JPH10334340A - 飲料供給装置 - Google Patents

飲料供給装置

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JPH10334340A
JPH10334340A JP15599197A JP15599197A JPH10334340A JP H10334340 A JPH10334340 A JP H10334340A JP 15599197 A JP15599197 A JP 15599197A JP 15599197 A JP15599197 A JP 15599197A JP H10334340 A JPH10334340 A JP H10334340A
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JP
Japan
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beverage
extractor
hot water
extraction
coffee
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JP15599197A
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English (en)
Inventor
Noboru Chigira
登 千木良
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飲料原料から飲料を抽出して供給する飲料供
給装置において、風味の良い飲料を生成しつつ、その生
産効率を改善する。 【解決手段】 飲料原料から飲料を抽出して供給するも
のであって、飲料原料と湯を混合することにより、一回
の抽出動作にて複数杯分の飲料を抽出する抽出器7と、
この抽出器7にて抽出された飲料を複数杯分貯える貯蔵
槽13と、抽出器7の抽出動作を制御する制御装置51
とを備えており、この制御装置51は、抽出器7におけ
る一回の抽出動作に必要な量の湯を、複数回に分けて抽
出器7に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料原料から飲料
を抽出して供給する飲料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より例えば自動販売機においては、
特開平9−62929号公報(G07F13/00)に
示される如く、コーヒーなどの挽き豆原料からコーヒー
などの飲料を抽出し、他の砂糖或いはミルクなどと混合
した後、カップに注入して販売するよう構成されてい
る。特に、近年では食品衛生法の改正により、この種自
動販売機においても飲料を予め複数杯分抽出して保存し
て置き、販売毎に一杯分の飲料をカップに注入して販売
する方式が採れるようになり、前記公報においても抽出
装置にて抽出された複数杯分の飲料を貯蔵槽に貯えて販
売する方式が示されている。
【0003】係る方式によれば、販売毎の抽出に比較し
て、顧客の待ち時間を短縮することが可能となると共
に、抽出に必要なペーパーフィルタなどの消耗品の消費
量も削減し、効率的な飲料販売を達成することができる
ようになる。また、抽出器において飲料抽出に充分な時
間をかけることができるので、良い味覚の飲料を作るこ
とができる利点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種自動
販売機などの業務用の飲料供給装置では、出来る限り少
ない量の原料から良い味覚の濃い飲料を抽出することが
経済効果上の最大の課題となる。その方法として従来例
えばコーヒーにあっては、第一に挽き豆をより細かくす
る、第二に焙煎の度合いを深くする、第三に湯と原料を
激しく攪拌するなどが考えられているが、第一と第三の
方法は濃度が良くなるものの、多くのダスト分(フィル
タを通過してしまう微細な原料)が飲料に混入して透明
度、舌触り共に悪化する。
【0005】また、第二の方法では見かけ上の色合いは
良くなるものの、焦げ臭が強くなり、挽き豆コーヒー特
有の風味が損なわれてしまう。従って、挽き豆自体の工
夫や攪拌する方法によって抽出飲料の品質を向上するこ
とには限度がある。
【0006】一方、コーヒーの抽出方式としては、微細
な挽き豆を小容器に封じ込め、これに高温の湯を高圧で
通過させて少量の濃い飲料を得るヨーロッパ的な方式
と、湯と挽き豆を混合してペーパーフィルタなどにより
濾過するドリップ式と称される米国、日本、英国などで
普及している方式などがあるが、特に、湯と挽き豆を混
合して濾過する方式の場合、挽き豆から成分が湯中に溶
出するに従って、溶出速度は反比例的に低下して行くこ
とが知られている。
【0007】本発明は、係る従来の技術的課題を解決す
るために成されたものであり、飲料原料から飲料を抽出
して供給する飲料供給装置において、風味の良い飲料を
生成しつつ、その生産効率を改善することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の飲料供給装置
は、飲料原料から飲料を抽出して供給するものであっ
て、飲料原料と湯を混合することにより、一回の抽出動
作にて複数杯分の飲料を抽出する抽出器と、この抽出器
にて抽出された飲料を複数杯分貯える貯蔵槽と、抽出器
の抽出動作を制御する制御装置とを備えており、この制
御装置は、抽出器における一回の抽出動作に必要な量の
湯を、複数回に分けて抽出器に供給するものである。
【0009】抽出器内において湯と混合された飲料原料
は、湯の中で浮遊した状態にあり、原料からは徐々に成
分が湯中に溶出して行く。この溶出速度は湯中の成分濃
度が増加するに従って反比例的に低下していく。
【0010】そこで、本発明では抽出器における一回の
抽出動作に必要な量の湯を、複数回に分けて抽出器に供
給するようにしたので、湯を供給する毎に飲料原料が接
触している湯中の成分濃度を低下させ、飲料原料からの
成分溶出速度を高めることができるようになる。従っ
て、本発明によれば少ない量の飲料原料からより良い味
覚の、より濃い飲料を抽出することができるようにな
り、特に貯蔵槽に貯えて置いた飲料を適宜供給する方式
の飲料供給装置において、その生産効率を著しく向上さ
せることが可能となるものである。
【0011】請求項2の発明の飲料供給装置は、上記に
おいて制御装置が、前回供給された湯による抽出が終了
した後、次回の湯を抽出器に供給するように構成したも
のである。
【0012】請求項2の発明によれば、上記に加えて制
御装置は、前回供給された湯による抽出が終了した後、
次回の湯を抽出器に供給するように構成したので、新た
に湯を供給した時点の成分濃度を限りなく零に近付ける
ことができるようになる。また、新たに湯を供給する時
点で飲料原料は湯で膨潤しているので、原料に含まれて
いる多くの味覚を構成する成分が溶出し易い状態となっ
ており、総じて原料飲料からの成分溶出速度の更なる向
上を図ることが可能となるものである。
【0013】請求項3の発明の飲料供給装置は、上記各
発明において制御装置が、抽出器に供給する最初の湯量
を最大とするように構成したものである。
【0014】請求項3の発明によれば、上記各発明に加
えて制御装置は、抽出器に供給する最初の湯量を最大と
するように構成したので、貯蔵槽が空となっている場合
にも、一杯分以上の飲料を貯蔵槽内に迅速に貯えること
ができるようになり、特に、自動販売機などにおいては
顧客の待ち時間を著しく短縮することが可能となるもの
である。
【0015】請求項4の発明の飲料供給装置は、上記各
発明において抽出器は、フィルタ上に構成された抽出室
を備えており、この抽出室内にて飲料原料と湯を混合す
ることによって、フィルタ下に飲料を抽出すると共に、
この抽出器の抽出室内からフィルム下方に飲料を吸引し
導出する吸引ポンプを設けているものである。
【0016】請求項4の発明によれば、上記各発明に加
えて抽出器のフィルタ上に構成された抽出室内から吸引
ポンプによってフィルタ下方に飲料を吸引し導出するよ
うにしたので、この吸引ポンプの吸引能力を制御するこ
とによって、飲料の濾過速度を調節することが可能とな
る。これにより、フィルタを通過する原料微粉末や渋み
を抑制し、雑味の少ない美味しい飲料を生成することが
可能となるものである。
【0017】請求項5の発明の飲料供給装置は、上記各
発明において抽出器の抽出室内に加圧空気を供給する空
気ポンプを備えており、制御装置は、貯蔵槽に貯えられ
た飲料を適宜供給するバッチ抽出モードと、抽出器にて
一杯分の飲料を抽出し、貯蔵槽を介さずに供給する都度
抽出モードとを選択的に実行すると共に、バッチ抽出モ
ードにおいては抽出器に複数回に分けて湯を供給する動
作を実行し、都度抽出モードにおいては空気ポンプを動
作させて抽出室内を加圧するように構成したものであ
る。
【0018】請求項5の発明によれば、比較的時間をか
けて飲料を抽出できるバッチ抽出モードにおいては湯を
複数回に分けて供給する動作を実行し、短時間で飲料を
生成しなければならない都度抽出モードにおいては空気
ポンプによって抽出器の抽出室内を加圧するようにした
ので、バッチ抽出モードと都度抽出モードとを選択的に
実行する飲料供給装置において、バッチ抽出モードにお
いてはより良い味覚の濃い飲料を生成し、且つ、都度抽
出モードにおいてはより迅速に飲料を生成することがで
きるようになる。
【0019】特に、吸引ポンプにて抽出室から飲料を吸
引する場合、抽出速度を上げるために吸引能力を高くす
ると、吸引ポンプの吸引側の負圧が大きくなり、飲料が
低圧沸騰を起こして吸引能力が低下してしまうが、本発
明では都度抽出モードにおいて抽出室内を加圧している
ので、係る負圧を軽減し、低圧沸騰を防止することが可
能となる。これにより、各抽出モードにおける要求に応
じた効率的で、迅速且つ高品質な飲料抽出を実現するこ
とができるようになるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
形態を詳述する。図1は本発明の飲料供給装置の実施例
としての自動販売機1内部の構成を示している。実施例
の自動販売機1は、内部で調整したコーヒー(飲料)を
顧客にカップで販売するものであり、水道水を加熱して
+90℃以上の湯を作り貯蔵する湯タンク6と、この湯
タンク6に貯蔵された湯を後述する抽出器7に供給する
湯弁8と、カップCを供給するカップ供給装置11と、
コーヒーの挽き豆原料(飲料原料)を貯蔵するコーヒー
キャニスタ12と、前記粉末原料と湯を混合してコーヒ
ーを抽出する前述した抽出器7と、この抽出器7で抽出
されたコーヒーを温蔵する貯蔵槽13と、クリームを貯
蔵するクリームキャニスタ14と、砂糖を貯蔵する砂糖
キャニスタ16と、販売指令に従ってそれぞれ供給され
た砂糖及びクリームを、抽出されたコーヒーと混合する
ミキシングボール17と、カップCを置くためのカップ
受台18と、このカップ受台18の下方に配置された廃
棄バケツ19などが設けられている。
【0021】前記湯弁8からは給湯管21を介して抽出
器7に給湯される。また、この抽出器7は、図2に示す
如く上端及び下端が開口し、上下動自在とされたシリン
ダ22と、このシリンダ22の下方に配置された飲料受
台23と、シリンダ22内に挿脱自在に配置されたピス
トン24と、シリンダ22と飲料受台23間に介設され
たフィルタペーパー26とから構成されている。
【0022】前記ピストン24の周囲にはガスケット2
7が取り付けられており、ピストン24がシリンダ22
内に挿入された場合にその内壁面に水密的に当接する。
また、シリンダ22が飲料受台23上に降下した状態で
シリンダ22内部に抽出室28が構成され、この抽出室
28は例えばコーヒー三杯分(一杯分は概ね130g)
の湯と粉末原料を収容するのに充分な容量を備えるもの
とする。
【0023】更に、フィルタペーパー26は所定量ロー
ル状に捲回されており、このロールから引き出されて飲
料受台23上に配置され、シリンダ22が降下した状態
では飲料受台23とシリンダ22間に水密的に挟持され
ると共に、シリンダ22が上方に引き上げられた状態で
その長手方向に移動(送り出し)できるように構成され
ている。
【0024】また、シリンダ22内には空気ポンプ29
が連通接続されている。この空気ポンプ29は運転され
て圧搾空気をシリンダ22内に供給し、抽出室28内を
加圧するものである。更に、飲料受台23の下面からは
可撓性を備えた導出チューブ31が引き出されており、
切換弁32の一方の出口を介して貯蔵槽13の上部に連
通されている。そして、この導出チューブ31の途中に
は定容積ポンプから成る吸引ポンプ33が設けられてい
る。
【0025】前記切換弁32の他方の出口はチューブ4
1を介して前記ミキシングボール17上に連通されてい
る。また、貯蔵槽13の下端からは販売管42が引き出
され、ミキシングボール17上に連通されると共に、こ
の販売管42には販売弁43が介設されている。更に、
貯蔵槽13の下端からは廃棄管44が引き出され、廃棄
バケツ19上に連通されると共に、この廃棄管44には
廃棄弁46が介設されている。
【0026】また、前記クリームキャニスタ14と砂糖
キャニスタ16の下方には、それらから排出されたクリ
ーム或いは砂糖をミキシングボール17に案内するシュ
ート47が配設されると共に、ミキシングボール17か
らはカップ受台18上のカップC上に向けて飲料チュー
ブ48が延在している。
【0027】上記湯弁8、コーヒーキャニスタ12、空
気ポンプ29及び吸引ポンプ33は、汎用のマイクロコ
ンピュータなどから構成された制御装置51により制御
される。尚、図1中には破線で示さないが、他の機器、
即ち、カップ供給装置11、クリームキャニスタ14、
砂糖キャニスタ16、シリンダ22及びピストン24の
上下動、フィルタペーパー26の送り出し動作、切換弁
32、販売弁43、廃棄弁46なども制御装置51にて
制御されることになる。
【0028】以上の構成で次ぎに制御装置51による本
発明の自動販売機1のコーヒー抽出動作を説明する。制
御装置51はバッチ抽出モードと都度抽出モードの二種
類の抽出モードが設定でき、これらの抽出モードを選択
的に実行可能とされている。即ち、前記バッチ抽出モー
ドは予め抽出器7にて複数杯分のコーヒーを抽出し、貯
蔵槽13に貯えて保存して置き、販売毎にこの貯蔵槽1
3から一杯ずつ販売する方式であり、例えば繁忙時間帯
には制御装置51はこのバッチ抽出モードに設定され
る。一方、都度抽出モードは販売毎に抽出器7にて一杯
分のコーヒーを抽出して販売する方式であり、繁忙時間
帯以外の時間帯においては制御装置51はこの都度抽出
モードに設定される。
【0029】次ぎに、図8のタイミングチャートを参照
しながら上記バッチ抽出モードにおける動作を説明す
る。制御装置51はこのバッチ抽出モードにおいて、貯
蔵槽13が空の状態では例えば三杯分のコーヒーを貯蔵
槽13に予め貯える動作を実行する。この場合の抽出に
必要となる挽き豆原料は28gであり、湯は420gで
あるものとする。
【0030】制御装置51は抽出器7のシリンダ22を
降下させてフィルタペーパー26を飲料受台23との間
に挟持させ、且つ、ピストン24を上昇させて抽出室2
8の上端を開口させている状態で、コーヒーキャニスタ
12から28gの挽き豆原料(供給時間7秒)と、湯タ
ンク6からは湯を先ず255g(供給時間5.1秒)だ
け抽出室28内に投入する(図2)。
【0031】以後、抽出室28内においては挽き豆原料
が湯中に浮遊している状態となり、挽き豆原料からはコ
ーヒー成分が湯中に溶出して行く。このとき、制御装置
51は切換弁32を貯蔵槽13側に連通させると共に、
空気ポンプ29は停止する。一方、吸引ポンプ33は運
転して抽出室28内からフィルタペーパー26を介して
下方の導出チューブ31にコーヒーを濾過しながら導出
させる(図3)。
【0032】ここで、抽出中におけるフィルタペーパー
26の濾過作用を検証すると、コーヒーの濾過作用はフ
ィルタペーパー26と成分を溶出してフィルタペーパー
26上に沈殿する滓が作る層との共働によって達成され
ている。そして、この層がダスト分(挽き豆原料中の細
かい微粉末)の通過を阻止することに役立っている。
尚、このコーヒー中にダスト分が多くなると透明感が悪
くなり、舌触りも悪化する。
【0033】また、抽出終了付近では滓から成分を絞り
終わる頃に、湯と原料の混合液上に細かい泡の層が浮遊
する。この泡には多くの渋みが含まれているため、滓中
に止めて置く必要がある。
【0034】そこで、制御装置51は上記抽出初期には
吸引ポンプ33の吸引能力を低下させ、中期には上昇さ
せると共に、後期には再び吸引応力を低下させる。この
場合、吸引ポンプ33は定容積ポンプであるので、吸引
能力の調整は正確且つ容易に行える。
【0035】このように制御することにより、初期段階
におけるダスト分の通過と、後期における渋みの通過を
抑制しつつ、抽出時間をできるだけ短縮することが可能
となる。
【0036】制御装置51は係る一回目の濾過を約20
秒実行するが、導出チューブ31に導出されたコーヒー
はそこを通って貯蔵槽13内に流入し、そこに貯えられ
て保温される。この20秒が経過する頃には図4の如く
フィルタペーパー26上には湯によって膨潤した挽き豆
原料のみが堆積した状態となっている。
【0037】次ぎに、制御装置51は湯タンク6から今
度は165gの湯(二回目の供給時間は3.3秒)を抽
出室28内に供給し、挽き豆原料と混合する(図5)。
このときに挽き豆原料が接する湯は殆どコーヒー成分濃
度零の湯であるから、膨潤された挽き豆原料からは活発
にコーヒー成分が湯中に溶出して行くことになる。そし
て、前述同様に吸引ポンプ33を運転して抽出室28内
からフィルタペーパー26を介して下方の導出チューブ
31にコーヒーを濾過しながら導出させる(図6)。
【0038】制御装置51はこの二回目の濾過も約20
秒実行するが、導出チューブ31に導出されたコーヒー
はこの場合も導出チューブ31を通って貯蔵槽13内に
流入し、一回目に抽出されたコーヒーと合わせて貯えら
れ、保温されることになる。そして、この20秒が経過
する頃には図7の如くフィルタペーパー26上にはコー
ヒー滓のみが堆積した状態となる。制御装置51は次ぎ
にシリンダ22を上昇させ、フィルタペーパー26を送
り出してコーヒー滓を廃棄処理する(5秒)。
【0039】即ち、この場合の一回の抽出動作に要する
時間は合計で63.3秒となり、これによって貯蔵槽1
3内には三杯分のコーヒーが貯えられることになる。
尚、挽き豆原料や湯量及び抽出時間の関係は予め実験に
より最適値を設定して置くものとする。
【0040】このように、本発明では抽出器7における
一回の抽出動作に必要な量の湯を、二回に分けて抽出器
7に供給するようにしているので、湯を供給する毎に挽
き豆原料が接触している湯中の成分濃度を略零に低下さ
せ、挽き豆原料からの成分溶出速度を高めることができ
るようになる。これにより、少ない量の挽き豆原料から
より良い味覚の、より濃い飲料を抽出することができる
ようになる。
【0041】特に、一回目に供給された湯による抽出が
終了した後、二回目の湯を抽出器7に供給するように構
成しているので、新たに湯を供給した時点の成分濃度を
限りなく零に近付けることができる。また、新たに湯を
供給する時点で挽き豆原料は湯で膨潤しているので、原
料に含まれている多くの味覚を構成する成分が溶出し易
い状態となっており、総じて原料飲料からの成分溶出速
度の更なる向上を図ることが可能となる。
【0042】実際に実施例の如く二回に分けて湯を供給
して抽出した場合と、全ての湯(420g)を一度に供
給した場合との比較実験結果を図9に示す。この図から
も明らかな如く、一回抽出では28gの挽き豆原料から
は濃度1.3のコーヒーしか得られないが、実施例の如
き方法によれば同じ量の原料から濃度1.7のコーヒー
が得られた(濃度測定はブリックスメーターによる)。
【0043】また、同一の濃度1.2のコーヒーを得る
場合、一度に湯を供給する方法では28gの原料を要し
たのに比較して、実施例の如く二回に分けて供給した場
合には20gの原料で済んだ。即ち、実施例によれば濃
度において30%の向上が見られ、原料は28%の節約
を達成できることが分かった。
【0044】尚、制御装置51は顧客が金銭を投入し、
例えば砂糖・クリーム入りコーヒーの選択ボタンを押す
と、先ずカップ供給装置11からカップCを受台18上
に供給する。次ぎにそれから二秒程遅延して販売弁43
を開き、一杯分(130g)のコーヒーを貯蔵槽13か
らミキシングボール17内に分与する。また、クリーム
キャニスタ14及び砂糖キャニスタ16からは所定量の
クリームと砂糖をミキシングボール17内に供給し、そ
こで混合した後、飲料チューブ48を介してカップC内
に注入するものである。
【0045】この場合にも、実施例では一回目の湯量を
255gと二回目よりも多くしているので、抽出開始か
ら約30秒後には貯蔵槽13内に230g程のコーヒー
を供給することができる(挽き豆原料に吸収される湯量
は約10%)。従って、貯蔵槽13が空となっている場
合にも、30秒後には一杯分以上のコーヒーを貯蔵槽1
3内に貯えることができるようになり、顧客の待ち時間
を著しく短縮することが可能となる。
【0046】尚、一度に三杯分を抽出する場合には全体
として7秒程時間が短縮されるが、抽出完了までには5
2秒を要するので、貯蔵槽13が空の状態から一杯のコ
ーヒーが販売可能となるまでに52秒かかることにな
る。
【0047】次ぎに、図10〜図12を参照しながら前
記都度抽出モードにおける動作を説明する。制御装置5
1はこの都度抽出モードにおいて、顧客が金銭を投入
し、例えば砂糖・クリーム入りコーヒーの選択ボタンを
押すと、先ずカップ供給装置11からカップCを受台1
8上に供給する。次ぎに、或いはそれと同時に一杯分の
コーヒーの抽出を開始するが、この場合の抽出に必要と
なる挽き豆原料は12gであり、湯は160gであるも
のとする。
【0048】この場合、制御装置51は前述同様に抽出
器7のシリンダ22を降下させてフィルタペーパー26
を飲料受台23との間に挟持させ、且つ、ピストン24
を上昇させて抽出室28の上端を開口させている状態
で、コーヒーキャニスタ12から12gの挽き豆原料
(供給時間3秒)と、湯タンク6からは湯を160g抽
出室28内に投入する(図10)。
【0049】以後、抽出室28内においては挽き豆原料
が湯中に浮遊している状態となり、挽き豆原料からはコ
ーヒー成分が湯中に溶出して行くが、このとき、制御装
置51は切換弁32をチューブ41側に連通させると共
に、ピストン24を降下させて抽出室28を密封する。
そして、空気ポンプ29を運転して抽出室28内を加圧
すると共に、吸引ポンプ33を前述同様に運転して抽出
室28内からフィルタペーパー26を介して下方の導出
チューブ31にコーヒーを濾過しながら導出させる(図
11)。
【0050】制御装置51はこの場合の濾過も約20秒
実行するが、この抽出時間をできるだけ短縮するために
濾過の中期に吸引ポンプ33の吸引能力を比較的高く設
定すると、吸引ポンプ33の吸引側の負圧が大きくな
り、コーヒーが低圧沸騰を起こしてガス体(蒸気)が発
生するようになる。係る蒸気が発生すると、吸引ポンプ
33の吸引能力が大きく低下してしまうが、実施例では
空気ポンプ29によって抽出室28内を加圧しているの
で、係る負圧を軽減し、低圧沸騰を防止することが可能
となる。これにより、吸引ポンプ33により効率的にコ
ーヒーを吸引導出することができるようになる。
【0051】このようにして導出チューブ31に導出さ
れたコーヒーはそこを通ってミキシングボール17内に
流入する。一方、制御装置51はクリームキャニスタ1
4及び作用キャニスタ16から所定量のクリームと砂糖
をミキシングボール17内に供給し、そこでコーヒーと
混合した後、飲料チューブ48を介してカップC内に注
入するものである。
【0052】尚、実施例ではコーヒーを例に採り説明し
たが、それに限らず、紅茶や緑茶などに適用しても本発
明は有効であり、また、自動販売機に限らず、原料と湯
を混合させて飲料を抽出する種々の飲料供給装置に本発
明は有効である。また、実施例に示した各数値はそれに
限られるものでは無く、装置の能力等に応じて適宜設定
するものとする。
【0053】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、抽出
器における一回の抽出動作に必要な量の湯を、複数回に
分けて抽出器に供給するようにしているので、湯を供給
する毎に飲料原料が接触している湯中の成分濃度を低下
させ、飲料原料からの成分溶出速度を高めることができ
るようになる。従って、本発明によれば少ない量の飲料
原料からより良い味覚の、より濃い飲料を抽出すること
ができるようになり、特に貯蔵槽に貯えて置いた飲料を
適宜供給する方式の飲料供給装置において、その生産効
率を著しく向上させることが可能となるものである。
【0054】請求項2の発明によれば、上記に加えて制
御装置は、前回供給された湯による抽出が終了した後、
次回の湯を抽出器に供給するように構成したので、新た
に湯を供給した時点の成分濃度を限りなく零に近付ける
ことができるようになる。また、新たに湯を供給する時
点で飲料原料は湯で膨潤しているので、原料に含まれて
いる多くの味覚を構成する成分が溶出し易い状態となっ
ており、総じて原料飲料からの成分溶出速度の更なる向
上を図ることが可能となるものである。
【0055】請求項3の発明によれば、上記各発明に加
えて制御装置は、抽出器に供給する最初の湯量を最大と
するように構成したので、貯蔵槽が空となっている場合
にも、一杯分以上の飲料を貯蔵槽内に迅速に貯えること
ができるようになり、特に、自動販売機などにおいては
顧客の待ち時間を著しく短縮することが可能となるもの
である。
【0056】請求項4の発明によれば、上記各発明に加
えて抽出器のフィルタ上に構成された抽出室内から吸引
ポンプによってフィルタ下方に飲料を吸引し導出するよ
うにしたので、この吸引ポンプの吸引能力を制御するこ
とによって、飲料の濾過速度を調節することが可能とな
る。これにより、フィルタを通過する原料微粉末や渋み
を抑制し、雑味の少ない美味しい飲料を生成することが
可能となるものである。
【0057】請求項5の発明によれば、比較的時間をか
けて飲料を抽出できるバッチ抽出モードにおいては湯を
複数回に分けて供給する動作を実行し、短時間で飲料を
生成しなければならない都度抽出モードにおいては空気
ポンプによって抽出器の抽出室内を加圧するようにした
ので、バッチ抽出モードと都度抽出モードとを選択的に
実行する飲料供給装置において、バッチ抽出モードにお
いてはより良い味覚の濃い飲料を生成し、且つ、都度抽
出モードにおいてはより迅速に飲料を生成することがで
きるようになる。
【0058】特に、吸引ポンプにて抽出室から飲料を吸
引する場合、抽出速度を上げるために吸引能力を高くす
ると、吸引ポンプの吸引側の負圧が大きくなり、飲料が
低圧沸騰を起こして吸引能力が低下してしまうが、本発
明では都度抽出モードにおいて抽出室内を加圧している
ので、係る負圧を軽減し、低圧沸騰を防止することが可
能となる。これにより、各抽出モードにおける要求に応
じた効率的で、迅速且つ高品質な飲料抽出を実現するこ
とができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の飲料供給装置の実施例としての自動販
売機内部の構成を示す図である。
【図2】バッチ抽出モードの抽出器における抽出動作を
説明する図である。
【図3】同じくバッチ抽出モードの抽出器における抽出
動作を説明する図である。
【図4】同じくバッチ抽出モードの抽出器における抽出
動作を説明する図である。
【図5】同じくバッチ抽出モードの抽出器における抽出
動作を説明する図である。
【図6】同じくバッチ抽出モードの抽出器における抽出
動作を説明する図である。
【図7】同じくバッチ抽出モードの抽出器における抽出
動作を説明する図である。
【図8】バッチ抽出モードにおける一回の抽出動作を説
明するタイミングチャートである。
【図9】一度に湯を供給して抽出した場合と二回に分け
て湯を供給して抽出した場合のコーヒーの濃度を比較し
た図である。
【図10】都度抽出モードの抽出器における抽出動作を
説明する図である。
【図11】同じく都度抽出モードの抽出器における抽出
動作を説明する図である。
【図12】同じく都度抽出モードの抽出器における抽出
動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 自動販売機 6 湯タンク 7 抽出器 8 湯弁 11 カップ供給装置 12 コーヒーキャニスタ 13 貯蔵槽 26 フィルタペーパー 28 抽出室 29 空気ポンプ 32 切換弁 33 吸引ポンプ 51 制御装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飲料原料から飲料を抽出して供給する飲
    料供給装置において、 前記飲料原料と湯を混合することにより、一回の抽出動
    作にて複数杯分の飲料を抽出する抽出器と、この抽出器
    にて抽出された飲料を複数杯分貯える貯蔵槽と、前記抽
    出器の抽出動作を制御する制御装置とを備え、この制御
    装置は、前記抽出器における一回の抽出動作に必要な量
    の湯を、複数回に分けて前記抽出器に供給することを特
    徴とする飲料供給装置。
  2. 【請求項2】 制御装置は、前回供給された湯による抽
    出が終了した後、次回の湯を抽出器に供給することを特
    徴とする請求項1の飲料供給装置。
  3. 【請求項3】 制御装置は、抽出器に供給する最初の湯
    量を最大とすることを特徴とする請求項1又は請求項2
    の飲料供給装置。
  4. 【請求項4】 抽出器は、フィルタ上に構成された抽出
    室を備え、この抽出室内にて飲料原料と湯を混合するこ
    とにより、フィルタ下に飲料を抽出すると共に、この抽
    出器の抽出室内から前記フィルム下方に飲料を吸引し導
    出する吸引ポンプを設けたことを特徴とする請求項1、
    請求項2又は請求項3の飲料供給装置。
  5. 【請求項5】 抽出器の抽出室内に加圧空気を供給する
    空気ポンプを備え、制御装置は、貯蔵槽に貯えられた飲
    料を適宜供給するバッチ抽出モードと、前記抽出器にて
    一杯分の飲料を抽出し、前記貯蔵槽を介さずに供給する
    都度抽出モードとを選択的に実行すると共に、前記バッ
    チ抽出モードにおいては前記抽出器に複数回に分けて湯
    を供給する動作を実行し、前記都度抽出モードにおいて
    は前記空気ポンプを動作させて前記抽出室内を加圧する
    ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請
    求項4の飲料供給装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006244448A (ja) * 2005-02-02 2006-09-14 Kubota Corp 飲料抽出装置

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JP2006244448A (ja) * 2005-02-02 2006-09-14 Kubota Corp 飲料抽出装置

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