JPH08312652A - 転がり軸受とその製造方法 - Google Patents
転がり軸受とその製造方法Info
- Publication number
- JPH08312652A JPH08312652A JP8047743A JP4774396A JPH08312652A JP H08312652 A JPH08312652 A JP H08312652A JP 8047743 A JP8047743 A JP 8047743A JP 4774396 A JP4774396 A JP 4774396A JP H08312652 A JPH08312652 A JP H08312652A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rolling bearing
- lubricating
- lubricating composition
- rolling
- bearing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/66—Special parts or details in view of lubrication
- F16C33/6637—Special parts or details in view of lubrication with liquid lubricant
- F16C33/664—Retaining the liquid in or near the bearing
- F16C33/6648—Retaining the liquid in or near the bearing in a porous or resinous body, e.g. a cage impregnated with the liquid
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/38—Ball cages
- F16C33/44—Selection of substances
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C19/00—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
- F16C19/02—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
- F16C19/04—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
- F16C19/06—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S384/00—Bearings
- Y10S384/90—Cooling or heating
- Y10S384/909—Plastic
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
がなく、しかも回転トルクが小さい、新規な転がり軸受
と、その効率的な製造方法を提供すること。 【解決手段】樹脂と潤滑成分との混合物からなる固形の
潤滑性組成物6を、内輪1と外輪2とで区画される環状
の領域3に充填した。上記の固形の潤滑性組成物6は、
流動状態で領域3に充填され、加熱した後冷却して固形
化される。流動状態の潤滑性組成物の充填に先立ち、保
持器5のポケット5aとボールとの間の隙間には、潤滑
成分の膜が予め形成し、これにより、上記隙間に潤滑性
組成物6が介在することを回避する。
Description
動体と保持器とを含み、且つ両軌道輪間に区画される領
域に、樹脂と潤滑成分との混合物からなる固形の潤滑性
組成物が充填された転がり軸受、及びその製造方法に関
する。
やグリース等の潤滑成分が用いられる。これらの潤滑成
分は流動性を有するので、転がり軸受の回転時に飛散す
る。その結果、潤滑成分を頻繁に補給しなければならな
いという問題がある。また、潤滑油やグリース等の潤滑
成分は、転がり軸受の外部からの水や塵埃等の侵入に対
しては全く無力である。したがって、特に、上記水や塵
埃等が侵入しやすい環境下で使用される転がり軸受の場
合は、複雑な構造のシール部材を、必ず、設けなければ
ならない。
エチレン等の樹脂と上記潤滑成分との混合物を固形化さ
せて形成した潤滑性組成物が提供されている(たとえば
特開昭54−22415公報、特公昭63−23239
号公報、及び特公平3−67559号公報等参照)。上
記の固形化された潤滑性組成物は、転がり軸受の内部の
領域に、上記混合物を流動状で充填した後、この混合物
を、上記樹脂の融点以上に加熱し、次いで冷却すること
により、得るようにしている。
軸受の使用時の遠心力や熱によって潤滑成分が除々にに
じみ出る結果として潤滑性を発揮する。したがって、転
がり軸受の回転時に潤滑成分が飛散するおそれがなく、
長期間に亘って潤滑成分を補給する必要がない。
組成物を、転がり軸受の内部の領域いっぱいに充填して
固形化する場合には、外部からの水や塵埃等に対して防
壁として機能するので、シール部材を廃止することも可
能となると考えられる。ところが、この場合、固形化さ
れた潤滑性組成物と、転がり軸受を構成する各部材(即
ち内輪、外輪、転動体及び保持器のそれぞれ)との間で
摩擦を生じ、回転時における転がり軸受全体としての摩
擦が大きくなる結果、転がり軸受の回転トルクが大きく
なるという問題が予想される。
べく、上記潤滑性組成物を、たとえば保持器と転動体と
の隙間等に部分的に充填した場合には、外部からの水や
塵埃等に対する防壁としての機能が失われるため、複雑
な構造のシール部材を設けることが、絶対必要となる。
本発明の目的は、必ずしも複雑な構造のシール部材を設
ける必要がなく、しかも回転トルクが小さい、新規な構
造の転がり軸受と、その効率的な製造方法とを提供する
ことにある。
め、本発明の転がり軸受は、互いの間に環状の領域を区
画する一対の軌道輪と、上記領域に配置され、各軌道輪
に対して転動する複数の転動体と、上記領域に配置さ
れ、各転動体を保持するためのポケットを有する保持器
と、樹脂と潤滑成分との混合物からなり、上記領域に充
填された固形の潤滑性組成物とを備え、上記上記ポケッ
トと転動体との間の隙間には、固形の潤滑性組成物の介
在を回避した状態で、潤滑成分の膜が形成されているこ
とを特徴とする。
と転動体との間の隙間に、潤滑成分の膜を形成すること
により、この隙間に固形の潤滑性組成物が介在すること
を回避しているので、転動体の摩擦抵抗を小さくでき
る。このため、固形の潤滑性組成物を、外部からの水や
塵埃等に対する防壁としての機能を十分に発揮すべく転
がり軸受の内部の領域にフルに充填しても、回転トルク
を小さくできる。また、複雑な構造のシール部材を不要
にすることも可能となる。
な場合、潤滑剤の長寿命化が要求される場合、防塵、防
水性が要求される場合、軸受自体が公転し潤滑剤の飛散
が問題となる場合、潤滑剤の流出が問題となる場合、軸
受の回転トルクが問題となる場合等に好適に使用でき
る。上記の軸受自体が公転する場合としては、撚り線機
のガイドローラ用の転がり軸受がある。
は、それぞれ潤滑性組成物と接する表面にも、潤滑成分
の膜を形成することが、回転トルクをより小さくする点
で好ましい。また、固形化された潤滑性組成物が連続し
ていることが好ましく、その理由は、潤滑性組成物が領
域内の局所に不連続に存在する場合と比較して、潤滑性
組成物の容積を大きくできることから、領域内に保持さ
れる潤滑成分を多くすることができ、その結果、軸受寿
命を長くすることができるからである。この観点から、
撚り線機のガイドローラ用の転がり軸受としても、固形
化された潤滑性組成物が連続した形状をしていることが
好ましい。
と、両軌道輪間に転動可能に配置された複数の転動体
と、各転動体を保持すべく両軌道輪間に配置された保持
器とを備えた、種々の形式の転がり軸受に適用可能であ
るが、とくに前述したように、複雑な構造のシール部材
を有しない形式の転がり軸受に好適に適用できる。しか
し、これに限定されるものではなく、他の理由でシール
部材を必須とする転がり軸受に適用することは無論可能
であり、また、密封性をより高めるうえでシール部材を
用いることも無論可能である。
性組成物の両側にそれぞれ配置されて何れか一方の軌道
輪に固定され、上記領域を密封する一対のシール部材を
さらに備え、各軌道輪は、各シール部材のそれぞれと関
連するシール部をそれぞれ備え、上記固形化された潤滑
性組成物は、上記シール部との干渉を回避するべく削ら
れていることを特徴とするものであっても良い。
化の際に潤滑性組成物に生じたバリ等が、シール部に侵
入していると、シール性能に悪影響を与えるが、本発明
では、固形化された潤滑性組成物が削られていて上記の
バリ等が除去されているので、シール性能が低下しな
い。また、本発明の転がり軸受の製造方法は、上記保持
器と転動体との間に、潤滑成分の膜を形成するステップ
と、上記領域内に、樹脂と潤滑成分との混合物を充填す
るステップと、上記混合物を樹脂の融点以上に加熱した
後、冷却して、上記固形化された潤滑性組成物を得るス
テップとを含むこと特徴とする。
転がり軸受の内部の領域に、ペースト状の潤滑性組成物
を充填するステップに先立って、転がり軸受に潤滑成分
を供給して油膜を形成するだけで、前記のように特性の
すぐれた本発明の転がり軸受を製造できるという利点が
ある。
づいて説明する。図1を参照して、本転がり軸受は、
互いの間に環状の領域3を区画する一対の軌道輪として
の環状の内輪1及び外輪2と、領域3に配置され、内
輪1及び外輪2に対して転動する複数の転動体としての
ボール4と、領域3に配置され、各ボール4を保持す
るためのポケット5aを有する保持器5と、樹脂と潤
滑成分との混合物からなり、領域3に充填された連続状
の固形の潤滑性組成物6と、潤滑性組成物6を挟んだ
両側に配置され、外輪2に固定されて内輪1と摺接する
一対の環状のシール部材7,8を備えている。
2間に一対のシール部材7,8で区画された領域3内に
略一杯となるように充填されている。各シール部材7,
8と潤滑性組成物との間に隙間が形成されているのは、
固形化の際に、潤滑性組成物6が収縮したからである。
シール部材を取り外した状態での転がり軸受の正面図で
ある図2を参照して、固形化した潤滑性組成物6は全体
が連続して形成されている。
1、外輪2、ボール4及び保持器5は、それぞれ潤滑性
組成物と接する表面に、潤滑成分の膜9を形成してお
り、また、上記ポケット5aとボール4との間には、固
形の潤滑性組成物の介在を回避した状態で、潤滑成分の
膜9が形成されていることにある。内輪1及び外輪2に
形成される潤滑成分の膜は、少なくとも軌道面1a,2
aに形成されていれば良い。
と、この芯金10に焼き付けられた環状のゴム体11と
を有している。各シール部材7,8は、その外周部が外
輪2の両端面にそれぞれ形成した溝部からなるシール部
2bに嵌められて固定されており、その内周部が内輪1
の両端面に形成した凹面状のシール部1bに弾力的に接
触している。
る工程について説明する。まず、内輪1、外輪2、ボー
ル4及び保持器5を組み立ててユニットとする。次い
で、このユニットを、図3(a)に示すように、潤滑成
分を満たした槽11に所定時間沈めた後、引き上げる
と、内輪1、外輪2、ボール4及び保持器5の表面に潤
滑成分の膜が形成され、また保持器5とボール4との間
にも、潤滑成分の膜が形成される。
に槽11に沈めて行う他、注射器等を用いて潤滑成分を
所要の部分に塗布しても良い。次いで、図3(b)に示
すように、一方のシール部材7を装着して領域3が上方
にのみ開放する状態でユニットを配置し、上方から領域
3内に流動状の潤滑性組成物を充填した後、図3(c)
に示すように、他方のシール部材8を装着して、領域3
を密封する。
た後、冷却すると、流動状の潤滑性組成物が固形化す
る。その後、一旦、シール部材7,8を取り外して、図
4に示すように潤滑性組成物6のバリ6cをカッタ10
によって切断して除去する。これは、上記のシール部材
7,8と、これが取り付けられている内輪1や外輪2と
の間に、流動状の潤滑性組成物が侵入したまま固形化さ
れる場合があり、この場合、侵入した部分がバリ6cと
なって残存する。このバリ6cが、上記のシール部材
7,8やこれと共に密封機能を達成する内輪1や外輪2
のシール部1b,2bと干渉すると、密封性が低下する
おそれがある。そこで、ナイフ等を用いて、潤滑性組成
物6のバリ6cを削りとっておくことが好ましい。
が含まれているので、これらを用いたが、シール部材
7,8が含まれない場合には、内輪1と外輪2の間に介
在して、領域3を密封することのできる一対の環状のシ
ール治具(シール部材と同様の形状のものであっても良
いし、他の形状のものであっても良い)を用いて、領域
3内に流動状の潤滑性組成物を充填し、加熱、冷却して
固形化することができる。
領域3に充填される潤滑性組成物6としては、樹脂と潤
滑成分との混合物からなり、流動状で供給され、充填
後、樹脂の融点以上に加熱し、ついで冷却すると固形化
する、従来公知の種々の潤滑性組成物が、いずれも使用
可能である。樹脂としては、以下のものに限定されない
が、たとえば超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン等があげられ、中でも超高分子
量ポリエチレンが、機械的性質等にすぐれるため、好適
に使用される。かかる超高分子量ポリエチレンとして
は、平均分子量が100万〜600万程度、とくに20
0万以上であって、かつ融点が100〜140℃程度の
ものが好適に使用される。
や安定剤、着色剤等の、従来公知の種々の添加剤を、従
来と同程度の割合で配合しておくこともできる。樹脂
は、粉粒体として供給されることが好ましい。樹脂の粉
粒体の粒径はとくに限定されないが、通常は平均粒径で
5〜100μm程度が好ましく、10〜30μm程度が
より好ましい。
滑成分としては、従来公知の種々の潤滑油が、いずれも
使用可能であるが、とくに潤滑性組成物を固形化する際
の加熱によって樹脂と反応して、当該樹脂の機械的性質
を低下させるおそれのない、安定な潤滑成分が好適に使
用される。上記潤滑成分のうち潤滑油としては、以下の
ものに限定されないが、たとえば鉱油、ポリ−α−オレ
フィン油、ジエステル油、ポリオールエステル油、アル
キルジフェニルエーテル油、シリコーン油、パラフィン
油、ふっ素油等があげられる。
他の特性を改善するために、各種の添加剤を配合するこ
ともできる。潤滑成分としては、上記潤滑油を、それぞ
れ単独で使用できる他、2種以上を併用することもでき
る。潤滑性組成物6を構成する樹脂と潤滑成分との配合
量は、本発明ではとくに限定されないが、潤滑性組成物
の総量に占める樹脂の割合が10〜50重量%となるよ
うに、両者を配合するのが好ましい。
融点以上に加熱し、冷却しても、潤滑性組成物が固形化
しないおそれがある。また樹脂の割合が50重量%を超
えた場合には、固形化前の流動性が低下して、軸受内部
の空間の隅々まで充填するのが困難になるおそれがあ
る。なお上記樹脂の割合は、潤滑性組成物6の潤滑性を
考慮すると、上記範囲内でもとくに20〜40重量%程
度が好ましい。
性組成物6を固形化するための処理のうち加熱の条件は
従来と同じでよい。つまり樹脂の融点以上の温度で、樹
脂同士が十分に融着する時間、加熱すればよい。たとえ
ば融点が136℃の超高分子量ポリエチレンを20〜4
0重量%の割合で含有する潤滑性組成物の場合は、当該
潤滑性組成物を軸受内空間に充填した転がり軸受を、1
60〜170℃程度の温度で5分〜数10分間程度、好
ましくは5分〜15分間程度加熱することにより、固形
化することができる。
軸受に供給され、上記膜を形成するための潤滑成分とし
ては、潤滑性組成物で使用したのと同じか、または別の
潤滑油や、あるいはグリースがあげられる。かかる潤滑
成分の特性についてはとくに限定されないが、当該潤滑
成分の動粘度は、転がり軸受の上述した各部位に形成さ
れる膜の厚み等を左右し、その結果として転がり軸受を
構成する各部と、軸受内空間に充填後、固形化された潤
滑性組成物との間の摩擦を小さくする作用に影響を及ぼ
す重要な要因である。本発明においては、動粘度が50
〜200mm2 /Sの範囲内にあるのが好ましい。
がり軸受の上述した各部位に、十分な厚みをもった潤滑
成分の膜を形成することができず、また潤滑成分の動粘
度が上記範囲を超えた場合には、潤滑成分自体の粘度が
高すぎるため、いずれの場合にも、固形化された潤滑組
成物との間の摩擦を小さくする作用が不十分となって、
転がり軸受の回転トルクが大きくなるおそれがある。
もとくに100〜200mm2 /Sであるのが好まし
い。潤滑成分の動粘度を上記範囲内に調整するには、た
とえば潤滑油とグリースとを混合する際に、両者の配合
割合を調整すればよい。また、転がり軸受の前述した各
部位に潤滑成分の膜を形成すべく、転がり軸受に潤滑成
分を供給する方法は種々考えられるが、上記のように、
転がり軸受を潤滑成分中に浸漬するのが最も簡単な方法
である。また、注射器等を用いて、潤滑成分を転がり軸
受の内部の領域に注入してもよい。
を構成する各部材1,2,5と、固形の潤滑性組成物6
との間の摩擦が小さい。特に、保持器5のポケット5a
とボール4との間の隙間に、潤滑成分の膜を形成するこ
とにより、この隙間に固形の潤滑性組成物が介在するこ
とを回避しているので、ボール4の摩擦抵抗を小さくで
きる。このため、固形の潤滑性組成物6を、外部からの
水や塵埃等に対する防壁としての機能を十分に発揮すべ
く転がり軸受の内部の領域にフルに充填しても、回転ト
ルクを小さくできる。また、シール部材を不要にするこ
とも可能となる。即ち、シール部材は必須の構成ではな
くなる。なお、本実施形態では、よりシール性を高める
うえで、シール部材を採用している。シール部材を廃止
する場合には、内輪1及び外輪2のシール部も廃止する
ことになる。
がり軸受の内部の領域3に、流動状の潤滑性組成物6を
充填する工程に先立って、転がり軸受に潤滑成分を供給
して潤滑成分の膜を形成するだけで、前記のように特性
のすぐれた本実施形態の転がり軸受を製造できるという
利点がある。本実施形態のような固形の潤滑性組成物を
有する転がり軸受は、撚り線機のガイドローラを回転支
持するための転がり軸受への適用に適している。という
のは、このような転がり軸受は、軸受自体が公転される
ので、流動性を有する潤滑剤では、遠心力によって飛散
してしまうからである。また、撚り線機では、適宜に施
される酸洗い処理のための酸洗い水が、転がり軸受の内
部に侵入するおそれがあり、この場合にも、流動性を有
する潤滑剤では、流出してしまうからである。なお、酸
洗い水等の軸受内部への流入を防止する観点からは、撚
り線機のガイドローラ用の転がり軸受としては、シール
部材を装着したものが好ましい。しかしながら、この場
合のシール部材も、流動性を有する潤滑剤を密封する場
合のシール部材と比較して簡単な構造で良いことにな
る。無論、複雑な構造のシール構造を採用しても構わな
い。
ころ軸受その他のころ軸受に適用して実施することがで
きる。
呼び番号6306ZZ)を、潤滑成分であるポリ−α−
オレフィン(動粘度148mm2 /S)中に浸漬した
後、引き上げて、当該玉軸受の各部の表面に油膜を形成
した。
重量部と、ポリ−α−オレフィン(動粘度148mm2
/S)70重量部とからなる流動状の潤滑性組成物を、
上記玉軸受の内輪と外輪との間に区画される環状の領域
一杯に充填した。次いで、170℃で15分間、加熱し
た後、冷却して潤滑性組成物を固形化して、実施例1の
転がり軸受を製造した。比較例1 玉軸受を潤滑成分中に浸漬して、当該玉軸受の各部の表
面に油膜を形成する作業を省略したこと以外は、実施例
1と同様にして、比較例1の転がり軸受を製造した。
転トルクを、下記の方法にて測定したところ、図5に示
すように、実施例1の転がり軸受の初期の回転トルクは
5.72×10-2N・m、比較例1の転がり軸受の初期
の回転トルクは10.84×10-2N・mであった。こ
のことから、油膜を形成することで、回転トルクを約1
/2に軽減できることがわかった。また図にみるよう
に、実施例1の転がり軸受の回転トルクは、30分間、
連続回転させてもほぼ一定であったが、比較例1の転が
り軸受の回転トルクは、一旦低下した後、除々に上昇し
て、30分後には実施例1の転がり軸受の回転トルク
の、約3倍まで達した。回転トルクの測定方法 室温(20℃)条件下、転がり軸受の内輪を3500
r.p.m.の速度で回転させた際に、外輪が、上記内
輪の回転によって受ける力を、ロードセルにて測定し
た。
転がり軸受は、保持器と転動体との間は、潤滑成分の膜
で占められていて、固形の潤滑組成物が介在しないの
で、転動体が受ける摩擦抵抗を格段に少なくできる。し
たがって、上記潤滑性組成物を、外部からの水や塵埃等
に対する防壁としての機能を十分に発揮すべく軸受内の
領域いっぱいに充填しても、回転トルクが大きくなるこ
とはない。よってこの発明の転がり軸受は、必ずしも複
雑な構造のシールを設ける必要がなく、しかも回転トル
クが小さい。
り軸受を構成する各部材が、固形の潤滑性組成物と接す
る表面に、潤滑成分の膜を形成しているので、各部材と
固形の潤滑性組成物との摩擦を小さくできる。その結
果、軸受の回転トルクをより小さくすることができる。
また、請求項3記載の転がり軸受では、領域内に保持さ
れる潤滑成分を多くすることができる結果、軸受寿命を
長くすることができる。この場合、特に、撚り線機のガ
イドローラ用の転がり軸受への適用に適している。
際に潤滑性組成物に生じたバリ等が除去されているの
で、シール性能が低下しない。また、請求項5記載の転
がり軸受の製造方法によれば、固形の潤滑性組成物を形
成するための工程に先立って、転がり軸受に潤滑成分を
供給して油膜を形成するたけで、上記のように特性にす
ぐれた転がり軸受を、効率よく製造することができる。
である。
面図である。
造方法を工程順に示す概略図である。
示す転がり軸受の概略断面図である。
る、回転トルクの測定結果を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】互いの間に環状の領域を区画する一対の軌
道輪と、 上記領域に配置され、各軌道輪に対して転動する複数の
転動体と、 上記領域に配置され、各転動体を保持するためのポケッ
トを有する保持器と、 樹脂と潤滑成分との混合物からなり、上記領域に充填さ
れた固形の潤滑性組成物とを備え、 上記ポケットと転動体との間には、固形の潤滑性組成物
の介在を回避した状態で、潤滑成分の膜が形成されてい
ることを特徴とする転がり軸受。 - 【請求項2】請求項1記載の転がり軸受において、上記
各軌道輪、転動体及び保持器は、それぞれ潤滑性組成物
と接する表面に、潤滑成分の膜を形成していることを特
徴とする転がり軸受。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の転がり軸受におい
て、上記固形化された潤滑性組成物は連続していること
を特徴とする。 - 【請求項4】請求項1ないし3の何れか一つに記載の転
がり軸受において、 上記潤滑性組成物の両側にそれぞれ配置されて何れか一
方の軌道輪に固定され、上記領域を密封する一対のシー
ル部材をさらに備え、 各軌道輪は、各シール部材のそれぞれと関連するシール
部をそれぞれ備え、 上記固形化された潤滑性組成物は、上記シール部との干
渉を回避するべく削られていることを特徴とする。 - 【請求項5】請求項1ないし3の何れか一つに記載の転
がり軸受を製造する方法において、 上記保持器と転動体との間に、潤滑成分の膜を形成し、
次いで上記領域内に、樹脂と潤滑成分との混合物を充填
し、次いで上記混合物を樹脂の融点以上に加熱した後、
冷却して、上記固形化された潤滑性組成物を得ることを
特徴とする転がり軸受の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04774396A JP3587613B2 (ja) | 1995-03-13 | 1996-03-05 | 転がり軸受とその製造方法 |
US08/614,473 US5588751A (en) | 1995-03-13 | 1996-03-13 | Rolling bearing and method of fabricating the same |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-53010 | 1995-03-13 | ||
JP5301095 | 1995-03-13 | ||
JP04774396A JP3587613B2 (ja) | 1995-03-13 | 1996-03-05 | 転がり軸受とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08312652A true JPH08312652A (ja) | 1996-11-26 |
JP3587613B2 JP3587613B2 (ja) | 2004-11-10 |
Family
ID=26387914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04774396A Expired - Fee Related JP3587613B2 (ja) | 1995-03-13 | 1996-03-05 | 転がり軸受とその製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5588751A (ja) |
JP (1) | JP3587613B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008144037A (ja) * | 2006-12-11 | 2008-06-26 | Ntn Corp | 潤滑システム |
JP2008144036A (ja) * | 2006-12-11 | 2008-06-26 | Ntn Corp | 潤滑システム |
JP2008144034A (ja) * | 2006-12-11 | 2008-06-26 | Ntn Corp | 潤滑システム |
US8063002B2 (en) | 2007-05-24 | 2011-11-22 | Jtekt Corporation | Rolling device and rolling device manufacturing method |
WO2016068215A1 (ja) * | 2014-10-29 | 2016-05-06 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6228813B1 (en) | 1993-04-30 | 2001-05-08 | Nsk Ltd. | Rolling bearing filled with a lubricant-containing polymer and process of the same |
FR2773857B1 (fr) * | 1998-01-16 | 2000-02-18 | Roulements Soc Nouvelle | Roulement pour butee d'embrayage |
US6296393B1 (en) | 1998-12-17 | 2001-10-02 | Nsk Ltd. | Lubricant-containing polymer-filled rolling bearing and process for the production thereof |
US6485184B1 (en) * | 1999-09-29 | 2002-11-26 | Koyo Seiko Co., Ltd. | Rolling bearing |
US7008115B2 (en) * | 2001-05-22 | 2006-03-07 | Koyo Seiko Co., Ltd. | Polymeric lubricant packed bearing and method of producing the same |
JP2007285346A (ja) * | 2006-04-13 | 2007-11-01 | Ntn Corp | 転がり軸受 |
US8333665B2 (en) * | 2006-12-11 | 2012-12-18 | Ntn Corporation | Lubricating system, bearing utilizing the system, universal joint utilizing the system, and process for production thereof |
EP2119762A4 (en) * | 2007-02-27 | 2011-10-26 | Ntn Toyo Bearing Co Ltd | LUBRICATION SYSTEM AND UNIVERSAL JOINTS WITH THE SYSTEM |
EP2270347B1 (en) * | 2008-04-22 | 2014-07-02 | JTEKT Corporation | Rolling bearing |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3790239A (en) * | 1972-06-15 | 1974-02-05 | Dow Corning Gmbh | Self-lubricating anti friction bearings |
US4073552A (en) * | 1973-07-17 | 1978-02-14 | Hughes Aircraft Company | Bearing retainer |
US4534871A (en) * | 1980-03-24 | 1985-08-13 | Skf Industries, Inc. | Lubricant insert for rolling bearings |
US4492415A (en) * | 1982-03-03 | 1985-01-08 | Skf Industries, Inc. | Unitary full complement bearing components containing rolling elements in a self-supporting lubricating matrix |
-
1996
- 1996-03-05 JP JP04774396A patent/JP3587613B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1996-03-13 US US08/614,473 patent/US5588751A/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008144037A (ja) * | 2006-12-11 | 2008-06-26 | Ntn Corp | 潤滑システム |
JP2008144036A (ja) * | 2006-12-11 | 2008-06-26 | Ntn Corp | 潤滑システム |
JP2008144034A (ja) * | 2006-12-11 | 2008-06-26 | Ntn Corp | 潤滑システム |
US8063002B2 (en) | 2007-05-24 | 2011-11-22 | Jtekt Corporation | Rolling device and rolling device manufacturing method |
WO2016068215A1 (ja) * | 2014-10-29 | 2016-05-06 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受 |
KR20170066533A (ko) * | 2014-10-29 | 2017-06-14 | 닛본 세이고 가부시끼가이샤 | 구름 베어링 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3587613B2 (ja) | 2004-11-10 |
US5588751A (en) | 1996-12-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH08312652A (ja) | 転がり軸受とその製造方法 | |
DE19757391B4 (de) | Hydrodynamisches, poröses, ölimprägniertes Lager | |
NL1003567C2 (nl) | Lagerinrichting. | |
JP4396037B2 (ja) | 転がり軸受用潤滑装置 | |
WO2007032204A1 (ja) | 転がり軸受、鉄道車両用主電動機の主軸支持構造、および軸受構造 | |
JP4202051B2 (ja) | 潤滑剤供給装置及びこれを搭載した案内装置並びにこれらに用いる潤滑グリース | |
JPH0932849A (ja) | 動圧型軸受及びその製造方法 | |
JP3692181B2 (ja) | 転がり軸受とその製造方法 | |
EP1260721B1 (en) | Polymeric lubricant packed bearing and method of producing the same | |
JP6699332B2 (ja) | 転動装置 | |
JPH01307516A (ja) | ころがり軸受 | |
JP2006214516A (ja) | 転がり軸受 | |
JP3264345B2 (ja) | 潤滑剤含有ポリマ部材充填転がり軸受及びその製造方法 | |
JP2012189161A (ja) | ころ保持用のゲル状潤滑剤を充填した総ころ軸受 | |
JP3054064B2 (ja) | グリースの喪失油分を補給するブシュを備えた耐摩耗性チェーン | |
JPH07269573A (ja) | 針状ころ軸受 | |
JPH1164772A (ja) | ポリゴンミラ−のスキャナモ−タ用軸受 | |
JPH1151066A (ja) | 潤滑剤含有ポリマ充填転がり軸受及びその製造方法 | |
JP4026276B2 (ja) | 転がり軸受 | |
JPH0931482A (ja) | 固形潤滑剤充填転がり軸受の製造方法 | |
JP4180296B2 (ja) | 固形潤滑剤を充填した転がり軸受 | |
JPH10325416A (ja) | 動圧型多孔質含油軸受及び軸受装置 | |
JPH0464713A (ja) | 多孔質滑り軸受の製造方法 | |
JPH10169659A (ja) | 円筒ころ軸受 | |
JP4277521B2 (ja) | テンタークリップ用転がり軸受 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040113 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040315 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040721 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040810 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080820 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090820 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100820 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110820 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120820 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |