JP2986271B2 - Va菌根菌接種物の製造方法 - Google Patents
Va菌根菌接種物の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業や園芸等の分野で
有用なVA菌根菌接種物の製造方法に関し、詳しくはV
A菌根菌の胞子密度が高く、しかも活性を安定に保持す
ることのできるVA菌根菌接種物の製造方法に関する。
有用なVA菌根菌接種物の製造方法に関し、詳しくはV
A菌根菌の胞子密度が高く、しかも活性を安定に保持す
ることのできるVA菌根菌接種物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】VA菌
根菌( Vesicular Arbuscular Mycorrhizae ) は、植物
と共生し、これに感染した植物の生長を促進したり、耐
病性を向上させる働きがあることが知られており(小林
紀彦著,「VA菌根菌と土壌病害への利用,植物防
疫」,第42巻,第5号;259〜266頁, 1988
年)、このように自然の力を利用した植物の栽培が要望
されている。
根菌( Vesicular Arbuscular Mycorrhizae ) は、植物
と共生し、これに感染した植物の生長を促進したり、耐
病性を向上させる働きがあることが知られており(小林
紀彦著,「VA菌根菌と土壌病害への利用,植物防
疫」,第42巻,第5号;259〜266頁, 1988
年)、このように自然の力を利用した植物の栽培が要望
されている。
【0003】そこでVA菌根菌を人工的に増殖し、VA
菌根菌接種物を製造する方法が種々提案されている。例
えば、土壌などで増やしたVA菌根菌の胞子を分離・回
収し、その胞子をバーミキュライト,アタパルジャイ
ト,珪藻土などの担体に、カルボキシメチルセルロース
などの接着物と共に混ぜ、粒状化させる方法(特開平1
−165369号公報)や炭との混合物を用いる方法
(特開平3−103124号公報)が提案されている。
しかしながら、この方法においては、VA菌根菌の胞子
を分離する過程や粒状化させる過程で、VA菌根菌の胞
子に損傷が与えられ、しかも粒状化させる過程で強制的
に乾燥させるため、高頻度で胞子が死滅してしまい、良
質の接種物を得ることは困難であった。炭との混合物に
おいても同様であり、乾燥処理等での死滅も多いものと
考えられる。
菌根菌接種物を製造する方法が種々提案されている。例
えば、土壌などで増やしたVA菌根菌の胞子を分離・回
収し、その胞子をバーミキュライト,アタパルジャイ
ト,珪藻土などの担体に、カルボキシメチルセルロース
などの接着物と共に混ぜ、粒状化させる方法(特開平1
−165369号公報)や炭との混合物を用いる方法
(特開平3−103124号公報)が提案されている。
しかしながら、この方法においては、VA菌根菌の胞子
を分離する過程や粒状化させる過程で、VA菌根菌の胞
子に損傷が与えられ、しかも粒状化させる過程で強制的
に乾燥させるため、高頻度で胞子が死滅してしまい、良
質の接種物を得ることは困難であった。炭との混合物に
おいても同様であり、乾燥処理等での死滅も多いものと
考えられる。
【0004】一方、土壌を用いたり(特開平3−587
15号公報,特開平3−76572号公報)、発泡させ
た粘土,軽石などの多孔質構造を有する物を用いたり
(特開昭60−237987号公報,特開昭55−11
8390号公報)、多孔性の両イオン交換体を含む培土
を用いたり(特開昭63−87973号公報)して、植
物根とVA菌根菌とを共生させて増殖させ、これら担体
に付着したVA菌根菌をそのまま接種物として使用する
方法が提案されている。しかしながら、これらの方法に
おいては、まず天然の土壌を使用した場合には病原菌に
よる汚染が問題となる。また、発泡させた粘土,軽石な
どの多孔質構造を有する物を用いる方法の場合には、高
密度のVA菌根菌接種物を得ることができない。さら
に、多孔性の両イオン交換体を含む培土を用いる方法の
場合には、宿主植物がイモ類に限定されると共に、担体
自体がDEAE−セルロースなど、高価なため実用的で
ない。
15号公報,特開平3−76572号公報)、発泡させ
た粘土,軽石などの多孔質構造を有する物を用いたり
(特開昭60−237987号公報,特開昭55−11
8390号公報)、多孔性の両イオン交換体を含む培土
を用いたり(特開昭63−87973号公報)して、植
物根とVA菌根菌とを共生させて増殖させ、これら担体
に付着したVA菌根菌をそのまま接種物として使用する
方法が提案されている。しかしながら、これらの方法に
おいては、まず天然の土壌を使用した場合には病原菌に
よる汚染が問題となる。また、発泡させた粘土,軽石な
どの多孔質構造を有する物を用いる方法の場合には、高
密度のVA菌根菌接種物を得ることができない。さら
に、多孔性の両イオン交換体を含む培土を用いる方法の
場合には、宿主植物がイモ類に限定されると共に、担体
自体がDEAE−セルロースなど、高価なため実用的で
ない。
【0005】本発明は、このような従来の欠点を解消
し、VA菌根菌の胞子密度が高く、しかも活性を安定に
保持することのできるVA菌根菌接種物の製造方法を提
供することを目的とするものである。
し、VA菌根菌の胞子密度が高く、しかも活性を安定に
保持することのできるVA菌根菌接種物の製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、VA
菌根菌に感染した植物を、焼成モンモリロナイトを含む
培地で栽培し、VA菌根菌を増殖させることを特徴とす
るVA菌根菌接種物の製造方法を提供するものである。
菌根菌に感染した植物を、焼成モンモリロナイトを含む
培地で栽培し、VA菌根菌を増殖させることを特徴とす
るVA菌根菌接種物の製造方法を提供するものである。
【0007】VA菌根菌は土壌中に存在する接合菌の一
種であり、その菌糸が様々な植物の根について菌根を形
成し、両者が共生することが知られている。本発明にお
いて用いるVA菌根菌としては、種々のものがあり、例
えばグロムス( Glomus ) 属,ギガスポラ ( Gigaspora
)属, アカウロスポラ( Acaulospora )属, エントロフ
ォスポラ( Entrophospora )属, スクレロシスティス
( Sclerocystis ) 属,スカテロスポラ( Scutellospo
ra )属などに属する微生物について本発明を適用するこ
とができる。
種であり、その菌糸が様々な植物の根について菌根を形
成し、両者が共生することが知られている。本発明にお
いて用いるVA菌根菌としては、種々のものがあり、例
えばグロムス( Glomus ) 属,ギガスポラ ( Gigaspora
)属, アカウロスポラ( Acaulospora )属, エントロフ
ォスポラ( Entrophospora )属, スクレロシスティス
( Sclerocystis ) 属,スカテロスポラ( Scutellospo
ra )属などに属する微生物について本発明を適用するこ
とができる。
【0008】より具体的には、例えば、グロムス・ファ
シキュレータム( Glomus fasciculatum ),グロムス
・モセアエ( Glomus mosseae ) ,グロムス・エツニカ
タム( Glomus etunicatum ),グロムス・イントララ
ディセス( Glomus intraradicies ),グロムス・カレ
ドニウム( Glomus caledonium ) ,ギガスポラ・マル
ガリタ( Gigaspora margarita ),アカウロスポラ・ラ
エビス( Acaulosporalaevis ), エントロフォスポラ・
インフレケンス( Entrophospora infrequens ) , スク
レロシスティス・ダッシ( Sclerocystis dussii ) ,
スカテロスポラ・グレガリア( Scutellospora gregar
ia )などについて、本発明を適用することができるが、
これらの中でも特にグロムス( Glomus ) 属に属するも
のが好適である。
シキュレータム( Glomus fasciculatum ),グロムス
・モセアエ( Glomus mosseae ) ,グロムス・エツニカ
タム( Glomus etunicatum ),グロムス・イントララ
ディセス( Glomus intraradicies ),グロムス・カレ
ドニウム( Glomus caledonium ) ,ギガスポラ・マル
ガリタ( Gigaspora margarita ),アカウロスポラ・ラ
エビス( Acaulosporalaevis ), エントロフォスポラ・
インフレケンス( Entrophospora infrequens ) , スク
レロシスティス・ダッシ( Sclerocystis dussii ) ,
スカテロスポラ・グレガリア( Scutellospora gregar
ia )などについて、本発明を適用することができるが、
これらの中でも特にグロムス( Glomus ) 属に属するも
のが好適である。
【0009】これらVA菌根菌は、天然界から集める
(鈴木達彦,VA菌根に関する諸問題5,農業および園
芸,第62巻,第3号,p28〜33,1987年)
他、栄養薄膜培養法(特開昭55−118390号公
報)や器官培養した根を使用する方法(特公昭62−4
9037号公報)等により増殖させたものを用いること
ができる。
(鈴木達彦,VA菌根に関する諸問題5,農業および園
芸,第62巻,第3号,p28〜33,1987年)
他、栄養薄膜培養法(特開昭55−118390号公
報)や器官培養した根を使用する方法(特公昭62−4
9037号公報)等により増殖させたものを用いること
ができる。
【0010】また、VA菌根菌を感染させる植物、すな
わちVA菌根菌増殖のための宿主植物としては、生長が
速く、根がよく張る植物であって、かつVA菌根菌が感
染しやすい植物であれば特に制限はなく、例えば実生
苗、播種して育苗後、移植して栽培するもの、栄養繁殖
させるもの、挿し芽,挿し木,接ぎ木,球根等により増
殖,栽培されるものがある。VA菌根菌増殖のための宿
主植物として具体的には、トウモロコシ,メヒシバ,ソ
ルゴー(別名ソルガム又はモロコシ),ムギ,芝草等の
イネ科植物、ナス,トマト,ピーマン,シシトウ等のナ
ス科植物、大豆,カラスノエンドウ等の豆科植物、ネ
ギ,玉ネギ等のユリ科植物などが挙げられる。
わちVA菌根菌増殖のための宿主植物としては、生長が
速く、根がよく張る植物であって、かつVA菌根菌が感
染しやすい植物であれば特に制限はなく、例えば実生
苗、播種して育苗後、移植して栽培するもの、栄養繁殖
させるもの、挿し芽,挿し木,接ぎ木,球根等により増
殖,栽培されるものがある。VA菌根菌増殖のための宿
主植物として具体的には、トウモロコシ,メヒシバ,ソ
ルゴー(別名ソルガム又はモロコシ),ムギ,芝草等の
イネ科植物、ナス,トマト,ピーマン,シシトウ等のナ
ス科植物、大豆,カラスノエンドウ等の豆科植物、ネ
ギ,玉ネギ等のユリ科植物などが挙げられる。
【0011】VA菌根菌は、上記の如き宿主植物の発根
前或いは発根後に、培地に施用すればよい。VA菌根菌
の宿主植物への感染は既知の方法により行なえばよく、
例えば温度5〜60℃、好ましくは10〜45℃、pH
3〜9.5、好ましくは4〜7.5の条件で行なわれ
る。
前或いは発根後に、培地に施用すればよい。VA菌根菌
の宿主植物への感染は既知の方法により行なえばよく、
例えば温度5〜60℃、好ましくは10〜45℃、pH
3〜9.5、好ましくは4〜7.5の条件で行なわれ
る。
【0012】本発明においては、上記の如きVA菌根菌
に感染した植物を、焼成モンモリロナイトを含む培地で
栽培することを特徴とする。なお、本発明においては、
少なくともVA菌根菌に感染した植物を、焼成モンモリ
ロナイトを含む培地で栽培すればよく、必要に応じてV
A菌根菌の感染の際には別異の培地を用いてもよい。
に感染した植物を、焼成モンモリロナイトを含む培地で
栽培することを特徴とする。なお、本発明においては、
少なくともVA菌根菌に感染した植物を、焼成モンモリ
ロナイトを含む培地で栽培すればよく、必要に応じてV
A菌根菌の感染の際には別異の培地を用いてもよい。
【0013】本発明において用いる焼成モンモリロナイ
トとしては、モンモリロナイトを200〜1300℃、
好ましくは300〜1000℃の温度で焼成したものが
用いられる。なお、必要に応じて粉状モンモリロナイト
をアルミナ,ベーマイトゲルなどのバインダーを用いて
造粒した焼成モンモリロナイトを使用することもできる
が、焼成後、pHを5.5〜7.5の範囲となるように
調整することが好ましい。この焼成モンモリロナイトの
粒径は0.25〜10mm、好ましくは粒径1〜5mm
のものである。本発明においては、培地として、上記焼
成モンモリロナイトを単独で用いてもよいが、他の培地
成分、例えばゼオライト,パーライト,バーミキュライ
ト,(焼成)珪藻土などの一種以上と併用してもよい。
なお、焼成モンモリロナイトと他の培地成分との混合割
合は、前者:後者が、1:0〜1:1(v/v)の割
合、好ましくは1:0.1〜1:1(v/v)の割合、
より好ましくは1:1/8〜1:1/3(v/v)の割
合とする。ここで他の培地成分としては、軽石が好まし
く、この軽石としては、粒径が0.5〜5mm、好まし
くは粒径1〜3mmの範囲のものが用いられる。
トとしては、モンモリロナイトを200〜1300℃、
好ましくは300〜1000℃の温度で焼成したものが
用いられる。なお、必要に応じて粉状モンモリロナイト
をアルミナ,ベーマイトゲルなどのバインダーを用いて
造粒した焼成モンモリロナイトを使用することもできる
が、焼成後、pHを5.5〜7.5の範囲となるように
調整することが好ましい。この焼成モンモリロナイトの
粒径は0.25〜10mm、好ましくは粒径1〜5mm
のものである。本発明においては、培地として、上記焼
成モンモリロナイトを単独で用いてもよいが、他の培地
成分、例えばゼオライト,パーライト,バーミキュライ
ト,(焼成)珪藻土などの一種以上と併用してもよい。
なお、焼成モンモリロナイトと他の培地成分との混合割
合は、前者:後者が、1:0〜1:1(v/v)の割
合、好ましくは1:0.1〜1:1(v/v)の割合、
より好ましくは1:1/8〜1:1/3(v/v)の割
合とする。ここで他の培地成分としては、軽石が好まし
く、この軽石としては、粒径が0.5〜5mm、好まし
くは粒径1〜3mmの範囲のものが用いられる。
【0014】宿主植物の生育に伴い、VA菌根菌も増殖
するが、通常、2〜5ケ月程度経過して、宿主植物が充
分に生育したところで,水などの供給を絶ち、暫く放置
すると、VA菌根菌は胞子を形成する。なお、宿主植物
の栽培は通常の条件で行なえばよく、温度は通常、5〜
60℃であり、必要に応じて灌水したり、肥料を与えれ
ばよい。以上のようにして形成したVA菌根菌胞子の付
着した培地(VA菌根菌接種物)を回収すればよい。こ
のようにして目的とするVA菌根菌接種物を得ることが
できる。
するが、通常、2〜5ケ月程度経過して、宿主植物が充
分に生育したところで,水などの供給を絶ち、暫く放置
すると、VA菌根菌は胞子を形成する。なお、宿主植物
の栽培は通常の条件で行なえばよく、温度は通常、5〜
60℃であり、必要に応じて灌水したり、肥料を与えれ
ばよい。以上のようにして形成したVA菌根菌胞子の付
着した培地(VA菌根菌接種物)を回収すればよい。こ
のようにして目的とするVA菌根菌接種物を得ることが
できる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を示す。
【0016】実施例1 長鉢5号(直径150mm×高さ157mm)に、目開
き3mmの篩を通過し、目開き1mmの篩に残った焼成
モンモリロナイト(粒径1〜3mm,焼成温度600
℃)を敷き詰めた。その中央にVA菌根菌〔グロムス・
ファシキュレータム( Glomus fasciculatum )〕(な
お、本菌は工業技術院微生物工業技術研究所において受
託拒否された。)の胞子250個を、深さ3cmのとこ
ろにティッシュペーパーで、胞子が水と共に下へ流れな
いようにして置いた。次いで、その上1cmのところに
スーダングラス(タキイ種苗、品種:ベストスーダン)
の種子を2粒置いた。次に、長鉢の中の焼成モンモリロ
ナイト,VA菌根菌及びスーダングラスを充分に濡らし
た後、ビニールで覆い、ガラス温室内に移した。ガラス
温室内を20〜25℃に維持しながら、1週間水をから
さないようにして栽培した。生育した苗のうち、健全な
苗を残し、その他の苗を除去した。その後、同様にガラ
ス温室内で、毎日灌水を行ないながら栽培した。栽培し
てから1ケ月後より、週1回ピータース液肥(N:P:
K=20:10:20)の1000倍液を散布し、栽培
した。この操作を繰り返し、さらに2.5ケ月間栽培し
た。その後、水と液肥の散布を中止し、20日間放置し
た。
き3mmの篩を通過し、目開き1mmの篩に残った焼成
モンモリロナイト(粒径1〜3mm,焼成温度600
℃)を敷き詰めた。その中央にVA菌根菌〔グロムス・
ファシキュレータム( Glomus fasciculatum )〕(な
お、本菌は工業技術院微生物工業技術研究所において受
託拒否された。)の胞子250個を、深さ3cmのとこ
ろにティッシュペーパーで、胞子が水と共に下へ流れな
いようにして置いた。次いで、その上1cmのところに
スーダングラス(タキイ種苗、品種:ベストスーダン)
の種子を2粒置いた。次に、長鉢の中の焼成モンモリロ
ナイト,VA菌根菌及びスーダングラスを充分に濡らし
た後、ビニールで覆い、ガラス温室内に移した。ガラス
温室内を20〜25℃に維持しながら、1週間水をから
さないようにして栽培した。生育した苗のうち、健全な
苗を残し、その他の苗を除去した。その後、同様にガラ
ス温室内で、毎日灌水を行ないながら栽培した。栽培し
てから1ケ月後より、週1回ピータース液肥(N:P:
K=20:10:20)の1000倍液を散布し、栽培
した。この操作を繰り返し、さらに2.5ケ月間栽培し
た。その後、水と液肥の散布を中止し、20日間放置し
た。
【0017】次に、スーダングラスの地上部を切断し、
長鉢を裏返して、スーダングラスの根とVA菌根菌を含
む焼成モンモリロナイトを、ビニールシートの上へ広げ
た。スーダングラスの太い根を除去し、そのまま15℃
の暗所で乾燥させた。このようにして得られた培地(焼
成モンモリロナイト)を、5ケ所から無作為に1gのサ
ンプルを採り、付着している胞子数を計測し、その平均
値を、培地に付着した胞子数(個/g)として、第1表
に示した。
長鉢を裏返して、スーダングラスの根とVA菌根菌を含
む焼成モンモリロナイトを、ビニールシートの上へ広げ
た。スーダングラスの太い根を除去し、そのまま15℃
の暗所で乾燥させた。このようにして得られた培地(焼
成モンモリロナイト)を、5ケ所から無作為に1gのサ
ンプルを採り、付着している胞子数を計測し、その平均
値を、培地に付着した胞子数(個/g)として、第1表
に示した。
【0018】実施例2 実施例1において、培地として焼成モンモリロナイトの
代わりに、焼成モンモリロナイト6部に、軽石1部の割
合で混ぜた混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様
の操作を行ない、培地に付着している胞子数を計測し、
その平均値を、培地に付着した胞子数として、第1表に
示した。
代わりに、焼成モンモリロナイト6部に、軽石1部の割
合で混ぜた混合物を用いたこと以外は、実施例1と同様
の操作を行ない、培地に付着している胞子数を計測し、
その平均値を、培地に付着した胞子数として、第1表に
示した。
【0019】比較例1 実施例1において、培地として焼成モンモリロナイトの
代わりに、発泡粘土(ブレー粘土、レカダン社製、登録
商標:レカダン)を砕いて、粒径1〜3mmの範囲のも
のにしたものを用いたこと以外は、実施例1と同様の操
作を行ない、培地に付着している胞子数を計測し、その
平均値を、培地に付着した胞子数として、第1表に示し
た。
代わりに、発泡粘土(ブレー粘土、レカダン社製、登録
商標:レカダン)を砕いて、粒径1〜3mmの範囲のも
のにしたものを用いたこと以外は、実施例1と同様の操
作を行ない、培地に付着している胞子数を計測し、その
平均値を、培地に付着した胞子数として、第1表に示し
た。
【0020】比較例2 実施例1において、培地として焼成モンモリロナイトの
代わりに、臭化メチルで殺菌後、充分にガス抜きをした
粒径2〜4mmの赤玉土を用いたこと以外は、実施例1
と同様の操作を行ない、培地に付着している胞子数を計
測し、その平均値を、培地に付着した胞子数として、第
1表に示した。
代わりに、臭化メチルで殺菌後、充分にガス抜きをした
粒径2〜4mmの赤玉土を用いたこと以外は、実施例1
と同様の操作を行ない、培地に付着している胞子数を計
測し、その平均値を、培地に付着した胞子数として、第
1表に示した。
【0021】実施例3 実施例1において、VA菌根菌として、グロムス・ファ
シキュレータム( Glomus fasciculatum )の胞子25
0個の代わりに、グロムス・モセアエ( Glomus mossea
e )(なお、本菌は工業技術院微生物工業技術研究所に
おいて受託拒否された。)の胞子40個を用いたこと以
外は、実施例1と同様の操作を行ない、培地に付着して
いる胞子数を計測し、その平均値を、培地に付着した胞
子数として、第1表に示した。
シキュレータム( Glomus fasciculatum )の胞子25
0個の代わりに、グロムス・モセアエ( Glomus mossea
e )(なお、本菌は工業技術院微生物工業技術研究所に
おいて受託拒否された。)の胞子40個を用いたこと以
外は、実施例1と同様の操作を行ない、培地に付着して
いる胞子数を計測し、その平均値を、培地に付着した胞
子数として、第1表に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、VA菌根菌の胞
子密度が高く、しかも活性を安定に保持することのでき
るVA菌根菌接種物を安価に製造することができる。し
たがって、本発明の方法は広く農業,園芸,造園,種苗
産業等の分野において貢献することができる。
子密度が高く、しかも活性を安定に保持することのでき
るVA菌根菌接種物を安価に製造することができる。し
たがって、本発明の方法は広く農業,園芸,造園,種苗
産業等の分野において貢献することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−19028(JP,A) 特開 昭60−237987(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 7/00 605
Claims (2)
- 【請求項1】 VA菌根菌に感染した植物を、焼成モン
モリロナイトを含む培地で栽培し、VA菌根菌を増殖さ
せることを特徴とするVA菌根菌接種物の製造方法。 - 【請求項2】 培地として、焼成モンモリロナイトと軽
石を、1:0.1〜1:1(v/v)の割合で混合した
ものを用いる請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33789191A JP2986271B2 (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | Va菌根菌接種物の製造方法 |
NZ245276A NZ245276A (en) | 1991-11-28 | 1992-11-26 | Vesicular arbuscular (va) mycorrhizae inoculant and its preparation |
MYPI92002176A MY108466A (en) | 1991-11-28 | 1992-11-26 | Method of preparing va mycorrhizae inoculant. |
AU29634/92A AU649898B2 (en) | 1991-11-28 | 1992-11-26 | Method of preparing VA mycorrhizae inoculant |
TW081109521A TW224930B (ja) | 1991-11-28 | 1992-11-27 | |
KR1019920022543A KR100239152B1 (ko) | 1991-11-28 | 1992-11-27 | 브이에이(va)균근균 접종물의 제조방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33789191A JP2986271B2 (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | Va菌根菌接種物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05146223A JPH05146223A (ja) | 1993-06-15 |
JP2986271B2 true JP2986271B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=18312973
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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1991
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Publication number | Publication date |
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JPH05146223A (ja) | 1993-06-15 |
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