JPH1086247A - 低密度古紙ボード - Google Patents

低密度古紙ボード

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JPH1086247A
JPH1086247A JP8244962A JP24496296A JPH1086247A JP H1086247 A JPH1086247 A JP H1086247A JP 8244962 A JP8244962 A JP 8244962A JP 24496296 A JP24496296 A JP 24496296A JP H1086247 A JPH1086247 A JP H1086247A
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JP
Japan
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waste paper
fiber
web
thermoplastic resin
board
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JP8244962A
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English (en)
Inventor
Masahito Tanaka
雅人 田中
Katsushi Sakano
賀津士 坂野
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主原料が古紙パルプおよび熱可塑性樹脂繊維
からなり、乾式でウェブを形成し、加熱加圧することで
得られる古紙ボードに、難燃性を付与する。 【解決手段】 乾式で解繊された古紙パルプ繊維と熱可
塑性樹脂の繊維および有機りん系化合物とを、乾式で混
合し、得られた繊維集合体を用いて乾式でウェブを形成
し、該ウェブを熱可塑性樹脂の繊維の融点以上に加熱
し、圧着成形することにより、該熱可塑性樹脂の繊維の
一部または全部を融解して、古紙パルプ繊維と熱可塑性
樹脂の繊維同士を結合させた古紙ボードを得る。得られ
た古紙ボードは、有機りん系化合物を含有したことによ
り、難燃性の低密度古紙ボードである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、物品の破損、傷つ
き、つぶれ等を防止する目的で使用される緩衝材、断熱
材、保温材、および水、インク、油などの吸収材等とし
て広範囲な使用が可能で、特に低密度で難燃性を有する
古紙ボードに関する。
【0002】
【従来の技術】 工場、商店、オフィス、一般家庭等か
ら排出される新聞古紙、チラシ、使用済み印刷物、段ボ
ール古紙等の大量の古紙は、環境保護と資源の有効活用
の観点から、近年その利用分野と利用方法の拡大が急務
となっている。古紙を緩衝材の原料として用いる方法と
しては、古紙を湿式で解繊して作製した古紙パルプを金
型を用いて湿式吸引式成型方法により特定の形に成型、
乾燥し、緩衝機能と包装機能を付与されたパルプモール
ド包装材料が広く利用されている。しかしながら、この
湿式吸引式成型法で得られる古紙パルプ緩衝材或いは包
装材は、水で解繊して得られる古紙パルプを湿式で成型
した後乾燥させて特定の形状を得るため、乾燥の間にパ
ルプ繊維間に強固な水素結合が形成され、金型の形状に
より、見かけの嵩は高くできる一方で、得られた基材の
真比重は高く、しかも硬いため、緩衝性能が不十分であ
るという欠点があった。又、基材自体が硬いために、シ
ート状の緩衝材としては利用できなかった。更に、用途
に応じて高価な金型を作る必要があるという問題もあっ
た。
【0003】これらの問題を解決する方法としては、例
えば、特開昭56―41142号公報には、古紙をシュ
レッダーで粗砕後、解繊機で解繊して得られた古紙パル
プと繊維長10mm以上の化学合成繊維とフェノール樹
脂のような熱硬化性樹脂粉末を乾式で混合後、加熱成型
して得られる古紙混合マットが開示されている。この方
法を用いれば、パルプ繊維間に水素結合がほとんど形成
されないために、それに起因する密度の増加はなくな
り、比較的嵩高いシートの製造が可能である。しかしな
がら、熱硬化性樹脂粉末をバインダーとして使用してい
るために、依然として加熱成型後のシートが硬くなり、
緩衝性能が劣るという問題が残されており、熱硬化性樹
脂粉末を古紙パルプと前記合成繊維に混合する際やその
後に続く製造工程において、熱硬化性樹脂粉末が飛散し
たり、加熱処理の時にフェノールやホルマリンが大気中
に放出される等の作業環境の悪化を伴うという問題があ
った。
【0004】一方、特公昭52―20588号公報に
は、ダンボール、板紙等の古紙に対して、1〜50重量
%の合成パルプを加え、これを乾式レファイナー等の解
繊機を用いて乾燥状態で混合解繊後、フォーメーション
ワイヤー上に堆積し、次いで熱プレスにより平板状シー
トを製造する方法が開示されている。この方法を用いれ
ば、シート形成の段階で水が存在しないため、水素結合
の形成によりシートが硬くなり、シートの密度も上昇す
る等の問題はなく、しかも接着剤としてフェノール樹脂
等の熱硬化性樹脂粉末を使用していないため、製造時の
熱硬化性樹脂粉末の飛散や、加熱処理時に発生するフェ
ノールやホルマリンによる作業環境の悪化はない。しか
し上記の方法により製造される古紙ボードにおいては素
材が古紙であるため、特に低密度ボードにおいては燃焼
し易く、そのために建築材、家電、プリンター、FAX
の部品として低密度ボードを使用する場合、用途が限定
されることがあり、難燃処理された低密度古紙ボードの
開発が期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、古紙を水
を用いず乾式で解繊して得られる古紙パルプ繊維と、熱
可塑性樹脂の繊維とを、乾式で混合し、得られた繊維集
合体を用いて乾式でウェブを形成し、該ウェブを熱可塑
性樹脂の繊維の融点以上に加熱し、圧着成型することに
より、該熱可塑性樹脂の繊維の一部又は全部を融解して
古紙パルプ繊維と熱可塑性樹脂の繊維同士を結合させた
低密度古紙ボードにおいて、物品の破損、傷つけ、つぶ
れ等を防止する目的で使用される緩衝材、断熱材、保温
材および水、インク、油などの吸着材としての性能を損
なわずに、難燃性を付与させることを目的とする。本発
明者等は、かかる現状に鑑み鋭意検討した結果、難燃剤
といわれる薬剤のなかで特に有機リン系化合物を含有さ
せることが有効であることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明の第1は、古紙
を水を用いず乾式で解繊して得られる古紙パルプ繊維
と、熱可塑性樹脂の繊維とを乾式で混合し、得られた繊
維集合体を用いて乾式でウェブを形成し、該ウェブを熱
可塑性樹脂の繊維の融点以上に加熱し圧着成型すること
により、該熱可塑性樹脂の繊維の一部又は全部を融解し
て、古紙パルプ繊維と熱可塑性樹脂の繊維同士を結合さ
せた古紙ボードであって、前記ウェブに少なくとも有機
リン系化合物の一種を含有させることにより難燃性を有
することを特徴とする低密度古紙ボードである。
【0007】本発明の第2は、前記有機リン系化合物の
一種を、前記ウェブ中の古紙パルプ繊維100重量部に
対して1〜30重量部含有させることを特徴とする請求
項1に記載の低密度古紙ボードである。
【0008】
【発明の実施の形態】 本発明に使用する古紙パルプ繊
維を製造するために用いられる古紙は、パルプ繊維から
構成されたものであれば特に限定するものではないが、
例えば新聞紙、雑誌、書籍、ダンボール、板紙、印刷さ
れた上質紙や中質紙、チラシ、パンフレット、包装用紙
等の使用済みのものをいい、平衡水分が2〜15重量%
であり、これらの古紙は、水を用いず空気中で、公知の
ドライパルプ製造装置や乾式レファイナーにより解繊さ
れてパルプ化される。この場合、解繊に先立ち、古紙は
シュレッダー等の裁断装置や破砕装置で粗砕してもよ
い。
【0009】解繊された古紙パルプ繊維の繊維長は加重
平均長さ(length-weighted average length)が0.5
〜4mmとなるようにするが、好ましくは0.6〜2.
5mmである。古紙は、乾式の解繊により繊維が微細化
するが平均繊維長が0.5mm未満で短いと、作製した
古紙ボードの表面強度が極端に低下し、貼合せたシート
状物が剥がれ易くなるとともに、ボードに曲げ加工等を
施す場合に、ひび割れが生じ易くなるので適当でなく、
このような微細化された繊維が発生しないように調製さ
れる。また、繊維長が4mmを越えると混合が難しくな
り、均一な強度のボードが出来ない。古紙パルプ繊維の
繊維長は、パルプの中から、面積1mm 2以上の未解繊
の紙片を除去後、カヤーニ繊維長測定機(型式:FS−
200、バルメット・オートメーション社製)を用いて
測定することができる。
【0010】本発明に使用可能な熱可塑性樹脂の繊維
は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及び塩
化ビニル系樹脂或いは前記の共重合体樹脂を押し出し紡
糸機において加熱して溶融紡糸し、連続フィラメントを
製造し、次いで1.5〜60mm、好ましくは2〜20
mmの範囲の長さに断裁した短繊維、又は上記樹脂の2
種以上を同一の押し出し紡糸機で同時に紡出した、いわ
ゆるサイドバイサイドタイプや、シースコアタイプ(芯
鞘型)の連続複合繊維を前記の繊維長の範囲の短繊維状
に断裁加工したもの、或いは短繊維状のものを更にレフ
ァイナー等で処理し繊維表面に分岐状の微細繊維状物を
設けたものであってもよく、これらの中から適宜選択し
て1種以上を使用することができる。特に、ポリオレフ
ィン系樹脂から得られる繊維で表面が多分岐状に加工さ
れている多分岐状合成パルプ繊維が好ましい。
【0011】以上のようにして製造される古紙パルプ繊
維と熱可塑性樹脂の繊維の使用比率は、絶乾重量比で、
古紙パルプ繊維が60〜95重量%、熱可塑性樹脂の繊
維が40〜5重量%であり、好ましくは古紙パルプ繊維
が70〜90重量%、熱可塑性樹脂の繊維が30〜10
重量%である。熱可塑性樹脂の繊維が5重量%未満で
は、古紙ボードの強度が弱すぎる上、シート状物の接着
が不十分となり、逆に前記繊維が40重量%を超えて多
くなると、シート状物の接着とボードの強度は優れる
が、ボードが硬くなって、緩衝性が劣り、しかも高価な
熱可塑性樹脂の繊維の使用量が多くなるので製造コスト
が高くなる。
【0012】これらの古紙パルプ繊維と熱可塑性樹脂繊
維は、ウェブに形成される前に、まず乾式でエアーを用
いる撹拌や、機械的な攪拌等により均一に混合されて繊
維集合体とされ、次いでこの均一に混合された古紙パル
プ繊維と熱可塑性樹脂の繊維との繊維集合体は、移動す
る無端ベルト状の搬送用支持体上に集積して、ウェブに
形成される。その後、加熱装置へ移送され、熱可塑性樹
脂が溶融する温度以上に加熱された後、最終的に加圧処
理装置へ移送され、そこで加圧されて古紙ボードにな
る。またこの時ウェブの片面もしくは両面に保護層とし
てのシート状物を積層させた状態で加熱、加圧処理を行
って古紙ボードを製造してもよい。別の方法としては、
ウェブ形成後に、加熱および加圧を同時に行う熱プレス
装置を利用して古紙ボードを製造することもできる。こ
の場合も上記方法と同様に片面もしくは両面に保護層と
してのシート状物を積層させて処理することができる。
【0013】このようにして製造される古紙ボードは密
度が0.05〜1.5g/cm3となるが、本発明の低密度
古紙ボードは(低密度古紙ボードとは、一般に密度が
0.05〜0.5g/cm3のものを指す)、低密度である
ことに加えて主材料が古紙パルプであるために燃焼し易
い。中でも低密度で比較的厚さのない古紙ボード(厚さ
が3.0〜13.0mm)においては、特に燃焼し易
い。
【0014】一般に難燃性付与の方法としては次のよう
な三タイプがある。第一の方法は、ポリマー自体を燃焼
しないようなものにする方法である。これは、分解点が
高くて、分解しても個体の残査を多く残す耐熱性高分子
をつくる方法である。このような高分子は現在開発の途
上にあるが、現在のところ、まだ高価過ぎ、加工性など
でも問題を残しているため、広く使用されるには至って
いない。第2の方法は、既存の高分子を燃焼に強くなる
ように、改善するものである。すなわちポリエチレンを
塩素化したり、ポリエステルにクロルエンド酸を使用し
たり、ポリウレタンに含りんポリオールを使用するなど
がそれである。これらの反応を伴う改質の場合、これに
使用する薬剤は反応型難燃化剤と呼ばれる。第3の方法
は、高分子材料が火に対して強くなるような化合物を添
加し混合するものである。たとえば、ポリスチレンにト
リス(2,3−ジブロムプロピル)ホスフェートを添加
し混合する方法等があり、このような添加剤は添加型難
燃化剤とよばれる。
【0015】低密度古紙ボードの難燃化において上記難
燃化剤を検討したが、添加型難燃化剤の中の有機りん系
化合物が最も良好で、有効と判断した。言い変えれば、
有機りん系化合物を含有させた古紙ボードは、難燃効果
を付与させてもボード強度、断熱性、保温性、緩衝性お
よび吸収性などの品質の低下が最も少なく、さらに安全
で安価な商品化が可能である。
【0016】本発明の有機リン系化合物は、上記添加型
難燃化剤と呼ばれるグループに属し、中でもトリクレジ
ルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ト
リフェニルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフェ
ート、トリブチルホスフェート、トリス(β−クロルエ
チル)ホスフェート、トリス(ジクロルプロピル)ホス
フェート、トリス(2,3−ジブロムプロピル)ホスフ
ェート、トリス(ブロムクロルプロピル)ホスフェート
などのリン酸エステル類を多く用いることができる。中
でも、含ハロゲンりん酸エステルは効果が大きく、この
系統のもので代表的なものは、トリス(2,3−ジブロ
ムプロピル)ホスフェートである。また有機リン系化合
物は個体、液体どちらの形態でも同様に効果がある。有
機リン系化合物の添加方法は、古紙パルプ繊維と熱可塑
性樹脂の繊維を混合する時に混合させる方法、または有
機リン系化合物を含浸させた古紙を解繊機により解繊
し、次いで熱可塑性樹脂の繊維を混合する方法、さらに
は仕上がった低密度古紙ボードに含浸する方法などが用
いられる。
【0017】難燃化剤の使用量としては、古紙パルプ繊
維100重量部に対して1〜30重量部にすることが好
ましい。含有量の増加に伴って難燃性の効果は向上する
反面、多く使用すると古紙ボードの強度の低下により表
面および切断面から紙粉が多く発生し、特に経時的にそ
の傾向が強く現れるため、難燃化剤は30重量部を越え
ないようにする。また、難燃化剤が1重量部未満になる
と、難燃性を殆ど示さなくなり、好ましくない。また、
前記保護層としてのシート状物は、セルロース繊維から
なるシート状物あるいは合成樹脂繊維からなるシート状
物の中から選ばれ、また前記ウェブの両面にシート状物
を積層する場合はこれらの中から同じ種類のもの或いは
異なったものが組み合わされて用いられてもよい。
【0018】上記の保護層として用いるセルロース繊維
としては、特に限定されないが、針葉樹材或いは広葉樹
材のような木材や稲わら、竹、バガス、亜麻、マニラ
麻、ケナフ、リンター等の非木材植物をクラフト法、ソ
ーダ法、ポリサルファイト法等で蒸解した化学パルプ、
木材からのグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等
の機械パルプ、及びレーヨンのような再生繊維等を挙げ
ることができ、これらのパルプ或いは繊維から適宜選択
されて公知の湿式法で或いは乾式法でシート化された各
種の紙、または不織布のようなシート化物が本発明のた
めに用いられる。
【0019】また、保護層として用いる合成樹脂からな
るシート状物としては、特に限定するものではないが、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、アクリ
ル、ナイロン、ビニロン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂
を押出し溶融紡糸機で溶融紡糸し、紡出された連続長繊
維フィラメントを公知のスパンボンド法、メルトブロー
法、カード法等によりにより加工して得られる不織布、
更にウォータージェット法、ニードルパンチ法、エアレ
イ法、サーマルボンド法等によって加工された不織布、
或いは前記樹脂を加熱溶融し、押出し成型して作製され
たフィルム、合成紙等を挙げることができ、これらの中
から適宜選択して用いられる。本発明に使用するシート
状物としては、前記の他にアルミニウム箔のような金属
製のシート状物を用いてもよい。
【0020】
【実施例】 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は勿論これらに限定されるもので
はない。尚、以下の実施例において、%は、特に断らな
い限り重量%を示す。
【0021】実施例1 新聞古紙をパルプ粗砕機(TYPE FR―160、瑞
光鉄工社製)を用いて粗砕後、パルプ粉砕機(TYPE
P―270、瑞光鉄工社製)を用いて乾式で解繊し、
古紙パルプ繊維を得た。得られた古紙パルプ繊維の加重
平均長さは1.4mmであった。得られた古紙パルプ繊
維と、熱可塑性樹脂の繊維として乾式で解繊され、乾燥
された多分岐状合成パルプ(商品名:SWP、E99
0、平均繊維長2.1mm、溶融温度135℃、三井石
油化学社製)および50%水溶液の有機りん系化合物
(ノンネンW−2−50、丸菱油化工業(株)社製)
を、絶乾重量比で古紙パルプ:合成パルプ:有機りん系
化合物=75:15:10の割合で用い、混合機で連続
的に混合して均一な繊維集合体を得た。
【0022】得られた繊維集合体を下部から吸引できる
方式を備え、多孔質材料よりなる搬送用ベルト上に積層
し、坪量が1475g/m2ウェブを形成した。次に、
このウェブを、搬送ベルトによって170℃に加熱され
た加熱炉に移送し、次いで上下一対の多孔質材料よりな
る搬送用ベルトでウェブを挟み、このままで加熱炉中を
水平に移動させながら、上方から熱風を吹き出し搬送用
のベルトの下から熱風を吸引して、ウェブ内を170℃
の熱風が強制的に通過するようにして加熱した。
【0023】その後、加熱処理を施したウェブを、加熱
炉の出口に設置した6組のプレスロールで、常温の空気
をウェブの両面に吹き付けながらロール間隙9mmに通
して加圧し、厚さ10mmに成形した後卷き取り、古紙
ボードを得た。得られた複合型古紙ボードの密度は0.
15g/cm3で、坪量は1500g/m2であった。得
られた古紙ボードを下記の試験法により試験し、その品
質を評価した。
【0024】試験方法 (1)坪量:JIS P 8126に示された方法を用
いて測定。 (2)密度:JIS P 8118に示された方法を用
いて測定。 (3)引張強度:JIS P 8113に示された方法
を用いて測定。 (4)難燃性:UL94法に示されている方法を用いて
測定。 ○・・・UL94HBレベルあり。 ×・・・UL94HBレベルがない。
【0025】実施例2 実施例1で用いたのと同じ新聞古紙パルプ(長さ加重平
均長さ1.4mm)と、熱可塑性樹脂繊維としてポリプ
ロピレン(芯)/ポリエチレン(鞘)の芯鞘繊維(商品
名:EAC繊維、2デニール、平均繊維長10mm、融
点110℃ 、チッソ社製)および50%水溶液の有機
りん系化合物(フレームガード5316、DIC(株)
社製)を、絶乾重量比で古紙パルプ繊維:合成繊維:有
機りん系化合物=75:15:10の割合で用い、混合
機で連続的に混合して均一な繊維集合体を得た。得られ
た繊維集合体を下部から吸引できる方式を備え、多孔質
材料よりなる搬送用ベルト上に集積し、坪量が3960
g/m2のウェブを形成した。
【0026】次に、搬送ベルトで150℃に加熱された
加熱炉に移送し、次いで上下一対の多孔質材料よりなる
搬送用ベルトでウェブを挟み、このままで加熱炉中を水
平に移動させながら、上方から熱風を吹き出し搬送用の
ベルトの下から熱風を吸引して、ウェブ内を熱風が強制
的に通過するようにして加熱した。その後、加熱処理を
施したウェブを、加熱炉の出口に設置した6組のプレス
ロールで、常温の空気をウェブの両面に吹き付けながら
ロール間隙18mmに通して加圧し、厚さ20mmに成
形した後、平判カッターで裁断し古紙ボードを得た。得
られた複合型古紙ボードの密度は0.20g/cm
3で、坪量は4000g/m2であった。得られた古紙ボ
ードを前記の試験法により試験し、その品質を評価し
た。
【0027】実施例3 実施例1で用いたのと同じ新聞古紙パルプ(長さ加重平
均長さ1.4mm)と、熱可塑性樹脂の繊維として乾式
で解繊され、乾燥された多分岐状合成パルプ(商品名:
SWP、E990、平均繊維長2.1mm、溶融温度1
35℃、三井石油化学社製)および粉末タイプの有機り
ん系化合物(ノンネンOK−26、丸菱油化工業(株)
社製)を、絶乾重量比で古紙パルプ:合成パルプ:有機
りん系化合物=75:15:10の割合で用い、混合機
で連続的に混合して均一な繊維集合体を得た。得られた
繊維集合体を10mmの高さのスペーサーを用いた熱プ
レス装置((株)東洋精機製作所製、ラボプレス30
T)の間に積層し、10kgf/cm2の圧力、170
℃の温度で10分間保持し、ボードを作製した。得られ
た複合型古紙ボードの密度は0.15g/cm3で、坪
量は1500g/m2であった。
【0028】実施例4 坪量20g/m2の、針葉樹晒クラフトパルプ50%と
広葉樹晒クラフトパルプ50%からなるティシュ用原紙
を実施例3で得られた繊維集合体の上下に積層した構成
で、10mmの高さのスペーサーを用いた熱プレス装置
((株)東洋精機製作所製、ラボプレス30T)の間に
置き、10kgf/cm2の圧力、170℃の温度で1
0分間保持し、ボードを作製した。得られた複合型古紙
ボードの密度は0.15g/cm3で、坪量は1540
g/m2であった。得られた古紙ボードを前記の試験法
により試験し、その品質を評価した。
【0029】実施例5 実施例3において粉末タイプの有機りん系化合物(ノン
ネンOK−26、丸菱油化工業(株)社製)を、絶乾重
量比で古紙パルプ:合成パルプ:有機りん系化合物=8
7:10:3の割合で用い、混合機で連続的に混合して
均一な繊維集合体を10mmの高さのスペーサーを用い
た熱プレス装置((株)東洋精機製作所製、ラボプレス
30T)の間に積層し、50kgf/cm2の圧力、1
70℃の温度で10分間保持し、ボードを作製した。得
られた複合型古紙ボードの密度は0.5g/cm3で、
坪量は5000g/m2であった。得られた古紙ボード
を前記の試験法により試験し、その品質を評価した。
【0030】比較例1 実施例1において有機りん系化合物(ノンネンW−2−
50、丸菱油化工業(株)社製)を使用せず絶乾重量比
で古紙パルプ:合成パルプ=83:17とする以外は、
実施例1と同様にして古紙ボードを作製し、前記の試験
法で試験し、その品質を評価した。
【0031】比較例2 実施例2において有機りん系化合物(フレームガード5
316、DIC(株)社製)を使用せず絶乾重量比で古
紙パルプ:合成パルプ=83:17とする以外は、実施
例2と同様にして古紙ボードを作製し、前記の試験法で
試験し、その品質を評価した。
【0032】比較例3 実施例5において有機りん系化合物(ノンネンOK−2
6、丸菱油化工業(株)社製)を使用せず絶乾重量比で
古紙パルプ:合成パルプ=90:10とする以外は、実
施例5と同様にして古紙ボードを作製し、前記の試験法
で試験し、その品質を評価した。
【0033】比較例4 実施例2において有機りん系化合物(フレームガード5
316、DIC(株)社製)を使用するところを有機硫
黄系化合物(ノンネン513、丸菱油化工業(株)社
製)に置き換えて絶乾重量比で古紙パルプ:合成パル
プ:有機硫黄系化合物=75:15:10の割合で用い
る以外は、実施例2と同様にして古紙ボードを作製し、
前記の試験法で試験し、その品質を評価した。
【0034】実施例及び比較例で得られた結果を表1に
示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、本発明の低密度
古紙ボードはすべて難燃性があり、しかも難燃化剤を含
有させても強度の低下はほとんどない。
【0037】
【発明の効果】 本発明は、使用後に原料として再利用
が可能であり、焼却処理しても、有毒ガスの発生がな
く、使用に際してボードの表面から繊維や紙粉の脱落も
なく、低密度で断熱性、保温性、緩衝性および吸収性に
優れているという本来の古紙ボードの特徴に加えて、難
燃性が付与された低密度古紙ボードを提供するという効
果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 古紙を乾式で解繊して得られる古紙パル
    プ繊維と、熱可塑性樹脂の繊維とを乾式で混合し、得ら
    れた繊維集合体を用いて乾式でウェブを形成し、該ウェ
    ブを熱可塑性樹脂の繊維の融点以上に加熱し圧着成型し
    た古紙ボードであって、前記ウェブに少なくとも有機リ
    ン系化合物の一種を含有させることにより難燃性を有す
    ることを特徴とする低密度古紙ボード。
  2. 【請求項2】 前記有機リン系化合物の一種を、前記ウ
    ェブ中の古紙パルプ繊維100重量部に対して1〜30
    重量部含有させることを特徴とする請求項1に記載の低
    密度古紙ボード。
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