JPH05176636A - Va菌根菌の増殖方法 - Google Patents

Va菌根菌の増殖方法

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JPH05176636A
JPH05176636A JP21934591A JP21934591A JPH05176636A JP H05176636 A JPH05176636 A JP H05176636A JP 21934591 A JP21934591 A JP 21934591A JP 21934591 A JP21934591 A JP 21934591A JP H05176636 A JPH05176636 A JP H05176636A
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mycorrhizal
soil
plant
spores
bacteria
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Masakazu Sakai
昌和 坂井
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ギガスポラ属,スクテリスポラ属などに属す
るVA菌根菌を感染させた植物を、加熱処理した赤玉土
を基材として栽培し、増殖させてVA菌根菌の胞子を回
収するとともに、VA菌根菌を感染させた植物を新たな
加熱処理した赤玉土に移植して繰り返し胞子形成させ
る。 【効果】 本発明の方法では、焼成赤玉土を用いること
によって、土着のVA菌根菌,病原菌等の混入を防ぐこ
とができ、純粋に種菌として用いたVA菌根菌、特にギ
ガスポラ(Gigaspora )属やスクテリスポラ(Scutelli
spora )属に属するVA菌根菌を増殖することができ
る。また、本発明の方法によれば、取扱が容易で、胞子
密度の高いVA菌根菌製剤を安価に作成、増殖すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業や園芸等の分野で
有用なVA菌根菌の増殖方法に関し、詳しくは短期間に
VA菌根菌を増殖させ、取扱いが容易で、胞子密度の高
いVA菌根菌製剤を効率的に得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】VA菌
根菌(Vesicular Arbuscular Mycorrhiza)の有用性は古
くから知られている(小川 眞著:VA菌根とその働
き,森林立地,第30(2)巻,第57〜65頁,19
88年.小林紀彦著:VA菌根菌と土壌病害への利用,
植物防疫,第42巻,第259〜266頁,1988
年.など)。しかしながら、商業的に使えるようなVA
菌根菌、特にギガスポラ( Gigaspora) 属、或いはスク
テリスポラ( Scutellispora)属に属するVA菌根菌は
これまで製造されていない。
【0003】これは、VA菌根菌、特にギガスポラ( G
igaspora) 属、或いはスクテリスポラ( Scutellispor
a)属に属するVA菌根菌の大量培養が非常に難しく、
また培養操作が煩雑であり、コストがかかることが主な
原因とされている。そこでVA菌根菌を商業的に使える
ようにするために、培養操作が簡単で、かつ、安価に大
量生産できる方法が望まれている。
【0004】このため、VA菌根菌を増やす方法とし
て、幾つかの提案がされている。例えば、休耕地の土か
らVA菌根菌を採取したり、或いは休耕地の土にVA菌
根菌を接種し、適当な宿主植物をその土で栽培すること
によってVA菌根菌を増殖させる土耕法が知られてい
る。しかしながら、この土耕法は、VA菌根菌胞子を分
離する操作が必要であり、また、生の土を使用すると、
土着のVA菌根菌や病原菌の混入を招くおそれがあっ
た。これは、土を化学薬剤や蒸気などで殺菌することに
より回避することができるが、その手間が別途必要とな
る。また、残留薬剤によるVA菌根菌の生育阻害という
新たな問題点を生ずる。
【0005】なお、この土耕法において、土壌中からV
A菌根菌胞子を大量に分離する方法としては、土壌を篩
で分別した後、比重差を利用して分離する方法(鈴木達
彦著:VA菌根に関する諸問題5,農業および園芸,第
62巻,第3号,第28〜33頁,1987年)や、遠
心分離による方法(特開昭63−309178号公報)
などが提案されているが、非常に煩雑な操作が必要であ
り、商業規模での生産を困難なものとしている。
【0006】また、VA菌根菌を増やす方法として、多
孔質で植物の根が分配されるようになる材料を用いて行
なう栄養薄膜培養法が提案されている(特開昭55−1
18390号公報)が、これを接種源として用いた場合
には、根の乾燥によって感染性が低下するという問題が
あった。
【0007】さらに、毛状根を使ってVA菌根菌をイン
ビトロで培養する方法が提案されている(特公昭62−
49047号公報,特開平3−83522号公報な
ど)。この方法は、無菌的な方法であるので、病原菌等
の混入は防ぐことはできるものの、操作が非常に煩雑に
なるという欠点がある。
【0008】また、パ−ライト,バ−ミキュライト,粘
土などの多孔質体を、植物及びVA菌根菌の増殖培地と
して使用し、この多孔質体の上でVA菌根菌を増殖させ
る方法( Methods and Principles of Mycorrhizal Res
earch, N.C.Schenck編, TheAmerican Phytopathologica
l Society. p 61,1982年 )や、植物として、
麦,コショウ,トウモロコシ,モロコシ,ネギ,アルフ
ァルファ,ピ−ナツなどを用い、バ−ミキュライト,ピ
−ト,パ−ライト,ピュミス等の担体上で栽培してVA
菌根菌を増殖させる方法(VA Mycorrhiza Conway Ll,
Powell D.JosephBagyaraj,CRC Press, p 190,19
84年) などが知られている。しかしながら、これらの
方法によって、ギガスポラ(Gigaspora)属、或いはスク
テリスポラ(Scutellispora )属に属するVA菌根菌を
高密度で増殖させた例は示されていない。
【0009】さらに、炭を担体として用いる方法(小川
眞著、「VA菌根−植物とカビの共生、化学と生物」、
第23巻、第2号、103〜111頁,特開平3−10
3124号公報)や、多孔質両イオン交換体を培養のた
めの担体として用いる方法(特開昭63−87973号
公報)などが提案されているが、いずれもVA菌根菌胞
子形成のために植物を枯らしたり、その都度植物を最初
から栽培してVA菌根菌を増やすという煩雑な作業が必
要であった。
【0010】また、VA菌根菌の胞子形成を誘導する方
法としても、幾つか提案されており、例えば植物を日長
調節することにより、強制開花させ、胞子形成を誘導す
る方法(特開平2−227068号公報)や、水切りな
どを行なって強制的に植物を枯らすことにより、胞子形
成を誘導する方法などが知られているが、いずれも胞子
形成させる度に植物を捨てなければならず、連続的に胞
子形成させることが難しい。
【0011】本発明者は、このような従来の問題点を解
消すべく鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに、基材
として加熱処理した赤玉土を用いることにより、上記問
題点をすべて解消することができることを見出し、この
知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、VA
菌根菌を感染させた植物を、加熱処理した赤玉土(焼成
赤玉土)を基材として栽培することを特徴とするVA菌
根菌の増殖方法を提供するものである。
【0013】VA菌根菌は土壌中に存在する接合菌の一
種であり、その菌糸が様々な植物の根について菌根を形
成し、両者が共生することが知られている。本発明にお
いて用いるVA菌根菌としては、種々のものがあり、例
えばギガスポラ (Gigaspora )属, アカウロスポラ( Ac
aulospora )属, エントロフォスポラ( Entrophospora
)属, スクレロシスティス( Sclerocystis ) 属, スク
テリスポラ( Scutellispora )属, グロムス( Glomus
) 属などに属する微生物がある。これらのVA菌根菌
のなかでも、従来、高密度で増殖させることが困難であ
ったギガスポラ( Gigaspora )属やスクテリスポラ( S
cutellispora )属などに属するVA菌根菌が好適であ
る。
【0014】より具体的には、例えばギガスポラ・マル
ガリタ( Gigaspora margarita),スクテリスポラ・グ
レガリア( Scutellispora gregaria )が挙げられ、そ
の他に、アカウロスポラ・ラエビス( Acaulospora lae
vis ),エントロフォスポラ・インフレケンス( Entroph
ospora infrequens ) , スクレロシスティス・ダッシ
( Sclerocystis dussi ),グロムス・モセアエ( Glomu
s mosseae ) ,グロムス・エツニカタス( Glomus etuni
catus )などを挙げることができる。
【0015】これらVA菌根菌は、天然界から集める
(鈴木達彦著,VA菌根に関する諸問題5,農業および
園芸,第62巻,第3号,p28〜33,1987年)
ほか、栄養薄膜培養法(特開昭55−118390号公
報)や器官培養した根を使用する方法(特公昭62−4
9037号公報)等により増殖させたものを用いること
ができる。
【0016】また、VA菌根菌を感染させる植物、すな
わちVA菌根菌の宿主植物としては、VA菌根菌が感染
する植物であれば特に限定されないが、例えば、コウラ
イシバ,ベントグラス,スダングラス,トウモロコシ,
モロコシ等のイネ科植物、ダイズ,アルファルファ,白
クロ−バ−,赤クロ−バ−等のマメ科植物、シソ等のシ
ソ科植物、マリ−ゴ−ルド等のキク科植物などが挙げら
れる。
【0017】さらに、植物にVA菌根菌を感染させる場
合に用いる基材としては、植物が成育する基材ならば特
に制限はないが、土着の雑菌の混入防止という観点か
ら、滅菌処理(焼成処理も含む)した基材が好ましく、
例えば滅菌土壌,バ−ミキュライト,滅菌赤玉土,焼成
赤玉土(後述するものと同様のもの)等を好適に用いる
ことができる。
【0018】さらに、VA菌根菌を植物に感染させる方
法には特に限定はないが、播種,育苗苗,挿し芽,挿し
木,接ぎ木,球根,植物組織など、さまざまな態様で行
なえば良い。
【0019】VA菌根菌の宿主植物への接種方法につい
て述べると、施用時期としては宿主植物の発根前後のい
ずれであってもよいが、特に種まきや挿し芽の前処理
時、種まきや挿し芽と同時、或いは苗の移植時などが好
ましい。また、施用方法としては用土と混合したり、種
子や芽の下層に層状に施用したり、或いは定植時の植え
穴の中に施用したりすることが好ましい。
【0020】VA菌根菌の宿主植物への感染方法は、既
知の方法により行なえばよく、例えば、温度は5〜60
℃、好ましくは15〜45℃、土壌のpHは3〜9.
5、好ましくは4〜8の条件で行われる。
【0021】宿主植物の発根と共に、VA菌根菌の感染
が成立する。本発明の方法は、このようにしてVA菌根
菌を感染させた植物を、加熱処理した赤玉土、すなわち
焼成赤玉土を基材として栽培する点に特徴がある。すな
わち、宿主植物であるVA菌根菌感染植物を、焼成赤玉
土を基材とする培地に植え替え、VA菌根菌を増殖させ
ると共に、VA菌根菌感染植物を充分に生育させる。
【0022】ここで用いる焼成赤玉土としては、市販さ
れているものでよい。焼成赤玉土の粒径は特に制限はな
いが、小粒(粒径2〜4mm)のものが好ましい。ま
た、加熱処理の程度としては、100℃以上、好ましく
は200〜800℃の温度で加熱加工されているものが
よい。
【0023】VA菌根菌感染植物に肥料等を与えて、栄
養生長を維持しながら、胞子形成を誘導する。このよう
にして植物は栄養生長を続けながらも、VA菌根菌は胞
子を形成し始める。本発明の方法では、焼成赤玉土をV
A菌根菌増殖基材として用いているため、胞子の形成の
際に、植物に、強い肥切れの症状を誘導することができ
る。これが原因となって、胞子形成を促進することがで
きる。つまり、焼成赤玉土をVA菌根菌増殖基材として
用いることによって、強いストレスを植物にかけること
ができ、そのため植物の栄養生長を維持しながらでも、
胞子形成に至らしめることができる。
【0024】なお、植物を旺盛に生育させるために肥料
を与えるが、肥料は調製したものであってもよいし、或
いは市販のものであってもよい。また、固形肥料であっ
てもよいが、施肥を調節しやすいように、液体肥料(液
肥)与えることが望ましい。また、肥料中に含まれるリ
ンの濃度は高すぎないようにすることが望ましく、好ま
しくは300ppm以下とする。
【0025】胞子密度が充分に上がったところで、焼成
赤玉土を回収してVA菌根菌製剤を得、必要に応じて乾
燥して製品化する。なお乾燥は、胞子や菌糸がダメージ
を受けない程度の温度、例えば70℃以下、好ましくは
20〜50℃の温度で行なえば良い。
【0026】本発明の方法では、このようにして、充分
な量のVA菌根菌の胞子を回収しうると共に、VA菌根
菌感染植物を別の新たな焼成赤玉土に移植することによ
り、再度VA菌根菌の胞子形成を誘導することができ
る。また、所望しない土着のVA菌根菌や病原菌の混入
を防止することができる。
【0027】すなわち、新たな焼成赤玉土に移植された
VA菌根菌感染植物に、上記と同様にして、肥料等を与
えて、栄養生長を維持しながら、胞子形成を誘導し、胞
子密度が充分に上がったところで、焼成赤玉土を回収
し、乾燥して製品化するとともに、VA菌根菌感染植物
を分離し、これを再度別の新たな焼成赤玉土に移植する
ことにより、1本のVA菌根菌感染苗から繰り返し、複
数回にわたり、充分な量のVA菌根菌の胞子を得ること
が可能となる。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例により、さらに詳しく説
明する。
【0029】実施例1および比較例1 150ミリリットル(ml)容のビニ−ルポットに、8
00℃で焼成した赤玉土(粒径1〜4mm)(実施例
1)、或いはバーミキュライト(粒径2〜4mm)(比
較例1)を基材として充填した後、種菌として、休耕地
より採取したギガスポラ・マルガリタ( Gigaspora mar
garita)の胞子50個を接種し、白クロ−バ−の種子を
蒔いて、VA菌根菌感染苗を作成した。この苗を3週間
にわたり、25〜30℃で栽培した後、1/10000
アールワグネルポットに、上記と同様に、800℃で焼
成した赤玉土(粒径1〜4mm)(実施例1)、或いは
バーミキュライト(粒径2〜4mm)(比較例1)を基
材として1.5リットル充填し、そこに感染苗を移植し
た。そして、下記に示す液肥を与えながら、25〜30
℃で7週間栽培した後、基材を回収し、VA菌根菌製剤
を得た。この胞子数を測定するため、湿式篩別法、即
ち、目開き1.5mmの篩を用いて粒径大の部分を除
き、次いで目開き173μmの篩を用いて、粒径小の部
分を除き、中間粒径部分を得るという方法で胞子を回収
した。なお、実施例1および比較例1ともに、人為的日
長調節などの特別胞子形成処理は行なわなかった。その
結果、バーミキュライトを基材として用いた比較例1の
場合は、胞子数は5480(個/ポット)であった。一
方、焼成赤玉土を基材として用いた実施例1の場合は、
胞子数は18375(個/ポット)と極めて多く、しか
も種菌として用いたギガスポラ・マルガリタ( Gigaspo
ra margarita)以外のVA菌根菌胞子は存在しなかっ
た。
【0030】なお、液肥としては、次の(1)に示す微
量金属栄養素液と、(2)に示す栄養液肥を用い、
(1)の微量金属栄養素液を100倍に希釈し、この希
釈液1リットル当り、(2)の栄養液肥を10g混合
し、さらに硫酸マグネシウム・7水塩を0.25g加え
て調製した。 (1)微量金属栄養素液の組成 Fe・EDTA 0.12 g H2BO3 2.86 g MnCl2 ・4H2O 0.18 g ZnSO4 ・7H20 0.22 g CuSO4 ・5H20 0.08 g Na2Mo04 ・2H20 0.027g CoSO4 ・6H20 0.053g CaCl2 1.0 g Al2 (SO4)3 0.10 g KI 0.10 g KBr 0.10 g H20 10 リットル (2)栄養液肥の組成 普通液肥(N:P:K=15:6:6)
【0031】実施例2 実施例1において、焼成した赤玉土を用いる代わりに、
バーミキュライトを用いてVA菌根菌を作成したこと以
外は、実施例1と同様にして行なった。その結果、胞子
数は16000個/ポットであり、しかも種菌として用
いたギガスポラ・マルガリタ( Gigaspora margarita)
以外のVA菌根菌胞子は存在しなかった。
【0032】実施例3および比較例2 (1)VA菌根菌の増殖 150ミリリットル(ml)容のビニールポットに、基
材として、250℃で焼成した赤玉土(粒径3〜6m
m)(実施例3)、或いは天然乾燥赤玉土(粒径3〜5
mm)(比較例2)を充填し、種菌として、休耕地より
採取したスクテリスポラ・グレガリア( Scutellispora
gregaria )の胞子50個を接種した後、スダングラス
の種子を蒔いた。また、土着のVA菌根菌の有無を調べ
るために、スクテリスポラ・グレガリア無接種区も設け
た。このスダングラスの苗を3週間にわたり、25〜3
0℃で栽培して感染苗を作成した後、1/10000ア
ールワグネルポットに、上記と同様に、250℃で焼成
した赤玉土(粒径3〜6mm)(実施例3)、或いは天
然乾燥赤玉土(粒径3〜5mm)(比較例2)を基材と
して1.5リットル充填し、そこに感染苗を移植した。
そして、前記に示す液肥を与えながら、25〜30℃で
7週間栽培した後、基材を回収し、実施例1と同様にし
て湿式篩別法で胞子を回収した。なお、実施例3および
比較例2ともに、人為的日長調節などの特別胞子形成処
理は行なわなかった。
【0033】その結果、焼成赤玉土を基材として用いた
実施例3の場合は、胞子数が11880個/ ポットと、
大量に得られたのに対し、天然乾燥赤玉土を基材として
用いた比較例2の場合は、土着のVA菌根菌(グロムス
属)が混入していたために、純粋にスクテリスポラ・グ
ルガリアの胞子を得られなかったばかりか、得られた胞
子数も4500個/ ポットと少なかった。また、スクテ
リスポラ・グレガリア無接種区での結果は、焼成赤玉土
を基材としたときは、土着のVA菌根菌胞子は全く見ら
れなかったのに対し、天然乾燥赤玉土を基材としたとき
は、5328個/ ポットの土着のVA菌根菌(グロムス
属)の混入が確認された。
【0034】(2)VA菌根菌感染植物の再利用 その後、上記(1)で得られたVA菌根菌感染植物を、
上記と同様に、250℃で焼成した赤玉土(粒径3〜6
mm)(実施例3)、或いは天然乾燥赤玉土(粒径3〜
5mm)(比較例2)を基材として充填した1/100
00アールワグネルポットに再度移植した。上記(1)
と同様にして、液肥を与えながら、7週間栽培した後、
基材を回収し、湿式篩別法にて胞子を回収した。その結
果、焼成赤玉土を基材とした実施例3の場合には、純粋
にスクテリスポラ・グレガリアの胞子を10564個/
ポット得ることができたが、天然乾燥赤玉土を基材とし
た比較例2の場合には、土着のVA菌根菌(グロムス
属)が混入しており、しかも胞子数は、3568個/ ポ
ットと少なかった。このように、本発明の方法によれ
ば、一度胞子を回収した植物を再利用した場合、二度目
でも多くのVA菌根菌胞子を得ることができることが判
る。
【0035】
【発明の作用・効果】本発明の方法では、焼成赤玉土を
用いることによって、土着のVA菌根菌,病原菌等の混
入を防ぐことができ、純粋に種菌として用いたVA菌根
菌、特にギガスポラ(Gigaspora )属やスクテリスポラ
(Scutellispora )属に属するVA菌根菌を増殖するこ
とができる。また、本発明の方法によれば、取扱が容易
で、胞子密度の高いVA菌根菌製剤を安価に作成するこ
とができるとともに、植物の再利用が可能であり、極め
て効率的である。さらに、本発明の方法によれば、VA
菌根菌増殖基材をそのまま商品とすることができるため
に、胞子分離の手間をかけずに済み、操作が簡便であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】ここで用いる焼成赤玉土としては、市販さ
れているものでよい。焼成赤玉土の粒径は特に制限はな
いが、小粒のものが好ましい。通常、粒径は0.1〜6mm
である。また、加熱処理の程度としては、100℃以
上、好ましくは200〜800℃の温度で加熱加工され
ているものがよい。株式会社 高砂リサーチ、インステ
イテュート内
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】実施例2 実施例1において、焼成した赤玉土を用いる代わりに、
バーミキュライトを用いてVA菌根菌感染苗を作成した
こと以外は、実施例1と同様にして行なった。その結
果、胞子数は16000個/ポットであり、しかも種菌
として用いたギガスポラ・マルガリタ(Gigaspora marg
arita)以外のVA菌根菌胞子は存在しなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 VA菌根菌を感染させた植物を、加熱処
    理した赤玉土を基材として栽培することを特徴とするV
    A菌根菌の増殖方法。
  2. 【請求項2】 加熱処理した赤玉土を基材としてVA菌
    根菌を感染させた植物を用いる請求項1記載のVA菌根
    菌の増殖方法。
  3. 【請求項3】 VA菌根菌が、ギガスポラ属或いはスク
    テリスポラ属に属するものである請求項1記載のVA菌
    根菌の増殖方法。
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