JPH08311419A - 表面保護フィルム - Google Patents

表面保護フィルム

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JPH08311419A
JPH08311419A JP11715295A JP11715295A JPH08311419A JP H08311419 A JPH08311419 A JP H08311419A JP 11715295 A JP11715295 A JP 11715295A JP 11715295 A JP11715295 A JP 11715295A JP H08311419 A JPH08311419 A JP H08311419A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被保護物に対し充分な初期粘着性を有し、加
熱処理後に粘着力が上昇せず、容易に剥離でき、被保護
物を汚染しない表面保護フィルムを提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂フィルムからなる基材層の片面
に、クロス分別法によって10重量%溶出したときの温
度から100重量%溶出終了したときの温度の幅が30
℃以下であり、重量平均分子量/数平均分子量の値が
1.5〜3.5、密度が0.840〜0.920g/c
3 のポリエチレン系樹脂からなる粘着剤層が形成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂板および各種
銘板などの表面保護に用いられる表面保護フィルムに関
し、特に、印刷加工や真空成形加工などの加熱処理を伴
う合成樹脂板の表面保護フィルムに適用して有効な技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の表面保護フィルムは、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタ
レートなどの熱可塑性樹脂もしくはこれらの混合体から
なる基材層の片面に粘着剤層が形成されており、合成樹
脂板、化粧板および金属板などの被保護物の加工時また
は輸送時に、被保護物の表面に傷や汚れの発生を防止す
るため、貼付けられ、加工後または輸送後には剥離され
る。
【0003】ところで、合成樹脂板では、板の傷付き、
ほこりの付着防止のため、表面保護フィルムを貼付けた
ままの状態で各種の加工が行われる。その際、比較的高
温での加熱処理を伴うことが多い。たとえば、ポリカー
ボネート樹脂板は、表面保護フィルム貼付け後、印刷加
工や真空成形加工が行われる。印刷加工の際には、イン
クを乾燥させるために90℃で30分程度の加熱処理が
行なわれ、真空成形加工の際には、160℃で30分程
度の加熱処理が行われる。
【0004】しかし、このような加熱処理を受けた表面
保護フィルムは、粘着力が大きく上昇してしまい、被保
護物からの剥離が非常に困難になり、糊残りするなどの
欠点を有する。そこで、加熱処理後の粘着力上昇を抑え
るため、粘着剤層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体
に、100〜200℃の加熱時に粘着剤層よりブリード
する常温で液状の有機化合物、たとえば融点20℃以下
(18℃)のα−オレフィンオキサイドを含有させてな
る表面保護フィルムが、たとえば特開昭59−7597
4号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した表
面保護フィルムにおいては、次のような問題点があるこ
とが本発明者により見い出された。すなわち、粘着剤層
よりブリードする常温で液状の有機化合物が、被保護物
に貼付けられる前に粘着剤層の表面にブリードするた
め、充分な初期粘着性が得られず、従って、被保護物に
付き難い。また、ブリードした有機化合物が、被保護物
の表面に移行し、被保護物を汚染する。
【0006】本発明の目的は、前述した問題点に鑑み、
被保護物に対し充分な初期粘着性を有し、加熱処理後に
粘着力が上昇せず、容易に剥離でき、被保護物を汚染し
ない表面保護フィルムを提供することにある。本発明の
前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の
記述から明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。 (1)本発明は、熱可塑性樹脂フィルムからなる基材層
の片面に、粘着剤層が形成された表面保護フィルムにお
いて、粘着剤層が、クロス分別法によって10重量%溶
出したときの温度から100重量%溶出終了したときの
温度の幅が30℃以下であり、重量平均分子量/数平均
分子量の値が1.5〜3.5、密度が0.840〜0.
920g/cm3 であるポリエチレン系樹脂からなるも
のである。
【0008】(2)本発明は、熱可塑性樹脂フィルムか
らなる基材層の片面に、粘着剤層が形成された表面保護
フィルムにおいて、粘着剤層が、重合触媒として四価の
遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られ、密度
が0.840〜0.920g/cm3 のポリエチレン系
樹脂からなるものである。 (3)本発明は、熱可塑性樹脂フィルムからなる基材層
の片面に、粘着剤層が形成された表面保護フィルムにお
いて、粘着剤層が、重合触媒として四価の遷移金属を含
むメタロセン化合物を用いて得られ、かつクロス分別法
によって10重量%溶出したときの温度から100重量
%溶出終了したときの温度の幅が30℃以下、重量平均
分子量/数平均分子量の値が1.5〜3.5であり、密
度が0.840〜0.920g/cm3 のポリエチレン
系樹脂からなるものである。
【0009】本発明において、基材層として用いる熱可
塑性樹脂は、低密度ポリエチレンの他、たとえば、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリ
エチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロ
ピレンなどがある。これらポリオレフィン樹脂は、それ
ぞれ単独でもまたは2つ以上の組み合わせでも使用でき
る。
【0010】粘着剤層に用いられるポリエチレン系樹脂
は、エチレン単独あるいはエチレンとα−オレフィンと
を構造単位とする樹脂である。α−オレフィンとして
は、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテ
ン、1−オクテンなどがある。その分子鎖はCH、CH
2 、CH3 のみからなり、カルボニル基などを有しない
ため、被保護物であるポリカーボネート樹脂板(以下、
PC板と称す)に貼付けた後、高温環境下に置いても粘
着力が上昇しない。
【0011】四価の遷移金属としては、チタン、ジルコ
ニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、白金など
がある。これらの四価の遷移金属に1つまたはそれ以上
のシクロペンタジエニル環およびその類縁体がリガンド
として存在する化合物が一般的にメタロセン化合物とい
う。リガンドは、シクロペンタジエニル環および炭化水
素基、置換炭化水素基または炭化水素−置換メタロイド
基により置換されたシクロペンタジエニル環、シクロペ
ンタジエニルオリゴマー環、インデニル環および炭化水
素基、置換炭化水素基または炭化水素−置換メタロイド
基により置換されたインデニル環などがあり、これらの
リガンドが1つまたはそれ以上存在する。
【0012】これら以外のリガンドは塩素、臭素などの
一価のアニオンリガンドまたは二価のアニオンキレート
リガンド、炭化水素、アルコキシド、アリールアルコキ
シド、アリールオキシド、アミド、アリールアミド、ホ
スフィド、アリールフォスフィドなどがある。炭化水素
基のうち代表的なものは、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソブチル、
ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、セチル、2−エ
チルヘキシル、フェニルである。
【0013】これらリガンドが配列したメタロセン化合
物としては、シクロペンタジエニルチタニウムトリス
(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタ
ジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテト
ラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシ
クロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジ
クロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジ
エニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウムク
ロリド、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペン
タジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジクロリ
ド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、
インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミド)、イン
デニルチタニウムトリス(ジ−n−プロピルアミド)、
インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブチルアミド)
(ジ−n−プロピルアミド)などがある。
【0014】重合は、これらのメタロセン化合物に共触
媒として、メチルアルミノキサン(MAO)、ホウ素系
化合物などを加えた触媒系で行われる。メタロセン化合
物に対する共触媒の使用割合は、10〜1000000
モル倍、通常50〜5000モル倍である。重合条件
は、不活性触媒を用いる溶液重合法あるいは実質的に不
活性触媒の存在しない塊状重合法、気相重合法を利用す
る。重合温度は、−100℃から300℃、重合圧力
は、常圧から100kg/cm2 で行なう。これらのメ
タロセン触媒にて重合されたポリオレフィンは分子量分
布が狭く、共重合体の場合、どの分子量成分にも共重合
体成分がほぼ等しい割合で導入されている。
【0015】クロス分別法は、まず、ポリエチレン系樹
脂を、140℃またはポリエチレン系樹脂が完全に融解
する温度のO−ジクロロベンゼンに溶解し、一定の温度
で冷却し、あらかじめ用意しておいた不活性担体表面に
薄いポリマー層を結晶性の高い順および分子量の大きい
順に生成させる。その後、温度を連続または階段状に昇
温して、順次溶出した成分の濃度を検出し、組成分布
(結晶性分布)を測定する(温度上昇溶離分別)と共
に、高温型GPCにより分子量および分子量分布を測定
して、表1に示すデータを得る。なお、かかるクロス分
別法には、温度上昇溶離分別(TREF:Temperature
Rising Elution Fractionation )部分と高温GPC
(SEC:Size Exclusion Chromatograph)部分とをシ
ステムとして備えているクロス分別クロマトグラフ装置
が用いられる。
【0016】また、表面保護フィルムを、ポリエチレン
系樹脂を単軸押出機もしくは2軸押出機を用いて低密度
ポリエチレンと溶融混練し、インフレーション金型を用
いて、低密度ポリエチレンと共に、三層以上の共押出法
で成形してもよい。さらに、ポリエチレン系樹脂の組成
物の構成は、物性を損なわない範囲で、各種酸化防止
剤、難燃剤、顔料などを添加してもよい。
【0017】
【作 用】前述した手段によれば、粘着剤層が、クロス
分別法によって10重量%溶出したときの温度から10
0重量%溶出終了したときの温度の幅が30℃以下であ
り、重量平均分子量/数平均分子量の値が1.5〜3.
5、密度が0.840〜0.920g/cm3 のポリエ
チレン系樹脂からなるので、被保護物に対する初期粘着
性を得るための充分な柔軟性を有し、被保護物に貼付け
た後、高温環境下に置いても、粘着力が上昇せず、分子
量の低い分子および高い分子の存在比率が低くなる。
【0018】また、粘着剤層が、重合触媒として四価の
遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られ、密度
が0.840〜0.920g/cm3 のポリエチレン系
樹脂からなるので、被保護物に対する初期粘着性を得る
ための充分な柔軟性を有し、被保護物に貼付けた後、高
温環境下に置いても、粘着力が上昇せず、分子量の低い
分子および高い分子の存在比率が低くなる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 〔実施例1〕低密度ポリエチレンを基材層として、その
片面に重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン
化合物を用いて得られた、表1に示すような、密度が
0.900g/cm3 、重量平均分子量Mw /数平均分
子量Mn の値が2.0、クロス分別法によって全樹脂の
10重量%が溶出する温度T1 から全樹脂の100重量
%溶出終了温度T2 の幅が19℃のポリエチレン系樹脂
を粘着剤層として、基材層の厚さが40μm、粘着剤層
の厚さが20μmとなるように、Tダイ法による2層共
押出法で表面保護フィルムを作製した。
【0020】〔実施例2〕低密度ポリエチレンを基材層
として、その片面に重合触媒として四価の遷移金属を含
むメタロセン化合物を用いて得られた、表1に示すよう
な、密度が0.885g/cm3 、重量平均分子量Mw
/数平均分子量Mn の値が2.1、クロス分別法によっ
て全樹脂の10重量%が溶出する温度T1 から全樹脂の
100重量%溶出終了温度T2 の幅が23℃のポリエチ
レン系樹脂を粘着剤層として、基材層の厚さが40μ
m、粘着剤層の厚さが20μmとなるように、Tダイ法
による2層共押出法で表面保護フィルムを作製した。
【0021】〔比較例1〕低密度ポリエチレンを基材層
として、その片面に三塩化チタン系触媒を用いて得られ
た、表1に示すような、密度が0.925g/cm3
重量平均分子量M w /数平均分子量Mn の値が4.0、
クロス分別法によって全樹脂の10重量%が溶出する温
度T1 から全樹脂の100重量%溶出終了温度T2 の幅
が46℃の直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂を粘着剤層
として、基材層の厚さが40μm、粘着剤層の厚さが2
0μmとなるように、Tダイ法による2層共押出法で表
面保護フィルムを作製した。
【0022】〔比較例2〕低密度ポリエチレンを基材層
として、その片面に三塩化チタン系触媒を用いて得られ
た、表1に示すような、密度が0.905g/cm3
重量平均分子量M w /数平均分子量Mn の値が4.4、
クロス分別法によって全樹脂の10重量%が溶出する温
度T1 から全樹脂の100重量%溶出終了温度T2 の幅
が65℃の直鎖状超低密度ポリエチレン系樹脂を粘着剤
層として、基材層の厚さが40μm、粘着剤層の厚さが
20μmとなるように、Tダイ法による2層共押出法で
表面保護フィルムを作製した。
【0023】
【表1】
【0024】かくして、実施例1、2および比較例1、
2の表面保護フィルムを以下に説明する方法によって、
初期粘着力および加熱処理後粘着力を測定した。また、
表面保護フィルムが貼付けられ、PC板の表面状態を目
視で観察し、表面汚染の有無を確認すると共に、PC板
のへこみの数をカウントした。測定結果を表1に併せて
示す。
【0025】なお、表1中、加熱処理後のPC板のへこ
みの数は、PC板の150mm×100mm面積当たり
の数である。また、初期粘着力の測定方法は、表面保護
フィルムを、厚さ2mm、たて150mm、よこ100
mmのPC板にラミネーターで貼付け、23℃で30分
放置した後、剥離幅25mm、剥離角度180°、引張
速度300mm/分で引き剥がした際に要する力を測定
する。
【0026】加熱処理後粘着力の測定方法は、表面保護
フィルムを、厚さ2mm、たて150mm、よこ100
mmのPC板にラミネーターで貼付け、160℃にあら
かじめ加熱しておいた熱風循環式オーブン中に30分放
置した後、取り出し、常温に冷ました後、剥離幅25m
m、剥離角度180°で引き剥がした際に要する力を測
定する。
【0027】加熱処理後の表面汚染の有無は、表面保護
フィルムを、厚さ2mm、たて150mm、よこ100
mmのPC板にラミネーターで貼付け、160℃にあら
かじめ加熱しておいた熱風循環式オーブン中に30分放
置した後、取り出し、常温に冷ました後、表面保護フィ
ルムを剥がし、そのPC板の表面状態を目視で観察し、
表面汚染の有無を判定する。
【0028】加熱処理後のPC板のへこみの数は、表面
保護フィルムを、厚さ2mm、たて150mm、よこ1
00mmのPC板にラミネーターで貼付け、160℃に
あらかじめ加熱しておいた熱風循環式オーブン中に30
分放置した後、取り出し、常温に冷ました後、表面保護
フィルムを剥がし、そのPC板の表面状態を20倍のル
ーペで観察し、へこみの数を数える。
【0029】このように、本実施例によれば、表面保護
フィルムの粘着剤層が、重合触媒として四価の遷移金属
を含むメタロセン化合物を用いて得られ、かつクロス分
別法によって全樹脂の10重量%が溶出する温度T1
ら全樹脂の100重量%溶出終了温度T2 の幅が30℃
以下、重量平均分子量Mw /数平均分子量Mn の値が
1.5〜3.5であり、密度が0.840〜0.920
g/cm3 のポリエチレン系樹脂からなるので、表1よ
り明らかなように、PC板に対する初期粘着性を得るた
めの充分な柔軟性を有し、PC板に貼付けた後、高温環
境下に置いても、粘着力が上昇せず、分子量の低い分子
および高い分子の存在比率が低いため、PC板から剥離
する際の汚染が防止されると共に、表面保護フィルム成
型時の未溶融のフィッシュアイがなく、へこみが生じな
い。
【0030】すなわち、ポリエチレン系樹脂は、PC板
に対する初期粘着性を得るために柔軟性を有する必要が
あるため、ポリエチレン系樹脂の密度は、0.840〜
0.920g/cm3 でなければならない。密度が0.
840g/cm3 未満ではポリエチレン系樹脂の結晶性
が低下し、粘着剤層の耐熱性が劣ってくる。0.920
g/cm3 を越えるとポリエチレン系樹脂の組成物から
なる粘着剤層の柔軟性が不足し、PC板に対する充分な
初期粘着性が得られない。
【0031】ポリエチレン系樹脂はクロス分別法によ
り、10重量%溶出したときの温度から100重量%溶
出終了したときの温度の幅が30℃以下、好ましくは2
8℃以下がよい。温度幅が30℃を越えると、ポリエチ
レン系樹脂の中に結晶性の高い成分と低い成分とが同時
に存在することになり、ポリエチレン系樹脂の粘度にむ
らがあり、外観的に均一な表面保護フィルムが得られな
い。
【0032】また、ポリエチレン系樹脂は、クロス分別
法により測定された重量平均分子量/数平均分子量の値
が1.5〜3.5の範囲にあり、好ましくは1.7〜
3.0がよい。この値が1.5未満であると、ポリエチ
レン系樹脂が溶融時に流れ難くなり、成形が困難にな
る。一方、この値が3.5を越えると、分子量の低い分
子および高い分子の存在比率が高くなり、低分子量分は
PC板から剥離する際にPC板の表面に残ってPC板を
汚染し、高分子量分は表面保護フィルム成型時に未溶融
のフィッシュアイとなり、PC板に貼付けたままの状態
で加熱すると、PC板にへこみが生じる。
【0033】
【発明の効果】本願によって開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。本発明によれば、粘着剤層が、ク
ロス分別法によって10重量%溶出したときの温度から
100重量%溶出終了したときの温度の幅が30℃以下
であり、重量平均分子量/数平均分子量の値が1.5〜
3.5、密度が0.840〜0.920g/cm3 のポ
リエチレン系樹脂からなるので、被保護物に対する充分
な初期粘着力を得ることができ、被保護物に貼付けた
後、高温環境下に置いても、粘着力が上昇しないので、
被保護物から容易に剥離でき、被保護物の汚染を防止す
ることができると共に、表面保護フィルム成型時の未溶
融のフィッシュアイが生じないので、被保護物のへこみ
の発生を防止することができる。
【0034】また、本発明によれば、粘着剤層が、重合
触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用
いて得られ、密度が0.840〜0.920g/cm3
のポリエチレン系樹脂からなるので、被保護物に対する
充分な初期粘着力を得ることができ、被保護物に貼付け
た後、高温環境下に置いても、粘着力が上昇せず、被保
護物の汚染を防止することができると共に、表面保護フ
ィルム成型時の未溶融のフィッシュアイがなく、被保護
物のへこみの発生を防止することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムからなる基材層の
    片面に、粘着剤層が形成された表面保護フィルムにおい
    て、前記粘着剤層が、クロス分別法によって10重量%
    溶出したときの温度から100重量%溶出終了したとき
    の温度の幅が30℃以下であり、重量平均分子量/数平
    均分子量の値が1.5〜3.5、密度が0.840〜
    0.920g/cm3 であるポリエチレン系樹脂からな
    ることを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂フィルムからなる基材層の
    片面に、粘着剤層が形成された表面保護フィルムにおい
    て、前記粘着剤層が、重合触媒として四価の遷移金属を
    含むメタロセン化合物を用いて得られ、密度が0.84
    0〜0.920g/cm3 のポリエチレン系樹脂からな
    ることを特徴とする表面保護フィルム。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂フィルムからなる基材層の
    片面に、粘着剤層が形成された表面保護フィルムにおい
    て、前記粘着剤層が、重合触媒として四価の遷移金属を
    含むメタロセン化合物を用いて得られ、かつクロス分別
    法によって10重量%溶出したときの温度から100重
    量%溶出終了したときの温度の幅が30℃以下、重量平
    均分子量/数平均分子量の値が1.5〜3.5であり、
    密度が0.840〜0.920g/cm3 のポリエチレ
    ン系樹脂からなることを特徴とする表面保護フィルム。
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