JPH08308738A - 自動販売機のコーヒー抽出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 抽出終了までの時間が同じでも同程度の濃い
コーヒーでにごりが少ない渋味のないコーヒーを抽出で
きるようにする。 【構成】 抽出室３と、抽出室３に空気を送り加圧する
エアポンプ１４と、混合液１５を濾過するフィルタ１７
と、それにより濾過された液を受ける濾過液受け１６
と、抽出室３とミキシングボール１８にこの濾過液を振
り分ける三方弁２６とから構成され、一度ほぼ全量抽出
された濾過液を三方弁２６により再度抽出室３へ送り、
もう一度加圧抽出した後ミキシングボール１８へ抽出液
を供給するのである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はコーヒー飲料を販売する
カップ式自動販売機における自動販売機のコーヒー抽出
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、コーヒーの自動販売機は味の高級
化嗜好に伴い、レギュラーコーヒーが普及し、より濃く
渋味の少ないコーヒーが求められている。

【０００３】従来の自動販売機のコーヒー抽出装置とし
ては、特公平６−８７２７７号公報または実公昭６３−
３１１７９号公報に示されているものがある。

【０００４】以下、図面を参照しながら上記従来の自動
販売機のコーヒー抽出装置を説明する。

【０００５】図５は、従来の自動販売機のコーヒー抽出
装置の構成図、図６はそのタイムチャート、図７は別の
抽出装置のタイムチャートである。

【０００６】図５において、１はヒータタンク、２はコ
ーヒーキャニスタ、３は抽出室、４は抽出室３に設けら
れた隔壁５に区切られた上室、６は下室、７は隔壁５に
設けられた連通孔、８はヒータタンク１より上室４へ湯
９を供給する為の湯弁、１０はコーヒーキャニスタ２よ
り上室４へコーヒー粉１１を導くシュート、１２は上下
動し上昇時連通孔７に当接し、閉塞する弁体、１３は下
室６下部に設けられた空気供給口、１４は空気供給口１
３を通してコーヒー粉１１と湯９の混合液１５に空気を
供給するエアポンプ、１４ａはヒータタンク１に巻き付
けられてエアポンプ１４に温かい空気を送る配管、１６
は下室６の開口部６ａにフィルタ１７を押し当てる濾過
液受け、１８はキャニスタ１９，２０よりシュート２１
を介して投入された砂糖やクリームを濾過液受け１６よ
り供給された濾過液を撹拌するミキシングボールでカッ
プ２２へ撹拌液を投入する。

【０００７】以上のように構成された自動販売機のコー
ヒー抽出装置について、以下その動作を説明する。

【０００８】図６において、まず湯弁８が開き、ヒータ
タンク１より湯９が抽出室３の上室４へ投入されると同
時に、コーヒーキャニスタ２よりシュート１０を介して
コーヒー粉１１が上室４へ投入される。この時弁体７は
下降しており、隔壁５の連通孔７より湯９とコーヒー粉
１１の混合液１５は下室６へたまる。空気供給口１３よ
りエアポンプ１４から温かい空気が混合液１５内へ送ら
れ、混合液１５を８秒間攪拌する。

【０００９】次に弁体１２が閉じ連通孔７を閉塞する
と、下室６の圧力が高まり混合液はフィルタ１７により
濾過され、濾過液受け１６より排出され、ミキシングボ
ール１８へ供給される。濾過開始より６秒後エアポンプ
１４は停止し、弁体１２は下降し濾過は終了する。ミキ
シングボール１８に供給された濾過液は、キャニスタ１
９，２０よりシュート２１を介して投入された砂糖やク
リームと攪拌され、カップ２２へ投下される。

【００１０】次に従来における他の自動販売機のコーヒ
ー抽出装置について以下その動作を説明する。なお上記
従来事例と同一の動作については説明を省略する。

【００１１】図７において、連通孔７より混合液１５が
下室６にたまると、弁体１２が閉じ５秒間むらす。次に
エアポンプ１４より下室６に温かい空気が送られ加圧さ
れて濾過液受け１６よりミキシングボール１８へ濾過液
が供給される。加圧開始より６秒後にエアポンプ１４が
停止し弁体１２が開いて濾過を終了する。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成は、濃いコーヒーを抽出する為、混合液１５を
空気にて８秒間撹拌（それ以上撹拌しても効果は小さ
い）するので濾過液はにごったものとなり渋味の強いコ
ーヒーになる。

【００１３】本発明は従来の課題を解決するもので、抽
出終了までの時間が同じでも同程度の濃いコーヒーでに
ごりが少ない渋味のないコーヒーを抽出できる自動販売
機のコーヒー抽出装置を提供することを目的とする。

【００１４】また、上記従来の構成は、にごりの少ない
コーヒーをより短時間で抽出する為、混合液１５を撹拌
せずに５秒間むらした後（それ以上むらしても効果は小
さい）抽出するものであるが、むらすだけでは濃いコー
ヒーを得ることはできなかった。

【００１５】本発明の他の目的は、むらし時間が同じで
もより濃いコーヒーを抽出できる自動販売機のコーヒー
抽出装置を提供することである。

【００１６】また、エアポンプ１４により送られる空気
は外気の細菌等を含んでおり不衛生的であった。

【００１７】本発明の他の目的は、温かく衛生的な空気
を抽出室３内へ送り込んで加圧抽出できる自動販売機の
コーヒー抽出装置を提供することである。

【００１８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の自動販売機のコーヒー抽出装置は、抽出室とミ
キシングボールの間に三方弁を設け、一度ほぼ全量抽出
された濾過液を三方弁により再度抽出室へ送り、もう一
度抽出した後ミキシングボールへ抽出液を供給するもの
である。

【００１９】また、抽出室にて一定量抽出された濾過液
を三方弁により再度抽出室へ送り、もう一度抽出した
後、ミキシングボールへ抽出液を提供するものである。

【００２０】また、ヒータ上部に設けた蒸気取り出し口
よりエアポンプにより抽出室内へ蒸気を送り込んで加圧
抽出するものである。

【００２１】

【作用】本発明の自動販売機のコーヒー抽出装置は、撹
拌せずに２回抽出するのでにごりがなく、渋味のない濃
いコーヒーを撹拌する方法と同一時間で提供できる。

【００２２】また、一定量のみ最初に抽出し、再度全量
抽出する事により最初抽出されなかった湯によりコーヒ
ーはむらされる為、ただむらすだけより濃いコーヒーを
同一時間で提供できる。

【００２３】また、加圧抽出する為の空気は、ヒータタ
ンク内の蒸気である為、温度が高く抽出時、抽出室内の
混合液の温度低下を少なくでき又ヒータタンク内は常に
９０℃以上に保たれており、その内の空気中の細菌はほ
ぼ死滅する為、衛生的な蒸気により加圧抽出する事がで
きる。

【００２４】

【実施例】以下、本発明による自動販売機のコーヒー抽
出装置の第一の実施例について、図面を参照しながら説
明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を
付して詳細な説明を省略する。

【００２５】図１は、本発明の一実施例による自動販売
機のコーヒー抽出装置の構成図である。図２は、本発明
の第一の実施例による自動販売機のコーヒー抽出装置の
タイムチャートである。

【００２６】図１において、２３は抽出室３の下室６上
部に設けられた空気供給口、２４はヒータタンク１の上
部に設けられたオーバーフロー用排水管、２５は排水管
２４より上部に設けられた蒸気取り出し口、２６は濾過
液受け１６とミキシングボール１８の間に設けられ濾過
液をミキシングボール１８と抽出室３の上室４へ振り分
ける三方弁、２８は三方弁２６を制御する三方弁制御装
置、２７は弁体１２の閉じたことを検知して、カウント
アップを開始するタイマである。２９はエアポンプ１４
と弁体１２を制御するエアポンプ・弁体制御装置であ
る。

【００２７】以上のように構成された自動販売機のコー
ヒー抽出装置について、以下その動作を説明する。

【００２８】図３において、湯弁８とコーヒーキャニス
タ２より湯９とコーヒー粉１１が抽出室３の上室４へ投
入される。この時弁体１２は下降しており、湯９とコー
ヒー粉１１の混合液１５は、抽出室３の連通孔７を通っ
て下室６へたまる。エアポンプ・弁体制御装置２９によ
り弁体１２が上昇し隔壁５に当接して連通孔７を閉じる
と、ヒータタンク１内の蒸気が蒸気取り出し口２５を通
じエアポンプ１４により空気供給口２３より送られて、
下室６は加圧され混合液１５はフィルタ１７より濾過さ
れて三方弁２６へ送られる。この時、ヒータタンク１内
は減圧され排水管２４より空気が補給され湯９により加
熱される。三方弁２６より濾過液は再度抽出室３の上室
４へ送られ、６秒間加圧後エアポンプ１４が停止し弁体
１２が開き下室６へたまる。２秒後弁体１２が再度閉
じ、タイマ２７がカウントアップを開始し三方弁制御装
置２８により三方弁２６が６秒以上ＯＮする。エアポン
プ１４より空気が送られ６秒間加圧されて、濾過液は三
方弁２４よりミキシングボール１８へ送られる。

【００２９】以上のように本実施例の自動販売機のコー
ヒー抽出装置は、攪拌せず全量を抽出した液を三方弁２
６より再度抽出室３へ送りもう一度抽出するので、従来
の撹拌後抽出する場合（図６参照）と同時間で同程度の
濃さが得られ、にごりの少ない渋味がないコーヒーが抽
出される事が実験により確かめられている。又、高温の
蒸気にて加圧抽出される為、抽出時の温度低下が少な
く、ヒータタンク１内で空気中の細菌は９０℃以上に加
熱され死滅しているため衛生的である。又、再度液が抽
出室３の上室４へ送られた時、上室４に残留していたコ
ーヒー粉を洗い流してくれる。又、撹拌しない為、抽出
室３の下室６に混合液１５内のコーヒー粉が付着する事
が少なくなる。

【００３０】次に、本発明による自動販売機のコーヒー
抽出装置の第２の実施例について、図３を参照しながら
説明する。なお、構成については、第１の実施例とエア
ポンプ・弁体制御装置のみ異なり同一のものについては
符号を付して詳細な説明を省略する。

【００３１】図４は本発明の第２の実施例による自動販
売機のコーヒー抽出装置のタイムチャートである。

【００３２】第１の実施例のタイムチャート（図２）と
図４とを比較すればわかるように、第２の実施例は一度
目の抽出において混合液１５を全量抽出するのではなく
３秒間のみ抽出し約半量を抽出室３内へ残しておくもの
で、その他の動作は第１の実施例と同一である。

【００３３】以上のように、半量混合液１５を残すこと
によりむらされる為、従来の全量でただむらして抽出す
る場合（図６参照）と同時間でより濃いコーヒーを抽出
する事ができる。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、ほぼ全量
抽出した液を三方弁により再度抽出室へ送りもう一度抽
出するのでにごりの少ない渋味のないコーヒーを提供で
きる。

【００３５】又一定量のみ抽出した液を三方弁により再
度抽出室へ送りもう一度抽出することにより、最初の抽
出で残った液によりむらされる為、短時間でにごりの少
ない濃いコーヒーを提供できる。

【００３６】又、抽出液を再度抽出室へ戻す為、抽出室
に残留していたコーヒー粉を洗い流すことができる。

【００３７】又、ヒータタンク内の細菌のない高温の蒸
気により加圧抽出する為抽出時の温度低下が少なく衛生
的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による自動販売機のコーヒー抽出装置の
第１の実施例の構成を示す配管図

【図２】同実施例の自動販売機のコーヒー抽出装置のタ
イムチャート

【図３】本発明による自動販売機のコーヒー抽出装置の
第２の実施例の構成を示す配管図

【図４】同実施例の自動販売機のコーヒー抽出装置のタ
イムチャート

【図５】従来の自動販売機のコーヒー抽出装置の構成を
示す配管図

【図６】従来の自動販売機のコーヒー抽出装置のタイム
チャート

【図７】従来の自動販売機のコーヒー抽出装置のタイム
チャート

【符号の説明】

３ 抽出室 ６ａ 下面開口部 ９ 湯 １１ コーヒー粉 １４ エアーポンプ １５ 混合液 １６ 濾過液受け １７ フィルタ １８ ミキシングボール ２４ 排水管 ２５ 蒸気取り出し口 ２６ 三方弁

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 抽出室と、この抽出室に空気を送り込む
   エアポンプと、前記抽出室の下面開口部にフィルタを押
   し当てる濾過液受けと、濾過液が供給され前記抽出室と
   ミキシングボールへこの濾過液を振り分ける三方弁とか
   らなり、前記抽出室へ投入された湯とコーヒー粉の混合
   液を前記エアポンプより前記混合液外へ供給される空気
   により加圧しほぼ全量抽出した後、前記三方弁より再度
   前記抽出室へ投入し、再度加圧抽出し、前記三方弁より
   ミキシングボールへ抽出液を供給することを特徴とする
   自動販売機のコーヒー抽出装置。
2. 【請求項２】 抽出室と、この抽出室に空気を送り込む
   エアポンプと、前記抽出室の下面開口部にフィルタを押
   し当てる濾過液受けと、濾過液が供給され前記抽出室と
   ミキシングボールへこの濾過液を振り分ける三方弁とか
   らなり、前記抽出室へ投入された湯とコーヒー粉の混合
   液を前記エアポンプより前記混合液外へ供給される空気
   により加圧し所定量抽出した後、前記三方弁より再度前
   記抽出室へ投入し、再度加圧全量抽出し、前記三方弁よ
   りミキシングボールへ抽出液を供給することを特徴とす
   る自動販売機のコーヒー抽出装置。
3. 【請求項３】 ヒータタレフ上部に設けたオーバーフロ
   ー用排水管と、この排水管より上部に設けた蒸気取り出
   し口と、この蒸気取り出し口よりエアポンプにより抽出
   室内へ蒸気を送り込んで加圧抽出することを特徴とする
   請求項１または２記載の自動販売機のコーヒー抽出装
   置。