JPH0823963A - 植物の栽培方法 - Google Patents
植物の栽培方法Info
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- JPH0823963A JPH0823963A JP6190138A JP19013894A JPH0823963A JP H0823963 A JPH0823963 A JP H0823963A JP 6190138 A JP6190138 A JP 6190138A JP 19013894 A JP19013894 A JP 19013894A JP H0823963 A JPH0823963 A JP H0823963A
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- JP
- Japan
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- plant
- mycorrhizal
- mycorrhizal fungi
- soil
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- Cultivation Of Plants (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 農業や園芸等の分野で有用なVA菌根菌を用
いた植物の栽培方法に関し、植物栽培時において、VA
菌根菌の感染並びに増殖を促進し、植物を効率よく栽培
しうる方法を提供することを目的とする。 【構成】 植物を栽培するにあたり、VA菌根菌と、
サポニン,ケイ酸カルシウム,フェニルプロパノイ
ド化合物及び草炭加工物よりなる群から選ばれる1種
又は2種以上の物質とを施用するか、さらにこれらに
有機酸及び/又はオーキシン類を組み合わせて施用す
ることを特徴とする植物の栽培方法を提供する。
いた植物の栽培方法に関し、植物栽培時において、VA
菌根菌の感染並びに増殖を促進し、植物を効率よく栽培
しうる方法を提供することを目的とする。 【構成】 植物を栽培するにあたり、VA菌根菌と、
サポニン,ケイ酸カルシウム,フェニルプロパノイ
ド化合物及び草炭加工物よりなる群から選ばれる1種
又は2種以上の物質とを施用するか、さらにこれらに
有機酸及び/又はオーキシン類を組み合わせて施用す
ることを特徴とする植物の栽培方法を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業や園芸等の分野で
有用なVA菌根菌を用いた植物の栽培方法に関し、詳し
くは植物栽培時において、VA菌根菌の感染並びに増殖
を促進し、植物を効率よく栽培しうる方法に関する。
有用なVA菌根菌を用いた植物の栽培方法に関し、詳し
くは植物栽培時において、VA菌根菌の感染並びに増殖
を促進し、植物を効率よく栽培しうる方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】VA菌
根菌(Vesicular Arbuscular Mycorrhizae )は種々の植
物に感染して、共生することによって、該植物の生長促
進や耐病性を向上させることが知られている(「農業及
び園芸」,第62巻,第8号,930〜937頁,19
87年;「植物防疫」,第42巻,第5号,259〜2
66頁,1988年)。
根菌(Vesicular Arbuscular Mycorrhizae )は種々の植
物に感染して、共生することによって、該植物の生長促
進や耐病性を向上させることが知られている(「農業及
び園芸」,第62巻,第8号,930〜937頁,19
87年;「植物防疫」,第42巻,第5号,259〜2
66頁,1988年)。
【0003】一方、VA菌根菌は植物と共生するとき、
土壌環境、特に可溶性リン酸量によって植物への感染が
阻害されることが知られている(野中ら,「日本土壌肥
料学会誌」,第58巻,第5号,561〜565頁,1
987年)。このため、可溶性リン酸量が多い培土で
は、VA菌根菌資材を施用してもVA菌根菌の植物への
感染が不充分なためにVA菌根菌資材施用による成長促
進などの有用な効果が充分に現れないことが往々にして
あった。
土壌環境、特に可溶性リン酸量によって植物への感染が
阻害されることが知られている(野中ら,「日本土壌肥
料学会誌」,第58巻,第5号,561〜565頁,1
987年)。このため、可溶性リン酸量が多い培土で
は、VA菌根菌資材を施用してもVA菌根菌の植物への
感染が不充分なためにVA菌根菌資材施用による成長促
進などの有用な効果が充分に現れないことが往々にして
あった。
【0004】可溶性リン酸量が多い培地でも、VA菌根
菌資材の施用量を多くすれば、充分にVA菌根菌を感染
させることが可能であるが、VA菌根菌資材は高価なた
め施用量を多くすることは経済的に問題があった。ま
た、可溶性リン酸量がそれほど多くない培地であって
も、より少ない量のVA菌根菌資材で充分にVA菌根菌
を感染させることが可能であれば、より経済的である。
そこで、より少ないVA菌根菌施用量でも、成長促進な
どの有用な施用効果をもたらすに充分な量感染し得る手
段の確率が望まれていた。
菌資材の施用量を多くすれば、充分にVA菌根菌を感染
させることが可能であるが、VA菌根菌資材は高価なた
め施用量を多くすることは経済的に問題があった。ま
た、可溶性リン酸量がそれほど多くない培地であって
も、より少ない量のVA菌根菌資材で充分にVA菌根菌
を感染させることが可能であれば、より経済的である。
そこで、より少ないVA菌根菌施用量でも、成長促進な
どの有用な施用効果をもたらすに充分な量感染し得る手
段の確率が望まれていた。
【0005】さらに、VA菌根菌は植物絶対共生菌のた
め植物を用いた製造しかできず、VA菌根菌資材を製造
するためには、期間,手間がかかる非常に効率の悪い方
法をとらざるを得なかった。そこでVA菌根菌資材の製
造効率を高め、VA菌根菌資材の価格低減を図るために
も、効果的にVA菌根菌の感染を促進したり、VA菌根
菌の増殖を促進する方法が望まれていた。
め植物を用いた製造しかできず、VA菌根菌資材を製造
するためには、期間,手間がかかる非常に効率の悪い方
法をとらざるを得なかった。そこでVA菌根菌資材の製
造効率を高め、VA菌根菌資材の価格低減を図るために
も、効果的にVA菌根菌の感染を促進したり、VA菌根
菌の増殖を促進する方法が望まれていた。
【0006】このような問題に対して、VA菌根菌の感
染又は増殖を促進する薬剤、或いは方法として、これま
でに下記のことが知られている。 (1)有機酸(オキザロ酢酸,酢酸,ピルビン酸,クエ
ン酸,酒石酸など)を施用することによるVA菌根菌の
増殖促進方法(Mosse, B. Trans. Br. Mycol.Soc.42
(3), 273-286, 1959) 。 (2)有機酸(オキザロ酢酸,ピルビン酸,酢酸,クエ
ン酸,酒石酸など)、アミノ酸(シスチン,メチオニ
ン,グリシン,リジンなど)、ビタミン(チアミンな
ど)、エチレン発生剤(エテホン,エタセラシルな
ど)、オーキシン類(ナフタレン酢酸,インドール酢酸
など)を多孔性両性イオン交換体に吸着させ、これとイ
モ類を含む培土にVA菌根菌を接種し増殖させ、これを
再び接種源として用いる方法(特開昭63−87973
号公報,特開平2−291213号公報など)。
染又は増殖を促進する薬剤、或いは方法として、これま
でに下記のことが知られている。 (1)有機酸(オキザロ酢酸,酢酸,ピルビン酸,クエ
ン酸,酒石酸など)を施用することによるVA菌根菌の
増殖促進方法(Mosse, B. Trans. Br. Mycol.Soc.42
(3), 273-286, 1959) 。 (2)有機酸(オキザロ酢酸,ピルビン酸,酢酸,クエ
ン酸,酒石酸など)、アミノ酸(シスチン,メチオニ
ン,グリシン,リジンなど)、ビタミン(チアミンな
ど)、エチレン発生剤(エテホン,エタセラシルな
ど)、オーキシン類(ナフタレン酢酸,インドール酢酸
など)を多孔性両性イオン交換体に吸着させ、これとイ
モ類を含む培土にVA菌根菌を接種し増殖させ、これを
再び接種源として用いる方法(特開昭63−87973
号公報,特開平2−291213号公報など)。
【0007】(3)炭肥料によるVA菌根菌の増殖促進
方法(特開昭60−49717号公報)。 (4)高分子物質(キトサン,カラギーナン,寒天,P
VAなど)でVA菌根菌を植物根に固定することによる
VA菌根菌の感染促進方法(特開平3−83529号公
報)。 (5)植物の葉面にリン源(リン酸水素カリウムなどの
水溶液)を散布することによるVA菌根菌の増殖促進方
法(特開平5−146288号公報)。 (6)有機リン化合物を施用することによるVA菌根菌
の増殖促進方法(特開平5−153966号公報)。 (7)殺菌剤などの薬剤(キャプタンなどの殺菌剤、
1,3−ジクロロプロペンなどの殺線虫剤)を施用する
ことによるVA菌根菌の増殖促進方法(特開平5−24
4933号公報)。 (8)イソフラボノイド化合物を施用することによるV
A菌根菌増殖促進方法(特開平4−504209号公
報)。 (9)フラボノイド化合物を施用することによるVA菌
根菌増殖促進方法(Kape, R. J. Plant Physiol, 141
(1), 54-60, 1993) 。
方法(特開昭60−49717号公報)。 (4)高分子物質(キトサン,カラギーナン,寒天,P
VAなど)でVA菌根菌を植物根に固定することによる
VA菌根菌の感染促進方法(特開平3−83529号公
報)。 (5)植物の葉面にリン源(リン酸水素カリウムなどの
水溶液)を散布することによるVA菌根菌の増殖促進方
法(特開平5−146288号公報)。 (6)有機リン化合物を施用することによるVA菌根菌
の増殖促進方法(特開平5−153966号公報)。 (7)殺菌剤などの薬剤(キャプタンなどの殺菌剤、
1,3−ジクロロプロペンなどの殺線虫剤)を施用する
ことによるVA菌根菌の増殖促進方法(特開平5−24
4933号公報)。 (8)イソフラボノイド化合物を施用することによるV
A菌根菌増殖促進方法(特開平4−504209号公
報)。 (9)フラボノイド化合物を施用することによるVA菌
根菌増殖促進方法(Kape, R. J. Plant Physiol, 141
(1), 54-60, 1993) 。
【0008】確かに上記(1)や(2)には、有機酸と
してクエン酸にVA菌根菌増殖促進効果があることが示
されており、クエン酸単独で施用してもVA菌根菌の感
染率が向上することは実験により確認されている。しか
しながら、可溶性リン酸量が多い培土では、VA菌根菌
の植物への感染が充分ではなく、より一層の改善が求め
られている。また、上記(2)には、オーキシン類施用
によるVA菌根菌の増殖促進効果が示されているが、や
はり可溶性リン酸量が多い培土では、VA菌根菌の植物
への感染が充分ではなく、より一層の改善が求められて
いる。さらに、上記(2)では、多孔性両性イオン交換
体にVA菌根菌の増殖促進剤を吸着させているが、培土
中に施用した場合、容易に除去することができず、長期
間培土中に残留し、植物の成長に必要な養分などを吸着
してしまうなどの弊害がある。また、多孔性両性イオン
交換体は高価であるという問題があった。
してクエン酸にVA菌根菌増殖促進効果があることが示
されており、クエン酸単独で施用してもVA菌根菌の感
染率が向上することは実験により確認されている。しか
しながら、可溶性リン酸量が多い培土では、VA菌根菌
の植物への感染が充分ではなく、より一層の改善が求め
られている。また、上記(2)には、オーキシン類施用
によるVA菌根菌の増殖促進効果が示されているが、や
はり可溶性リン酸量が多い培土では、VA菌根菌の植物
への感染が充分ではなく、より一層の改善が求められて
いる。さらに、上記(2)では、多孔性両性イオン交換
体にVA菌根菌の増殖促進剤を吸着させているが、培土
中に施用した場合、容易に除去することができず、長期
間培土中に残留し、植物の成長に必要な養分などを吸着
してしまうなどの弊害がある。また、多孔性両性イオン
交換体は高価であるという問題があった。
【0009】次に、上記(3)に示す炭肥料による感染
率向上効果は実験の結果、さほど高くないことが分かっ
た。また、上記(4)に示す感染率向上方法は、培土を
用いて栽培した植物へ適用しようとした場合、培土を洗
い落とし、根を露出させないと接着効果がないなど実用
上問題があった。さらに、上記(5),(6),(7)
は、植物栽培培土中の可溶性リン酸量が適性量(50m
gP2 O5 /100g乾土以下)であれば非常に有効な
手段であるが、培土中の可溶性リン酸量が適性量を超え
ている場合には、土壌中の可溶性リン酸によりVA菌根
菌の感染が阻害されるために有効性が消失する欠点があ
った。最後に、上記(8),(9)に示すVA菌根菌増
殖促進方法は実験の結果、VA菌根菌の感染率向上効果
はさほど高くないことが分かった。
率向上効果は実験の結果、さほど高くないことが分かっ
た。また、上記(4)に示す感染率向上方法は、培土を
用いて栽培した植物へ適用しようとした場合、培土を洗
い落とし、根を露出させないと接着効果がないなど実用
上問題があった。さらに、上記(5),(6),(7)
は、植物栽培培土中の可溶性リン酸量が適性量(50m
gP2 O5 /100g乾土以下)であれば非常に有効な
手段であるが、培土中の可溶性リン酸量が適性量を超え
ている場合には、土壌中の可溶性リン酸によりVA菌根
菌の感染が阻害されるために有効性が消失する欠点があ
った。最後に、上記(8),(9)に示すVA菌根菌増
殖促進方法は実験の結果、VA菌根菌の感染率向上効果
はさほど高くないことが分かった。
【0010】本発明者らは、VA菌根菌の感染並びに増
殖を促進し、植物を効率よく栽培しうる方法を提供すべ
く、上記の従来技術を検討し、その結果、植物にVA菌
根菌を感染させるにあたり、サポニン,ケイ酸カル
シウム,フェニルプロパノイド化合物及び草炭加工
物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の物質を用
いるか、或いはこれにさらに有機酸及び/又はオー
キシンとを組み合わせることにより、さらに効率的にV
A菌根菌の感染並びに増殖を促進し、植物を効率よく栽
培することができることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに到った。
殖を促進し、植物を効率よく栽培しうる方法を提供すべ
く、上記の従来技術を検討し、その結果、植物にVA菌
根菌を感染させるにあたり、サポニン,ケイ酸カル
シウム,フェニルプロパノイド化合物及び草炭加工
物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の物質を用
いるか、或いはこれにさらに有機酸及び/又はオー
キシンとを組み合わせることにより、さらに効率的にV
A菌根菌の感染並びに増殖を促進し、植物を効率よく栽
培することができることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに到った。
【0011】なお、サポニン,ケイ酸カルシウム及び草
炭加工物の施用によるVA菌根菌の感染促進・増殖促進
効果については、これまで全く報告されていない。ま
た、フェニルプロパノイド化合物に関しては、VA菌根
菌の感染により植物根内のフェノール成分(タンニンな
ど)が増加するとの報告はあるが(Selvaraj. T. Curr.
Sci, 59(9), 471-473, 1990) 、外部よりフェニルプロ
パノイド化合物を施用してVA菌根菌の増殖が促進され
たという報告はない。
炭加工物の施用によるVA菌根菌の感染促進・増殖促進
効果については、これまで全く報告されていない。ま
た、フェニルプロパノイド化合物に関しては、VA菌根
菌の感染により植物根内のフェノール成分(タンニンな
ど)が増加するとの報告はあるが(Selvaraj. T. Curr.
Sci, 59(9), 471-473, 1990) 、外部よりフェニルプロ
パノイド化合物を施用してVA菌根菌の増殖が促進され
たという報告はない。
【0012】ところで、VA菌根菌接種物とクエン酸又
はクエン酸塩とで構成されるVA菌根菌含有組成物とし
ては、クエン酸又はクエン酸塩を含有し、pHを2以
上、6以下に調製した液型VA菌根菌含有組成物が知ら
れている(特開平4−141023号公報)。この組成
物は、液型VA菌根菌含有組成物中のVA菌根菌の保存
性を向上させる目的でpHを調製し、発芽抑制剤として
クエン酸又はクエン酸塩を組成物中に加えたものであ
る。しかも、この従来技術にはクエン酸又はクエン酸塩
と、サポニン,フェニルプロパノイド等とを併用するこ
と、及びこれによりVA菌根菌の感染が促進されること
については全く触れられていない。
はクエン酸塩とで構成されるVA菌根菌含有組成物とし
ては、クエン酸又はクエン酸塩を含有し、pHを2以
上、6以下に調製した液型VA菌根菌含有組成物が知ら
れている(特開平4−141023号公報)。この組成
物は、液型VA菌根菌含有組成物中のVA菌根菌の保存
性を向上させる目的でpHを調製し、発芽抑制剤として
クエン酸又はクエン酸塩を組成物中に加えたものであ
る。しかも、この従来技術にはクエン酸又はクエン酸塩
と、サポニン,フェニルプロパノイド等とを併用するこ
と、及びこれによりVA菌根菌の感染が促進されること
については全く触れられていない。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は第1
に、植物を栽培するにあたり、VA菌根菌と、サポニ
ン,ケイ酸カルシウム,フェニルプロパノイド化合
物及び草炭加工物よりなる群から選ばれる1種又は2
種以上の物質とを施用することを特徴とする植物の栽培
方法を提供するものである。
に、植物を栽培するにあたり、VA菌根菌と、サポニ
ン,ケイ酸カルシウム,フェニルプロパノイド化合
物及び草炭加工物よりなる群から選ばれる1種又は2
種以上の物質とを施用することを特徴とする植物の栽培
方法を提供するものである。
【0014】次に、本発明は第2に、植物を栽培するに
あたり、VA菌根菌と、サポニン,ケイ酸カルシウ
ム,フェニルプロパノイド化合物及び草炭加工物よ
りなる群から選ばれる1種又は2種以上の物質と、有
機酸及び/又はオーキシン類とを組み合わせて施用す
ることを特徴とする植物の栽培方法を提供するものであ
る。
あたり、VA菌根菌と、サポニン,ケイ酸カルシウ
ム,フェニルプロパノイド化合物及び草炭加工物よ
りなる群から選ばれる1種又は2種以上の物質と、有
機酸及び/又はオーキシン類とを組み合わせて施用す
ることを特徴とする植物の栽培方法を提供するものであ
る。
【0015】本発明が適用される植物としては、VA菌
根菌が感染することのできる植物であれば特に制限はな
いが、例えばメヒシバ,トウモロコシ,ソルゴー(別名
ソルガム),ムギ,芝草,スダングラス等のイネ科植
物、ナス,トマト,ピーマン,シシトウ等のナス科植
物、大豆,カラスノエンドウ,マングビーン,ピーナ
ツ,アルファルファ,クローバー等の豆科植物、マリー
ゴールド,ヒマワリ,サイネリア,キク等のキク科植
物,イチゴ等のバラ科植物、ネギ,アスパラガス等のユ
リ科植物、キュウリ,カボチャ,スイカ等のウリ科植物
などを挙げることができる。
根菌が感染することのできる植物であれば特に制限はな
いが、例えばメヒシバ,トウモロコシ,ソルゴー(別名
ソルガム),ムギ,芝草,スダングラス等のイネ科植
物、ナス,トマト,ピーマン,シシトウ等のナス科植
物、大豆,カラスノエンドウ,マングビーン,ピーナ
ツ,アルファルファ,クローバー等の豆科植物、マリー
ゴールド,ヒマワリ,サイネリア,キク等のキク科植
物,イチゴ等のバラ科植物、ネギ,アスパラガス等のユ
リ科植物、キュウリ,カボチャ,スイカ等のウリ科植物
などを挙げることができる。
【0016】本発明で用いるVA菌根菌は、菌糸、胞
子、又はこれらの混合物であり、或いはさらに植物根や
培地(担体)を含んだ形のもの、すなわちVA菌根菌接
種物(VA菌根菌製剤)であってもよい。特に取扱い上
などからは、VA菌根菌接種物(VA菌根菌製剤)が最
適である。
子、又はこれらの混合物であり、或いはさらに植物根や
培地(担体)を含んだ形のもの、すなわちVA菌根菌接
種物(VA菌根菌製剤)であってもよい。特に取扱い上
などからは、VA菌根菌接種物(VA菌根菌製剤)が最
適である。
【0017】ここでVA菌根菌接種物は、VA菌根菌の
胞子,菌糸,感染根の断片を含み、さらに無機鉱物担体
で製剤化したものである。無機鉱物担体としては、焼成
赤玉土,焼成アタパルジャイト,焼成モンモリロナイ
ト,焼成珪藻土,珪藻土,ゼオライト,軽石等が挙げら
れ、特に焼成アタパルジャイト,焼成赤玉土などが好ま
しい。
胞子,菌糸,感染根の断片を含み、さらに無機鉱物担体
で製剤化したものである。無機鉱物担体としては、焼成
赤玉土,焼成アタパルジャイト,焼成モンモリロナイ
ト,焼成珪藻土,珪藻土,ゼオライト,軽石等が挙げら
れ、特に焼成アタパルジャイト,焼成赤玉土などが好ま
しい。
【0018】VA菌根菌は、土壌中に存在する接合菌の
一種であり、その菌糸が様々な植物の根について菌根を
形成し、両者が共生することが知られている。このVA
菌根菌は植物と共生し、これに感染した植物の生長を促
進したり、耐病性を向上させる働きがあることが知られ
ている。
一種であり、その菌糸が様々な植物の根について菌根を
形成し、両者が共生することが知られている。このVA
菌根菌は植物と共生し、これに感染した植物の生長を促
進したり、耐病性を向上させる働きがあることが知られ
ている。
【0019】本発明において用いるVA菌根菌として
は、種々のものがあり、例えばギガスポラ ( Gigaspora
)属, グロムス( Glomus ) 属,スカテロスポラ( Scu
tellospora )属,アカウロスポラ( Acaulospora )属,
エントロフォスポラ( Entrophospora )属, スクレロシ
スティス( Sclerocystis ) 属などに属する微生物が挙
げられるが、本発明においては、これらの中でもギガス
ポラ ( Gigaspora )属,グロムス( Glomus ) 属, スカ
テロスポラ( Scutellospora )属に属する微生物に有効
である。
は、種々のものがあり、例えばギガスポラ ( Gigaspora
)属, グロムス( Glomus ) 属,スカテロスポラ( Scu
tellospora )属,アカウロスポラ( Acaulospora )属,
エントロフォスポラ( Entrophospora )属, スクレロシ
スティス( Sclerocystis ) 属などに属する微生物が挙
げられるが、本発明においては、これらの中でもギガス
ポラ ( Gigaspora )属,グロムス( Glomus ) 属, スカ
テロスポラ( Scutellospora )属に属する微生物に有効
である。
【0020】これらVA菌根菌の具体例を示すと、ギガ
スポラ属に属するものとしては、例えばギガスポラ・ラ
ミスポロホラ( Gigaspora ramisporophora ),ギガス
ポラ・マルガリタ( Gigaspora margarita ),ギガス
ポラ・アルビダ( Gigasporaalbida ), ギガスポラ・
ギガンタ( Gigaspora gigantea ),ギガスポラ・ロ
ーゼア( Gigaspora rosea )などを挙げることができ
る。次に、グロムス属に属するものとしては、例えばグ
ロムス・モセアエ( Glomus mosseae ) ,グロムス・フ
ァシキュレータム( Glomus fasciculatum ),グロムス
・カレドニウム( Glomus caledonium ),グロムス・イ
ントララディセス(Glomus intraradicies ) ,グロム
ス・オクルータム( Glomus occultum),グロムス・エ
ツニケェタム( Glomus etunicatum)などを挙げること
ができる。また、スカテロスポラ属に属するものとして
は、例えばスカテロスポラ・グレガリア( Scutellospo
ra gregaria ),スカテロスポラ・ペルシーダ( Scu
tellospora pellucida )などを挙げることができる。
その他、アカウロスポラ・ラエビス( Acaulospora lae
vis ) ,エントロフォスポラ・インフレケンス( Entro
phospora infrequens ) などを挙げることができる。
スポラ属に属するものとしては、例えばギガスポラ・ラ
ミスポロホラ( Gigaspora ramisporophora ),ギガス
ポラ・マルガリタ( Gigaspora margarita ),ギガス
ポラ・アルビダ( Gigasporaalbida ), ギガスポラ・
ギガンタ( Gigaspora gigantea ),ギガスポラ・ロ
ーゼア( Gigaspora rosea )などを挙げることができ
る。次に、グロムス属に属するものとしては、例えばグ
ロムス・モセアエ( Glomus mosseae ) ,グロムス・フ
ァシキュレータム( Glomus fasciculatum ),グロムス
・カレドニウム( Glomus caledonium ),グロムス・イ
ントララディセス(Glomus intraradicies ) ,グロム
ス・オクルータム( Glomus occultum),グロムス・エ
ツニケェタム( Glomus etunicatum)などを挙げること
ができる。また、スカテロスポラ属に属するものとして
は、例えばスカテロスポラ・グレガリア( Scutellospo
ra gregaria ),スカテロスポラ・ペルシーダ( Scu
tellospora pellucida )などを挙げることができる。
その他、アカウロスポラ・ラエビス( Acaulospora lae
vis ) ,エントロフォスポラ・インフレケンス( Entro
phospora infrequens ) などを挙げることができる。
【0021】これらVA菌根菌は、自然界から篩を用い
て集めたり(鈴木達彦,VA菌根に関する諸問題5、農
業および園芸,第62巻,第3号,p28〜33,19
87年)、遠心分離により集めたりする(特開昭63−
309178号公報)他、栄養薄膜培養法(特開昭55
−118390号公報)や器官培養した根を使用する方
法(特公昭62−49037号公報)等により無菌的に
増殖させたVA菌根菌を用いることができる。また、最
初は自然界から篩を用いて集めたりして得たVA菌根菌
を、植物に感染させ、このようなVA菌根菌に感染した
植物を栽培してVA菌根菌を増殖させ、この結果得られ
たVA菌根菌(接種物)を用いることもできる。
て集めたり(鈴木達彦,VA菌根に関する諸問題5、農
業および園芸,第62巻,第3号,p28〜33,19
87年)、遠心分離により集めたりする(特開昭63−
309178号公報)他、栄養薄膜培養法(特開昭55
−118390号公報)や器官培養した根を使用する方
法(特公昭62−49037号公報)等により無菌的に
増殖させたVA菌根菌を用いることができる。また、最
初は自然界から篩を用いて集めたりして得たVA菌根菌
を、植物に感染させ、このようなVA菌根菌に感染した
植物を栽培してVA菌根菌を増殖させ、この結果得られ
たVA菌根菌(接種物)を用いることもできる。
【0022】本発明の第1は、植物を栽培するにあた
り、このようなVA菌根菌と、サポニン,ケイ酸カ
ルシウム,フェニルプロパノイド化合物及び草炭加
工物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の物質と
を施用することを特徴とするものである。
り、このようなVA菌根菌と、サポニン,ケイ酸カ
ルシウム,フェニルプロパノイド化合物及び草炭加
工物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の物質と
を施用することを特徴とするものである。
【0023】VA菌根菌と、サポニン,ケイ酸カル
シウム,フェニルプロパノイド化合物及び草炭加工
物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の物質との
施用は、同時に行なってもよいし、或いは異なる時期に
行なってもよい。すなわち、上記物質の施用は特に限定
はないが、好ましくはVA菌根菌の施用と同時か、或い
は施用後である。また、これらの施用は、VA菌根菌を
感染させる植物の発根前或いは発根後に行なってもよ
い。植物は播種,鉢上げ苗,育苗苗,プラグ苗,挿し
芽,挿し木,接ぎ木,球根,植物組織など、様々な態様
で培地(用土)に植えられるが、VA菌根菌は植物を植
えつける前、或いは植つけと同時に施用され、具体的に
は培地(用土)と混合したり、種,芽等の下に層状に施
用したり、或いは定植時の植え穴の中に施用したりする
ことが好ましく、特に植物の根に触れるようVA菌根菌
を施用することが好ましいい。
シウム,フェニルプロパノイド化合物及び草炭加工
物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の物質との
施用は、同時に行なってもよいし、或いは異なる時期に
行なってもよい。すなわち、上記物質の施用は特に限定
はないが、好ましくはVA菌根菌の施用と同時か、或い
は施用後である。また、これらの施用は、VA菌根菌を
感染させる植物の発根前或いは発根後に行なってもよ
い。植物は播種,鉢上げ苗,育苗苗,プラグ苗,挿し
芽,挿し木,接ぎ木,球根,植物組織など、様々な態様
で培地(用土)に植えられるが、VA菌根菌は植物を植
えつける前、或いは植つけと同時に施用され、具体的に
は培地(用土)と混合したり、種,芽等の下に層状に施
用したり、或いは定植時の植え穴の中に施用したりする
ことが好ましく、特に植物の根に触れるようVA菌根菌
を施用することが好ましいい。
【0024】次に、VA菌根菌を植物に感染させる方法
は特に限定はなく、播種,育苗苗,挿し芽,挿し木,接
ぎ木,球根,植物組織など、様々な態様で行うことがで
きる。VA菌根菌の植物への感染方法は、既知の方法に
より行えば良く、例えば、温度は10〜50℃、好まし
くは15〜40℃、土壌のpHは3〜9.5、好ましく
は4〜8の条件で行われる。
は特に限定はなく、播種,育苗苗,挿し芽,挿し木,接
ぎ木,球根,植物組織など、様々な態様で行うことがで
きる。VA菌根菌の植物への感染方法は、既知の方法に
より行えば良く、例えば、温度は10〜50℃、好まし
くは15〜40℃、土壌のpHは3〜9.5、好ましく
は4〜8の条件で行われる。
【0025】なお、VA菌根菌を感染させる際に用いら
れる栽培培地(用土)としての限定は特になく、植物の
栽培に通常用いられる培土(黒ボク土,沖積土又は市販
されている培土)をそのまま用いることができる。
れる栽培培地(用土)としての限定は特になく、植物の
栽培に通常用いられる培土(黒ボク土,沖積土又は市販
されている培土)をそのまま用いることができる。
【0026】上記したように、本発明の第1では、植物
を栽培するにあたり、VA菌根菌と、サポニン,ケ
イ酸カルシウム,フェニルプロパノイド化合物及び
草炭加工物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の
物質とを施用する。これら〜よりなる群から選ばれ
る1種又は2種以上の物質をVA菌根菌と共に用いるこ
とにより、VA菌根菌の感染を促進し、VA菌根菌の増
殖を促進し、さらに作物の成育を促進することができ
る。なお、これら物質そのものにも植物の生育促進効果
が認められる。
を栽培するにあたり、VA菌根菌と、サポニン,ケ
イ酸カルシウム,フェニルプロパノイド化合物及び
草炭加工物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の
物質とを施用する。これら〜よりなる群から選ばれ
る1種又は2種以上の物質をVA菌根菌と共に用いるこ
とにより、VA菌根菌の感染を促進し、VA菌根菌の増
殖を促進し、さらに作物の成育を促進することができ
る。なお、これら物質そのものにも植物の生育促進効果
が認められる。
【0027】まずサポニンとしては、トリテルペノイド
サポニン,ステロイドサポニンなどが知られているが、
特に限定はない。施用濃度としては1〜10000pp
mであり、好ましくは50〜5000ppmである。施
用濃度が50ppm未満であったり、或いは5000p
pmを超えた場合には感染促進効果が減少するため、好
ましくない。
サポニン,ステロイドサポニンなどが知られているが、
特に限定はない。施用濃度としては1〜10000pp
mであり、好ましくは50〜5000ppmである。施
用濃度が50ppm未満であったり、或いは5000p
pmを超えた場合には感染促進効果が減少するため、好
ましくない。
【0028】次に、ケイ酸カルシウムは、濃度として
0.001〜50%(w/v)を培土に混合するのが適
しているが、好ましくは0.01〜10%(w/v)で
ある。この濃度がこれより少ないと添加効果は減少し、
また多すぎるとアルカリ性のため植物の成育に支障を来
す場合がある。ケイ酸カルシウムを主成分とする土壌改
良剤は、安価に多くの種類が市販されており、何れでも
好適に使用できる。
0.001〜50%(w/v)を培土に混合するのが適
しているが、好ましくは0.01〜10%(w/v)で
ある。この濃度がこれより少ないと添加効果は減少し、
また多すぎるとアルカリ性のため植物の成育に支障を来
す場合がある。ケイ酸カルシウムを主成分とする土壌改
良剤は、安価に多くの種類が市販されており、何れでも
好適に使用できる。
【0029】また、フェニルプロパノイド化合物は、植
物が天然に生産するC6C3を単位とする化合物の総称
であり、具体的にはケイ皮酸,クマリン,リグニン,タ
ンニン,タンニン酸などが挙げられる。特にtrans-ケイ
皮酸,タンニン,タンニン酸,クマリンなどが好まし
い。また、施用濃度としては0.01〜1000ppm
であり、好ましくは0.1〜500ppmである。この
範囲を外れるとVA菌根菌感染促進効果は減少する。
物が天然に生産するC6C3を単位とする化合物の総称
であり、具体的にはケイ皮酸,クマリン,リグニン,タ
ンニン,タンニン酸などが挙げられる。特にtrans-ケイ
皮酸,タンニン,タンニン酸,クマリンなどが好まし
い。また、施用濃度としては0.01〜1000ppm
であり、好ましくは0.1〜500ppmである。この
範囲を外れるとVA菌根菌感染促進効果は減少する。
【0030】さらに、草炭加工物とは、草炭に石灰を加
え、加熱、加圧したものである。濃度として0.001
〜50%(w/v)、好ましくは0.01〜10%(w
/v)の比率であり、培土によく混合する。この範囲を
外れると、VA菌根菌の感染率が低下する。
え、加熱、加圧したものである。濃度として0.001
〜50%(w/v)、好ましくは0.01〜10%(w
/v)の比率であり、培土によく混合する。この範囲を
外れると、VA菌根菌の感染率が低下する。
【0031】また、本発明の第2では、上記した如き群
から選ばれる1種又は2種以上の物質と、有機酸及び
/又はオーキシン類とを組み合わせて施用する。両者
を組み合わせて用いることにより、VA菌根菌の感染を
より促進し、VA菌根菌の増殖をより促進し、さらに作
物の成育をより促進することができる。
から選ばれる1種又は2種以上の物質と、有機酸及び
/又はオーキシン類とを組み合わせて施用する。両者
を組み合わせて用いることにより、VA菌根菌の感染を
より促進し、VA菌根菌の増殖をより促進し、さらに作
物の成育をより促進することができる。
【0032】ここで有機酸としては種々のものがある
が、特にクエン酸,クエン酸塩が好適である。クエン酸
塩としては、クエン酸1カリウム,クエン酸2水素カリ
ウムなどのカリウム塩、クエン酸3アンモニウム,クエ
ン酸水素2アンモニウムなどのアンモニウム塩、クエン
酸カルシウムなどのカルシウム塩、またナトリウム塩、
鉄・銅の塩などが挙げられる。これらの中でも、植物へ
の肥料効果も期待できるカリウム塩、アンモニウム塩な
どが望ましい。濃度としては1〜100000ppm、
好ましくは100〜50000ppmの水溶液を施用す
る。この範囲を外れると、VA菌根菌の感染促進効果が
低下する。
が、特にクエン酸,クエン酸塩が好適である。クエン酸
塩としては、クエン酸1カリウム,クエン酸2水素カリ
ウムなどのカリウム塩、クエン酸3アンモニウム,クエ
ン酸水素2アンモニウムなどのアンモニウム塩、クエン
酸カルシウムなどのカルシウム塩、またナトリウム塩、
鉄・銅の塩などが挙げられる。これらの中でも、植物へ
の肥料効果も期待できるカリウム塩、アンモニウム塩な
どが望ましい。濃度としては1〜100000ppm、
好ましくは100〜50000ppmの水溶液を施用す
る。この範囲を外れると、VA菌根菌の感染促進効果が
低下する。
【0033】また、オーキシン類としては、例えばイン
ドール酢酸,インドール酪酸,ナフタレン酢酸などが挙
げられる。これらの中でも保存安定性に優れるインドー
ル酪酸,ナフタレン酢酸が望ましい。施用濃度は0.1
〜1000ppm、好ましくは5〜100ppm溶液を
施用する。作物により最適濃度が異なるが、多過ぎても
少な過ぎても植物成育を阻害する。
ドール酢酸,インドール酪酸,ナフタレン酢酸などが挙
げられる。これらの中でも保存安定性に優れるインドー
ル酪酸,ナフタレン酢酸が望ましい。施用濃度は0.1
〜1000ppm、好ましくは5〜100ppm溶液を
施用する。作物により最適濃度が異なるが、多過ぎても
少な過ぎても植物成育を阻害する。
【0034】VA菌根菌を感染させる植物(宿主植物)
の発根と共に、VA菌根菌の感染が成立する。その後、
適宜肥料等を与えながら、植物の栽培を行なうことによ
り、VA菌根菌が著しく増殖し、植物の生長促進,開花
促進,収量増加,耐病性向上,早期収穫などの効果が得
られる。
の発根と共に、VA菌根菌の感染が成立する。その後、
適宜肥料等を与えながら、植物の栽培を行なうことによ
り、VA菌根菌が著しく増殖し、植物の生長促進,開花
促進,収量増加,耐病性向上,早期収穫などの効果が得
られる。
【0035】以上の如き本発明によれば、VA菌根菌の
感染を促進し(感染率を高め)、VA菌根菌の増殖を促
進させ(増殖率を高め)、その結果、植物の生長促進,
開花促進,着果数や果実数等の増加,収量増加,耐病性
向上,早期収穫などの効果を得ることができる。
感染を促進し(感染率を高め)、VA菌根菌の増殖を促
進させ(増殖率を高め)、その結果、植物の生長促進,
開花促進,着果数や果実数等の増加,収量増加,耐病性
向上,早期収穫などの効果を得ることができる。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。下記に掲げる実施例及び比較例では、培土としてク
レハ園芸培土を用いた。クレハ園芸培土の肥料成分は、
1kg培土当たり、窒素0.4g、リン1.5g(内可
溶性リン酸は70mg/100g乾土)、カリウム0.
4g、苦土0.2gである。また、各実施例・比較例の
測定データは特に断らない限り、1処理区5鉢の平均値
を示している。感染率の測定は、常法に従ってアニリン
ブルーで根を染色した後、実体顕微鏡下でグリッドライ
ン交差法を用いて感染率を測定した。
る。下記に掲げる実施例及び比較例では、培土としてク
レハ園芸培土を用いた。クレハ園芸培土の肥料成分は、
1kg培土当たり、窒素0.4g、リン1.5g(内可
溶性リン酸は70mg/100g乾土)、カリウム0.
4g、苦土0.2gである。また、各実施例・比較例の
測定データは特に断らない限り、1処理区5鉢の平均値
を示している。感染率の測定は、常法に従ってアニリン
ブルーで根を染色した後、実体顕微鏡下でグリッドライ
ン交差法を用いて感染率を測定した。
【0037】実施例1(サポニンの施用試験) 容量50ml(ミリリットル)容のビニールポットに、
培土を半分詰め、そこにギガスポラ・ラミスポロフォラ
( Gigaspora ramisporophora )〔なお、本菌は工業技
術院生命工学工業技術研究所において、受託拒否されて
いる。〕の胞子を40胞子施用し、残りの培土を詰め
た。ここにキュウリの種子を播種し、夜温25℃,昼温
30℃,昼間の日照20,000Lux×14時間に制
御した植物培養装置内にてキュウリを栽培した。栽培4
日目のキュウリの子葉が完全展開した時点で、サポニン
の50ppm、100ppm、500ppm、1000
ppm、5000ppmの水溶液を20mlずつ、それ
ぞれ5鉢施用した。また、サポニンを施用しないVA菌
根菌のみの区も5鉢設けた。2週間栽培後、キュウリの
感染率、地上部・地下部の新鮮重量を測定した。結果を
第1表に示す。なお、サポニンはお茶の実製のものを使
用した(和光純薬社製)。第1表より、サポニンの50
〜5000ppm水溶液を施用した区すべてにおいて、
VA菌根菌のみを処理した区より感染率が向上してい
た。また、キュウリの地下部・地上部の成育量も、VA
菌根菌の感染率に応じて増加していることが分かった。
培土を半分詰め、そこにギガスポラ・ラミスポロフォラ
( Gigaspora ramisporophora )〔なお、本菌は工業技
術院生命工学工業技術研究所において、受託拒否されて
いる。〕の胞子を40胞子施用し、残りの培土を詰め
た。ここにキュウリの種子を播種し、夜温25℃,昼温
30℃,昼間の日照20,000Lux×14時間に制
御した植物培養装置内にてキュウリを栽培した。栽培4
日目のキュウリの子葉が完全展開した時点で、サポニン
の50ppm、100ppm、500ppm、1000
ppm、5000ppmの水溶液を20mlずつ、それ
ぞれ5鉢施用した。また、サポニンを施用しないVA菌
根菌のみの区も5鉢設けた。2週間栽培後、キュウリの
感染率、地上部・地下部の新鮮重量を測定した。結果を
第1表に示す。なお、サポニンはお茶の実製のものを使
用した(和光純薬社製)。第1表より、サポニンの50
〜5000ppm水溶液を施用した区すべてにおいて、
VA菌根菌のみを処理した区より感染率が向上してい
た。また、キュウリの地下部・地上部の成育量も、VA
菌根菌の感染率に応じて増加していることが分かった。
【0038】
【表1】
【0039】実施例2〔ケイ酸カルシウム施用試験(培
土混合試験)〕 容量50ml(ミリリットル)容のビニールポットに、
培土に対しケイ酸カルシウムを0.05%(W/V)、
0.5%(W/V)、5%(W/V)混合したものを、
それぞれ5鉢ずつポットの半分詰め、そこにグロムス・
モセアエ( Glomus mosseae ) 〔なお、本菌は工業技術
院生命工学工業技術研究所(旧名称:工業技術院微生物
工業技術研究所において、受託拒否されている。〕の胞
子を200胞子施用した後、残りの培土を詰めた。そし
てそれぞれの鉢にキュウリの種子を1個ずつ播種し、実
施例1と同様の条件下で2週間栽培した。3週間栽培
後、感染率を測定した。結果を第2表に示す。なお、ケ
イ酸カルシウムとしては、サンパルファー(旭化成社
製)を使用した。第2表より、ケイ酸カルシウムの0.
05〜5%(W/V)混合施用区いずれにおいても、V
A菌の感染率が向上していることが分かった。
土混合試験)〕 容量50ml(ミリリットル)容のビニールポットに、
培土に対しケイ酸カルシウムを0.05%(W/V)、
0.5%(W/V)、5%(W/V)混合したものを、
それぞれ5鉢ずつポットの半分詰め、そこにグロムス・
モセアエ( Glomus mosseae ) 〔なお、本菌は工業技術
院生命工学工業技術研究所(旧名称:工業技術院微生物
工業技術研究所において、受託拒否されている。〕の胞
子を200胞子施用した後、残りの培土を詰めた。そし
てそれぞれの鉢にキュウリの種子を1個ずつ播種し、実
施例1と同様の条件下で2週間栽培した。3週間栽培
後、感染率を測定した。結果を第2表に示す。なお、ケ
イ酸カルシウムとしては、サンパルファー(旭化成社
製)を使用した。第2表より、ケイ酸カルシウムの0.
05〜5%(W/V)混合施用区いずれにおいても、V
A菌の感染率が向上していることが分かった。
【0040】
【表2】
【0041】実施例3(フェニルプロパノイド化合物施
用試験) 容量50ml(ミリリットル)容のビニールポットに、
実施例1と同様にギガスポラ・ラミスポロフォラを接種
した培土を詰め、キュウリの種子を1個播き、実施例1
と同様の栽培条件で栽培した。栽培4日目のキュウリの
子葉が完全展開した時点でフェニルプロパノイド化合物
であるタンニン酸,trans-ケイ皮酸,クマリンの1pp
m、10ppm、100ppm溶液を調製し、20ml
ずつ各5鉢ずつ施用した。なお、ケイ皮酸,クマリンは
水に溶けないため、95%エタノール溶液で1000p
pmになるよう調製し、それを水で希釈して所定濃度溶
液を調製した。また、フェニルプロパノイド化合物を施
用しないVA菌根菌のみの処理区も5鉢設けた。2週間
栽培後、感染率を測定した。結果を第3表に示す。第3
表より、フェニルプロパノイド化合物であるタンニン
酸,ケイ皮酸,クマリンのいずれも1〜100ppmの
施用濃度でVA菌の感染率が向上したことが分かった。
用試験) 容量50ml(ミリリットル)容のビニールポットに、
実施例1と同様にギガスポラ・ラミスポロフォラを接種
した培土を詰め、キュウリの種子を1個播き、実施例1
と同様の栽培条件で栽培した。栽培4日目のキュウリの
子葉が完全展開した時点でフェニルプロパノイド化合物
であるタンニン酸,trans-ケイ皮酸,クマリンの1pp
m、10ppm、100ppm溶液を調製し、20ml
ずつ各5鉢ずつ施用した。なお、ケイ皮酸,クマリンは
水に溶けないため、95%エタノール溶液で1000p
pmになるよう調製し、それを水で希釈して所定濃度溶
液を調製した。また、フェニルプロパノイド化合物を施
用しないVA菌根菌のみの処理区も5鉢設けた。2週間
栽培後、感染率を測定した。結果を第3表に示す。第3
表より、フェニルプロパノイド化合物であるタンニン
酸,ケイ皮酸,クマリンのいずれも1〜100ppmの
施用濃度でVA菌の感染率が向上したことが分かった。
【0042】
【表3】
【0043】実施例4(草炭加工物施用試験) 容量50ml(ミリリットル)容のビニールポットに、
実施例2と同様に培土に対して、草炭加工物をそれぞれ
0.01%、0.1%、1%、10%混合したものを、
それぞれ5鉢ずつポットの半分詰め、そこにギガスポラ
・ラミスポロフォラの胞子を40胞子ずつ接種し、そし
て培土の残りを詰め、キュウリの種子を1個播種した。
実施例1と同様の栽培条件下で3週間栽培した。また、
草炭加工物を施用しないVA菌根菌のみの処理区も5鉢
設けた。2週間栽培後、根を染色し、感染率及び植物の
生育を測定した。結果を第4表に示す。なお、草炭加工
物としてはテンポロン(天北化学社製品)を使用した。
第4表より、草炭加工物(テロポロン)の0.01〜1
0%混合により、いずれもVA菌根菌の感染率が向上し
ていることが分かった。また、キュウリの生育も草炭加
工物混合により増加した。
実施例2と同様に培土に対して、草炭加工物をそれぞれ
0.01%、0.1%、1%、10%混合したものを、
それぞれ5鉢ずつポットの半分詰め、そこにギガスポラ
・ラミスポロフォラの胞子を40胞子ずつ接種し、そし
て培土の残りを詰め、キュウリの種子を1個播種した。
実施例1と同様の栽培条件下で3週間栽培した。また、
草炭加工物を施用しないVA菌根菌のみの処理区も5鉢
設けた。2週間栽培後、根を染色し、感染率及び植物の
生育を測定した。結果を第4表に示す。なお、草炭加工
物としてはテンポロン(天北化学社製品)を使用した。
第4表より、草炭加工物(テロポロン)の0.01〜1
0%混合により、いずれもVA菌根菌の感染率が向上し
ていることが分かった。また、キュウリの生育も草炭加
工物混合により増加した。
【0044】
【表4】
【0045】実施例5及び比較例1(クエン酸,クエン
酸塩とサポニンの併用試験) 容量50ml(ミリリットル)容のビニールポットに、
実施例1と同様に培土並びにVA菌としてギガスボラ・
ラミスポロフォラの胞子40個を接種した。ここにキュ
ウリの種子を1個ずつ播種し、実施例1と同様の栽培条
件下で栽培を行なった。栽培4日目の子葉が完全展開し
た時点で、クエン酸,クエン酸カリウム,クエン酸アン
モニウムのそれぞれ10ppm、100ppm、100
0ppm、10000ppm溶液(比較例1)並びにク
エン酸、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウムをそ
れぞれ1000ppmに対し、サポニン溶液をそれぞれ
100ppm加えた溶液(実施例5)を各々20mlを
5鉢ずつに施用した。3週間栽培の後、VA菌根菌の感
染率を測定した。結果を第5表に示す。第5表より、ク
エン酸及びクエン酸塩施用により、無施用区と比べ感染
率が向上しているが、サポニンと併用することにより、
さらに感染率が向上することが分かった。サポニンと併
用した区では、キュウリの成育も非常に旺盛で新葉の展
開数も増える傾向が認められた。
酸塩とサポニンの併用試験) 容量50ml(ミリリットル)容のビニールポットに、
実施例1と同様に培土並びにVA菌としてギガスボラ・
ラミスポロフォラの胞子40個を接種した。ここにキュ
ウリの種子を1個ずつ播種し、実施例1と同様の栽培条
件下で栽培を行なった。栽培4日目の子葉が完全展開し
た時点で、クエン酸,クエン酸カリウム,クエン酸アン
モニウムのそれぞれ10ppm、100ppm、100
0ppm、10000ppm溶液(比較例1)並びにク
エン酸、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウムをそ
れぞれ1000ppmに対し、サポニン溶液をそれぞれ
100ppm加えた溶液(実施例5)を各々20mlを
5鉢ずつに施用した。3週間栽培の後、VA菌根菌の感
染率を測定した。結果を第5表に示す。第5表より、ク
エン酸及びクエン酸塩施用により、無施用区と比べ感染
率が向上しているが、サポニンと併用することにより、
さらに感染率が向上することが分かった。サポニンと併
用した区では、キュウリの成育も非常に旺盛で新葉の展
開数も増える傾向が認められた。
【0046】
【表5】
【0047】実施例6及び比較例2(オーキシンとサポ
ニンとの併用試験) 容量50ml(ミリリットル)容のビニールポットに、
実施例1と同様に培土並びにVA菌としてグロムス・フ
ァシキュレータム( Glomus fasciculatum )〔なお、本
菌は工業技術院生命工学工業技術研究所(旧名称:工業
技術院微生物工業技術研究所において、受託拒否されて
いる。〕の胞子40個を接種し、ソルガムの種子を1粒
播種した。実施例1の条件下で栽培し、栽培4日目にイ
ンドール酢酸,インドール酪酸の10ppm、20pp
m、40ppm溶液及びインドール酢酸20ppm+サ
ポニン100ppm、インドール酪酸20ppm+サポ
ニン100ppmを組み合わせた溶液を20mlずつ各
処理区5鉢ずつ施用した。2週間栽培後、ソルガムの根
を染色し、VA菌根菌の感染率を測定した。結果を第6
表に示す。第6表より、インドール酢酸、インドール酪
酸施用区でも感染率の向上が認められたが、サポニンと
併用することにより、さらに感染率が向上することが分
かった。サポニン併用区においては、ソルガムの成育、
特に根の張りが非常に増える傾向が認められた。
ニンとの併用試験) 容量50ml(ミリリットル)容のビニールポットに、
実施例1と同様に培土並びにVA菌としてグロムス・フ
ァシキュレータム( Glomus fasciculatum )〔なお、本
菌は工業技術院生命工学工業技術研究所(旧名称:工業
技術院微生物工業技術研究所において、受託拒否されて
いる。〕の胞子40個を接種し、ソルガムの種子を1粒
播種した。実施例1の条件下で栽培し、栽培4日目にイ
ンドール酢酸,インドール酪酸の10ppm、20pp
m、40ppm溶液及びインドール酢酸20ppm+サ
ポニン100ppm、インドール酪酸20ppm+サポ
ニン100ppmを組み合わせた溶液を20mlずつ各
処理区5鉢ずつ施用した。2週間栽培後、ソルガムの根
を染色し、VA菌根菌の感染率を測定した。結果を第6
表に示す。第6表より、インドール酢酸、インドール酪
酸施用区でも感染率の向上が認められたが、サポニンと
併用することにより、さらに感染率が向上することが分
かった。サポニン併用区においては、ソルガムの成育、
特に根の張りが非常に増える傾向が認められた。
【0048】
【表6】
【0049】実施例7(組合せ試験) 容量50ml(ミリリットル)容のビニールポットに、
実施例1と同様に培土並びにVA菌根菌としてグロムス
・ファシキュレータムの胞子200個を接種し、キュウ
リの種子を1粒播種した。ケイ酸カルシウムは0.5
%、草炭加工物は0.1%を培土に混合することにより
施用し、サポニン100ppm溶液、タンニン1ppm
溶液は、栽培4日後の子葉が完全展開した時に各々20
ml施用し、下記第7表に示す組み合わせ施用試験を行
なった。2週間栽培後、キュウリの生育及び感染率につ
いて測定した。結果を第7表に示す。なお、各処理区5
鉢とし、平均値で示した。第7表から、いずれの組み合
わせの区においても、無処理区に比べてVA菌根菌の感
染率が向上しているばかりでなく、植物体の生育も向上
していることが分かった。
実施例1と同様に培土並びにVA菌根菌としてグロムス
・ファシキュレータムの胞子200個を接種し、キュウ
リの種子を1粒播種した。ケイ酸カルシウムは0.5
%、草炭加工物は0.1%を培土に混合することにより
施用し、サポニン100ppm溶液、タンニン1ppm
溶液は、栽培4日後の子葉が完全展開した時に各々20
ml施用し、下記第7表に示す組み合わせ施用試験を行
なった。2週間栽培後、キュウリの生育及び感染率につ
いて測定した。結果を第7表に示す。なお、各処理区5
鉢とし、平均値で示した。第7表から、いずれの組み合
わせの区においても、無処理区に比べてVA菌根菌の感
染率が向上しているばかりでなく、植物体の生育も向上
していることが分かった。
【0050】
【表7】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、植物栽培時において、
VA菌根菌の感染並びに増殖を促進し、植物を効率よく
栽培することができる。すなわち、本発明によれば、可
溶性リン酸量が多い培地でも、作物へのVA菌根菌の感
染率を向上させることにより、生長促進などの有用な効
果をより安定して発現することができる。また、本発明
によれば、同じ感染率を達成するためのVA菌根菌胞子
数を低減することができるため、VA菌根菌資材のコス
ト低減に役立つ。さらに、本発明によれば、VA菌根菌
の増殖を促進することにより、VA菌根菌資材の製造効
率を高め、コスト低減に役立つ。従って、本発明によれ
ば、VA菌根菌の感染を促進し(感染率を高め)、VA
菌根菌の増殖を促進させ(増殖率を高め)、その結果、
植物の生長促進,開花促進,着果数や果実数等の増加,
収量増加,耐病性向上,早期収穫などの効果を得ること
ができる。
VA菌根菌の感染並びに増殖を促進し、植物を効率よく
栽培することができる。すなわち、本発明によれば、可
溶性リン酸量が多い培地でも、作物へのVA菌根菌の感
染率を向上させることにより、生長促進などの有用な効
果をより安定して発現することができる。また、本発明
によれば、同じ感染率を達成するためのVA菌根菌胞子
数を低減することができるため、VA菌根菌資材のコス
ト低減に役立つ。さらに、本発明によれば、VA菌根菌
の増殖を促進することにより、VA菌根菌資材の製造効
率を高め、コスト低減に役立つ。従って、本発明によれ
ば、VA菌根菌の感染を促進し(感染率を高め)、VA
菌根菌の増殖を促進させ(増殖率を高め)、その結果、
植物の生長促進,開花促進,着果数や果実数等の増加,
収量増加,耐病性向上,早期収穫などの効果を得ること
ができる。
【0052】なお、本発明の各種態様を示すと以下の通
りである。 (1).植物を栽培するにあたり、VA菌根菌と、サ
ポニン,ケイ酸カルシウム,フェニルプロパノイド
化合物及び草炭加工物よりなる群から選ばれる1種又
は2種以上の物質とを施用することを特徴とする植物の
栽培方法。
りである。 (1).植物を栽培するにあたり、VA菌根菌と、サ
ポニン,ケイ酸カルシウム,フェニルプロパノイド
化合物及び草炭加工物よりなる群から選ばれる1種又
は2種以上の物質とを施用することを特徴とする植物の
栽培方法。
【0053】(2).植物を栽培するにあたり、VA菌
根菌と、サポニン,ケイ酸カルシウム,フェニル
プロパノイド化合物及び草炭加工物よりなる群から選
ばれる1種又は2種以上の物質と、有機酸及び/又は
オーキシン類とを組み合わせて施用することを特徴と
する植物の栽培方法。
根菌と、サポニン,ケイ酸カルシウム,フェニル
プロパノイド化合物及び草炭加工物よりなる群から選
ばれる1種又は2種以上の物質と、有機酸及び/又は
オーキシン類とを組み合わせて施用することを特徴と
する植物の栽培方法。
【0054】(3).フェニルプロパノイド化合物が、
タンニン酸,タンニン,ケイ皮酸,クマリンである前記
(1)記載の植物の栽培方法。
タンニン酸,タンニン,ケイ皮酸,クマリンである前記
(1)記載の植物の栽培方法。
【0055】(4).有機酸が、クエン酸又はクエン酸
塩である前記(2)記載の植物の栽培方法。
塩である前記(2)記載の植物の栽培方法。
【0056】(5).オーキシン類が、インドール酢
酸,インドール酪酸又はナフタレン酢酸である前記
(2)記載の植物の栽培方法。
酸,インドール酪酸又はナフタレン酢酸である前記
(2)記載の植物の栽培方法。
【0057】(6).サポニンの1〜10000ppm
水溶液を施用する前記(1)又は(2)記載の植物の栽
培方法。
水溶液を施用する前記(1)又は(2)記載の植物の栽
培方法。
【0058】(7).フェニルプロパノイド化合物の
0.01〜1,000ppm溶液を施用する前記(1)
又は(2)記載の植物の栽培方法。
0.01〜1,000ppm溶液を施用する前記(1)
又は(2)記載の植物の栽培方法。
【0059】(8).ケイ酸カルシウムを培土に対し
0.001〜50%(w/v)施用する前記(1)又は
(2)記載の植物の栽培方法。
0.001〜50%(w/v)施用する前記(1)又は
(2)記載の植物の栽培方法。
【0060】(9).草炭加工物を培土に対し0.00
1〜50%(w/v)施用する前記(1)又は(2)記
載の植物の栽培方法。
1〜50%(w/v)施用する前記(1)又は(2)記
載の植物の栽培方法。
【0061】(10).有機酸の1〜100000pp
m溶液を施用する前記(2)記載の植物の栽培方法。
m溶液を施用する前記(2)記載の植物の栽培方法。
【0062】(11).オーキシン類の0.1〜1,0
00ppm溶液を施用する前記(2)記載の植物の栽培
方法。
00ppm溶液を施用する前記(2)記載の植物の栽培
方法。
【0063】(12).VA菌根菌が、グロムス属,ギ
ガスポラ属及びスクテロスポラ属のいずれかに属する前
記(1)又は(2)記載の植物の栽培方法。
ガスポラ属及びスクテロスポラ属のいずれかに属する前
記(1)又は(2)記載の植物の栽培方法。
Claims (2)
- 【請求項1】 植物を栽培するにあたり、VA菌根菌
と、サポニン,ケイ酸カルシウム,フェニルプロ
パノイド化合物及び草炭加工物よりなる群から選ばれ
る1種又は2種以上の物質とを施用することを特徴とす
る植物の栽培方法。 - 【請求項2】 植物を栽培するにあたり、VA菌根菌
と、サポニン,ケイ酸カルシウム,フェニルプロ
パノイド化合物及び草炭加工物よりなる群から選ばれ
る1種又は2種以上の物質と、有機酸及び/又はオ
ーキシン類とを組み合わせて施用することを特徴とする
植物の栽培方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6190138A JPH0823963A (ja) | 1994-07-21 | 1994-07-21 | 植物の栽培方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6190138A JPH0823963A (ja) | 1994-07-21 | 1994-07-21 | 植物の栽培方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0823963A true JPH0823963A (ja) | 1996-01-30 |
Family
ID=16253038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6190138A Withdrawn JPH0823963A (ja) | 1994-07-21 | 1994-07-21 | 植物の栽培方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0823963A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007138123A (ja) * | 2005-11-20 | 2007-06-07 | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute | 草炭からの土壌改良材およびこれを用いた植物成長方法 |
NL1036130C (nl) * | 2008-10-29 | 2010-05-03 | Arcadis Nederland B V | Werkwijze en samenstelling voor geschikt maken van landbouw- of natuurgebieden. |
US8679828B2 (en) | 2009-02-26 | 2014-03-25 | Hitachi, Ltd. | Microbial detection apparatus, microbial detection method, and sample container used therein |
US20150040629A1 (en) * | 2011-12-30 | 2015-02-12 | The Energy And Resources Institute (Teri) | Novel Mycorrhizae-based Biofertilizer Compositions & Method for mass production & formulations of Same |
JP2015511590A (ja) * | 2012-03-12 | 2015-04-20 | ビー ヴェクトリング テクノロジー インコーポレイテッドBee Vectoring Technology Inc. | 植物の処理のための、粒子状ケイ酸カルシウムおよびクロノスタキス・ロセア(clonostachysrosea)を含む配合物 |
JP2021098816A (ja) * | 2019-12-23 | 2021-07-01 | 花王株式会社 | 土壌菌叢改善剤 |
JP2022022504A (ja) * | 2020-06-24 | 2022-02-07 | 孝昭 石井 | 菌根菌生長促進活力剤用の複合材、配合資材およびその製造方法、並びにコーティング種子およびその製造方法 |
WO2022102789A1 (ja) * | 2020-11-16 | 2022-05-19 | トヨタ自動車株式会社 | 根粒菌の共生促進剤及び共生促進方法 |
-
1994
- 1994-07-21 JP JP6190138A patent/JPH0823963A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9968099B2 (en) | 2012-03-12 | 2018-05-15 | Bee Vectoring Technology Inc. | Formulation comprising a particulate calcium silicate and clonostachys rosea for treating plants |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011002 |