JPH08311755A - 難燃性液体吸収体 - Google Patents

難燃性液体吸収体

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JPH08311755A
JPH08311755A JP14008195A JP14008195A JPH08311755A JP H08311755 A JPH08311755 A JP H08311755A JP 14008195 A JP14008195 A JP 14008195A JP 14008195 A JP14008195 A JP 14008195A JP H08311755 A JPH08311755 A JP H08311755A
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照雄 三浦
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清隆 宮田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸収性と難燃性に優れると共に、量産に適し
且つ製造コストが低廉である難燃性液体吸収体及びその
製造方法を提供すること。 【構成】 天然セルロース繊維及び/または合成繊維
と、熱融着性物質と、難燃性物質とから実質的になる吸
収層2と、表面シート3及び裏面シート4を積層配置
し、前記天然セルロース繊維及び/または合成繊維、熱
融着性物質及び難燃性物質とを空気中で混合解織し、裏
面シート4と共にマット化し、更に表面シート3と共に
該マットを前記熱融着性物質の融点以上に加熱した後、
プレスロールで圧縮することにより難燃性物質をウェブ
中に固着したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性液体吸収体及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原料として難燃性合成繊維を10
0%使用し、難燃性液体吸収性体を形成する方法が知ら
れている。この難燃性液体吸収体は、例えばインク噴射
型プリンタに使用されている。即ち、このプリンタは、
印字用インクを瞬間的に加熱し沸騰させ印字ユニットの
多数の小孔から該インクを噴出させ印字を行うものであ
り、難燃性液体吸収体は高温になりがちな印字ユニット
の表面に付着した廃インクを吸収するために、印字ユニ
ットの復帰位置に配設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、原料となる難
燃性合成繊維は高価であるため、当該繊維を100%使
用して難燃性液体吸収性のウェブを得る方法では、製造
コストが高価になってしまうという問題点があった。
【0004】そこで、製造コストを低減するために、難
燃性合成繊維と通常の繊維を混合してウェブを作り、ニ
ードルパンチにより繊維同士を絡み合わせ、さらに難燃
剤を混入することにより難燃性液体吸収体を得る方法が
考えられる。
【0005】しかし、上記の方法によると、難燃剤によ
りニードルパンチの針が摩滅あるいは折損し、また、難
燃剤が固定されず脱落するため実質的に量産が不可能で
あるという問題点があった。
【0006】本発明は前記の点に鑑み、難燃性と液体吸
収性に優れると共に、量産に適し且つ製造コストが低廉
である難燃性液体吸収体及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の難燃性液体吸収
体は、天然セルロース繊維及び/または合成繊維と、熱
融着性物質と、難燃性物質とから実質的になる難燃性液
体吸収体であって、前記天然セルロース繊維及び/また
は合成繊維、熱融着性物質及び難燃性物質とを空気中で
混合解織することによりマット化し、更に該マットを前
記熱融着性物質の融点以上に加熱した後、プレスロール
で圧縮することにより難燃性物質をウェブ中に固着した
ことを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の難燃性液体吸収体においては、天然セ
ルロース繊維等を主支持繊維とし、加熱により溶融した
熱融着性物質により難燃性物質をこの主支持繊維に固着
する。このため、液体吸収性は主に天然セルロース繊維
により確保し、また、難燃性物質により難燃性を確保で
きる。
【0009】
【実施例】最初に、本発明の難燃性液体吸収体の実施例
について詳細に説明する。図1は本実施例の難燃性液体
吸収体の断面図である。
【0010】符号1は本実施例の表面シート3及び裏面
シート4の間に吸収体層2を配設してなる難燃性液体吸
収体である。該吸収体層は主支持繊維と熱融着性物質と
難燃性物質とから実質的に構成する。
【0011】上記主支持繊維は、任意の天然セルロース
繊維及び合成繊維が使用可能である。例えば、木材パル
プ、リンター、その他各種の非木材植物繊維等が包含さ
れる。
【0012】熱融着性物質としては熱融着性繊維や熱融
着性粉体が含まれる。熱融着性繊維と熱融着性粉体を混
合して用いても良い。また、これら熱融着性物質として
は、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、共重合体ポリ
アミド及び共重合体ポリエステルの郡から選ばれた少な
くとも1員であることが望ましい。また、熱融着性粉体
としては20メッシュパス200メッシュオン品が好適
である。20メッシュオンの大きな粒子では同じ量の樹
脂を混合した場合接着点が減少し効率が悪く、200メ
ッシュをパスするような小さな粒子では各種原料を空気
中で混合、解繊してウェブを形成する際に裏面シートや
メッシュコンベヤを通過してしまい繊維間に定着しない
からである。
【0013】上記熱融着性繊維として、芯部であるポリ
プロピレン繊維(融点160℃)を被覆層であるポリエ
チレン層(融点130℃)で被覆した複合繊維であって
も良い。複合繊維を使用する場合には、外側の被覆層が
溶融し芯部は溶融しない温度、例えば140℃の熱風を
加えて被覆層のみを溶融する。この場合、芯部は溶融し
ないため安定した繊維として残存しているので強固な不
織布を得ることができる。
【0014】上記熱融着性繊維及び熱融着性複合繊維
は、液体吸収体全体の難燃度を向上させるために、難燃
性であることが好ましい。熱融着性複合繊維としては、
オレフィン系難燃化熱融着性複合繊維であるチッソ株式
会社製の商品名ESG3デニール(5mm長)等が好適
である。
【0015】上記難燃性物質は、公知の難燃性物質であ
れば使用可能である。例えば、粉体の硼酸や硼砂は安全
性に優れると共に安価であるという点で好適である。ま
た、含水性の高い高吸水性樹脂として販売されているポ
リアクリル酸ナトリウム架橋体等も良好な難燃性付与剤
として働く。この種の樹脂の市販品として、粉体状のも
のとしては、アクアリック(日本触媒化学)、ダイヤウ
ェット(三菱化学)、アロンザップ(東亜合成)、アク
アリザーブGP(日本合成)、スミカゲル(住友化
学)、サンウエット(三洋化成)、アラソーブ(荒川化
学)、Drytech(ダウケミカル)、Favor
(ストックハウゼン)等がある。また、繊維状のものと
しては、ベルオアシス(鐘紡)、Fibersorb
(Camelot)等がある。
【0016】本発明の難燃性液体吸収体は、天然セルロ
ース繊維木材パルプを30〜90重量部、熱融着性物質
70〜10重量部に対し、難燃性物質を吸収層全体の1
0〜50%になるように配合することが難燃性を確保し
つつ優れた液体吸収性を得ることができる。しかし、こ
の量は制限的な意味を持つものではなく、このようにし
て作られる吸収体が、充分な強度を有し所定の難燃性を
確保できる限り、如何なる量の難燃性物質を支持繊維に
添加しても良い。
【0017】また、上記難燃性液体吸収体の見かけ密度
を0.05〜0.5g/ccにすることが好適である。
見かけ密度を0.05g/cc未満にすると空隙が大き
くなりすぎ、粉粒体状の難燃性物質が固定しにくく脱落
が多くなるため商品として不適格になるからである。一
方、見かけ密度が0.5g/ccを越える場合には空隙
が少なくなりすぎるため、液体吸収量が不十分となって
しまうからである。
【0018】本発明に係る難燃性液体吸収体の製造方法
は下記の諸工程からなる。天然セルロース繊維及び/ま
たは合成繊維を乾燥状態で粗砕し、それに所定量の熱融
着性物質及び所定量の難燃性物質を添加し、添加後の混
合物をマットホーマーに風送して空気中で混合し解織し
てマットを形成し、このマットに熱風を送ってマットの
温度が熱融着性物質の融点以上の温度になるように加熱
したのち、プレスロールにより圧縮し、主支持繊維と難
燃性物質との間に熱融着によって生じる強固な結合を得
るものである。
【0019】以下、実施例により説明する。 (実施例1)難燃性スルファルミン酸グアニジン系を3
0%含む乾式パルプ不織布60g/m2を表裏面シート
とし、吸収層に針葉樹パルプ600g/m2、オレフィ
ン系難燃化夏融着性複合繊維(チッソ株式会社製・商品
名ESG3デニール5mm長)400g/m2、ポリエ
チレン粉体(住友精化株式会社製・商品名フローセン)
80g/m2、粉体難燃剤として硼酸を150g/m2
硼砂150g/m2、を空気中で混合、解織(繊維を分
離状態で解きほぐすこと)して、マットホーマーに送
り、積層マットを作り、表裏面シートを重ねたまま(総
坪量1500)加熱炉に導き、マットが145℃になる
まで滞留させた後、加熱炉から取り出し、160℃に加
熱したプレスロールを通し、出来上がり厚さを10mm
としたウェブは難燃性(難燃規格UL94HBF水平試
験に合格)を有するインクジェットプリンター用廃イン
キ吸収体として優秀な吸収性と難燃性を示した。
【0020】(実施例2)難燃性ポリエステルスパンボ
ンド不織布(東洋紡株式会社製・製品名ハイム)30g
/m2を表裏面シートとし、吸収層にパルプ200g/
2、難燃性複合繊維(チッソ株式会社製・ESG3デ
ニール5mm長)100g/m2、ポリエチレン粉体
(住友精化株式会社製・商品名フローバック)20g/
2、硼酸を40g/m2、硼砂40g/m2、総坪量4
60g/m2としたマットを145℃に調整された熱風
炉を通し、複合繊維、ポリエチレン粉体が粘着力を発揮
するまで溶融させた後、取り出し、プレスロールで加圧
3mm厚さのウェブを得た。このウェブを液体芳香材の
揮散板として用いたとき難燃規格UL94HBFを満た
し、安定した揮散性能を示した。
【0021】(実施例3)難燃性スルファルミン酸グア
ニジン系を30%含む乾式パルプ不織布60g/m2
表裏面シートとし、吸収層に針葉樹パルプ600g/m
2、オレフィン系難燃化夏融着性複合繊維(チッソ株式
会社製・商品名ESG3デニール5mm長)400g/
2、ポリエチレン粉体(住友精化株式会社製・商品名
フローセン)80g/m2、難燃剤として高吸水性樹脂
アクアリックCAW−4(日本触媒化学株式会社製)1
20g/cm2を空気中で混合、解繊してマットホーマ
ーに送り積層マットを形成し、表裏面シートを重ねたま
ま(総坪量1320g/m2)加熱炉に導き、マットが
145℃になるまで滞留させた後、加熱炉から取り出
し、160℃に加熱したプレスロールを通し、出来上が
り厚さを10mmとしたウェブは難燃性(難燃性規格U
L94HBF水平試験に合格)を有するインクジェット
プリンタ用廃インク吸収体として優秀な吸収性と難燃性
を示した。
【0022】(実施例4)図2は本実施例に係る難燃性
液体吸収体の製造工程を示す。まず、パルプ巻取り5か
ら提供され粗砕機26により粗砕された天然セルロース
繊維と、難燃性複合繊維定量フィーダ7により供給され
た所定量の難燃性複合繊維と、ポリエチレン粉体定量フ
ィーダ8により供給された所定量のポリエチレン粉体
と、難燃性粉体定量フィーダ9により供給された所定量
の難燃性粉体とが精砕機に搬送され混合、解繊される。
この混合物は難燃性不織布裏面シートフィード10から
供給されサクションボックスを有するメッシュコンベヤ
上に繰出された裏面シート上に積層される。尚、この難
燃性不織布裏面シート及び後述する難燃性不織布表面シ
ートは難燃性で通気性のある10〜100%g/m2
不織布である。
【0023】裏面シート上に積層された混合物はマット
ホーマー12によりマットとする。さらに、このマット
の上に難燃性不織布表面シートフィード13から供給さ
れた表面シートが積層され加熱炉14に搬送される。次
に、加熱炉14において難燃性複合繊維及びポリエチレ
ン粉体の融点以上に加熱する。マットが高温になり難燃
性複合繊維及びポリエチレン粉体が融解し粘着性が生じ
たときに、表裏面シートを積層配置したマットをプレス
ロール15に搬送しプレスする。プレスによりウェブが
形成されると共に、難燃性粉体がウェブ中に固着され
る。こうして得られたウェブは適宜の大きさに加工する
ため平判カッター16によりカットし、積取機17によ
り積取る。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように通常の天
然セルロース繊維を用い、高価な難燃性合成繊維を使用
しないため、製造コストを安価にすることができる。
【0025】また、熱融着性物質の融解による粘着性に
より難燃性物質を支持繊維に固着するためニードルパン
チ等を使用する必要がない。また、一連の工程により製
造可能であるため量産に適する。
【0026】難燃性物質の確実な固着により難燃性に優
れると共に、難燃性物質のウェブからの脱落を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る難燃性液体吸収体の断面
図である。
【図2】本発明の実施例3に係る難燃性液体吸収体の製
造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 難燃性液体吸収体 2 吸収層 3 表面シート 4 裏面シート 5 パルプ巻取り 6 粗砕機 7 難燃性複合繊維定量フィーダ 8 ポリエチレン粉体定量フィーダ 9 難燃性粉体定量フィーダ 10 難燃性不織布裏面シートフィーダ 11 精砕機 12 マットホーマー 13 難燃性不織布表面シートフィーダ 14 加熱炉 15 プレスロール 16 平判カッター 17 積取機
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/32 C09K 3/32 K L

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然セルロース繊維及び/または合成繊
    維と、熱融着性物質と、難燃性物質とから実質的になる
    難燃性液体吸収体であって、前記天然セルロース繊維及
    び/または合成繊維、熱融着性物質及び難燃性物質とを
    空気中で混合解織することによりマット化し、更に該マ
    ットを前記熱融着性物質の融点以上に加熱した後、プレ
    スロールで圧縮することにより難燃性物質をウェブ中に
    固着したことを特徴とする難燃性液体吸収体。
  2. 【請求項2】 前記熱融着性物質は、熱融着性繊維及び
    /あるいは熱融着性粉体である請求項1記載の難燃性液
    体吸収体。
  3. 【請求項3】 前記難燃性液体吸収体は見かけ密度0.
    05〜0.5g/ccである請求項1あるいは請求項2
    記載の難燃性液体吸収体。
  4. 【請求項4】 天然セルロース繊維木材パルプを30〜
    90重量部、熱融着性物質を70〜10部に対し、難燃
    性物質を吸収層全体の3〜50%になるように配合した
    特許請求の範囲1乃至請求項3記載のいずれかの項に記
    載の難燃性液体吸収体。
  5. 【請求項5】 前記熱融着性物質が複合繊維からなる請
    求項1乃至請求項4記載のいずれかの項に記載の難燃性
    液体吸収体。
  6. 【請求項6】 前記熱融着性物質が難燃性である請求項
    1乃至請求項5記載のいずれかの項に記載の難燃性液体
    吸収体。
  7. 【請求項7】 前記熱融着性物質が、ポリエチレン、エ
    チレン酢酸ビニル、共重合体ポリアミドあるいは共重合
    体ポリエステルの郡から選ばれた少なくとも1員である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載のいずれか
    の項に記載の難燃性液体吸収体。
  8. 【請求項8】 前記熱融着物質は粉体であり、望ましく
    は20メッシュパス200メッシュオン品である請求項
    1乃至請求項7記載のいずれかの項に記載の難燃性液体
    吸収体。
  9. 【請求項9】 前記難燃性物質が硼酸、硼砂及び/ある
    いはアクリル酸系高吸水性樹脂の粉体及び/あるいは繊
    維である請求項1乃至請求項8記載のいずれかの項に記
    載の難燃性液体吸収体。
  10. 【請求項10】 前記難燃性液体吸収体の片面及び/あ
    るいは両面に表面シートを積層した請求項1乃至請求項
    9記載のいずれかの項に記載の難燃性液体吸収体。
  11. 【請求項11】 前記表面シートは難燃性で通気性のあ
    る10〜100g/m2の不織布または紙である請求項
    10記載の難燃性液体吸収体。
  12. 【請求項12】 難燃性で通気性のある10〜100%
    g/m2の不織布または紙をサクションボックスを有す
    るメッシュコンベヤ上に繰出し、このシート上に乾式の
    ウェブ形成装置で天然セルロース繊維及び/または合成
    繊維と、熱融着性物質と、難燃性物質を空気中で混合、
    解織してウェブを形成させ、この該ウェブ上に難燃性で
    通気性のある10〜100g/m2の不織布または紙を
    積層するように繰出し、加熱炉に導いて前記熱融着性物
    質の融点以上に加熱することにより前記難燃性物質を前
    記ウェブ中に固着し、さらにプレスロールを通し、見か
    け密度0.05〜0.5g/ccになるように成型した
    難燃性液体吸収体の製造方法。
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