以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
[第1の実施形態]
図1に本発明の第1の実施形態に係る飲料抽出装置1の概略構成を示す。飲料抽出装置1は、主として、原料シュート2と、湯供給ノズル3と、シリンダ5と、フィルタブロック6と、フィルタ走行支持部材7と、チューブポンプ8とを備えている。以下各構成の詳細について説明する。
図5はシリンダ5の上面図を、図6はシリンダ5の正面図を、図7は図6に示すシリンダ5の左側面図を示す。シリンダ5は、円筒における周面の下部を部分的に切り欠いた形状を呈する。具体的には図6において左側の周面及びこれに対向する右側の周面には、それぞれ図7に示すように下端側から半円状に切り欠かれた切欠部12が形成されている。切欠部12に対して90゜隔てた位置の周面下部は、図6に示すように輪郭が略V字状になっている。この下部13の2つの傾斜線部13aの接続部分は丸みを帯びている。両傾斜線部13aの開き角度は約90゜となっている。この下部13が形成された側の周面における略中央位置には軸部14が周面に一体に設けられている。なお、シリンダ5は円筒状に限らず角筒状であってもよい。
図5に示すように、シリンダ5の上面部15の中央にはこの上面部15を貫通する開口16が形成されている。開口16は上面部15と中心を一致させた同心円状に形成されその縁部の一部は直線状に形成されている。さらに上面部15には、その開口16を挟むようにして原料落下防止部17とストッパ部18とがそれぞれ上面部15に一体に設けられている。
原料落下防止部17は原料シュート2の回動軌跡の一部分に沿った曲面を有し、その下縁部は開口16の縁部近くに位置し、ここから上縁部にかけて図6において右斜め上方に延びている。原料落下防止部17の上面の側縁部には側壁17aが立設されている。ストッパ部18は、開口16の直線状の縁部近くに立設されている。
シリンダ5の上方には、図1〜4に示すように原料シュート2と湯供給ノズル3が配設される。原料シュート2は角筒または円筒状を呈しその上部に設けられた軸部2aを中心に、下端側の開口(原料投入口)2bがシリンダ5の開口16に臨む位置(図1)と、原料投入口2bが原料落下防止部17に向き合う位置(図2〜4)との間で回動自在となっている。湯供給ノズル3はシリンダカバー4に取り付けられている。シリンダカバー4は、その左側下端部に設けられた軸部46を中心に回動自在であり、このシリンダカバー4の回動により、湯供給ノズル3はその湯供給口がシリンダ5の開口16から外れた位置(図1)と、シリンダ5の開口16からシリンダ5内に入り込んだ位置(図2〜4)とをとり得る。湯供給ノズル3は多数の小孔からなる湯供給口を有するシャワーノズルである。
次に、図8はフィルタブロック6の正面図を、図9は図8において右上方やや手前側から見た斜視図を示す。フィルタブロック6は、筒部23と、この筒部23の上端部に一体に設けられたフィルタ受け部24とからなる。フィルタ受け部24は、平面視で円形状の開口25があけられた矩形板部材を、その長手方向の略中心位置で略V字状に(V字の底に丸みを持たせた形状に)屈曲させてなり谷形状に形成されている。開口25は下に凸状に屈曲されている。フィルタ受け部24の上面の開き角度は約90゜となっている。これは、図6に示すシリンダ5における周面下部13の2つの傾斜線部13a間の開き角度と等しい。
フィルタ受け部24に形成された開口25は筒部23の内部に連通している。フィルタ受け部24の上面における開口25の縁部には樹脂やゴムなどの弾性部材26がリング状に形成されている。飲料の抽出時にはフィルタ受け部24の上面に紙フィルタが載せられ、その紙フィルタを挟み込みようにシリンダ5の下端部が弾性部材26に押し付けられる。弾性部材26は、そのときのシリンダ5下端部と紙フィルタとの密着力を高めて、シリンダ5内部の湯と粉末原料との混合液がシリンダ5の外へ漏出するのを防ぐ役割をする。
また、フィルタ受け部24において長手方向に延在する2つの縁部にはそれぞれフィルタ受け部24の上面よりも上方に突出した側壁27が形成されている。この側壁27内面に紙フィルタの長手方向に沿うエッジが当接することでフィルタ受け部24上にセットされた紙フィルタの送り方向に対する幅方向の位置ずれが防止される。
次に、図10はフィルタ走行支持部材7の正面断面図を示す。フィルタ走行支持部材7は、上部が円錐形に広がり下部が細管28とされた漏斗部29と、この漏斗部29の下部に一体に設けられた筒部33とを備える。漏斗部29の上部開口には金属または樹脂製のメッシュフィルタ34が取り付けられている。漏斗部29の下部の細管28は筒部33の内部に位置している。漏斗部29の内部と筒部33の内部とは細管28を通じて連通している。
フィルタ走行支持部材7は、図1〜4に示すように、フィルタブロック6の内部を摺動自在に配設される。フィルタ走行支持部材7の漏斗部29の外周部には環状の溝が設けられその溝内に摺動性に優れたシールリング35が装着される。シールリング35の外周側部分はフィルタブロック6の筒部23の内周面に対して摺接する。静止しているフィルタ走行支持部材7に対して、フィルタブロック6が上下動することで、フィルタブロック6とフィルタ走行支持部材7との相対位置が変化する。
フィルタ走行支持部材7は、図10に示すように、水平取付板36上に載置され下部がねじ37によって水平取付板36に固定されている。水平取付板36は、図11に示される互いに向き合って配置された1対の取付板38a、38b間に水平にわたされて設けられている。
シリンダ5内への原料の投入から湯の供給を経て飲料の抽出が終わるまでは、フィルタ走行支持部材7の漏斗部29はフィルタブロック6の筒部23の内部であってフィルタ受け部24の下方に位置される(図1〜3)。そして、抽出終了後に原料残渣を排出するために紙フィルタを排出方向へと送るときには、フィルタブロック6が降下して、相対的にフィルタ走行支持部材7の漏斗部29の上部がフィルタブロック6のフィルタ受け部24の開口25内を突き抜けて開口25の上方に出る(図4)。フィルタブロック6が下方に降下することで紙フィルタ10は支えを失うが代わりにフィルタ走行支持部材7のメッシュフィルタ34上に支持される。メッシュフィルタ34は紙フィルタ10の走行支持部として機能し、原料残渣を載せた紙フィルタ10はメッシュフィルタ34上に支持された状態で排出方向へと走行される。
フィルタ走行支持部材7の漏斗部29の細管28にはチューブポンプ8のチューブ39の一端部が接続されている。チューブポンプ8は、そのチューブ39と、モータで駆動されるロータ42と、ロータ42に180゜間隔で設けられ径外方に延在する1対のロッド44と、そのロッド44の先端部に取り付けられた1対のローラ43とを備える。
チューブポンプ8は、弾性のあるチューブ39の一部分をローラ43で押し潰し、ロータ42の回転によりローラ43をそのまま移動させてチューブ39内部の抽出液を押し出す。ローラ43が移動した後、押し潰された箇所はチューブ39の復元力によって元の形状に戻り、その際にチューブ39内部には負圧が発生するので次の抽出液を吸引することができる。この動作を連続的に行うことで吸引・吐出というポンプ機能を実現している。
次に図11を参照して、湯供給ノズル3が取り付けられたシリンダカバー4の駆動機構について説明する。シリンダ5、原料シュート2、湯供給ノズル3、およびシリンダカバー4は、互いに向き合って配置された1対の取付板38a、38b間のスペースに配置される。
シリンダ5は、互いに反対方向に突出して設けられた1対の軸部14をそれぞれ取付板38a、38bに嵌入させて両取付板38a、38bに対して固定されている。シリンダ5の上方に配置される原料シュート2はその上部に設けられた軸部2aが両取付板38a、38bに対して回動自在に嵌入されている。
シリンダカバー4について図14も参照して説明すると、シリンダカバー4のL字状の本体45の下端部に一体に設けられた軸部46は両取付板38a、38bに対して回動自在に嵌入されている。その本体45の先端側には円錐台形部47が一体に設けられている。この円錐台形部47の内側に湯供給ノズル3が配置され、その湯供給ノズル3の上端部は円錐台形部47の天面部から突き出て図示しない湯供給タンクに接続されるチューブ48に接続されている。
また、シリンダカバー4の本体45の両側板部51にはそれぞれ位置を一致させて長孔52が形成されている。長孔52は本体45上部の長手方向に沿って形成されている。その長孔52をロッド53が貫通している。ロッド53の一端部(図11、14において手前側)は、取付板38aの外側に配設されたアーム54の上端部に長手方向に沿って形成された長孔55を貫通している。長孔55を貫通したロッド53の一端部には止め輪56が嵌められその一端部が長孔55から抜けないようにされている。ロッド53と本体45はバネ30で連結されている。
他方の取付板38bの外側にも同様なアーム54が取り付けられ、ロッド53の他端部は、取付板38bに形成された開口57から臨んでいる他方のアーム54に形成された長孔55を貫通している。この他端部にも止め輪56が嵌められその他端部が長孔55から抜けないようになっている。
次に図11を参照してアーム54について説明する。図11は取付板38aに取り付けられたアーム54を示すが、他方の取付板38bに取り付けられたアーム54も同様に構成される。アーム54は、上記ロッド53と係合した上端部から直線状に延在する上側帯板部58aと、この上側帯板部58aに対して鈍角を形成して一体につながっている下側帯板部58bとからなる。両帯板部58a、58bの略中間部分は、取付板38aに取り付けられたピン59に支持され、アーム54はそのピン59を中心に回動自在となっている。下側帯板部58bの下端部には長手方向に沿った長孔61が形成されている。この長孔61には、カム62の外側の外周側に設けられたピン63が係合している。カム62は取付板38aの内側に配置されているが、そのカム配置箇所に対応して取付板38aには開口64が形成され、その開口64を通じてピン63が取付板38aの外側に位置するアーム54の長孔61にまで延びて係合している。すなわち、ピン63は開口64を通じて取付板38aの内外を貫いて延在している。開口64は十分大きいため、カム62の回転に伴うピン63の回転移動は取付板38aによって妨げられない。
カム62及びこの駆動機構について図15を参照してさらに詳しく説明する。カム62は1対あり、それぞれ、取付板38a、38bのすぐ内側に配置されている。両カム62は、これらの間に配置されたギヤ65に連結され、両カム62及びギヤ65は共通の回転軸66を持つ。したがって、両カム62及びギヤ65は回転軸66を中心に一体に回転される。
ギヤ65は、モータ67の出力軸67aに連結されたギヤ68に係合している。また、そのギヤ68の一方の端面には位置検出用カム71がギヤ68と一体に設けられている。位置検出用カム71の近傍には2つのマイクロスイッチ72、73が配置され、その作動子72a、73aは位置検出用カム71の周面に対向している。位置検出用カム71の周面には図16に示すように4つの突部74a〜74dが形成されている。このうち突部74aは周面の全幅にわたって設けられ、マイクロスイッチ72、73と対向する位置に至ると各々の作動子72a、73aに同時に当接し、2つのマイクロスイッチ72、73を同時に作動させる。他の3つの突部74b〜74dはマイクロスイッチ73の作動子73aにのみ当接可能なようにその幅は小さくされ、マイクロスイッチ72側にまで延びていない。すなわち、突部74b〜74dはマイクロスイッチ73のみを作動させる。
次に図12を参照してフィルタブロック6の昇降機構について説明する。フィルタブロック6の筒部23の下端部には円筒状の昇降ブロック75が取り付けられている。例えば、筒部23の下端部外周面及び昇降ブロック75の内周面にはねじが形成され、それらの螺合によりフィルタブロック6と昇降ブロック75とが結合される。昇降ブロック75の外周部には軸部76が一体に設けられこの軸部76と上述したカム62とは、2つのレバー77、78からなるリンク機構により連結されている。なお、図12は取付板38a側を示すが、他方の取付板38b側にも軸部76とカム62との間に同様なリンク機構が連結されている。
軸部76の先端側は、取付板38aに上下方向に沿って形成された長孔79を貫通し、その軸部76において取付板38aの外側に出ている部分にレバー78の一端部が回動自在に連結している。レバー78の他端部は軸部81を介してレバー77の一端部と連結されている。軸部81は両取付板38a、38b間に延在し、その軸部81の両端部がそれぞれ取付板38a、38bの外側に配設されたそれぞれのレバー78に連結している。軸部81は取付板38aに形成された開口64を通じて、取付板38aの外側に位置するレバー78に連結している。レバー78と軸部81を介して連結されたレバー77は取付板38aの内側に位置している。
そのレバー77の他端部は、両取付板38a、38b間に延在し両端部が両取付板38a、38bに支持された軸部82に回動自在に連結されている。このレバー77には内壁面が波状に湾曲した長孔83が形成されている。この長孔83に上述したカム62のピン63が係合している。すなわち、カム62のピン63は取付板38aの内側ではレバー77の長孔83に係合し、取付板38aの外側では図11に示したようにアーム54の長孔61に係合している。
次に、図13、17を参照して紙フィルタ10の送り機構について説明する。駆動ローラ87及び巻取ローラ94が図示の矢印の方向に回転駆動されることで、供給ローラ96に巻回されている紙フィルタ10は巻取ローラ94に巻き取られていく。駆動ローラ87の上方には押さえローラ95が設けられ、この押さえローラ95は図示しないばねにより付勢されて駆動ローラ87に対して押圧され、両ローラ87、95の間に挟まれる紙フィルタ10を駆動ローラ87の外周面に押し付ける。
駆動ローラ87の回転軸の一端側にはギヤ86が取り付けられている。このギヤ86は、モータ84の出力軸に連結されたギヤ85と係合している。したがって、モータ84の回転駆動力はギヤ85、86を介して駆動ローラ87に伝達される。
駆動ローラ87の回転軸の他端側には第1のプーリ88が取り付けられている。また、巻取ローラ94は第2のプーリ92と一体に回転されるトルクリミッタ93を介して第2のプーリ92と連結され、両プーリ88、92間にはベルト91が掛けわたされている。したがって、駆動ローラ87の回転力は第1のプーリ88、ベルト91、第2のプーリ92、トルクリミッタ93を介して巻取ローラ94に伝達される。
トルクリミッタ93は巻取ローラ94の内部に摩擦材を介在させて配設され、その摩擦材を介してプーリ92からのトルクが巻取ローラ94に伝達される。この状態では、駆動ローラ87と巻取ローラ94は同じ回転速度で回転する。
巻取ローラ94に巻き取られる紙フィルタ10の巻取り量が増えてその巻径が駆動ローラ87の径より大きくなり巻取ローラ94の負荷が大きくなる(駆動ローラ87と巻取ローラ94との間に張られた紙フィルタ10から受ける、巻取ローラ94の巻取方向の反対方向に引っ張られる力が増大する)と、巻取ローラ94に対してトルクリミッタ93がすべり始める。この状態では巻取ローラ94は回転されずに駆動ローラ87は回転されるので、駆動ローラ87と巻取ローラ94間の紙フィルタ10はたるみ始める。このたるみにより巻取ローラ94に対してその巻取方向の回転を妨げる方向のトルクがかからなくなり、巻取ローラ94は再びトルクリミッタ93との摩擦力でトルクリミッタ93と一体になって回転し始める。そして、また巻取ローラ94の負荷が大きくなると、巻取ローラ94に対してトルクリミッタ93がすべり始める。
以上の繰り返しにより、巻取ローラ94における紙フィルタ10の巻径が大きくなっていっても、駆動ローラ87と巻取ローラ94との間で張られる紙フィルタ10に過大な張力が作用せずに適宜の張力を保ちつつ紙フィルタ10を巻き取ることができる。
本実施形態に係る飲料抽出装置1は以上のように構成され、次のその動作について説明する。
先ず、図18、22は販売を待っている待機状態を示す。この待機位置ではカム62のピン63は図においてカム62の回転軸66の右斜め上方に位置し、アーム54の上端部はシリンダ5の左方に外れた位置にある。アーム54の上端部に形成された長孔55に係合しているロッド53もシリンダ5の左方に外れた位置にあり、そのロッド53に長孔52の内壁面が当接しているシリンダカバー4の回動はロッド53によって規制されて、シリンダカバー4及びこれに取り付けられた湯供給ノズル3はシリンダ5の左斜め上方に外れた位置にある。
原料シュート2はその軸部2aでもって上述した両取付板38a、38b間にぶら下げられた状態となっており、下端の原料投入口2bがシリンダ5の開口16(図5参照)に臨まされている。
また、この待機位置では、図22に示すように、カム62のピン63はレバー77の長孔83の右端に位置され、そのレバー77とレバー78を介して連結された昇降ブロック75の軸部76は、取付板38aに形成された長孔79の長手方向中央よりやや上の位置に位置している。そして、その昇降ブロック75に筒部23の下部が結合されたフィルタブロック6は、そのフィルタ受け部24がシリンダ5の下端部から離間した位置に位置している。これにより、シリンダ5の下端部とフィルタ受け部24との間に介在される紙フィルタ10にはそれら両者で狭圧される力が作用しておらず、抽出時以外に紙フィルタ10に無用なダメージが及ぶのを防げる。
この待機位置の検出は、図15、16に示す位置検出用カム71の突部74aが、両マイクロスイッチ72、73の作動子72a、73aに同時に当接して両マイクロスイッチ72、73を同時に作動させることによって検出される。
販売時には、上述した図18、22に示す待機位置から、カム62が図において反時計方向に回転され、これに伴ってピン63がカム62の回転軌跡に沿って移動され図19、23に示す位置に至る。この位置の検出は、上記位置検出用カム71の突部74bが、一方のマイクロスイッチ73の作動子73aに当接してマイクロスイッチ73を作動させることによって検出される。
このピン63の移動によりアーム54は軸部59を中心に図18の位置からわずかに時計方向に回動するが、図19に示すように、シリンダカバー4及びこれに取り付けられた湯供給ノズル3は、まだシリンダ5の左斜め上方に外れた位置にある。原料シュート2も同様にその軸部2aでもって上述した両取付板38a、38b間にぶら下げられた状態となっており、下端の原料投入口2bがシリンダ5の開口16(図5参照)に臨まされている。
また、図22においてレバー77の長孔83の右端に位置していたピン63は上記移動により図23に示すように長孔83の中央付近に位置される。これに伴いレバー77は軸部82を中心に上方へと回動され、このレバー77と軸部81を介して連結されたレバー78の上端部が上方に移動され、このレバー78の上端部に係合している昇降ブロック75の軸部76は長孔79に沿って上に移動し、長孔79の上端に位置される。これにより、昇降ブロック75及びフィルタブロック6が上方に移動し、紙フィルタ10を間に挟んでフィルタ受け部24の上面がシリンダ5の下端部に押し付けられる。
フィルタブロック6の筒部23と昇降ブロック75とは上述したように螺合により結合される構成であるので、その螺合位置の調整により、フィルタ受け部24がシリンダ5の下端部に押し付けられた状態におけるフィルタブロック6の高さ方向の位置調整を行える。したがって、その位置調整により、上記押し付け力を調整できる。
これにより、シリンダ5の底が紙フィルタ10で塞がれる。その紙フィルタ10を挟んで、フィルタ受け部24に形成された開口25(図9参照)とシリンダ5の内部とが向き合わされる。紙フィルタ10は断面形状が略V字状にされてフィルタ受け部24上面の谷形状に沿ってその上面に支持される。
以上のようにフィルタ受け部24上に支持された紙フィルタ10で底が塞がれたシリンダ5の内部に、図1に示すように開口16を通じてコーヒー等の粉末原料が、図示しない原料箱より原料シュート2を介して投入される。例えば一杯分の原料が一度にまとめて投入される。
原料の投入が終わると、カム62はさらに上述した図19、23に示す位置から図において反時計方向に回転され、これに伴ってピン63がカム62の回転軌跡に沿って移動され図20、24に示す位置に至る。この位置の検出は、上記位置検出用カム71の突部74cが、一方のマイクロスイッチ73の作動子73aに当接してマイクロスイッチ73を作動させることによって検出される。
このピン63の移動によりアーム54は軸部59を中心にシリンダ5側に回動され、これに伴ってアーム54の上端部の長孔55に係合しているロッド53がシリンダ5の上方位置に移動され、そのロッド53にバネ30を介して係合しているシリンダカバー4は軸部46を中心に時計方向に回動されて図20及び図2に示すようにシリンダ5の開口16をシリンダ5の上方側から塞ぐ。これにより、シリンダ5内へのゴミやほこり等の侵入を防げる。さらに、湯気の上昇を遮断する。このシリンダカバー4に取り付けられている湯供給ノズル3の先端側の湯供給口は開口16からシリンダ5の内部に入り込む。
このシリンダカバー4の回動により、シリンダカバー4において原料シュート2側に位置する先端部が、図19に示すように原料投入口2bがシリンダ5の開口16に臨まされている原料シュート2の側面を押して、これにより原料シュート2は軸部2aを中心に反時計方向に回動され、図20に示すようにその原料投入口2bがシリンダ5の上部に設けられた原料落下防止部17に向き合わされる位置に移動される。原料シュート2内に原料が残っていたとしても原料落下防止部17が蓋の役目をして装置内部の他の部分に原料が落下して汚してしまうのを防げる。
原料シュート2はその下部側面がシリンダカバー4の先端部に当接することで図20に示す位置が保持され、カム62が1周してシリンダカバー4が上述した待機位置に戻されると、自重により軸部2aを中心に時計方向に回動してその投入口2bがシリンダ5の開口16に臨まされる位置に移動される。このとき、シリンダ5の開口16の縁部に設けられたストッパ部材18に原料シュート2の下端側の側面が当たることで必要以上の回動が規制され、上記開口16に向き合う位置に正しく且つ迅速に位置決めされる。
また、上記カム62の回転により、ピン63は図23から図24に示すようにレバー77の長孔83における中央部分のカーブに沿って移動されるためレバー77に対して力を作用しない。したがって、レバー78を介してレバー77と連結される軸部76は長孔79の上端に位置したままであり、よって紙フィルタ10を間に挟んでフィルタ受け部24の上面がシリンダ5の下端部に押し付けられた状態がそのまま維持される。
以上の状態で、図2に示すように、図示しない湯タンクからチューブ48を介して湯供給ノズル3に湯が供給され、湯供給ノズル3はシャワーノズルであるのでシャワー状の湯がシリンダ5内に投入された原料に吹き付けられて原料の蒸らしが行われる。このように原料を蒸らして膨らませてから次工程で湯と混合することで、飲料成分の抽出が促進され濃い抽出液が得られる。
また、湯供給ノズル3をシャワーノズルとしていることから、湯を均等に原料にかかるようにでき蒸らし効率を良くできる。さらに、シャワー状に広がりをもった湯供給により、原料シュート2からの原料投入時にシリンダ5の内壁面に付着してしまった原料をシリンダ5の底の紙フィルタ10上に落とすこともできる。
上記蒸らし工程が終わると、同じくシャワー状の湯を湯供給ノズル3からシリンダ5内に供給する。この供給は、一杯分の湯量(例えば150cc)を、ゆっくりと(例えば8ml/秒で)、複数回に分けて供給する。これと同時にチューブポンプ8を動作させて、紙フィルタ10で濾過され、フィルタ受け部24の開口25(図9参照)、フィルタ走行支持部材7のメッシュフィルタ34および細管28を通じてチューブ39に滴下される抽出液の吸引を行う。
このように、湯は必要量(例えば150cc)を一度にまとめてシリンダ5内に供給するのではなく、上述したように複数回に分けて供給し、かつその供給量と、チューブポンプ8による抽出液の吸引量とを調整することで、シリンダ5内における原料と湯との混合液の液面レベルが所定レベルを越えないようにしている。具体的にはフィルタ受け部24の谷底に溜まった原料の高さより少し高いレベルよりも液面レベルが上昇しないようにされる。
このように液面レベルを抑えることで、原料から発生するガス等により液面付近に浮かぶ原料が生じても、その浮かんだ原料は紙フィルタ10から大きく離れてしまうことがなく、よって紙フィルタ10の近くにすべての原料を存在させることができ、その紙フィルタ10で濾過される抽出液の濃度低下を防げる。
なお、必要量の湯を複数回に分けて供給せずに、チューブポンプ8で吸引される分を補うように少しずつ連続的に湯を供給して上記液レベルを制御するようにしてもよい。
また、本実施形態では、フィルタ受け部24を谷形状にしてこれに沿うように紙フィルタ10が断面略V字状にフィルタ受け部24とシリンダ5下端部との間に挟み込まれるので、その紙フィルタ10の底に原料が集まりシリンダ5の内壁面に付着しにくくなる。さらに、シリンダ5の下部は図7に示すように半円状に切り欠かれこの部分の代わりにフィルタ受け部24の傾斜面及びこの上の紙フィルタ10がシリンダ5の側壁の一部あるいは底部として機能する。そして、シリンダ5において混合液に接触する部分は図6に示す略逆三角形状の部分13に限られる。この部分13は両サイドがカットされている分、従来のストレート形状のシリンダ下部よりも面積が小さい。さらに、上述したように混合液の液面レベルを必要以上に高くしないことによっても混合液とシリンダ5の内壁面との接触面積の低減を図っている。
以上のことから、本実施形態では、後述する原料残渣の排出後にもシリンダ5の内壁面に付着して残ってしまう原料残渣の量を少なくでき、その原料残渣に起因する次回抽出時での飲料の味や品質の悪化を防げる。
また、原料及び湯の貯留部分を略V字状の紙フィルタ10の底とすることで、湯供給ノズル3から供給された湯が原料の溜まっている部分を通って濾過されるまでの距離(または湯と原料との接触時間)を従来のフラットなフィルタ受け部及び紙フィルタとした場合に比べて長くでき、抽出濃度すなわち抽出効率を向上できる。
なお、紙フィルタ10の底以外の部分の傾斜している部分からも抽出液が濾過され得るが、その傾斜部分は底の部分に比べて液面からの深さが浅く、よってその傾斜部分に作用する水圧は底の部分より小さく液体が通過しにくくなっている。したがって、大部分は紙フィルタ10の底の部分から濾過される。このため、紙フィルタ10で濾過されるまでに原料の中を湯が通過する距離を長く確保でき抽出効率が良い。
また、本実施形態では、シリンダ5内へ原料を投入するための開口と、湯を供給するための開口とを、共通の1つの開口16として設けている。そして、その1つの開口16に対して、原料投入時には原料シュート2の原料投入口2bが臨まされるように、湯の供給時には湯供給ノズル3が臨まされるように、原料シュート2と湯供給ノズル3とを移動させる機構を設けている。
このように、1つの開口16を原料投入用と湯供給用とに兼用することで、シリンダ5の直径の増大を抑えることができる。シリンダ5の直径が小さければ、湯が原料の溜まっている部分を通って濾過されるまでの距離(または湯と原料との接触時間)を長くでき抽出効率を向上できる。さらに、湯も冷めにくくなる。また、装置の小型化にもつながる。
また、上記開口16はシリンダ5の径方向の中央部に位置しているため、原料投入時に原料がシリンダ5の内壁面に付着しにくく、また原料と湯の供給位置が同じため原料の存在する部分に確実に湯を供給でき、上記蒸らし効率を向上できる。
上述した抽出工程が終了すると、カム62は図20、24に示す位置からさらに図において反時計方向に回転され、これに伴ってピン63がカム62の回転軌跡に沿って移動され図21、25に示す位置に至る。この位置の検出は、上記位置検出用カム71の突部74dが、一方のマイクロスイッチ73の作動子73aに当接してマイクロスイッチ73を作動させることによって検出される。
ピン63はアーム54下端部に形成された長孔61の上端側に係合している位置から下端側に係合する位置に移動され、結果としてアーム54、シリンダカバー4、湯供給ノズル3、原料シュート2は位置を変えない。
また、上記ピン63の移動により、このピン63に長孔83が係合しているレバー77は軸部82を中心に下方に下げられるように時計方向に回動される。これにより、レバー78を介してレバー77と連結される昇降ブロック75の軸部76は長孔79の上端から下端に移動され、よって昇降ブロック75と共にフィルタブロック6も下降し、フィルタ受け部24がシリンダ5の下端部から離間される。
このフィルタブロック6の下降により、図4に示すように相対的にフィルタ走行支持部材7のメッシュフィルタ34がフィルタ受け部24に形成された開口25(図9)からその上方に突き出る。これにより、フィルタ受け部24の支えを失った紙フィルタ10はフィルタ受け部24に代わってメッシュフィルタ34上に支持される。また、そのメッシュフィルタ34上に支持された紙フィルタ10の上には原料残渣が載っている。
そして、駆動ローラ87及び巻取ローラ94(図13)が駆動され、紙フィルタ10が巻取ローラ94に巻き取られていく。このとき、両取付板38a、38b間にわたされ、両端が両取付板38a、38bにそれぞれ形成された長孔101(図13参照)を貫いているロッド102は、フィルタブロック6が降下することで、その降下前に張力のかかっていた状態の紙フィルタ10(図13において破線で示す)の支えを失って自重により長孔101に沿って下がる。これにより、紙フィルタ10は破線から1点鎖線で示すようにたるみが除去され、メッシュフィルタ34上に沿った円滑な走行が行われる。そのフィルタ走行支持部として機能するメッシュフィルタ34の上面は紙フィルタ10の走行方向に沿って平坦状に形成されているため紙フィルタ10の走行を妨げない。
すなわち、上述した効果を得るため抽出時には略V字状のフィルタ受け部24で紙フィルタ10を支持するが、その略V字状では原料残渣を載せた紙フィルタ10を走行させることができないため、抽出が終わると紙フィルタ10の走行方向に沿った平坦状部分として形成されたメッシュフィルタ34上に紙フィルタ10及び原料残渣を支持させてそれらの排出を行う。
紙フィルタ10と共に送られる原料残渣は、図13においてガイドローラ97の近くに設けられたスクレーパー98で紙フィルタ10から分離され図示しない原料残渣受けに収容される。また、メッシュフィルタ34上には供給ロール96より新しい紙フィルタ10が供給されて、フィルタブロック6が再び上昇することで、その紙フィルタ10を挟んでフィルタ受け部24がシリンダ5の下端部に押し付けられて次の抽出が行われる。
また、本実施形態では、以上説明した原料シュート2、湯供給ノズル3、シリンダカバー4、およびフィルタブロック6の各動作は、1つの共通のモータ67(図15参照)を動力源とするカム62の回転により連動して実現されるので、コストを抑えることができる。また、部品点数も抑えることができ装置全体の小型も図れる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成部分には同一の符号を付しその詳細な説明は省略する。
図26は第2の実施形態に係る飲料抽出装置70の概略構成を示す。この飲料抽出装置70は、主として、原料シュート105と、湯供給ノズル106と、シリンダ107と、フィルタブロック108と、チューブポンプ109と、湯供給ノズル106とフィルタブロック108とを連動させて駆動する連動機構と、紙フィルタ10の送り機構を備えている。以下各構成の詳細について説明する。
シリンダ107は、上端及び下端が開口された円筒状を呈する。図35に示すように、シリンダ107の外周面には180゜間隔で配置された1対の軸部107aが径外方に突出して一体に設けられている。
シリンダ107の上方には、原料シュート105と湯供給ノズル106が配設されている。原料シュート105は、下端に向けて太さが次第に小さくされた筒状を呈する。原料シュート105はその上部に設けられた軸部105aを中心に、下端側の開口である原料投入口105bがシリンダ107の真上から外れる位置(図26)と、原料投入口105bがシリンダ107の真上に位置されシリンダ107の内部に臨む位置(図27)との間を回動自在となっている。
湯供給ノズル106は、筒部114と、この筒部114の下端に設けられたシャワーヘッド117を有する。筒部114の外径はシリンダ107の内径よりも小さい。筒部114の内側において下端近くには、筒部114の内側を上下に仕切る隔壁116が形成され、その隔116壁の中央には貫通孔116aが形成されている。筒部114の上端側の開口を通して筒部114の内部にチューブ115が導入され、そのチューブ115の一端は隔壁116に形成された上記貫通孔116aに接続されている。チューブ115の他端は、図示しない湯供給源に接続されている。
筒部114の下端付近の外側面には環状の溝が形成され、その溝に、つば状のスクレーパ110が嵌め込まれている。スクレーパ110は、後述するように飲料の抽出後に、若干たわんだ状態でシリンダ107の内壁面をこすりながらシリンダ107の内側を上から下に向けて移動されて、シリンダ107の内壁面に付着した原料残渣を掻き落とす役割を担う。スクレーパ110は例えばゴム材料からなる。ゴム以外にも、樹脂材料など、その他柔軟性を有する材料から構成してもよい。
フィルタブロック108は、筒部119と、この筒部119の上端部に一体に設けられたフィルタ受け部111を有する。フィルタ受け部111の内部には漏斗状のくぼみが形成されている。フィルタ受け部111の上部には蓋120が嵌め込まれている。蓋120には、例えばスリット状の複数の開口が形成され、その開口を通してフィルタ受け部111の内外は連通される。
フィルタ受け部111の上面において紙フィルタ10の走行方向に沿った相対向する2つの縁部にはフィルタ受け部111の上面よりも上方に突出した側壁111aが形成されている。この側壁111a内面に紙フィルタ10の長手方向に沿うエッジが当接することでフィルタ受け部111上に支持された紙フィルタ10の幅方向の位置ずれが防止される。
フィルタ受け部111に形成されたくぼみの底には細管121の一端が接続されている。細管121は筒部119の内部を下方に向けて延在し、細管121の他端部にはチューブポンプ109のチューブ122の一端部が接続されている。
チューブポンプ109の構成について図36(A),(B)を参照して説明する。図36(A)はチューブポンプ109を正面側から見た概略構成図、図36(B)はその概略側断面図である。チューブポンプ109は、リール形状のローラーガイド124と、ローラーガイド124の外側に配設されたローラー駆動ガイド126と、ローラー128とを有する。
ローラーガイド124には180゜間隔で2つのU字状のガイド溝125が形成されている。各々のガイド溝125にはローラー128の軸部127が嵌合している。ローラ128はガイド溝125に沿って移動自在に取り付けられているとともに、軸部127の回りに回転可能とされている。
ローラー駆動ガイド126は、ローラーガイド124の軸心を貫通する軸部126aを備えた第1ガイド板126bと、軸部126aの先端に結合された第2ガイド板126cとの組合せ体からなる。軸部126aは、モータ200の駆動軸200aに結合されて回転軸とされる(以下、軸部126aを回転軸126aと表記する)。ローラー駆動ガイド126の各々のガイド板126b,126cには、回転軸126aを挟むように位置する2つの山部129が形成され、さらに各山部129の両側には1対の谷部130、131が形成されている。1対の谷部130、131のうち、谷部130の方が谷部131よりもポンプケース123の内壁面との距離が近い。チューブ122は、ポンプケース123の図36Aにおいて右側約半分の内壁面とローラーガイド124との間を介してチューブポンプ109を通過している。
上述した、原料シュート105、湯供給ノズル106、シリンダ107、フィルタブロック108は、図35に示すように、互いに向き合って配置された1対の取付板132a、132b間のスペースに配置される。一方の取付板132a側から見た側面図を図31に示す。
原料シュート105はその上部に設けられた軸部105aが両取付板132a、132bに対して回動自在に嵌入されている。その軸部105aには、図31に示すねじりコイルバネ133のコイル部133aが巻回されている。ねじりコイルバネ133の一端はフック状にされ、原料シュート105の上側開口の縁部に引っ掛けられている。ねじりコイルバネ133の他端は同じくフック状にされ、両取付板132a、132b間に水平にわたされて固定された軸部材134に引っ掛けられている。このねじりコイルバネ133により、原料シュート105は、軸部105aを中心に図31において反時計方向に回動する方向に付勢されている。図31の状態では、原料シュート105の外側面に設けられた突出部135が、湯供給シリンダ106の外側面に当接することで、上記反時計方向への回動が規制され、原料投入口105bがシリンダ107の真上から外れた位置が保たれている。
湯供給ノズル106において一方の取付板132a側に向き合わされる側面の上部には第1〜第3のピン136、137、138が設けられている。同様に、他方の取付板132b側に向き合わされる側面の上部にも第1〜第3のピン136、137、138が設けられている(図35)。第1、第2のピン136、137は上下方向に整列して位置しており、これらピン136、137は、各取付板132a、132bに形成された長孔141を、各取付板132a、132bの内側から外側に貫いている。長孔141は各取付板132a、132bの上下方向に沿って形成されている。さらに、この長孔141における上端部と中央部との間の部分から枝分かれするように傾斜孔142が形成されている。傾斜孔142は、長孔141との接続部分から、図31において右斜め上方に向けて延びている。
第3のピン138は、湯供給ノズル106において各取付板132a、132bに重ならない部分に設けられている。各取付板132a、132bの外側にはアーム140が配設され、このアーム140の上端部に形成された長孔140aに上記第3のピン138が係合している。第3のピン138は、長孔140aに沿って移動自在に係合されている。
アーム140の下端部には、湯供給ノズル駆動用カム143の先端側に設けられたピン143aが回動自在に係合している。図35に示すように、カム143は、1対のアーム140に対応して1対あり、両カム143は共通の回転軸144に結合されている。一方のカム(図35において左側のカム)143の内側にはギヤ145が一体に設けられ、このギヤ145は、モータ146の出力軸と連結されたギヤ147と係合している。
シリンダ107は、図35に示すように、互いに反対方向に突出して設けられた1対の軸部107aをそれぞれ取付板132a、132bに嵌入させて両取付板132a、132bに対して固定されている。
フィルタブロック108はシリンダ107の下方に配設されている。また、両取付板132a、132bの下部には、水平板148(図35)が、両取付板132a、132b間をわたされるようにして固定されている。その水平板148には貫通孔が形成され、その貫通孔をフィルタブロック108の筒部119が貫いている。フィルタブロック108の下端部にはトレー状の受け部材151が固定されている。受け部材151の中央には貫通孔が形成され、この貫通孔を通じて、チューブポンプのチューブ122が筒部119内部の細管121(図26)に接続されている。筒部119の外側には、水平板148と受け部材151との間に設けられたコイルバネ152が巻回されている。
水平板148の裏側には、ブラケット153が吊り下げられるようにして取り付けられている(図35)。ブラケット153は、相対向する1対の側板159と、これら側板159の下端を連結する底板158とを一体に形成してなり、側板159の上端は略直角に屈曲され、この部分が水平板148の裏側に固定されている。
また、フィルタブロック108の下方には、揺動レバー154が配設されている。揺動レバー154は、相対向する1対の側板162と、これら側板162の下端を連結する底板161とを一体に形成してなる。図31には、一方の側板(図35において左側の側板)162の側面が示される。両側板162の一端側にはピン156が通され、両側板162はそのピン156を中心に一体となって揺動自在である。ピン156は、上記ブラケット153の側板159に支持されている(図35)。揺動レバー154の側板162の他端側には、図31に示すように、山部157が形成され、この山部157は受け部材151の裏面に当接可能となっている。
湯供給ノズル駆動用の1対のカム143及びギヤ145に一体に結合された回転軸144の中央には、フィルタブロック駆動用の偏心カム155が一体に結合されている。偏心カム155は、揺動レバー154の下方であってブラケット153の両側板159の間に位置している。偏心カム155は、図31に示すように扇形状を呈し、揺動レバー154の底板161の裏面に当接可能となっている。
紙フィルタの送り機構については第1の実施形態と同じである。すなわち、図26において、駆動ローラ87及び巻取ローラ94が図において時計方向に回転駆動されることで、供給ローラ96に巻回されている紙フィルタ10は巻取ローラ94に巻き取られていく。駆動ローラ87の上方には押さえローラ95が設けられ、この押さえローラ95は図示しないばねにより付勢されて駆動ローラ87に対して押圧され、両ローラ87、95間に挟まれる紙フィルタ10を駆動ローラ87の外周面に押し付ける。
第2の実施形態に係る飲料抽出装置70は以上のように構成され、次のその動作について説明する。
先ず、図26、31は、販売動作が行われていない待機状態を示す。湯供給ノズル106は、第3のピン138がアーム140に形成された長孔140aの下側の内壁に引っかかるようにして支えられて、シリンダ107の真上に位置している。第1のピン136は長孔141の上端付近に位置している。第2のピン137は長孔141において傾斜孔142との接続部のすぐ下に位置している。
原料シュート105は、ねじりコイルバネ133により、軸部105aを中心に反時計方向に回動する方向に付勢されているが、原料シュート105の側面に設けられた突出部135が湯供給ノズル106の側面に当接することで上記回動が規制され、シリンダ107の真上から外れた位置にある。逆に考えると、湯供給ノズル106は、原料シュート105から突出部135を介して右方へ押される力を受けているが、第1及び第2のピン136、137が長孔141に係合していることでその右方への移動が規制されている。
フィルタブロック108は、紙フィルタ10を支持する上面が、シリンダ107の下端部から離間された位置にある。したがって、紙フィルタ10にはシリンダ107下端部とフィルタ受け部111との間で狭圧される力が作用しておらず、販売時以外に紙フィルタ10に無用なダメージがおよぶのを防げる。
販売時には、上述した図26、31に示す待機位置から、カム143及びカム155が回転軸144を中心に反時計方向に回転され、図27、32に示す位置(原料投入位置)にされる。図35に示すモータ146からの回転駆動力が、ギヤ147及びギヤ145を介して伝達されることで、カム143及びカム155は回転される。
このときのカム143の回転に伴いカム143の先端側のピン143aの位置が待機位置から上に移動され、そのピン143aに下端部が係合しているアーム140も全体的に上に移動される。これにより、アーム140の上端部の長孔140aに支えられている湯供給ノズル106の第3のピン138が持ち上げられる。このとき、第1、第2のピン136、137も上方に移動する。第1のピン136は長孔141の上端内壁に当接してそれ以上の上昇が規制される。このとき第2のピン137は長孔141と傾斜孔142との接続部に位置する。第1のピン136が長孔141の上端内壁に当接しても、なおも第3のピン138にはアーム140から上へ移動される力を受け、また第2のピン137が傾斜孔142に沿って右斜め上方への移動が許容された位置にあるので、湯供給シリンダ106は第1のピン136を中心に反時計方向に回動され、シリンダ107の真上から外れる(図27、32)。
湯供給ノズル106がシリンダ107の真上から外れることで、原料シュート105はねじりコイルバネ133の付勢力により、軸部105aを中心に反時計方向に回動される。これにより、原料投入口105bがシリンダ107の真上に位置する。
また、カム155の回転により揺動レバー154はピン156を中心に上方に揺動され、これに伴い揺動レバー154の山部157が受け部材151を上方に押し上げる。これにより、フィルタブロック108が上方に移動し、紙フィルタ10をシリンダ107の下端部との間に挟み込み、シリンダ107の底が紙フィルタ10で塞がれる。
各取付板132a、132bには、フィルタブロックの昇降ガイド用の長孔163(図31)が上下方向に沿って形成されており、その長孔163に、フィルタブロック108から突出して設けられたピン164が係合している。このピン164が長孔163の内壁面に当接しながら長孔163に沿って上下動することで、フィルタブロック108の昇降がガイドされる。このとき、フィルタブロック108の筒部119に巻回されたコイルバネ152が受け部材151と水平板148との間で圧縮される。
以上のようにフィルタ受け部111上に支持された紙フィルタ10で底が塞がれたシリンダ107の内部に、図27に示すように、例えばコーヒー等の粉末原料が、図示しない原料箱より原料シュート105を介して投入される。例えば一杯分の原料が一度にまとめて投入される。
原料の投入が終わると、カム143及びカム155は、図27、32に示す位置からさらに反時計方向に回転され、図28、33に示す位置(湯供給位置)にされる。
このときのカム143の回転により、そのカム143のピン143aに引っ張られるようにしてアーム140は図32の位置から左斜め下に移動される。このアーム140の移動により、アーム140上端部の長孔140aに係合している第3のピン138も左斜め下に引っ張られる。これにより、湯供給ノズル106は、第1のピン136を中心に時計方向に回動される。このとき、第2のピン137は傾斜孔142に沿って長孔141の方へと移動され、第2のピン137が長孔141に入り込むと、なおもアーム140が第3のピン138を左斜め下に引っ張る力が作用しているため、長孔141に係合している第1、第2のピン136、137が長孔141の内壁面のガイド作用を受けて長孔141に沿って下に移動する。これにより、湯供給ノズル106はシリンダ107に向けて下降する。
そして、図28、33に示すように、湯供給ノズル106の下端部及びスクレーパ110が、シリンダ107に蓋をするようにシリンダ107の上側開口に嵌まり込む。スクレーパ110はその外周側面がシリンダ107の内壁面に接触する。このように、湯供給ノズル106及びスクレーパ110がシリンダ107の上側開口を塞ぐことで、シリンダ107内へのゴミやほこり等の侵入を防げる。さらに、湯気の上昇を遮断する。
上述した湯供給ノズル106の移動により、原料シュート105は、湯供給ノズル106に押されて、ねじりコイルバネ133の付勢力に抗して、シリンダ107の真上から外れた位置に移動される。
また、このときのカム155の回転では、揺動レバー154及びフィルタブロック108は位置を変えず、フィルタ受け部111とシリンダ107下端部とで紙フィルタ10を狭圧した状態は維持される。
以上の状態で、図28に示すように、図示しない湯タンクからチューブ115を介してシャワーヘッド117に湯が供給され、シャワー状の湯がシリンダ107内に投入された原料に吹き付けられて原料の蒸らしが行われる。このように原料を蒸らして膨らませてから次工程で湯と混合することで、飲料成分の抽出が促進され濃い抽出液が得られる。また、シャワー状の湯が供給されることから、湯を均等に原料にかかるようにでき蒸らし効率を良くできる。
上記蒸らし工程が終わると、同じくシャワー状の湯をシャワーヘッド117からシリンダ107内に供給する。この供給は、一杯分の湯量(例えば150cc)を、液面がシリンダ107内で上昇しないように、ゆっくりと複数回に分けて供給する。これと同時に、図29に示すように、チューブポンプ109を動作させて、紙フィルタ10で濾過され、フィルタ受け部111の上面に嵌め込まれた蓋120に形成された開口および細管121を通じてチューブ122に滴下される抽出液の吸引を行う。
チューブポンプ109のローラー駆動ガイド126は図29において時計方向に回転される。このときの作用を図37(A),(B)を参照して説明する。図37(A)においてローラー駆動ガイド126が時計方向に回転され、谷部130が、ローラーガイド124のガイド溝125に係合しているローラー128の軸部127に当接し、ローラー128とローラーガイド124は谷部130に押されるようにして、ローラー駆動ガイド126と共に回転軸126aを中心に時計方向に回転される。
このとき、谷部130はガイド溝125の長手方向の略中央に位置し、ローラー128のそれ以上の径内方側(ガイド溝125の底部側)への移動が規制されている。この状態でローラー128がポンプケース123におけるチューブ収容部分にくると、ローラー128とポンプケース123内周面との間隔がチューブ122の直径より小さいため、ローラー128とポンプケース123内周面との間でチューブ122が押し潰される(図37(A))。
ローラー128はチューブ122を押し潰しながら時計方向に回転され、抽出液をチューブ122の下流側に押し出す。ローラー128が移動した後、押し潰された箇所はチューブ122の復元力によって元の形状に戻され、このときにチューブ122内に生じる負圧により上流側の抽出液が吸引される(図37(B))。そして、また次のローラー128がチューブ122の一部分をポンプケース123内周面との間で押し潰す。以上の動作が繰り返し行われ、紙フィルタ10で濾過された抽出液はチューブ122の下流側に送られ、最終的には図示しない商品取出口に配置された紙コップ等へ注がれる。
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様、湯は必要量(例えば150cc)を一度にまとめてシリンダ107内に供給するのではなく、複数回に分けて供給し、かつその供給量と、チューブポンプ109による抽出液の吸引量とを調整することで、シリンダ107内における原料と湯との混合液の液面レベルが所定レベルを越えないようにしている。
このように液面レベルを抑えることで、原料から発生するガス等により液面付近に浮かぶ原料が生じても、その浮かんだ原料は紙フィルタ10から大きく離れずに、紙フィルタ10の近くにすべての原料をまとまって存在させることができる。これにより、抽出液の濃度低下を防げる。
なお、必要量の湯を複数回に分けて供給せずに、チューブポンプ109で吸引される分を補うように少しずつ連続的に湯を供給して上記液レベルを制御するようにしてもよい。
シリンダ107内の混合液の抽出工程が終了すると、カム143及びカム155は、図29、33に示す位置からさらに反時計方向に回転され、図30、34に示す位置(紙フィルタ及び原料残渣排出位置)にされる。
このときのカム143の回転により、そのカム143のピン143aに引っ張られるようにしてアーム140は図33の位置からさらに下方に移動される。このアーム140の移動により、アーム140上端部の長孔140aに係合している第3のピン138も下に引っ張られる。これにより、第1、第2のピン136、137が長孔141の内壁からガイド作用を受けながら、湯供給ノズル106はシリンダ107の内側を上端部から下端部に向けて移動する。
このとき、湯供給ノズル106の下端外側面に設けられたスクレーパ110は若干たわんだ状態でその外周側の先端部がシリンダ107の内壁面に弾接しており、湯供給ノズル106の下降に伴ってスクレーパ110はシリンダ107の内壁面をこすりながら下降する。これにより、上記混合液の抽出後もシリンダ107の内壁面に付着して残っている原料残渣はスクレーパ110により紙フィルタ10上に掻き落とされる。この結果、シリンダ107の内壁面に付着して残ってしまう原料残渣が次回以降の混合液に混入することによる抽出飲料の味や品質の悪化を防げる。
また、このときのカム155の図34の位置への回転により、カム155の扇状の部分は下に移動し、揺動レバー154はその扇状部分の支持から外れる。これにより、受け部材151を介してその揺動レバー154の山部157に支えられていたフィルタブロック108はコイルバネ152の復元力により下降する。これにより、フィルタ受け部111及びこの上に支持された紙フィルタ10はシリンダ107の下端部から離間される。
スクレーパ110はシリンダ107の下端部まで移動され、シリンダ107内壁面に付着していた原料残渣を、シリンダ107下端部から離間されたフィルタ受け部111上の紙フィルタ10上に掻き落とす。紙フィルタ10上には、シリンダ107の内壁面に付着せずにそのまま紙フィルタ10上に堆積した原料残渣に加えてスクレーパ110によってシリンダ107内壁面から掻き落とされた原料残渣が堆積される。図30に、紙フィルタ10上に堆積した原料残渣180を示す。
その状態で、駆動ローラ87及び巻取ローラ94が図30において時計方向に回転駆動され、使用済みの紙フィルタ10が巻取ローラ94に巻き取られていく。フィルタ受け部111の上面は平坦であるため紙フィルタ10の走行を妨げない。
紙フィルタ10と共に送られる原料残渣180は、ガイドローラ97の近くに設けられた紙フィルタ用スクレーパ98で紙フィルタ10から分離され、原料残渣受け171に収容される。
なお、チューブポンプ109において、抽出液の吸引が終わった後もローラー128がチューブ122を押し潰したままであるとチューブ122を傷めて使用寿命の短命化につながる。また、押し潰された部分の中に残っている抽出液が固着して、ローラー128からの押圧力が解除されてもチューブ122がくっついて潰れたままになることも起こり得る。
そこで、第2の実施形態では、抽出液の吸引が終わるとローラー駆動ガイド126は抽出時と逆方向(反時計方向)に回転され、図37(B)に示す位置で停止される。図37(A)の状態からローラー駆動ガイド126が反時計方向に回転されると、ポンプケース123内周面との距離がより大きい方の谷部131がガイド溝125形成位置にくる。谷部130との当接から解除されたローラー128は押し潰されていたチューブ122の弾性復元力によって径内方へ力を受け、U字状のガイド溝125に沿ってガイド溝125の底に移動する。このとき、谷部131はガイド溝125の底に位置しているため、ローラー128の上記移動を妨げない。ローラー128がポンプケース123内周面から離れるようにしてガイド溝125の底に移動することにより、ローラー128とポンプケース123内周面との間の間隔がチューブ122の直径以上に拡がり、チューブ122は押し潰されない状態とされ、チューブ122に無用なダメージがおよぶのを防げる。
また、第2の実施形態では、原料シュート105、湯供給ノズル106、これに取り付けられたスクレーパ110、およびフィルタブロック108の各動作は、1つの共通のモータ146(図35)を動力源とするカム143、155の回転により連動して実現される。したがって上記複数の部材を動かすのに1つのモータ146だけで済みコストを抑えることができる。また、部品点数も抑えて装置全体の小型化も図れる。
さらに、第2の実施形態では、第1の実施形態に比べて、抽出に要する時間を短くできる利点がある。第1の実施形態では、抽出工程の終わり近くになって図3に示すシリンダ5内の混合液の液面が下がっていくと、V字状に屈曲された紙フィルタ10は底から遠い上側の部分から順に混合液から露出されていき、その混合液から露出された部分を通じてチューブポンプ8はシリンダ5内の空気を吸引する。これにより、シリンダ5内の圧力が下がり、シリンダ5内と、紙フィルタ10の下の空間との圧力差が小さくなり、チューブポンプ8がシリンダ5内の混合液を吸引する力が低下する。この吸引力の低下は、液面レベルが下がって、空気にさらされる紙フィルタ10の部分が広くなればなるほど著しくなり、よって、抽出工程が終わりに近づけば近づくほど抽出に要する時間が長くなり、これは結果として販売時間全体の時間が長くなる。
これに対して第2の実施形態では、紙フィルタ10で濾過する部分は第1の実施形態のように屈曲しておらず、平坦にされた紙フィルタ10でシリンダ107の底を塞いで、その紙フィルタ10の上に混合液が貯液される構成となっている。抽出時にはシリンダ107内の液面レベルは均一に下がって、液面レベルが0(液面レベルがシリンダ107の一番下まで下がった状態)になるまでシリンダ107内の紙フィルタ10は空気にさらされることがない。したがって、シリンダ107内の空気を吸引することなく混合液を吸引できるので吸引力の低下をまねくことなく最後まで抽出を行える。
上記第1の実施形態の構成と第2の実施形態の構成とで、同じ量(例えば150ml)の抽出を行ったところ、第1の実施形態では1分以上かかったのが、第2の実施形態では25秒程度で済んだ。
なお、上記第2の実施形態では、スクレーパ110を湯供給ノズル106に取り付けたが、湯供給ノズル106とは別にシリンダ107の内側を下降される部材を設けてその部材にスクレーパ110を取り付けてもよい。ただし、スクレーパ110のために別途部材を設けるよりは、上記第2の実施形態のように、湯供給のために元々必要な湯供給ノズル106にスクレーパ110を取り付けて、その湯供給ノズル106を湯供給手段と原料残渣掻き落とし手段として兼用させる構成の方が部品点数を抑えて低コストである。
また、抽出工程後に、シリンダ107がフィルタ受け部111から離間して湯供給ノズル106に向けて上昇して、スクレーパ110が相対的にシリンダ107の内壁面をこするように下降する構成としてもよい。
また、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせて、第1の実施形態のシリンダ5の内壁面に付着した原料残渣をスクレーパで掻き落とす構成としてもよい。
1…飲料抽出装置、2…原料シュート、3…湯供給ノズル、4…シリンダカバー、5…シリンダ、6…フィルタブロック、7…フィルタ走行支持部材、8…チューブポンプ、10…紙フィルタ、24…フィルタ受け部、70…飲料抽出装置、105…原料シュート、106…湯供給ノズル、107…シリンダ、108…フィルタブロック、109…チューブポンプ、110…スクレーパ、111…フィルタ受け部。