JPH08312162A - 構築物解体工法 - Google Patents

構築物解体工法

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JPH08312162A
JPH08312162A JP14133695A JP14133695A JPH08312162A JP H08312162 A JPH08312162 A JP H08312162A JP 14133695 A JP14133695 A JP 14133695A JP 14133695 A JP14133695 A JP 14133695A JP H08312162 A JPH08312162 A JP H08312162A
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JP
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flat plate
crushing
arm
concrete
tip
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JP14133695A
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Itsuo Tagawa
五男 多川
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TAGAWA KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート構築物の天井等の平板の解体を
容易で効率的にする。 【構成】 一対のアームを開閉駆動して破砕作業を行う
破砕装置1を用いて、天井50や壁等の平板の一側辺を
圧壊破砕する。アーム幅全体で圧壊破砕するからコンク
リート破片は小割りを必要としない破片となり該破片の
みが落下する。コンクリート破片と鉄筋が分離できる。
露出した鉄筋51,52を破砕装置1の剪断刃で切断す
る。この圧壊破砕と鉄筋の切断を平板50の一側辺に沿
って繰り返し実行し鉄筋コンクリート平板50を解体す
る。壁と該壁を支える柱を孤立させ、柱の根元を一部圧
壊、切断した後、柱等の上部を把持して根元を破砕した
側に引張って倒壊させた後壁を解体する。特別に小割り
作業を必要としない。壁を安全にかつコンクリート破片
等が散乱することなく解体できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、破砕装置をパワーショ
ベル等の作業機械に取り付けて、コンクリート構築物を
破壊する構築物解体工法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート構築物を解体する作業
には、コンクリート構築物を破壊し、コンクリート破片
と鉄筋、鉄骨を分離し、さらに、破壊したままの状態で
はコンクリート破片が大き過ぎて搬出作業に支障を来た
すと共に、再利用することもできないことから、構築物
を破壊した後生じるコンクリート破片を小割に破砕する
作業が必要である。この鉄筋コンクリート構築物の解体
には、一般に油圧シリンダでアームを開閉駆動してアー
ムの先端部で構築物を圧壊し破砕する破砕装置が使用さ
れる。
【0003】この種の破砕装置は、例えば、特開昭63
−40061号公報で示されるように、開閉するアーム
先端にコンクリート構築物を挟圧して破砕する圧壊刃を
備えると共に、アーム中間部の枢着点近傍に、鉄筋コン
クリート構築物のコンクリートを圧壊刃で圧壊した時露
出する鉄筋、鉄骨等を切断する剪断刃を備えているもの
が一般的である。しかし、これらの破砕装置で構築物を
破砕したままの状態では破片が大き過ぎることから、特
開昭59−187976号公報や特開平4−34727
0号公報等に記載されたような、開閉する一対のアーム
の枢着部より先端部の中間部に透孔部を設けると共に、
一方のアームにはこの中間部に突起もしくはローラを設
け破砕装置によって、構築物を圧壊させて生じた破片を
圧壊し、前記透孔部から破壊された小片を取り出して大
きな破片を小割りする作業を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、鉄筋
コンクリート構築物を解体するには、コンクリート構築
物の破壊作業、該破壊作業によって生じたコンクリート
破片と鉄筋等の分離作業、さらにコンクリート破片を小
割りする作業が必要である。特に破壊によって生じたコ
ンクリート破片が大きいと、コンクリート破片と鉄筋が
結合した状態となる場合が多く、コンクリート破片の小
割り作業が困難となる。また、鉄筋コンクリート構築物
の破壊作業と、破壊によって生じたコンクリート破片の
小割り作業のために、それぞれの作業に適するアタッチ
メントをパワーショベル等の作業機械に取り付けて作業
を行なうことは、そのアタッチメントの交換作業に時間
を取り効率的ではない。また、多数のアタッチメントを
必要とし経済的でもない。そこで、本発明の目的は、鉄
筋コンクリート構築物の壁や天井等の平板の解体が容易
で効率的にできる構築物解体工法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、アーム支持体に中間部を枢着支持された一対のアー
ムを有し、該アームの先端部の前記枢着支持部近傍に切
断対象物を切断する剪断刃が取り付けられていると共に
該先端部の中間部には複数の透孔部が形成され、最先端
部は複数に分割されて先端に爪が取り付けられ、該アー
ムの後端部を油圧シリンダで駆動しアーム先端部を開閉
させて対象物をアーム幅領域全体で圧壊させる破砕装置
を用いて、コンクリート構築物の解体を行う。該破砕装
置を作業機械の作業機用ブラケットに取付け、次の
(1)、(2)の工程を繰り返し行うことによって天
井、壁等の鉄筋コンクリート平板を圧壊すると共に同時
に小さなコンクリート破片にし、かつコンクリート破片
と鉄筋を分離する。 (1)鉄筋コンクリート製の壁若しくは天井の平板の一
側に沿って前記破砕装置を移動しながら前記アームの開
閉による平板の圧壊動作を繰り返し行い前記平板の一側
を圧壊する工程。 (2)前記平板のコンクリートを圧壊した後に露出する
鉄筋を前記剪断刃で切断して取除く工程。
【0006】請求項2記載の発明は、上述した破砕装置
を作業機械の作業機用ブラケットに取付け、構築物のコ
ンクリート壁を立設状態で圧壊することが困難な時に、
次の(1)、(2)、(3)、(4)の工程を行うこと
によって鉄筋コンクリート壁を倒壊させて破砕する。 (1)鉄筋コンクリート製の壁の平板及び該平板を支え
る柱の上部に連設する構築物と前記平板及び柱に屈曲し
て連設する構築物を破壊し、前記壁の平板と該平板を支
える柱を孤立させる工程。 (2)その後、前記孤立した平板及び柱を倒壊させる方
向の前記柱の根元部分の一部コンクリートを破砕すると
共にこのとき露出した鉄筋を一部切断する工程。 (3)その後、前記破砕装置のアーム先端部で前記孤立
した平板若しくは該平板を支える柱の上端部を把持し、
倒壊させる方向に引張るか押圧して前記平板及び柱を倒
壊させる工程。 (4)倒壊した壁の平板を破砕し鉄筋を切断する工程。
【0007】
【作用】構築物の鉄筋コンクリート壁や天井等の平板を
圧壊するには、前記破砕装置のアームを開いた姿勢で該
破砕装置を移動させ、壁や天井等の鉄筋コンクリート平
板を開いたアームの中央に位置づけた状態でアーム先端
部を閉じ挟圧する。コンクリートは幅広のアーム全面に
よって圧壊され、小片となったコンクリート破片は破砕
装置のアームに設けられた透孔部等を通って落下する。
また、破壊されたが、小さい破片とならなかったコンク
リート破片は、該破片が大きいことから鉄筋に付着して
落下しない場合が多く、この場合には、再度この大きな
コンクリート破片を破砕装置のアームで圧壊することに
よってコンクリート片を小さな破片にして落下させるこ
とができる。
【0008】破砕装置を壁や天井等の鉄筋コンクリート
平板の一側に沿って移動させながら、鉄筋コンクリート
平板を噛み砕き、鉄筋コンクリート平板の一側を圧壊さ
せた後は鉄筋のみとなる。そこで、この鉄筋を破砕装置
に設けられた剪断刃によって切断し、さらに、破砕装置
で同様に鉄筋コンクリート平板の一側を圧壊させ、次に
鉄筋を切断する。この作業を繰り返すことによって、鉄
筋コンクリートの壁や天井の平板は、破壊され、小さな
コンクリート破片と、鉄筋に分離されることになる。コ
ンクリート破片はすでに小さな片になっているから、新
たな小割り作業を必要としない。また、小割りが必要な
場合でもわずかなものであり、破砕装置でこの小割りが
必要なコンクリート破片を掬い圧壊することによって小
さな破片にすることができる。この場合でも、コンクリ
ート破片が落下していることは、コンクリート破片と鉄
筋が分離されていることを意味するので、この小割り作
業も容易に行うことができる。
【0009】鉄筋コンクリート壁を立設した状態でその
まま圧壊し破壊することが周囲の状況等から困難な場合
には、壁と該壁を支える柱を孤立させた後、柱の根元の
倒壊させる方の一部コンクリートを破砕し、かつ鉄筋も
一部切断した後、壁若しくは柱の上部を破砕装置のアー
ムで把持し、倒壊させる方向に引張るか押圧して壁と柱
を共に倒壊させる。その後、上述した鉄筋コンクリート
平板の破砕と同様な方法等によって該壁を破砕し、小さ
なコンクリート破片と鉄筋とに分離する。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の構築物解体工法に使用する破砕装
置1の一例の斜視図で、図2は該破砕装置1のアームを
開いたときの正面図である。破砕装置1は、一対のアー
ム2a,2bと側板3a、3b及びこれらの側板3a、
3bを結合する環状フランジ部3cで構成されるアーム
支持体および油圧シリンダ4と作業機用ブラケット5並
びに駆動力伝達手段としてのリンク機構6によって構成
され、アーム支持体の側板3a,3bに各々のピン8を
介して中間部を枢着支持された一対のアーム2a,2b
が略「く」の字型の鉤爪状に形成され、その最先端部は
ホーク状に複数に分割され、破砕用の爪7a,7a´,
7bが設けられている。即ち、アーム2aの先端部は3
つに分割され、その先端にそれぞれ爪7a,7a´が溶
接等で固着されているが、3つの爪内の中心部に設けら
れた爪7a´は、他の爪7aとは爪の向きが異なる。中
心部の爪7a´のみは他の爪7aよりその先端の方向が
内側に向くように固着されている。他方のアーム2bの
最先端部は2つに分割され、その先端に爪7aと同様な
爪7bが溶接等で固着されている。このように、爪7a
´のみがその先端の向きが他の爪7a,7bと比較し内
側に向くように固着されている。
【0011】前記ピン8で枢着支持された部位から最先
端部までのアーム2a,2bの先端部の中間部には、そ
れぞれ4つの透孔部11が形成されている。該透孔部1
1は、アーム内側(挟圧面側)より外側に向けて拡径し
て穿設されている。さらに、アーム2aには、ピン8の
枢着支持部位から最先端部までの中間位置でアーム2a
の幅方向の中心部に小割り用に作用する爪9aが溶接等
で固着されている。アーム2bには、ピン8の枢着支持
部位から最先端部までの中間位置でアーム2bの幅方向
の両端に小割り用に作用する爪9bが溶接等で固着され
ている。
【0012】また、ピン8の枢着支持近傍の両アーム先
端部根元には、鉄筋や鉄骨等を切断するための剪断刃1
0a,10bがそれぞれ取り付けられている。アーム2
a、2bはその長さ、幅、厚みがほぼ同一に形成されお
り、両アーム2a、2bの重量はほぼ同程度で構成され
ている。また、アーム支持体の側板3a、3bも同一形
状で構成されているから、図2における中心線、即ちア
ーム支持体の回動中心軸に対して、左右の重量がほぼ同
じになるように構成されバランスが取られている。
【0013】図1、図2に示されるように、アーム支持
体はその一部である環状フランジ部3cを介して作業機
用ブラケット5に回動自在に接続され、アーム支持体の
側板3a,3bに枢着支持されたアーム2a,2bの後
端部は、各々油圧シリンダ4のピストンロッドに接続さ
れたリンク片18およびリンク片18の両側に枢着され
た接続杆16、ピン19、20等からなるリンク機構6
を介して接続され、ピストンロッドの縮伸動作に対応し
てアーム2a,2bの先端部が開閉駆動されるようにな
っている。なお、符号13,13はピストンロッドに接
続されたリンク片18に取り付けられ、側板3a,3b
に設けられたガイド溝12によってピストンロッドをガ
イドするためのローラである。また、符号21,22は
破砕装置1を作業機側のブーム先端に取付けるための装
着孔であり、破砕装置1は一方の装着孔21を介して作
業機側のブーム先端に揺動自在に軸支されると共に、他
方の装着孔22に枢着した作業機側のアクチュエータを
伸縮させることにより、一方の装着孔21を揺動中心と
して任意の揺動位置にその姿勢を変化させる。
【0014】本発明は、このような破砕装置1を使用し
て鉄筋コンクリート構築物の解体作業を行うものであ
り、図3は鉄筋コンクリート構築物の天井(各階を区分
するフロア)を解体する解体工法の説明図である。前記
破砕装置1を作業機用ブラケット5を介して油圧ショベ
ル等の作業機に取り付け、アーム2a,2bが破壊しよ
うとする天井の鉄筋コンクリート平板50を略直角に挟
持するように、アーム2a、2bの一方を固定物に当接
させて押圧して作業機用ブラケット5に対してアーム支
持体を回転させて該アーム支持体の回転位置を決める。
この場合、アーム支持体の回動中心軸に対して左右対称
に重量がバランスが取られているから、アーム2a、2
bを水平方向に開いても、アーム等の重量により回転モ
ーメントが生じることなく(若しくは生じても小さく、
アーム支持体と作業機用ブラケット5間の回動抵抗より
も小さい)、アーム支持体は回動することなくそのアー
ムを開いた姿勢を維持することができる。
【0015】そして、この破砕装置1を移動させて、ア
ーム2a,2b最先端の爪7a,7a´,7bで鉄筋コ
ンクリート平板50を挟持して破砕作業を行う。アーム
2a,2bは鉤爪状に屈曲して形成されているので、ア
ーム2a,2bを大きく開いて構築物を挟持した場合で
あっても爪7a,7a´,7bの先端部のみが鉄筋コン
クリート平板50を捕捉する。特に、アーム2aの最先
端部の中心部に取り付けられた爪7a´は他の爪7aよ
りもその先端部の向きが内側に向き、他方のアーム2b
の挟圧面に対して他の爪7aより近い距離にあるため、
アーム2a,2bを閉じると、アーム2a側では、他の
爪7aよりも中央の爪7a´がまず鉄筋コンクリート平
板50に当接する。また、他方のアーム2b側では爪7
b若しくはその近傍さらには爪9bが鉄筋コンクリート
平板50に当接する。さらにアーム2a,2bを閉じる
と、アーム2a側では、中心の爪7a´のみが鉄筋コン
クリート平板50に当接し、他方のアーム2bと共動し
て挟圧することになるから、鉄筋コンクリート平板50
には、前記中心の爪7a´の当接位置に集中して応力が
加わることになり、この位置より、鉄筋コンクリート平
板50にはひび若しくは亀裂が生じ、脆弱となる。そし
て、さらにアーム2a,2bの閉じが進むと、全ての爪
7a,7a´,7bが鉄筋コンクリート平板50に当接
し挟圧する部材の面積が増大するが、すでにひび、亀裂
が入り脆弱となっているこの挟圧部分は、簡単に圧壊さ
れることになる。
【0016】このように、中心の爪7a´で鉄筋コンク
リート平板50に対して集中的に力を加えることによっ
て強力な挟圧力を集中させ、まず、鉄筋コンクリート平
板50構築物にひびや亀裂を生じせしめて脆弱化し、次
に、全ての爪7a,7a´,7b,9a,9bで脆弱と
なった鉄筋コンクリート平板50を挟圧しアーム幅全領
域に渡って幅広く(両アームの幅によって幅広く)鉄筋
コンクリート平板50を圧壊する。そのため、破砕され
たコンクリート破片は、小さなものとなりアームに設け
られた透孔部11を通って流れ落ち、この透孔部11の
孔の大きさ以下の小片とすることができる。また、アー
ム2a,2bの挟圧部以外の周辺箇所で、アーム2a,
2bの圧壊作用による影響により、ひびや亀裂が生じコ
ンクリートが破砕されてもそのコンクリート破片は大き
い場合が多く、コンクリート破片が大きいと鉄筋と分離
しない場合が多く、かつ、鉄筋は天井位置に保持されて
いることから、再度この大きなコンクリート破片を破砕
装置1で圧壊することにより小さなコンクリート破片に
して落下させることができる。
【0017】こうして、鉄筋コンクリート平板50を圧
壊した後、アーム2a,2bを開き、天井の平板50の
一側にそって破砕装置1を移動し、上述した動作と同様
に、鉄筋コンクリート平板50を圧壊する。以下、天井
の鉄筋コンクリート平板50の一側を一端から他端まで
圧壊した後(図3では天井の鉄筋コンクリート平板50
の左端から右方向に順次圧壊破砕した状態を示す)、露
出した鉄筋を破砕装置1の前記剪断刃10a、10bに
よって切断する。この場合、鉄筋コンクリート平板50
を圧壊する一側の辺方向に走る鉄筋(図3で左から右に
走る鉄筋)51は破砕装置1の姿勢を変えずに切断でき
るが、該鉄筋51と直交する方向に走る鉄筋52は、剪
断刃10a、10bの向き(切断刃の長さ方向)と同一
になるから、この鉄筋52は、破砕装置1のアーム先端
等で上方向、若しくは下方向に押圧して折り曲げ、破砕
装置1のアーム支持体を作業機用ブラケット5に対して
回転させてアーム2a,2bの開閉方向が鉄筋コンクリ
ート平板50の面の方向と一致させ、鉄筋52を切断す
ることになる。
【0018】こうしてコンクリートを破砕した後に露出
する鉄筋51,52を切断した後は、前述したように、
鉄筋コンクリート平板50の一端から他端、若しくは他
端から一端まで圧壊し、鉄筋51,52を露出させ、鉄
筋を切断する。以下この作業を繰り返し実行し、鉄筋コ
ンクリート平板50を破砕し解体する。また、壁のよう
な立設する鉄筋コンクリート平板を破砕する場合も、該
壁の一側の一端から他端まで圧壊、破砕し小さなコンク
リート破片にすると共に、露出した鉄筋を剪断刃10
a,10bで切断し、この壁の一側辺を圧壊破砕し、露
出した鉄筋を切断する作業を繰り返し実行することによ
って壁の鉄筋コンクリート平板を破砕解体する。
【0019】こうして鉄筋コンクリート平板50を圧壊
破砕し、落下したコンクリート破片は、小さな破片とな
っているが、たまには大きな破片が混ざり合っている場
合がある。このような場合には、破砕装置1のアームを
開いた状態にしてアーム2a,2bによって大きなコン
クリート破片を掬い、コンクリート破片の小割りを行な
う。アーム2a、2bは幅が広いからコンクリート破片
等をスムーズに掬い上げることができる。コンクリート
破片を掬い上げ、アームを閉じることによって構築物の
破片を押し込むようにして挟圧する。挟圧されたコンク
リート破片は、透孔部11を通って流れ落ち、この透孔
部11の孔の大きさ以下の小片とすることができる。特
に、鉄筋コンクリート平板50の破壊によって生じたコ
ンクリート破片が、大きなものであれば、前述したよう
に爪7a,7a´,7bによる挟圧によって圧壊しても
よいが、両アーム2a,2bの挟圧面で挟持できるよう
な大きさのものであれば、該挟圧面で挟持するとき、ア
ーム2aの先端部の中間部に配置する爪9a、9bがま
ずこのコンクリート破片に当たり挟圧することになるか
ら、この場合も爪9a、9bにより集中的に力がコンク
リート破片に加えられるから、破片は簡単に圧壊するこ
とができる。特に、コンクリー破片を破砕する破砕力
は、ピン8からの距離が短い分、爪7a,7a´,7b
よりも爪9a、9bの方が大きいので、コンクリート破
片を簡単に破砕することができる。このようにしてコン
クリート圧壊物を小割りすることによって、大きさを所
定以下の小片にし再利用を図ることができる。
【0020】解体しようとする構築物に隣接して他の構
築物が近くにあり、壁を立設状態で圧壊破砕し解体する
ことが困難な場合や、解体しようとする構築物の敷地が
小さく、解体するときのコンクリート破片や鉄筋が他の
敷地に飛散するような場合等の、解体しようとする構築
物の周囲環境によっては、鉄筋コンクリート壁を立設し
たまま圧壊破砕し解体することができない場合がある。
また、一般に、解体したときコンクリート破片や鉄筋が
飛散するのを防止して所定の領域内に収めることが望ま
しい。そこで、このような場合、鉄筋コンクリート壁を
立設状態で圧壊破砕せず、該鉄筋コンクリート壁及び該
壁を支える柱を、圧壊、破砕しても問題が生じない方向
に倒壊させ、その後該壁を圧壊、破砕し解体する。
【0021】図4、図5は、この壁及び柱を倒壊させて
解体する解体工法を説明する説明図である。まず、倒壊
させようとする壁及び柱に連設する他の壁、天井等を解
体し、倒壊させようとする壁及びこの壁を支える柱のみ
が立設する孤立した状態とする。そして、図4に示すよ
うに、柱の根元の倒壊させようとする側のコンクリート
を破砕装置1によって一部圧壊し、破砕する。また、圧
壊破砕することによって露出した鉄筋の一部を破砕装置
1の剪断刃10a,10bによって切断する。倒壊させ
ようとする壁を支える全ての柱に対して同様の作業を行
い、柱の根元部分で倒壊させようとする方向に倒壊しや
すいようにする。次に、図5に示すように、倒壊させよ
うとする壁及び柱の上部端部を破砕装置1のアーム2
a,2bで挟持し、倒壊させようとする方向にゆっくり
引張り引き倒す。また破砕装置1を取り付けた作業機の
位置によっては、壁60若しくは柱61を破砕装置1の
アーム2a,2bで挟持してゆっくり押圧して倒壊させ
る。
【0022】この場合、壁の長さが短い場合は、1台の
作業機(破砕装置1)でこの倒壊作業を行ってもよい
が、壁の長さが長い場合には、2台、3台…の作業機に
それぞれ取り付けた破砕装置1によって壁60もしくは
柱61の上部を把持し、タイミングを取って同時に倒壊
させる方向にゆっくり引張るか押圧して、壁60、柱6
1を倒壊させる。壁60、柱61を倒壊させたとき、す
でに構築物の他の部分を圧壊破砕したときに生じたコン
クリート破片等が、倒壊面62に散在するので(若しく
は積極的にコンクリート破片を散在させておく)、この
コンクリート破片等がダンパーの役割をなし、また、壁
60や柱61は根元部分の鉄筋で他の部分と接続されて
いることから、倒壊する壁60、柱61は安全にゆっく
りと倒壊差せることができる。
【0023】こうして壁60及び柱61を倒壊させた
後、上述した天井を圧壊破砕し、解体した要領で、この
壁を圧壊破砕する。また柱61も破砕装置によって同様
に圧壊破砕し、解体する。また、構築物を破壊すること
によって生じ、地上、フロア面に落ちた鉄筋等の長尺物
等は、アーム2a,2bの先端がホーク状に分かれ、か
つ幅広く形成されているから、アーム2a,2bを開
き、アーム最先端部の爪7a,7bを地上面に沿って移
動させることによってこれら長尺物を高率良く収集する
ことができる。さらに、収集され山状に堆積した長尺物
を別の場所に移動させるときや、トラック等の荷台に積
み込むときなどは、これら長尺物を両アーム2a,2b
で挟持し搬送し挟持を解き、長尺物の搬送、積み込みに
利用する。特に、アーム2a、2bの幅が広く、ほぼ同
一幅であるから、これら長尺物の把持、搬送を安定して
行うことができる。
【0024】
【発明の効果】本願請求項1に記載された発明において
は、鉄筋コンクリートの壁や天井等の平板を圧壊破砕し
て解体するとき、この圧壊破砕によってコンクリート破
片がほとんど小さな破片に砕かれるから、圧壊破砕した
後再度コンクリート破片を小割りする必要がない。ま
た、鉄筋コンクリート平板の圧壊破砕によって小さなコ
ンクリート破片にされ、落下し、鉄筋のみが残るから鉄
筋とコンクリート破片の分離も同時にできる。そのた
め、構築物を解体し、コンクリート破片を再利用するた
めに小さなコンクリート破片にすると共に鉄筋とコンク
リート破片を分離して収集するまでの作業を効率的に行
うことができる。請求項2に記載の発明は、立設する鉄
筋コンクリートの壁を希望する方向へ倒壊させた後、該
壁を圧壊破砕するようにしたから、立設した状態で壁を
圧壊破砕することが難しいときにも、簡単に壁を解体さ
せることができる。また、圧壊破砕、鉄筋の切断により
発生するコンクリート破片、鉄筋を飛散させず所定の領
域ないに収めることができ、解体後の作業が容易で効率
的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の解体工法に使用するの破砕装置の一例
の斜視図である。
【図2】同破砕装置のアームを開いたときを示す正面図
である。
【図3】天井を解体するときの本発明の解体工法を説明
する説明図である。
【図4】壁を解体するときの本発明の解体工法の説明図
である。
【図5】同壁を解体するときの本発明の解体工法の説明
図である。
【符号の説明】
1 破砕装置 2a アーム 2b アーム 4 油圧シリンダ 5 作業機用ブラケット 6 リンク機構 7a,7a´,7b 爪 8,19,20 ピン 9a,9b 爪 10 剪断刃 11 透孔部 50 天井 51、52 鉄筋 60 壁 61 柱

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーム支持体に中間部を枢着支持された
    一対のアームを有し、該アームの先端部の前記枢着支持
    部近傍に切断対象物を切断する剪断刃が取り付けられて
    いると共に該先端部の中間部には複数の透孔部が形成さ
    れ、最先端部は複数に分割されて先端に爪が取り付けら
    れ、該アームの後端部を油圧シリンダで駆動しアーム先
    端部を開閉させて対象物をアーム幅領域全体で圧壊させ
    る破砕装置を作業機械の作業機用ブラケットに取付け、
    該破砕装置により、(1)鉄筋コンクリート製の壁若し
    くは天井の平板の一側に沿って前記破砕装置を移動しな
    がら前記アームの開閉による平板の圧壊動作を繰り返し
    行い前記平板の一側を圧壊する工程、(2)前記平板の
    コンクリートを圧壊した後に露出する鉄筋を前記剪断刃
    で切断して取除く工程、前記(1)、(2)の工程を繰
    り返し行うことによって平板をコンクリート破片と切断
    された鉄筋に解体することを特徴とする構築物解体工
    法。
  2. 【請求項2】 アーム支持体に中間部を枢着支持された
    一対のアームを有し、該アームの先端部の前記枢着支持
    部近傍に切断対象物を切断する剪断刃が取り付けられて
    いると共に該先端部の中間部には複数の透孔部が形成さ
    れ、最先端部は複数に分割されて先端に爪が取り付けら
    れ、該アームの後端部を油圧シリンダで駆動しアーム先
    端部を開閉させて対象物をアーム幅領域全体で圧壊させ
    る破砕装置を作業機械の作業機用ブラケットに取付け、
    該破砕装置により、(1)鉄筋コンクリート製の壁の平
    板及び該平板を支える柱の上部に連設する構築物と前記
    平板及び柱に屈曲して連設する構築物を破壊し、前記壁
    の平板と該平板を支える柱を孤立させる工程、(2)そ
    の後、前記孤立した平板及び柱を倒壊させる方向の前記
    柱の根元部分の一部コンクリートを破砕すると共にこの
    とき露出した鉄筋を一部切断する工程(3)その後、前
    記破砕装置のアーム先端部で前記孤立した平板若しくは
    該平板を支える柱の上端部を把持し、倒壊させる方向に
    引張るか押圧して前記平板及び柱を倒壊させる工程、
    (4)倒壊した壁の平板を破砕し鉄筋を切断する工程、
    からなることを特徴とする構築物解体工法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010071052A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Ohbayashi Corp 鉄筋コンクリート構造物解体工法
JP2020133120A (ja) * 2019-02-13 2020-08-31 株式会社竹中工務店 解体方法
CN113090054A (zh) * 2021-04-26 2021-07-09 安徽工业大学 一种建筑用墙面清理机器人

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