JP2000256735A - 冷鍛性に優れた耐熱鋼の製造方法 - Google Patents

冷鍛性に優れた耐熱鋼の製造方法

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JP2000256735A
JP2000256735A JP11058133A JP5813399A JP2000256735A JP 2000256735 A JP2000256735 A JP 2000256735A JP 11058133 A JP11058133 A JP 11058133A JP 5813399 A JP5813399 A JP 5813399A JP 2000256735 A JP2000256735 A JP 2000256735A
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resistant steel
mass
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heat
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JP11058133A
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Tetsuro Kariya
哲朗 仮屋
Yasushi Haruna
靖志 春名
Tatsuro Isomoto
辰郎 磯本
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Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高温環境において使用される材料等に適した
冷鍛性に優れた耐熱鋼を提供すること。 【解決手段】 重量%で、C:0.35〜0.70%、
Si:0.05〜2.00%、Mn:0.10〜1.0
0%、P:0.035%以下、S:0.010%以下、
Cr:3.0〜14.0%を含有し、残部がFeおよび
不可避的不純物からなるマルテンサイト系耐熱鋼の焼な
ましを、下限(℃)≧5[Cr.mass%]−75
[C.mass%]+800、上限(℃)≧24[C
r.mass%]+285[C.mass%]+680
の温度で行なう。さらに、上記鋼に加えて、重量%で、
Ni:0.05〜2.00%、Mo:0.05〜2.0
0%の1種または2種を添加し、さらに、O:50pp
m以下としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温環境において
使用される材料等に適した冷鍛性に優れた耐熱鋼の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高温において使用されるマルテン
サイト系耐熱鋼は、冷間加工性が劣るため、通常は熱間
鍛造により、各部材は製造されている。そのため、加工
時の材料組織、硬さについては、それほど重要視されて
いなかった。しかしながら、熱間鍛造による製造では、
生産性、コストの面で冷間鍛造に比べて劣るという問題
があり、近年、これらマルテンサイト系耐熱鋼の冷鍛化
の開発が求められている。この場合、連続鍛造機等の使
用により、素材がそのまま加工されるため、加工時の素
材硬さが少しでも低いことが必要となる。このことか
ら、例えば特開平3−36236号公報や特開平6−9
3384号公報等が開示されている。
【0003】すなわち、特開平3−36236号公報
は、重量比で、C:0.45〜0.50%、Si:1.
00〜2.00%、Mn:0.6%以下、P:0.03
0%以下、S:0.010%以下、Cr:7.50〜
8.50%、O:0.010%以下を含有し残部がFe
ならびに不純物元素からなり、750〜800℃の温度
で焼鈍することを特徴とする冷鍛用耐熱鋼にある。ま
た、特開平6−93384号公報は、重量比にしてC:
0.35〜0.42%、Si:1.80〜2.20%、
Mn:0.60%以下、S:0.010%以下、Cr:
10.00〜11.00%、Mo:0.70〜1.30
%、O:0.010%以下を含有し、残部がFeおよび
不純物元素からなり、750〜850℃の温度で焼鈍す
ることを特徴とする冷鍛用耐熱鋼にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特許公報は、いずれもマルテンサイト系耐熱鋼の冷鍛
化に重要となる焼なまし温度条件の詳細については一切
触れられていない。すなわち、この冷鍛用のマルテンサ
イト系耐熱鋼を製造するにおいては、素材硬さができる
だけ低いことが求められているため、硬さを十分に低下
させるための最適な焼なまし温度条件が重要である。マ
ルテンサイト系耐熱鋼において、焼なまし温度条件に影
響を与える元素としては、主にCr,Cが挙げられる。
よって各材料のCr量、C量によって、それぞれの材料
に最適な焼なまし温度条件を設定することが可能であ
り、それによって、十分な硬さを低減した冷鍛用材料を
製造することができる。この点に関する解明がされてい
ないために、上記特許公報の内容では冷鍛化を大きく向
上させるには不十分である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述のような問題を解消
するため、発明者らは鋭意開発を進めた結果、それぞれ
の材料に最適な焼なまし温度の設定をすることで、加工
時の素材硬さを95HRB未満、好ましくは90HRB
未満に低減することで、冷鍛性を大きく向上させること
ができる高温環境において使用される材料等に適した冷
鍛性に優れた耐熱鋼を提供するものである。その発明の
要旨とするところは、 (1)重量%で、C:0.35〜0.70%、Si:
0.05〜2.00%、Mn:0.10〜1.00%、
P:0.035%以下、S:0.010%以下、Cr:
3.0〜14.0%を含有し、残部がFeおよび不可避
的不純物からなるマルテンサイト系耐熱鋼の製造におい
て、焼なまし温度の設定を、下限(℃)≧5[Cr.m
ass%]−75[C.mass%]+800、上限
(℃)≧24[Cr.mass%]+285[C.ma
ss%]+680とすることを特徴とする冷鍛性に優れ
た耐熱鋼の製造方法。ただし、設定温度上限計算値が、
900℃以上になる場合は、上限は900℃とする。
【0006】(2)前記(1)に記載の鋼に加えて、重
量%で、Ni:0.05〜2.00%、Mo:0.05
〜2.00%の1種または2種を添加してなることを特
徴とする冷鍛性に優れた耐熱鋼の製造方法。 (3)前記(1)または(2)に記載の鋼において、
O:50ppm以下としたことを特徴とする冷鍛性に優
れた耐熱鋼の製造方法にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る化学成分とそ
の限定理由について説明する。 C:0.35〜0.70% Cは高温強化を確保するために必要な元素であり、十分
な強度や耐摩耗性を得るためには、0.35%添加する
必要がある。しかし、過度に添加すると優れた冷鍛性が
得られず、また、靱性も低下する。よって、上限を0.
70%とした。 Si:0.05〜2.00% Siは脱酸剤として、また耐酸化性を付与するために必
要な元素であるため、0.05%以上添加するが、過度
に添加すると冷鍛性を劣化させるため、上限を2.00
%とした。
【0008】Mn:0.10〜1.00% Mnは脱酸剤、脱硫剤として必要であり、下限を0.1
0%とした。また、過度に添加すると、耐酸化性、靱
性、冷間加工性が劣化するため上限を1.00%とし
た。 P:0.035%以下 Pは偏析を起こしやすく、靱性、冷間加工性が劣化する
ため、極力少ない方が好ましく、上限を0.035%と
した。
【0009】S:0.010%以下 Sは硫化物系介在物を形成し、冷間加工性が劣化させ、
また、偏析により靱性を劣化させるため、極力少ない方
が好ましく、上限を0.010%とした。 Cr:3.0〜14.0% Crは耐酸化性の向上に効果があり、下限を3.0%と
した。しかしながら、多量に添加するとコストアップを
招くため、上限を14.0%とした。さらに、耐酸化性
を十分に確保するためには、Crは6.0〜14.0%
にすることが好ましい。
【0010】Ni:0.05〜2.00% Niは焼入れ性の向上、強度の向上に有効であり、下限
を0.05%とした。しかしながら多量に添加するとコ
ストアップを招くため、上限を2.0%とした。 Mo:0.05〜2.00% Moは高温強度の向上に効果があり、下限を0.05%
とした。しかしながら、多量に添加するとコストアップ
を招き、靱性も低下するため上限を2.0%とした。 O:50ppm以下 Oは不可避的不純物元素であるが、冷間加工性を損なわ
ないために、50ppm以下が望ましい。
【0011】焼なまし温度条件 焼なまし温度の設定を、下限(℃)≧5[Cr.mas
s%]−75[C.mass%]+800、上限(℃)
≧24[Cr.mass%]+285[C.mass
%]+680とすることで、加工に用いられる素材の硬
さを95HRB未満、好ましくは90HRB未満に低減
させる。ただし、設定温度上限計算値が、900℃以上
になる場合は、上限は900℃とする。また、焼なまし
時の冷却速度が、速すぎると硬さが低下しないため、冷
却速度は20℃/h以下とする。また、実際の製造工程
においては、上記焼なまし処理を行って後に、潤滑被膜
処理や、20%以下(材料が加工硬化しすぎないように
20%以下)の伸線工程が一般に入る場合があるが、そ
の場合にも素材硬さが、95HRB未満、好ましくは9
0HRB未満である冷鍛性に優れたマルテンサイト系耐
熱鋼の製造方法にある。
【0012】
【実施例】表1に示す化学成分にて製作した各材料を、
780〜860℃までの20℃おきの各温度で、焼なま
し処理を実施したときの硬さ測定結果を示す。冷却速度
は、20℃/h以下とした。冷鍛化に良好とされる90
HRB未満を○、冷鍛化の可能性を含む90HRB以上
95HRB未満を△、冷鍛化困難な95HRB以上を×
とした。結果を表2に示す。この表2に示すように、焼
なまし温度の設定を、下限(℃)≧5[Cr.mass
%]−75[C.mass%]+800、上限(℃)≧
24[Cr.mass%]+285[C.mass%]
+680(または900℃)とした、本発明による製造
で得られた冷間加工用素材の硬さは、95HRB未満、
好ましくは90HRB未満を示していることが判る。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、高温
環境において使用される材料等に適した冷鍛性に優れた
マルテンサイト系耐熱鋼が安価に製造することが出来る
極めて優れた効果を奏するものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/22 C22C 38/22 38/40 38/40 38/44 38/44

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C:0.35〜0.70%、 Si:0.05〜2.00%、 Mn:0.10〜1.00%、 P:0.035%以下、 S:0.010%以下、 Cr:3.0〜14.0%を含有し、残部がFeおよび
    不可避的不純物からなるマルテンサイト系耐熱鋼の製造
    において、焼なまし温度の設定を、下限(℃)≧5[C
    r.mass%]−75[C.mass%]+800、
    上限(℃)≧24[Cr.mass%]+285[C.
    mass%]+680とすることを特徴とする冷鍛性に
    優れた耐熱鋼の製造方法。ただし、設定温度上限計算値
    が、900℃以上になる場合は、上限は900℃とす
    る。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の鋼に加えて、重量%
    で、Ni:0.05〜2.00%、Mo:0.05〜
    2.00%の1種または2種を添加してなることを特徴
    とする冷鍛性に優れた耐熱鋼の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の鋼において、
    O:50ppm以下としたことを特徴とする冷鍛性に優
    れた耐熱鋼の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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