JPH1173563A - 飲料供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抽出した飲料を貯蔵槽に予め貯えて置いて供
給する飲料供給装置において、供給時間の短縮と味覚の
向上などを図る。 【解決手段】 飲料原料から飲料を抽出して供給するも
のであって、飲料原料と湯を混合することによって飲料
を抽出する抽出器７と、この抽出器７にて抽出された飲
料を複数杯分貯える貯蔵槽１３と、この貯蔵槽１３から
カップＣに直接飲料を供給する販売管４２を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、飲料原料から飲料
を抽出して供給する飲料供給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より例えば自動販売機においては、
特開平９−６２９２９号公報（Ｇ０７Ｆ１３／００）に
示される如く、コーヒーなどの挽き豆原料からコーヒー
などの飲料を抽出し、他の砂糖或いはクリーム（ミル
ク）などと混合した後、カップに注入して販売するよう
構成されている。特に、近年では食品衛生法の改正によ
り、この種自動販売機においても飲料を予め複数杯分抽
出して保存して置き、販売毎に一杯分の飲料をカップに
注入して販売するバッチ抽出方式が採れるようになり、
前記公報においても抽出装置にて抽出された複数杯分の
飲料を貯蔵槽に貯えて販売する方式が示されている。

【０００３】係る方式によれば、販売毎の抽出に比較し
て、顧客の待ち時間を短縮することが可能となると共
に、抽出に必要なペーパーフィルタなどの消耗品の消費
量も削減され、効率的な飲料販売を達成することができ
るようになる。また、抽出器において飲料抽出に充分な
時間をかけることができるので、良い味覚の飲料を作る
ことができる利点もある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような装置におい
て、例えば砂糖・クリーム入りのコーヒーを販売する場
合、これら砂糖・クリームとコーヒーとを混合するため
の混合器を準備し、貯蔵槽から予め混合器内に一杯分の
コーヒーを供給し、そこに砂糖とクリームを投入してコ
ーヒーにそれらを混合した後、カップに供給する方式が
採られていた。そのため、コーヒーの提供までに比較的
時間がかかる問題があった。

【０００５】また、近年顧客の間ではコーヒーに砂糖や
クリームを混ぜない所謂ブラックコーヒーが好まれるよ
うになって来ているが、混合器を介して貯蔵槽からコー
ヒーのみを販売する場合、混合器の内面に残留付着した
砂糖・クリームも同時に洗い流されてカップに供給され
てしまうため、これらがコーヒーの香りに移り、干渉し
てしまって、味覚を損なう問題もあった。

【０００６】更に、貯蔵槽内のコーヒーは長時間貯蔵さ
れると味覚が劣化するため、一定時間で廃棄することに
なるが、従来の如く混合器を介して貯蔵槽内のコーヒー
を供給する方式では、係る廃棄時にも混合器を介して廃
棄されることになるので、混合器がコーヒーで溢れる危
険性もあった。

【０００７】本発明は、係る従来の技術的課題を解決す
るために成されたものであり、抽出した飲料を貯蔵槽に
予め貯えて置いて供給する飲料供給装置において、供給
時間の短縮と味覚の向上などを図ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１の飲料供給装置
は、飲料原料から飲料を抽出して供給するものであっ
て、飲料原料と湯を混合することによって飲料を抽出す
る抽出器と、この抽出器にて抽出された飲料を複数杯分
貯える貯蔵槽と、この貯蔵槽からカップなどの容器に直
接飲料を供給する配管を備えているものである。

【０００９】請求項１の発明によれば、抽出器にて抽出
された飲料を複数杯分貯える貯蔵槽からカップなどの容
器に直接飲料を供給する配管を備えているので、貯蔵槽
内から容器に飲料を供給するために要する時間を短縮す
ることができ、顧客や使用者の利便性や販売能力などを
著しく向上させることが可能となるものである。

【００１０】請求項２の飲料供給装置は、飲料原料から
飲料を抽出して供給するものであって、飲料原料と湯を
混合することによって飲料を抽出する抽出器と、この抽
出器にて抽出された飲料を複数杯分貯える貯蔵槽と、砂
糖・クリームなどと湯を混合する混合器と、この混合器
にて混合された液体をカップなどの容器に供給する配管
と、貯蔵槽から直接容器に飲料を供給する配管とを備え
ているものである。

【００１１】請求項２の発明によれば、抽出器にて抽出
された飲料を複数杯分貯える貯蔵槽からカップなどの容
器に直接飲料を供給する配管と、砂糖・クリームなどと
湯を混合する混合器にて混合された液体を容器に供給す
る配管とを備えているので、貯蔵槽からの飲料を混合器
を介さずに容器に供給できる。

【００１２】これにより、貯蔵槽内から容器に飲料を供
給するために要する時間を短縮することができるように
なり、顧客や使用者の利便性や販売能力などを著しく向
上させることが可能となる。また、砂糖・クリームなど
が不要な場合に、混合器にてこれらが抽出飲料に混入す
る不都合を未然に回避できるようになり、味覚の向上を
図ることができるようになるものである。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
形態を詳述する。図１は本発明の飲料供給装置の実施例
としての自動販売機１内部の構成を示している。実施例
の自動販売機１は、内部で調整したコーヒー（飲料）を
顧客にカップで販売するものであり、その内部には水道
水を加熱して＋９０℃以上の湯を作り貯蔵する湯タンク
６と、この湯タンク６に貯蔵された湯を後述する抽出器
７に供給する湯弁８と、湯タンク６から湯を後述する混
合器１７に供給するもう一つの湯弁３０と、カップＣを
供給する図示しないカップ供給装置と、コーヒーの挽き
豆原料（飲料原料）を貯蔵するコーヒーキャニスタ１２
と、前記飲料原料と湯を混合してコーヒーを抽出する前
述した抽出器７と、この抽出器７で抽出されたコーヒー
を温蔵する貯蔵槽１３と、クリームを貯蔵するクリーム
キャニスタ１４と、砂糖を貯蔵する砂糖キャニスタ１６
と、インスタントコーヒーを貯蔵するインスタントコー
ヒーキャニスタ１５と、販売指令に従ってそれぞれ供給
された砂糖、クリーム、或いは、インスタントコーヒー
を、湯と混合する混合器１７と、カップＣを置くための
カップ受台２０の下方に配置された排水バケツ１９など
が設けられている。

【００１４】前記湯弁８からは給湯管２１を介して抽出
器７に給湯される。この抽出器７は、上下動自在とされ
たシリンダ２２と、このシリンダ２２の下方に配置され
た飲料受台２３と、シリンダ２２と飲料受台２３間に介
設されたフィルタペーパー２６などから構成されてい
る。また、シリンダ２２が飲料受台２３上に降下した状
態でシリンダ２２内部に抽出室２８が構成され、この抽
出室２８は例えばコーヒー三杯分（一杯分は概ね１５０
ｇ）の湯と飲料原料を収容するのに充分な容量を備え
る。

【００１５】更に、フィルタペーパー２６は所定量ロー
ル状に捲回されており、このロールから引き出されて飲
料受台２３上に配置され、シリンダ２２が降下した状態
では飲料受台２３とシリンダ２２間に水密的に挟持され
ると共に、シリンダ２２が上方に引き上げられた状態で
その長手方向に移動（送り出し）できるように構成され
ている。

【００１６】また、シリンダ２２内には加圧配管２４を
介して空気ポンプ２９が連通接続されている。この空気
ポンプ２９からは圧搾空気がシリンダ２２内に供給さ
れ、抽出室２８内を加圧するものである。更に、飲料受
台２３の下面からは可撓性を備えた導出チューブ３１が
引き出されており、前記貯蔵槽１３の上部に連通されて
いる。

【００１７】また、貯蔵槽１３の下端からは販売管４２
が引き出され、カップ受台２０上のカップＣ上に向けて
延在しており、この販売管４２には販売弁４３が介設さ
れている。更に、クリームキャニスタ１４、砂糖キャニ
スタ１６、インスタントコーヒーキャニスタ１５の下方
には、それらから排出されたクリーム、砂糖、或いはイ
ンスタントコーヒーを混合器１７に案内するシュート４
７が配設されると共に、混合器１７からはカップ受台上
２０上のカップＣ上に向けて配管４８が延在している。

【００１８】尚、上記湯弁８、３０、空気ポンプ２９、
販売弁４３は、汎用のマイクロコンピュータなどから構
成された図示しない制御装置により制御される。また、
他の機器、即ち、カップ供給装置、コーヒーキャニスタ
１２、クリームキャニスタ１４、インスタントコーヒー
キャニスタ１５、砂糖キャニスタ１６、シリンダ２２の
上下動、フィルタペーパー２６の送り出し動作なども上
記制御装置にて制御されることになる。また、貯蔵槽１
３の周囲には図示しない保温用のヒータが配設されてお
り、これも制御装置にて制御される。

【００１９】以上の構成で次ぎに本発明の自動販売機１
のコーヒー抽出動作を説明する。貯蔵槽１３が空の状態
で制御装置が貯蔵槽１３に５杯分のコーヒーを溜める動
作を実行するものとすると、制御装置は抽出器７のシリ
ンダ２２を降下させてフィルタペーパー２６を飲料受台
２３との間に挟持した状態で、コーヒーキャニスタ１２
から先ず三杯分の挽き豆原料と、湯タンク６からは湯弁
８を開いて三杯分の湯を抽出室２８内に投入する。尚、
このとき販売弁４３は閉じられている。

【００２０】更に、制御装置は空気ポンプ２９を運転
し、抽出器７の抽出室２８内を加圧する。この抽出室２
８内においては挽き豆原料が湯中に浮遊している状態と
なり、挽き豆原料からはコーヒー成分が湯中に溶出して
行く。そして、上記加圧によって抽出室２８内からフィ
ルタペーパー２６を介して下方に押し出され、濾過され
て（濾過に要する時間は約６０秒）導出チューブ３１を
通り貯蔵槽１３に送られ、保温される。

【００２１】制御装置は次ぎにシリンダ２２を上昇さ
せ、フィルタペーパー２６を送り出してコーヒー滓を廃
棄処理し、待機状態に戻る。この時点で貯蔵槽１３内に
は三杯分のコーヒーが貯えられ、販売可能状態となる。
次ぎに、制御装置は再び抽出器７のシリンダ２２を降下
させてフィルタペーパー２６を飲料受台２３との間に挟
持し、その状態で、コーヒーキャニスタ１２から二杯分
の挽き豆原料と、湯タンク６からは湯弁８を開いて二杯
分の湯を抽出室２８内に投入する。

【００２２】更に、制御装置は同様に空気ポンプ２９を
運転し、抽出器７の抽出室２８内を加圧しながら抽出室
２８内からフィルタペーパー２６を介して飲料を下方に
押し出し、濾過する（濾過に要する時間は約４０秒）。
そして、濾過された飲料（コーヒー）は導出チューブ３
１を通り同様に貯蔵槽１３に送られて保温される。

【００２３】そして、制御装置は再びシリンダ２２を上
昇させ、フィルタペーパー２６を送り出してコーヒー滓
を廃棄処理し、待機状態に戻る。この時点で貯蔵槽１３
内には五杯分のコーヒーが貯えられ、抽出動作を完了し
たことになる。尚、この二度目の抽出中においても貯蔵
槽１３からはコーヒーを販売可能である。

【００２４】制御装置は顧客が金銭を投入し、例えば砂
糖・クリーム入りコーヒーの選択ボタンを押すと、先ず
前記カップ供給装置からカップＣを受台２０上に供給す
る。一方、制御装置は湯弁３０を開いて配管４４を介
し、少量の湯を混合器１７に供給し、同時にクリームキ
ャニスタ１４及び砂糖キャニスタ１６からは所定量のク
リームと砂糖をシュート４７を介して混合器１７内の湯
に添加し、混合する。

【００２５】この混合された液体は配管４８を介してカ
ップＣに供給されるが、同時に、制御装置は販売弁４３
を開き、一杯分のコーヒーを貯蔵槽１３から販売管４２
を介して直接カップＣ内に分与し、配管４８から供給さ
れたクリーム・砂糖の混合液とカップＣ内で混合するも
のである。

【００２６】このように、本発明では抽出器７にて抽出
されたコーヒー（飲料）を複数杯分貯える貯蔵槽１３か
らカップＣに直接飲料を供給する販売管４２と、砂糖・
クリームなどと湯を混合する混合器１７にて混合された
液体をカップＣに供給する配管４８とを別個に備えてい
るので、混合器１７を介さずに貯蔵槽１３からのコーヒ
ー（飲料）をカップＣに供給できる。

【００２７】これにより、貯蔵槽１３内からカップＣに
コーヒー（飲料）を供給するために要する時間を短縮す
ることができるようになり、顧客や使用者の利便性や販
売能力などを著しく向上させることが可能となる。ま
た、混合器１７の内面にはどうしても砂糖やクリーム或
いはインスタントコーヒーなどが微量でも残留付着する
が、本発明によれば砂糖・クリームなどが不要なブラッ
クコーヒーを販売する際に、混合器１７にてこれらがコ
ーヒーに混入する不都合を未然に回避できるようにな
り、味覚の向上を図ることができるようになる。

【００２８】また、貯蔵槽１３内にコーヒー（飲料）を
一定時間貯留した場合には、制御装置は販売弁４３を開
く。販売弁４３が開放されると販売管４２からは貯蔵槽
１３内のコーヒーがカップ受台２０を介して排水バケツ
１９内に廃棄されることになる。

【００２９】この場合にも、混合器１７を介さずに廃棄
するので、混合器１７が溢れてしまう不都合も回避でき
る。

【００３０】尚、インスタントコーヒーの販売は湯とイ
ンスタントコーヒー粉末を混合器１７にて混合すること
により行われる。また、実施例ではカップＣに飲料を供
給する自動販売機を例に採り説明したが、事務所などに
おいてデカンタなどの容器にコーヒーを抽出提供する飲
料供給装置にも本発明は有効である。

【００３１】また、実施例ではコーヒーを例に採り説明
したが、それに限らず、紅茶や緑茶などに適用しても本
発明は有効である。

【００３２】

【発明の効果】以上詳述した如く請求項１の発明によれ
ば、抽出器にて抽出された飲料を複数杯分貯える貯蔵槽
からカップなどの容器に直接飲料を供給する配管を備え
ているので、貯蔵槽内から容器に飲料を供給するために
要する時間を短縮することができ、顧客や使用者の利便
性や販売能力などを著しく向上させることが可能となる
ものである。

【００３３】請求項２の発明によれば、抽出器にて抽出
された飲料を複数杯分貯える貯蔵槽からカップなどの容
器に直接飲料を供給する配管と、砂糖・クリームなどと
湯を混合する混合器にて混合された液体を容器に供給す
る配管とを備えているので、貯蔵槽からの飲料を混合器
を介さずに容器に供給できる。

【００３４】これにより、貯蔵槽内から容器に飲料を供
給するために要する時間を短縮することができるように
なり、顧客や使用者の利便性や販売能力などを著しく向
上させることが可能となる。また、砂糖・クリームなど
が不要な場合に、混合器にてこれらが抽出飲料に混入す
る不都合を未然に回避できるようになり、味覚の向上を
図ることができるようになるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の飲料供給装置の実施例としての自動販
売機内部の構成を示す図である。

【符号の説明】

１ 自動販売機 ６ 湯タンク ７ 抽出器 ８、３０ 湯弁 １２ コーヒーキャニスタ １３ 貯蔵槽 １４ クリームキャニスタ １６ 砂糖キャニスタ １７ 混合器 ２６ フィルタペーパー ２８ 抽出室 ４２ 販売管 ４３ 販売弁 ４８ 配管 Ｃ カップ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 飲料原料から飲料を抽出して供給する飲
   料供給装置において、 前記飲料原料と湯を混合することによって飲料を抽出す
   る抽出器と、この抽出器にて抽出された飲料を複数杯分
   貯える貯蔵槽と、この貯蔵槽からカップなどの容器に直
   接飲料を供給する配管を備えたことを特徴とする飲料供
   給装置。
2. 【請求項２】 飲料原料から飲料を抽出して供給する飲
   料供給装置において、 前記飲料原料と湯を混合することによって飲料を抽出す
   る抽出器と、この抽出器にて抽出された飲料を複数杯分
   貯える貯蔵槽と、砂糖・クリームなどと湯を混合する混
   合器と、この混合器にて混合された液体をカップなどの
   容器に供給する配管と、前記貯蔵槽から直接前記容器に
   飲料を供給する配管とを備えたことを特徴とする飲料供
   給装置。