JP2007138123A - 草炭からの土壌改良材およびこれを用いた植物成長方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境保全のための屋上緑化に適した土壌改良用の吸水性にすぐれた土壌改良材を提供する。
【課題を解決するための手段】 草炭にアクリロニトリルをグラフト重合させた後グラフト重合物を加水分解して親水性基を導入して得られる吸水性材料と、EM菌系、VA菌系、放線菌系、乳酸菌系、酵母菌系、光合成細菌系、根粒菌系、BM菌系からなる群から選ばれる一種又は複数種の菌を基材に添加してなる微生物資材とを草炭に混合した土壌改良材。
【効果】 吸水性材料および微生物資材を夫々所定の割合で吸水性材料の出発原料である草炭と混合することにより土壌に対して高度でかつ均一な水分を保持しかつ植物に対して優れた成長促進効果を示す吸水性材料が得られる。

Description

本発明は、草炭にアクリロニトリルをグラフト重合させた後、加水分解して製造した吸水性材料と微生物資材とを草炭に混合してなる土壌改良材およびかゝる土壌改良材を用いた植物成長方法に関する。
吸水性材料には多くのものが知られている。例えば、パルプや綿布などの天然繊維、また、デンプン、ゼラチンあるいはウレタンスポンジなどがある。しかし、これらの吸水能力は自重と同じか多くても数十倍程度であり、しかも外力を加えるとその水は容易に押し出されてしまう。これらに替わる材料として、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリエチレングリコール等を橋かけした吸水性高分子が開発され、園芸用や増粘剤などに使用されているが、その吸水力は大きいものではない。これに対して、自重の数百倍以上の水を吸収する高吸水性材料が開発され市場を伸ばしている。原料別にはデンプン系、セルロース系、アクリル系に大別され、紙おむつや生理用品などに使用されているが、それらは石油化学製品で天然土壌や砂等に馴染まず植物の生育に必ずしも良好な結果を出していない。
一方、草炭はヨシ、アシ、スゲなどのイネ科の植物が分解不完全な状態で堆積したもので、北海道を中心に国内5億トンの埋蔵量があると言われている。露天掘りのため、消費者価格は1kg当たり40円以下と安価である。しかし、草炭は、生成した気候や植物種の違いにより、構造や成分の含有量に違いが見られるため、工業的に広く利用する事が難しく、一部が園芸用土として使用されているのみで有効に利用されているとは言い難い。そこで、草炭よりアルカリ抽出して得たフミン酸を原料としてアクリロニトリルをグラフト重合させた後、加水分解して吸水性材料を製造する方法[特許3612659]や、草炭に直接アクリロニトリルをグラフト重合させた後、加水分解して吸水性材料を製造する方法[特開2003−82041]が提案されている。一方、土壌改良用の微生物資材には種々の市販品が開発されており、たとえば、特開平8−23963号にはVA菌根菌の可溶性リン酸による作用阻害を防止するためにサポニン、ケイ酸カルシウム又は草炭加工物等と併用する植物の栽培方法が記載されている。しかし、微生物資材を前記草炭のグラフト化・加水分解物からなる土壌改良材に組合せて用いることは知られていない。すなわち各種の微生物資材が存在するにも関わらず、草炭を原料とした吸水性材料を微生物資材と共に草炭に混合して土壌を改良し植物の成長を促進させることについての報告はない。
特許3612659 特開2003−82041 特開平8−23963
地球環境保全の面より砂漠の緑化や都市ビル屋上緑化が推進されており、砂や土壌に混合する物質として吸水性材料が注目されている。価格が安く軽量の草炭はその候補の一つであるが、吸水能力の点で化学合成された吸水性高分子に比べて劣るとされている。そこで本発明者等は、草炭から作製した吸水性材料を草炭に混合し保水性を向上させた軽量の土壌改良材とし、さらにこれに対してバーク(樹皮)に人為的に菌を添加して作製した微生物資材を混合することにより従来よりも植物の成長を促進することのできる屋上緑化用土壌改良材の発明を完成した。
本発明は、草炭にアクリロニトリルをグラフト重合させた後、加水分解してつくった吸水性材料とバーク(樹皮)に人為的に菌を添加して製造される微生物資材を夫々所定の混合比で草炭に混合した軽量の土壌改良材を提供する。
本発明は草炭にアクリロニトリルをグラフト重合させた後グラフト重合物を加水分解して親水性基を導入して得られる吸水性材料と、EM菌系、VA菌系、放線菌系、乳酸菌系、酵母菌系、光合成細菌系、根粒菌系、BM菌系からなる群から選ばれる一種又は複数種の菌を基材に添加してなる微生物資材とを草炭に混合した土壌改良材に関する。
前記草炭のグラフ化・加水分解物である吸水性材料はこれを対象とする植物の生育する土壌にそのまま混合して用いることもできるが、この目的における吸水性材料は数%、場合によっては0.5%程度でも以下でも有効な植物の成長促進効果を示す。この場合このような微量の吸水性材料を施用サイトで土壌と均一に混合することは困難であり、何等かの希釈材(増量材)と混合し増量して施用することが必要である。この場合吸水性材料をその出発原料としての同種の天然材料である草炭自体を増量材として用いてこれと混合することが、増量材とのなじみなどの点からもっとも好ましい。すなわち本発明においては吸水性材料をその出発原料である草炭と混合する。
草炭に対する吸水性材料の混合比は植物の種類、吸水性材料施用条件にもよるが吸水性材料の吸水倍率が極めて高いことから、これを草炭に混合して土壌に施す場合、土壌全体を基準として重量基準で2.5%以下である。2.5%を越えても植物の成長促進や収量の増加効果はそれほど増大せず、場合によってはむしろ低下する傾向を示す。これは特に発芽時の植物の場合に顕著である。これは吸水性材料の吸水倍率が100倍以上と極めて高いために周辺の土壌中の水分を植物との間で取合うことによるものと考えられる。また吸水性材料は製造原価の高い材料であり必要以上の含有量とすることは経済的に市場での製品の競争力を低下させることになる。
一方、吸水性材料の前記の高い吸水性のため草炭に対する混合比率を相当低濃度としても有意な効果が得られ、少なくとも約0.5%の混合比でも前記2.5%配合時に相当し、もしくはそれを上まわる生育促進効果が認められる。本発明の土壌改良材は施用に際して天然もしくは人工の栽培土に混入して用いたり又は後述する緑化シートもしくはポット栽培の場合のようにそれ自体で用いられるが、土壌改良材が単独に用いられることを考慮すると吸水性材料/土壌改良材の混合比を乾燥重量%として前記範囲内の0.5〜2.5%とした配合品とすることが好ましい。
前記草炭と吸水性材料の混合物は草炭に比較して著しく高い吸水性および植物生育効果を示すが、本発明においてはこれに対してさらに微生物資材を混合することによりその効果が相乗的に向上する。
微生物資材には主に以下の3種類が市販品として使用されており、いずれのものも草炭から作製した吸水性材料と組み合わせた場合に相乗効果により、その土壌において植物の成長を大きく促進する。▲1▼バーク(樹皮)等の資材に人為的に微生物(EM菌系、VA菌系、放線菌系、乳酸菌系、酵母菌系、光合成細菌系、根粒菌系、BM菌系等)や他の添加物を加えて発酵させたもの、▲2▼バーク(樹皮)等の資材に人為的に上記微生物や他の添加物を加えただけで発酵させてないもの、▲3▼培養した微生物を粉体や液体の状態にしたものである。
本発明における市販の微生物資材の微生物は、水分を保つ菌、窒素を固定する菌、リグニンやセルロースの分解効率を高める菌を、バーク(樹皮)等の資材に人為的に加えて発酵させたものである。
微生物資材はその使用によって植物の生育を著しく促進するが、本発明においては吸水性材料/草炭に微生物資材を配合することにより吸水性材料/草炭を単独で用いる場合よりも成長を著しく増大させる。これは本発明の吸水性材料/草炭の主要成分である吸水性材料による効果と思われれるが、この場合同程度の吸水性の市販の吸水性材料に草炭を組合せた場合に比較して成長の伸びが著しい。この理由は必ずしも明らかでないが、草炭由来の本発明の土壌改良材が微生物の増殖に必要な水分や栄養分の保持および菌体固定等の点で微生物に好ましい繁殖サイトを提供することによるものと推測される。
本発明のおける微生物資材の草炭に対する混合比は植物の種類、菌種および組成によっても異なるが、少なくとも資材の形態として容量比で1%以上であれば目的とする実用的な効果が得られる。微生物資材の混合比を大きくするほどその効果は増大するが、資材のコストの点で通常個々の資材について定められている使用量の範囲内を上限として用いれば良い。
上述したように、本発明によれば、草炭にアクリロニトリルをグラフト重合させた後、加水分解して得た吸水性材料と微生物資材とを草炭に混合した土壌改良材は、砂や土壌への分散性が極めて良好であると共に、土壌に配合した際、草炭、草炭由来のグラフト化/加水分解物および微生物資材の組み合わせによる相乗効果により植物の成長を飛躍的に促進し、砂漠緑化、ビル屋上緑化を始めとする分野に有効に利用することができる。特に原料となる草炭は世界的にも、日本国内にも大量に産出する安価な未利用天然資源であり、そこから作製された吸水性材料も化学的に極めて安全なものである。よって、本発明は、地球環境保全を始めとする多くの用途に利用できる土壌改良材を安価に提供できる経済効果の大きい工業プロセスである。またビル屋上に敷設可能なシート状製品形態にもなり、緑化事業関連の業界での活用を目指している。
本発明は、最初に、未利用天然資源として国内に大量に存在する草炭に、アクリロニトリルをグラフト重合させた後、加水分解して吸水性材料を製造することから始まる。
草炭は主に寒冷地域に広く分布し、土壌や堆土等として存在している。その元素組成は、炭素が35〜50%、水素が3〜6%、窒素が1〜3%で、残りのほとんどは酸素である。また、乾燥時の比重は0.3程度である。
草炭に高吸水性の機能を付与するには、以下の条件を必要とする。▲1▼グラフト重合により高分子量化する。▲2▼カルボキシル基などの親水性基を多量に導入して、高分子電解質化する。▲3▼橋かけ反応を生起させて三次元構造化させる。
本明細書における草炭に対するグラフト重合には、アクリロニトリルを触媒存在下で使用することが好ましい。他にも、アクリル酸、アクリルアミド、アクリル酸ナトリウムなどが考えられる。しかし、反応のコントロールや単独重合物の除去の容易さなどを考慮して、アクリロニトリルが最適である。さらに、グラフト重合物に導入されたシアノ基を水酸化ナトリウム水溶液で加水分解してさらに多くのカルボキシル基を生成させることができる。草炭の構造は複雑であり、無機物も混入している。そのためグラフトの結合点は不明である。また、アクリロニトリルグラフト重合体には、グラフト時および加水分解時に次のような橋かけ反応が生起している。▲1▼グラフト重合体間のラジカルカップリング。▲2▼アクリロニトリル単独重合体の橋かけ剤としての作用。以上のような分子構造が形成されると、三次元網目構造の高分子は、イオン間の反発によって分子が拡大する力と、橋かけ構造で固められていることによる分子拡大を抑制する力とが拮抗し合って、全体として高い吸水能が発現するものと考察される。
本明細書における吸水性とは、吸水性材料および吸水材が純水中で平衡に達した時の重量増加である。すなわち、ティーバッグのような形をしたナイロン製バッグに試料を封入して、純水中に浸漬し、所定時間後に引き上げて、増加したゲル重量を測定する方法(ティーバッグ法)を採用し、試料1g当たりの吸着水量を吸水倍率として表している。他にも、ゲルの力学的性質の変化を測定する方法がある[例えば、増田房義、高吸水性ポリマー、共立出版(1987)参照]。
本発明において用いられる反応装置は、いずれのプロセスにおいても、通常のガラス器具や混合機で十分である。グラフト重合、加水分解反応のいずれも無用の酸化を避けるため窒素気流中で実行し、生成物の分離には遠心分離器の利用または減圧ろ過等を行った後、風乾やデシケーター内での所定時間以上の減圧乾燥を行うこともできる。得られた吸水性材料は、赤外線吸収(IR)スペクトル装置(島津製作所IR−420)および元素分析装置(柳本製作所CHNコーダーMT−5、ハロゲン・硫黄分析装置YS−10)により分子構造の解析を行うこともできる。
草炭から合成された吸水性材料と市販の微生物資材を草炭に混合するには、V型タンブラーで所定時間回転混合して土壌改良材とすることができる。さらに、使用直前に他の添加物、例えばパーライト、バーミキュライトや他の土壌等を配合する際には、少量であれば透明のビニール製袋でも十分である。
本発明において用いた草炭は、北海道・石狩産である。アクリロニトリルを、草炭に対してグラフト重合させる際は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)水溶液(1:1)を反応溶媒とし、5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液および硝酸ニアンモニウムセリウムの硝酸水溶液(CAN)を触媒として使用すると良好に反応が進行する。重合の停止には、ヒドロキノンのメタノール溶液の使用が好ましい。得られたグラフト重合物はメタノール水溶液洗浄の後、所定時間以上減圧乾燥や風乾を行うこともできる。
本発明において得られたグラフト重合物を加水分解する際は、0.7規定程度の水酸化ナトリウム水溶液が好ましく、反応温度は80℃以上、反応時間は3時間以上が好ましい。
上記の製造方法により得られた改質物は、吸水倍率が100以上を示し、市販品に十分対抗できる吸水性材料である。使用した草炭の吸水倍率は1〜2程度であり、そのグラフト重合体の吸水倍率も3〜5程度であることから、加水分解の効果が吸水倍率に対して極めて大きいことが特徴である。
本発明による吸水性材料を、そのまま一般土壌に混合して使用する方法もあるが、経済性および取扱の容易さから、最初の原料である草炭に混合して土壌改良材としての吸水材を製造しておくのが好ましい。吸水性材料の草炭への混合比率上限は10%程度で、使用される目的、環境、植栽する植物の種類等により、適宜変えることができる。その際、混合比率の再現性を確保するために、吸水性材料および草炭はできるだけ乾燥状態が好ましい。しかし、経済性および作業の容易さから、含水率が明らかなものを容積割合で混合して使用することもできる。さらに、土壌改良材として使用する際には吸水性材料や他の添加物が混合された吸水材の配合比率は使用される環境、植栽する植物の種類等により、適宜変えることが好ましい。
本発明による吸水材は、未利用天然資源である草炭の有効利用と同時に、地球環境保全の面から砂漠緑化や都市ビル屋上緑化の土壌改良材に応用することができる。すなわち、砂漠地帯の砂や都市ビル屋上緑化のための土壌に一定割合で本発明による吸水材を配合し、植栽を進めていく道が開けるものである。砂漠地は降雨量が少ないだけでなく、砂地のため雨が地中深く浸透していくため樹木が育たないと言われている。また、都市ビル屋上は強風や高温のため土壌が乾燥しやすく、砂漠と共通の条件を有している。その点から、保水性の高い本発明による吸水材は乾燥しやすい地表面に配合して利用するのに最適である。さらに、本発明品は草炭という天然土壌を出発原料としていることから、他の化学製品と比較して地表面に長く残留しても安全性が高く、また一般土壌や砂地への分散性が極めて良好である。
また各種土壌に配合した後シート状製品にしてビル屋上等に設置することが出来るものである。
本発明における植種としては、ビル屋上緑化に一般的に使用する植物を対象とすることが可能である。しかし、軽量化を図るため土壌の厚みが制限されることを考慮すると、高木よりも野菜や地衣類が適している。
以下、発明の実施形態を実施例にもとづき説明する。
北海道産草炭(水分:30%、灰分:35%)をデシケーター内で100時間以上減圧乾燥させその20gを、3Lのガラス製四口フラスコ中に入れ、DMF水溶液(1:1)160mlに分散し、窒素流通下、5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液200ml、およびCAN200mlをそれぞれ滴下した後、アクリロニトリルを200ml滴下して、反応温度を70℃に保ち8時間反応させた。反応の停止は、ヒドロキノン1.4gをメタノール250mlに溶解した重合禁止剤を加え90℃、10分間行った。純水およびメタノールで分離・洗浄を3回繰り返し、ろ過物をDMFに2時間以上含浸させてアクリロニトリル単独重合物を溶解除去した。吸引ろ過およびメタノール洗浄の後、減圧乾燥を100時間以上行い140g以上のグラフト草炭を得た。
2L四口フラスコに、前記グラフト草炭30gと0.7規定水酸化ナトリウム水溶液250mlを入れ、80℃にて3時間、加水分解反応を行った。反応物を3Lのプラスチック製パレットに純水で洗い出し、35℃で500時間以上乾燥後、粉砕して目的とする加水分解物を34g以上得た。
得られた北海道産草炭からの吸水性材料3〜15gを、北海道産草炭(含水率30%、灰分35%)の乾燥重量297〜285gに混合して、乾燥ベースで1〜5%混合の土壌改良材としての吸水材を作製した(吸水性材料/草炭≒1〜5wt%)。
前記草炭からの吸水材1000ml当たり2%の微生物資材(ピース産業(株)製、ピースソイル:商品名)をV型タンブラーで20分間混合し、土壌改良材としての微生物資材入り吸水材を作製した。使用した微生物資材(商品名ピースソイル:ピース産業株式会社製)は、水分を保つ菌、窒素を固定する菌(アグロチスハルトリス)、リグニンやセルロースの分解効率を高める菌等の微生物を、バーク(樹皮)等の資材に人為的に加えて発酵させたものである。
植物栽培に前記土壌改良材を使用する際には、内容積5Lのビニール製透明袋に、前記土壌改良材1000ml、パーライト(宇部興産(株)製)500ml、バーミキュライト(巴化学工業(株)製)500mlを入れ、シェークして十分混合して栽培用土壌を作製した(吸水性材料/栽培用土壌 ≒0.5〜2.5wt%)。
4階建てビル屋上において、前記栽培用土壌を3Lのプラスチック製プランターに入れ、小松菜または西洋芝の種子を20個播種して、31日後の地上部重量(収穫量)、および地上部長さ(伸長)を測定した。
比較のため、草炭から作製した吸水性材料の替わりに、市販の土壌改質用高吸水性材料を使用して、同様のプロセスで作製した土壌(および草炭のみをパーライト、バーミキュライトに混合した土壌)を用いて屋上栽培を行い、小松菜または西洋芝の地上部重量(収穫量)、地上部長さ(伸長)を測定した。
その結果、図1に示すように小松菜の収穫量は、土壌への吸水性材料のみの配合により30%以上増加する。また、吸水性材料とピースソイルの両者が配合されると、ピースソイルのみを配合した場合に比べその相乗効果によりさらに14〜36%収穫量が増加する。特に草炭から作製した吸水性材料の配合は、同程度の吸水性を有する市販のポリアクリル酸系の吸水性材料を配合した場合よりも効果が大きいことが明らかになった。図1は栽培土壌に対し、市販の吸水性材料、草炭を改質して作製した吸水性材料と徴生物資材であるピースソイル、それぞれの配合の有無と小松菜の収穫量(相対値)の関係である。草炭の中に吸水性材料およびピースソイルが混合されておらず、草炭のみを土壌改良材とした場合を1.00としている。同様に地上部伸長も図2に示すように、草炭から作製した吸水性材料とピースソイルの組み合わせ配合による相乗効果の大きいことが明らかである。西洋芝についても同様の結果が得られた。図2は栽培土壌に対し、市販の前記吸水性材料、草炭を改質して作製した吸水性材料および微生物資材であるピースソイルそれぞれの配合の有無と小松菜の地上部伸長(相対値)の関係である。草炭の中に吸水性材料およびピースソイルが混合されておらず、草炭のみを土壌改良材とした場合を1.00としている。
前記栽培用土壌をプランターに入れて使用する一方、種子を仕込んだシート状製品を作製し屋上等に敷設して使用することも出来る。前記栽培土壌10Lに対し西洋芝の種子約250個(0.5g)、エチレン酢酸ビニル系接着剤7%、水5%を混合し、木型枠(30×30×10cm)内に入れ、室温で10分間、150kg/cm2の初圧でプレス成形してビル屋上に敷設可能な緑化シートを作製することが出来た。
は小松菜の収穫量に対する本発明の土壌改良材の効果を、草炭を混合した土壌のみの場合、草炭に吸水性材料を加えた土壌および市販の吸水性材料を加えた土壌の夫々の場合と比較して示す図である。 は小松菜の地上部伸長に対する本発明の土壌改良材の効果を、草炭のみを混合した土壌、草炭に吸水性材料を加えた土壌および市販の吸水性材料を加えた場合と比較して示す図である。

Claims (5)

  1. 草炭にアクリロニトリルをグラフト重合させた後グラフト重合物を加水分解して親水性基を導入して得られる吸水性材料と、EM菌系、VA菌系、放線菌系、乳酸菌系、酵母菌系、光合成細菌系、根粒菌系、BM菌系からなる群から選ばれる一種又は複数種の菌を基材に添加してなる微生物資材とを草炭に混合した土壌改良材。
  2. 前記吸水性材料の草炭に対する混合比が乾燥重量比で0.5−2.5%である請求項1記載の土壌改良材。
  3. 前記微生物資材の土壌改良材に対する混合比が容量割合で1.0〜2.0%である請求項1記載の土壌改良材。
  4. 草炭にアクリロニトリルをグラフト重合させた後グラフト重合物を加水分解して親水性基を導入して得られる吸水性材料と、EM菌系、VA菌系、放線菌系、乳酸菌系、酵母菌系、光合成細菌系、根粒菌系、BM菌系からなる群から選ばれる一種又は複数種の菌を基材に添加してなる微生物資材とを草炭に混合した土壌改良材を施用対象の土壌全体に対して前記吸水性材料が0.5〜2.5重量%、前記微生物資材が0.5〜1.0%となるような割合にして施用する植物成長方法。
  5. 請求項1ないし請求項4の土壌改良材を使用して作製した緑化シート。
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