JPH08310910A - 植物の生長促進方法及び植物生長促進剤 - Google Patents

植物の生長促進方法及び植物生長促進剤

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JPH08310910A
JPH08310910A JP7142424A JP14242495A JPH08310910A JP H08310910 A JPH08310910 A JP H08310910A JP 7142424 A JP7142424 A JP 7142424A JP 14242495 A JP14242495 A JP 14242495A JP H08310910 A JPH08310910 A JP H08310910A
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plant
genus
growth
mycorrhizal
promoting
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JP7142424A
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Inventor
Genshi Suzuki
源士 鈴木
Masakazu Sakai
昌和 坂井
Akihiko Narutaki
昭彦 鳴瀧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture

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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 植物を生長させるにあたり、VA菌根菌の植
物への感染率を向上し、植物の生長を効率的に促進する
方法及び植物の生長促進効果を有する植物生長促進剤を
提供する。 【構成】 植物を栽培するに際し、植物及び/又は栽培
土壌に光合成細菌好ましくはロドシュードモナス属、ロ
ドスピリラム属の属する光合成細菌及びVA菌根菌好ま
しくはグロムス属、ギガスポラ属に属するVA菌根菌等
を施用することで、栽培植物の生長を促進する。また、
植物の生長促進剤に、光合成細菌好ましくはロドシュー
ドモナス属、ロドスピリラム属の属する光合成細菌及び
VA菌根菌好ましくはグロムス属、ギガスポラ属に属す
るVA菌根菌を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、VA菌根菌の植物への
感染方法、植物の生長促進方法及び生長促進剤に関し、
さらに詳しくは光合成細菌とVA菌根菌を用いてVA菌
根菌の栽培植物への感染を促進する方法、さらに栽培植
物の生長を促進する方法及び光合成細菌とVA菌根菌を
含有する生長促進効果に優れた生長促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】VA菌根菌(Vesicular Arbuscular Myc
orrhizae)は、植物と共生し、リン酸やミネラルの吸収
を促し、これに感染した植物の生育を促進する働き、ま
た、植物と共生することにより、植物の病気、乾燥性と
いったストレスに対する耐性(抵抗力)を向上させる働
きがあることが知られている(鈴木達彦、農業および園
芸、第62巻、第8号、1987年)。VA菌根菌を用
いて植物の生長を促進させるためには、植物に如何にV
A菌根菌を感染させ、感染したVA菌の植物内での生長
を促進するかである。
【0003】VA菌根菌の植物への感染を促進する方法
としては、オキザロ酢酸、酢酸又はピルビン酸等の有機
酸を感染時に処理する方法(トランスサクションズ・オ
ブ・ザ・ブリテッシュ・マイコロジカル・ソサイエテ
ィ、42巻、273ページ、1959年)、シスチン、
グリシン又はリジン等のアミノ酸を感染時に処理する方
法(ソイル・バイオロジー・アンド・バイオケミストリ
ー、15巻、55ページ、1983年)またはイソフラ
ボノイド類による方法(特表平4−504209)等が
知られている。しかし、有機酸やアミノ酸等は土壌中に
おいてVA菌根菌以外の土壌微生物により容易に分解又
は吸収される。そのためにVA菌根菌の感染を促進する
には不十分である。さらに、イソフラボノイド類は高価
であり大量に使用することは実質上制限される。
【0004】有機酸等の他に、エチレンがVA菌根菌の
感染を促進するということも知られている(石井孝昭
ら、日本園芸学会平成6年度春季大会講演要旨集)。し
かし、エチレンはガス状物質であり取り扱いが困難であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、VA菌根菌の植物への感染率を
向上し、さらに感染したVA菌根菌の植物内での菌糸の
伸長を促進することにより、植物の生長促進を図る方法
及び植物の生長に対して優れた生長促進効果を有する植
物生長促進剤を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、鋭意研究を重ねた結果、植物をVA菌
根菌及び光合成細菌の存在下で栽培させることで、VA
菌根菌の植物への感染率を上げ、さらに感染したVA菌
根菌の植物内での伸長を効果的に維持促進することによ
り、VA菌根菌単独の場合よりも効率よく植物の生長を
促進することを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、植物を栽培するに際
し、前記植物及び/又は栽培土壌に光合成細菌及びVA
菌根菌を施用し、VA菌根菌の植物への感染率を向上さ
せる方法及び植物の生長を促進する方法並びにVA菌根
菌及び光合成細菌に属する細菌を含有するVA菌根菌の
植物生長促進剤である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
方法が適用される植物としては、VA菌根菌が感染する
植物であればいずれでもよいが、キュウリ、スイカなど
のウリ科植物、ダイズ、クローバーなどの豆科植物、ト
ウモロコシ、メヒシバ、ソルガム、イネなどのイネ科植
物、ナス、トマトなどのナス科植物、キクなどのキク科
植物、ベゴニアなどのシュウカイドウ科植物等が好適で
ある。これらの植物は、実生苗、播種して育苗後、移植
して栽培したり、栄養繁殖したり、接ぎ木、挿し芽、挿
し木、球根等により増殖、栽培したりして用いられる。
【0009】VA菌根菌は土壌中に存在する接合類の一
種であり、その菌糸が種々の植物の根について菌根を形
成するものである。本発明のVA菌根菌は、特に限定さ
れず、例えば、グロムス(Glomus)属、ギガスポラ(Gi
gaspora)属、スカテロスポラ(Scutellospora)属、ア
カウロスポラ(Acaulospora)属、エントロフォスポラ
(Entrophospora)属、スクレロシスティス(Sclerocys
tis)属に属するVA菌根菌等を挙げることができる
が、本発明においては、これらのうちでもグロムス属、
ギガスポラ属に属するVA菌根菌が好ましく用いられ
る。
【0010】上記グロムス属に属するVA菌根菌として
は、グロムス モセアエ(Glomus mosseae)、グロムス
ファスキュレータム(Glomus fasciculatum)、グロ
ムスエツニケータム(Glomus etunicatum)、グロムス
ベルシフォルメ(Glomusversiforme)、グロムス イ
ントララデシス(Glomus intraradices)、グロムスカ
レドニウム(Glomus caledonium)、グロムス マニフ
ォルティス(Gloms manifortis)、グロムス sp.
(Glomus sp.)R10(ATCC74311)等を挙げ
ることができる。本発明においては、これらのうちでも
グロムス sp.R10が好ましく用いられる。
【0011】また、ギガスポラ属に属するVA菌根菌と
しては、ギガスポラ マルガリータ(Gigaspora margar
ita)、ギガスポラ アルビーダ(Gigaspora albid
a)、ギガスポラ ラミスポロフォラ(Gigaspora ramis
porophora)、ギガスポラ ギガンティア(Gigaspora g
igantia)等を挙げることができる。本発明において
は、これらのうちでもギガスポラ ラミスポロフォラが
好ましく用いられる。
【0012】上記VA菌根菌を本発明に用いるに際して
は、VA菌根菌の生息する土壌等から分離したVA菌根
菌を胞子としてそのまま用いてもよいし、あるいはVA
菌根菌接種物として製剤化されたものを用いてもよい。
【0013】上記VA菌根菌胞子を集める方法として
は、自然界から篩を用いて集める方法(鈴木達彦、VA
菌根に関する諸問題5、農業および園芸、第62巻、第
3号、28ページ、1987年)や遠心分離による方法
(特開昭63−309178公報)が知られている。ま
た、栄養薄膜培養法(特開昭55−118390号公
報)や器官培養した根を使用する方法(特公昭62−4
9037号公報)等により無菌的にVA菌根菌を増殖さ
せ、胞子を形成させる方法もあるが、収集方法に特に制
限はない。
【0014】一方、VA菌根菌接種物として製剤化され
たものを用いる場合には、その起源は特に制限はなく、
市販品を用いることもできるが、次のようにして製造さ
れたVA菌根菌接種物を用いるのが好ましい。
【0015】例えば、土壌から分離したVA菌根菌を種
菌として用い、これをVA菌根菌培養のための宿主植物
に感染させ、VA菌根菌を増殖させ、VA菌根菌接種物
を得、これを用いることができる。
【0016】VA菌根菌を植物に感染させる方法は特に
限定はなく、播種、育苗苗、挿し芽、挿し木、接ぎ木、
球根、植物組織など、様々な態様で行うことができる。
VA菌根菌の植物への感染方法について述べると、施用
方法としては、用土と混合したり、種子や芽の下層に層
状に施用したり、あるいは定植時の植え穴の中に施用し
たりすることが好ましい。用土としては、土壌や人工培
土などを用いればよい。VA菌根菌の植物への感染方法
は、既知の方法により行えばよく、例えば、温度は10
〜40℃、好ましくは15〜30℃、土壌のpHは3〜
9.5、好ましくは4〜8の条件で行われる。
【0017】なお、VA菌根菌を感染させる際に用いら
れる栽培培地(用土)としては、無機質であり、かつ水
を含むことにより崩壊しにくいものであれば特に制限は
ないが、雑菌の混入防止という観点から、滅菌処理(焼
成処理も含む)したものが好ましい。
【0018】本発明においては、この様にしてVA菌根
菌に感染した植物を、担体を含む培地で栽培して、VA
菌根菌を増殖させ、得られたVA菌根菌接種物を用いる
ことが好ましい。
【0019】ここで、焼成赤玉土、焼成アタパルジャイ
ト、焼成モンモリロナイト、焼成珪藻土としては、それ
ぞれ赤玉土、アタパルジャイト、モンモリロナイト、珪
藻土を、焼成温度200〜1300℃、好ましくは30
0〜1000℃にて焼成処理したものが用いられる。ま
た、必要に応じて、アルミナ等のバインダーを使用して
の造粒も可能である。これらの粒径は通常、10mm以
下、好ましくは5mm以下である。
【0020】なお、宿主植物の栽培は通常の条件で行え
ばよい。宿主植物の生育に伴い、VA菌根菌も増殖す
る。通常、栽培温度は5〜40℃であり、必要に応じて
灌水や液肥等を施用すればよい。
【0021】通常、栽培し始めてから、2〜5ヶ月程度
経過して、宿主植物が十分に生育したところで、水など
の供給を絶ち、暫く放置すると、VA菌根菌は胞子を形
成する。そこで形成したVA菌根菌の菌糸や胞子の付着
した培地を常法により回収し、VA菌根菌接種物とす
る。
【0022】尚、本発明においては、この様にして得ら
れたVA菌根菌の菌糸や胞子の付着した培地について、
目開き1.0mmの篩を通過し、目開き0.035mm
の篩を通過しない画分、好ましくは、目開き0.85m
mの篩を通過し、目開き0.1mmの篩を通過しない画
分に分級し、この画分をVA菌根菌接種物とすることも
できる。
【0023】更に、このVA菌根菌接種物は、担体を含
んだものが好ましい。ここで担体としては、VA菌根菌
の菌糸や胞子の付着した培地から得られる画分と同程度
の粒径のものとすることが好ましい。担体は、VA菌根
菌胞子の保存性を高め、生長促進効果を維持する役割の
他、増量剤としての役割をも有する。従って、担体とし
ては、粒径が2mm未満、特に、0.09〜1.4mm
程度のものを用いることが好ましい。この様な担体とし
ては、赤玉土、アタパルジャイト、モンモリロナイト、
焼成赤玉土、焼成アタパルジャイト、焼成モンモリロナ
イト、焼成珪藻土、珪藻土、ゼオライト、軽石等が挙げ
られ、特に崩壊のしにくさや雑菌が少ないことなどの点
から、焼成アタパルジャイトあるいは焼成モンモリロナ
イト、さらにはこれらの混合物を主成分とするものが好
ましく、特に焼成アタパルジャイトを主成分とするもの
が好ましい。
【0024】更に、本発明において用いられるVA菌根
菌接種物としては、水分含量が5〜30重量%、特に1
0〜25重量%としたものが好ましい。水分含量がこの
範囲外であると、活性が低下するため好ましくない。本
発明において用いられるVA菌根菌接種物としては、V
A菌根菌胞子を含む画分と、上述の担体との混合割合は
特に制限はないが、通常、担体1g当たり、1〜500
胞子、好ましくは5〜300胞子である。本発明におい
て、植物を栽培するに際してVA菌根菌の施用量は、特
に制限はないが、通常1植物体当たり5〜300胞子で
ある。
【0025】次に、本発明ではVA菌根菌とともに光合
成細菌を施用する。光合成細菌は、光エネルギーを用い
て光無機栄養または光有機栄養によって生育する細菌を
意味し、紅色無硫黄細菌、紅色硫黄細菌、緑色硫黄細菌
の3群に大別されている。本発明で用いられる光合成細
菌は特に限定されないが、例えば、紅色無硫黄細菌に分
類されるロドシュードモナス属、ロドスピリラム属、ロ
ドマイクロビューム属、ロドシクラス属、ロドピラ属、
ロドバクター属等の細菌が挙げられる。具体的には、ロ
ドシュードモナス スフェロイデス(Rhodopseudomonas
spheroides)、ロドスピリラム ルブラム(Rhodospiril
lum rubrum) 、ロドマイクロビュームバニリー(Rhodom
icrobium vaniellii) 、ロドシクラス ゲラチノクス(R
hodocyclus genatinocus) 、ロドピラ グロビフォルミ
ス(Rhodopila globiformis) 等が好ましい。これらは、
1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用
いてもよい。
【0026】更に、本発明においては、これらのうちで
もロドシュードモナス スフェロイデス、ロドスピリラ
ム ルブラムが好ましい。
【0027】本発明に用いる光合成細菌の培養は、通常
用いられる光合成細菌の培地等の培養条件で行われる
が、温度は通常20〜50℃の範囲であり、培地のpHは
通常6〜9の範囲が好ましい。また、細菌の培養は好気
的条件または嫌気的条件のいずれでも行うことができ
る。培養終了後の培養液そのまま、集菌した菌体、必要
に応じてある程度乾燥させた菌体いずれも、本発明に用
いることができる。
【0028】光合成細菌の施用方法は、特に限定されな
い。例えば、あらかじめVA菌根菌製剤中に混合してい
る状態で用いることができ、植物の種子にコーティング
をしておいてもよい。また、光合成細菌を育苗土にあら
かじめ混合しておき、その後にVA菌根菌を施用しても
よく、VA菌根菌を施用し、一定期間経過後に光合成細
菌を施用してもよい。さらに、灌水土壌条件下での植物
栽培、例えば、イネ、セリなどの灌水土壌における栽培
においても用いることができる。
【0029】また、VA菌根菌を植物に施用する際、ま
たは施用後に栽培土壌に表面散布または土壌灌注して、
用いてもよい。
【0030】上記の様にして植物栽培用の培土へ光合成
細菌を含有させて用いる場合、その施用量が、培土1g
に対して光合成細菌として1.0×103 〜1.0×1
10個となるように投入する。好ましくは1.0×10
5 〜1.0×108 個である。
【0031】VA菌根菌の植物への感染率をさらに向上
させるために、酵母エキス、ペプトン、コーンスティー
プリカーなどの有機栄養源、堆肥、油カスなどの有機質
肥料またはトリプトファンなどを栽培土壌に施用してお
いてもよい。この施用時期は、光合成細菌と同時または
光合成細菌施用前後であってもよく、特に限定されな
い。
【0032】上記の様に、光合成細菌をあらかじめVA
菌根菌製剤に混合した場合には、植物生長促進剤として
用いることができる。
【0033】本発明の植物生長促進剤に用いる光合成細
菌およびVA菌根菌は、上記と同様な方法で製造するこ
とができる。この植物生長促進剤の配合量は、製剤1g
当たり光合成細菌1.0×103 〜1.0×1010個、
VA菌根菌3〜500胞子となるように配合するのが好
ましい。
【0034】また、この製剤には、必要に応じて有機栄
養源、有機質肥料またはトリプトファンなどを添加する
こともできる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例等により
本発明を説明するが、これらによって限定されるもので
はない。
【0036】
【製造例1】 光合成細菌(ロドシュードモナス スフ
ェロイデス)の培養接種物 水1Lに、酵母エキス10g、酢酸ナトリウム2.5
g、リン酸第1カリウム0.8g、硫酸マグネシウム・
7水塩0.2g、硫酸アンモニウム0.5g、塩化第2
鉄・6水塩0.01g、塩化カルシウム・2水塩0.0
5g、塩化マンガン・4水塩0.0002gを混合し、
pHが7.4になるように調整した培地を500ml容の
坂口フラスコに100mlずつ入れ、121℃、20分
間処理して殺菌した。これに、ロドシュードモナス ス
フェロイデス(IFO12203)を植菌し、28℃、
1500ルックスの照明下で7日間振とう培養した。培
養菌体を遠心分離機(10,000G)により集菌し、
水で懸濁し、もう一度遠心分離し培養菌体を集菌した。
この菌体を1重量%となるように水に懸濁し、吸光度計
(波長600nm)により菌数濃度を求め、この菌体懸濁
液をピートモス中に滴下した。この培養接種物には、ピ
ートモス1g当たり5×107 個のロドシュードモナス
スフェロイデスが含まれていた。
【0037】
【製造例2】 光合成細菌(ロドスピリラム ルブラ
ム)の培養接種物 製造例1と同様にして、ロドスピリラム ルブラム(I
FO3986)の培養接種物を得た。この培養接種物
は、ピートモス1g当たり5×107 個のロドシュード
モナス ルブラムが含まれていた。
【0038】
【製造例3】 VA菌根菌(グロムス sp.R10)
の培養接種物 長鉢5号(直径150mm×高さ157mm)に目開き
3mmの篩を通過し、目開き1mmの篩に残った焼成モ
ンモリロナイト(粒径1〜3mm、焼成温度600℃)
を敷き詰めた。その中央にグロムス sp.R10(A
TCC74311)の胞子250個を、深さの3cmの
ところにティッシュペーパーで包んで、胞子が水と共に
下へ流れないようにして置いた。次いで、その上1cm
のところにF1シュガーソルガム(カネコ種苗、品種:
ゴールドソルゴー)の種子を2粒置いた。
【0039】長鉢の中の焼成モンモリロナイト、グロム
ス sp.R10及びF1シュガーソルガムを十分に濡
らした後、ビニールで覆い、ガラス温室内に移した。ガ
ラス温室内を20〜25℃に維持しながら1週間、水を
涸らさないようにしてF1シュガーソルガムを栽培し
た。生育した苗のうち、健全な苗を残し、その他の苗を
除去した。その後、同様にガラス温室内で、毎日灌水を
行いながら栽培を続けた。肥料については、栽培を開始
してから1ヶ月後より、週1回ピータース液肥(N:
P:K=20:10:20)の1000倍液を散布し
た。この操作を繰り返しながら、更に2ヶ月半栽培した
後、水と液肥の散布を中止し、30日間放置した。
【0040】30日間の放置後、この長鉢を裏返して、
1 シュガーソルガムの根とグロムス sp.R10を
含む焼成モンモリロナイトをビニールシートの上へ広げ
た。F1 シュガーソルガムの太い根を除去し、そのまま
15℃の暗所で乾燥させてグロムス sp.R10接種
物を得た。この様にして得られた接種物では、担体焼成
モンモリロナイトに付着しているグロムス sp.R1
0の胞子数はグラム当たり約100個であった。
【0041】
【製造例4】 VA菌根菌(ギガスポラ ラミスポロフ
ォラ)の培養接種物 150ml容のビニールポットに、800℃で焼成した
赤玉土(粒径1〜4mm)を基材として充填した後、種
菌として休耕地より採取したギガスポラ ラミスポロフ
ォラの胞子50個を接種し、白クローバーの種子を蒔い
て栽培し、ギガスポラ ラミスポロフォラ感染苗を作製
した。この苗を3週間にわたり、25〜30℃で栽培し
た後、1/10000アールワグネルポットに、上記と
同様に、800℃で焼成した赤玉土(粒径1〜4mm)
を基材として1.5L充填し、そこに感染苗を移植し
た。
【0042】その後、下記に示す液肥を与えながら、2
5〜30℃で7週間栽培した後、白クローバーを分離し
て廃棄し、基材のみを回収した。この回収した基材か
ら、湿式篩別法で、すなわち目開き1.5mmの篩を用
いて粒径大の部分を除き、次いで目開き173μmの篩
を用いて、粒径小の部分を除いて、ギガスポラ ラミス
ポロフォラの胞子を回収した。この様にしてポット当た
り約2万個の胞子が回収され、これをもとに、胞子含量
が20胞子/gとなるように調製してギガスポララミス
ポロフォラの培養接種物を得た。本菌株は工業技術院生
命工学工業技術研究所での寄託を拒否され、本発明者が
保管している。
【0043】なお、上記で白クローバー栽培時に用いた
液肥は、表1に示す組成の微量金属栄養素液と栄養液肥
(N:P:K=15:6:6の普通液肥)を用い、微量
金属栄養素液を100倍に希釈し、この希釈液1L当た
り栄養液肥を1.0g混合し、更に硫酸マグネシウム・
7水塩を0.25g加えて調製したものである。
【0044】
【表1】
【0045】
【実施例1】 5×5cmの連結ポットに土壌1Kg当
たりチッソ0.4g、リンサン1.5g、カリウム0.
4g、マグネシウム0.2gを含有させた培土(商品
名:クレハ園芸培土)を充填した。このポット培土の中
心部に植え穴をあけ、植え穴に製造例1で得られたロド
シュードモナス スフェロイデスの培養接種物を1g、
製造例3で得られたグロムス sp.R10の培養接種
物を1gを入れた後、、キュウリの種子(品種シャープ
1)を1粒づつ播いた。播種後、温室内にて15〜30
℃で15日間栽培を続け、栽培中は適宜灌水を行った。
【0046】その後、連結ポットからキュウリを取り上
げ、以下の方法でVA菌根菌の感染率を算出し、平均値
を求めた。また、キュウリの苗の地上部を切断し、重量
を測定し、平均値を求めた。結果を表2に示す。
【0047】感染率の測定法(トリパンブルーによる染
色) (ア)感染させた植物の根を水で十分洗う。 (イ)水切りした根をビーカーに入れ、10%水酸化カ
リウムで15分間弱く沸騰させながら煮る。 (ウ)根を数回水で洗浄したのち、5%塩酸を加えて5
分間室温にて放置する。 (エ)アニリンブルー染色液に根を浸し5〜30分間弱
く加熱する。なお、アニリンブルー染色液(1リット
ル)の組成は以下の通りである。 (オ)根を水洗し、顕微鏡で観察する。 (カ)1cm間隔のグリットの上に染色したサンプルを
載せ、顕鏡により確認し、クロスライン法により、感染
率を求める。
【0048】
【比較例1】 ロドシュードモナス スフェロイデスを
用いない以外は、実施例1と同様に行った。
【0049】
【実施例2〜実施例3】 ロドシュードモナス スフェ
ロイデスおよびグロムスsp.R10の接種量等を表2
に示すように変えた以外は、実施例1と同様に行った。
【0050】
【実施例4〜実施例6】 ロドシュードモナス スフェ
ロイデスの培養接種物をロドスピリラム ルブラムの培
養接種物とする以外は、実施例1〜実施例3と同様に行
った。
【0051】
【実施例7〜実施例9】 グロムス sp.R10の培
養接種物をギガスポララミスポロフォラの培養接種物と
し、接種胞子数等を表2に示すように変えた以外は、実
施例1と同様に行った。
【実施例10〜実施例12】 ロドシュードモナス ス
フェロイデスの培養接種物をロドスピリラム ルブラム
の培養接種物とし表2に示すように変えた以外は、実施
例7〜実施例9と同様に行った。
【比較例2】 ロドシュードモナス スフェロイデスを
用いない以外は、実施例9と同様に行った。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明の方法によれば、植物に対するV
A菌根菌の感染率を向上することができ、感染したVA
菌根菌の植物内での生長を効果的に維持促進し、効率よ
く植物の生長を促進することができる。また、本発明の
植物生長促進剤は優れた植物の生長促進効果を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:645)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物を栽培するに際し、前記植物及び/
    又は栽培土壌に光合成細菌及びVA菌根菌を施用するこ
    とを特徴とする植物の生長を促進する方法。
  2. 【請求項2】 VA菌根菌が、グロムス属及び/又はギ
    ガスポラ属に属するVA菌根菌である請求項1記載の植
    物の生長を促進する方法。
  3. 【請求項3】 光合成細菌に属する細菌がロドバクター
    属、ロドシュードモナス属、ロドスピラム属、ロドミク
    ロビューム属、ロドシクラス属又はロドピーラ属に属す
    る細菌から選ばれた1種又は2種以上の細菌を用いるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の植物の生長を促
    進する方法。
  4. 【請求項4】 植物が、ウリ科植物である請求項1〜3
    記載の植物の生長を促進する方法。
  5. 【請求項5】 植物を栽培するに際し、前記植物及び/
    又は栽培土壌に光合成細菌及びVA菌根菌を施用するこ
    とを特徴とするVA菌根菌の植物への感染を向上する方
    法。
  6. 【請求項6】 VA菌根菌及び光合成細菌に属する細菌
    を含有する植物生長促進剤。
  7. 【請求項7】 VA菌根菌及び光合成細菌に属する細菌
    を含有するVA菌根菌の植物感染向上剤。
JP7142424A 1995-05-18 1995-05-18 植物の生長促進方法及び植物生長促進剤 Pending JPH08310910A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001088093A1 (fr) * 2000-05-15 2001-11-22 Kumazaki Ryo Culture complexe, methode de production de culture complexe, methode de production de preculture et methode de production de preparations microbiennes
JP2022038863A (ja) * 2020-08-27 2022-03-10 学校法人君が淵学園 植物の成長促進方法

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