JPH08311618A - 耐食性、加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板 - Google Patents

耐食性、加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板

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Publication number
JPH08311618A
JPH08311618A JP11501795A JP11501795A JPH08311618A JP H08311618 A JPH08311618 A JP H08311618A JP 11501795 A JP11501795 A JP 11501795A JP 11501795 A JP11501795 A JP 11501795A JP H08311618 A JPH08311618 A JP H08311618A
Authority
JP
Japan
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steel sheet
corrosion resistance
stainless steel
austenitic stainless
workability
Prior art date
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Pending
Application number
JP11501795A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehide Senuma
武秀 瀬沼
Masayuki Abe
阿部  雅之
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は耐食性、加工性に優れたオーステナ
イト系ステンレスを提供するものである。 【構成】 鋼板の少なくとも片面において、鋼板の表面
から板厚の15%までの範囲におけるNの平均濃度が重
量比で0.1%以上、0.5%以下、そして鋼板表面か
ら板厚の15%の入った位置から板厚中心までの範囲に
おけるNの平均濃度が重量比で0.05%以下である耐
食性、良加工性を共有するオーステナイト系ステンレス
鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐食性、加工性に優れた
オーステナイト系ステンレス鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼板の耐孔
食性を向上させるのにNの添加が有効であることは周知
の通りである(例えば、特公昭50−8967号公報参
照)。耐隙間腐食性、耐孔食性はNの添加量の増加に伴
い向上するが、その効果を十分に得るには多量のNを添
加しなくてはならない。一方、Nは非常に効果的な固溶
強化合金として知られている。すなわち、Nの大量添加
は著しい強度の上昇と延性の劣化を招き、成形の観点で
は問題となることがある。しかし、近年ステンレスの使
用条件が厳しさを増し、複雑な形状に強加工された材料
が厳しい孔食環境下で使用される場合がある。耐孔食性
の優れた材料は数多く開発されているが18−8ステン
レスに代表されるオーステナイト系ステンレスより加工
性、経済性に優れた金属は少ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐孔食性と
加工性を両立したオーステナイト系ステンレス鋼板を提
供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは耐孔食性と
加工性を同時に満足する鋼板について検討を重ね、加工
性に優れたオーステナイト系ステンレスを適正に窒化す
ることにより両特性を同時に満足する鋼板が得られるこ
とを見いだした。
【0005】本発明はかかる知見に基づくものであっ
て、その要旨とするところは、鋼板の少なくとも片面に
おいて、鋼板の表面から板厚の15%までの範囲におけ
るNの平均濃度が重量比で0.1%以上、0.5%以
下、そして鋼板表面から板厚の15%の入った位置から
板厚中心までの範囲におけるNの平均濃度が重量比で
0.05%以下であることを特徴とするオーステナイト
系ステンレス鋼板にある。
【0006】
【作用】以下に、本発明について詳細に説明する。本発
明の成分の限定理由は次の通りである。本発明鋼板の少
なくとも片面の表層部には高窒素濃度の領域を設ける。
詳細には、鋼板表面から板厚の15%までの範囲におけ
るN量の下限を平均濃度で0.1%とする。0.1%未
満の窒化量では十分な耐食性の向上が得られないためで
ある。一方、上限は0.5%とする。0.5%を超えて
Nを添加しても耐食性のさらなる向上は達成できないだ
けでなく、加工性の劣化を招くためである。一方、鋼板
表面から板厚の15%の入った位置から板厚中心までの
範囲におけるN量の上限を平均濃度で0.05%以下と
する。その理由は、オーステナイト系ステンレス鋼板全
体の加工性を確保するためである。
【0007】上記のような特徴を有した鋼板は連続焼鈍
炉での窒化によって製造することができる。この際留意
することは、固溶のNを表層近傍に加えるためには焼鈍
温度を1050℃以上にし、かつ焼鈍時間を比較的短時
間にする必要がある。また、通常、窒化のN源としては
アンモニアを用いるが、アンモニアは高温において素早
く分解してしまい、N源として有効に作用しないので、
窒化雰囲気の温度は低めにし、板温だけ高温にする工夫
が必要である。また、冷却中にNがCrと結合して、局
所的にCr欠乏層を形成しないように焼鈍後の冷却は速
やかに行なう必要がある。
【0008】
【実施例】本発明の実施例を、比較例と共に説明する。
表1に示すオーステナイト系ステンレス鋼を用いて連続
焼鈍で窒化した後の鋼板の特性を調査し、その結果を表
2に示す。
【0009】窒化は鋼板の温度が1050℃〜1200
℃の範囲で行ない、アンモニアの濃度は2%〜10%の
範囲とし、適正なN濃度が得られるように温度、濃度に
合わせて窒化時間を変化させた。窒化後の冷速は30℃
/秒と設定し、冷却途中でのCrの析出を抑制して鋭敏
化を回避した。耐孔食性の指標としては50℃の塩酸一
塩化第二鉄溶液中における腐食速度により表示した。鋼
板の板厚は0.8mmで、引張試験の試験片はJIS5号
を用いた。
【0010】実験番号1,3,8,10は窒化処理をし
ない状態で、機械試験並びに耐食性の試験をしたもの
で、実験番号1,3,8の材料は表層部のN量が本発明
の範囲より少ないために耐孔食性が十分満足されていな
い。また、実験番号10の材料はN量が板厚全厚で高い
ため著しく強度が高く、延性が劣る。
【0011】一方、本発明の範囲を満足する実験番号
2,4,5,9の材料は優れた耐食性並びに加工性を示
す。表層部のNが本発明の範囲を超えて加えられた実験
番号6の材料並びに内層部のNが本発明の範囲を超えた
実験番号7の材料は共に加工性が大幅に劣化した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】耐孔食性を改善するために加工性を犠牲
にしていた高Nオーステナイト系ステンレス鋼板に代わ
り、本発明の鋼板は、鋼板表層に適正な高N化を施して
いるので、従来と同様の耐孔食性を有すると共に、著し
く加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板を提
供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の少なくとも片面において、鋼板の
    表面から板厚の15%までの範囲におけるNの平均濃度
    が重量比で0.1%以上、0.5%以下、そして鋼板表
    面から板厚の15%入った位置から板厚中心までの範囲
    におけるNの平均濃度が重量比で0.05%以下である
    ことを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼板。
JP11501795A 1995-05-12 1995-05-12 耐食性、加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板 Pending JPH08311618A (ja)

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JP11501795A JPH08311618A (ja) 1995-05-12 1995-05-12 耐食性、加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015004133A (ja) * 2014-08-06 2015-01-08 日本冶金工業株式会社 ステンレス鋼板の表面改質方法
JP2016065314A (ja) * 2010-02-04 2016-04-28 三浦 春松 高強度・高延性で優れた耐食性・耐熱性を有する耐高圧水素ガス貯蔵容器製造用の高窒素ステンレス鋼管の製造方法
JP2016160489A (ja) * 2015-03-02 2016-09-05 新日鐵住金株式会社 オーステナイト系ステンレス鋼板とその製造方法

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020319