JPH08308567A - ヒトプロテアソームサブユニットp40 - Google Patents

ヒトプロテアソームサブユニットp40

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JPH08308567A
JPH08308567A JP7121484A JP12148495A JPH08308567A JP H08308567 A JPH08308567 A JP H08308567A JP 7121484 A JP7121484 A JP 7121484A JP 12148495 A JP12148495 A JP 12148495A JP H08308567 A JPH08308567 A JP H08308567A
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JP
Japan
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proteasome
polypeptide
subunit
amino acid
acid sequence
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JP7121484A
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English (en)
Inventor
Naoki Niihara
直樹 新原
Keiji Tanaka
啓二 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はヒト26Sプロテアソームの構成成
分のサブユニットP40の同定および機能を明らかに
し、さらに該サブユニットP40のポリペプチドのアミ
ノ酸配列を提供することを目的とし、さらにサブユニッ
トP40のポリペプチドをコードする遺伝子の塩基配列
を提供することを目的とするものである。さらに該遺伝
子と相補的なポリヌクレオチドを用いてmRNAの発現
量を定量することによる免疫疾患等の診断方法、該サブ
ユニットP40に対する抗体を用いて該サブユニットを
免疫測定することによる免疫疾患等の診断方法を可能に
することを目的とするものである。 【構成】 ヒト26Sプロテアソームの構成成分のサブ
ユニットP40を同定し、生化学的機能を明らかにす
る。さらに該サブユニットP40のポリペプチドのアミ
ノ酸配列を決定する。さらに上記ヒトプロテアソームの
構成成分のうちサブユニットP40のポリペプチドをコ
ードする遺伝子の塩基配列を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト26Sプロテアソ
ームに関するものであり、さらに詳しくは該プロテアソ
ームのサブユニットP40のポリペプチド、および該サ
ブユニットの各ポリペプチドをコードする遺伝子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】プロテアソームは、別名、多機能性プロ
テアーゼと呼ばれ、不活性型で細胞内に局在し、エネル
ギー依存性蛋白質分解系を構成する主要酵素である。本
酵素は、酵母からヒトに至る真核生物に広く存在してお
り、またすべての組織に存在し、なかでも肝臓では、全
可溶性蛋白質の1%も占める。該酵素は同一分子内に複
数の触媒活性部位を持ち、トリプシン型酵素の基質であ
る塩基性アミノ酸、キモトリプシン型酵素の基質である
中性アミノ酸、そしてプロテアーゼとしては稀な酸性ア
ミノ酸を含む合成ペプチドのカルボキシ末端のペプチド
結合を切断する活性がある。
【0003】しかしながら、種々の既知の阻害剤の中で
特異的で有効に作用するものがないことから、該酵素
は、既知のプロテアーゼとは異なる触媒活性部位を持つ
と推定されている。またプロテアソームは、非リソゾー
ム系蛋白質分解経路における主要酵素であり、蛋白質の
修飾による機能制御や蛋白質の代謝回転の調節など多彩
な生理作用を有していると推定される。
【0004】さらに、最近、プロテアソームが内在性抗
原のプロセシング酵素であると考えられており、注目さ
れている。これは、クラスI MHC 抗原の提示に欠陥をも
つB細胞変異株が分離され、それらがクラスII MHC領域
約200kb に欠失のあることが判明したことによる。この
領域には、TAP1,TAP2 とよばれるペプチドを細胞質から
小胞体へ移送させるトランスポーター蛋白質の遺伝子が
コードされており、その近傍には、LMP2,LMP7 とよばれ
るプロテアソームのサブユニットをコードする遺伝子が
存在することが判明し、プロテアソームの内在性抗原の
プロセシングにおける重要性が高まっている(Trends in
Cell Biol., 2, 81,1992)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】プロテアソームは、こ
のような20S型複合体として見いだされた。本発明者
らは、多数の制御因子群がこの20Sプロテアソームに
可逆的に結合し、分子量約200万、沈降係数26Sの
巨大な複合体を形成していることを見いだし、26Sプ
ロテアソームと命名した( 特開平5-292964、特開平6-02
2759)。しかしながら、ヒトプロテアソームを構成する
サブユニットのうち、この制御因子群の詳細は明かにさ
れておらず、そのサブユニットの詳細を明かにし、各種
病態の診断、および治療法を確立することが強く要望さ
れている。
【0006】そこで、本発明者らは、このような状況を
踏まえ、上記26Sプロテアソームについて、その構成
成分である個々のサブユニットの構造、機能等について
鋭意研究を重ねた結果、新規な多機能プロテアーゼ、す
なわち、ヒトのプロテアソームの構成成分であるサブユ
ニットP40について解明し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明はヒト26Sプロテアソームの構
成成分のサブユニットP40を明らかにし、さらに該サ
ブユニットP40のポリペプチドのアミノ酸配列を提供
することを目的とするものである。
【0007】また、本発明は該プロテアソームの構成成
分のうちサブユニットP40のポリペプチドをコードす
る遺伝子の塩基配列を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】さらに、本発明は、該プロテアソームの酵
素機能の解明に使用可能な方法および、免疫疾患をはじ
め各種病態の診断治療の方法を提供することを目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本願発明者ら
は、上記目的を達成可能とするため、該プロテアソーム
について、その構成成分である個々のサブユニットの構
造、機能等について詳細に研究を重ねた結果、該プロテ
アソームの構成成分であるサブユニットP40について
解明した。さらに、上記の知見に基づき、各種病態の診
断、および治療法を提供することが可能となった。
【0010】すなわち、本発明は、上記サブユニットP
40を同定すること、上記サブユニットP40のポリペ
プチドのアミノ酸配列を決定すること、および上記サブ
ユニットP40のポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドの塩基配列を決定することからなる。さらに本発
明においては、各種ヒト臓器での該サブユニットのmR
NA発現量を定量可能とする。また、本発明においては
サブユニットP40の抗体を作製可能とし、各種細胞に
おけるこれらのサブユニットを上記抗体を用いて定量可
能とする。
【0011】より詳しくは、本発明は、上記の目的を達
成するため、本発明者等の方法( 特開平5-292964、特開
平6-022759)等を用いて、該プロテアソームサブユニッ
トP40を電気泳動法で分離同定し、得られるポリペプ
チドのフラグメントのアミノ酸配列からサブユニットP
40のアミノ酸配列のポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチドの全塩基配列を決定し、さらに上記の知見に
基づき、サブユニットP40の全アミノ酸配列を推定す
るものである。さらに本発明は、サブユニットP40の
ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオ
チドの相補的ポリヌクレオチドを作製可能とし、これを
用いて各種ヒト臓器におけるプロテアソームmRNAの
発現量を定量することを可能にし、免疫疾患等の診断方
法に使用可能とするものである。
【0012】さらに本発明においては、ヒトプロテアソ
ームサブユニットP40に対する抗体を作成可能とし、
これらの抗体を用いて、各種細胞中のサブユニットP4
0を免疫的測定法により定量することを可能にし、免疫
疾患等の診断方法に使用可能とするものである。なお、
本明細書および図面において、塩基やアミノ酸などを略
号で表示する場合、IUPAC- IUB、による略号あ
るいは当該分野における慣用の略号を使用した。なお、
アミノ酸は3文字表記または1文字表記した。
【0013】 Ala (A) アラニン Arg (R) アルギニン Asn (N) アスパラギン Asp (D) アスパラギン酸 Cys (C) システイン Gln (Q) グルタミン Glu (E) グルタミン酸 Gly (G) グリシン His (H) ヒスチジン Ile (I) イソロイシン Leu (L) ロイシン Lys (K) リジン Met (M) メチオニン Phe (F) フェニルアラニン Pro (P) プロリン Ser (S) セリン Thr (T) スレオニン Trp (W) トリプトファン Tyr (Y) チロシン Val (V) バリン
【0014】以下本発明を詳細に説明する。 (ヒト26SプロテアソームのサブユニットP40のポ
リペプチド)以下で説明する方法により塩基配列が決定
されたヒト26SプロテアソームのサブユニットP40
のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドから推定
される、サブユニットP40のポリペプチドのアミノ酸
配列は配列番号1に記載されている。本発明に係るサブ
ユニットP40は、上記のアミノ酸配列のN末端にメチ
オニンが結合していないポリペプチド、および上記アミ
ノ酸配列のN末端にヒトプロテアソームのサブユニット
P40のためのシグナルペプチドの部分もしくは全部が
結合または、欠損した中間体も含包する。
【0015】また、自然の変異により、または人工の変
異(例えばPCRによるランダム変異法)によりポリペ
プチドの主たる活性に変化を与えることなく、ポリペプ
チドをコードするDNAの構造の一部を変化させること
が可能である。本発明のヒトプロテアソームのサブユニ
ットP40のポリペプチドは、前記アミノ酸配列を有す
る相同変異体に相当する構造を有するポリペプチドも含
包する。
【0016】(ヒトプロテアソームサブユニットP40
の精製)本発明に係る26Sプロテアソームは本発明者
等の方法( 特開平5-292964) に準じ、ヒト株化細胞、組
織細胞等をはじめ各種動物細胞から、バイオゲルーA、
Qーセファロス、ハイドロキシアパタイトを吸着体とし
たクロマトグラフィー、グリセロール密度勾配遠心法等
の操作で単一に精製することが可能である。さらに、2
6Sプロテアソーム制御因子群のみの精製は、例えば以
下の方法、すなわち、ヒト株化細胞、組織細胞等をはじ
め各種動物細胞から出発物質を調製し、バイオゲル、ハ
イドロキシアパタイト、グリセロールグラディエント等
の方法により調製可能である。
【0017】以下、その調製法を順に説明する。 (1)ヒト細胞や組織等を25mM Tris-HCl (ph7.5), 10m
M β- メルカプトエタノール, 2mM ATP, 250mM, Sucros
e を用いてホモジナイズし、さらに8000 rpm, 30分間遠
心する。 (2)上記遠心で得られた上澄をさらに70000 xgで1
時間遠心する。 (3)得られた上澄をさらに70000 xgで5時間遠心す
る。 (4)得られた沈殿物を25mM Tris-HCl (pH7.5), 10mM
β- メルカプトエタノール, 0.5mM ATP, 20%グリセロー
ルの緩衝液(緩衝液Aとする)に懸濁する。
【0018】(5)得られた懸濁サンプルを緩衝液Aで
平衡化したBio-Gel A (バイオラッド社) 1.5m カラム
により26Sプロテアソーム画分を集める。該画分の分
画にはプロテアーゼ活性としてキモトリプシン様活性、
トリプシン様活性、V8プロテアーゼ様活性、ユビキチ
ン分解活性(特開平5ー292964)を指標とするこ
とが可能である。 (6)上記画分を濃縮し、10mMリン酸緩衝液(pH7.0), 1
0mM β- メルカプトエタノール, 0.5mM ATP, 20%グリセ
ロールで平衡化したハイドロキシアパタイトカラムによ
り、10-300 mM リン酸緩衝液(pH7.0) のグラジエント
(10mM β- メルカプトエタノール, 0.5mM ATP, 20%グ
リセロール)により精製する。 (7)得られた各分画を26Sプロテアソーム抗体(徳
島大学酵素科学研究センターより入手可能)を用いて、
イムノブロッティング法(Antibodies, A Laboratory M
anual, Ed., Harlow et al., p471-510, Cold Spring H
arbor Laboratory,1988 )により同定し、反応画分を分
離回収した後濃縮する。 (8)さらに10ー30%のグリセロールグラディエン
ト(25mM Tris-HCl (pH7.5), 10mM β- メルカプトエタ
ノール, 2mM ATP )で25000 回転で22時間遠心による
分画後、26Sプロテアソーム制御因子群を含む画分を
(7)と同様にイムノブロッティング法により同定し、
制御因子群を分離精製することが可能である。
【0019】以上説明した方法の他にも、各種クロマト
グラフィーを組み合わせることにより、サブユニットP
40を含むプロテアソームの精製は可能である。例えば
牛赤血球細胞からは、J. Biol.Chem.269,3539-3547,199
4 に記載の方法に準じて、硫酸アンモニウムによる沈殿
の後、セファクリルSー300、DEAE Fractogel, ハイ
ドロキシアパタイトカラム等による分離精製が可能であ
る。なお、これら精製した26Sプロテアソーム制御因
子画分は20Sプロテアソームのプロテアーゼの活性を
アクチベートする活性がある。
【0020】精製したサブユニットP40を含む26S
プロテアソーム制御因子画分を、SDS−ポリアクリル
アミド電気泳動法(SDSーPAGE, Antibodies A L
aboratory Manual,Harlow David lane 著、Cold Sprin
g Harbor laboratory ,636-640 ,1988)や、O'Farrel
l 等による2次元電気泳動(J.Biol.Chem.250,4007-402
1,1975)により分離した後、ゲルをクマシー染色する
と、分子量21-32 kDa の十数個の20Sプロテアソーム
によるバンドとともに、分子量30-110kDa の制御因子群
が含まれたバンドが観察される。また精製しサブユニッ
トP40を含む制御因子群はSDS−PAGEや2次元
電気泳動により、分子量30-110kDa の制御因子群のみの
バンドとして観察される。
【0021】(サブユニットP40の単離)上記SDS
−PAGEや2次元電気泳動によるバンドからサブユニ
ットP40を単離するには、分子量約40kDa のバンド
を選ぶことにより可能である。
【0022】(プローブの作成)電気泳動法より分離同
定されたサブユニットP40はポリビニリデンジフルオ
ロダイド(PVDF)等にトランスファーすることが可
能である。上記の処理後、リジルエンドペプチダーゼな
どによる各種酵素処理によりポリペプチドフラグメント
の混合物とし、得られたペプチドフラグネントの混合物
を高速液体クロマトグラフィーで分離する。上記得られ
たポリペプチドフラグメントのいくつかのフラグメント
のアミノ酸配列を自動アミノ酸シークエンサー等を用い
て決定することが可能である。
【0023】上記の解析によって得られたアミノ酸配列
の一部の情報をもとにポリヌクレオチドの検索に必要な
プローブは、得られたポリペプチドフラグメントのうち
縮重頻度の低いものを選択し、これに対応する相補的ポ
リヌクレオチドとして合成して作成することにより可能
である。また、複数のアミノ酸配列が得られた場合は、
対応する相補的ポリヌクレオチドを組み合わせて、ヒト
のcDNAを鋳型にしてPCR法(例えば、Michael A.
Innis et al., ed.,斎藤隆 監訳、PCR実験マニュア
ル、HBJ出版局、1991年)により、より長い断片
のDNAプローブを得ることが可能である。以上のよう
にして、ヒトプロテソームのサブユニットP40をスク
リーニングするためのDNAプローブが得られる。
【0024】(相補鎖DNAライブラリーの作製および
スクリーニング)本発明においてポリペプチドをコード
するポリヌクレオチドをスクリーニングするためのcD
NAライブラリーの作製は、一般的な方法が使用可能で
あり例えば次のステップにより可能である。
【0025】すなわち、(i)ヒトプロテアソーム産生
細胞からメッセンジャーRNA(mRNA)を分離し、
(ii)該mRNAから、単鎖の相補鎖ポリヌクレオチ
ド(cDNA)を、次いで2重鎖ポリヌクレオチドを合
成し、(iii)2重鎖ポリヌクレオチドをプラスミド
またはファージに組み込み、(iv)得られた組換えプ
ラスミドまたはファージにより適当な宿主細胞を形質転
換し、(v)得られた形質転換体を培養後、形質転換体
から、適当な方法、例えばコロニーハイブリダイゼーシ
ョンまたはプラークハイブリダイゼーションにより、目
的とするポリヌクレオチドを含有するプラスミドまたは
ファージを単離し、(vi)そのプラスミドまたはファ
ージから目的とするポリヌクレオチドを切り出し、(v
ii)該クローン化ポリヌクレオチドを適当なプラスミ
ドにサブクローニングする、というステップである。
【0026】各ステップについてさらに詳しく説明す
る。 ステップ(i):ヒトプロテアソームのサブユニットP
40のポリペプチドをコードするmRNAは、ヒトの組
織、器官、産生細胞から、より具体的には、肝臓、腎
臓、心臓、脳、肺、胸腺、肝臓癌細胞株、腎臓癌細胞株
などから得ることができる。また該酵素産生細胞から全
RNAを調製する方法としては、グアニジウム/セシウ
ムクロライド法(Guanidium/Cesium Chloride method,
Maniatis, T., Fritsch E. F., and Sambrook, J., Mo
lecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Pre
ss, 194-196, 1982)やグアニジウムチオシアネート法
(Chomczynski,P. et al., Analytical Biochemistry, 1
62, 156-159, 1987) 等が一般に用いられる。
【0027】上記操作により得られる全RNAからのm
RNAの分離、精製は例えば、オリゴdTーセルロース
(コラボレイティブ リサーチ社(Collaborative Rese
arch社))やオリゴテックスーdT30(タカラ社)等
を用いて吸着カラム法またはバッチ法により実施でき
る。 ステップ(ii):このようにして得られたmRNAを
鋳型として逆転写酵素を用いて、例えばオカヤマーバー
グ法 (Okayama, H. and Berg, P., Molecularand Cellu
lar Bology, 3, 280, 1983)やグブラーとホフマンの方
法 (Gubler ,V.and Hoffman, B.J., Gene, 25, 263-26
9, 1983)等に従いcDNAを合成する。
【0028】ステップ(iii):得られたcDNAを
プラスミドやファージに組み込み、cDNAのライブラ
リーを調製する。cDNAを組み込むプラスミドベクタ
ーとしては、例えば、PBR322 (Gene, 2,95,1977) 、PBR
325 (Gene, 4, 121, 1978), PUC12 (Gene, 19, 259, 19
82), PUC13 (Gene,19,259,1982), PUC18 (Gene, 33, 10
3, 1985), PUC19 (Gene, 33,103,1985), PUC118 (Metho
ds in Enzymology, 153, 3, 1987), PUC119 (Methods
in Enzymology, 153, 3, 1987), Bluescript II(Nuclei
c Acids. Res.,17,9494,1989 )、などが挙げられる
が、その他のものであっても、宿主内で複製保持される
ものであれば、いずれも用いることができる。
【0029】また、cDNAを組み込むファージベクタ
ーとしては、例えば、λgt10(Huynh,T.V., Young,
R.A. and Davis, R.W.,DNA cloning, A Practical Appr
oach, IRL Press, Oxford, 1, 49, 1985) 、λgt11
(Proc. Natl. Acad. Sci.,U.S.A., 80, 1194, 1983)ま
たはλZAPII (Nucleic Acids. Res.,17,9494,1989)、な
どが使用可能であるが、その他のベクターであっても、
適当な宿主内で増殖できるものであれば良い。
【0030】プラスミドにcDNAを組み込む方法とし
ては、例えば、サンブルーク(Sambrook, J.)らの方法(M
olecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring
Harbor Laboratory Press, 1.53-1.73, 1989)などが挙
げられる。また、ファージベクターにcDNAを組み込
む方法としては、例えば、Hyunh,T.V. 等の方法 ( DNA
cloning, A Practical Approach, IRL Press, Oxford,
1, 49, 1985) などが使用可能である。
【0031】ステップ(iv):上記の方法により得ら
れたプラスミドやファージベクターは、これを適当な宿
主たとえば、エシェリヒア コリ(Escherichia Coli)、
バチルススブチリス(Bacillus subtilis) 、サッカロミ
セス セレビシアエ (Saccharomyces cerevisiae) 等に
導入して、これを形質転換できる。プラスミドベクター
で宿主を形質転換する方法としては、例えば、Molecula
rCloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1.7
4-1.84 (1989)に記載のエレクトロポーレーション法
あるいはカルシウムクロライド法などが挙げられる。ま
た、ファージ. ベクターにはたとえば、増殖させた大腸
菌にイン. ビトロパッケージング法を用いて導入するこ
とができる。
【0032】ステップ(v):上記方法によるcDNA
から目的のヒトプロテアソームのサブユニットP40の
cDNAを選択するには、例えばラベル化したプローブ
を用いたコロニーハイブリダイゼーション法または、プ
ラークハイブリダイゼーション法 (Molecular Cloning,
Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1.85-1.104or
2.112-2.120, 1989)などが使用可能である。上記のハ
イブリダイゼーションにおけるプローブとして用いるポ
リヌクレオチドとしては、サブユニットP40とハイブ
リダイズする少なくとも12の塩基からなるポリヌクレ
オチドであれば、何でもよく、例えばサブユニットP4
0のアミノ酸配列に基づいて化学合成したオリゴヌクレ
オチド,あるいはプロテアソームの他のコンポーネント
をコードするcDNA、ゲノムDNA、化学合成DN
A、およびこれらの部分DNA等が使用可能である。以
上のようにして、ヒトプロテアソームのサブユニットP
40をコードするポリヌクレオチドが調製可能となる。
【0033】(塩基配列の決定)上記に従い得られたc
DNAの塩基配列の決定は、例えば、マキサムーギルバ
ート(Maxiam-Gilbert)法 (Methods in Enzymology, 65,
499-560, 1980) 、ジデオキシ法 (Messing, J. et a
l., Nucleic Acids Research, 9, 309, 1981)、蛍光色
素を用いたTaq サイクルシークエンシング法等(Biotech
niques,7,494-499,1989)により可能である。決定された
ヒトプロテアソームのサブユニットP40のポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドの塩基配列の全部また
は一部を含有するポリヌクレオチドは、配列番号2で表
される。
【0034】本発明に係る上記ポリヌクレオチドは、配
列番号2の5’末端にATGが結合していない塩基配列
からなるポリヌクレオチドを含む。本発明のポリヌクレ
オチドはまた、ヒトプロテアソームのサブユニットP4
0のシグナルペプチドの部分または全部をコードする
5’フランキングポリヌクレオチドを含むDNAも含
む。さらに、自然の変異により、または人工的変異によ
り、主たる活性に変化を与えることなく、ポリヌクレオ
チドの構造およびそれから演繹されるポリペプチドの構
造の一部を変異せしめることが可能である。
【0035】従って、本発明に係るポリヌクレオチド
は、前述のすべてのポリペプチドの相同異性体に相当す
る構造を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含
有することも可能である。さらに、遺伝暗号の縮重に従
い、ポリヌクレオチドから生産されるポリペプチドのア
ミノ酸配列を変えることなくそのポリヌクレオチドの塩
基配列の少なくとも一つの塩基を他の種類の塩基に置換
することができる。従って、本発明のポリヌクレオチド
はまた、遺伝暗号の縮重に基づく置換によって、変換さ
れた塩基配列を含有することも可能である。 この場
合、上記置換により得られた塩基配列より、演繹される
アミノ酸配列は配列番号1のアミノ酸配列と一致する。
【0036】本発明のヒトプロテアソームサブユニット
P40のポリペプチドをコードするcDNAを含むポリ
ヌクレオチドは、上記の方法の他に、ヒト、ラット、マ
ウスなどのゲノムDNAのライブラリーからのクローニ
ングによっても得ることができる。これら、サブユニッ
トP40をコードするcDNAおよびゲノムDNAは、
目的により、そのままあるいは制限酵素で切断して使用
することが可能である。
【0037】本発明により得られたサブユニットP40
のcDNAの構造は図1に示されるように、972残基
からなり、オープンリーディングフレームは1218残基で
あり、324アミノ酸をコードする。計算上の分子量
は、37020 であり、等電点は、6.03である。
【0038】(免疫疾患等の診断用測定方法)上記得ら
れたポリヌクレオチドをプローブとして用いることは、
各種疾患の診断等にも有効な手段を与える。さらにヒト
プロテアソームサブユニットP40の遺伝的多型性を調
べることにより、各種疾患との関連も明らかにでき、ポ
リヌクレオチド診断に有効に使用可能となる。また、本
発明で得られたプロテアソームサブユニットP40の相
補鎖ポリヌクレオチドをプローブとして用いることによ
り、各種ヒト臓器のmRNA発現量を例えばノザンブロ
ット解析やRT−PCR解析(例えば、Michael A.Inni
s et al., ed.,斎藤隆 監訳、PCR実験マニュアル、
HBJ出版局、1991年)を行うことにより定量的に
測定可能となり、上記各種疾患の診断手段を与えるもの
である。
【0039】さらに本発明において得られたサブユニッ
トP40に対するポリクローナルまたはモノクローナル
抗体を作成することが可能である(例えば、Antibodie
s, ALaboratory Manual, Ed., Harlow et.al., Cold Sp
ring Harbor Laboratory,1988 に記載の方法に準じて可
能である)。なお、モノクローナル抗体を作成するとき
の抗原とするポリペプチドは少なくとも4個のアミノ酸
から成ればよい。得られた抗体を用いた免疫的測定法に
より、各種細胞中の該サブユニットの変化を定量的に測
定する手段が与えられる。
【0040】(ヒトプロテアソ−ムサブユニットP40
の利用について)本発明において、26Sプロテアソー
ムのサブユニットの一つであるP40が同定されたこと
により、以下の利用方法が考えられる。すなわち、現在
までにわかっている26Sプロテアソームサブユニット
である、S4、MSS-1, TBP-1, TBP-7 の機能についての
知見から、P40の機能および利用を推察することがで
きる。
【0041】より詳細に述べれば以下のようなる。酵母
については、26Sプロテアソームサブユニットが細胞
周期のG2-M期の進行に必須であることが知られている。
すなわち分裂酵母の染色体分配異常によって細胞周期が
M期で停止している細胞の変異を相補する遺伝子MTS2
(出芽酵母YTA5、ヒトS4のホモローグ)を分離する
と、これが26Sプロテアソームの調節サブユニット群
を構成するATPaseであることが判明した(Nature,366,3
55-357,1993)。一方、G2ーM期の転移異常を示す変異
型出芽酵母の解析からCIM5(ヒトMSS-1 のホモローグ)
とCIM3と名付けた2種の遺伝子を単離したところ、これ
も26Sプロテアソームを構成するATPaseであることが
判明し、またMTS2やCIM5の変異細胞株ではユビキチン依
存性の蛋白分解システムに異常があることがわかり((N
ature, 366, 358-362, 1993)これらの遺伝子変異に伴う
細胞周期の停止には26Sプロテアソームの蛋白分解機
能の異常が関係していると考えられる。
【0042】また、ヒトTBP(Tat binding protein)
ー1と7(TBPー1、TBPー7)はヒト免疫不全症
侯群(エイズ)ウイルスHIV(human immunodeficienc
y virus)転写因子Tat に結合する蛋白である。従ってこ
れらの蛋白は、エイズウイルスの発現調節に密接に関連
する。これらの蛋白と同じ26Sプロテアソ−ム制御因
子群であるヒトサブユニットP40は遺伝子の転写ある
いは、細胞増殖にも関与していることが示唆され、これ
よりP40は、ヒトの転写調節因子の異常による炎症
や、ウィルス感染および代謝異常等の疾患の診断法、治
療法に適用可能となる。
【0043】さらに、プロテアソームの遺伝子はヒト肝
癌細胞、ヒト腎癌細胞(Cancer Res., 51, 6677-6685, 1
991) 、ヒト白血病細胞などの悪性腫瘍細胞 (Proc. Nat
l.Acad. Sci. U.S.A., 88, 139-143, 1990) において正
常細胞に比較して異常に高く発現し、さらに、これらの
腫瘍細胞の核にプロテアソームが、異常蓄積することが
知られており、従って本発明に係るプロテアソームのサ
ブユニットP40はヒトの癌化のメカニズムの解明や癌
の診断および治療に有効に使用可能となる。
【0044】さらに、アルツハイマー病患者の脳内には
ユビキチンが異常蓄積し、少なくともこの疾患の原因の
一つに細胞内における蛋白質分解系の異常のあることが
示唆されており、さらにこの疾患の発現にかかわる遺伝
子の機能ドメインにはプロテアーゼ阻害剤がコードされ
ていることが知られており(Nature, 331, 530-532, 198
8)、非リソソーム系の蛋白分解に関与すると考えられる
プロテアソームがアルツハイマー病に本質的に関係して
いることが示唆されている。従って、本発明に係るヒト
プロテアソームのサブユニットP40は、その機能およ
び阻害メカニズムの解明、およびアルツハイマー病と本
酵素との関係や異常の生じるメカニズムの解明、および
治療に有効に使用可能となる。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 (実施例1) ヒトプロテアソームのサブユニットP4
0遺伝子配列の決定 (1)プローブの調製 (1ー1)出発物質の調製 牛赤血球細胞の26Sプロテアソーム制御因子群は以下
に記載の方法に準じて精製可能である。牛血液をヘパリ
ン存在下で収集し、2000xgで1時間遠心し赤血球細胞を
集めた後、得られた沈殿を4倍体積のリン酸緩衝液に懸
濁し、再沈殿することにより洗浄した。 この操作を4
回繰り返した。
【0046】なお、以下のステップは特に述べない限り
4℃で行った。赤血球細胞に3倍体積の溶解バッファー
(バッファーH:20mMTris-HCl, pH7.6, 20mM NaCl, 1m
M EDTA, 1mM βーメルカプトエタノール)を加えて10
分間撹拌して溶解した。 これを13,000g で60分間遠
心し、上清を除去して、保存した。沈殿は再度バッファ
ーHに懸濁し、遠心した後上清を最初の上清に加えた。
この上清画分を20mM Tris-HCl, pH7.6, 20mM NaCl, 0.5
mM MgCl 2 , 0.1mM EDTA, 5mMβーメルカプトエタノー
ル、10% グリセロールに対して透析処理を行った。
【0047】(1ー2)DE52による調製 上記の透析画分5ml に対し、バッファーHで平衡化した
DE52(Whatman 社)1ml を添加した。該レジンに結
合している蛋白を0.5M NaCl を含むバッファーH(What
man 社)で10分間緩やかに撹拌することにより溶出し
た(レジン:0.5M NaCl/バッファーH=1:1)。 さ
らに少量の0.5M NaCl を含むバッファーHで溶出し、ヘ
モグロビンを含まない赤血球細胞からの抽出画分を得
た。
【0048】(1ー3)硫安沈殿 上記得られた画分に38% 飽和になるまで30分間ゆっく
りと撹拌しながら硫安(硫酸アンモニウム)を添加し
た。さらに30分間撹拌して沈殿した蛋白を遠心により
集めた。
【0049】この沈殿をダンス(DOUNCE) ホモジナイザ
ーを用いて大量のバッファーで再懸濁し、さらに遠心し
沈殿蛋白を得た。沈殿は少量のバッファーHに溶解し、
100mM になるようにNaClを添加し、100mM NaCl/ バッフ
ァーHに対して16時間透析した。透析後、不溶物を3
0,000xg、30分間遠心して除き、上清画分を得た。
【0050】(1ー4)セファクリルS−300 セファクリルS−300(Pharmacia 社、100x5 cm) カ
ラムをバッファーHで平衡化後、(1ー3)で得た画分
をアプライし、100mM NaClを含むバッファーHで溶出
し、11mlずつフラクションを集めた。フラクションのう
ち20Sプロテアーゼ活性促進の高い画分を集めた。
活性画分の測定は(1ー7)に記載した。
【0051】(1ー5)DEAE Fractogel (1ー4)の活性画分はバッファーHで平衡化したDE
AE Fractogel(EM Separation, 10x2.5 c
m) にアプライし100mM-300mM NaCl/ バッファーHによ
るリニアグラジエントで溶出し、11mlずつフラクション
を集めた。得られたフラクションのうち、活性画分の高
い画分を集め20mMリン酸緩衝液(pH 7.6)に対して透析を
行った。
【0052】(1ー6)ハイドロキシアパタイト (1ー5)で得られた画分をバッファーHで平衡化した
ハイドロキシアパタイト(BioRad 社、7x25cm) にアプラ
イし、リン酸緩衝液(20-200ml)のリニアグラジエントに
より8ml ずつ各フラクションを溶出し集めた。上記各フ
ラクションの活性画分を集め、バッファーHで透析し、
1mg/mlの濃度になるまでアミコンPM10メンブランで
濃縮した。
【0053】(1ー7)活性画分の測定方法 26Sプロテアソーム制御因子群の活性の測定は、20
Sプロテアソームと制御因子群を混合して20Sプロテ
アソームのペプチダーゼ活性を測定する方法により可能
である。 反応は、5mM Tris-HCl(pH8.0), 5mMジチオス
レイトール(DTT), 60 μM ATP, 10mM MgCl2 中、0.3 μ
g 20Sプロテアソームと精製各段階の制御因子群を添
加して最終容積 50 μl で行った。この反応液を、37
℃で45分間プレインキュベートし、50mM Tris-HCl(pH
8.0), 5mM βーメルカプトエタノール、50μM 20Sプ
ロテアソーム、Suc-Leu-Leu-Val-Tyr-AMC ( キモトリプ
シン様活性を測定するための合成基質)に添加し10分
間インキュベートして、蛍光を測定した。制御因子群に
アクチベート活性があれば、20Sプロテアソームによ
る合成基質の分解活性が上昇することから、活性画分を
同定可能となる。
【0054】(2)P40サブユニットのアミノ酸配列
の決定 (2ー1)P40サブユニットの単離 (1)の処理で得られた26Sプロテアソーム制御因子
群蛋白を逆相高速液体クロマトグラフィー(Shodex RS P
ak D4-613 カラム 6x150mm) を使用し以下の条件で分離
した。 分離条件: 流速 0.75ml/min、 温度50℃、 溶媒A、0.06% トリフルオロ酢酸(TFA);溶媒B,0.05
%TFA/70%アセトニトリル/30%水。 64% A,36% Bによりカラムを平衡化し、36-70%のB溶
媒を用いたグラジエントで溶出した。214nm の波長で検
出し、ピーク画分をスピードバックコンセントレータ
(Savant Instruments社) で乾燥した。
【0055】(2ー2)電気泳動による分離 上記得られた乾燥サンプルはSDSサンプルバッファー
に溶解し、10% SDSーPAGE( Antibodies A Labo
ratory Manual ,Harlow David lane 著、ColdSpring H
arbor laboratory ,636-640 ,1988)により分離し
た。電気泳動が終わったゲルは、イモビロン−PVDF
メンブラン(ミリポア社製)にセミドライエレクトロブ
ロティング装置ザルトブロットII−S(ザルトリウス
社製)を用いてトランスファーした。蛋白質をブロット
した膜フィルターは、蒸留水で洗浄した後、クマシーブ
ルー染色液(0.2 %クマシーブリリアントブルーR250
を含む40%メタノール、10%酢酸溶液)で染色後、脱
色液(60%メタノール溶液)に浸し、振とうしてバッ
クグラウンドを脱色した。このメンブラン上の40kDa の
位置のスポットを切出し、in situ でL-1-tosylamido-2
-phenyl chloromethyl ketone 処理トリプシン(Worthin
gton Enzymes社)、またはLys-C プロテアーゼ(ベーリ
ンガーマンハイム社)により酵素処理した。生成したペ
プチドはHPLC(パーキンエルマー社製)によって分離精
製した(流速50μl/min, 0.1%TFAを溶媒とし0-70% のア
セトニトリルによるグラジエント、RP300 カラム(2.1x1
00mm))。得られたポリペプチドフラグメントのいくつか
をペプチドシークエンサー(パーキンエルマー社製プロ
テインシークエンサー497型分析装置)により解析を
行った。
【0056】以上のアミノ酸解析により次の6 種類のプ
プチドフラグメントのアミノ酸配列を決定した。 フラグメント1(a) ;XVGVLLGSXQK, フラグメント2(b) ;XYHTGPK, フラグメント3(c) ; DLGLPTEAYISVEEV, フラグメント4(d) ;XFEHVTSEIGAEEAEEVGVV, フラグメント5(e) ;DTTVGTLSQRITNQVHGLK, フラグメント6(f); LLQIRGYLEK, (ここで、Xは決定できなかったアミノ酸を示す)。
【0057】(3)cDNAプローブの作製 (3ー1)プライマーの合成 得られた以上のペプチドフラグメントの配列から、ホモ
ロジー検索の結果、マウスMov-34蛋白と相同性が高いこ
とが判明した。そこで、マウスMov-34蛋白およびフラグ
メント1から6までの配列をいくつかをの縮重度が低く
なるように組み合わせて検討した。その結果、フラグメ
ント1およびマウスMov-34蛋白からKRVVGVLL
(図1の33番目から40番目)、KLPINHQI
(図1の219番目から225番目)の配列を選択し
た。
【0058】次に、これら選択したポリペプチドに対応
する相補的オリゴヌクレオチドとして、フォワードプラ
イマーとして5'- AAGCGTGTAGTTGGTGT
GCTT-3' を選び, リバースプライマーとして5'- C
TGGTGGTTGATGGGCAGCTT-3' をDN
A合成機380B(アプライド. バイオシステムズ社
製)で合成した。得られたオリゴヌクレオチドをオリゴ
ヌクレオチド. カートリッジ(アプライド. バイオシス
テムズ社製)を使用して精製した。
【0059】(3ー2)PCR用mRNA調製 ヒト肝細胞癌株HEPG2 (ATCCから入手可能)、10
cmシャーレ10枚分の細胞をグアニジンチオシアネイト
溶液(sol.D 溶液; 6Mのグアニジンチオシアネート、0.
5%のザルコシル、 10mM のクエン酸ナトリウム(pH7),
100mM の2ーメルカプトエタノール, 0.1%のアンチフォ
ームA)中で超音波処理し、変性させた後遠心して上澄
を得た。これに(1/10)量の 2M 酢酸および等量のエタノ
ール、(1/5) 量のクロロフォルムーイソアミルアルコー
ル(49:1 vol/vol) を加え、氷上で15分間静置して、
10,000g で15分間4℃にて遠心して沈殿を得た。
【0060】水相を別の試験管に移し、等量のイソプロ
パノールを添加し、ー20℃で1時間静置し、10,000g
で20分間4℃において遠心した。得られた沈殿を so
l.D溶液に溶解し等量のイソプロパノールを添加し、遠
心して沈殿を 75%エタノールで洗浄した。次にこの沈殿
をsol.D 溶液に懸濁し、等量のイソプロパノールを再度
添加し、−20℃で1時間冷却した後、遠心処理を行っ
た。遠心分離により沈殿を集め、75%エタノールで洗
浄し、遠心処理後、上清を除去し、これをDEPC処理
(ジエチルピロカーボネート0.1%で5時間処理後、オー
トクレーブ処理)した超純水に溶解し、54mgの全mR
NAを得た。
【0061】上記の処理により得られた全RNAから、
オリゴ(dT)−テックス(タカラ社;oligotex-dT30)を
用いてmRNAを得た。すなわち全RNA1mgに対して
反応緩衝液(10mM Tris-HCl(pH7.5), 1mMエチレンジアミ
ン四酢酸(EDTA), 0.1%SDS )を加えて全量で1ml とし
た。次に、これにOligotex-dT30 1mlを加え、65℃で5
分間熱変性し、氷上で3分間急冷した。
【0062】5M NaCl 0.2ml を加え撹拌後、37℃で1
0分間インキュベートし、15,000rpm 10分間遠心した
後上清を除去した。ペレットを洗浄液(10mM Tris-HCl
(pH7.5), 1mM EDTA, 0.1%SDS, 100mM NaCl)2.5ml に懸
濁し、37℃で10分間放置した。これを15,000rpm,1
0分間遠心分離した。得られたペレットをTE緩衝液(10
mM Tris-HCl(pH8.0)、 EDTA 1mM )1ml に懸濁し、65
℃、5分間加熱し、mRNAをOligotex-dT30 から溶出
した。さらに15,000rpm,10分間遠心し、上清を回収
し、エタノール沈殿を行うため3M NaOAc(酢酸ナトリウ
ム、pH5.6)100 μl と冷エタノール2ml を加え、ー80
℃で30分間放置した。15,000rpm,10分間遠心分離
し、得られたペレットを70%エタノールで洗浄し、TE
緩衝液50μl に溶解した。本実施例により、10mgの全R
NAから43μg のmRNAを得ることができた。
【0063】(3ー3)PCR用cDNA合成 得られたmRNAを鋳型としてpoly dT をプライマーと
して相補鎖DNA(cDNA)を合成した(ファルマシ
ア社製、cDNA合成キット)。 (3ー4)PCRによるcDNAプローブの調製 上記(3ー1)で得られたフォワードプライマーととも
にリバースプライマーを用い上記(3ー3)で得られた
ヒト肝細胞癌株HEPG2 のmRNAから合成されたcDNAを
鋳型としPCRを行った(例えば、Michael A.Innis et
al., ed.,斎藤隆 監訳、PCR実験マニュアル、HB
J出版局、1991年)。各プライマー濃度は20pm/ μ
l, TaqDNA ポリメラーゼは0.025U/ μl 、cDNA 1ng/ μ
l で30サイクル、パーキンエルマー(シータス)社製
DNAサーマルサイクラーを用いて増幅し、約600b
pのcDNAプローブを得た。
【0064】(4)cDNAライブラリーの調製 (4ー1)cDNAの調製 上記の(3ー3)の方法によって得られたヒト肝細胞癌
HEPG2 のcDNA 合成キットを用いてcDNAを得た。よ
り詳しくは、オリゴdTプライマーを上記mRNAのポ
リA部分にアニールさせ、逆転写酵素(Murine Reverse
Transcriptase)により、1本鎖DNAを合成し、E.
coli DNAポリメラーゼ1により、2本鎖cDN
Aとして合成した。得られた上記cDNAの両端にNotI
/EcoR Iアダプターを付加するため、T4DNAライゲ
ース処理およびポリヌクレオチドキナーゼ処理を行な
い、両端にEcoR I制限酵素切断部位をもつcDNAを得
た。
【0065】(4ー2)インビトロパッケージング反応 得られた両端にEcoR I制限酵素切断部位をもつcDNA
をクローニングベクターであるλZAPII(Stratage
ne社製、EcoRI/CIAP処理λZAPIIを含むλZAPI
Iクローニングキット)のEcoRI間にT4DNAリ
ガーゼを用いて挿入した。ライゲーション反応溶液 1ml
をGigapackII Gold packaging extract (Stratagene
社)によりパッケージングを行った。パッケージングし
た組換えバクテリオファージを含むパッケージング溶液
と大腸菌 XL-1 Blueを37℃で15分間培養した。これ
を 2〜3 mlのトップアガー(48℃)に加えNZYアガ
ープレートへプレーティングして、37℃で1夜培養し
た。150mm NZY プレートには約 50,000 個のプラークを
培養し、10枚のプレートにまいて、約 5x10 5 /個のプ
ラークをスクリーニング用に用いた。
【0066】(5)クローンの単離 (5ー1)スクリーン用フィルタの調製 NZY プレートを4℃で2時間冷却し、このプレート上に
ナイロンフィルター(アマシャム社、ハイボンドN+)
をのせ、2分間放置した。これをはがしてフィルターペ
ーパ上で乾燥し、紫外線照射により固定してスクリーニ
ング用フィルターを調製した。これを用いて以下のハイ
ブリダイゼーションを行った。
【0067】(5ー2)ハイブリダイゼーションのため
のプローブは(1)で得られたDNAプローブを、ラン
ダムプライムラベリング法(タカラ社;ランダムプライ
マDNAラベリングキットVer.2 )で32P-dCTP (アマ
シャム社)標識したものを使用した。プレハイブリダイ
ゼーション溶液として、5xSSC(NaCl 0.15M, クエ
ン酸ナトリウム(pH7.0)0.015M),50%フォルムアミ
ド、1 xdenhardt(ウシ血清アルブミン(Frac
tion V) 0.2%,ポリビニルピロリドン0.2%, Ficoll400
0.2%)溶液、0.1%SDS,200μg/mlサーモ
ンスパームDNAを用いた。
【0068】フィルターは42℃、3時間、プレハイブ
リダイゼーション溶液でインキュベートし、続いて標識
プローブを加えたハイブリダイゼ−ション溶液(10%
dextran sulfateを含むプレハイブリダ
イゼーション溶液)で42℃、16時間、インキュベー
トしてハイブリダイゼーションを行った。以上の操作に
より3個のポジティブクローンが得られた。
【0069】(6)in vivo excision(インビボきりだ
し)による大腸菌組換え体の作成 (5ー2)で得られたアガープレート中のポジティブZA
P ファージクローンのプラークの中心を竹くしでつき、
500 μl のSM緩衝液と20μl のクロロフォルム混合液
中に溶出し、ボルテックスをした後、一夜放置した。大
腸菌XL-1 Blue 200 μl とポジティブファージクローン
200 μl(>1x105ファージパーティクル)、ヘルパーファ
ージ R408 1 μl(>1x106 pfu/ml) を50mlチューブにて
混合し37℃、15分間で、ZAPとヘルパーファージ
を感染させた。5ml の2x YT培地(10g NaCl, 10g Bac
to Yeast Extract, 16g Bactotryptone/1l) を加え、3
7℃で3時間振とう培養し、大腸菌よりファージミドを
分泌させた。70℃で20分間熱処理した後、4000g で
5分間遠心し、菌体を死滅させた。上清のファージミド
を別の試験管に移した。この上清にはpBluescriptSK(-)
粒子が含まれており、この上清200 μl あるいは100
倍に希釈した溶液20μl とXL-1 Blue 200 μl(OD600 =
1.0) を混合し37℃で15分間混合し感染させた。1
〜100 μl の培養液をLB/Ampプレートにプレーティング
した後、37℃で一晩培養した。表れたコロニーはイン
サートDNAを含む2本鎖のpBluescriptSK(-)をもった
大腸菌(XL−1 Blue)形質転換体である。3個
のポジティブクローンの大腸菌からプラスミドを QIApr
epPlasmid キット(Qiagen 社) を用いて調製し、制限酵
素 NotI で切断して、そのうち最も長いインサート(約
1.6 kbのインサート)をもつクローンについて以下の
DNA塩基配列の決定を行った。
【0070】(7)塩基配列の決定 上記で得られた1.6 kbのクローンの塩基配列を、パー
キンエルマー社製DNAシークエンサー373Aを用い、Taq
サイクルシークエンシング法により決定した。得られた
サブユニットP40のcDNAの塩基配列の解析結果を
図1に示す。決定した塩基数は1580残基で、オープンリ
ーディングフレームは972 残基であり、324 個のアミノ
酸がコードされている。計算上の分子量は37020 であ
り、等電点は、6.03である。
【0071】図2の下線部 a-fは、(2ー2)記載の牛
赤血球より精製したP40から決定されたペプチドシー
クエンスと相同性のある部分を示すものである。下線部
のうち点線部分は、(2ー2)記載のポリペプチドと異
なっている部分を示す。また、黒いボックスで囲んだ部
分は、リジン(K) とグルタミン酸(E) に富んだKEKEモチ
ーフに相当する部分である。
【0072】実施例2 ヒトプロテアソームサブユニットP40に反応するポリ
クローナル抗体の作製 (1)サブユニットP40の他のサブユニットおよびKE
KEモチーフを含まない部分である15アミノ酸(MQKDSEK
NMSIKKLWK )を選択し、このペプチドのN末端にシステ
インを付加したペプチドをF−Moc法(Solid Phase
Peptide synthesis,A practical approach, IRL Press
,Oxford,1989, Atherton,E., Sheppard,R.C.著)によ
り、パーキンエルマー社製ペプチド合成機433Aを用
いて合成した。合成したポリペプチドの脱保護および精
製は、抗ペプチド抗体実験プロトコール、大海忍 他
著、秀潤社、25- 46ページに記載の方法で行った。
なお脱保護後のペプチドの精製はC18ODSカラム(島
津 Syn ProPep カラム、4.6x150mm, 0.1%TFA, 0-80% ア
セトニトリルグラジエント)を用いた。
【0073】(2)上記ペプチドにヘモシアニン(KL
H)をイムジェクトアクチベイテッドイムノグロビンコ
ンジュゲイションキット(PIERCE社)を用いて結合さ
せ、ペプチドとKLHとの複合体を上記のキット中のカ
ラムにより調製した。 (3)初回約150μg をフロインドの完全アジュバン
ト(FCA 、キャペル社)とともにエマルジョンにし、ラ
ビット(ジャパニーズホワイト)の背中に免疫した。そ
の後2週間おきに3回不完全アジュバント(FIA)により
同様に免疫した。初回免疫後、7、8、9週目にELISA
法により抗体価を測定し、後抗体価の上昇を確認後全採
血を行なった。 (4) ウサギ血液は、室温で3時間静置後、セパラピ
ッドチューブ(積水化学)にアプライし、3000回転で3
0分間の遠心によりサブユニットP40に対する抗血清
を得た。
【0074】(5)また、ヒト腎臓から精製したヒト2
0S(図2Aレーン1)および26Sプロテアソーム
(図2Aレーン2)( 特開平5-292964、特開平6-02275
9)をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動(Antibodie
s A Laboratory Manual,Harlow David lane 著、Cold
Spring Harbor laboratory ,636-640 ,1988)で分離
し、これをクマシー染色した。その結果、20Sプロテ
アソームは、分子量 20kDa〜30kDa のバンド(図2Aレ
ーン1)として観察され、26Sプロテアソームは20
Sプロテアソームと 30 〜110 kDa の制御因子が結合し
た複合体(図2A レーン2)であることがわかる。
【0075】また図2Bは26Sヒトプロテアソーム制
御因子群のみを精製し、SDS-PAGE後クマシー染色(図2
Bレーン3)したものとP40の抗体を用いてイムノブ
ロットした結果を示したものである(図2Bレーン
4)。イムノブロットの結果から、P40抗体が分子量
約40kDaのバンドを認識して反応することが明かと
なった。従って、P40サブユニットから作成される抗
体を用いれば、ヒトの組織でもP40の発現を解析する
ことが可能である。
【0076】(実施例3)プロテアソームサブユニット
P40のmRNAの発現解析 プロテアソームサブユニットP40の相補鎖ポリヌクレ
オチドをプローブに用いて、各種ヒト臓器でのmRNA
発現量のノザンブロット解析を行った。プローブとして
は、実施例1(4)で得られた組み換え体を使用し、プ
ラスミドDNAを大腸菌XL-1Blueより、QIAwell
Plasmid Purification Sys
tem(QIAGEN社)にて調製した。このプラスミ
ドを制限酵素Not1(タカラ社)で処理後、2%アゲロー
スゲル電気泳動で分離して、1.6kbp のサブユニットP
40のプローブをQIA quick GEIExtracti
on Kit(QIAGEN社)で調製した。
【0077】これをマルチプライムDNA標識システム
(アマシャム社)で32P標識してプローブとして用い
た。フィルターは、各種ヒト臓器(心臓、脳、胎盤、
肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓)より抽出したmRNA
( 2μg)がブロットされたポジチィブチャージドナイロ
ンフィルター(Human Multi Tissue Northern Blot, ク
ローンテック社)を用いた。プレハイブリダイゼーショ
ン溶液として、5xSSC(NaCl 0.15M, クエン酸ナト
リウム(pH7.0 、0.015M),50%フォルムアミド、1
xdenhardt(ウシ血清アルブミン(Fraction
V) 0.2%,ポリビニルピロリドン0.2%,Ficoll400 0.2%)
溶液、0.1%SDS,200μg/mlサーモンスパ
ームDNAを用いた。
【0078】フィルターは42℃、3時間、プレハイブ
リダイゼーション溶液でインキュベートし、続いて標識
プローブを加えたハイブリダイゼ−ション溶液(10%
dextran sulfateを含むプレハイブリダイゼーション溶
液)で42℃、16時間、インキュベートしてハイブリ
ダイゼーションを行った。フィルターは2xSSC,
0.1%SDSで42℃、15分間で4回洗浄し、さら
に1xSSC,0.1%SDSで30分間1回洗浄し
た。オートラジグラフィーは、KodakXAR−5フ
ィルムを用いて、−70℃で行った。
【0079】オートラジオグラフィーの結果を図3に示
す。プロテアソームサブユニットP40は、主として約
1.8 kbと1.4 kbのmRNAと反応し、その発現量
は、心臓、骨格筋で高く、脳、胎盤、肺、肝臓、膵臓で
は低い発現であることが明確に定量可能であった。この
際に、他のプロテアソームサブユニットX、Yについて
も(免疫応答プロテアソームサブユニット、Science, 2
65,1231-1234, 1994)同様の傾向が見られた。従って、
本発明のプローブを用いることにより、P40のmRN
A発現量を測定することが可能である。なお、コントロ
ールプローブとして、EF1 α, G3PDH,β-actinを用いた
結果もあわせてしめす。
【0080】
【発明の効果】ヒトプロテアソームを構成する個々のサ
ブユニット特にサブユニットP40のポリペプチドのア
ミノ酸配列、およびサブユニットP40のポリペプチド
のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配
列を決定することにより、抗体による免疫反応による方
法、さらに相補的ポリヌクレオチドを利用する方法で、
各種免疫疾患等の診断および治療が可能となる。
【0081】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:324 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Pro Glu Leu Ala Val Gln Lys Val Val Val His Pro Leu Val Leu 5 10 15 Leu Ser Val Val Asp His Phe Asn Arg Ile Val Lys Val Gly Asn Gln 20 25 30 Lys Arg Val Val Gly Val Leu Leu Gly Ser Trp Gln Lys Lys Val Leu 35 40 45 Asp Val Ser Asn Ser Phe Ala Val Pro Phe Asp Glu Asp Asp Lys Asp 50 55 60 Asp Ser Val Trp Phe Leu Asp His Asp Tyr Leu Glu Asn Met Tyr Gly 65 70 75 80 Met Phe Lys Lys Val Asn Ala Arg Glu Arg Ile Val Gly Trp Tyr His 85 90
95 Thr Gly Pro Lys Leu His Lys Asn Asp
Ile Ala Ile Asn Glu Leu Met 100 105
110 Lys Arg Tyr Cys Pro Asn Ser Val Leu
Val Ile Ile Asp Val Lys Pro 115 120
125 Lys Asp Leu Gly Leu Pro Thr Glu Ala
Tyr Ile Ser Val Glu Glu Asp 130 135
140 Gln Asp Asp Gly Thr Pro Thr Ser Lys
Thr Phe Glu His Val Thr Ser 145 150
155 160 Glu Ile Gly Ala Glu Glu Ala Glu Glu
Val Gly Val Glu His Leu Leu 165
170 175 Arg Asp Ile Lys Asp Thr Thr Val Gly
Thr Leu Ser Gln Arg Ile Thr 180 185
190 Asn Gln Val His Gly Leu Lys Gly Leu
Asn Ser Lys Leu Leu Asp Ile 195 200
205 Arg Ser Tyr Leu Glu Lys Val Gly Thr
Gly Lys Leu Pro Ile Asn His 210 215
220 Gln Ile Ile Tyr Gln Leu Gln Asp Val
Phe Asn Leu Leu Pro Asp Val 225 230
235 240 Ser Leu Gln Glu Phe Val Lys Ala Phe
Tyr Leu Lys Thr Asn Asp Gln 245
250 255 Met Val Val Val Tyr Leu Ala Ser Leu
Ile Arg Ser Val Val Ala Leu 260 265
270 His Asn Leu Ile Asn Asn Lys Ile Ala
Asn Arg Asp Ala Glu Lys Lys 275 280
285 Glu Gly Gln Glu Lys Glu Glu Ser Lys
Lys Asp Arg Lys Glu Asp Lys 290 295
300 Glu Lys Asp Lys Asp Lys Glu Lys Ser
Asp Val Lys Lys Glu Glu Lys 305 310
315 320 Lys Glu Lys Lys
【0082】配列番号:2 配列の長さ:972 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 ATG CCG GAG CTG GCA GTG CAG AAG GTG
GTG GTC CAC CCC CTG GTG 45 CTG CTC AGT GTG GTG GAT CAT TTC AAC
CGA ATC GTC AAG GTT GGA 90 AAC CAG AAG CGT GTA GTT GGT GTG CTT
TTG GGG TCA TGG CAA AAG 135 AAA GTA CTT GAT GTA TCG AAC AGT TTT
GCA GTT CCT TTT GAT GAA 180 GAT GAC AAA GAC GAT TCT GTA TGG TTT
TTA GAC CAT GAT TAT TTG 225 GAA AAC ATG TAT GGA ATG TTT AAG AAA
GTC AAT GCC AGG GAA AGA 270 ATA GTT GGC TGG TAC CAC ACA GGC CCT
AAA CTA CAC AAG AAT GAC 315 ATT GCC ATC AAC GAA CTC ATG AAA AGA
TAC TGT CCT AAT TCC GTA 360 TTG GTC ATC ATT GAT GTG AAG CCG AAG
GAC CTA GGG CTG CCT ACA 405 GAA GCG TAC ATT TCA GTG GAA GAA GAC
CAA GAT GAT GGA ACT CCA 450 ACC TCG AAA ACA TTT GAA CAC GTG ACC
AGT GAA ATT GGA GCA GAG 495 GAA GCT GAG GAA GTT GGA GTT GAA CAC
TTG TTA CGA GAT ATC AAA 540 GAC ACG ACG GTG GGC ACT CTG TCC CAG
CGG ATC ACA AAC CAG GTC 585 CAT GGT TTG AAG GGA CTG AAC TCC AAG
CTT CTG GAT ATC AGG AGC 630 TAC CTG GAA AAA GTC GGC ACA GGC AAG
CTG CCC ATC AAC CAC CAG 675 ATC ATC TAC CAG CTG CAG GAC GTC TTC
AAC CTG CTG CCA GAT GTC 720 AGC CTG CAG GAG TTC GTC AAG GCC TTT
TAC CTG AAG ACC AAT GAC 765 CAG ATG GTG GTA GTG TAC TTG GCC TCG
CTG ATC CGT TCC GTG GTC 810 GCC CTG CAC AAC CTC ATC AAC AAC AAG
ATT GCC AAC CGG GAT GCA 855 GAG AAG AAA GAA GGG CAG GAG AAA GAA
GAG AGC AAA AAG GAT AGG 900 AAA GAG GAC AAG GAG AAA GAT AAA GAT
AAG GAA AAG AGT GAT GTA 945 AAG AAA GAG GAG AAA AAG GAG AAA AAG
972
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたヒトプロテアソームのサブ
ユニットP40の決定された塩基配列と塩基配列から推
定されたアミノ酸配列(P40の1次構造)を示し、下
線は、ペプチドシークエンスの結果得たアミノ酸配列と
相同性のある部分を示す図である。
【図2】[A]は、ヒト20Sプロテアソーム(レーン
1)と26Sプロテアソーム(レーン2)を電気泳動後
クマシー染色したものであり、[B]は、ヒト26S制
御因子群を電気泳動後クマシー染色したもの(レーン
3)と、これをP40の抗体を用いてイムノブロットし
たもの(レーン4)の電気泳動パターンを示す図であ
る。
【図3】ヒトプロテアソームサブユニットP40の相補
鎖ポリヌクレオチドをプローブに用いた各種ヒト臓器で
のmRNA発現量のノザンブロット解析の結果を示す図
である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に少なくとも、配列番号1に記載
    のアミノ酸配列を含むことを特徴とするポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアミノ酸配列をコード
    するポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 分子中に少なくとも、配列番号2に記載
    の塩基配列を含むことを特徴とするポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 変異した、または変異せしめた請求項1
    に記載のポリペプチドのアミノ酸配列であって、該ポリ
    ペプチドを含むプロテアソームがプロテアーゼ活性を実
    質的に有するアミノ酸配列のポリペプチド。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のポリペプチドとの相同
    異性体であって、該ポリペプチドを含むプロテアソーム
    がプロテアーゼ活性を実質的に有するアミノ酸配列のポ
    リペプチド。
  6. 【請求項6】 変異した、または変異せしめた請求項1
    に記載のポリペプチドのアミノ酸配列と80%以上の相
    同性を有し、該ポリペプチドを含むプロテアソームがプ
    ロテアーゼ活性を実質的に有するアミノ酸配列のポリペ
    プチド。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載のポリペ
    プチドのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のポリペプチドを構成する
    アミノ酸配列であって、連続する少なくとも4のアミノ
    酸からなるポリペプチド。
  9. 【請求項9】 請求項2、3または7に記載のポリヌク
    レオチドを構成する塩基配列であって、連続する少なく
    とも12の塩基からなるポリヌクレオチドまたは相補的
    ポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 プロテアソームサブユニットP40
    を、該サブユニットとその抗体との特異的反応を利用し
    て測定することを特徴とする疾患診断用キット。
  11. 【請求項11】 プロテアソームサブユニットP40の
    相補鎖ポリヌクレオチドを用いてmRNAを測定するこ
    とを特徴とする疾患診断用キット。
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