JPH08217796A - ヒトプロテアソームサブユニット - Google Patents

ヒトプロテアソームサブユニット

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JPH08217796A
JPH08217796A JP7049103A JP4910395A JPH08217796A JP H08217796 A JPH08217796 A JP H08217796A JP 7049103 A JP7049103 A JP 7049103A JP 4910395 A JP4910395 A JP 4910395A JP H08217796 A JPH08217796 A JP H08217796A
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JP
Japan
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leu
glu
val
lys
arg
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Application number
JP7049103A
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English (en)
Inventor
Keiji Tanaka
啓二 田中
Naoki Niihara
直樹 新原
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はヒト26Sプロテアソームの構成成
分のサブユニットP45の同定および機能を明らかに
し、さらに該サブユニットP45のポリペプチドのアミ
ノ酸配列を提供することを目的とし、さらにサブユニッ
トP45のポリペプチドをコードする遺伝子の塩基配列
を提供することを目的とするものである。 【構成】 ヒト26Sプロテアソームの構成成分のサブ
ユニットP45の同定し、機能を明らかにし、さらに該
サブユニットP45のポリペプチドのアミノ酸配列を明
らかにする。さらに上記ヒトプロテアソームの構成成分
のうちサブユニットP45のポリペプチドをコードする
遺伝子の塩基配列を明らかにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト26Sプロテアソ
ームに関するものであり、さらに詳しくは該プロテアソ
ームのサブユニットP45のポリペプチド、および該サ
ブユニットの各ポリペプチドをコードする遺伝子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】プロテアソームは、別名、多機能性プロ
テアーゼと呼ばれ、不活性型で細胞内に局在し、エネル
ギー依存性蛋白質分解系を構成する主要酵素である。本
酵素は、酵母からヒトに至る真核生物に広く存在してお
り、またすべての組織に存在し、なかでも肝臓では、全
可溶性蛋白質の1%も占める。
【0003】該酵素は同一分子内に複数の触媒活性部位
を持ち、トリプシン型酵素の基質である塩基性アミノ
酸、キモトリプシン型酵素の基質である中性アミノ酸、
そしてプロテアーゼとしては稀な酸性アミノ酸を含む合
成ペプチドのカルボキシ末端のペプチド結合を切断する
活性がある。
【0004】しかしながら、種々の既知の阻害剤の中で
特異的で有効に作用するものがないことから、該酵素
は、既知のプロテアーゼとは異なる触媒活性部位を持つ
と推定されている。
【0005】また、該酵素は構造的には、14種類(α
型7種類、β型7種類)の異なるサブユニットのダイマ
ーからなる総数28個の多成分複合体である。
【0006】また、沈降係数20S、分子量は約75万
と推定され、プロテアーゼとしては例外的に大きい。
【0007】また、該酵素を電子顕微鏡で観察すると7
種類のサブユニットが環状構造を形成し、これがα(1-
7) β(1-7) β(1-7) α(1-7) の4層構造をとる特異的
な分子形状を有していることが認められた(臨床免疫、
25、1578-1589 、1993)。
【0008】さらに、ヒトプロテアソームは、少なくと
も14種類のサブユニットより、構成されていることが
わかり、このうちα型サブユニット群として、HC2 、HC
3, HC8, HC9 (Biochim. Biophys. Acta., 1089, 95-10
2, 1991),β型サブユニット群として、HC5 (Biochim. B
iophys. Acta., 1089, 95-102, 1991), HC7-I, HC-10I
I, HN3 (Biochim. Biophys. Acta.,1219 , 361-368, 19
94), hLMP7 (Nature, 353, 357-360, 1991), hLMP2 (
Nature, 353, 667-668, 1991),X ,Y (Science, 265,123
1-1234, 1994) 等の1次構造が明かになった。
【0009】かかるプロテアソームは、非リソゾーム系
蛋白質分解経路における主要酵素であり、蛋白質の修飾
による機能制御や蛋白質の代謝回転の調節など多彩な生
理作用を有していると推定される。
【0010】さらに、最近、プロテアソームが内在性抗
原のプロセシング酵素であると考えられており、注目さ
れている。これは、クラスI MHC 抗原の提示に欠陥をも
つB細胞変異株が分離され、それらがクラスII MHC領域
約200kb に欠失のあることが判明したことによる。この
領域には、、TAP1,TAP2 とよばれるペプチドを細胞質か
ら小胞体へ移送させるトランスポーター蛋白質の遺伝子
がコードされており、その近傍には、LMP2,LMP7 とよば
れるプロテアソームのサブユニットをコードする遺伝子
が存在することが判明し、プロテアソームの内在性抗原
のプロセシングにおける重要性が高まっている(Trends
in Cell Biol., 2, 81,1992)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】プロテアソームは、こ
のような20S型複合体として見いだされた。
【0012】さらに、本発明者等は最近、多数の制御因
子群がこの20Sプロテアソームに可逆的に結合し、分
子量約200万、沈降係数26Sの巨大な複合体を形成
していることを見いだし、26Sプロテアソームと命名
した( 特開平5-292964、特開平6-022759)。
【0013】しかしながら、ヒトプロテアソームを構成
するサブユニットのうち、この26Sプロテアソーム制
御因子群の詳細は明かにされておらず、そのサブユニッ
トの詳細を明かにし、各種病態の診断、および治療法を
確立することが強く要請されている。
【0014】そこで、本願発明者らは、このような状況
を踏まえ、上記26Sプロテアソームについて、その構
成成分である個々のサブユニットの構造、機能等につい
て鋭意研究を重ねた結果、新規な多機能プロテアーゼ、
すなわち、ヒトのプロテアソームの構成成分であるサブ
ユニットP45について解明し、本発明を完成するに至
った。
【0015】すなわち、本発明はヒト26Sプロテアソ
ームの構成成分のサブユニットP45の同定および機能
を明らかにし、さらに該サブユニットP45のポリペプ
チドのアミノ酸配列を提供することを目的とするもので
ある。
【0016】また、本発明は上記ヒトプロテアソームの
構成成分のうちサブユニットP45のポリペプチドをコ
ードする遺伝子の塩基配列を提供することを目的とする
ものである。
【0017】さらに、本発明は、該ヒトプロテアソーム
の酵素機能の解明に使用可能な方法および、免疫疾患を
はじめ各種病態の診断治療の方法を提供することを目的
とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記目
的を達成可能とするため、前記プロテアソームについ
て、その構成成分である個々のサブユニットの構造、機
能等について詳細に研究を重ねた結果、ヒトの26Sプ
ロテアソームの構成成分であるサブユニットP45につ
いて解明した。
【0019】さらに、上記の知見に基づき、各種病態の
診断、および治療法を提供することが可能となった。
【0020】すなわち、本発明においては、上記サブユ
ニットP45を同定すること、上記サブユニットP45
のポリペプチドのアミノ酸配列を決定すること、さらに
上記サブユニットP45のポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドの塩基配列を決定することからなる。
【0021】さらに本発明においては、上記ポリペプチ
ドP45の相補的ポリヌクレオチドをプローブとして用
いることにより各種ヒト臓器での該サブユニットのmR
NA発現量を定量可能とする。
【0022】また、本発明においてはサブユニットP4
5の抗体を作製可能とし、上記抗体を用いた各種細胞に
おけるこれらのサブユニットを免疫測定により定量可能
とする。
【0023】より詳しくは、本発明は、上記の目的を達
成するため、本発明者等の方法( 特開平5-292964、特開
平6-022759)を用いて、ヒト26Sプロテアソームサブ
ユニットP45を電気泳動法で分離同定し、得られるポ
リペプチドのフラグメントのアミノ酸配列からサブユニ
ットP45のアミノ酸配列のポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドの全塩基配列を決定し、さらに上記の
知見に基づき、サブユニットP45の全アミノ酸配列を
推定するものである。
【0024】さらに本発明は、サブユニットP45のポ
リペプチドのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチ
ドの相補的ポリヌクレオチドを作製可能とし、これを用
いて各種ヒト臓器におけるプロテアソームmRNAの発
現量を定量することを可能にし、免疫疾患等の診断方法
に使用可能とするものである。
【0025】さらに本発明においては、ヒトプロテアソ
ームサブユニットP45に対する抗体を作成可能とし、
これらの抗体を用いて、各種細胞中のそれぞれのサブユ
ニットを定量することを可能にし、免疫疾患等の診断方
法に使用可能とするものである。
【0026】なお、本明細書および図面において、塩基
やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC- I
UB、による略号あるいは当該分野における慣用の略号
を使用した。
【0027】 DNA デオキシリボ核酸 A アデニン C シトシン G グアニン T チミン Ala (A) アラニン Arg (R) アルギニン Asn (N) アスパラギン Asp (D) アスパラギン酸 Cys (C) システイン Gln (Q) グルタミン Glu (E) グルタミン酸 Gly (G) グリシン His (H) ヒスチジン Ile (I) イシロイシン Leu (L) ロイシン Lys (K) リジン Met (M) メチオニン Phe (F) フェニルアラニン Pro (P) プロリン Ser (S) セリン Thr (T) スレオニン Trp (W) トリプトファン Tyr (Y) チロシン Val (V) バリン 以下本発明を詳細に説明する。
【0028】(ヒト26Sプロテアソームのサブユニッ
トP45のポリペプチド)以下で説明する方法により塩
基配列が決定されたヒト26Sプロテアソームのサブユ
ニットP45のポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チドから推定される、サブユニットP45のポリペプチ
ドのアミノ酸配列は次式(1)で表される。
【0029】式(1) Met Ala Leu Asp Gly Pro Glu Gln Met Glu Leu Glu Glu Gly Lys Ala Gly Ser Gly Leu Arg Gln Tyr Tyr Leu Ser Lys Ile Glu Glu Leu Gln Leu Ile Val Asn Asp Lys Ser Gln Asn Leu Arg Arg Leu Gln Ala Gln Arg Asn Glu Leu Asn Ala Lys Val Arg Leu Leu Arg Arg Glu Leu Gln Leu Leu Gln Glu Gln Gly Ser Tyr Val Gly Glu Val Val Arg Ala Met Asp Lys Lys Lys Val Leu Val Lys Val His Pro Glu Gly Lys Phe Val Val Asp Val Asp Lys Asn Ile Asp Ile Asn Asp Val Thr Pro Asn Cys Arg Val Ala Leu Arg Asn Asp Ser Tyr Thr Leu His Lys Ile Leu Pro Asn Lys Val Asp Pro Leu Val Ser Leu Met Met Val Glu Lys Val Pro Asp Ser Thr Tyr Glu Met Ile Gly Asp Trp Thr Lys Gln Ile Lys Glu Ile Lys Glu Val Ile Glu Leu Pro Val Lys His Pro Glu Leu Phe Glu Ala Leu Gly Ile Ala Gln Pro Lys Gly Val Leu Leu Tyr Gly Pro Pro Gly Thr Gly Lys Thr Leu Leu Ala Arg Ala Val Ala His His Thr Asp Lys Thr Phe Ile Arg Val Ser Gly Ser Glu Leu Val Gln Lys Phe Ile Gly Glu Gly Ala Arg Met Val Arg Glu Leu Phe Val Met Ala Arg Glu His Ala Pro Ser Ile Ile Phe Met Asp Glu Ile Asp Ser Ile Gly Ser Ser Arg Leu Glu Gly Gly Ser Gly Gly Asp Ser Glu Val Gln Arg Thr Met Leu Glu Leu Leu Asn Gln Leu Asp Gly Phe Glu Ala Thr Lys Asn Ile Lys Val Ile Met Ala Thr Asn Arg Ile Asp Ile Leu Asp Ser Ala Leu Leu Arg Pro Gly Arg Ile Asp Arg Lys Ile Glu Phe Pro Pro Pro Asn Glu Glu Ala Arg Leu Asp Ile Leu Lys Ile His Ser Arg Lys Met Asn Leu Thr Arg Gly Ile Asn Leu Arg Lys Ile Ala Glu Leu Met Pro Gly Ala Ser Gly Ala Glu Val Lys Gly Val Cys Thr Glu Ala Gly Met Tyr Ala Leu Arg Glu Arg Arg Val His Val Thr Gln Glu Asp Phe Glu Met Ala Val Ala Lys Val Met Gln Lys Asp Ser Glu Lys Asn Met Ser Ile Lys Lys Leu Trp Lys 本発明に係るサブユニットP45は、上記のアミノ酸配
列のN末端にメチオニンが結合していないポリペプチ
ド、および上記アミノ酸配列のN末端にヒトプロテアソ
ームのサブユニットP45のためのシグナルペプチドの
部分もしくは全部が結合または、欠損した中間体も含包
する。
【0030】また、自然の変異により、または人工の変
異によりポリペプチドの主たる活性に変化を与えること
なく、ポリペプチドをコードするDNAの構造の一部を
変化させることが可能である。
【0031】本発明のヒトプロテアソームのサブユニッ
トP45のポリペプチドは、前記アミノ酸配列を有する
相同変異体に相当する構造を有するポリペプチドも含包
する。
【0032】(ヒトプロテアソームサブユニットP45
のアミノ酸配列の決定)本発明に係るヒト26Sプロテ
アソームは本発明者等の方法( 特開平5-292964) に準
じ、ヒト細胞、組織細胞等の各種動物細胞から、バイオ
ゲルーA、Qーセファロス、ハイドロキシアパタイトを
吸着体としたクロマトグラフィー、グリセロール密度勾
配遠心法等の操作で単一に精製することが可能である。
【0033】さらに、26Sプロテアソーム制御因子群
のみの精製は、以下の方法、すなわち、ヒト株化細胞、
組織細胞等をはじめ各種動物細胞から出発物質を調製
し、バイオゲル、ハイドロキシアパタイト、グリセロー
ルグラディエント等の方法により調製可能である。
【0034】以下、その調製法を順に説明する。
【0035】(1)ヒト細胞や組織等を25mM Tris-HCl
(ph7.5), 10mM β- メルカプトエタノール, 2mM ATP, 2
50mM, Sucrose を用いてホモジナイズし、さらに8000 r
pm, 30分間遠心する。
【0036】(2)上記遠心で得られた上澄をさらに70
000 xgで1時間遠心する。
【0037】(3)得られた上澄をさらに70000 xgで
5時間遠心する。
【0038】(4)得られた沈殿物を25mM Tris-HCl (p
H7.5), 10mM β- メルカプトエタノール, 0.5mM ATP, 2
0%グリセロールの緩衝液(緩衝液Aとする)に懸濁す
る。
【0039】(5)得られた懸濁サンプルを緩衝液Aで
平衡化したBio-Gel A (バイオラッド社) 1.5m カラム
により26Sプロテアソーム画分を集める。26S画分
の分画にはプロテアーゼ活性としてキモトリプシン様活
性、トリプシン様活性、V8プロテアーゼ様活性、ユビ
キチン分解活性(特開平5ー292964)を指標とす
ることが可能である。
【0040】(6)上記画分を濃縮し、10mMリン酸緩衝
液(pH7.0), 10mM β- メルカプトエタノール, 0.5mM AT
P, 20%グリセロールで平衡化したハイドロキシアパタイ
トカラムにより、10-300 mM リン酸緩衝液(pH7.0) のグ
ラジエント(10mM β- メルカプトエタノール, 0.5mM
ATP, 20%グリセロール)により精製する。
【0041】(7)得られた各分画を26Sプロテアソ
ーム抗体(徳島大学酵素科学研究センターより入手可
能)を用いて、イムノブロティング法(Antibodies, A
Laboratory Manual, Ed., Harlow et al., p471-510, C
old Spring Harbor Laboratory,1988 )により同定し、
反応画分を分離回収した後濃縮する。
【0042】(8)さらに10ー30%のグリセロール
グラディエント(25mM Tris-HCl (pH7.5), 10mM β- メ
ルカプトエタノール, 2mM ATP )で25000 回転で22時
間遠心による分画後、26S制御因子群を含む画分を
(7)と同様にイムノブロティング法により同定し、制
御因子群を分離精製することが可能である。
【0043】以上説明した方法の他にも、各種クロマト
グラフィーを組み合わせることにより、サブユニットP
45を含むプロテアソームの精製は可能である。例えば
牛赤血球細胞からは、J. Biol.Chem.269,3539-3547,199
4 に記載の方法に準じて、硫酸アンモニウムによる沈殿
の後、セファクリルSー300S、DEAE Fractogel,ハ
イドロキシアパタイトカラム等による分離精製が可能で
ある。
【0044】なお、これら精製した26S制御因子画分
は20Sプロテアソームのプロテアーゼの活性をアクチ
ベートする活性がある。
【0045】精製したサブユニットP45を含む26S
プロテアソーム画分を、SDS−ポリアクリルアミド電
気泳動法(SDSーPAGE, Antibodies A Laborator
y Manual,Harlow David lane 著、Cold Spring Harbor
laboratory ,636-640 ,1988)や、O’Farrel
l等による2次元電気泳動(J.Biol.Chem.250,4007-402
1,1975)により分離した後、ゲルをクマシー染色する
と、分子量21-32 kDa の十数個の20Sプロテアソーム
によるバンドとともに、分子量30-110kDa の制御因子群
が含まれたバンドが観察される。
【0046】また精製しサブユニットP45を含む制御
因子群はSDS−PAGEや2次元電気泳動により、分
子量30-110kDa の制御因子群のみのバンドとして観察さ
れる。
【0047】(サブユニットP45の単離)上記SDS
−PAGEや2次元電気泳動によるバンドからサブユニ
ットP45を単離するには、分子量約45kDa のバンド
を選ぶことにより可能である。
【0048】すなわち電気泳動法より分離同定されたサ
ブユニットP45をポリビニリデンジフルオロダイド
(PVDF)等にトランスファーすることが可能であ
る。
【0049】(プローブの作成)上記の処理後、リジル
エンドペプチダーゼなどによる各種酵素処理によりポリ
ペプチドフラグメントの混合物とし、得られたペプチド
フラグネントの混合物を高速液体クロマトグラフィーで
分離する。
【0050】上記得られたポリペプチドフラグメントの
いくつかのフラグメントのアミノ酸配列を自動アミノ酸
シークエンサー等を用いて決定することが可能である。
【0051】上記の解析によって得られたアミノ酸配列
の一部の情報をもとにポリヌクレオチドの検索に必要な
プローブは、得られたポリペプチドフラグメントのうち
縮重頻度の低いものを選択し、これに対応する相補的ポ
リヌクレオチドとして合成して作成することにより可能
である。
【0052】また、複数のアミノ酸配列が得られた場合
は、対応する相補的ポリヌクレオチドを組み合わせて、
ヒトのcDNAを鋳型にしてPCR法(例えば、Michae
l A.Innis et al., ed.,斎藤隆 監訳、PCR実験マニ
ュアル、HBJ出版局、1991年)により、より長い
断片のDNAプローブを得ることが可能である。
【0053】以上のようにして、ヒトプロテソームのサ
ブユニットP45をスクリーニングするためのDNAプ
ローブが得られる。
【0054】(相補鎖DNAライブラリーの作製および
スクリーニング)本発明においてポリペプチドをコード
するポリヌクレオチドをスクリーニングするためのcD
NAライブラリーの作製は、一般的な方法を使用可能で
あり例えば次のステップにより可能である。
【0055】すなわち、(i)ヒトプロテアソーム産生
細胞からメッセンジャーRNA(mRNA)を分離し、
(ii)該mRNAから、単鎖の相補鎖ポリヌクレオチ
ド(cDNA)を、次いで2重鎖ポリヌクレオチドを合
成し、(iii)2重鎖ポリヌクレオチドをプラスミド
またはファージに組み込み、(iV)得られた組換えプ
ラスミドまたはファージにより適当な宿主細胞を形質転
換し、(v)得られた形質転換体を培養後、形質転換体
から、適当な方法、例えばコロニーハイブリダイゼーシ
ョンまたはプラークハイブリダイゼーションにより、目
的とするポリヌクレオチドを含有するプラスミドまたは
ファージを単離し、(Vi)そのプラスミドまたはファ
ージから目的とするポリヌクレオチドを切り出し、(v
ii)該クローン化ポリヌクレオチドを適当なプラスミ
ドにサブクローニングする、というステップである。
【0056】各ステップについてさらに詳しく説明す
る。
【0057】ステップ(i):ヒトプロテアソームのサ
ブユニットP45のポリペプチドをコードするmRNA
は、種々の動物の組織、器官、産生細胞から、より具体
的には、肝臓、腎臓、心臓、脳、肺、胸腺、肝癌細胞
株、腎臓癌細胞株などから得ることができる。
【0058】また該酵素産生細胞から全RNAを調製す
る方法としては、グアニジウム/セシウムクロライド法
(Guanidiumu/Cesiumu Chroroide method, Maniatis,
T.,Fritsch E. F., and Sambrook, J., Molecular Clon
ing, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 194-196,
1982) やグアニジウムチオシアネート法 (Chomczynsk
i,P. et al., Analytical Biochemistry, 162, 156-15
9, 1987) 等が一般に用いられる。
【0059】上記操作により得られる全RNAからのm
RNAの分離、精製は例えば、オリゴdTーセルロース
(コラボレイティブ リサーチ社(Collabora
tive Research社))やオリゴテックスー
dT30(タカラ社)等を用いて吸着カラム法またはバ
ッチ法により実施できる。
【0060】ステップ(ii):このようにして得られ
たmRNAを鋳型として逆転写酵素を用いて、例えばオ
カヤマーバーグ法 (Okayama, H. and Berg, P., Molecu
larand Cellular Bology, 3, 280, 1983)やグブラーと
ホフマンの方法 (Gubler ,V.and Hoffman, B.J., Gene,
25, 263-269, 1983)等に従いcDNAを合成する。
【0061】ステップ(iii):得られたcDNAを
プラスミドやファージに組み込み、cDNAのライブラ
リーを調製する。
【0062】cDNAを組み込むプラスミドベクターと
しては、例えば、PBR322 (Gene, 2,95,1977) 、PBR325
(Gene, 4, 121, 1978), PUC12 (Gene, 19, 259, 1982),
PUC13 (Gene,19,259,1982), PUC18 (Gene, 33, 103, 1
985), PUC19 (Gene, 33,103,1985), PUC118 (Methods i
n Enzymology, 153, 3, 1987), PUC119 (Methods in E
nzymology, 153, 3, 1987), Bluescript II(Nucleic Ac
ids. Res.,17,9494,1989 )、などが挙げられるが、そ
の他のものであっても、宿主内で複製保持されるもので
あれば、いずれも用いることができる。
【0063】また、cDNAを組み込むファージベクタ
ーとしては、例えば、λgt10(Huynh,T.V., Young,
R.A. and Davis, R.W.,DNA cloning, A Practical Appr
oach, IRL Press, Oxford, 1, 49, 1985) 、λgt11
(Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 80, 1194, 1983)ま
たはλZAPII (Nucleic Acids. Res.,17,9494,1989)、な
どが使用可能であるが、その他のベクターであっても、
適当な宿主内で増殖できるものであれば良い。
【0064】プラスミドにcDNAを組み込む方法とし
ては、例えば、サンブルーク(Sambrook, J.)らの方法(M
olecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring
Harbor Laboratory Press, 1.53-1.73, 1989)などが挙
げられる。
【0065】また、ファージベクターにcDNAを組み
込む方法としては、例えば、Hyunh,T.V. 等の方法 ( DN
A cloning, A Practical Approach, IRL Press, Oxfor
d, 1, 49, 1985) などが使用可能である。
【0066】ステップ(iv):上記の方法により得ら
れたプラスミドやファージベクターは、これを適当な宿
主たとえば、エシェリヒア コリ(Escherichia Coli)、
バチルススブチリス(Bacillus subtilis) 、サッカロミ
セス セレビシアエ (Saccharomyces cerevisiae) 等に
導入して、これを形質転換できる。
【0067】プラスミドベクターで宿主を形質転換する
方法としては、例えば、モレキュラー. クローニング
(Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory
Press, 1.74-1.84, 1989)記載のエレクトロポーレーシ
ョン法あるいはカルシウムクロライド法などが挙げられ
る。また、ファージ. ベクターにはたとえば、増殖させ
た大腸菌にイン. ビトロパッケージング法を用いて導入
することができる。
【0068】ステップ(v):上記方法によるcDNA
から目的のヒトプロテアソームのサブユニットP45の
cDNAを選択するには、例えばラベル化したプローブ
を用いたコロニーハイブリダイゼーション法または、プ
ラークハイブリダイゼーション法 (Molecular Cloning,
Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1.85-1.104or
2.112-2.120, 1989)などが使用可能である。
【0069】上記のハイブリダイゼーションにおけるプ
ローブとして用いるポリヌクレオチドとしては、サブユ
ニットP45とハイブリダイズするポリヌクレオチドで
あれば、何でもよく、例えばサブユニットP45のアミ
ノ酸配列に基づいて化学合成したオリゴヌクレオチド,
あるいはプロテアソームの他のコンポーネントをコード
するcDNA、ゲノムDNA、化学合成DNA、および
これらの部分DNA等が使用可能である。
【0070】さらに、プロテアソームの他のコンポーネ
ントをコー ドするcDNA、ゲノムDNA、化学合成D
NA、およびこれらの部分DNAも、サブユニットとハ
イブリダイズ可能であるかぎり使用可能である。
【0071】以上のようにして、ヒトプロテアソームの
サブユニットP45をコードするポリヌクレオチドが調
製可能となる。
【0072】(塩基配列の決定)上記に従い得られたc
DNAの塩基配列の決定は、例えば、マキサムーギルバ
ート(Maxiam-Gilbert)法 (Methods in Enzymology, 65,
499-560, 1980) 、ジデオキシ法 (Messing, J. et a
l., Nucleic Acids Research, 9, 309, 1981)、蛍光色
素を用いたTaq サイクルシークエンシング法等(Biotech
niques,7,494-499,1989)により可能である。
【0073】決定されたヒトプロテアソームのサブユニ
ットP45のポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ドの塩基配列の全部または一部を含有するポリヌクレオ
チドは、式(2)で表される。
【0074】式(2) ATGGCGCTTG ACGGACCAGA GCAGATGGAG CTGGAGGAGG GGAAGGCAGG CAGCGGACTC CGCCAATATT ATCTGTCCAA GATTGAAGAA CTCCAGCTGA TTGTGAATGA TAAGAGCCAA AACCTCCGGA GGCTGCAGGC ACAGAGGAAC GAACTAAATG CTAAAGTTCG CCTATTGCGG AGGGAGCTAC AGCTGCTGCA GGAGCAGGGC TCCTATGTGG GGGAAGTAGT CCGGGCCATG GATAAGAAGA AAGTGTTGGT CAAGGTACAT CCTGAAGGTA AATTTGTTGT AGACGTGGAC AAAAACATTG ACATCAATGA TGTGACACCC AATTGCCGGG TGGCTCTAAG GAATGACAGC TACACTCTGC ACAAGATCCT GCCCAACAAG GTAGACCCAT TAGTGTCACT GATGATGGTG GAGAAAGTAC CAGATTCAAC TTATGAGATG ATTGGTGACT GGACAAAACA GATCAAGGAG ATCAAAGAAG TGATCGAGCT GCCTGTTAAG CATCCTGAGC TCTTCGAAGC ACTGGGCATT GCTCAGCCCA AGGGAGTGCT GCTGTATGGA CCTCCAGGCA CTGGGAAGAC ACTGTTGGCC CGGGCTGTGG CTCATCATAC GGACTGTACC TTTATTCGTG TCTCTGGCTC TGAATTGGTA CAGAAATTCA TAGGGGAAGG GGCAAGAATG GTGAGGGAGC TGTTTGTCAT GGCACGGGAA CATGCTCCAT CAATCATCTT CATGGACGAA ATCGACTCCA TCGGCTCCTC GCGGCTGGAG GGGGGTTCTG GAGGGGACAG TGAAGTGCAG CGCACGATGC TGGAGTTGCT CAACCAGCTC GACGGCTTTG AGGCCACCAA GAACATCAAG GTTATCATGG CTACTAATAG GATTGATATC CTGGACTCGG CACTGCTTCG CCCAGGGCGC ATTGACAGAA AAATTGAATT CCCACCCCCC AATGAGGAGG CCCGGCTGGA CATTTTGAAG ATTCATTCTC GGAAGATGAA CCTGACCCGG GGGATCAACC TGAGAAAAAT TGCTGAGCTC ATGCCAGGAG CATCAGGGGC TGAAGTGAAG GGCGTGTGCA CAGAAGCTGG CATGTATGCC CTGCGAGAAC GGCGAGTCCA TGTCACTCAG GAGGACTTTG AGATGGCAGT AGCCAAGGTC ATGCAGAAGG ACAGTGAGAA AAACATGTCC ATCAAGAAAT TATGGAAG 本発明に係る上記ポリヌクレオチドは、前記式(2)の
5’末端にATGが結合していない塩基配列からなるポ
リヌクレオチドを含む。
【0075】本発明のポリヌクレオチドはまた、ヒトプ
ロテアソームのサブユニットP45のシグナルペプチド
の部分または全部をコードする5’フランキングポリヌ
クレオチドを含むDNAも含む。
【0076】さらに、自然の変異により、または人工的
変異により、主たる活性に変化を与えることなく、ポリ
ヌクレオチドの構造およびそれから演繹されるポリペプ
チドの構造の一部を変異せしめることが可能である。
【0077】従って、本発明に係るポリヌクレオチド
は、前述のすべてのポリペプチドの相同異性体に相当す
る構造を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含
有することも可能である。
【0078】さらに、遺伝暗号の縮重に従い、ポリヌク
レオチドから生産されるポリペプチドのアミノ酸配列を
変えることなくそのポリヌクレオチドの塩基配列の少な
くとも一つの塩基を他の種類の塩基に置換することがで
きる。
【0079】従って、本発明のポリヌクレオチドはま
た、遺伝暗号の縮重に基づく置換によって、変換された
塩基配列を含有することも可能である。 この場合、上
記置換により得られた塩基配列より、演繹されるアミノ
酸配列は前記に定義した式(1)のアミノ酸配列と一致
する。
【0080】本発明のヒトプロテアソームサブユニット
P45のポリペプチドをコードするcDNAを含むポリ
ヌクレオチドは、上記の方法の他に、ヒト、ラット、マ
ウスなどのゲノムDNAのライブラリーからのクローニ
ングによっても得ることができる。
【0081】これら、サブユニットP45をコードする
cDNAおよびゲノムDNAは、目的により、そのまま
あるいは制限酵素で切断して使用することが可能であ
る。
【0082】本発明により得られたサブユニットP45
のcDNAの構造は図2に示されるように、1287残
基からなり、オープンリーディングフレームは1218残基
であり、406アミノ酸をコードする。
【0083】計算上の分子量は、45770 であり、等電点
は、8.35である。
【0084】(免疫疾患等の診断用測定方法)上記得ら
れたポリヌクレオチドをプローブとして用いることは、
各種疾患の診断等にも有効な手段を与える。
【0085】さらにヒトプロテアソームサブユニットP
45の遺伝的多型性を調べることにより、各種疾患との
関連も明らかにでき、ポリヌクレオチド診断に有効に使
用可能となる。
【0086】また、本発明で得られたプロテアソームサ
ブユニットP45の相補鎖ポリヌクレオチドをプローブ
として用いることにより、各種ヒト臓器のmRNA発現
量を例えばノザンブロット解析やRT−PCR解析(例
えば、Michael A.Innis et al., ed.,斎藤隆 監訳、P
CR実験マニュアル、HBJ出版局、1991年)を行
うことにより定量的に測定可能となり、上記各種疾患の
診断手段を与えるものである。
【0087】さらに本発明において得られたサブユニッ
トP45に対するポリクロナールまたはモノクロナール
抗体を作成することが可能であり(例えば、Antibodie
s, ALaboratory Manual, Ed., Harlow et.al., Cold Sp
ring Harbor Laboratory,1988 に記載の方法に準じて可
能である)。
【0088】得られた抗体を用いた免疫的測定法によ
り、各種細胞中の該サブユニットの変化を定量的に測定
する手段が与えられる。
【0089】(ホモロジー検索およびその利用)本発明
のサブユニットP45のホモロジー検索の結果、ヒト2
6Sプロテアソーム制御因子群のATPase活性ををもつサ
ブユニット、TBP1(Science, 248, 1650-1653), TBP7 (P
roc. Natl.Acad. Sci., 90, 138-142,1993), S4 (J. Bi
ol.Chem., 267, 22699-22702, 1992), MSS1(Nature, 35
7, 700-702, 1992, FEBS Lett.,323, 276-278, 1993)
とATPaseドメイン(図4中、星印)を中心にしてホモロ
ジーがある(図4)が、N末端側やC末端側のホモロジ
ーは低いことが示される。
【0090】また、サブユニットP45については、等
電点が8.45と高いが、他のサブユニットの等電点は5か
ら6までと低い。
【0091】さらに、これらのサブユニットは、進化的
にも保存されていることが示され、例えば出芽酵母に
も、それぞれホモロジーが認められる。
【0092】すなわち、サブユニットP45は、SUG1(N
ature, 357, 698-700,1992) と、TBP-1 はYTA1, TBP-7
はYTA2, S4はYTA5, (Yeast, 39, 1141-1155,1994), MSS
-1はCIM5 (Nature, 366, 358-362, 1993) とホモロジー
が認められる(表1)。
【0093】
【表1】
【0094】酵母については、26Sプロテアソームサ
ブユニットが細胞周期のG2-M期の進行に必須であること
が知られている。すなわち分裂酵母の染色体分配異常に
よって細胞周期がM期で停止している細胞の変異を相補
する遺伝子遺伝子MTS2 (出芽酵母YTA5、ヒトS4のホモ
ローグ)を分離すると、これが26Sプロテアソームの
調節サブユニット群を構成するATPaseであることが判明
した(Nature,366,355-357,1993)。一方、G2ーM期の
転移異常を示す変異型出芽酵母の解析からCIM5(ヒトMS
S-1 のホモローグ)とCIM3と名付けた2種の遺伝子を単
離したところ、これも26Sプロテアソームを構成する
ATPaseであることが判明し、またMTS2やCIM5の変異細胞
株ではユビキチン依存性の蛋白分解システムに異常があ
ることがわかり((Nature, 366, 358-362, 1993)これら
の遺伝子変異に伴う細胞周期の停止には26Sプロテア
ソームの蛋白分解機能の異常が関係していると考えられ
る。
【0095】特にSUG1については、サブユニットP45
と77%のホモロジーがある。
【0096】SUG1は、最初、真核生物に存在する転写因
子のGAL4の酸性ドメインの変異を抑制する遺伝子として
同定された(Nature, 357, 698-700,1992) が、最近、RN
A ポリメラーゼIIに結合するTATAバインディング蛋白に
結合する20種類のコンポーネントの一つであることが
判明している(Cell,77,599-608,1994)。
【0097】また、ヒトTBP(Tat binding protein)
ー1と7(TBPー1、TBPー7)はヒト免疫不全症
侯群(エイズ)ウイルスHIV(human immunodeficienc
y virus)転写因子Tat に結合する蛋白である。
【0098】従ってこれらの蛋白は、エイズウイルスの
発現調節に密接に関連する。
【0099】すなわち、これらの蛋白とホモロジーのあ
るヒトサブユニットP45は遺伝子の転写あるいは、細
胞増殖に必須であることが示唆される。
【0100】以上のホモロジー検索結果から、本発明に
係るヒトプロテソームサブユニットP45は、ヒトの転
写調節因子の異常による炎症や、ウィルス感染および代
謝異常等の疾患の診断法、治療法に適用可能となる。
【0101】さらに、プロテアソームの遺伝子はヒト肝
癌細胞、ヒト腎癌細胞(Cancer Res., 51, 6677-6685, 1
991) 、ヒト白血病細胞などの悪性腫瘍細胞 (Proc. Nat
l.Acad. Sci. U.S.A., 88, 139-143, 1990) において正
常細胞に比較して異常に高く発現し、さらに、これらの
腫瘍細胞の核にプロテアソームが、異常蓄積することが
知られており、従って本発明に係るプロテアソームのサ
ブユニットP45をヒトの癌化のメカニズムの解明や癌
の診断および治療に有効に使用可能となる。
【0102】さらに、アルツハイマー病患者の脳内には
ユビキチンが異常蓄積し、少なくともこの疾患の原因の
一つに細胞内における蛋白質分解系の異常のあることが
示唆されており、さらにこの疾患の発現にかかわる遺伝
子の機能ドメインにはプロテアーゼ阻害剤がコードされ
ていることが知られており(Nature, 331, 530-532, 198
8)、非リソソーム系の蛋白分解に関与すると考えられる
プロテアソームがアルツハイマー病に本質的に関係して
いることが示唆されている。
【0103】従って、本発明に係るヒトプロテアソーム
のサブユニットP45は、その機能および阻害メカニズ
ムの解明、およびアルツハイマー病と本酵素との関係や
異常の生じるメカニズムの解明、および治療に有効に使
用可能となる。
【0104】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0105】(実施例1) ヒトプロテアソームのサブ
ユニットP45の遺伝子配列の決定 P45サブユニットを含む26Sプロテアソームの制御
因子群の調製 (1)プローブの調製 (1ー1)出発物質の調製 牛赤血球細胞の26Sプロテアソーム制御因子群はJ. B
iol.Chem.269,3539-3547,1994 に記載の方法に準じて精
製可能である。以下説明する。
【0106】牛血液をヘパリン存在下で収集し、2000xg
で1時間遠心し赤血球細胞を集めた後、得られた沈殿を
4倍体積のリン酸緩衝液に懸濁し、再沈殿することによ
り洗浄した。 この操作を4回繰り返した。
【0107】なを、以下のステップは特に述べない限り
4℃で行った。
【0108】赤血球細胞に3倍体積の溶解バッファー
(バッファーH:20mMTris-HCl, pH7.6, 20mM NaCl, 1m
M EDTA, 1mM βーメルカプトエタノール)を加えて10
分間撹拌して溶解した。
【0109】これを13,000g で60分間遠心し、上清を
除去して、保存した。
【0110】沈殿は再度バッファーHに懸濁し、遠心し
た後上清を最初の上清に加えた。
【0111】この上清画分を20mM Tris-HCl, pH7.6, 20
mM NaCl, 0.5mM MgCl 2 , 0.1mM EDTA, 5mM βーメルカ
プトエタノール、10% グリセロールに対して透析処理を
行った。
【0112】(1ー2)DE52による調製 上記の透析画分5ml に対し、バッファーHで平衡化した
DE52(Whatman 社)1ml を添加した。
【0113】該レジンに結合している蛋白を0.5M NaCl
を含むバッファーH(Whatman 社)で10分間緩やかに
撹拌することにより溶出した(レジン:0.5M NaCl/バッ
ファーH=1:1)。 さらに少量の0.5M NaCl を含む
バッファーHで溶出し、ヘモグロビンを含まない赤血球
細胞からの抽出画分を得た。
【0114】(1ー3)硫安沈殿 上記得られた画分に38% 飽和になるまで30分間ゆっく
りと撹拌しながら硫安(硫酸アンモニウム)を添加し
た。
【0115】さらに30分間撹拌して沈殿した蛋白を遠
心により集めた。
【0116】この沈殿をダンス(DOUNCE) ホモジナイザ
ーを用いて大量のバッファーで再懸濁し、さらに遠心し
沈殿蛋白を得た。
【0117】沈殿は少量のバッファーHに溶解し、100m
M になるようにNaClを添加し、100mM NaCl/ バッファー
Hに対して16時間透析した。
【0118】透析後、不溶物を30,000xg、30分間遠心
して除き、上清画分を得た。
【0119】(1ー4)セファクリルS−300 セファクリルS−300(Pharmacia 社、100x5 cm) カ
ラムをバッファーHで平衡化後、(1ー3)で得た画分
をアプライし、100mM NaClを含むバッファーHで溶出
し、11mlずつフラクションを集めた。
【0120】フラクションのうち20Sプロテアーゼ活
性促進の高い画分を集めた。活性画分の測定は(1ー
7)に記載した。
【0121】(1ー5)DEAE Fractogel (1ー4)の活性画分はバッファーHで平衡化したDE
AE Fractogel(EM Separation, 10x2.5 c
m) にアプライし100mM-300mM NaCl/ バッファーHによ
るリリアグラジエントで溶出し、11mlずつフラクション
を集めた。
【0122】得られたフラクションのうち、活性画分の
高い画分を集め20mMリン酸緩衝液(pH 7.6)に対して透析
を行った。
【0123】(1ー6)ハイドロキシアパタイト (1ー5)で得られた画分をバッファーHで平衡化した
ハイドロキシアパタイト(BioRad 社、7x25cm) にアプラ
イし、リン酸緩衝液(20-200ml)のリニアグラジエントに
より8ml ずつ各フラクションを溶出し集めた。
【0124】上記各フラクションの活性画分を集め、バ
ッファーHで透析し、1mg/mlの濃度になるまでアミコン
PM10メンブランで濃縮した。
【0125】(1ー7)活性画分の測定方法 26Sプロテアソーム制御因子群の活性の測定は、20
Sプロテアソームと制御因子群を混合して20Sプロテ
アソームのペプチダーゼ活性を測定する方法により可能
である。
【0126】反応は、5mM Tris-HCl(pH8.0), 5mMジチオ
スレイトール(DTT), 60 μM ATP, 10mM MgCl2 中、0.3
μg 20Sプロテアソームと精製各段階の制御因子群を
添加して最終容積 50 μl で行った。
【0127】この反応液を、37℃で45分間プレイン
キュベートし、50mM Tris-HCl(pH8.0), 5mM βーメルカ
プトエタノール、50μM 20Sプロテアソーム、Suc-Le
u-Leu-Val-Tyr-AMC ( キモトリプシン様活性を測定する
ための合成基質)に添加し10分間インキュベートし
て、蛍光を測定した。
【0128】制御因子群にアクチベート活性があれば、
20Sプロテアソームによる合成基質の分解活性が上昇
することから、活性画分を同定可能となる。
【0129】(2)P45サブユニットのアミノ酸配列
の決定 (2ー1)P45サブユニットの単離 (1)の処理で得られた26Sプロテアソーム制御因子
群蛋白を逆相高速液体クロマトグラフィー(Shodex RS P
ak D4-613 カラム 6x150mm) を使用し以下の条件で分離
した。
【0130】分離条件:流速 0.75ml/min、温度50
℃、溶媒A、0.06% トリフルオロ酢酸(TFA);溶媒B,
0.05%TFA/70%アセトニトリル/30%水。
【0131】64% A,36% Bによりカラムを平衡化し、
36-70%のB溶媒を用いたグラジエントで溶出した。
【0132】214nm の波長で検出し、ピーク画分をスピ
ードバックコンセントレータ(Savant Instruments社)
で乾燥した。
【0133】(2ー2)電気泳動による分離 上記得られた乾燥サンプルはSDSサンプルバファーに
溶解し、10% SDSーPAGE( Antibodies A Labora
tory Manual ,Harlow David lane 著、Cold Spring Ha
rbor laboratory ,636-640 ,1988)により分離した。
【0134】電気泳動が終わったゲルは、イモビロン−
PVDFメンブラン(ミリポア社製)にセミドライエレ
クトロブロティング装置ザルトブロットII−S(ザル
トリウス社製)を用いてトランスファーした。
【0135】蛋白質をブロットした膜フィルターは、蒸
留水で洗浄した後、クマシーブルー染色液(0.2 %クマ
シーブリリアントブルーR250 を含む40%メタノール、
10%酢酸溶液)で染色後、脱色液(60%メタノール
溶液)に浸し、振とうしてバックグラウンドを脱色し
た。
【0136】このメンブラン上の45kDa の位置のスポッ
トを切出し、in situ でL-1-tosylamido-2-phenyl chlo
romethyl ketone 処理トリプシン(Worthington Enzymes
社)、またはLys-C プロテアーゼ(ベーリンガーマンハ
イム社)により酵素処理した。 生成したペプチドはHP
LC(パーキンエルマー社製)によって分離精製した(流
速50μl/min, 0.1%TFAを溶媒とし0-70% のアセトニトリ
ルによるグラジエント、RP300 カラム(2.1x100mm))。
【0137】得られたポリペプチドフラグメントのいく
つかをペプチドシークエンサー(パーキンエルマー社製
プロテインシークエンサー497型分析装置)により解
析を行った。
【0138】以上のアミノ酸解析により次の7種類のプ
プチドフラグメントのアミノ酸配列を決定した(J.Biol.
Chem.269,20878-20884,1994)。
【0139】 フラグメント1;IEELQLIVNXK, フラグメント2;LLREELQLLQEQGSYVGEVV, フラグメント3; FVVDVDKNIDIDVTPN, フラグメント4;ILPNKVDPLVELMMVEXVPDXXY, フラグメント5;EVIELPVKHPELFEALCIAQ, フラグメント6; EHAPSIIFMDEIDR, フラグメント7;IDILDSALLRPGR ただし、Xは、決定できなかったアミノ酸を示す。
【0140】(3) (3ー1)プライマーの合成 得られた以上のペプチドフラグメントの配列から縮重度
の低い配列として、フラグメント2からEELQLLEQG 、フ
ラグメント6からPSIIFMDEIDの配列を選択した。
【0141】次に、これら選択したポリペプチドに対応
する相補的オリゴヌクレオチドとして、フォワードプラ
イマーとして5'-GAGGAG(T/C)TTCAG(T/C)TT(T/C)T(T/G)C
AGGAGCAGGG-3' を選び, リバースプライマーとして5'-T
CGATTTCGTCCATGAAGATGATT(C/G)(A/T)TGG-3' をDNA合
成機380B(アプライド. バイオシステムズ社製)で
合成した。
【0142】得られたオリゴヌクレオチドをオリゴヌク
レオチド. カートリッジ(アプライド. バイオシステム
ズ社製)を使用して精製した。
【0143】(3ー2)PCR用mRNA調製 牛肝臓5gからの全RNAはグアニジンチオシアネイト
法 (Anal. Biochem.,162, 156-159, 1987) により以下
のようにして分離精製した。
【0144】5gの試料をグアニジンチオシアネイト溶
液(sol D 溶液; 6Mのグアニジンチオシアネート、0.5%
のザルコシル、 10mM のクエン酸ナトリウム(pH7), 10
0mMの2ーメルカプトエタノール, 0.1%のアンチフォー
ムA)中で超音波処理し、変性させた後遠心して上澄を
得た。
【0145】これに(1/10)量の 2M 酢酸および等量のエ
タノール、(1/5) 量のクロロフォルムーイソアミルアル
コール(49:1 vol/vol) を加え、氷上で15分間静置し
て、10,000g で15分間4℃にて遠心処理して沈殿を得
た。
【0146】水相を別の試験管に移し、等量のイソプロ
パノールを添加し、ー20℃で1時間静置し、10,000g
で20分間4℃において遠心した。
【0147】得られた沈殿を sol D溶液に溶解し等量の
イソプロパノールを添加し、遠心して沈殿を 75%エタノ
ールで洗浄した。
【0148】次にこの沈殿をsol D 溶液に懸濁し、等量
のイソプロパノールを再度添加し、−20℃で1時間冷
却した後、遠心処理を行った。
【0149】遠心分離により沈殿を集め、75%エタノ
ールで洗浄し、遠心処理後、上清を除去し、これをDE
PC処理(ジエチルピロカーボネート0.1%で5時間処理
後、オートクレーブ処理)したミリQに溶解し、54mg
の全mRNAを得た。
【0150】上記の処理により得られた全RNAから、
オリゴ(dT)−ラテックス(タカラ社;oligotex-dT30)
を用いてmRNAを得た。
【0151】すなわち全RNA1mgに対して反応緩衝液
(10mM Tris-HCl(pH7.5), 1mMエチレンジアミン四酢酸(E
DTA), 0.1%SDS )を加えて全量で1ml とした。
【0152】次に、これにOligotex-dT30 1mlを加え、
65℃で5分間熱変性し、氷上で3分間急冷した。
【0153】5M NaCl 0.2ml を加え撹拌後、37℃で1
0分間インキュベートし、15,000rpm 10分間遠心した
後上清を除去した。
【0154】ペレットを洗浄液(10mM Tris-HCl(pH7.
5), 1mM EDTA, 0.1%SDS, 100mM NaCl)2.5ml に懸濁し、
37℃で10分間放置した。
【0155】これを15,000rpm,10分間遠心分離した。
【0156】得られたペレットをTE緩衝液(10mM Tris-
HCl(pH8.0)、 EDTA 1mM )1ml に懸濁し、65℃、5分
間加熱し、mRNAをOligotex-dT30 から溶出した。
【0157】さらに15,000rpm,10分間遠心し、上清を
回収し、エタノール沈殿を行うため3M NaOAc(酢酸ナト
リウム、pH5.6)100 μl と冷エタノール2ml を加え、ー
80℃で30分間放置した。
【0158】15,000rpm,10分間遠心分離し、得られた
ペレットを70%エタノールで洗浄し、TE緩衝液50μl
に溶解した。
【0159】本実施例により、10mgの全RNAから47
μg のmRNAを得ることができた。
【0160】(3ー3)PCR用cDNA合成 得られたmRNAを鋳型としてpoly dT をプライマーと
して相補鎖DNA(cDNA)を合成した(ファルマシ
ア社製、cDNA合成キット)。
【0161】(3ー4)PCRによるcDNAプローブ
の調製 上記(3ー1)で得られたフォワードプライマーととも
にリバースプライマーを用い上記(3ー3)で得られた
牛肝臓のmRNAから合成されたcDNAを鋳型としPCR
を行った(例えば、Michael A.Innis et al., ed.,斎藤
隆 監訳、PCR実験マニュアル、HBJ出版局、19
91年)。
【0162】各プライマー濃度は20pm/ μl, TaqDNA ポ
リメラーゼは0.025U/ μl 、cDNA 1ng/ μl で30サイ
クル、パーキンエルマー(シータス)社製DNAサーマ
ルサイクラーを用いて増幅し、約600bpのcDNAプロ
ーブを得た。
【0163】(4)cDNAライブラリーの調製 (4ー1)cDNAの調製 ヒト肝細胞癌HEPG2 (ATCCから入手可能)から、
(3ー2)記載のグアニジウムチオシアネイト法 (Ana
l. Biochem., 162, 156-159, 1987) によって全RNA
を分離した。
【0164】全RNAからオリゴ(dT)ラテックス
(タカラ社;Oligotex-dT30 )を用いて(3ー2)記載
の方法と同様にHEPG2 細胞からmRNA10μg を得
た。
【0165】上記の方法によって得られたポリ(A)+
RNAから、ファルマシア社製TimeSaver cDNA 合成キ
ットを用いてcDNAを得た。
【0166】より詳しくは、オリゴdTプライマーを上
記mRNAのポリA部分にアニールさせ、逆転写酵素
(Murine Reverse Transcriptase) により、1本鎖DN
Aを合成し、E. coli DNAポリメラーゼ1によ
り、2本鎖cDNAとして合成した。
【0167】得られた上記cDNAの両端にNotI/EcoR
Iアダプターを付加するため、T4DNAライゲース処
理およびポリヌクレオチドキナーゼ処理を行ない、両端
にEcoR I制限酵素切断部位をもつcDNAを得た。
【0168】(4ー2)インビトロパッケージング反応 得られた両端にEcoR I制限酵素切断部位をもつcDNA
をクローニングベクターであるλZAPII(Stratage
ne社製、EcoRI/CIAP処理λZAPIIを含むλZAPI
Iクローニングキット)のEcoRI間にT4DNAリ
ガーゼを用いて挿入した。
【0169】ライゲーション反応溶液 1mlをGigapackII
Gold packaging extract (Stratagene 社)によりパッ
ケージングを行った。
【0170】パッケージングした組換えバクテリオファ
ージを含むパッケージング溶液と大腸菌 XL-1 Blueを3
7℃で15分間培養した。
【0171】これを 2〜3 mlのトップアガー(48℃)
に加えNZYアガープレートへプレーティングして、3
7℃で1夜培養した。
【0172】150mm NZY プレートには約 50,000 個のプ
ラークを培養し、10枚のプレートにまいて、約 5x10 5
/ 個のプラークをスクリーニング用に用いた。
【0173】(5)クローンの単離 (5ー1)スクリーン用フィルタの調製 NZY プレートを4℃で2時間冷却し、このプレート上に
ナイロンフィルタ(アマシャム社、ハイボンドN+)を
のせ、2分間放置した。
【0174】これをはがしてフィルターペーパ上で乾燥
し、紫外線照射により固定してスクリーニング用フィル
ターを調製した。
【0175】これを用いて以下のハイブリダイゼーショ
ンを行った。
【0176】(5ー2)ハイブリダイゼーションのため
のプローブは(1)で得られたDNAプローブを、ラン
ダムプライムラベリング法(タカラ社;ランダムプライ
マDNAラベリングキットVer.2 )で32P-dCTP (アマ
シャム社)標識したものを使用した。
【0177】プレハイブリダイゼーション溶液として、
5xSSC(NaCl 0.15M, クエン酸ナトリウム(pH7.0)
0.015M),50%フォルムアミド、1 xdenhard
t(ウシ血清アルブミン(Fraction V) 0.2%,ポリビニ
ルピロリドン0.2%,Ficoll400 0.2%)溶液、0.1%S
DS,200μg/mlサーモンスパームDNAを用い
た。
【0178】フィルターは42℃、3時間、プレハイブ
リダイゼーション溶液でインキュベートし、続いて標識
プローブを加えたハイブリダイゼ−ション溶液(10%
dextran sulfateを含むプレハイブリダ
イゼーション溶液)で42℃、16時間、インキュベー
トしてハイブリダイゼーションを行った。
【0179】以上の操作により4個のポジティブクロー
ンが得られた。
【0180】(6)in vivo excision(きりだし)によ
る大腸菌組換え体の作成 (5ー2)で得られたアガープレート中のポジティブZA
P ファージクローンのプラークの中心を竹くしでつき、
500 μl のSM緩衝液と20μl のクロロフォルム混合液
中に溶出し、ボルテックスをした後、一夜放置した。
【0181】大腸菌XL-1 Blue 200 μl とポジティブフ
ァージクローン200 μl(>1x10 5 ファージパーティク
ル)、ヘルパーファージ R408 1 μl(>1x10 6 pfu/ml)
を50mlチューブにて混合し37℃、15分間で、ZAP
とヘルパーファージを感染させた。
【0182】5ml の2x YT培地(10g NaCl, 10g Bacto
Yeast Extract, 16g Bactotryptone/1l) を加え、37
℃で3時間振とうし培養し、大腸菌よりファージミドを
分泌させた。
【0183】70℃で20分間熱処理した後、4000g で
5分間遠心し、菌体を死滅させた。
【0184】上清のファージミドを別の試験管に移し
た。
【0185】この上清にはpBluescriptSK(-)粒子が含ま
れており、この上清200 μl あるいは100倍に希釈し
た溶液20μl とXL-1 Blue 200 μl(OD600 =1.0) を混合
し37℃で15分間混合し感染させた。
【0186】1 〜100 μl の培養液をLB/Ampプレートに
プレーティングした後、37℃で一晩培養した。
【0187】表れたコロニーはインサートDNAを含む
2本鎖のpBluescriptSK(-)をもった大腸菌(XL−1
Blue)形質転換体である。
【0188】4個のポジティブクローンの大腸菌からプ
ラスミドを QIAprepPlasmid キット(Quiagen社) を用い
て調製し、制限酵素 NotI で切断して、そのうち最も長
いインサートをもつクローンについて以下のDNA塩基
配列の決定を行った。
【0189】なおこのヒトプロテアソームサブユニット
P45の1.4kbのインサートをもつ大腸菌XL−1
Blue形質転換体についてはPRO/XL−hP45
と命名して、工業技術院生命工学工業技術研究所に平成
7年1月27日に寄託した(受託番号:FERM P−
14745)。
【0190】(7)塩基配列の決定 上記で得られた1.4 kbのクローンの塩基配列を、パー
キンエルマー社製DNAシークエンサー373Aを用い、Taq
サイクルシークエンシング法により決定した。
【0191】得られたサブユニットP45のcDNAの
制限酵素切断部位を図1に、また塩基配列の解析結果を
図2に示す。
【0192】決定した塩基数は1287残基で、オープ
ンリーディングフレームは1218残基であり、406
個のアミノ酸がコードされている。
【0193】計算上の分子量は45770であり、等電
点は、8.35である。
【0194】図2の下線部は、(2ー2)記載の牛赤血
球より精製したP45から決定されたペプチドシークエ
ンスと相同性のある部分を示すものである。
【0195】(8)ホモロジー検索 (8ー1)他の種間でのホモロジー 得られたP45の遺伝子をホモロジー検索したところ、
図3に示すように、酵母のSUG1遺伝子と77%のホモロ
ジーがあることがわかる。
【0196】(8ー2)プロテアソームサブユニット間
でのホモロジー 図4に示されるように、プロテアソームサブユニットP
45は、26Sプロテアソームのうち、ATPaseドメイン
をもつ他のサブユニットであるTBP1, TBP7, S4, MSS-1
ともホモロジーが認められる。
【0197】さらに、これに対応する酵母とヒトの26
SプロテアソームのATPaseファミリーを形成するプロテ
アソームサブユニットの分子量と等電点をまとめた結果
を表1に示す。
【0198】実施例2 ヒトプロテアソームのサブユニットP45の発現解析 ヒトプロテアソームサブユニットP45に反応するポリ
クローナル抗体の作製 (1)サブユニットP45の他のATPaseサブユニットと
ホモロジーのない部分であるc末端側15アミノ酸(MQK
DSEKNMSIKKLWK )を選択し、このペプチドのN末端にシ
ステインを付加したペプチドをF−Moc法(Solid Ph
ase Peptide synthesis,A practical approach, IRL Pr
ess ,Oxford,1989, Atherton,E., Sheppard,R.C.著)に
より、パーキンエルマー社製ペプチド合成機433Aを
用いて合成した。
【0199】合成したポリペプチドの脱保護および精製
は、抗ペプチド抗体実験プロトコール、大海忍 他著、
秀潤社、25- 46ページに記載の方法で行った。
【0200】なお脱保護基後のペプチドの精製はC18
DSカラム(島津 Syn ProPep カラム、4.6x150mm, 0.1
%TFA, 0-80% アセトニトリルグラジエント)を用いた。
【0201】(2)上記ペプチドにヘモシアニン(KL
H)をイムジェクトアクチベイテッドイムノグロビンコ
ンジュゲイションキット(PIERCE社)を用いて結合させ
ペプチドにKLH複合体を上記のキット中のカラムによ
り調製した。
【0202】(3)初回約150μg をフロインドの完
全アジュバント(FCA 、キャペル社)とともにエマルジ
ョンにし、ラビット(ジャパニーズホワイト、北山ラベ
ス社)の背中に免疫した。その後2週間おきに3回不完
全アジュバント(FIA)により同様に免疫した。
【0203】初回免疫後、7、8、9週目にELISA 法に
より抗体価を測定し、後抗体価の上昇を確認後全採血を
行なった。
【0204】(4) ウサギ血液は、室温で3時間静置
後、セパラピッドチューブ(積水化学)にアプライし、
3000回転で30分間の遠心によりサブユニットP45に
対する血清を得た。
【0205】(5) また、ヒト腎臓から精製したヒト
20S(図5Aレーン1)および26Sプロテアソーム
(図5Aレーン2)( 特開平5-292964、特開平6-02275
9)をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動(Antibodie
s A Laboratory Manual,HarlowDavid lane 著、Cold S
pring Harbor laboratory ,636-640 ,1988)で分離
し、これをクマシー染色した。
【0206】その結果、20Sプロテアソームは、分子
量 20kDa〜30kDa のバンドとして観察され、26Sプロ
テアソームは20Sプロテアソームと 30 〜110 kDa の
制御因子が結合した複合体であることがわかる。
【0207】また図5Bは26Sヒトプロテアソーム制
御因子群のみを精製し、SDS-PAGE後クマシー染色(図5
Bレーン3)したものとP45の抗体を用いてイムノブ
ロットした結果を示したものである(図5Bレーン
4)。
【0208】イムノブロットの結果から、P45抗体が
45kDaのバンドを認識して反応することが明かとな
った。
【0209】従って、P45サブユニットから作成され
る抗体を用いれば、ヒトの組織でもP45の発現を解析
することが可能である。
【0210】(実施例3)プロテアソームサブユニット
P45の相補鎖ポリヌクレオチドをプローブに用いて、
各種ヒト臓器でのmRNA発現量のノザンブロット解析
を行った(J.Biochem.,115,257,1
994)。
【0211】プローブとしては、実施例1(4)で得ら
れた組み換え体を使用し、プラスミドDNAを大腸菌XL
-1Blueより、QIAwell Plasmid Pur
ification System(QIAGEN社)
にて調製した。このプラスミドを制限酵素Not1(タカラ
社)で処理後、2%アゲロースゲル電気泳動で分離し
て、1.4kbpのサブユニットP45のプローブをQIA
quick GEI Extraction Kit
(QIAGEN社)で調製した。
【0212】これをマルチプライムDNA標識システム
(アマシャム社)で32P標識してプローブとして用い
た。
【0213】フィルターは、各種ヒト臓器(心臓、脳、
胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓)より抽出したm
RNA( 2μg)がブロットされたポジチィブチャージド
ナイロンフィルター(Human Multi Tissue Northern Bl
ot, クローンテック社)を用いた。
【0214】プレハイブリダイゼーション溶液として、
5xSSC(NaCl 0.15M, クエン酸ナトリウム(pH7.0)
0.015M),50%フォルムアミド、1 xdenhard
t(ウシ血清アルブミン(Fraction V) 0.2%,ポリビニ
ルピロリドン0.2%,Ficoll400 0.2%)溶液、0.1%S
DS,200μg/mlサーモンスパームDNAを用い
た。
【0215】フィルターは42℃、3時間、プレハイブ
リダイゼーション溶液でインキュベートし、続いて標識
プローブを加えたハイブリダイゼ−ション溶液(10%
dextran sulfateを含むプレハイブリダ
イゼーション溶液)で42℃、16時間、インキュベー
トしてハイブリダイゼーションを行った。
【0216】フィルターは2xSSC,0.1%SDS
で42℃、15分間で4回洗浄し、さらに1xSSC,
0.1%SDSで30分間1回洗浄した。
【0217】オートラジグラフィーは、Kodal X
AR−5フィルムを用いて、−70℃で行った。
【0218】オートラジオグラフィーの結果、プロテア
ソームサブユニットP45は、約1.8kbのmRNA
と反応し、その発現量は、心臓、骨格筋で高く、腎臓、
肺では低い発現であることが明確に定量可能であり、本
発明のプローブを用いることにより、mRNA発現量を
測定することが可能である。
【0219】
【発明の効果】ヒトプロテアソームを構成する個々のサ
ブユニット特にサブユニットP45のポリペプチドのア
ミノ酸配列、およびサブユニットP45のポリペプチド
のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配
列を決定することにより、抗体による免疫反応による方
法、さらに相補的ポリヌクレオチドを利用する方法で、
各種免疫疾患等の診断および治療が可能となる。
【0220】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:406 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Ala Leu Asp Gly Pro Glu Gln Met Glu Leu Glu Glu Gly Lys Ala 5 10 15 Gly Ser Gly Leu Arg Gln Tyr Tyr Leu Ser Lys Ile Glu Glu Leu Gln 20 25 30 Leu Ile Val Asn Asp Lys Ser Gln Asn Leu Arg Arg Leu Gln Ala Gln 35 40 45 Arg Asn Glu Leu Asn Ala Lys Val Arg Leu Leu Arg Arg Glu Leu Gln 50 55 60 Leu Leu Gln Glu Gln Gly Ser Tyr Val Gly Glu Val Val Arg Ala Met 65 70 75 80 Asp Lys Lys Lys Val Leu Val Lys Val His Pro Glu Gly Lys Phe Val 85 90 95 Val Asp Val Asp Lys Asn Ile Asp Ile Asn Asp Val Thr Pro Asn Cys 100 105 110 Arg Val Ala Leu Arg Asn Asp Ser Tyr Thr Leu His Lys Ile Leu Pro 115 120 125 Asn Lys Val Asp Pro Leu Val Ser Leu Met Met Val Glu Lys Val Pro 130 135 140 Asp Ser Thr Tyr Glu Met Ile Gly Asp Trp Thr Lys Gln Ile Lys Glu 145 150 155 160 Ile Lys Glu Val Ile Glu Leu Pro Val Lys His Pro Glu Leu Phe Glu 165 170 175 Ala Leu Gly Ile Ala Gln Pro Lys Gly Val Leu Leu Tyr Gly Pro Pro 180 185 190 Gly Thr Gly Lys Thr Leu Leu Ala Arg Ala Val Ala His His Thr Asp 195 200 205 Cys Thr Phe Ile Arg Val Ser Gly Ser Glu Leu Val Gln Lys Phe Ile 210 215 220 Gly Glu Gly Ala Arg Met Val Arg Glu Leu Phe Val Met Ala Arg Glu 225 230 235 240 His Ala Pro Ser Ile Ile Phe Met Asp Glu Ile Asp Ser Ile Gly Ser 245 250 255 Ser Arg Leu Glu Gly Gly Ser Gly Gly Asp Ser Glu Val Gln Arg Thr 260 265 270 Met Leu Glu Leu Leu Asn Gln Leu Asp Gly Phe Glu Ala Thr Lys Asn 275 280 285 Ile Lys Val Ile Met Ala Thr Asn Arg Ile Asp Ile Leu Asp Ser Ala 290 295 300 Leu Leu Arg Pro Gly Arg Ile Asp Arg Lys Ile Glu Phe Pro Pro Pro 305 310 315 320 Asn Glu Glu Ala Arg Leu Asp Ile Leu Lys Ile His Ser Arg Lys Met 325 330 335 Asn Leu Thr Arg Gly Ile Asn Leu Arg Lys Ile Ala Glu Leu Met Pro 340 345 350 Gly Ala Ser Gly Ala Glu Val Lys Gly Val Cys Thr Glu Ala Gly Met 355 360 365 Tyr Ala Leu Arg Glu Arg Arg Val His Val Thr Gln Glu Asp Phe Glu 370 375 380 Met Ala Val Ala Lys Val Met Gln Lys Asp Ser Glu Lys Asn Met Ser 385 390 395 400 Ile Lys Lys Leu Trp Lys 405 配列番号:2 配列の長さ:1218 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 ATGGCGCTTG ACGGACCAGA GCAGATGGAG CTGGAGGAGG GGAAGGCAGG CAGCGGACTC CGCCAATATT ATCTGTCCAA GATTGAAGAA CTCCAGCTGA TTGTGAATGA TAAGAGCCAA AACCTCCGGA GGCTGCAGGC ACAGAGGAAC GAACTAAATG CTAAAGTTCG CCTATTGCGG AGGGAGCTAC AGCTGCTGCA GGAGCAGGGC TCCTATGTGG GGGAAGTAGT CCGGGCCATG GATAAGAAGA AAGTGTTGGT CAAGGTACAT CCTGAAGGTA AATTTGTTGT AGACGTGGAC AAAAACATTG ACATCAATGA TGTGACACCC AATTGCCGGG TGGCTCTAAG GAATGACAGC TACACTCTGC ACAAGATCCT GCCCAACAAG GTAGACCCAT TAGTGTCACT GATGATGGTG GAGAAAGTAC CAGATTCAAC TTATGAGATG ATTGGTGACT GGACAAAACA GATCAAGGAG ATCAAAGAAG TGATCGAGCT GCCTGTTAAG CATCCTGAGC TCTTCGAAGC ACTGGGCATT GCTCAGCCCA AGGGAGTGCT GCTGTATGGA CCTCCAGGCA CTGGGAAGAC ACTGTTGGCC CGGGCTGTGG CTCATCATAC GGACTGTACC TTTATTCGTG TCTCTGGCTC TGAATTGGTA CAGAAATTCA TAGGGGAAGG GGCAAGAATG GTGAGGGAGC TGTTTGTCAT GGCACGGGAA CATGCTCCAT CAATCATCTT CATGGACGAA ATCGACTCCA TCGGCTCCTC GCGGCTGGAG GGGGGTTCTG GAGGGGACAG TGAAGTGCAG CGCACGATGC TGGAGTTGCT CAACCAGCTC GACGGCTTTG AGGCCACCAA GAACATCAAG GTTATCATGG CTACTAATAG GATTGATATC CTGGACTCGG CACTGCTTCG CCCAGGGCGC ATTGACAGAA AAATTGAATT CCCACCCCCC AATGAGGAGG CCCGGCTGGA CATTTTGAAG ATTCATTCTC GGAAGATGAA CCTGACCCGG GGGATCAACC TGAGAAAAAT TGCTGAGCTC ATGCCAGGAG CATCAGGGGC TGAAGTGAAG GGCGTGTGCA CAGAAGCTGG CATGTATGCC CTGCGAGAAC GGCGAGTCCA TGTCACTCAG GAGGACTTTG AGATGGCAGT AGCCAAGGTC ATGCAGAAGG ACAGTGAGAA AAACATGTCC ATCAAGAAAT TATGGAAG
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたヒトプロテアソームのサブ
ユニットP45のcDNAの制限酵素切断部位を示す図
である。
【図2】実施例1で得られたヒトプロテアソームのサブ
ユニットP45の決定された塩基配列と塩基配列から推
定したアミノ酸配列(P45の1次構造)を示すもので
ある。下線は、ペプチドシークエンスの結果得たアミノ
酸配列と相同性のある部分を示す図である。
【図3】ヒトプロテアソームサブユニットと酵母のSUG1
遺伝子とのホモロジーアライメントの比較結果を示す図
である。
【図4】ヒトプロテアソームサブユニットP45とTBP-
1, TBP7, S4, MSS-1とホモロジーアライメンとの比較を
示す図である。
【図5】[A]は、ヒト20Sプロテアソーム(レーン
1)と26Sプロテアソーム(レーン2)を電気泳動後
クマシー染色したものであり、[B]は、ヒト26S制
御因子群を電気泳動後クマシー染色したもの(レーン
3)と、これをP45の抗体を用いてイムノブロットし
たもの(レーン4)の電気泳動パターンを示す図であ
る。
【図6】ヒトプロテアソームサブユニットP45の相補
鎖ポリヌクレオチドをプローブに用いた各種ヒト臓器で
のmRNA発現量のノザンブロット解析の結果の生物の
形態を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/09 ZNA G01N 33/573 A G01N 33/53 A61K 37/54 ABA 33/573 9162−4B C12N 15/00 ZNAA //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/50 C12R 1:19)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に少なくとも、 Met Ala Leu Asp Gly Pro Glu Gln Met Glu Leu Glu Glu Gly Lys Ala 5 10 15 Gly Ser Gly Leu Arg Gln Tyr Tyr Leu Ser Lys Ile Glu Glu Leu Gln 20 25 30 Leu Ile Val Asn Asp Lys Ser Gln Asn Leu Arg Arg Leu Gln Ala Gln 35 40 45 Arg Asn Glu Leu Asn Ala Lys Val Arg Leu Leu Arg Arg Glu Leu Gln 50 55 60 Leu Leu Gln Glu Gln Gly Ser Tyr Val Gly Glu Val Val Arg Ala Met 65 70 75 80 Asp Lys Lys Lys Val Leu Val Lys Val His Pro Glu Gly Lys Phe Val 85 90 95 Val Asp Val Asp Lys Asn Ile Asp Ile Asn Asp Val Thr Pro Asn Cys 100 105 110 Arg Val Ala Leu Arg Asn Asp Ser Tyr Thr Leu His Lys Ile Leu Pro 115 120 125 Asn Lys Val Asp Pro Leu Val Ser Leu Met Met Val Glu Lys Val Pro 130 135 140 Asp Ser Thr Tyr Glu Met Ile Gly Asp Trp Thr Lys Gln Ile Lys Glu 145 150 155 160 Ile Lys Glu Val Ile Glu Leu Pro Val Lys His Pro Glu Leu Phe Glu 165 170 175 Ala Leu Gly Ile Ala Gln Pro Lys Gly Val Leu Leu Tyr Gly Pro Pro 180 185 190 Gly Thr Gly Lys Thr Leu Leu Ala Arg Ala Val Ala His His Thr Asp 195 200 205 Cys Thr Phe Ile Arg Val Ser Gly Ser Glu Leu Val Gln Lys Phe Ile 210 215 220 Gly Glu Gly Ala Arg Met Val Arg Glu Leu Phe Val Met Ala Arg Glu 225 230 235 240 His Ala Pro Ser Ile Ile Phe Met Asp Glu Ile Asp Ser Ile Gly Ser 245 250 255 Ser Arg Leu Glu Gly Gly Ser Gly Gly Asp Ser Glu Val Gln Arg Thr 260 265 270 Met Leu Glu Leu Leu Asn Gln Leu Asp Gly Phe Glu Ala Thr Lys Asn 275 280 285 Ile Lys Val Ile Met Ala Thr Asn Arg Ile Asp Ile Leu Asp Ser Ala 290 295 300 Leu Leu Arg Pro Gly Arg Ile Asp Arg Lys Ile Glu Phe Pro Pro Pro 305 310 315 320 Asn Glu Glu Ala Arg Leu Asp Ile Leu Lys Ile His Ser Arg Lys Met 325 330 335 Asn Leu Thr Arg Gly Ile Asn Leu Arg Lys Ile Ala Glu Leu Met Pro 340 345 350 Gly Ala Ser Gly Ala Glu Val Lys Gly Val Cys Thr Glu Ala Gly Met 355 360 365 Tyr Ala Leu Arg Glu Arg Arg Val His Val Thr Gln Glu Asp Phe Glu 370 375 380 Met Ala Val Ala Lys Val Met Gln Lys Asp Ser Glu Lys Asn Met Ser 385 390 395 400 Ile Lys Lys Leu Trp Lys 405 のアミノ酸配列を含むことを特徴とするポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアミノ酸配列をコード
    するポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 分子中に少なくとも、 ATGGCGCTTG ACGGACCAGA GCAGATGGAG CTGGAGGAGG GGAAGGCAGG CAGCGGACTC CGCCAATATT ATCTGTCCAA GATTGAAGAA CTCCAGCTGA TTGTGAATGA TAAGAGCCAA AACCTCCGGA GGCTGCAGGC ACAGAGGAAC GAACTAAATG CTAAAGTTCG CCTATTGCGG AGGGAGCTAC AGCTGCTGCA GGAGCAGGGC TCCTATGTGG GGGAAGTAGT CCGGGCCATG GATAAGAAGA AAGTGTTGGT CAAGGTACAT CCTGAAGGTA AATTTGTTGT AGACGTGGAC AAAAACATTG ACATCAATGA TGTGACACCC AATTGCCGGG TGGCTCTAAG GAATGACAGC TACACTCTGC ACAAGATCCT GCCCAACAAG GTAGACCCAT TAGTGTCACT GATGATGGTG GAGAAAGTAC CAGATTCAAC TTATGAGATG ATTGGTGACT GGACAAAACA GATCAAGGAG ATCAAAGAAG TGATCGAGCT GCCTGTTAAG CATCCTGAGC TCTTCGAAGC ACTGGGCATT GCTCAGCCCA AGGGAGTGCT GCTGTATGGA CCTCCAGGCA CTGGGAAGAC ACTGTTGGCC CGGGCTGTGG CTCATCATAC GGACTGTACC TTTATTCGTG TCTCTGGCTC TGAATTGGTA CAGAAATTCA TAGGGGAAGG GGCAAGAATG GTGAGGGAGC TGTTTGTCAT GGCACGGGAA CATGCTCCAT CAATCATCTT CATGGACGAA ATCGACTCCA TCGGCTCCTC GCGGCTGGAG GGGGGTTCTG GAGGGGACAG TGAAGTGCAG CGCACGATGC TGGAGTTGCT CAACCAGCTC GACGGCTTTG AGGCCACCAA GAACATCAAG GTTATCATGG CTACTAATAG GATTGATATC CTGGACTCGG CACTGCTTCG CCCAGGGCGC ATTGACAGAA AAATTGAATT CCCACCCCCC AATGAGGAGG CCCGGCTGGA CATTTTGAAG ATTCATTCTC GGAAGATGAA CCTGACCCGG GGGATCAACC TGAGAAAAAT TGCTGAGCTC ATGCCAGGAG CATCAGGGGC TGAAGTGAAG GGCGTGTGCA CAGAAGCTGG CATGTATGCC CTGCGAGAAC GGCGAGTCCA TGTCACTCAG GAGGACTTTG AGATGGCAGT AGCCAAGGTC ATGCAGAAGG ACAGTGAGAA AAACATGTCC ATCAAGAAAT TATGGAAG の塩基配列を含むことを特徴とするポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 変異したまたは変異せしめた請求項1に
    記載のポリペプチドのアミノ酸配列であって、上記ポリ
    ペプチドを含むプロテアソームがプロテアーゼ活性を実
    質的に有するアミノ酸配列のポリペプチド。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のポリペプチドとの相同
    異性体であって、上記ポリペプチドを含むプロテアソー
    ムがプロテアーゼ活性を実質的に有するアミノ酸配列の
    ポリペプチド。
  6. 【請求項6】 変異したまたは変異せしめた請求項1に
    記載のポリペプチドのアミノ酸配列と80%以上の相同
    性を有し、プロテアーゼ活性を実質的に有するアミノ酸
    配列のポリペプチド。
  7. 【請求項7】 請求項4,5、または6に記載のポリペ
    プチドのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 変異したまたは変異せしめた請求項2ま
    たは3に記載のポリヌクレオチドであって、塩基配列が
    80%以上の相同性を保持し、且つ該ポリヌクレオチド
    でコードされるプロテアソームサブユニットP45を含
    むプロテアソームがプロテアーゼ活性を実質的に有する
    ポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のポリペプチドを構成する
    アミノ酸配列であって、連続する少なくとも4のアミノ
    酸からなるポリペプチド。
  10. 【請求項10】 請求項3記載のポリヌクレオチドを構
    成する塩基配列であって、連続する少なくとも15の塩
    基からなるポリヌクレオチドまたは相補的ポリヌクレオ
    チド。
  11. 【請求項11】 プロテアソームサブユニットP45
    を、該サブユニットとその抗体との特異性を利用して測
    定することを特徴とする免疫疾患診断用キット。
  12. 【請求項12】 プロテアソームサブユニットP45の
    相補鎖ポリヌクレオチドを用いてmRNAを測定するこ
    とを特徴とする免疫疾患診断用キット。
  13. 【請求項13】 プロテアソームサブユニットP45の
    ポリヌクレオチドを含む組換えプラスミドによって形質
    転換された組換え微生物細胞。
  14. 【請求項14】 上記組み換え微生物細胞が大腸菌であ
    る請求項13に記載の微生物細胞。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000029622A3 (en) * 1998-11-17 2002-04-25 Curagen Corp Nucleic acids containing single nucleotide polymorphisms and methods of use thereof
CN109913483A (zh) * 2017-12-12 2019-06-21 上海清流生物医药科技有限公司 一种蛋白药物的发酵生产工艺

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