JPH08313847A - 照明手段およびこれを用いた表示装置 - Google Patents

照明手段およびこれを用いた表示装置

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JPH08313847A
JPH08313847A JP7340212A JP34021295A JPH08313847A JP H08313847 A JPH08313847 A JP H08313847A JP 7340212 A JP7340212 A JP 7340212A JP 34021295 A JP34021295 A JP 34021295A JP H08313847 A JPH08313847 A JP H08313847A
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lens
color
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microlens array
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Yoshihiro Masumoto
吉弘 枡本
Mitsuhiro Wada
充弘 和田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空間光変調素子を用いた表示装置において、
明るく品位の高い画像を実現することを目的とする。こ
のため、画素構造に適した微小照明領域を二次元状に周
期的に形成すると共に高い光利用効率を実現する照明手
段を提供する。 【解決手段】 照明手段は、光源と三原色のカラー発光
面を形成する手段と第1マイクロレンズアレイと第2マ
イクロレンズアレイとを備え、第1マイクロレンズアレ
イはカラー発光面の実像を形成し、第2マイクロレンズ
アレイは3原色の色光の各主光線を互いに略平行に進行
せしめ、互いに分離された三原色の微小照明領域を所定
の配列に従って周期的に形成する。乃至は、第1レンズ
アレイと第2レンズアレイを備え、発光面の形状を画素
の開口形状に近似せしめ、より明るい照明を実現する。
表示装置は、上記照明手段と空間光変調素子と画像形成
手段を備え、微小照明領域と画素を対応せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として画素構造
を備えて光学像を形成する空間光変調素子を照明するた
めに用いる照明手段と、当該照明手段と空間光変調素子
を用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大画面映像を表示する方法の1つ
として、空間光変調素子を用いた投写型表示装置が知ら
れ、近年では、液晶パネルを用いた投写型表示装置が実
用化されている。
【0003】このような投写型表示装置には、大きく分
けて、カラー表示の液晶パネルを1枚用いる方式と、三
原色に対応させて白黒表示の液晶パネルを3枚用いる方
式がある。それらについて各種光学系の構成が提案さ
れ、例えば、特開昭60−2916号公報、特開昭60
−179723号公報、に開示されている。
【0004】カラー表示の液晶パネルを1枚用いる方式
の投写型表示装置について、その構成の一例を(図5
5)に示す。照明光学系501は透過型の液晶パネル5
02を照明し、液晶パネル502を通過した光は投写レ
ンズ503に入射する。液晶パネル502上には透過率
の変化として光学像が形成され、投写レンズ503によ
り光学像がスクリーン(図示せず)上に拡大投影され
る。
【0005】照明光学系501は、例えば、ランプ50
4、凹面鏡505、UV−IRカットフィルタ506、
フィールドレンズ507、から構成される。ランプ50
4には、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセ
ノンランプ、などが用いられる。凹面鏡505は、放物
面鏡、楕円面鏡などが用いられ、ランプ504から放射
される光を集めて液晶パネル502を照明する光束を形
成する。UV−IRカットフィルタ506は、照明光か
ら赤外線と紫外線を取り除くために用いる。フィールド
レンズ507は、液晶パネル502を照明する光を投写
レンズ503に入射させるために用いる。
【0006】液晶パネル502の断面構造の一例を、
(図56)に示す。2枚の透明ガラス基板511、51
2によりツイストネマチック液晶513を狭持し、配向
膜514、515により、液晶分子を所定方向に配向さ
せる。透明ガラス基板511、512には画素構造を形
成し、液晶層に印可する電界を変化させて液晶分子の配
向を制御する。これにより入射する光の偏光状態を空間
的に変化させる。
【0007】ガラス基板511、512の入射側と出射
側には、偏光板516、517を備える。自然偏光の光
が偏光板516に入射し、直線偏光の光となって液晶層
513に入射する。液晶層513に入射した光は液晶分
子の配向状態に応じて偏光状態が変化し、偏光板517
を通過する光の強度が制御される。このような光の変調
を二次元状に配置した画素単位に行い、光学像を形成す
る。透明ガラス基板511、512中の破線は、それぞ
れ画素構造の1単位を明確にするために、便宜上付記し
た仮想線である。
【0008】画素構造は、ガラス基板512上に画素電
極518を二次元状に配列して構成する。
【0009】他方のガラス基板511上には対向電極5
19を形成する。いずれの電極も透明電極であり、これ
らの電極間に駆動電圧を供給し電界を形成する。一般
に、各画素の印可電界を一定期間保持するためのスイッ
チング素子として、画素電極518と一対に薄膜トラン
ジスタ520が形成される。また、対向電極519上に
は、各薄膜トランジスタ520に光があたらないよう
に、ブラックマトリックス521が形成される。
【0010】1枚の液晶パネルでカラー画像を形成する
場合、一般に、赤と緑と青の画素を1組とした1単位の
カラー画素を、二次元状に周期的に配列する。赤の画素
として働く画素電極群には赤の光学像に対応した映像信
号が選択的に供給される。緑と青の画素についても同様
である。
【0011】更に、赤の画素領域には赤の色光を、緑の
画素領域には緑の色光を、青の画素領域には青の色光
を、それぞれ選択的に入射させる必要がある。このた
め、一般に、ブラックマトリックス521の開口部に、
赤色フィルタ522A、緑色フィルタ522B、青色フ
ィルタ522C、を周期的に形成し、通過する光の波長
帯域を制御する。赤色フィルタとは、白色の光が入射し
た場合に赤の波長帯域の光のみを主として透過せしめる
もので、緑色フィルタ、青色フィルタ、についても同様
である。
【0012】(図56)に示す構成において、ブラック
マトリックス521に入射する光はこれにより反射また
は吸収されるので、無効となる。ブラックマトリックス
521の開口部の色フィルタ522A、522B、52
2Cを通過する光により、カラーの光学像が形成され
る。この場合、赤色フィルタ522Aに入射する緑色と
青色成分の光は、フィルタで吸収されるので無効とな
る。緑色フィルタ522Bと青色フィルタ522Cにつ
いても同様で、全ての色フィルタに入射する三原色の光
のうち約2/3は損失となる。
【0013】以下、白黒表示の液晶パネルを3枚用いる
投写型表示装置を述べる。(図56)に示す液晶パネル
からカラーフィルタを取り除いた白黒表示の液晶パネル
を、赤用、緑用、青用として3枚用い、各パネルには対
応する色の光学像に応じた映像信号を供給する。これら
のパネルを対応する色の色光により照明し、変調された
三原色の光を合成してフルカラーの画像を表示する。
【0014】この場合、光源から出射する白色光をダイ
クロイックミラーを用いて、赤、緑、青の原色光に分解
し、対応する液晶パネルを照明する。3枚の液晶パネル
により変調された各原色光は、ダイクロイックミラーに
より再び光路が合成される。これにより、各液晶パネル
上の光学像が重畳され、等価的にフルカラーの光学像
が、1本の投写レンズによりスクリーン上に投影され
る。他に、3枚の液晶パネルに対応させて3本の投写レ
ンズを備えて、スクリーン上で三原色の光学像を重畳さ
せる方式も知られている。
【0015】カラーフィルタを備える液晶パネルを1枚
用いる投写型表示装置は、部品点数が少なく構成が簡単
であるという利点がある。一方、白色の照明光が入射し
た場合、必要とする色以外の光がカラーフィルタで吸収
され、光損失が大きいという問題がある。白黒表示の液
晶パネルを3枚用いる方式と比較すると、液晶パネル部
での光利用効率はおよそ1/3となる。
【0016】これに対し、三原色に対応させて液晶パネ
ルを3枚用いる方式は、光利用効率が相対的に高いの
で、明るい投写画像を実現し易いという利点がある。一
方、部品点数が多く構成が複雑で、相対的にコストが高
くなるという問題がある。例えば、液晶パネルの入射側
と出射側に、複数枚のダイクロイックミラーと平面ミラ
ーが必要となる。
【0017】また、1本の投写レンズで合成された光学
像を投影する場合、液晶パネルから投写レンズに至る光
路に、色を合成するためのダイクロイックミラーを配置
する空間が必要となり、バックフォーカスの長い投写レ
ンズが必要となる。このような投写レンズは、諸収差の
抑制が難しいので具現化が容易ではなく、高価となる。
【0018】一方、上記方式の違いに関わらず、液晶パ
ネルのブラックマトリックスで反射または吸収される光
は、光損失の主たる要因となる。一般に、液晶パネルの
開口率(ブラックマトリックスの開口部の面積の総和÷
有効表示領域の全面積)は、高いもので50%程度であ
り、高精細な表示とするために画素数を増やすほど、開
口率は低下する。従って、このような液晶パネルを用い
て投写型表示装置を構成した場合、投写画像が暗いとい
う問題を生じる。
【0019】この問題に対し、液晶パネルの入射側にレ
ンズ素子を備えて、ブラックマトリックスの非開口部に
おける光損失を改善する方法が開示されている(例え
ば、特開昭60−165621号公報)。これは、画素
構造と一対のレンズ素子により、各画素に入射する光を
ブラックマトリックスの開口部に収斂せしめ、照明光を
効率良く通過させるものである。各画素と対を成すレン
ズ素子を二次元状に配列したものは、各レンズ素子の大
きさからマイクロレンズアレイと呼ばれている。
【0020】また、カラー表示の液晶パネルを1枚用い
る投写型表示装置において、カラーフィルタにおける光
損失を改善する手法も開示されている(USP4,27
7,138、特開平3−56922号公報、特開平4−
60538号公報)。
【0021】これは、三原色の画素を1単位とするカラ
ー画素単位ごとに、その入射側にマイクロレンズを配置
し、これにあらかじめ分離した赤、緑、青の各原色光を
角度を異ならせて入射せしめるものである。各原色光の
入射する方向、マイクロレンズの焦点距離、カラー画素
単位の構成、を適切に組み合わせれば、マイクロレンズ
により収斂した各原色光の微小照明領域を、三原色の画
素の各開口部に対応させることができる。これにより、
赤色の光は赤色の画素領域にのみ、緑色の光は緑色の画
素領域にのみ、青色の光は青色の画素領域にのみ、それ
ぞれ選択的に到達せしめることができる。従って、三原
色の画素の各々は、特に対応する色フィルタを備える必
要がなく、その部分における光損失を改善し、光利用効
率を向上させることができる。
【0022】また、上記投写型表示装置において、明る
さの均一性の高い投写画像を得るには、液晶パネルを明
るさの均一性の高い光で照明する必要がある。そのため
には、ランプの放射する光を高い効率で集光し、明るさ
の均一性の高い光を形成する照明光学系が必要である。
これに対し、2枚のレンズアレイを用いて均一性の高い
照明光を形成する手法が開示されている(USP5,0
98,184、特開平5−346557号公報)。
【0023】これは、複数のレンズを二次元状に配列し
たレンズアレイを、光源から液晶パネルに至る光路中に
少なくとも2枚配置するもので、例えば、光源に近いレ
ンズアレイを第1レンズアレイ、他方のレンズアレイを
第2レンズアレイとし、各レンズアレイを構成するレン
ズは同数で互いに対をなす。第1レンズアレイは、照明
むらの大きい光束を照明むらの少ない複数の部分光束に
分割し、各レンズは当該レンズを通過する部分光束を第
2レンズアレイの対応するレンズの開口に導く。
【0024】第2レンズアレイは、各部分光束に適当な
倍率を与え、各部分光束を液晶パネルの表示領域全体を
照明する光とし、これらを液晶パネル上に重畳させる。
照明むらの大きい光を照明むらの少ない複数の部分光束
に分割し、これらを拡大させて重畳させるので、高い効
率で明るさの均一性の高い光が形成できる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】一般に、表示装置には
明るい画像を提供することが要望される。特に投写型表
示装置は、主として大画面の映像を投影するので、光出
力の大きいことが望まれる。
【0026】これに対し、例えば液晶パネルのような空
間光変調素子を用いる表示装置は、光源の消費電力を大
きくし、より強い光で空間光変調素子を照明することで
光出力を大きくできる。
【0027】しかし、この場合、光源の発熱が大きくな
る、表示装置全体の消費電力が増大して大型化する、空
間光変調素子における発熱が増大し素子の動作不良を招
く、といった問題を生じる。
【0028】従って、このような表示装置の光学系に
は、光損失が少なく光利用効率の高いことが要望され
る。特に、主としてこの用途に用いられる照明手段は、
ランプから放射される光を高い効率で利用し、空間光変
調素子の画素構造に適した明るい照明を実現することが
要望される。
【0029】本発明はかかる点を鑑みてなされたもの
で、特に空間光変調素子を用いる表示装置とこれに用い
る照明手段における光損失を改善するものである。その
結果、光利用効率を向上させて光出力を増大せしめ、明
るい画像を提供することを目的とする。
【0030】以下、具体的に本発明が解決しようとする
課題を述べる。まず、カラー表示の液晶パネルを1枚用
いる表示装置は、カラーフィルタにおける光損失が大き
く、液晶パネル部の光利用効率が低いという問題があ
る。この問題に対し、USP4,277,138、特開平
3−56922号公報、特開平4−60538号公報
は、マイクロレンズアレイにより三原色の各色光を対応
する色の画素領域に導く方式を開示している。しかし、
上記各方式が実用上十分な効果を得るには、以下の問題
がある。
【0031】第1に、1つのマイクロレンズから出射す
る三原色の各色光は互いに異なる角度で進行し、対応す
る画素の開口部近傍に到達する。従って、液晶パネルを
通過した後のこれらの色光は、互いに平行ではなく異な
る方向に進行する。この場合、液晶パネルから出射する
三原色の各色光を、利用しにくいという問題がある。
【0032】例えば、投写レンズを用いて液晶パネル上
の光学像を投影しようとすると、投写レンズの入射瞳に
おいて、各色光が異なる位置に収斂する。つまり、入射
瞳上の異なる位置に所定の拡がりを有する赤、緑、青の
発光面を形成する。
【0033】その結果、入射瞳上の同一の位置に同等の
拡がりを有する白色の発光面を形成する場合と比較し
て、Fナンバーの小さい、すなわち口径の大きい投写レ
ンズが必要となる。一般に、このような口径の大きい投
写レンズは、諸収差の抑制が困難で具現化が難しく、高
価となる。
【0034】第2に、一般に、液晶パネルを照明する光
には明るさむらがある。より光出力の大きい表示装置を
実現するためにランプから放射される光を効率よく集光
するほど、明るさむらは大きくなる。例えば、ランプか
ら放射される光を凹面鏡を用いて集光する場合、受光面
の明るさは、光軸近傍は明るく、光軸から離れるほど明
るさが低下する。この明るさはおよそ照明光の照射角で
決まり、光軸近傍ほど照明光の照射角が大きく、光軸か
ら離れるほど照射角が小さくなる。
【0035】その結果、明るさむらのある照明光を用い
てマイクロレンズアレイを備える液晶パネルを照明する
と、場所により各レンズ素子を通過してブラックマトリ
ックスの開口上に収斂される光の断面形状と大きさが異
なるという問題がある。その結果、例えば緑の画素領域
に導くべき光が他の色の画素領域にはみ出し、表示画像
に色むらを発生させるという問題を生じる。
【0036】また、明るさの暗い部分では収斂された光
の断面積が小さいので、光学系の僅かな配置ずれや性能
ばらつきにより、所定の画素の開口領域からこれらの光
がずれてしまい、画素が暗くなる、全く光らない、とい
った問題を生じる。これは、表示画像に色むらや明るさ
むらを生じさせて画像品位を損なうので問題がある。
【0037】第3に、より明るい表示装置を実現するに
は、発光体から表示画像に至る光学系全体において高い
光利用効率を実現しなければいけない。従来は、空間光
変調素子のみの比較において光損失を改善する構成を開
示するもので、光源や投写レンズなどと組み合わせた時
に、光学系全体で十分に高い効率を実現する構成は開示
されていない。従って、空間光変調素子における光損失
の改善効果が、表示画像の明るさ向上に十分に寄与しな
いという問題がある。
【0038】一方、液晶パネルを用いる投写型表示装置
には、液晶パネルのブラックマトリックスにおける光損
失が大きいという問題がある。この問題に対し、例えば
特開昭60−165621号公報は、各画素の入射側に
マイクロレンズを備えて光損失を改善する方法を提案し
ているが、実用上十分な効果を得るには、以下の問題が
ある。
【0039】マイクロレンズアレイにより光を収斂させ
てブラックマトリックスの開口部を通過する光量を増加
せしめる場合、収斂した光の断面は各開口よりも小さく
なければいけない。収斂した光の断面が開口よりも大き
ければ、開口よりはみ出した光は損失となるので十分な
効果を得ることができない。一方、各開口を通過する光
量をできるだけ大きくするには、収斂した光の断面をで
きるだけ大きくしなくてはいけない。従って、これらの
条件を鑑みれば、各開口上に収斂した光の断面は、各開
口の形状に内接する形状であることが望ましい。
【0040】これに対し、ランプから放射される光をよ
く知られる凹面鏡や集光レンズを用いて集光し、得られ
た光束をマイクロレンズアレイに入射させると、得られ
る微小照明領域の形状は、ほぼ正円に近いものとなる。
【0041】従って、このような光学系でブラックマト
リックスにおける光損失を改善する場合、各画素の開口
形状が正円ないしは正円に近い形状でなければ、十分な
効果を得ることはできない。一方、画素の開口形状は、
液晶パネルの表示領域の大きさ、アスペクト比、水平方
向と垂直方向の画素数、から決まり、多様である。
【0042】例えば、1枚の液晶パネルで三原色の高精
細な表示を行うものには、正方形のカラー画素領域を縦
方向に3分割し、三原色に対応する画素を形成したもの
が多い。この場合、各画素の開口は、縦方向の長さが横
方向の長さに対して約3倍長く、細長い形状となる。
【0043】従って、このような画素の1つ1つに対応
させてマイクロレンズを配置しても、上記理由から、光
出力の大きい明るい投写型表示装置を実現することは困
難である。仮に、各画素の細長い開口を通過する小さい
正円断面の微小照明領域を形成し、ブラックマトリック
スにおける光損失を改善したとしても、ブラックマトリ
ックスを通過する光量を絶対量として増加させることが
難しい。
【0044】本発明は、上記問題点を鑑みてなされたも
のであり、画素構造を備える空間光変調素子を、高い効
率で良好に照明できる照明手段を提供することを目的と
する。また、当該照明手段と空間光変調素子を用いて表
示装置を構成し、明るく色むらや明るさむらのない優れ
た品位の画像を提供することを目的とする。具体的に、
例えばカラー表示の液晶パネルを1枚用いる方式であっ
ても、液晶パネル部での光損失を大幅に改善し、光利用
効率の高い光学系を構成できる。
【0045】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の第1の照明手段は、主として三原色の画素
からなるカラー画素を二次元状に配列してなる空間光変
調素子を照明する手段であって、三原色の色成分を含む
光を放射する光源と、前記光源から放射される光を集め
る集光手段と、集光手段から出射する光を収束せしめる
と共に三原色の色光に分離してカラー発光面を形成する
発光面形成手段と、カラー発光面の近傍に配置されて発
光面形成手段から出射する光が入射するリレーレンズ
と、リレーレンズから出射する光が入射するフィールド
レンズと、フィールドレンズから出射する光が入射する
第1マイクロレンズアレイと、第1マイクロレンズアレ
イから出射する光が入射する第2マイクロレンズアレイ
とを備え、カラー発光面は互いに分離された三原色の発
光面を配列してなり、第1マイクロレンズアレイは複数
の第1マイクロレンズを二次元状に配列してなり、第2
マイクロレンズアレイは第1マイクロレンズと同数で対
をなす第2マイクロレンズを配列してなり、主として第
1マイクロレンズアレイはカラー発光面の実像を二次元
状に配列せしめ、第2マイクロレンズの各々はカラー発
光面の実像の近傍に配置されて対応する第1マイクロレ
ンズから出射する3原色の色光の各主光線を互いに略平
行に進行せしめ、互いに分離された三原色の微小照明領
域を所定の配列に従って周期的に形成することを特徴と
するものである。
【0046】特に、第1マイクロレンズアレイと第2マ
イクロレンズアレイは、同一基板の両面にイオン交換法
によりレンズ領域を形成してなる平板型マイクロレンズ
アレイを用いるとよい。
【0047】また、上記問題点を解決するために本発明
の第1の表示装置は、照明手段と、当該照明手段により
照明される空間光変調素子と、空間光変調素子により空
間的に変調された光を用いて画像を形成する画像形成手
段とを備え、照明手段は上記本発明の第1の照明手段か
らなり、空間光変調素子は三原色の画素からなるカラー
画素構造を備えて光学像を形成し、照明手段により形成
される三原色の微小照明領域の各々を三原色の画素の各
々に対応せしめることを特徴とするものである。
【0048】特に、画像形成手段は投写レンズからな
り、投写レンズは空間光変調素子上の光学像をスクリー
ン上に投影して画像を形成するとよい。
【0049】また、画像形成手段は、空間光変調素子の
出射側近傍に配置されるマイクロレンズアレイと、マイ
クロレンズアレイの出射側に配置される光拡散手段から
なり、マイクロレンズアレイは空間光変調素子の画素に
対応するマイクロレンズを配列してなり、マイクロレン
ズの各々は当該レンズに対応する画素の実像を光拡散手
段の近傍に結像せしめ、光拡散手段は当該手段に入射す
る光を散乱させて画像を形成するとよい。
【0050】更に、三原色の発光面の有効形状の各々
を、対応する画素の開口形状に近似せしめるとなお好ま
しい。
【0051】あるいは、上記問題点を解決するために本
発明の第2の照明手段は、主として複数の画素を二次元
状に配列してなる空間光変調素子を照明する照明手段で
あって、光源と、光源から放射される光を集める集光手
段と、集光手段から出射する光が入射する第1レンズア
レイと、第1レンズアレイから出射する光が入射する第
2レンズアレイと、第2レンズアレイから出射する光が
入射するマイクロレンズアレイとを備え、第1レンズア
レイは集光手段から出射する光束を複数の部分光束に分
割する第1レンズを配列してなり、第2レンズアレイは
第1レンズと同数で対をなす第2レンズを配列してな
り、前記マイクロレンズアレイは複数のマイクロレンズ
を二次元状に配列してなり、第1レンズの各々は当該レ
ンズを通過する部分光束を対応する第2レンズの開口上
に収斂せしめ、第2レンズの各々は当該レンズに入射す
る部分光束に所定の倍率を与えてマイクロレンズアレイ
の有効領域ないしは当該領域と光学的に等価な領域を重
畳形態で照明し、マイクロレンズアレイは第2レンズア
レイ近傍の物体の実像を二次元状に配列せしめ、第2レ
ンズアレイの有効開口に応じた所定の有効形状を有する
微小照明領域を所定の配列に従って周期的に形成するこ
とを特徴とするものである。
【0052】特に、集光手段からマイクロレンズアレイ
に至る光路上に色分離手段を備え、色分離手段は白色光
を三原色の色光に分離し、三原色の色光は各主光線を互
いに異なる角度でマイクロレンズアレイに入射せしめ、
所定の有効断面を有する互いに分離された三原色の微小
照明領域を所定の配列に従って周期的に形成するとなお
好ましい。
【0053】また、第2レンズアレイからマイクロレン
ズアレイに至る光路にリレー光学手段を備え、リレー光
学手段は入力部レンズ系と中央部レンズ系と出力部レン
ズ系からなり、入力部レンズ系は第2レンズアレイの開
口近傍の物体の実像を中央部レンズ系の開口近傍に形成
せしめ、中央部レンズ系は入力部レンズ系の開口近傍の
物体の実像を出力部レンズ系の開口近傍に形成せしめ、
出力部レンズ系は中央部レンズ系近傍の発光面の重心か
ら出射する光を互いに略平行に進行する光とせしめると
よい。
【0054】更に、集光手段は焦点を有して光源から放
射される光を焦点近傍に収斂せしめ、第1レンズアレイ
は焦点近傍に配置せしめると共に第1レンズアレイの入
射側近傍に収束レンズを備え、収束レンズの入射側焦点
は集光手段の射出瞳面の重心近傍に配置せしめるとよ
い。
【0055】第2レンズの各々は当該レンズを通過する
光束断面に応じて互いに異なる大きさと形状の開口を備
えると好ましく、また、第1レンズアレイの有効開口は
正円を近似してなるとよい。
【0056】第1レンズアレイと第2レンズアレイの少
なくともいずれかは、開口に対して光軸を偏心させたレ
ンズを配列してなると好ましく、第1レンズアレイと第
2レンズアレイの少なくともいずれかは、非球面を基準
曲面とするフレネルレンズを配列してなるとなお好まし
い。
【0057】また、上記問題点を解決するために本発明
の第2の表示装置は、照明手段と、当該照明手段により
照明される空間光変調素子と、空間光変調素子により空
間的に変調された光を用いて画像を形成する画像形成手
段とを備え、照明手段は上記本発明の第2の照明手段か
らなり、空間光変調素子は画素構造を備えて光学像を形
成し、照明手段の備える第2レンズアレイの有効開口を
画素の開口形状に近似せしめると共に、照明手段により
形成される微小照明領域の各々を画素の開口部に対応せ
しめることを特徴とするものである。
【0058】特に、画像形成手段は投写レンズからな
り、投写レンズは空間光変調素子上の光学像をスクリー
ン上に投影して画像を形成するとよい。
【0059】また、画像形成手段は、空間光変調素子の
出射側近傍に配置されるマイクロレンズアレイと、マイ
クロレンズアレイの出射側に配置される光拡散手段から
なり、マイクロレンズアレイは空間光変調素子の画素に
対応するマイクロレンズを配列してなり、マイクロレン
ズの各々は当該レンズに対応する画素の実像を光拡散手
段の近傍に結像せしめ、光拡散手段は当該手段に入射す
る光を散乱させて画像を形成するとよい。
【0060】空間光変調素子の有効表示領域は略4:3
のアスペクト比を有する矩形である場合、第1レンズア
レイと第2レンズアレイは、4個、6個、7個、9個、
10個、14個、16個、18個のいずれかの個数のレ
ンズを配列してなるとよい。
【0061】空間光変調素子の有効表示領域は略16:
9のアスペクト比を有する矩形である場合、第1レンズ
アレイと第2レンズアレイは、4個、6個、9個、10
個、12個、14個、16個、17個、22個のいずれ
かの個数のレンズを配列してなるとよい。
【0062】一方、照明手段は複数の光源と複数の集光
手段を備え、複数の集光手段の光路上に配置される第2
レンズアレイは互いに相まって対応する画素の開口形状
を近似してもよい。
【0063】あるいは、上記問題点を解決するために本
発明の第3の照明手段は、主として三原色の画素からな
るカラー画素を二次元状に配列してなる空間光変調素子
を照明する手段であって、三原色の色成分を含む光を放
射する光源と、光源から放射される光を集める集光手段
と、集光手段から出射する光を三原色の色光に分離する
色分離手段と、色分離手段から出射する三原色の色光の
各々が互いに異なる角度から入射するマイクロレンズア
レイと、集光手段からマイクロレンズアレイに至る三原
色の色光の各光路に配置されるリレー光学手段とを備
え、リレー光学手段の各々は当該手段を進行する色光を
収斂せしめてマイクロレンズアレイを照明する発光面を
形成し、集光手段から三原色の発光面の各々に至る光路
長は互いに略等しくし、三原色の発光面の各々からマイ
クロレンズアレイに至る光路長は互いに略等しくし、マ
イクロレンズアレイは三原色の発光面の実像を二次元状
に配列せしめ、互いに分離された三原色の微小照明領域
を所定の配列に従って周期的に形成することを特徴とす
るものである。
【0064】特に、リレー光学手段は、第1レンズと第
2レンズと第3レンズを備え、第1レンズは当該レンズ
に入射する光を第2レンズの開口近傍に収斂せしめて発
光面を形成し、第2レンズは第1レンズ近傍の物体の実
像を第3レンズの開口近傍に形成し、第3レンズは発光
面の重心から出射する光を互いに略平行に進行する光と
せしめるとよい。
【0065】また、リレー光学手段は、第1レンズアレ
イと第2レンズアレイと第3レンズを備え、第1レンズ
アレイは複数の第1レンズを配列してなり、第2レンズ
アレイは第1レンズと同数で対をなす第2レンズを配列
してなり、第1レンズの各々は当該レンズに入射する光
を対応する第2レンズの開口近傍に収斂せしめて発光面
を形成し、第2レンズの各々は対応する第1レンズ近傍
の物体の実像を第3レンズの開口近傍に重畳形態で形成
し、第3レンズは第2レンズアレイ近傍の発光面の重心
近傍から出射する光を互いに略平行に進行せしめるとよ
い。
【0066】更に、色分離手段は多層膜面をX字状に交
差させた第1ダイクロイックミラーと第2ダイクロイッ
クミラーからなり、第1ダイクロイックミラーにより反
射される色光の光軸を第1の光軸、第2ダイクロイック
ミラーにより反射される色光の光軸を第2の光軸、第1
および第2ダイクロイックミラーを透過する色光の光軸
を第3の光軸、とした場合に、第1および第2の光軸上
の各々に第1平面ミラーと第2平面ミラーと第3平面ミ
ラーを備え、第3の光軸上に第1平面ミラーと第2平面
ミラーを備え、色分離手段から出射した第1から第3の
光軸は第1平面ミラーにより略90度折り曲げられて略
同一の方向に進行せしめられ、第1平面ミラーから出射
した第1から第3の光軸は第2平面ミラーにより略90
度折り曲げられて互いに略1点で交差する方向に進行せ
しめられ、第2平面ミラーから出射した第1および第2
の光軸は第3平面ミラーにより折り曲げられてマイクロ
レンズアレイの有効領域の重心近傍で第3の光軸と互い
に所定の角度をなして交差せしめると、なお好ましい。
【0067】また、上記問題点を解決するために本発明
の第3の表示装置は、照明手段と、当該照明手段により
照明される空間光変調素子と、空間光変調素子により空
間的に変調された光を用いて画像を形成する画像形成手
段とを備え、照明手段は上記本発明の第3の照明手段か
らなり、前記空間光変調素子は三原色の画素からなるカ
ラー画素構造を備えて光学像を形成し、照明手段により
形成される三原色の微小照明領域の各々を三原色の画素
の各々に対応せしめることを特徴とするものである。
【0068】特に、画像形成手段は投写レンズからな
り、投写レンズは空間光変調素子上の光学像をスクリー
ン上に投影して画像を形成するとよい。
【0069】また、画像形成手段は、空間光変調素子の
出射側近傍に配置されるマイクロレンズアレイと、マイ
クロレンズアレイの出射側に配置される光拡散手段から
なり、マイクロレンズアレイは空間光変調素子の画素に
対応するマイクロレンズを配列してなり、マイクロレン
ズの各々は当該レンズに対応する画素の実像を光拡散手
段の近傍に結像せしめ、光拡散手段は当該手段に入射す
る光を散乱させて画像を形成するとよい。
【0070】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、(図1)から(図54)を用いて説明する。
【0071】(第1の照明手段の第1実施例)まず、本
発明の第1の照明手段について、代表的な実施形態の一
例を(図1)を用いて述べる。ただし、当該照明手段
は、主として、三原色の画素からなるカラー画素を備え
る空間光変調素子を照明するためのもので、このような
空間光変調素子として、例えば、三原色のカラー画素領
域を2次元状に配列した透過型の液晶パネルを用いるこ
とができる。
【0072】(図1)において、50は照明手段により
照明される受光面であり、三原色の画素領域からなるカ
ラー画素51を二次元状に配列した空間光変調素子の画
素構造に相当する。例えば、その一例として(図2)に
模式的に示す構成とする。
【0073】これは、(図56)に示したものと同様に
構成される透過型液晶パネルの有効表示領域である。カ
ラー画素51の1単位は、赤の画素領域と緑の画素領域
と青の画素領域からなり、51Rは赤の画素開口を、5
1Gは緑の画素開口を、51Bは青の画素開口を、それ
ぞれ表す。受光面50の画素開口51R、51G、51
B以外の領域は、ブラックマトリックスと呼ばれる領域
であり、薄膜トランジスタや信号用の配線に光があたら
ないように遮光層が形成される。
【0074】(図2)は構成を明示するために1つの画
素単位を拡大したもので、実際の画素の大きさや個数を
反映したものではない。また、破線はカラー画素51の
1単位を明確にするために便宜上付記する仮想線であ
り、R、G、Bの記号は各開口の対応する色を示すため
に付記する。赤の画素とは赤の光学像に対応した映像信
号が選択的に供給される画素であり、開口部に赤色フィ
ルタを備えても備えていなくても構わない。緑と青の画
素についても同様である。
【0075】(図1)に示す照明手段は、主に、メタル
ハライドランプ52、放物面鏡53、UV−IRカット
フィルタ54、発光面形成レンズ55、赤反射ダイクロ
イックミラー56、青反射ダイクロイックミラー57、
平面ミラー58、59、リレーレンズ60R、60G、
60B、フィールドレンズ62、第1マイクロレンズア
レイ63、第2マイクロレンズアレイ64、から構成さ
れる。青反射ダイクロイックミラー57は2分割され
て、赤反射ダイクロイックミラー56と共に、X字状に
配置される。
【0076】メタルハライドランプ52は発光体65を
形成し、発光体65は三原色の色成分を含む光を放射す
る。放物面鏡53は発光体65に対して作用する立体角
が大きく、放射される光の大部分を集光し、光軸66に
およそ平行に進行する光を形成する。光軸66は、受光
面50の重心における法線方向であり、放物面鏡53、
発光面形成レンズ55、リレーレンズ60G、フィール
ドレンズ62、の各光軸は光軸66上にある。
【0077】放物面鏡53から出射した光は、UV−I
Rカットフィルタ54により不要な赤外光と紫外光が除
去され、発光面形成レンズ55の主平面67を照明す
る。以下に述べる作用に基づけば、主平面67は受光面
50とおよそ共役の関係となるので、主平面67の明る
さ分布は、受光面50の明るさ分布に反映される。従っ
て、以下、主平面67を前置受光面と呼ぶ。
【0078】発光面形成レンズ55は、前置受光面67
を通過する光を収束せしめて、受光面を照明する発光面
を形成する。赤反射ダイクロイックミラー56は赤色の
光のみを反射せしめ、青反射ダイクロイックミラー57
は青色の光のみを反射せしめ、これらの色の光は平面ミ
ラー58、59により光路が曲げられる。ダイクロイッ
クミラー56と57を透過した光は、主として緑色の光
となる。
【0079】その結果、三原色に分離されたカラー発光
面が形成される。発光面形成レンズ55のパワーとダイ
クロイックミラー56、57及び平面ミラー58、59
の大きさと配置を適切に選択することにより、リレーレ
ンズ60R、60G、60Bの各主平面近傍に、三原色
の各色光を互いに分離した状態で収斂せしめることがで
きる。これにより、便宜上、およそ同一平面上に、赤の
発光面68R、緑の発光面68G、青の発光面68B、
が形成される。
【0080】更に、発光面68R、68G、68Bの大
きさと配置は、カラー画素51の各開口51R、51
G、51Bの大きさと配置に対して相似形状とする。厳
密には、発光面68R、68G、68Bの各重心から出
射する三原色の色光が、画素開口51R、51G、51
Bの重心72R、72G、72Bの近傍を通過するよう
に、発光面68R、68G、68Bの配置を定める。
【0081】また、画素開口51R、51G、51B上
に形成される発光面68R、68G、68Bの実像の有
効な拡がりが、対応する開口形状におよそ内接するよう
に、発光面68R、68G、68Bの大きさを定める。
【0082】リレーレンズ60R、60G、60Bは、
前置受光面67とフィールドレンズ62の主平面69を
およそ共役の関係とせしめる。フィールドレンズ62か
ら受光面50に至る光路長は他の光路長と比較して非常
に短く、前置受光面67と受光面50は、およそ共役の
関係となる。言い換えれば、前置受光面67を通過した
白色光は三原色の色光に分離され、リレーレンズ60
R、60G、60Bにより、受光面50を重畳形態で照
明する。
【0083】より具体的に述べれば、光軸66に沿って
進行しダイクロイックミラー56、57により光路を曲
げられた赤色と青色の光線が、同じく光軸66に沿って
進行する緑色の光線と、受光面50と光軸66の交点近
傍で互いに交差すればよい。そのために、平面ミラー5
8と59の向きとリレーレンズ60R、60Bの偏心量
を適切に設定すればよい。
【0084】また、受光面50に到達する三原色の色光
の光束断面の大きさがおよそ同一となるように、リレー
レンズ60R、60G、60Bのレンズ構成やパワーを
適切に設定すればよい。
【0085】上記構成に依れば、発光体65から放射さ
れる光の大部分は、放物面鏡53により反射され、その
光の大部分が前置受光面67を経てリレーレンズ60
R、60G、60Bの主平面に到達し、フィールドレン
ズ62の主平面69に到達する。フィールドレンズ62
は、マイクロレンズアレイ63、64を介して受光面5
0に近接しているので、発光体65から放射される光の
大部分が受光面50を照明する光として利用される。従
って、極めて光利用効率の高い照明を実現できる。
【0086】フィールドレンズ62は平凸レンズであ
り、凸面側から光が入射する。平面側には、第1マイク
ロレンズアレイ63が近接して配置される。フィールド
レンズ62の入射側焦点はリレーレンズ60Gの出射側
主点近傍にあり、緑の発光面68Gの重心から出射する
光を、光軸66に平行に進行する光として出射せしめ
る。フィールドレンズ62から出射した光は、第1マイ
クロレンズアレイ63に入射する。
【0087】第1マイクロレンズアレイ63は、第1マ
イクロレンズ70を二次元状に配列したものである。第
2マイクロレンズアレイ64は、第2マイクロレンズ7
1を二次元状に配列したものである。マイクロレンズ7
0と71は1単位のカラー画素51と1対1に対応して
おり、カラー画素51と同数である。マイクロレンズ7
0と71の光軸はいずれも光軸66と平行であり、1単
位のカラー画素51の有効領域の重心近傍を通過する。
【0088】(図3)を用い、第2マイクロレンズアレ
イ64の構成を補足する。ただし、(図3)は、第2マ
イクロレンズ71の開口形状と配列の一例を、(図2)
に示した受光面50の構造に対応させて模式的に示した
もので、画素開口51R、51G、51Bを破線で付記
する。第2マイクロレンズ71は六角形の開口を有し、
画素開口51R、51G、51Bを備える1単位のカラ
ー画素51と対をなす。その光軸は1単位のカラー画素
51の重心にあって、具体的に緑の画素開口51Gの重
心72Gを通過する。
【0089】第1マイクロレンズアレイ63は、(図
3)に示した第2マイクロレンズ71と同じ開口形状の
第1マイクロレンズ70を、同じ手順で配列して構成す
る。第1マイクロレンズ70と第2マイクロレンズ71
は、1対1に対応し同じ光軸を共有する。
【0090】以下、(図4)及び(図5)を用いて、発
光面68R、68G、68Bから、受光面50に至る光
学系の作用を述べる。(図4)は(図1)に示す照明手
段のうち、発光面68R、68G、68B、フィールド
レンズ62、第1マイクロレンズアレイ63、第2マイ
クロレンズアレイ64、受光面50、のみを示す。
【0091】フィールドレンズ62の入射側焦点は、発
光面68Gの重心6Gと一致させ、重心6Gから出射す
る緑色の光は、フィールドレンズ62を通過後、光軸6
6と平行に進行せしめる。フィールドレンズ62の焦点
距離と比較して受光面50の大きさが相対的に小さい場
合、フィールドレンズ62は球面形状の平凸レンズであ
っても諸収差の影響を無視できる。
【0092】また、フィールドレンズ62を、非球面形
状の凸レンズとするか、あるいは非球面を基準曲面とす
るフレネルレンズとすれば、球面収差を非常に小さくで
きるので、重心6Gから出射した光を光軸66に対して
ほぼ完全に平行に進行せしめることができる。
【0093】第1マイクロレンズ70の出射側焦点は対
応する第2マイクロレンズ71の主点73の近傍にあ
り、光軸66と平行に進行して入射する光を、主点73
近傍に収斂せしめる。すなわち、緑の発光面68Gの重
心6Gから出射した光は、第1マイクロレンズ63によ
り収斂されて第2マイクロレンズ71の主点73の近傍
に到達する。一方、第2マイクロレンズ71の入射側焦
点は、対応する第1マイクロレンズの主点74の近傍に
あり、主点74を通過する光を光軸66と平行に進行す
る光として出射せしめる。
【0094】(図5)は、フィールドレンズ62と第1
マイクロレンズアレイ63と第2マイクロレンズアレイ
64をそれぞれ薄肉レンズとして、上述の関係を表した
もので、以下、これを用いて説明する。ただし、フィー
ルドレンズ62と第1マイクロレンズアレイ63は近接
しているので、フィールドレンズ62に入射した光線
は、その高さを保持して対応する第1マイクロレンズ7
0から出射すると見なす。
【0095】また、第2マイクロレンズアレイ64と受
光面50は互いに近接し、その距離は第2マイクロレン
ズ71の焦点距離と比較して無視できるものとする。ま
た、第1マイクロレンズ70と第2マイクロレンズ71
と1組の画素開口51R、51G、51Bの対応関係を
明確にするために、仮想線12を付記する。
【0096】上記構成に依れば、フィールドレンズ62
と第1マイクロレンズ70は、発光面68R、68G、
68Bと、対応する第2マイクロレンズ71の主平面を
共役の関係とする。そこで、発光面68R、68G、6
8Bの大きさと配列を画素開口51R、51G、51B
と相似形状とし、その間の光学系の倍率を適切に定めれ
ば、赤の発光面68Rから出射する赤色の光は赤の画素
開口51Rに、緑の発光面68Gから出射する緑色の光
は緑の画素開口51Gに、青の発光面68Bから出射す
る青色の光は青の画素開口51Bに、それぞれ選択的に
到達せしめることができる。
【0097】具体的に、赤の発光面68Rの重心6Rか
ら出射して第1マイクロレンズ70の主点9を通過する
光線11Rは、第2マイクロレンズ71により光軸66
と平行に進行する光となり、赤の画素開口51Rの重心
72Rに到達する。緑の発光面68Gの重心6Gから出
射して第1マイクロレンズ70の主点9を通過する光線
11Gは、第2マイクロレンズ71を経て、緑の画素開
口51Gの重心72Gに到達する。青の発光面68Bの
重心6Bから出射して第1マイクロレンズ70の主点9
を通過する光線11Bは、第2マイクロレンズ71によ
り光軸66と平行に進行する光となり、青の画素開口2
Bの重心72Bに到達する。各発光面の重心6R、6
G、6Bから出射して第1マイクロレンズ70に入射す
る他の光線は、第2マイクロレンズ71の主平面上で上
記光線11R、11G、11Bの各々と交わる。第2マ
イクロレンズ71と受光面50は近接しているので、こ
れらの光線は対応する色の画素開口の重心72R、72
G、72Bの近傍に到達すると見なせる。
【0098】上記作用は、光軸66上に位置するマイク
ロレンズとカラー画素について図示したが、光軸66よ
り離れた、例えば、第1マイクロレンズ70’と第2マ
イクロレンズ71’と対応するカラー画素についても同
様である。フィールドレンズ62の口径がその焦点距離
に対して小さく球面収差が良好に除去されておれば、光
軸66からの高さに関わらず、発光面68R、68G、
68Bとカラー画素51の共役関係を実用上十分に満た
すことができる。上記共役関係は、厳密に満たすことが
なくても、各色の発光面から出射する光線をおよそ対応
する色の画素開口の近傍に到達せしめればよい。
【0099】上記構成により、本発明の第1の照明手段
は、光源の放射する白色光をあらかじめ3原色の色光に
分離し、各色光を対応する色の画素開口領域に選択的に
到達せしめるので、3原色のカラー画素を備える空間光
変調素子を照明する場合に、極めて高い光利用効率を実
現できる。
【0100】更に、本発明の第1の照明手段は、特に第
2マイクロレンズアレイの働きにより、以下に述べる格
別の効果を得ることができる。(図5)において示した
3原色の光線11R、11G、11Bは、発光面から出
射する各色光を代表する光線と見なせるので、図示した
以外の他のカラー画素に対する照明光についても同様の
光線を定義し、以下、これらの光線を、画素開口51
R、51G、51Bを通過する各色光の主光線とする。
本発明の第1の照明手段は、各色光の主光線11R、1
1G、11Bが、光軸66と平行に進行する光となって
受光面50を通過することを大きな特徴とする。これ
は、受光面50が空間光変調素子のカラー画素であり、
これを通過した光を再度利用して表示装置を構成する場
合に極めて都合が良い。その理由を、以下に具体的な表
示装置の実施例を示して説明する。
【0101】(第1の表示装置の第1実施例)(図6)
は、本発明の第1の照明手段を用いて構成した第1の表
示装置の一実施例である。これは、(図1)に示す構成
の受光面50として、例えば(図2)に示したようなカ
ラー画素を備える液晶パネル201を用いたものであ
る。液晶パネル201は、そのカラー画素の出射側近傍
に光拡散層202を設け、光拡散層202はこれに入射
する光を主として前方に散乱せしめる。観察者は、光拡
散層202により散乱された光を視認し、液晶パネル2
01上に表示される光学像を観察するものである。
【0102】(図6)に示す構成の表示装置は、発光体
65の放射する光の大部分を液晶パネル201に導き、
三原色の画素開口を通過せしめて光拡散層202に到達
せしめるので、極めて光利用効率が高い。従って、少な
い消費電力で明るい画像を提供する表示装置を構成でき
る利点がある。更に、以下に述べるように品位の高い画
像を提供できる。
【0103】光拡散層202により形成される発光面
は、光拡散層の法線方向から見た場合に最も明るく、こ
れと角度をなす方向から見た場合に当該法線を対称軸と
して回転対称に近い見かけの明るさ分布を持つことが好
ましい。三原色の各色光でこの見かけの明るさ分布は同
じであることが好ましく、これらが異なる場合には、見
る位置に依存して色が変化するという問題を生じる。
【0104】これに対し、第2マイクロレンズアレイ6
4を備えない場合、三原色の各色光によって光拡散層2
02に入射する光の入射角が異なる。その結果、光拡散
層202から出射する各色光の配光特性が異なるので、
見る位置に依存して色が変化するという上記問題を生じ
る。これに対し、(図6)に示す構成の表示装置におい
て、例えば(図5)を用いて定義した三原色の各色光の
主光線11R、11G、11Bは、いずれも光軸66と
平行に進行して光拡散層202に入射する。従って、液
晶パネル201を通過して光拡散層202に入射する三
原色の各色光の進行方向が揃っているので、上記問題を
生じることがなく、品位の高い画像を提供できる。
【0105】(第1の表示装置の第2実施例)(図7)
は、本発明の第1の照明手段を用いて構成した第1の表
示装置の他の一実施例である。これは、(図1)に示す
構成の受光面50として、例えば(図2)に示したよう
なカラー画素を備える液晶パネル203を用いたもので
ある。液晶パネル203は、そのカラー画素の出射側近
傍に第3マイクロレンズアレイ204と光拡散層205
を設ける。第3マイクロレンズアレイ204は、画素開
口51R、51G、51Bの各々と対をなす第3マイク
ロレンズ207を各画素開口と同様の手順で二次元状に
配列したものであり、各レンズの出射側焦点は光拡散層
205上に配置せしめる。
【0106】これにより、三原色の画素開口51R、5
1G、51Bを通過した各色光は、第3マイクロレンズ
207に入射した後に光拡散層205上に収斂される。
光拡散層205はこれに入射する光を主として前方に散
乱せしめ、観察者は散乱された光を視認し、液晶パネル
203上に表示される光学像を観察するものである。
【0107】上記構成において、第3マイクロレンズア
レイ204から出射する三原色の各色光は、光軸66と
平行に進行することが好ましい。三原色の各色で進行す
る方位が異なれば、各画素を通過した光が互いに混じり
合い、光拡散層205上には解像度の低下した画像が表
示されるので問題がある。これに対し(図7)に示す構
成は、液晶パネル203の各画素開口を通過する各色光
の主光線が、いずれも光軸66と平行に進行するので、
上記問題を生じることがなく解像度の高い画像を表示で
きる。
【0108】更に、光拡散層205の出射側に、液晶パ
ネル203のブラックマトリックスと同様の格子状の光
吸収領域206を形成すると、更に品位の高い画像を表
示できる。ただし、光拡散層205において各色光が収
斂される領域を、光吸収領域206の開口に対応させ
る。光拡散層205に入射した各色光は、光吸収領域2
06の開口部を通過して前方に散乱するので、光吸収領
域206における光損失は少なく、表示画像の明るさは
あまり低下しない。
【0109】一般に、光拡散層205に観察者側から外
光が入射すると、表示画像の黒レベルが明るくなり、画
像のコントラストが低下する。これに対し光吸収領域2
06は、画像を形成する光にはあまり影響を与えずに上
記外光を吸収するので、表示画像の黒レベルが明るくな
ることを抑制できる。従って、光拡散層の観察者側に光
吸収領域206を形成すれば、表示画像の白黒表示のコ
ントラストを高くできる利点がある。
【0110】以上述べたように、(図6)と(図7)に
示す表示装置は、例えば液晶パネルの背面から平行度の
低い拡散光の光源により照明し、画素構造で変調された
光学像を直接視認する場合と比較して、光利用効率が高
く明るい画像を提供できる利点がある。さらに、光拡散
層で散乱された光を観察するので、広い視野範囲におい
て品位の高い良好な画像を観察できる。
【0111】(第1の表示装置の第3実施例)(図8)
は、本発明の第1の照明手段を用いて構成した第1の表
示装置の更に他の一実施例である。これは、(図1)に
示す構成の受光面50として液晶パネル207を用い、
液晶パネル207から出射する光を投写レンズ208に
入射せしめ、投写レンズ208により液晶パネル207
上のカラーの光学像をスクリーン(図示せず)上に拡大
投影するものである。平面ミラー212は光路を折り曲
げるために用いる。
【0112】液晶パネル207は、例えば(図2)に示
したようなカラー画素を備える。投写レンズ208は、
補助レンズ209と主レンズ210から構成される。液
晶パネル207からは、光軸66とおよそ平行に進行す
る光が出射するので、投写レンズ208はテレセントリ
ックな投写レンズであることが望まれる。補助レンズ2
09は、液晶パネル207から出射する光を収斂せしめ
て主レンズ210に導き、主レンズ210が主として諸
収差を補正して、スクリーン上に所定の倍率で拡大した
画像を投影する。
【0113】上記構成において、投写レンズ208に入
射した光は、入射瞳211上に収斂される。液晶パネル
207から出射する光の進行方向が、三原色の色光で同
一である場合、入射瞳211上には白色の発光面が重畳
形態で形成される。これに対し、第2マイクロレンズア
レイ64を備えない構成であって、液晶パネル207か
ら三原色の色光が互いに異なる進行方向に出射する場
合、入射瞳211上には離散的に三原色の発光面が形成
される。
【0114】両者を比較すれば、入射瞳211上に白色
の発光面を重畳形態で形成する方が、同一の明るさの投
写画像を得る場合に、相対的に集光角の小さい投写レン
ズを利用できる。上記理由から、(図8)に示す本発明
の表示装置は、Fナンバーが相対的に大きい投写レンズ
を利用できる利点がある。このような投写レンズは、諸
収差の抑制が比較的容易であり、口径が小さくコンパク
トで安価に具現化できる。
【0115】更に、上記構成の表示装置は、(図6)お
よび(図7)に示す構成の表示装置と同様に、発光体か
ら放射される光の大部分を投写レンズに到達せしめて利
用できる。従って、光利用効率が高く、明るい画像を表
示できる利点がある。
【0116】(第1の照明手段と第1の表示装置に関す
るその他の実施例)以下、(図1)に示した本発明の第
1の照明手段を補足説明する。いずれの補足事項も、
(図6)〜(図8)に示した本発明の第1の表示装置の
各実施例について適用できる。
【0117】(図1)に示した照明手段は、発光体65
から放射される光を極めて高い効率で利用し、適切に分
離された三原色の発光面68R、68G、68Bによ
り、受光面50を照明する。カラー画素51に入射する
三原色の各色光は、第1マイクロレンズ70と第2マイ
クロレンズ71の働きにより、画素開口51R、51
G、51Bの対応する領域に選択的に到達せしめられ
る。
【0118】更に、各画素開口を通過する各色光の主光
線は、光軸66と平行に進行するので、これらの光を利
用して上述したような特長ある表示装置を実現できる。
従って、三原色の画素領域からなるカラー画素を有する
空間光変調素子を照明する手段として、光利用効率が高
い、変調された光を利用しやすい、という優れた利点が
ある。
【0119】(図9)に、第2マイクロレンズ71の主
平面上に形成される発光面68R、68G、68Bの実
像75R、75G、75Bの一例を、模式的に示す。第
2マイクロレンズアレイ71の主平面と画素構造50は
近接しているので、実像75R、75G、75Bは、画
素開口51R、51G、51B上に形成されると見なせ
る。赤の発光面68Rの実像75Rは赤の画素開口51
Rの重心72R上に配置せしめる。発光面68Rの大き
さと、発光面68Rから実像75Rに至る光学系の倍率
を適当に定めて、実像75Rを形成する光の大部分が画
素開口51Rを通過できるようにすると、光損失を大幅
に抑制できる。
【0120】その為に、実像75Rの有効な拡がりが画
素開口51Rにおよそ内接するようにする。上述の関係
は、緑と青の発光面68G、68B、実像75G、75
B、画素開口51G、51B、についても同様である。
【0121】このように、発光面68R、68G、68
Bの有効形状を、対応する画素開口51R、51G、5
1Bの開口形状に近似させて、およそ内接するようにす
れば、より多くの光を通過せしめることができるので、
より明るい表示装置を実現できる。
【0122】(図9)を参照すれば、当該照明手段によ
り照明される空間光変調素子のカラー画素は、必ずしも
色フィルタを備える必要はない。白黒表示の画素構造で
あっても、選択的に三原色の色光を対応する画素の開口
部に到達せしめるので、色フィルタを備える場合と同様
にカラーの光学像を形成できる。色フィルタを備えない
場合、各画素の透過率を高くできるので、より光利用効
率を高くできる。
【0123】一方、各画素は色フィルタを備える構成で
あっても構わない。この場合、光学系の配置誤差などの
影響で他の色の色光が入射した場合に、その画素の色純
度の低下を抑制できる利点がある。また、あらかじめ三
原色の色光に分離した光に対して更に色フィルタを作用
させれば、光利用効率は低下する反面、より色純度の高
い画素を形成できる。従って、色再現性の優れた画像を
形成できる利点がある。
【0124】また、上記照明手段には、第1マイクロレ
ンズアレイ63、第2マイクロレンズアレイ64とし
て、イオン交換法によって形成される平板型マイクロレ
ンズアレイを用いることができる。これは、ガラス基板
内に屈折率の分布領域を形成し、微小なレンズ領域を二
次元状に配列するものである。
【0125】具体的に、ガラス基板の片面に所定の開口
を有するマスクを形成し、これを溶融塩に浸す。上記開
口を通じてガラス基板内のイオンと溶融塩に含まれる異
種のイオンを交換し、マスクパターンに応じた所定の屈
折率分布領域を形成する。
【0126】このようなマイクロレンズアレイの断面方
向の構造の一例を示す模式図を(図10)に示す。透明
の平板ガラス基板81に屈折率の異なる領域82を形成
し、微小ピッチのレンズアレイを形成する。この方式に
よるレンズアレイは、レンズを形成した面81Aが平面
であることを特長とする。平板型のマイクロレンズアレ
イであれば、レンズを形成した面を液晶パネルなどの隣
接する光学素子の界面に密着させて固定できる利点があ
る。
【0127】例えば、第1マイクロレンズアレイ63と
第2マイクロレンズアレイ64は、上述のイオン交換法
により、(図11)に示す構造の平板型マイクロレンズ
アレイ91として形成できる。基板83の両面に屈折率
の異なる領域84と85を形成し、一対の第1マイクロ
レンズ86と第2マイクロレンズ87を二次元状に配列
する。対をなす第1マイクロレンズ86と第2マイクロ
レンズ87は同一の光軸88を有する。
【0128】第1マイクロレンズ86は、光軸88と平
行に入射する光89を対応する第2マイクロレンズ87
の主点87A近傍に収斂せしめる。第2マイクロレンズ
87は、対応する第1マイクロレンズ86の主点86A
を通過した光を光軸88と平行に進行する光90として
出射せしめる。各々のマイクロレンズの大きさと配列の
ピッチは、照明する液晶パネルのカラー画素構造の大き
さと配列のピッチに対応させる。領域84と85の屈折
率分布を適切に制御することにより、上述の機能を有す
るように各々のマイクロレンズを形成できる。
【0129】例えば(図1)に示した照明手段におい
て、基板83の平面83A側をフィールドレンズ62の
出射側平面と近接させ、平面83B側を照明される画素
構造50を有する液晶パネルの入射側ガラス基板に近接
させる。これにより、平板型マイクロレンズアレイ91
は、第1マイクロレンズアレイ63と第2マイクロレン
ズアレイ64の機能を代替できる。
【0130】また、(図1)に示した本発明の第1の照
明手段の実施例では、第1マイクロレンズ70と第2マ
イクロレンズ71の焦点距離と互いの位置関係を厳密に
定義し、第2マイクロレンズ71はカラー画素51の入
射側に近接して配置すると定めた。本発明の効果は、特
にこの構成に制限されない。例えば、第2マイクロレン
ズ71は、カラー画素51の出射側に近接して配置せし
めても構わない。
【0131】この用途に一般的な液晶パネルは、画素開
口を定めるブラックマトリックス層の入射側に、薄いも
ので例えば厚さ0.7mmのガラス基板が存在する。第
2マイクロレンズアレイ64をこのガラス基板の入射側
に貼付する場合、第2マイクロレンズ71とカラー画素
51はガラス基板の厚みで0.7mm以上接近させるこ
とが難しい。
【0132】この場合、第1マイクロレンズ70と第2
マイクロレンズ71の間の光路長を、上記ガラス基板の
厚みに相当する光路長に対しておよそ2倍以上長くし、
マイクロレンズ70と71の焦点距離を上述の関係から
適切にずらすことで上記各実施例と同様の効果を得るこ
とができる。
【0133】すなわち、発光面68R、68G、68B
の実像を対応する画素開口51R、51G、51Bの近
傍に形成し、更に、三原色の各色光の主光線11R、1
1G、11Bを、第2マイクロレンズアレイ64を備え
ない場合と比較して、より光軸66と平行に近い方向に
進行せしめることができる。
【0134】(図1)に示した本発明の第1の照明手段
において、三原色の発光面68R、68G、68Bは、
以下に述べる方法で形成するとなお良い。(図12)
は、そのための発光面形成レンズ55からリレーレンズ
に至る構成を示す。
【0135】(図12)において、赤色の光路に配置さ
れるリレーレンズ60R'は、三角プリズムの入射側と
出射側に凸レンズ面を形成した構成である。プリズムの
全反射面59'は、(図1)の構成における平面ミラー
59の役割を果たし、赤反射ダイクロイックミラー56
で反射された赤の色光の光路を所定の方向に折り曲げ
る。リレーレンズ60R'は、平面ミラー59'を内蔵し
た両凸レンズと見なせる。このような凸レンズ付きの三
角プリズムは、例えばPMMA樹脂を金型を用いて成形
すれば、実現できる。
【0136】また、一般的な光学ガラスで構成される三
角プリズムの入射側と出射側の平面に、平凸レンズを貼
付しても実現できる。
【0137】ただし、平面ミラー59'の光路を折り曲
げる角度と入出射面の凸レンズの光軸は、当該リレーレ
ンズを通過する赤の照明光が、受光面上で緑の照明光と
重ね合わさるように適切に定める。上記構成は、青色の
光路に配置されるリレーレンズ60B'についても同様
である。
【0138】三原色の光路に配置される各リレーレンズ
は、前置受光面67の実像を受光面50の近傍に所定の
倍率で形成する必要がある。この場合、(図1)に示す
構成は、前置受光面からリレーレンズ60R、60G、
60Bの入射側主点に至る光路長が、緑の色光について
短く、赤と青の色光について長い。これに対し、各リレ
ーレンズの出射側主点から受光面50に至る光路長は、
互いに等しい。
【0139】従って、リレーレンズの倍率が小さい場合
にはあまり問題とならないが、リレーレンズの倍率が大
きくなると、上記光路長の差により、受光面を照明する
三原色の照明光の断面積が緑の色光と他の2つの色光で
異なる。
【0140】具体的に、緑の照明光の拡がりに対して、
赤と青の照明光の拡がりが小さくなる。この場合、赤と
青の照明光が受光面の全域を照明するようにリレーレン
ズの倍率を決めるので、緑の照明光の明るさが相対的に
暗くなるという課題を生じる。
【0141】これに対し、(図12)に示す構成は2つ
の利点がある。第1に、2枚のダイクロイックミラー5
6と57で反射された光は、その直後にリレーレンズ6
0R'と60B'に入射し、空気よりも屈折率の高い媒質
中を通過するので、赤色と青色の光路長と緑色の光路長
の差を(図1)に示す構成と比較して小さくできる。
【0142】第2に、リレーレンズ60R'と60B'を
両凸レンズとしその入射側の凸面を発光面形成レンズ5
5に近づけるので、これらのリレーレンズの入射側主点
を前置受光面67に近づけることができる。
【0143】従って、3つのリレーレンズ60R'、6
0G'、60B'の前置受光面67に対する倍率をおよそ
同一とすることが、(図1)に示す構成と比較してより
容易となる。上記理由により、(図12)に示す構成は
より明るい照明を実現できる利点がある。
【0144】(第2の照明手段の第1実施例)以下、本
発明の第2の照明手段について具体的な実施形態を述べ
る。空間光変調素子の備える画素の開口形状は、表示領
域のアスペクト比、水平方向と垂直方向の画素数、など
から決まり、多様である。画素開口の一例として(図
2)に示したように、各開口の形状は正方形であるとは
限らない。当該照明手段は、このような多様な画素の開
口形状に合わせて、常に光利用効率の高い照明を実現す
る手段を提供する。
【0145】例えば、一般にパーソナルコンピュータの
データを表示する画面は、白色の1画素を正方形の画素
領域として定義する。従って、この用途に一般的な直視
用途のカラー液晶パネルは、正方形のカラー画素領域を
縦方向に三等分し、縦長の各画素領域を赤色用、緑色
用、青色用、としている。このような液晶パネルの画素
構造の一例を、(図2)と同様にして(図13)に示
す。三原色の各画素開口、51R'、51G'、51B'
は縦長の開口形状であり、これらが集まって正方形のカ
ラー画素51'を形成する。
【0146】以下、本発明の第2の照明手段の実施形態
の一例を(図14)を用いて説明する。ただし、受光面
50'として、例えば(図13)に示す画素構造を有す
る空間光変調素子を照明するものとする。
【0147】メタルハライドランプ52、放物面鏡5
3、UV-IRカットフィルタ54は、(図1)に示し
たものと同様のもので、発光体65から放射される光の
大部分を集光して光軸66に沿って進行する光を形成す
る。集光された光は、第1レンズアレイ221、第2レ
ンズアレイ223、フィールドレンズ225、マイクロ
レンズアレイ226を経て、受光面50'を照明する。
受光面50'は、(図13)に示すカラー画素51'を配
列して構成される。
【0148】マイクロレンズアレイ226の構成の一例
を(図15)を用いて述べる。マイクロレンズアレイ2
26は、1つの画素開口と対をなす長方形の開口を有す
るマイクロレンズ227を、各画素開口に対応させて二
次元状に配列して構成される。マイクロレンズ227の
出射側焦点は、対応する画素開口の重心近傍に配置させ
る。
【0149】第1レンズアレイ221の構成の一例を
(図16)を用いて述べる。第1レンズアレイ221
は、複数の第1レンズ222を二次元状に配列して構成
する。(図16)は、このようなレンズアレイの開口形
状の一例を示し、各レンズ中の記号は(図17)に示す
第2レンズアレイの各レンズとの対応関係を示すために
便宜上付記する。
【0150】第2レンズアレイ223の構成の一例を
(図17)を用いて述べる。第2レンズアレイ223
は、複数の第2レンズ224を二次元状に配列して構成
する。(図17)は、このようなレンズアレイの開口形
状の一例を示し、各レンズ中の記号は(図16)に示す
第1レンズアレイの各レンズとの対応関係を示すために
便宜上付記する。
【0151】第1レンズアレイ221は入射する光束を
レンズの個数分の部分光束に分割し、第1レンズ222
の各々は、当該レンズを通過する部分光束を対応する第
2レンズ224の開口上に収斂せしめる。第2レンズ2
24の各々は、当該レンズに入射する部分光束を適切に
拡大し、受光面50'上に重畳させる。言い換えれば、
第2レンズ224の各々は対応する第1レンズ222の
開口上の物体の実像を、受光面50'上に適切な倍率で
重畳形態で形成する。
【0152】フィールドレンズ225は、第2レンズア
レイ223の開口の重心近傍から出射する光を光軸66
と平行に進行する光とせしめてマイクロレンズアレイ2
26に入射させる。マイクロレンズ227は、当該レン
ズに入射する光を対応する画素開口51R'、51G'、
51B'上に収斂せしめるので、各画素開口上には、第
2レンズアレイ223の開口近傍の物体の実像が形成さ
れる。
【0153】本発明は、上述の様に構成される照明手段
において、受光面50'の画素開口の各々を通過する光
量をより多くするために、第1レンズアレイと第2レン
ズアレイの構成を以下に述べるようにしている。
【0154】(図16)と(図17)を参照し、2つの
レンズアレイ221と223の構成を補足する。第1レ
ンズ222の開口は、第2レンズアレイ224により、
受光面50'と共役となる。従って、例えば受光面50'
がアスペクト比が4:3の矩形の表示画面を有する空間
光変調素子であれば、第1レンズ222の各開口はアス
ペクト比が4:3の矩形開口とすればよい。これによ
り、照明光の断面を受光面の形状に整合させて、光利用
効率を高めることができる。
【0155】また、第1レンズアレイ221は、放物面
鏡53から出射する円形断面の光束に対して作用するの
で、複数の第1レンズ222は、この円形の光束断面に
内接するように配列すればよい。以上の構成により、放
物面鏡53から出射した光束は、その大部分が第1レン
ズアレイ221の開口を通過し、第2レンズアレイ22
3に到達する。
【0156】第2レンズアレイ223は、フィールドレ
ンズ225とマイクロレンズ227の作用により、受光
面50'の全ての画素開口の各々と共役の関係となる。
従って、第2レンズアレイ223の有効開口形状が、各
画素開口上における照明光の断面形状となる。そこで、
第2レンズ224は、第2レンズアレイ223の有効開
口形状が対応する画素開口51R'、51G'、51B'
の形状を近似するように、配列する。
【0157】(図17)は上記点を鑑みて構成された第
2レンズアレイ223の開口形状の一例である。第2レ
ンズ224の開口上には、対応する第1レンズ222に
より発光体65の実像228が形成される。その様子の
一例を、模式的に付記する。この実像228の大きさ
は、第1レンズ222の位置により異なる。従って、第
2レンズ224の各々は対応する実像228の大きさに
合わせて必要十分な開口を与え、開口の大きさと形状を
適切に異ならせた第2レンズ224を、垂直方向に長
く、水平方向に細く配列する。
【0158】すなわち、凹面鏡に代表される集光手段か
ら出射する円形断面の光束を、第1レンズアレイ221
により複数の部分光束に分割し、各部分光束の配列を適
切に並べ替えて、第2レンズアレイ223上に導く。こ
れにより、対応する画素開口の形状を近似するように、
光束断面の形状を整形できる。第2レンズアレイ223
は、各部分光束を適切に拡大させると共にその進行方向
を変えて、受光面50'上に重畳させる。
【0159】上述の手順に従って各部分光束を導くため
に、第1レンズ222と第2レンズ224の各々は、当
該レンズの開口に対して光軸を適宜、偏心させるとよ
い。第1レンズ222から出射する光は、偏心した光軸
上の焦点近傍に収斂されるので、当該焦点と対応する第
2レンズ224の開口中心をおよそ一致させるとよい。
また、第2レンズ224は、第1レンズ222の開口中
心から出射した光が受光面50'の重心近傍に到達する
ように、偏心させるとよい。
【0160】第1レンズアレイと第2レンズアレイを上
述したように構成する場合、各レンズの偏心量が比較的
大きくなると、諸収差の影響が大きくなり光損失が増加
する。この場合、各レンズを構成する曲面の少なくとも
いずれかを非球面とすれば良い。諸収差の発生を抑制
し、光損失の発生を抑制できる。同様に偏心量が大きく
なると、曲面のサグ量が増加し、レンズアレイの厚みが
厚くなると共に、レンズアレイの形状が比較的段差の大
きいものとなる。
【0161】この場合、各レンズを非球面をベースカー
ブとするフレネルレンズとし、適宜、開口に対して光軸
を偏心させれば、比較的薄いレンズアレイを用いて、良
好に上記作用を実現できる。このようなフレネルレンズ
を用いたレンズアレイは、レンズアレイの形状の段差が
少ないので、プレス成形などの工法を用いて比較的加工
し易いという利点がある。
【0162】(図17)に模式的に記載した発光体65
の実像228の集まりは、全体として発光面として作用
し、受光面50'の全体を照明する光を放射する。カラ
ー画素51上には、当該発光面の実像が形成される。
(図18)は、この様子の一例を模式的に示す。各画素
開口上には、およそ開口形状に内接するように発光面の
実像229'が形成される。
【0163】上記構成によれば、マイクロレンズ227
により対応する画素開口部に光を収斂せしめるので、ブ
ラックマトリックス部で遮光される光が減少し、光利用
効率を向上させることができる。更に、マイクロレンズ
227により収斂される微小照明領域の形状を、対応す
る画素開口の形状におよそ内接するようにできるので、
開口部を通過する光量を増大せしめ、その結果、明るい
照明を実現できる。
【0164】また、2つのレンズアレイ221と223
は、放物面鏡53から出射する比較的照明むらの大きい
光を照明むらの少ない部分光束に分割し、これらを拡大
して受光面上に重畳させる。従って、明るさむらと色む
らの少ない照明光を形成できる利点をも得ることができ
る。
【0165】(第2の照明手段の第2実施例)以下、本
発明の第2の照明手段の実施形態の他の一例を(図1
9)を用いて説明する。これは、主として、(図14)
に示したものと同様の受光面50'を照明するもので、
更に光利用効率の高い照明を実現するものである。ただ
し、受光面50'の入射側近傍には、(図10)に示し
たものと同様に構成される平板型マイクロレンズアレイ
106が具備される。これは、(図1)に示す第1マイ
クロレンズアレイ63と同様の機能を果たすもので、例
えば(図20)に示すように構成される。
【0166】(図20)は、マイクロレンズアレイ10
6を構成するマイクロレンズ107の開口形状を(図1
5)と同様に示したもので、1つのマイクロレンズ10
7は1単位のカラー画素51'と対をなし、画素開口5
1R'、51G'、51B'の形成される正方形領域を覆
う開口形状を有する。マイクロレンズ107の光軸は、
カラー画素51'の正方形領域の重心にあり、緑の画素
開口51G'の重心72G'に相当する。
【0167】メタルハライドランプ52、放物面鏡5
3、UV-IRカットフィルタ54は、(図1)および
(図14)に示したものと同じである。発光面形成レン
ズ55からマイクロレンズアレイ106に至る構成は、
(図1)に示した本発明の第1の照明手段の第1実施例
における発光面形成レンズ55から第1マイクロレンズ
63に至る光学系と同様に構成される。
【0168】発光面形成レンズ55は、その主平面67
を前置受光面とし、当該レンズに入射する光束を収斂さ
せて受光面50'を照明する発光面を形成する。赤反射
ダイクロイックミラー56と青反射ダイクロイックミラ
ー57は、入射する白色光を三原色の色光に分離し、
赤、緑、青の発光面68R、68G、68Bを形成す
る。リレーレンズ60R'、60G'、60B'は(図1
2)に示したものと同様に構成され、前置受光面67の
実像を受光面50'上に適切な倍率で形成する。
【0169】フィールドレンズ62とマイクロレンズア
レイ106は、三原色に分離された発光面68R、68
G、68Bの実像を、対応する画素開口51R'、51
G'、51B'上に形成する。そのために、発光面68
R、68G、68Bからカラー画素51'に至る光学系
の倍率と、各発光面の大きさと配置は適切に設定され
る。
【0170】上記構成によれば、発光体65の放射する
白色光はあらかじめ三原色の発光面に分離され、各色光
は対応する画素の開口部にのみ選択的に導かれる。従っ
て、カラー画素51'の各開口は特に色フィルタを備え
る必要がなく、光利用効率の高い照明を実現できる。特
に、(図19)に示す照明手段は、放物面鏡53から前
置受光面67に至る光路中に第1レンズアレイ102と
第2レンズアレイ103を具備することで、以下に述べ
る格別の効果を得ることができる。2つのレンズアレイ
102と103は、(図14)に示したレンズアレイ2
21と223と同様の目的で同様に構成される。
【0171】例えば、第1レンズアレイ102は(図2
1)に示す構成とする。これは、(図16)に示したも
のと同様に、受光面50'と相似の開口形状を有する第
1レンズ104を二次元状に配列してなる。また、第2
レンズ103は(図22)に示す構成とする。これは、
第1レンズ104と対をなす第2レンズ105を二次元
状に配列してなる。これらのレンズアレイ102と10
3は、(図14)における受光面50'の替わりに、前
置受光面67を照明する。前置受光面67と本実施例に
おける受光面50'は互いに共役なので、当該レンズア
レイの機能は(図14)に示したものと同じである。
【0172】発光面形成レンズ55は、第2レンズアレ
イ103の開口近傍の物体の実像を、発光面68R、6
8G、68Bとして形成し、マイクロレンズ107は当
該発光面の実像を対応する画素開口上に形成する。従っ
て、(図19)に示す構成は、(図14)に示す構成
に、白色光を三原色に分離してこれらの色光を対応する
画素開口に選択的に導く機能を付加したものである。こ
の場合に、カラー画素51'上に形成される発光面の実
像131R、131G、131Bの一例を(図23)に
示す。
【0173】各画素開口を通過できる光量に対して発光
面の放射する光が少なく、形成される発光面の実像が対
応する画素開口内にほぼ含まれる場合、第2レンズアレ
イ103の開口形状を例えば(図22)に示すように構
成しても、十分に光利用効率の高い照明を実現できる。
また、照明する画素開口の形状が、例えば(図2)に示
したような正方形に近い形状であれば、上記構成のレン
ズアレイを用いて、正方形の画素開口を近似する発光面
を形成できる。
【0174】更に、(図19)に示す実施例において、
第1レンズアレイ102と第2レンズアレイ103を、
(図14)に示した第1レンズアレイ221と第2レン
ズアレイ223と同様に構成すれば、なお好ましく、よ
り明るい照明を実現できる。すなわち、第2レンズアレ
イ103の開口形状と当該レンズアレイ上に形成される
発光体の実像を、(図17)に示したものと同様にす
る。これにより、カラー画素51'上には、(図18)
に示したような発光面の実像が、三原色に分離された状
態で形成される。画素開口上の微小照明領域の断面形状
を、開口部の形状に整合せしめることができ、当該開口
部を通過する光量を増大せしめて、より明るい照明を実
現できる。
【0175】(図19)に示す構成の照明手段は、更に
以下に述べる格別の作用と効果を有する。2枚のレンズ
アレイから構成される系101は光束を分割、拡大、重
畳する光学系であり、前置受光面67を照明する光の明
るさ分布を均一にする。このような照明系の明るさの分
布は、主として受光面の各点から発光面を見た場合の見
かけの拡がりできまる。
【0176】言い換えれば、受光面を照明する明るさの
分布が大きく異なれば、マイクロレンズアレイ106で
形成される発光面の実像の大きさが場所に依り大きく異
なる。受光面を照明する明るさの均一性が高ければ、上
記発光面の実像の大きさは、場所に依らず一定の大きさ
となる。
【0177】上記作用は、受光面上の光学像を観察する
場合に明るさの均一性が向上するので望ましく、さら
に、マイクロレンズ107で互いに分離された三原色の
微小照明領域を形成する場合には、互いに隣り合う色光
の混色を抑制できるので大変好ましい。全受光面で一定
の大きさを有する画素開口に対して、大きさの揃った発
光面の実像を形成できるので、光学系の配置誤差の影響
を受けにくく、全画素を選択的に良好に照明することが
できる。
【0178】(第2の照明手段の第3実施例)(図1
9)を用いて述べた本発明の第2の照明手段について、
更に好ましい他の実施例を述べる。(図19)に示す構
成のランプ52から発光面68R、68G、68Bに至
る構成を(図24)に示す構成とする。
【0179】ただし、(図24)は、(図19)に示す
構成において画素開口が相対的に長い方向を紙面に沿っ
た方向とし、2つのダイクロイックミラー56、57は
破線156の領域に配置するとして割愛し、緑の色光の
リレーレンズ60Gのみを記載している。
【0180】(図19)に示したものと同様に、ランプ
52から2枚のレンズアレイ102と103に至る系を
光源ユニット151、152として構成し、これら2つ
の光源ユニットを用いて前置受光面67を重畳形態で照
明する。各光源ユニット151、152の光軸153、
154は、前置受光面67の重心67C上で光軸66と
交差する。
【0181】このようにすれば、2つの第2レンズアレ
イ103の主平面を近似する平面155上に、2つの発
光面が形成され、これらは、画素開口の縦に長い方向に
対応する。発光面形成レンズ55は、当該発光面の実像
を、例えば緑の色光についてリレーレンズ60Gの開口
上に68Gとして形成する。
【0182】上記照明手段を用いた場合のカラー画素5
1'上の発光面の実像の一例を、(図25)に示す。例
えば、赤の画素開口51R'について、2つの発光面1
60Rと161Rが、縦長の画素開口を近似するように
形成される。緑と青の画素開口についても同様である。
光源を2つ用いて縦長の発光面を形成し、これを縦長の
画素開口を有効に通過せしめるので、極めて光利用効率
が高く明るい照明を実現できる。
【0183】(第2の照明手段の第4実施例)本発明の
第2の照明手段について、更に好ましい第4の実施例を
述べる。(図26)において、フィールドレンズ62、
マイクロレンズアレイ106、受光面50'、カラー画
素51'は、(図19)に示したものと同様に構成され
る。当該照明手段は、メタルハライドランプ52から放
射される白色光を赤色反射ダイクロイックミラー56と
青色反射ダイクロイックミラー57を用いて三原色の色
光に分離した後に、各色光の光路に、(図16)と(図
17)に示したものと同様の2枚のレンズアレイを備え
る構成を示す。
【0184】例えば、緑色の色光について説明する。発
光体65から放射される光は楕円面鏡53'によりその
大部分が集光され、その出射側焦点近傍に収斂される。
第1レンズアレイ232Gは(図16)に示した第1レ
ンズアレイ221と同様に構成され、楕円面鏡53'の
出射側焦点の近傍に配置される。第1レンズアレイ23
2Gから出射した光は、(図17)に示した第2レンズ
アレイ223と同様に構成される第2レンズアレイ23
3Gに導かれ、当該レンズアレイ近傍に形成される発光
体65の実像の集まりは、緑色の発光面として受光面5
0'を照明する。以下の照明の手順は(図19)を用い
て述べたものと同様である。
【0185】第1レンズアレイ232Gの入射側には、
収束レンズ231Gを配置する。その構成と作用を(図
27)を用いて述べる。便宜上、収束レンズ231Gと
第1レンズアレイ232Gは離して記載するが、これら
は互いに近接して配置する。発光体65から放射される
光は、楕円面鏡53'の出射側焦点235Bの近傍に収
斂する。厳密には、楕円面鏡53'に内包される焦点2
35Aから出射する光239、240が、出射側焦点2
35Bに到達し、一般に発光体65の重心を当該焦点2
35A近傍に配置せしめる。
【0186】収束レンズ231Gの入射側焦点は、楕円
面鏡53'の頂点236近傍に配置せしめる。楕円面鏡
53'をその出射側焦点235B近傍から見た場合、楕
円面鏡53'の反射面全体が発光面であり、その重心は
頂点236近傍に位置する。
【0187】従って、楕円面鏡53'から出射する光の
射出瞳の重心は頂点236近傍に位置すると見なせ、当
該射出瞳の重心と収束レンズ231Gの入射側焦点を一
致せしめる。これにより、収束レンズ231Gから出射
する光の主光線は、光軸66とおよそ平行に進行する光
として第1レンズアレイ232Gに入射せしめることが
できる。
【0188】更に、楕円面鏡53'の離心率を適切に選
択し、発光体65の光軸66と直交する方向の長さWと
収束レンズ231Gの有効径D、第1焦点距離F1、第
2焦点距離F2、について、D/W≒F2/F1の関係
を満たすようにするとなお好ましい。第1焦点距離F1
とは頂点236から焦点235Aに至る距離であり、第
2焦点距離F2とは頂点236から焦点235Bに至る
距離である。このようにすれば、発光体65の長さWに
より楕円面鏡53'から拡散して出射する光237、2
38が、収束レンズ231の有効径Dの範囲内に到達
し、有効に利用される。
【0189】一方、焦点235Aから出射する光線23
9、240とこの近傍で拡がりを持った光線は、収束レ
ンズ231の中心近傍に収斂されるので、この拡がりに
合わせて有効径Dを定めれば、楕円面鏡53'で集光さ
れる光の大部分を、第1レンズアレイ232Gに有効に
到達せしめることができる。
【0190】上記構成と作用は、ダイクロイックミラー
56と57で光路が折り曲げられる点を除いて、赤色と
青色の光路について同様である。ただし、(図26)に
示す構成では、楕円面鏡53'から三原色の各第1レン
ズアレイ232R、232G、232Bの各々に至る光
路長が、互いに異なる。
【0191】従って、(図27)に示す関係を、全ての
色光の光路について厳密に満たすことは難しい。しか
し、出射側焦点235B上の光の拡がりに対して、第2
焦点距離F2が比較的長い場合、上記光路長の差は実用
上無視できるほど小さく、各色光について、およそ(図
27)に示す関係を満たすように構成すればよい。
【0192】上記構成は、光利用効率をあまり損なうこ
となく、楕円面鏡53'から第1レンズアレイ232
R、232G、232Bの各々に至る光路を長くするこ
とができる。これにより、ダイクロイックミラー56、
57と平面ミラー58、59を配置する十分な空間を確
保できる利点がある。
【0193】(図26)に示す構成の照明手段は、発光
体65から放射される光の大部分を受光面50'上に導
き、明るさの均一性の高い照明を実現できる。更に、受
光面の画素開口の形状に合わせた微小照明領域を、三原
色の色光が互いに分離された状態で周期的に形成するの
で、極めて光利用効率の高い照明を実現できる。更に、
受光面の全域で各微小照明領域の大きさを揃えることが
できる。
【0194】(第2の表示装置の実施例)(図14)か
ら(図27)を用いて説明した本発明の第2の照明手段
を用いれば、明るく品位の高い画像を提供する表示装置
を構成できる。受光面として、例えば、各実施例で具体
的に述べた画素構造を有する液晶パネルを用いればよ
い。更に、液晶パネルで形成された光学像を表示する手
段として、例えば、本発明の第1の表示装置として(図
6)から(図8)に示す構成において用いたものを同様
に用いることができる。
【0195】この場合、照明光の光路中に配置される第
1レンズアレイと第2レンズアレイの開口形状につい
て、更に好ましい構成の一例を以下に述べる。
【0196】受光面が例えばNTSCのTV信号を表示
するもので、4:3のアスペクト比を有する矩形形状で
ある場合、第1レンズアレイを構成する第1レンズを、
同じ4:3のアスペクト比を有する矩形開口とし、その
個数を4個、6個、7個、9個、10個、14個、16
個、18個、のいずれかにするとよい。
【0197】この場合の、第1レンズアレイと第2レン
ズアレイの開口形状の一例を、(図28)から(図3
7)に示す。いずれも、(A)は第1レンズアレイの開
口形状であり、(B)は第2レンズアレイの開口形状で
ある。いずれも第1レンズアレイの開口形状には、開口
の総和が内接する正円を付記する。
【0198】受光面は、例えば(図13)に示したよう
な縦方向に細長い矩形開口であると仮定する。Nはレン
ズアレイを構成するレンズの個数であり、a、b、c、
・・・の小文字記号は、2つのレンズアレイにおけるレ
ンズの対応関係の一例を示す。
【0199】また、受光面が例えばハイビジョンやワイ
ドテレビの信号を表示するもので、16:9のアスペク
ト比を有する矩形形状である場合、第1レンズアレイを
構成する第1レンズを、同じ16:9のアスペクト比を
有する矩形開口とし、その個数を4個、6個、9個、1
0個、12個、14個、16個、17個、22個、のい
ずれかにするとよい。この場合の、第1レンズアレイと
第2レンズアレイの開口形状の一例を、同様に(図3
8)から(図47)に示す。
【0200】レンズアレイを構成するレンズの個数を特
に上述するように定めると、当該レンズアレイに入射す
る光をより有効に利用できる。上記第1レンズアレイの
開口形状は、いずれも当該レンズアレイに入射する円形
の光束断面におよそ内接する形状であるので、当該光束
をあまり損失させることなく有効に利用できる。
【0201】レンズの個数が上記個数より多くなると、
レンズアレイを設計する手順が非常に複雑になると共
に、レンズアレイを具現化することが容易でなくなるの
で問題がある。レンズの個数が上記個数より少ない場
合、本発明が上記レンズアレイを用いることの効果を十
分に得ることができない。
【0202】(第3の照明手段の第1実施例)以下、本
発明の第3の照明手段について(図48)を用いて実施
形態の一例を述べる。(図48)に示す照明手段は、例
えば、(図2)に示した画素開口を有するカラー表示の
液晶パネルを照明するために用いるとする。そのため
に、(図19)に示した照明手段と同様の、フィールド
レンズ62、マイクロレンズアレイ106'を備える。
マイクロレンズアレイ106'は、(図3)に示した第
2マイクロレンズアレイ64と同様に、六角形の開口を
有するマイクロレンズ107'を、1単位のカラー画素
51に対応させて配列する。その出射側焦点は、対応す
る画素開口の近傍に配置せしめる。
【0203】メタルハライドランプ52に形成される発
光体65は白色の光を放射し、楕円面鏡53'はその大
部分を集光し、出射側焦点近傍に光を収斂せしめる。U
V-IRカットフィルタ54は、不要な赤外線と紫外線
を除去する。楕円面鏡53'からその出射側焦点に至る
光路中には、ダイクロイックミラーと平面ミラーが適切
に配置され、白色の光を三原色の色光に分離する。
【0204】例えば、ダイクロイックミラー303は、
赤と緑の色光を反射させ、青の色光を透過せしめる。ダ
イクロイックミラー304は、緑の色光を反射させ、赤
の色光を透過せしめる。平面ミラー305は基板の両面
が反射面であり、ランプ52に近い側の面は当該ミラー
に入射する青の色光の光路を直角に折り曲げる。他方の
面は当該ミラーに入射する緑の色光の光路を直角に折り
曲げる。他の4枚の平面ミラー306は、各ミラーに入
射する光の光路を適切に折り曲げる。
【0205】上記手順に従って分離された三原色の色光
の光路には、第1レンズ301R、301G、301B
と、第2レンズ302R、302G、302B、が配置
される。赤と青の色光の光路には、2枚の平面ミラー3
07が配置される。第1レンズ301R、301G、3
01Bは楕円面鏡53'の出射側焦点近傍に配置され、
その開口上には、発光体65の実像が形成される。各々
の第1レンズは、当該レンズを通過する光を収斂せしめ
て、対応する第2レンズ302R、302G、302B
の開口上に発光面68R、68G、68Bを形成する。
そのために、およそ楕円面鏡53'の頂点近傍の物体の
実像を、対応する第2レンズの開口近傍に形成する。
【0206】第2レンズ302R、302G、302B
は、適切な倍率で対応する第1レンズの開口近傍の物体
の実像を、フィールドレンズ62の主平面69近傍に形
成する。適切な倍率とは、第1レンズの開口上に形成さ
れる発光体65の実像が、拡大されて受光面50の必要
な領域を十分に覆うように定める。フィールドレンズ6
2は、緑の発光面68Gの重心から出射する光を光軸6
6と平行に進行する光とせしめる。同様に、赤の発光面
の重心から出射する光は、光軸66と所定の角度をなし
て、互いに平行に進行せしめる。青の発光面の重心から
出射する光についても同様である。これらの三原色の色
光は、マイクロレンズアレイ106'に到達し、三原色
に分離された所定の微小照明領域を形成する。
【0207】光路中に形成される発光面68R、68
G、68Bは、その有効な拡がりと配置を、受光面50
の対応するカラー画素51に対応せしめる。マイクロレ
ンズアレイ106'は、三原色に分離された発光面の実
像を対応する画素開口近傍に形成するので、(図9)に
示したものと同様の微小照明領域が二次元状に配列され
る。従って、(図48)に示す照明手段は、発光体65
から放射される白色の光をあらかじめ三原色の色光に分
離し、各色光を選択的に対応する画素の開口部に導くの
で、光利用効率の高い照明を実現できる。
【0208】更に、(図48)に示す照明手段は、発光
体65の放射する光を極めて高い効率で利用できる。発
光体65の放射する光の大部分は楕円面鏡53'によ
り、その出射側焦点近傍に収斂せしめられる。当該焦点
には第1レンズ301R、301G、301Bが配置さ
れ、収斂された光の大部分が入射せしめられる。当該レ
ンズに入射した光は、第2レンズ302R、302G、
302Bの開口部に収斂せしめられ、発光面68R、6
8G、68Bが形成される。当該発光面の近傍には、前
記第2レンズが配置され、対応する前記第1レンズから
出射する光の大部分を、フィールドレンズ62に有効に
到達せしめる。
【0209】しかも、楕円面鏡53'からフィールドレ
ンズ62に至る光路長は、三原色の各色で互いに等しく
構成されている。楕円面鏡53'から3つの第1レンズ
301R、301G、301Bに至る光路長は、当該光
路に配置されるミラーの構成の工夫により、互いに等し
い。3つの第1レンズ301R、301G、301Bか
ら3つの第2レンズ302R、302G、302Bに至
る光路長も互いに等しく、各第2レンズからフィールド
レンズ62に至る光路長も互いに等しい。
【0210】上記構成によれば、第1レンズの各々と第
2レンズの各々の開口の大きさが、当該レンズに入射す
る光束の有効断面よりも大きければ、発光体65の放射
する光の大部分を、極めて高い光利用効率で、受光面5
0に導くことができる。更に、三原色の色光の光路長が
互いに等しいので、全ての色について高い光利用効率を
実現できる。三原色の色光で照明光の光路が同等であれ
ば、受光面50上における三原色の光束断面の明るさ分
布が同等となり、白色の照明における色むらを抑制でき
る利点がある。
【0211】(第3の照明手段の第2実施例)(図4
8)に示す照明手段は、例えば、(図13)に示した画
素開口を有するカラー表示の液晶パネルを照明するため
に用いてもよい。その場合、発光体65から、三原色の
発光面68R、68G、68Bに至る構成を、(図4
9)に示す構成とすればなお好ましい。
【0212】(図49)において、ダイクロイックミラ
ー303、304、平面ミラー305、306、307
は、(図48)に示したものと同様のものを同様に構成
し、第1レンズ301R、301G、301Bの替わり
に、収束レンズ231R、231G、231Bと第1レ
ンズアレイ232R、232G、232Bを用いる。第
2レンズ302R、302G、302Bの替わりに、第
2レンズアレイ233R、233G、233Bを用い
る。
【0213】赤の色光の光路について、収束レンズ23
1Rと第1レンズアレイ232Rと第2レンズアレイ2
33Rは、(図26)に示したものを同様に用いる。例
えば、第1レンズアレイ232Rは(図16)に示す開
口形状とし、第2レンズアレイ233Rは(図17)に
示す開口形状とする。楕円面鏡53'と収束レンズ23
1Rは、(図27)に示す関係を満たすように構成され
る。
【0214】上記構成によれば、第2レンズアレイ23
3R、233G、233Bの開口近傍に、縦長の有効形
状を有する三原色の発光面が形成され、受光面上には、
(図18)に示したものと同様の微小照明領域が三原色
に分離された状態で形成される。
【0215】従って、上記構成の照明手段は、上述した
本発明の照明手段の各実施例における効果を併せ持ち、
極めて高い光利用効率で、明るさの均一性の高い照明を
実現する。対応する画素開口の形状に適した形状の微小
照明領域を形成するので、当該照明手段を用いて表示装
置を構成した場合に、非常に明るく品位の高い画像を提
供できる。
【0216】(第3の照明手段の第3実施例)(図4
8)および(図49)に示す照明手段は、同様の作用と
効果を有する目的で、以下に述べる構成とすれば、コン
パクトな光学系を構成できるのでなお好ましい。
【0217】(図48)に示す構成において、発光体6
5から、三原色の発光面68R、68G、68Bに至る
構成を、(図50)に示す構成とする。当該照明手段
は、例えば(図13)に示した画素開口を有するカラー
表示の液晶パネルを照明するために用いるとする。
【0218】(図50)は、光源部を斜め上方から見た
斜視図である。メタルハライドランプ52、楕円面鏡5
3'、赤反射ダイクロイックミラー321、青反射ダイ
クロイックミラー322、第1平面ミラー323R、3
23G、323B、第2平面ミラー324R、324
G、324B、第1フレネルレンズアレイ325R、3
25G、325B、第3平面ミラー326R、326
B、第2フレネルレンズアレイ327R、327G、3
27B、から構成される。
【0219】構成をわかりやすくするために、楕円面鏡
53'と2枚のダイクロイックミラー321、322の
部分を移動させて記載しており、実際には、点330A
が点330Bの位置となるように構成される。
【0220】2枚のダイクロイックミラー321、32
2は、X字状に配置されて白色光を三原色の色光に分離
する。赤の色光の光軸を331R、緑の色光の光軸を3
31G、青の色光の光軸を331B、で示す。3枚の第
1平面ミラー323R、323G、323Bは、各色光
の光軸を90度折り曲げ、鉛直下方向に向かわせる。
【0221】3枚の第2平面ミラー324R、324
G、324Bは、再び各色光の光軸を90度折り曲げ、
水平方向に延びた同一平面上を進行させて、点330B
を鉛直下方向に移動させた点330Cでこれらの光軸の
延長を互いに交差させる。
【0222】第3平面ミラー326R、326Bは、更
に赤と青の色光の光軸を折り曲げ、緑の色光の光軸とお
よそ同一の方向に向かわせる。厳密に言えば、第3平面
ミラー326R、326Bの向きは、対応する受光面の
有効領域の重心で三原色の色光の各光軸を交差せしめる
ように決める。
【0223】上記構成によれば、楕円面鏡53'から第
1フレネルレンズアレイ325R、325G、325B
に至る三原色の色光の各光路長は、他の色光の光路長に
影響を与えることなく、単独に制御できる。具体的に、
第1平面ミラーと第2平面ミラーによりU字状に光路を
曲げる部分の長さを制御することで、各色光の光路長を
単独で長くしたり短くしたりできる。その結果、(図4
8)に示す構成よりも容易に、三原色の各色光の光路長
を互いに等しくできる。しかも、コンパクトにまとまっ
た光学系を構成できる。
【0224】(図51)は、緑の色光の光軸331Gに
沿って、対応する光学要素を示す。ただし、2枚のダイ
クロイックミラー321と322は、空間332に配置
するとして省略する。また、赤と青の色光についても構
成は同様であり、空間332に配置されるダイクロイッ
クミラーにより光軸を90度折り曲げ、空間333に配
置される第3平面ミラー326Rまたは326Bによ
り、光軸を90度程度折り曲げたものと見なせる。ただ
し、各色光で、図中の334、335で示す部分の光路
長を異ならせ、(図50)に示すように構成しても、楕
円面鏡53'から対応する第1フレネルレンズアレイ3
25R、325G、325Bに至る光路長を互いに等し
くしている。
【0225】第1フレネルレンズアレイ325Gは、
(図49)に示す構成の第1レンズアレイ232Gの機
能を代替するもので、例えば(図52)に示す構成とす
る。第2フレネルレンズアレイ327Gは、(図49)
に示す構成の第2レンズアレイ233Gの機能を代替す
るもので、例えば(図53)に示す構成とする。いずれ
も、所定の開口と偏心を有するフレネルレンズを配列し
て構成したもので、6個のレンズから構成される場合の
構成の一例を示している。
【0226】例えば、第1フレネルレンズ336Gは、
そのレンズ中心が337Gである。当該レンズは、これ
に入射する光を対応する第2フレネルレンズ338Gの
開口上に収斂せしめる。レンズ中心337Gの位置は、
収斂した光が対応する第2フレネルレンズの開口の重心
近傍となるように定める。第2フレネルレンズ338G
は、そのレンズ中心が339Gである。
【0227】当該レンズは、対応する第1フレネルレン
ズ336Gの開口の実像を、所定の倍率で受光面近傍に
形成する。レンズ中心339Gの位置を適切に定めて、
6個の第2フレネルレンズの形成する実像を、受光面上
に重畳させる。これらの構成は、赤と青の色光について
も同様である。
【0228】上記構成に依れば、(図53)に示した第
2フレネルレンズアレイの縦長の有効開口を近似する発
光面が、三原色に分離された形態でおよそ同一平面上に
形成される。しかも、三原色のいずれの色光について
も、極めて高い光利用効率で明るさの均一性の高い照明
を実現できる。
【0229】(図50)に示す構成は、第1フレネルレ
ンズアレイ325R、325G、325Bの入射側に収
束レンズを配置し、(図27)に示した関係を満たすよ
うに構成すると、更に光損失を抑制できる。この場合、
基板の入射側の面に前記収束レンズの機能を果たすフレ
ネルレンズを、出射側の面に(図52)に示す形状のフ
レネルレンズアレイを、それぞれ形成してもよい。
【0230】例えば、PMMA樹脂を用いて両面をプレ
ス成形し、このような光学素子を具現化できる。第2フ
レネルレンズアレイについても同様の工法で具現化でき
る。2つのフレネルレンズアレイは、メタルハライドラ
ンプ52から比較的離れているので耐熱性はあまり要求
されない。従って、PMMA樹脂などの比較的耐熱性は
低いが加工性の高い材料を用いることができる。
【0231】また、例えば、赤の色光について、第1フ
レネルレンズアレイ325Rと第3平面ミラー326R
と第2フレネルレンズアレイ327Rは所定の光路長を
なして一体保持する。緑の色光について、第1フレネル
レンズアレイ325Gと第2フレネルレンズアレイ32
7Gは所定の光路長をなして一体保持する。青の色光に
ついて、第1フレネルレンズアレイ325Bと第3平面
ミラー326Bと第2フレネルレンズアレイ327Bは
所定の光路長をなして一体保持する。
【0232】このようにすれば、(図50)に示す構成
の光学系を容易に構成でき、照明手段を構成した場合に
調整が容易となる。
【0233】特に、赤と青の色光について、上記各要素
を一体保持したユニットを構成すると都合がよい。一体
保持したユニットを微動させて、以下に述べる2つの調
整を容易に実現できる。
【0234】第1に、三原色の各照明光は受光面の有効
領域上に重畳されて、白色の照明を行う必要がある。特
定の色について照明される範囲がずれれば、受光面の周
辺部で特定の色光が欠損し、照明光に色むらを生じるの
で問題がある。これに対し、上記各ユニットを微動させ
れば、赤と青の色光の照明範囲を緑の色光の照明範囲に
良好に重畳させることができる。
【0235】第2に、受光面のカラー画素上において、
三原色の各画素の開口上に所定の色光の微小照明領域を
導く必要がある。これに対し、上記各ユニットを微動さ
せれば、緑の発光面に対する赤と青の発光面の位置を微
妙に調整でき、カラー画素上での三原色の微小照明領域
の間隔を調整できる。
【0236】(第3の表示装置の第1実施例)(図4
8)から(図53)を用いて説明した本発明の第3の照
明手段を用いれば、明るく品位の高い画像を提供する表
示装置を構成できる。受光面として、例えば、各実施例
で具体的に述べた画素構造を有する液晶パネルを用いれ
ばよい。更に、液晶パネルで形成された光学像を表示す
る手段として、例えば、本発明の第1の表示装置として
(図6)から(図8)に示す構成において用いたものを
同様に用いることができる。
【0237】特に、液晶パネル上の光学像を投写レンズ
を用いて投影する投写型の表示装置を構成した場合の構
成の一例について、その一部を(図54)に示す。液晶
パネル341は、アクティブマトリックス駆動される透
過型のツイストネマチック液晶パネルであり、例えば
(図13)に示した画素構造を有する。その入射側に
は、マイクロレンズアレイ342が貼付される。これ
は、(図20)に示すマイクロレンズアレイ106と同
様に構成される。更にその入射側には、フレネルレンズ
で構成されるフィールドレンズ343が配置される。
【0238】液晶パネル341は、三原色に分離された
縦長の発光面68R、68G、68Bによって照明され
る。例えば、(図50)に示す構成を用いて、第2レン
ズアレイ327R、327G、327Bの各開口を発光
面68R、68G、68Bに対応させる。液晶パネル上
の光学像は、投写レンズ344によりスクリーン(図示
せず)上に拡大投影される。
【0239】上記構成の表示装置は、ランプの放射する
光を極めて高い光利用効率で各画素開口に導き、しかも
三原色に分離して対応する画素開口を通過せしめる。画
素開口を通過した光は投写レンズによりスクリーン上に
導かれて、画像を形成する。従って、光出力の大きい表
示装置を実現し明るい画像を提供するので、極めて大き
な効果を得ることができる。特に、(図50)に示した
構成を用いれば、明るさの均一性の高い表示画像を実現
すると共に、光源部の構成をコンパクトにできるので、
なお好ましい。
【0240】本発明の第1の照明手段に記載したよう
に、液晶パネルの入射側に、(図1)に示したものと同
様の第1マイクロレンズアレイと第2マイクロレンズア
レイを配置するとなお好ましい。第1マイクロレンズア
レイはマイクロレンズアレイ342の作用を果たし、第
2マイクロレンズアレイを付加して、画素開口を通過す
る三原色の色光の主光線を互いにおよそ平行に進行せし
めれば、光損失を発生させることなくより集光角の小さ
い投写レンズを用いることができる。
【0241】(第3の表示装置の第2実施例)以下、具
体的に発明者の行った実験の結果を述べ、本発明の第3
の照明手段と当該照明手段を用いて構成した第3の表示
装置の効果を補足する。
【0242】(図50)に示した構成の光学系を用いて
三原色に分離された発光面68R、68G、68Bを形
成し、(図54)に示した投写型表示装置を構成した。
液晶パネル341は、いわゆるVGAと呼ばれるコンピ
ュータ表示に対応したもので、(図13)に示したもの
と同様の画素構造を有する。アスペクト比は4:3であ
り、信号を変換することでNTSCのテレビ信号も表示
できる。カラー画素は、水平方向に640個、垂直方向
に480個ずつ配列され、1単位のカラー画素は207
μm×207μmの正方形領域からなる。
【0243】三原色の画素は、1単位のカラー画素を縦
方向に3分割して形成され、1つの画素は水平方向に6
9μm、垂直方向に207μmの矩形領域からなる。こ
の矩形領域に、同じく矩形に近似される画素開口を有
し、その水平方向の開口長は44μm、垂直方向の開口
長は130μmであった。液晶パネルの表示領域は、水
平方向が132.48mmであり、垂直方向は99.36
mmである。対角長は165.6mmであり、約6.5イン
チに相当する。
【0244】メタルハライドランプ52は、ランプ電力
が250Wのもので、発光体65の有効形状は円筒形に
近似できるものを用いた。円筒形の回転対称軸は、楕円
面鏡53'の光軸と一致し、その光軸方向に約3mmの
長さを有し、円筒形の底面の直径は約2mmであった。
(図27)を参照し、楕円面鏡53'の第1焦点距離F
1は10mmで、第2焦点距離F2は210mmとし
た。出射側の開口は、直径を68mmとし、発光体65
から放射される光の大部分を集光した。発光体65は、
その重心と楕円面鏡53'の焦点が一致するように配置
した。
【0245】(図52)を参照し、第1フレネルレンズ
アレイ325Gは、水平方向に16mm、垂直方向に1
2mmの矩形開口を有する第1フレネルレンズ336G
を6個用い、水平方向に2個、垂直方向に3個、配列し
た。これにより、第1フレネルレンズアレイ325G
は、直径が約48mmの正円に内接する開口形状を有し
た。各レンズの焦点距離は約33mmで、諸収差を抑制
するために非球面を基準曲面とし、適宜、偏心させた。
【0246】第1フレネルレンズアレイ325Gの入射
側には、凸面を楕円面鏡に向けて平凸レンズを配置し
た。レンズの平面側と第1フレネルレンズアレイ325
Gの入射側の面を近接させた。これは、(図27)にお
ける収束レンズ231Gに相当し、焦点距離を約210
mmとして、入射側焦点と楕円面鏡53'の頂点を一致
させた。このようにすると、(図51)を参照して、楕
円面鏡53'の出射側開口から第1フレネルレンズアレ
イ325Gに至る光路長を十分に大きくすることがで
き、2枚のダイクロイックミラーを配置する空間332
と、第1平面ミラー323Gと第2平面ミラー324G
を配置する空間を設けることができた。
【0247】また、第1フレネルレンズアレイ325G
に入射する光は、前記平凸レンズの作用により光軸33
1Gとおよそ平行に進行する光となり、その有効径は、
およそ50mmであった。従ってその大部分が第1フレ
ネルレンズアレイ325Gに有効に入射した。
【0248】第2フレネルレンズアレイ327Gは、
(図53)に示したように形成した。具体的に、第2フ
レネルレンズ238Gは、焦点距離が約31mmで、液
晶パネル341の入射側に配置されるフィールドレンズ
343と相まって、倍率を約8.7倍とした。この倍率
とは、対応する第1フレネルレンズ336Gの開口を物
体とし、これを液晶パネル341の表示領域上に投影す
る時の倍率に相当する。第2フレネルレンズ238G
は、非球面を基準曲面とするフレネルレンズで、各レン
ズは適宜、偏心させた。
【0249】これにより、対角長が約20mmである第
1フレネルレンズ336Gの矩形開口を通過する光束
を、対角長が約174mmの矩形断面の光束に拡大し、
液晶パネル341上に重畳させた。第2フレネルレンズ
238Gの各々は、当該レンズを通過する光束断面に対
して必要十分な開口を与え、レンズアレイ全体として、
水平方向に約12mm、垂直方向に約36mmの有効開
口となった。
【0250】(図54)を参照し、液晶パネル341の
入射側に配置されるフィールドレンズ343は焦点距離
を300mmとし、発光面68Gからフィールドレンズ
343までの光路長を300mmとした。すなわち、第
2フレネルレンズアレイ327Gからフィールドレンズ
343までの光路長を300mmとした。
【0251】その結果、第1フレネルレンズアレイ32
5Gから第2フレネルレンズアレイ327Gに至る光路
長は、約33mmとなった。第1フレネルレンズ325
Gの焦点距離は33mmなので、当該レンズに入射する
光は、対応する第2フレネルレンズ327Gの開口上
で、最小の収斂を有するようにした。
【0252】上記構成は、特に緑の色光の光路について
述べたが、基本的な構成は、赤と青の色光の光路に配置
される各要素についても同一である。ただし、第1フレ
ネルレンズアレイ325Rと第2フレネルレンズアレイ
327Rの間の光路には、第3平面ミラー326Rを配
置した。上記構成であれば、第3平面ミラー326Rを
配置する空間を設けることができた。青の光路について
も同様に構成した。
【0253】液晶パネル341の入射側近傍には、(図
20)に示したように構成されるマイクロレンズアレイ
342を配置した。1つのマイクロレンズは正方形の開
口を有し、1つのカラー画素51'と対応させた。その
光軸は、カラー画素51'の中心に位置する緑の画素開
口の重心を通過するようにし、焦点距離は空気中で約
1.1mmとした。
【0254】上記構成に依れば、発光面68R、68
G、68Bから画素開口51R'、51G'、51B'に
至る光路に介在する光学系は、約1/273(1.1m
m/300mm)の倍率で、各発光面と各画素開口を共
役の関係とした。上述したように、第2フレネルレンズ
アレイ327R、327G、327Bの近傍には、水平
方向に約12mm、垂直方向に約36mmの大きさを有
する発光面が三原色に分離された状態で形成され、これ
らが1/273に縮小投影される。
【0255】従って、カラー画素51'上には、水平方
向に約44μm、垂直方向に約132μmの有効長を有
する矩形断面の微小照明領域が、三原色に分離された状
態で二次元状に周期的に形成された。
【0256】上記微小照明領域の有効断面の大きさは、
上記各画素開口51R'、51G'、51B'とおよそ一
致しており、カラー画素51'に入射する白色光の大部
分は、三原色に分離された状態で対応する画素開口を通
過できた。これらの光は、投写レンズ344に入射し、
スクリーン上には極めて明るい画像が表示された。投写
レンズは、焦点距離が約150mmで、有効Fナンバが
2.5のものを用いた。液晶パネル341は各画素開口
に色フィルタを備えていないにも関わらず、色の再現性
と色の均一性に優れたフルカラーの品位の高い投写画像
を表示できた。
【0257】また、投写画像の明るさの均一性も高く、
全白の画面を表示した時に最も暗い部分の最も明るい部
分に対する照度比は、60%であった。また、表示画面
の対角長を40インチとした時に、全白表示状態で画面中
心の照度を測定すると、約1200lxであった。
【0258】比較のために、液晶パネル341と全く同
じ構成で、各画素に対応する色のみを透過させる色フィ
ルタを備えたものを用意した。これを上記実験と同じ2
50Wのメタルハライドランプを用いて、できるだけ明
るく、明るさの均一性が高くなるように照明した。液晶
パネル上の画像は、同様の投写レンズを用いて、40イン
チのスクリーン上に投影した。
【0259】具体的に、(図55)に示す従来の投写型
表示装置と同様に構成し、光源から液晶パネルに至る光
路中に、(図21)と(図22)に示すものと同様の2
枚のレンズアレイを適切に設計して配置した。
【0260】ただし、発光体から液晶パネルの入射側に
至る光学系における光損失と、液晶パネルの出射側から
スクリーンに至る光学系のにおける光損失は、上記実験
に用いた光学系と比較して、特に大きくなることのない
ように構成した。
【0261】ただし、液晶パネルの入射側にはマイクロ
レンズアレイは用いず、三原色の色フィルタに白色の照
明光を入射させたので、この色フィルタ部での損失が相
対的に大きく、また、ブラックマトリックスの開口以外
に入射する光の損失も、上記実験と比較して大きくなっ
た。
【0262】40インチ画面に全白表示をさせた場合、画
面中心の照度は約250lxであった。また、最も暗い
部分の最も明るい部分に対する照度比は60%であり、
上記実験と同程度の明るさの均一性であった。
【0263】上記実験から、本発明の第3の表示装置の
上記実施例は、カラーフィルタを備えて構成される従来
の投写型表示装置と比較して、約4.8倍の光利用効率
の向上を実現した。これは、主としてデータ表示に使わ
れる縦長の画素開口を有する液晶パネルであっても、各
画素開口の形状に整合する三原色に分離された微小照明
領域を、極めて高い光利用効率で形成する本発明の照明
手段の作用と効果に依る。
【0264】更に、表示画像は、色にじみや画素の照明
光の欠損といったような品位を損なう箇所が全くなく、
明るさの均一性も高いので、極めて品位の高いものであ
った。
【0265】尚、上記実験における詳細な仕様は、本発
明の効果を特にこの仕様について限定するものではな
い。特に大きな効果を得ることのできる構成の一例を示
す。ただし、上記各仕様の相対関係を満たすように、発
光体から液晶パネルの画素開口に至る光学系の構成を、
比例的に拡大したり縮小したりしても、同様の効果を得
ることができる。
【0266】(本発明の全ての照明手段と全ての表示装
置に関するその他の実施形態)本発明の第1から第3の
照明手段に関する上記全ての実施例と、本発明の第1か
ら第3の表示装置に関する上記全ての実施例は、特に上
述の構成に限定されるものではない。本発明の意図する
作用を得る構成であればよく、上記各実施例の有益な一
部の構成を互いに組み合わせる構成であってもよい。
【0267】特に、上記各実施例の三原色の発光面を形
成する構成において、赤色と緑色と青色の光路の配置
は、上述の構成に限定されない。カラー画素の色配置に
対応させて任意に定めるとよい。
【0268】また、受光面には主として透過型の液晶パ
ネルを用いるとして説明したが、同様の画素構造を有す
る他の方式の空間光変調素子であっても構わない。
【0269】一方、本発明の照明手段は、必要に応じて
一般的な照明の分野に応用することもできる。上記各実
施例と同様の照明手段を比較的大きな光学系を用いて構
成すれば、例えば、所望の照明スポットを三原色に分離
された状態で、二次元状に周期的に形成できるので、特
殊効果を意図する分野の照明に用いることができる。こ
の場合、マイクロレンズアレイとして表現したものは、
照明する対象に合わせてより大きなレンズアレイであっ
てもよい。
【0270】
【発明の効果】以上述べたように本発明の照明手段は、
高い光利用効率で照明する画素開口に合わせた微小照明
領域を形成するので、極めて明るい照明を実現できる。
特に、本発明の第1の照明手段は、三原色の各画素開口
を通過する光を互いに平行として出射せしめるので、表
示装置を構成する場合に極めて都合よく照明光を利用で
きる。
【0271】また、本発明の第2の照明手段は、画素の
開口形状に整合する断面形状を有する微小照明領域を形
成するので、受光面の画素開口を通過する光量をより多
くすることができる。
【0272】また、微小照明領域の大きさを受光面の全
域で揃えることができるので、色のにじみや特定の画素
で光が欠損するという問題を生じることなく、品位の高
い照明を実現できる。また、本発明の第3の照明手段
は、特に、三原色に分離された発光面を極めて高い光利
用効率で形成できるので、より明るい照明を実現でき
る。
【0273】上記各照明手段を用いて表示装置を構成す
れば、光利用効率が高いので、より明るく品位の高い画
像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の照明手段の第1実施例を示す概
略構成図
【図2】本発明の照明手段により照明する画素構造の一
例を説明するための概略構成図
【図3】第2マイクロレンズアレイの構成の一例を説明
するための概略構成図
【図4】本発明の第1の照明手段の作用を説明するため
の概略構成図
【図5】本発明の第1の照明手段の作用を説明するため
の概略線図
【図6】本発明の第1の表示装置の第1実施例を示す概
略構成図
【図7】本発明の第1の表示装置の第2実施例を示す概
略構成図
【図8】本発明の第1の表示装置の第3実施例を示す概
略構成図
【図9】画素開口近傍に形成される発光面の実像の一例
を示す模式図
【図10】平板型マイクロレンズアレイの構成の一例を
示す概略断面図
【図11】平板型マイクロレンズアレイの構成の他の一
例を示す概略断面図
【図12】本発明の第1の照明手段の他の実施例を説明
するための概略構成図
【図13】本発明の照明手段により照明する画素構造の
他の一例を説明するための概略構成図
【図14】本発明の第2の照明手段の第1実施例を示す
概略構成図
【図15】マイクロレンズアレイの構成の一例を説明す
るための概略構成図
【図16】第1レンズアレイの構成の一例を示す概略構
成図
【図17】第2レンズアレイの構成の一例を示す概略構
成図
【図18】画素開口近傍に形成される発光面の実像の他
の一例を示す模式図
【図19】本発明の第2の照明手段の第2実施例を示す
概略構成図
【図20】マイクロレンズアレイの構成の他の一例を説
明するための概略構成図
【図21】第1レンズアレイの構成の他の一例を示す概
略構成図
【図22】第2レンズアレイの構成の他の一例を示す概
略構成図
【図23】画素開口近傍に形成される発光面の実像の更
に他の一例を示す模式図
【図24】本発明の第2の照明手段の第3実施例を説明
するための概略構成図
【図25】画素開口近傍に形成される発光面の実像の更
に他の一例を示す模式図
【図26】本発明の第2の照明手段の第4実施例を示す
概略構成図
【図27】本発明の第2の照明手段の第4実施例を説明
するための概略線図
【図28】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図29】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図30】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図31】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図32】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図33】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図34】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図35】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図36】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図37】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図38】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図39】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図40】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図41】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図42】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図43】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図44】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図45】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図46】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図47】第1レンズアレイと第2レンズアレイの開口
形状の一例を示す概略線図
【図48】本発明の第3の照明手段の第1実施例を示す
概略構成図
【図49】本発明の第3の照明手段の第2実施例を説明
するための概略構成図
【図50】本発明の第3の照明手段の第3実施例を説明
するための概略構成図
【図51】本発明の第3の照明手段の第3実施例を説明
するための概略線図
【図52】第1レンズアレイの構成の更に他の一例を示
す概略構成図
【図53】第2レンズアレイの構成の更に他の一例を示
す概略構成図
【図54】本発明の第3の表示装置の第1実施例を説明
するための概略構成図
【図55】従来の投写型表示装置の一例を示す概略構成
【図56】液晶パネルの構造の一例を示す概略断面図
【符号の説明】
50、50' 受光面 51、51' カラー画素 51R、51G、51B、51R'、51G'、51B' 画素
開口 52 メタルハライドランプ 53 放物面鏡 53' 楕円面鏡 54 UV−IRカットフィルタ 55 発光面形成レンズ 56、57、303、304、321、322 ダイクロイ
ックミラー 58、59、173、174、212、305、306、30
7 平面ミラー 60R、60G、60B リレーレンズ 62 フィールドレンズ 63、122 第1マイクロレンズアレイ 64、123 第2マイクロレンズアレイ 65 発光体 66 光軸 68R、68G、68B 発光面 201、203、207、341 液晶パネル 202、205 光拡散層 106、106'、204、226、342 マイクロレン
ズアレイ 206 光吸収領域 208、344 投写レンズ 102、221 第1レンズアレイ 103、223 第2レンズアレイ 225、343 フィールドレンズ 231R、231G、231B 収束レンズ 232R、232G、232B 第1レンズアレイ 233R、233G、233B 第2レンズアレイ 301R、301G、301B 第1レンズ 302R、302G、302B 第2レンズ 323R、323G、323B 第1平面ミラー 324R、324G、324B 第2平面ミラー 325R、325G、325B 第1フレネルレンズアレ
イ 326R、326B 第3平面ミラー 327R、327G、327B 第2フレネルレンズアレ

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主として三原色の画素からなるカラー画素
    を二次元状に配列してなる空間光変調素子を照明する手
    段であって、三原色の色成分を含む光を放射する光源
    と、前記光源から放射される光を集める集光手段と、前
    記集光手段から出射する光を収束せしめると共に三原色
    の色光に分離してカラー発光面を形成する発光面形成手
    段と、前記カラー発光面の近傍に配置されて前記発光面
    形成手段から出射する光が入射するリレーレンズと、前
    記リレーレンズから出射する光が入射するフィールドレ
    ンズと、前記フィールドレンズから出射する光が入射す
    る第1マイクロレンズアレイと、前記第1マイクロレン
    ズアレイから出射する光が入射する第2マイクロレンズ
    アレイとを備え、前記カラー発光面は互いに分離された
    三原色の発光面を配列してなり、前記第1マイクロレン
    ズアレイは複数の第1マイクロレンズを二次元状に配列
    してなり、前記第2マイクロレンズアレイは前記第1マ
    イクロレンズと同数で対をなす第2マイクロレンズを配
    列してなり、主として前記第1マイクロレンズアレイは
    前記カラー発光面の実像を二次元状に配列せしめ、前記
    第2マイクロレンズの各々は前記カラー発光面の実像の
    近傍に配置されて対応する前記第1マイクロレンズから
    出射する3原色の色光の各主光線を互いに略平行に進行
    せしめ、互いに分離された三原色の微小照明領域を所定
    の配列に従って周期的に形成することを特徴とする照明
    手段。
  2. 【請求項2】第1マイクロレンズアレイと第2マイクロ
    レンズアレイは、同一基板の両面にイオン交換法により
    レンズ領域を形成してなる平板型マイクロレンズアレイ
    であることを特徴とする請求項1記載の照明手段。
  3. 【請求項3】照明手段と、前記照明手段により照明され
    る空間光変調素子と、前記空間光変調素子により空間的
    に変調された光を用いて画像を形成する画像形成手段と
    を備え、前記照明手段は請求項1に記載の照明手段から
    なり、前記空間光変調素子は三原色の画素からなるカラ
    ー画素構造を備えて光学像を形成し、前記照明手段によ
    り形成される三原色の微小照明領域の各々を前記三原色
    の画素の各々に対応せしめることを特徴とする表示装
    置。
  4. 【請求項4】画像形成手段は投写レンズからなり、前記
    投写レンズは空間光変調素子上の光学像をスクリーン上
    に投影して画像を形成することを特徴とする請求項3記
    載の表示装置。
  5. 【請求項5】画像形成手段は、空間光変調素子の出射側
    近傍に配置されるマイクロレンズアレイと、前記マイク
    ロレンズアレイの出射側に配置される光拡散手段からな
    り、前記マイクロレンズアレイは前記空間光変調素子の
    画素に対応するマイクロレンズを配列してなり、前記マ
    イクロレンズの各々は当該レンズに対応する画素の実像
    を前記光拡散手段の近傍に結像せしめ、前記光拡散手段
    は当該手段に入射する光を散乱させて画像を形成するこ
    とを特徴とする請求項3記載の表示装置。
  6. 【請求項6】三原色の発光面の有効形状の各々を対応す
    る画素の開口形状に近似せしめることを特徴とする請求
    項3記載の表示装置。
  7. 【請求項7】主として複数の画素を二次元状に配列して
    なる空間光変調素子を照明する照明手段であって、光源
    と、前記光源から放射される光を集める集光手段と、前
    記集光手段から出射する光が入射する第1レンズアレイ
    と、前記第1レンズアレイから出射する光が入射する第
    2レンズアレイと、前記第2レンズアレイから出射する
    光が入射するマイクロレンズアレイとを備え、前記第1
    レンズアレイは前記集光手段から出射する光束を複数の
    部分光束に分割する第1レンズを配列してなり、前記第
    2レンズアレイは前記第1レンズと同数で対をなす第2
    レンズを配列してなり、前記マイクロレンズアレイは複
    数のマイクロレンズを二次元状に配列してなり、前記第
    1レンズの各々は当該レンズを通過する前記部分光束を
    対応する前記第2レンズの開口上に収斂せしめ、前記第
    2レンズの各々は当該レンズに入射する前記部分光束に
    所定の倍率を与えて前記マイクロレンズアレイの有効領
    域ないしは当該領域と光学的に等価な領域を重畳形態で
    照明し、前記マイクロレンズアレイは前記第2レンズア
    レイ近傍の物体の実像を二次元状に配列せしめ、前記第
    2レンズアレイの有効開口に応じた所定の有効形状を有
    する微小照明領域を所定の配列に従って周期的に形成す
    ることを特徴とする照明手段。
  8. 【請求項8】集光手段からマイクロレンズアレイに至る
    光路上に色分離手段を備え、前記色分離手段は白色光を
    三原色の色光に分離し、前記三原色の色光は各主光線を
    互いに異なる角度で前記マイクロレンズアレイに入射せ
    しめ、所定の有効断面を有する互いに分離された三原色
    の微小照明領域を所定の配列に従って周期的に形成する
    ことを特徴とする請求項7記載の照明手段。
  9. 【請求項9】第2レンズアレイからマイクロレンズアレ
    イに至る光路にリレー光学手段を備え、前記リレー光学
    手段は入力部レンズ系と中央部レンズ系と出力部レンズ
    系からなり、前記入力部レンズ系は前記第2レンズアレ
    イの開口近傍の物体の実像を前記中央部レンズ系の開口
    近傍に形成せしめ、前記中央部レンズ系は前記入力部レ
    ンズ系の開口近傍の物体の実像を前記出力部レンズ系の
    開口近傍に形成せしめ、前記出力部レンズ系は前記中央
    部レンズ系近傍の発光面の重心から出射する光を互いに
    略平行に進行する光とせしめることを特徴とする請求項
    8記載の照明手段。
  10. 【請求項10】集光手段は焦点を有して光源から放射さ
    れる光を前記焦点近傍に収斂せしめ、第1レンズアレイ
    は前記焦点近傍に配置せしめると共に前記第1レンズア
    レイの入射側近傍に収束レンズを備え、前記収束レンズ
    の入射側焦点は前記集光手段の射出瞳面の重心近傍に配
    置せしめることを特徴とする請求項7記載の照明手段。
  11. 【請求項11】第2レンズの各々は当該レンズを通過す
    る光束断面に応じて互いに異なる大きさと形状の開口を
    備えることを特徴とする請求項7記載の照明手段。
  12. 【請求項12】第1レンズアレイの有効開口は正円を近
    似してなることを特徴とする請求項7記載の照明手段。
  13. 【請求項13】第1レンズアレイと第2レンズアレイの
    少なくともいずれかは、開口に対して光軸を偏心させた
    レンズを配列してなることを特徴とする請求項7記載の
    照明手段。
  14. 【請求項14】第1レンズアレイと第2レンズアレイの
    少なくともいずれかは、非球面を基準曲面とするフレネ
    ルレンズを配列してなることを特徴とする請求項7記載
    の照明手段。
  15. 【請求項15】照明手段と、前記照明手段により照明さ
    れる空間光変調素子と、前記空間光変調素子により空間
    的に変調された光を用いて画像を形成する画像形成手段
    とを備え、前記照明手段は請求項7に記載の照明手段か
    らなり、前記空間光変調素子は画素構造を備えて光学像
    を形成し、前記照明手段の備える第2レンズアレイの有
    効開口を前記画素の開口形状に近似せしめると共に、前
    記照明手段により形成される微小照明領域の各々を前記
    画素の開口部に対応せしめることを特徴とする表示装
    置。
  16. 【請求項16】画像形成手段は投写レンズからなり、前
    記投写レンズは空間光変調素子上の光学像をスクリーン
    上に投影して画像を形成することを特徴とする請求項1
    5記載の表示装置。
  17. 【請求項17】画像形成手段は、空間光変調素子の出射
    側近傍に配置されるマイクロレンズアレイと、前記マイ
    クロレンズアレイの出射側に配置される光拡散手段から
    なり、前記マイクロレンズアレイは前記空間光変調素子
    の画素に対応するマイクロレンズを配列してなり、前記
    マイクロレンズの各々は当該レンズに対応する画素の実
    像を前記光拡散手段の近傍に結像せしめ、前記光拡散手
    段は当該手段に入射する光を散乱させて画像を形成する
    ことを特徴とする請求項15記載の表示装置。
  18. 【請求項18】空間光変調素子の有効表示領域は略4:
    3のアスペクト比を有する矩形であり、第1レンズアレ
    イと第2レンズアレイは、4個、6個、7個、9個、1
    0個、14個、16個、18個のいずれかの個数のレン
    ズを配列してなることを特徴とする請求項15記載の表
    示装置。
  19. 【請求項19】空間光変調素子の有効表示領域は略1
    6:9のアスペクト比を有する矩形であり、第1レンズ
    アレイと第2レンズアレイは、4個、6個、9個、10
    個、12個、14個、16個、17個、22個のいずれ
    かの個数のレンズを配列してなることを特徴とする請求
    項15記載の表示装置。
  20. 【請求項20】照明手段は複数の光源と複数の集光手段
    を備え、複数の集光手段の光路上に配置される第2レン
    ズアレイは互いに相まって対応する画素の開口形状を近
    似することを特徴とする請求項15記載の表示装置。
  21. 【請求項21】主として三原色の画素からなるカラー画
    素を二次元状に配列してなる空間光変調素子を照明する
    手段であって、三原色の色成分を含む光を放射する光源
    と、前記光源から放射される光を集める集光手段と、前
    記集光手段から出射する光を三原色の色光に分離する色
    分離手段と、前記色分離手段から出射する三原色の色光
    の各々が互いに異なる角度から入射するマイクロレンズ
    アレイと、前記集光手段から前記マイクロレンズアレイ
    に至る三原色の色光の各光路に配置されるリレー光学手
    段とを備え、前記リレー光学手段の各々は当該手段を進
    行する色光を収斂せしめて前記マイクロレンズアレイを
    照明する発光面を形成し、前記集光手段から三原色の前
    記発光面の各々に至る光路長は互いに略等しくし、三原
    色の前記発光面の各々から前記マイクロレンズアレイに
    至る光路長は互いに略等しくし、前記マイクロレンズア
    レイは三原色の前記発光面の実像を二次元状に配列せし
    め、互いに分離された三原色の微小照明領域を所定の配
    列に従って周期的に形成することを特徴とする照明手
    段。
  22. 【請求項22】リレー光学手段は、第1レンズと第2レ
    ンズと第3レンズを備え、前記第1レンズは当該レンズ
    に入射する光を前記第2レンズの開口近傍に収斂せしめ
    て発光面を形成し、前記第2レンズは前記第1レンズ近
    傍の物体の実像を前記第3レンズの開口近傍に形成し、
    前記第3レンズは前記発光面の重心から出射する光を互
    いに略平行に進行する光とせしめることを特徴とする請
    求項21記載の照明手段。
  23. 【請求項23】リレー光学手段は、第1レンズアレイと
    第2レンズアレイと第3レンズを備え、前記第1レンズ
    アレイは複数の第1レンズを配列してなり、前記第2レ
    ンズアレイは前記第1レンズと同数で対をなす第2レン
    ズを配列してなり、前記第1レンズの各々は当該レンズ
    に入射する光を対応する前記第2レンズの開口近傍に収
    斂せしめて発光面を形成し、前記第2レンズの各々は対
    応する前記第1レンズ近傍の物体の実像を前記第3レン
    ズの開口近傍に重畳形態で形成し、前記第3レンズは前
    記第2レンズアレイ近傍の発光面の重心近傍から出射す
    る光を互いに略平行に進行せしめることを特徴とする請
    求項21記載の照明手段。
  24. 【請求項24】色分離手段は多層膜面をX字状に交差さ
    せた第1ダイクロイックミラーと第2ダイクロイックミ
    ラーからなり、前記第1ダイクロイックミラーにより反
    射される色光の光軸を第1の光軸、前記第2ダイクロイ
    ックミラーにより反射される色光の光軸を第2の光軸、
    前記第1および第2ダイクロイックミラーを透過する色
    光の光軸を第3の光軸、とした場合に、前記第1および
    第2の光軸上の各々に第1平面ミラーと第2平面ミラー
    と第3平面ミラーを備え、前記第3の光軸上に第1平面
    ミラーと第2平面ミラーを備え、前記色分離手段から出
    射した前記第1から第3の光軸は前記第1平面ミラーに
    より略90度折り曲げられて略同一の方向に進行せしめ
    られ、前記第1平面ミラーから出射した前記第1から第
    3の光軸は前記第2平面ミラーにより略90度折り曲げ
    られて互いに略1点で交差する方向に進行せしめられ、
    前記第2平面ミラーから出射した前記第1および第2の
    光軸は前記第3平面ミラーにより折り曲げられてマイク
    ロレンズアレイの有効領域の重心近傍で前記第3の光軸
    と互いに所定の角度をなして交差せしめることを特徴と
    する請求項21記載の照明手段。
  25. 【請求項25】照明手段と、前記照明手段により照明さ
    れる空間光変調素子と、前記空間光変調素子により空間
    的に変調された光を用いて画像を形成する画像形成手段
    とを備え、前記照明手段は請求項21に記載の照明手段
    からなり、前記空間光変調素子は三原色の画素からなる
    カラー画素構造を備えて光学像を形成し、前記照明手段
    により形成される三原色の微小照明領域の各々を前記三
    原色の画素の各々に対応せしめることを特徴とする表示
    装置。
  26. 【請求項26】画像形成手段は投写レンズからなり、前
    記投写レンズは空間光変調素子上の光学像をスクリーン
    上に投影して画像を形成することを特徴とする請求項2
    5記載の表示装置。
  27. 【請求項27】画像形成手段は、空間光変調素子の出射
    側近傍に配置されるマイクロレンズアレイと、前記マイ
    クロレンズアレイの出射側に配置される光拡散手段から
    なり、前記マイクロレンズアレイは前記空間光変調素子
    の画素に対応するマイクロレンズを配列してなり、前記
    マイクロレンズの各々は当該レンズに対応する画素の実
    像を前記光拡散手段の近傍に結像せしめ、前記光拡散手
    段は当該手段に入射する光を散乱させて画像を形成する
    ことを特徴とする請求項25記載の表示装置。
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