JPH08308882A - 介助兼用電動車椅子のステップ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 介助兼用車椅子の前後方向の転倒を防止す
る。車体３の前後方向の長さを短縮し、安定走行を図
る。 【構成】 シート１を操向ハンドル２のある前側と反対
側の後側とに振替えて走行できる介助兼用電動車椅子に
おいて、車体３後端下部に、補助輪４を有するステップ
５を、ステップ姿勢Ａと、車体３後傾斜時に補助輪４が
接地しうる接地姿勢Ｂとに切替え可能に設けてなる介助
兼用電動車椅子のステップ装置の構成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、介助兼用電動車椅子
のステップ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】電動
モータで駆動走行される介助兼用電動車椅子では、患者
自身で運転できる場合と、介助者によって運転操作する
場合とがあり、この発明では、シートを前後方向へ振替
えていずれの運転にも用いることができるようにしたも
のである。いずれの場合も車体の前後長さを短くするた
め前後転倒を生じ易く不安定な走行となり易い。

【０００３】

【課題を解決するための手段】この発明は、シート１を
操向ハンドル２のある前側と反対側の後側とに振替えて
走行できる介助兼用電動車椅子において、車体３後端下
部に、補助輪４を有するステップ５を、ステップ姿勢Ａ
と、車体３後傾斜時に補助輪４が接地しうる接地姿勢Ｂ
とに切替え可能に設けてなる介助兼用電動車椅子のステ
ップ装置の構成とする。

【０００４】

【作用、及び発明の効果】介助者が付き添って運転操作
するときは、シート１を操向ハンドル２のある前側とは
反対の後側へ向け、ステップ５はステップ姿勢Ａに突出
させる。シート１に座る患者はこのステップ５上に足を
載せ、介助者が操向ハンドル２を保持して歩道に立ち操
向操作を行なう。このときシート１上の患者の体重が操
向ハンドル２側に変位しても、操向ハンドル２側の操向
車輪によって支持されるために、車体の操向ハンドル２
側への転倒を防止する。又、患者自身が運転操作すると
きは、シート１を操向ハンドル２の側へ向けて、ステッ
プ５は補助輪４が接地姿勢Ｂになるよう切替える。この
状態では坂道等で車体が後方へ傾斜すると、補助輪４が
路面に接地されて、後方転倒を防止するものである。こ
のときステップ５部は上方へ収納姿勢となる。このよう
に補助輪４をステップ５のステップ姿勢Ａと接地姿勢Ｂ
とに切替自在にして、車椅子車体の後部に装着するもの
であるから、シート１の前後振替えとこのステップ５の
切替えとによって、患者自身による運転と介助者運転と
に簡単に切替えて、車体の前後転倒を防止して安全運転
を維持できる。又、車体の前後長を短くコンパクトな構
成とすることができる。

【０００５】

【実施例】介助兼用電動車椅子の車体３は、操向ハンド
ル２によって操向される前車輪６と、後部において電動
モータによって駆動される左右一対の後車輪７とを有す
る三輪車形態である。電動モータや後車輪７への電動機
構等を覆うボンネット８を有し、このボンネット８の上
側に上下方向のシート軸９の回りにシート１が前後方向
へ振替回動自在に設けられる。１１はバックシート、１
２はアームレストである。１０はフロアステップ、１３
はハンドル軸で、ホーク１４で単一前車輪６を軸受け
し、ステアリングポスト１５に対し操向回動自在に構成
している。このステアリングポスト１５は車体３前端部
に対して前後に振替回動できる構成としている。

【０００６】ステップ５は、車体３後端部において、ブ
ラケット１６後端の横方向の軸１７回りに回動自在で、
上部にステップ５を形成し、下部に補助輪４を回転自在
に設け、該軸１７回りに回動することにより、ステップ
５部が後方へ突出して補助輪４が前上部に収納するステ
ップ姿勢Ａと、ステップ５部が前上部へ収納して補助輪
４が後下部へ突出して路面上に接近する位置となる接地
姿勢Ｂとに切替えることができる。

【０００７】ステップ５は、下面にリフレクター１８を
有し、接地姿勢Ｂにしたとき、後方へ反射しうる構成と
している。又、前記ハンドル軸１３は、ステアリングポ
スト１５と共に車体３に対して一定のステアリング角α
を有するが、このステアリングポスト１５の前後振替え
によって前側から介助者による歩行姿勢での操向を行い
易くしている。又、走行の前進、又は後進は正、逆転用
の電動モータによって行なわせるもよい。ハンドルパネ
ル１９にはその操作スイッチ等を設けている。

【０００８】シート１上に座る患者Ｃ自身が運転すると
きは、図２、図４のように、シート１を前側に向けて、
ハンドル２は後側に向けて、ステップ５を上方へ折り畳
んだ状態の接地姿勢Ｂで運転操作する。路面Ｅが昇り傾
斜θ面であるように、車体３が後方へ傾斜して、運転者
Ｃの重量等によって、車体３が後方へ転倒しようとする
と接地輪４が路面Ｅに接地支持されて、転倒させない。

【０００９】又、介助者Ｄが操作するときは、図１、図
３のように、操向ハンドル２のステアリング角αを後方
へ切替えて、操向を行い易くしている。このときステッ
プ５は後方へ突出されて、シート１上の患者は足をこの
ステップ５上面にのせる。このとき補助輪４は路面Ｅか
ら大きく離間し、シート１上の患者Ｃは、頭部を後傾に
して重心を走行方向の後方へ変位させることが多いが、
車体３はこの後方のハンドル２側の前車輪６による支持
によって、車体３の後方転倒を防止する。

【００１０】

【図面の簡単な説明】

【図１】側面図。

【図２】その作用を示す側面図。

【図３】運転操作状態を示す側面図。

【図４】その作用を示す側面図。

【図５】ステップ部の斜視図。

【符号の説明】

１ シート ２ 操向ハンドル ３ 車体 ４ 補助輪 ５ ステップ Ａ ステップ姿勢 Ｂ 接地姿勢

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート（１）を操向ハンドル（２）のあ
   る前側と反対側の後側とに振替えて走行できる介助兼用
   電動車椅子において、車体（３）後端下部に、補助輪
   （４）を有するステップ（５）を、ステップ姿勢（Ａ）
   と、車体（３）後傾斜時に補助輪（４）が接地しうる接
   地姿勢（Ｂ）とに切替え可能に設けてなる介助兼用電動
   車椅子のステップ装置。