸音凹部、7…空気層、8…透
孔、11,12…凹凸としての吸音突起、P…被取着体
としてのフードパネル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 豊 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 古河 雅澄 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被取着体(P)に取着され、当該被取着
    体(P)の内側で発生した騒音の外側への伝播を抑制す
    るための防音材(1)であって、 ゴム状弾性を有する多数の粒状弾性体よりなる粒状弾性
    体層(2)と、 前記粒状弾性体層(2)を被覆する被覆手段(3)と を有し、少なくとも一部の内側表面には凹凸(4,1
    1,12)を設けたことを特徴とする防音材。
  2. 【請求項2】 被取着体(P)に取着され、当該被取着
    体(P)の内側で発生した騒音の外側への伝播を抑制す
    るための防音材(1)であって、 ゴム状弾性を有する多数の粒状弾性体よりなる粒状弾性
    体層(2)と、 少なくとも前記粒状弾性体層(2)間に設けられ、当該
    弾性体の動きを拘束するための拘束手段とを有し、少な
    くとも一部の内側表面には凹凸(4,11,12)を設
    けたことを特徴とする防音材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の防音材におい
    て、 少なくとも前記粒状弾性体層(2)と前記被取着体
    (P)との間には、空気層(7)が形成されるようにし
    たことを特徴とする防音材。
  4. 【請求項4】 請求項1又は3に記載の防音材におい
    て、 前記被覆手段(3)の少なくとも一部には、前記弾性体
    が脱落しない程度の透孔(8)を形成したことを特徴と
    する防音材。
JP7116190A 1994-11-01 1995-05-15 防音材 Pending JPH08310314A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7116190A JPH08310314A (ja) 1995-05-15 1995-05-15 防音材
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