JPH08309124A - 円筒型フィルター濾材およびその製造法 - Google Patents

円筒型フィルター濾材およびその製造法

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JPH08309124A
JPH08309124A JP13862795A JP13862795A JPH08309124A JP H08309124 A JPH08309124 A JP H08309124A JP 13862795 A JP13862795 A JP 13862795A JP 13862795 A JP13862795 A JP 13862795A JP H08309124 A JPH08309124 A JP H08309124A
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fibers
filter medium
fiber web
cylindrical filter
width direction
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JP13862795A
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Masaki Matsushita
正樹 松下
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長尺の繊維ウエブをロール状に巻き重ねて
作製された円筒型フィルター濾材において、内層から外
層に向かって繊維間空隙の大きさが変化し、目詰まりが
発生し難く、濾過効率が良好なものを一工程で能率的に
生産する。 【構成】 幅方向に長いメルトブローノズル10から
溶融ポリマーを、吐出孔1個当たりの吐出量がノズルの
幅方向の一端から他端に向かって増大するように吐出し
て、繊度の異なる多種類の繊維からなり、幅方向の一端
に細い繊維が、他端に太い繊維がそれぞれ分布する繊維
ウエブ16を作製し、得られた繊維ウエブ16を回転マ
ンドレル12に螺旋状に巻取って円筒状に形成し、その
内層から外層までの各層を構成する繊維に厚み方向の繊
度勾配を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、気体や液体の濾過装
置で使用される円筒型フィルター濾材およびその製造法
に関し、上記濾材を構成する繊維ウエブの繊維に幅方向
の繊度勾配を設けて螺旋状に巻き取ることにより、濾過
効率を高度に維持し、かつ寿命の長期化を達成したもの
である。
【0002】
【従来の技術】目孔サイズの異なる濾材を組み合わせた
濾材が種々知られている。例えば、特公昭63−149
76号公報には、容器の上部に濾過体を、下部に貯油部
を設けた浄油器において、濾過体の最上層に目の粗い第
1の濾過体(金網)を、中間層に第1の濾過体よりも目
の細かい第2の濾過体(紙)を、最下層に最も目の細か
い第3の濾過体(活性炭)をそれぞれ配置し、第1の濾
過体で揚げ滓のような粗い不純物を除去し、第2の濾過
体でへどろ状の細かい不純物を除去することにより、第
3の濾過体の目詰まりを防ぎ、その吸着能力の低下を防
止して高い濾過効率を維持し、かつ寿命の延長を可能に
したものが記載されている。しかし、円筒状の濾材にお
いて、上記のように数種類の濾過体を組合せて目孔サイ
ズを次第に細かくするには、目孔サイズの異なる織布や
不織布を組合せて積層することが必要になり、コスト高
になるという問題があった。
【0003】また、内層が高密度で、外層が低密度の不
織布製円筒型フィルターを一工程で作る方法として、特
公昭55−29183号公報には、多数本の熱可塑性合
成繊維フィラメントを平行に紡糸し、回転マンドレル上
に捕集し、螺旋状に巻取りながら上記マンドレルの自由
端側に引き出す方法において、ノズル面を回転マンドレ
ルの軸線に対して傾斜させ、オリフィスからマンドレル
までの距離をマンドレルの駆動側で近く、反対の自由端
側で遠くなるようにして距離の近い側を高密度に、遠い
側を低密度に形成することが記載されている。しかし、
この場合は、繊維の径が均一であるため、外側の粗い濾
過層についても必要以上に細い繊維を粗く堆積させる結
果になって生産性が低下し、またオリフィスとマンドレ
ル間の距離で密度を調整するため、内層や外層の各層に
おける糸同士の融着や絡み合いの程度を調整できず、か
つ密度を非連続的に変化させることが理論的に不可能で
あるため、多品種生産には不適当であった。
【0004】一方、捕集ネット上に窪みを形成し、この
窪みの内面にポリマーを吹付けてコップ形の立体フィル
ターを作る方法では、形状変更が難しく、糸径等の条件
を変更する際に別ラインが必要であり、かつ製品回りの
ロス部が大きく、コスト的にも不利であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、長尺の繊
維ウエブをロール状に巻き重ねて円筒型フィルター濾材
を作製するに当たり、上記の繊維ウエブを螺旋状に巻き
重ねると共に、上記の繊維ウエブを構成する繊維に幅方
向の繊度勾配を設けることにより、内層から外層に向か
って目孔サイズが変化する多種類の円筒型フィルター濾
材を一工程で能率的に、かつ低コストで生産することを
可能にするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明の円筒型フィル
ター濾材は、熱可塑性合成繊維からなる長尺の繊維ウエ
ブをロール状に巻き重ねて形成した円筒型フィルター濾
材において、上記の繊維ウエブが繊度の異なる多種類の
繊維で、その幅方向の一端に細い繊維が、他端に太い繊
維がそれぞれ分布するように形成されており、この繊維
ウエブが螺旋状に巻き重ねられ、上記円筒型フィルター
濾材の内層から外層までの各層を構成する繊維が厚み方
向の繊度勾配を有していることを特徴とする。
【0007】上記の繊維ウエブは、ナイロン、ポリエス
テル等の熱可塑性合成繊維で作製され、繊維相互の接触
部は接着、好ましくは繊維自体の融着、すなわち自己接
着によって接合される。この繊維ウエブを作製するに
は、公知のスパンボンド法およびメルトブロー法(幅方
向に長いノズルの前面に直線状に配列された多数個の吐
出孔から溶融ポリマーを押出し、この押出された多数本
の線状ポリマーの両面に沿って同じ方向に加熱空気を高
速で噴出し、得られた繊維状ポリマーを捕集し、繊維状
ポリマー相互の接触部を融着させてウエブ化する方法)
が採用可能であるが、特にメルトブロー法が好ましく、
この場合は繊度の特に小さい繊維が容易に得られる。な
お、後記するようにメルトブロー法およびスパンボンド
法を併用し、細い繊度の部分をメルトブロー法で、また
太い繊度の部分をスパンボンド法で作製することもでき
る。
【0008】上記の円筒型フィルター濾材は、上記の繊
維ウエブをロール巻きして多層に重ねる際、回転マンド
レルに向かう繊維ウエブの幅方向を回転マンドレルの軸
線(巻取り軸)に対して若干傾斜させ、螺旋状に巻くこ
とによって作製される。このとき、回転マンドレルに向
かう繊維ウエブの幅方向線は、一端が上記マンドレルに
近く、他端が遠くなるため、マンドレルに近い側の一端
から巻き始められ、この近い側の一端が円筒型フィルタ
ー濾材の内層を形成し、遠い側の他端が外層を形成す
る。したがって、一端側に比較的細い繊維を、他端側に
比較的太い繊維を配置することにより、上記濾材の内層
が細い繊維で、外層が太い繊維で形成され、反対に一端
側に比較的太い繊維を、他端側に比較的細い繊維を配置
することにより、上記濾材の内層が太い繊維で、外層が
細い繊維で形成される。
【0009】この発明の濾材において、繊維の融着比率
(繊維相互の接触部に対する融着部の比率)は、10〜
60%であることが好ましく、用途に応じてオリフィス
と捕集ネットの距離、繊維や捕集ネット、マンドレル等
の表面温度で調整される。なお、この融着比率が10%
未満の場合は、強度が不足し、特に液体の濾過に使用し
た際に破裂し易い。また、繊維の繊度、繊維ウエブの目
付、螺旋状に巻く際の積層数、この巻取りで形成された
円筒の内径、厚さ、長さ等は、用途に応じて適宜に設定
される。また、必要に応じて上記の繊維ウエブを他の織
布、不織布と複合し、しかるのち螺旋状に巻取ることが
できる。
【0010】第2発明の円筒型フィルター濾材の製造法
は、幅方向に長いノズルの前面に直線状に配列された多
数個の吐出孔から溶融ポリマーを押出し、この線状に押
出された多数本の溶融ポリマーの両面に沿って同じ方向
に加熱空気を高速で噴出し、得られた繊維状ポリマーを
捕集し、その接触部を融着させてウエブ化するようにし
たメルトブロー法による繊維ウエブの製造法において、
上記のノズルから溶融ポリマーを、吐出孔1個当たりの
吐出量がノズルの幅方向の一端から他端に向かって増大
するように吐出して、繊度の異なる多種類の繊維からな
り、幅方向の一端に細い繊維が、他端に太い繊維がそれ
ぞれ分布する繊維ウエブを作製し、得られた繊維ウエブ
を螺旋状に巻取って円筒状に形成し、その内層から外層
までの各層を構成する繊維に厚み方向の繊度勾配を付し
たことを特徴とする。
【0011】吐出孔1個当たりの吐出量は、吐出孔の口
径によって、またはノズル内のポリマー供給を分割し、
個別にギヤポンプを設けることによって調整される。そ
して、上記の吐出量は、ノズルの幅方向の一端で最小と
なり、他端で最大となるように階段状に増大するように
調整される。ただし、階段状に増大する場合の段数は3
段以上の多段が好ましく、2段以下では濾過される液
体、気体にもよるが、通常の広い粒径分布の条件下で
は、ロングライフと濾過精度の両立がきわめて困難にな
る。
【0012】そして、上記の円筒型フィルター濾材を構
成するウエブの層数をn、最内層を第1層、最外層を第
n層、第1層からi番目の層を第i層とし、この第1層
ないし第n層の生産性(X)および構成目付(Y)を、
それぞれ第1層でX1 およびY1 、第2層でX2 および
2 、第3層でX3 およびY3 、第n層でXn およびY
n とし、かつ繊維ウエブの全幅をWとしたとき、任意の
層を構成するウエブの幅Wi は、次式 Wi =W(Yi /Xi )/(Y1 /X1 +Y2 /X2
……+Yn /Xn ) で算出、設定することが生産効率の点で好ましい。
【0013】上記の繊維ウエブは、直接回転マンドレル
に捕集し、直ちに螺旋状に巻取ってもよいが、いったん
水平方向のネットコンベヤ上に捕集し、しかるのち回転
マンドレルに巻取るのが好ましく、このネットコンベヤ
にいったん捕集する場合は、別に作製された繊維ウエブ
と複合して、厚みまたは幅の大きい繊維ウエブとするこ
とができる。例えば、ネットコンベヤの長さ方向に沿っ
て複数個のメルトブロー式ノズルを配列し、各ノズルか
ら同じ繊度配列の溶融ポリマーを紡出してネットコンベ
ヤ上で順に捕集、積層し、しかるのち螺旋状に巻取るこ
とができる。
【0014】また、ネットコンベヤの上方にメルトブロ
ー式ノズルおよびスパンボンド式ノズルを前後に配列し
て紡出し、メルトブロー式ノズルで作製された比較的細
い繊度の繊維ウエブとスパンボンド式ノズルで作製され
た比較的太い繊度の繊維ウエブとを積層し、しかるのち
螺旋状に巻取ることもできる。また、メルトブロー式ノ
ズルおよびスパンボンド式ノズルを幅方向に並設して紡
出し、メルトブロー式ノズルで作製された比較的細い繊
度の繊維ウエブの太繊度側にスパンボンド式ノズルで作
製された比較的太い繊度の繊維ウエブを並列させて広い
幅の繊維ウエブとし、しかるのち螺旋状に巻取ることも
できる。
【0015】上記の螺旋状巻取りのため、ネットコンベ
ヤの排出側端部にネットコンベヤの幅方向に傾斜して回
転マンドレル(巻取り軸)が設置される。ここで、ネッ
トコンベヤの幅方向に対する回転マンドレルの傾斜角度
は、目的に応じて任意に設定することができ、この傾斜
角度が小さいほど、回転マンドレルの1回転による該マ
ンドレル上の繊維ウエブの進み量(リード)が小さくな
って繊維ウエブの積層枚数が増大し、厚みの大きい円筒
型フィルター濾材が得られる。そして、上記マンドレル
上に巻かれた円筒型フィルター濾材をマンドレルから進
み側に連続的に抜き取り、巻き始め側のテーパを有する
部分を切断除去した後、続く部分を所定長ごとに切断す
ることにより、所望の円筒型フィルターが得られる。な
お、上記の抜き取りを容易にするため、回転マンドレル
に小さいテーパ、例えば2度程度の角度を付けることが
できる。
【0016】
【作用】第1発明の円筒型フィルター濾材は、内層から
外層までの各層を構成する繊維が厚み方向の繊度勾配を
有しているので、濾過すべき流体を厚み方向に繊維の繊
度が大きい側から小さい側に向かって流すことにより、
すなわち内層の繊度が小さいときは、繊維間空隙(目孔
サイズ)が内層側で小さく、外層側で大きいため、外層
から内層に向かって流体を流すことにより、反対に内層
の繊度が大きいときは、繊維間空隙(目孔サイズ)が内
層側で大きく、外層側で小さいため、内層から外層に向
かって流体を流すことにより、それぞれ濾過が行われ
る。そして、繊維相互の接触部の10%以上を融着する
ことにより、液体の濾過に使用し、上記円筒型フィルタ
ー濾材に内圧が加わったときにも破裂することがない。
【0017】また、第2発明によれば、第1発明の円筒
型フィルター濾材が得られる。そして、ネットコンベヤ
の幅方向の一端および他端にそれぞれ細い繊度および太
い繊度の繊維を分布させ、上記マンドレルに対してネッ
トコンベヤの一端が近くて他端が遠いときは、上記円筒
型フィルター濾材の内層および外層がそれぞれ細い繊度
および太い繊度の繊維で形成される。反対に上記マンド
レルに対して太い繊度の側が近くて細い繊度の側が遠い
ときは、上記円筒型フィルター濾材の外層および内層が
それぞれ細い繊度および太い繊度の繊維で形成される。
【0018】そして、この第2発明では、メルトブロー
法を使用するので、ノズル内を複数ゾーンに分割し、各
ゾーンごとに独立して条件を設定することができ、その
ため生産性を低下させることなく、ゾーンごとの吐出
量、すなわち紡出される繊維の繊度を広い範囲で変更す
ることが容易であり、かつスパンボンド法に比べて細い
繊度の繊維を紡出することができる。
【0019】
【実施例】図1の装置を試作した。図1において、10
は横長に形成されたメルトブローノズルであり、下面に
多数の吐出孔が一列に開口し、かつこの吐出孔列の前後
に幅方向に長いスリット状の熱風噴出口が設けられてい
る。このメルトブローノズル10の下方に捕集用のネッ
トコンベヤ11が水平に設けられ、このネットコンベヤ
11の出口側に回転マンドレル12が設けられる。ただ
し、この回転マンドレル12は、図の右上の駆動部(図
示されていない)によって片持ち状に支持され、かつそ
の軸線がネットコンベヤ11の幅方向線に対して傾斜し
(傾斜角度をθとする)、ネットコンベヤ11との間隔
が図の右上で狭く、左下で広くなっている。
【0020】上記の構造において、メルトブローノズル
10から多数本の溶融ポリマーを平行に吐出し、これを
挟んで該ポリマーの融点よりも高温の熱風を噴出させる
と、上記のポリマーが繊維化され、ネットコンベヤ11
の上に捕集され、繊維相互の接触部が融着されて繊維ウ
エブ16が形成され、この繊維ウエブ16が回転マンド
レル12上に巻取られる。このとき、回転マンドレル1
2が上記のように傾斜しているため、回転マンドレル1
2に巻かれた繊維ウエブ16を左下方へ引き出すことに
より、上記の繊維ウエブ16が螺旋状に巻き重ねられて
円筒型フィルター濾材17が形成される。ここで、円筒
型フィルター濾材17の最内層は繊維ウエブ16の右端
部16aで、また最外層は繊維ウエブ16の左端部16
bでそれぞれ形成される。
【0021】したがって、メルトブローノズル10にお
ける吐出孔の口径やポリマーの吐出量、熱風の速度等を
幅方向の位置で変えることにより、右端から細い繊維
を、左端から太い繊維を紡出することができ、この場合
は、円筒型フィルター濾材の内層が細い繊維で小さい目
孔サイズに、また外層が太い繊維で大きい目孔サイズに
それぞれ形成される。反対に右端から太い繊維を、左端
から細い繊維を紡出したときは、円筒型フィルター濾材
の内層が太い繊維で大きい目孔サイズに、また外層が細
い繊維で小さい目孔サイズにそれぞれ形成される。
【0022】図2は、円筒型フィルター濾材17のモデ
ル的断面図であり、最内層17aは最も細い繊維で最も
小さい目孔サイズに、中間層17bは中間繊度の繊維で
中間密度の目孔サイズに、また最外層17cは最も太い
繊維で最も大きい目孔サイズにそれぞれ形成され、全体
として螺旋状に巻き重ねられている。
【0023】実施例1 図1の装置を使用してナイロンからなる円筒型フィルタ
ー濾材(内径25mm、外径75mm、内層の繊維径1.0
μm、外層の繊維径5.3μm、目付200g/m2
17を製造した。ただし、メルトブローノズル(幅1
m、吐出孔の個数1000個、吐出孔の口径0.2mm)
10を均等に10分割し、第1ないし第10の各ゾーン
ごとの吐出量および繊維径を下記の表1のとおり設定し
た。また、繊維ウエブ16の幅方向に対する回転マンド
レル12の傾斜角度θを15度に設定した。
【0024】 表 1 ゾーン番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 単孔吐出量(g/分) 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 繊維径(μm) 1.0 1.2 1.4 1.5 2.0 2.5 3.1 4.2 4.5 5.3
【0025】比較例1および2 上記実施例1のメルトブローノズルにおいて、単孔吐出
量を揃える以外は同じメルトブローノズルを使用し、特
公昭55−29183号公報に記載された方法と同様
に、上記ノズルを捕集ネットの幅方向に対して上向きに
30度傾斜させ、捕集ネットに対する一端の高さを50
0mmに、他端の高さを250mmに設定することにより、
オリフィスと捕集ネット間の距離変更による密度勾配の
みを付して繊維ウエブを作製し、これを実施例1と同様
に回転マンドレルに螺旋巻きして実施例1と同じ大きさ
を有する比較例1、2の円筒型フィルター濾材を作製し
た。その単孔吐出量および繊維径を下記の表2に示す。
【0026】 表 2 比較例番号 1 2 単孔吐出量(g/分) 0.5 0.1 繊維径(μm) 2.0 1.0
【0027】上記の実施例1、比較例1および比較例2
の各円筒型フィルター濾材を切断して長さ25cmの円筒
型フィルターとし、この円筒型フィルターの外層側から
内層側に向かって液体を流して捕集効率および濾過ライ
フ(分)を比較した。その結果を下記の表3に示す。た
だし、特性値は下記によって測定した。
【0028】繊維径 繊維の走査型電子顕微鏡写真を1000〜5000倍で
とり、その写真より任意に抽出した200本の繊維側面
の幅を測定し、算術平均により決定した。
【0029】捕集効率 JIS試験用ダスト11種とJIS試験用ダスト8種と
を質量比8/2で混合し、この混合粒子を水1リットル
に付き0.025gの割合で分散させ、得られた水溶液
を円筒型フィルター濾材に線速度5cm/分で供給し、3
分経過後に濾材の前後の液の濃度を測定し、下記の式で
捕集効率を求めた。 捕集効率(%)=(1−出口濃度/入口濃度)×100
【0030】濾過ライフ 濾材の前後の差圧をデジタルマノメータで測定し、濾過
圧力が5kg/cm2 になるまでの時間を測定して求めた。
【0031】 表 3 実施例1 比較例1 比較例2 捕集効率(%) 88 44 89 濾過ライフ(分) 31 29 7
【0032】上記の表1ないし表3から明らかなよう
に、比較例1は単孔吐出量および繊維径を大きく設定し
たため、濾過ライフは長い反面、捕集効率が低く、比較
例2は単孔吐出量および繊維径を小さく設定したため、
反対に捕集効率が高い反面、濾過ライフが短くなった。
これに対して実施例1は、単孔吐出量および繊維径をノ
ズルの幅方向で変更し、フィルターの目孔サイズを外層
で大きく、内層で小さくしたので、捕集効率および濾過
ライフの双方が優れていた。
【0033】実施例2および比較例3 実施例1のノズルを水平面に対して傾斜させることによ
り、ノズルと捕集ネット間の距離を、下記表4のように
ノズルの左右で相違させ、融着比率を変更して実施例2
および比較例3の円筒型フィルター濾材を作製し、5kg
f /cm2 の最大濾過圧を加えて濾材の破裂の有無を比較
した。ただし、融着比率は、内側の第2層と第3層間の
ものを対象とし、走査型顕微鏡で100〜500倍に表
面を拡大し、200本の繊維を任意に選び、その中で融
着している本数を数え、百分率を算出した。
【0034】 表 4 実施例2 比較例3 ノズル左端とネットの距離(cm) 15 60 ノズル右端とネットの距離(cm) 30 75 融着比率(%) 15 3 濾材破裂の有無 無 有
【0035】上記表4に示すように、融着比率15%の
実施例2には、濾材破裂が生じなかったのに対し、融着
比率3%の比較例3では濾材破裂が発生した。
【0036】
【発明の効果】請求項1に記載した発明は、熱可塑性合
成繊維からなる長尺の繊維ウエブをロール状に巻き重ね
て形成した円筒型フィルター濾材において、上記の繊維
ウエブが繊度の異なる多種類の繊維で、その幅方向の一
端に細い繊維が、他端に太い繊維がそれぞれ分布するよ
うに形成されており、この繊維ウエブが螺旋状に巻き重
ねられ、上記円筒型フィルター濾材の内層から外層まで
の各層を構成する繊維が厚み方向の繊度勾配を有してい
るので、メルトブローノズルの使用で容易に製造するこ
とができ、このメルトブローノズルを捕集ネットに対し
て傾斜させ、オリフィスと捕集ネット間の距離変更によ
る密度勾配のみを付して繊維ウエブを作製する場合に比
べ、円筒型フィルター濾材の厚み方向に目孔サイズの勾
配を容易に付すことができ、かつその勾配の大きさ設定
の自由度が大きく、また目孔サイズを内層または外層の
いずれで大きくすることも可能であり、しかも生産性が
高く、低コストで生産でき、また繊維相互の融着比率を
10%以上に高めて破裂強度を向上させ、液体の濾過に
使用した際の破裂を防ぐことができる。そして、上記の
密度勾配を付す手法と組合せることにより、目孔サイズ
を更に広い範囲で自由に設定することが可能になる。ま
た、ホース状のエンドレスフィルターとしても使用が可
能であり、また所定の長さで切断し、一端を融着して袋
状フィルターとすることもできる。
【0037】請求項2に記載された発明は、幅方向に長
いノズルの前面に直線状に配列された多数個の吐出孔か
ら溶融ポリマーを押出し、この押出された多数本の線状
ポリマーの両面に沿って同じ方向に加熱空気を高速で噴
出し、得られた繊維状ポリマーを捕集し、繊維状ポリマ
ーの接触部を融着させてウエブ化するようにしたメルト
ブロー法による繊維ウエブの製造法において、上記のノ
ズルから溶融ポリマーを、吐出孔1個当たりの吐出量が
ノズルの幅方向の一端から他端に向かって増大するよう
に吐出して、繊度の異なる多種類の繊維からなり、幅方
向の一端に細い繊維が、他端に太い繊維がそれぞれ分布
する繊維ウエブを作製し、得られた繊維ウエブを螺旋状
に巻取って円筒状に形成し、その内層から外層までの各
層を構成する繊維に厚み方向の繊度勾配を付したもので
あるから、上記の請求項1に記載された円筒型フィルタ
ー濾材を容易に製造することができる。
【0038】請求項3に記載された発明は、請求項2に
記載された発明において、メルトブロー法で作製された
繊維ウエブを螺旋状に巻取る際、スパンボンド法で作製
され、上記メルトブロー法で作製された繊維ウエブより
も太い繊度の繊維からなる繊維ウエブと複合して巻取る
方法であるから、繊維ウエブの厚みを増したり、幅を増
したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒型フィルター濾材の製造装置の斜視図であ
る。
【図2】円筒型フィルター濾材の断面図である。
【符号の説明】
10:メルトブローノズル 11:捕集用のネットコンベヤ 12:回転マンドレル 16:繊維ウエブ 17:円筒型フィルター濾材 17a:最内層 17b:中間層 17c:最外層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性合成繊維からなる長尺の繊維ウ
    エブをロール状に巻き重ねて形成した円筒型フィルター
    濾材において、上記の繊維ウエブが繊度の異なる多種類
    の繊維で、その幅方向の一端に細い繊維が、他端に太い
    繊維がそれぞれ分布するように形成されており、この繊
    維ウエブが螺旋状に巻き重ねられ、上記円筒型フィルタ
    ー濾材の内層から外層までの各層を構成する繊維が厚み
    方向の繊度勾配を有していることを特徴とする円筒型フ
    ィルター濾材。
  2. 【請求項2】 幅方向に長いノズルの前面に直線状に配
    列された多数個の吐出孔から溶融ポリマーを押出し、こ
    の線状に押出された多数本の溶融ポリマーの両面に沿っ
    て同じ方向に加熱空気を高速で噴出し、得られた繊維状
    ポリマーを捕集し、その接触部を融着させてウエブ化す
    るようにしたメルトブロー法による繊維ウエブの製造法
    において、上記のノズルから溶融ポリマーを、吐出孔1
    個当たりの吐出量がノズルの幅方向の一端から他端に向
    かって増大するように吐出して、繊度の異なる多種類の
    繊維からなり、幅方向の一端に細い繊維が、他端に太い
    繊維がそれぞれ分布する繊維ウエブを作製し、得られた
    繊維ウエブを螺旋状に巻取って円筒状に形成し、その内
    層から外層までの各層を構成する繊維に厚み方向の繊度
    勾配を付したことを特徴とする円筒型フィルター濾材の
    製造法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された円筒型フィルター
    濾材の製造法において、メルトブロー法で作製された繊
    維ウエブを螺旋状に巻取る際、スパンボンド法で作製さ
    れ、上記メルトブロー法で作製された繊維ウエブよりも
    太い繊度の繊維からなる繊維ウエブと複合して巻取る円
    筒型フィルター濾材の製造法。
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