JPH1075781A - ヒトプロテアソームサブユニットp58蛋白質及びそれに特異的な抗体 - Google Patents

ヒトプロテアソームサブユニットp58蛋白質及びそれに特異的な抗体

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JPH1075781A
JPH1075781A JP24887096A JP24887096A JPH1075781A JP H1075781 A JPH1075781 A JP H1075781A JP 24887096 A JP24887096 A JP 24887096A JP 24887096 A JP24887096 A JP 24887096A JP H1075781 A JPH1075781 A JP H1075781A
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JP
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proteasome
polynucleotide
polypeptide
subunit
human
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JP24887096A
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Inventor
Naoki Niihara
直樹 新原
Hiroto Nakajima
裕人 中嶋
Keiji Tanaka
啓二 田中
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はヒト26Sプロテアソームの構成因
子であるサブユニットP58及びその遺伝子の同定、さ
らにはサブユニットP58に対する抗体、ポリヌクレオ
チドプローブ及びアンチセンスポリヌクレオチドを提供
することを目的とするものである。 【解決手段】 牛赤血球細胞の26Sプロテアソーム制
御因子群から58kDの分子量を持つ構成因子(ポリペ
プチド)を単離し、該構成因子のフラグメントに対する
相補的ポリヌクレオチドをプローブとしてヒトcDNA
ライブラリーからヒト26Sプロテアソームの構成因子
であるサブユニットP58のcDNAを同定し、該サブ
ユニットP58のアミノ酸配列及びそれをコードする遺
伝子の塩基配列を明らかにする。また、前記サブユニッ
トP58に対する抗体を提供する。さらに、前記サブユ
ニットP58に対するポリヌクレオチドプローブ、アン
チセンスポリヌクレオチドを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、26Sプロテアソ
ームに関するものであり、さらに詳しくは該プロテアソ
ームのサブユニットP58のポリペプチド、および該ポ
リペプチドをコードする遺伝子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロテアソームは、別名、多機能性プロ
テアーゼと呼ばれ、不活性型で細胞内に局在し、エネル
ギー依存性蛋白質分解系を構成する主要酵素である。本
酵素は、酵母からヒトに至る真核生物に広く存在してお
り、またすべての組織に存在し、なかでも肝臓では、全
可溶性蛋白質の1%も占める。
【0003】該酵素は同一分子内に複数の触媒活性部位
を持ち、トリプシン型酵素の基質である塩基性アミノ
酸、キモトリプシン型酵素の基質である中性アミノ酸、
そしてプロテアーゼとしては稀な酸性アミノ酸を含む合
成ペプチドのカルボキシ末端のペプチド結合を切断する
活性がある。
【0004】しかしながら、種々の既知の阻害剤の中で
特異的で有効に作用するものがないことから、該酵素
は、既知のプロテアーゼとは異なる触媒活性部位を持つ
と推定されている。
【0005】また、該酵素は構造的には、14種類(α
型7種類、β型7種類)の異なるサブユニットのダイマ
ーからなる総数28個の多成分複合体である。
【0006】また、沈降係数20S、分子量は約75万
と推定され、プロテアーゼとしては例外的に大きい。
【0007】また、該酵素を電子顕微鏡で観察すると7
種類のサブユニットが環状構造を形成し、これがα(1-
7) β(1-7) β(1-7) α(1-7) の4層構造をとる特異的
な分子形状を有していることが認められた(臨床免疫、
25、1578-1589 、1993)。
【0008】さらに、ヒトプロテアソームは、少なくと
も14種類のサブユニットより、構成されていることが
わかり、このうちα型サブユニット群として、HC2、
HC3、HC8、HC9(Biochim. Biop
hys. Acta.,1089,95−102,19
91)、β型サブユニット群として、HC5(Bioc
him. Biophys. Acta.,1089,
95−102,1991)、HC7−I、HC−10I
I、HN3(Biochim. Biophys. A
cta.,1219,361−368,1994)、h
LMP7(Nature,353,357−360,1
991)、hLMP2(Nature,353,667
−668,1991)、X、Y(Science,26
5,1231−1234,1994)等の1次構造が明
かになった。
【0009】かかるプロテアソームは、非リソゾーム系
蛋白質分解経路における主要酵素であり、蛋白質の修飾
による機能制御や蛋白質の代謝回転の調節など多彩な生
理作用を有していると推定される。
【0010】さらに、最近、プロテアソームが内在性抗
原のプロセシング酵素であると考えられており、注目さ
れている。これは、クラスI MHC抗原の提示に欠陥
をもつB細胞変異株が分離され、それらがクラスII
MHC領域約200kbに欠失のあることが判明したこ
とによる。この領域には、TAP1、TAP2とよばれ
るペプチドを細胞質から小胞体へ移送させるトランスポ
ーター蛋白質の遺伝子がコードされており、その近傍に
は、LMP2、LMP7とよばれるプロテアソームのサ
ブユニットをコードする遺伝子が存在することが判明
し、プロテアソームの内在性抗原のプロセシングにおけ
る重要性が高まっている(Trendsin Cell
Biol.,2,81,1992)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】プロテアソームは、こ
のような20S型複合体として見いだされた。
【0012】さらに、本発明者等は最近、多数の制御因
子群がこの20Sプロテアソームに可逆的に結合し、分
子量約200万、沈降係数26Sの巨大な複合体を形成
していることを見いだし、26Sプロテアソームと命名
した(特開平5−292964号公報、特開平6−02
2759号公報)。
【0013】しかしながら、ヒトプロテアソームを構成
するサブユニットのうち、この26Sプロテアソーム制
御因子群の詳細は明かにされておらず、そのサブユニッ
トの詳細を明かにし、各種病態の診断、および治療法を
確立することが強く要請されている。
【0014】そこで、本願発明者らは、このような状況
を踏まえ、上記26Sプロテアソームについて、その構
成因子である個々のサブユニットの構造、機能等につい
て鋭意研究を重ねた結果、新規な多機能プロテアーゼ、
すなわち、ヒトのプロテアソームの構成因子であるサブ
ユニットP58について解明し、本発明を完成するに至
った。
【0015】すなわち、本発明はヒト26Sプロテアソ
ームの構成因子のサブユニットP58のポリペプチドの
アミノ酸配列を提供することを目的とするものである。
【0016】また、本発明は上記ヒトプロテアソームの
構成因子のうちサブユニットP58のポリペプチドをコ
ードする遺伝子の塩基配列を提供することを目的とする
ものである。
【0017】さらに、本発明はサブユニットP58に対
する抗体、ポリヌクレオチドプローブ及びアンチセンス
ポリヌクレオチドを提供することを目的とするものであ
る。
【0018】さらに、本発明は、前記抗体やポリヌクレ
オチドを利用したヒトプロテアソームの酵素機能の解明
に使用可能な方法および、免疫疾患をはじめ各種病態の
診断に有用な方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記目
的を達成可能とするため、前記プロテアソームについ
て、その構成因子である個々のサブユニットの構造、機
能等について詳細に研究を重ねた結果、ヒトの26Sプ
ロテアソームの構成因子であるサブユニットP58につ
いて解明した。
【0020】さらに、上記の知見に基づき、各種病態の
診断に有用な方法を提供することが可能となった。
【0021】すなわち、本発明者らは、上記サブユニッ
トP58を単離すること、上記サブユニットP58のポ
リペプチドのアミノ酸配列を決定すること、さらに上記
サブユニットP58のポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチドの塩基配列及びアンチセンスポリヌクレオチ
ドの塩基配列を決定した。
【0022】さらに本発明においては、上記ポリペプチ
ドP58の相補的ポリヌクレオチドをプローブとして用
いることにより各種ヒト臓器での該サブユニットのmR
NA発現量を定量可能とする。
【0023】また、本発明においてはサブユニットP5
8の抗体を作製可能とし、上記抗体を用いた各種細胞に
おけるこれらのサブユニットを免疫測定により定量可能
とする。
【0024】より詳しくは、本発明は、上記の目的を達
成するため、本発明者等の方法(特開平5−29296
4号公報、特開平6−022759号公報)を用いて、
ヒト26SプロテアソームサブユニットP58を電気泳
動法で単離同定し、得られるポリペプチドのフラグメン
トのアミノ酸配列からサブユニットP58のアミノ酸配
列のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの全塩
基配列を決定し、さらに上記の知見に基づき、サブユニ
ットP58の全アミノ酸配列を決定するものである。
【0025】さらに、本発明は、サブユニットP58の
ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオ
チドの相補的ポリヌクレオチドを作製可能とし、これを
用いて各種ヒト臓器におけるプロテアソームmRNAの
発現量を定量することを可能にし、免疫疾患等の診断方
法に使用可能とするものである。
【0026】さらに、本発明は、ヒトプロテアソームサ
ブユニットP58に対する抗体を作成可能とし、これら
の抗体を用いて、各種細胞中のそれぞれのサブユニット
を定量することを可能にし、免疫疾患等の診断方法に使
用可能とするものである。
【0027】さらに、本発明は前記サブユニットP58
をコードする塩基配列よりアンチセンスポリヌクレオチ
ドを提供可能とし、該アンチセンスポリヌクレオチドを
利用した疾患の治療方法を提供するものである。
【0028】上記をさらに具体的に以下に述べる。
【0029】本発明は、配列表の配列番号1に記載のア
ミノ酸配列からなるポリペプチドに関する。
【0030】また、本発明は、配列表の配列番号1に記
載のアミノ酸配列のうち、1又は2以上のアミノ酸を置
換、欠失又は付加した前記に記載のポリペプチドの変異
体であって、前記ポリペプチドを含むプロテアソームが
有する、20Sプロテアソームのプロテアーゼ活性をア
クチベートする活性を、実質的に有するポリペプチドに
関する。
【0031】また、本発明は、前記ポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドに関する。
【0032】また、本発明は、配列表の配列番号2に記
載の塩基配列からなるポリヌクレオチドに関する。
【0033】また、本発明は、前記記載のポリペプチド
のうち連続する少なくとも8のアミノ酸からなるポリペ
プチドに関する。
【0034】また、本発明は、前記記載のポリヌクレオ
チドのうち連続する少なくとも12の塩基からなるポリ
ヌクレオチド又はそれに相補的なポリヌクレオチドに関
する。
【0035】また、本発明は、前記記載のポリペプチド
に反応する抗体に関する。
【0036】また、本発明は、プロテアソームサブユニ
ットP58を、該サブユニットとその抗体との特異性を
利用して測定して疾患を診断するためのキットであっ
て、前記記載の抗体を含むことを特徴とする疾患診断用
キットに関する。
【0037】また、本発明は、プロテアソームサブユニ
ットP58のmRNAを測定して疾患を診断するための
キットであって、前記記載の少なくとも12の塩基から
なるポリヌクレオチド又はそれに相補的なポリヌクレオ
チドを含むことを特徴とする疾患診断用キットに関す
る。
【0038】また、本発明は前記のポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドを含む組換えプラスミドによっ
て宿主細胞を形質転換した形質転換体に関し、好ましく
は、該宿主細胞が大腸菌である前記の形質転換体に関す
る。
【0039】また、本発明は、前記のポリペプチドに対
するアンチセンスポリヌクレオチド又はそのフラグメン
トであって、プロテアソームサブユニットP58の生合
成を抑制できることを特徴とするアンチセンスオリヌク
レオチド又はそのフラグメントに関する。
【0040】なお、本明細書および図面において、塩基
やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC- I
UBによる略号あるいは当該分野における慣用の略号を
使用した。
【0041】 DNA デオキシリボ核酸 A アデニン C シトシン G グアニン T チミン Ala (A) アラニン Arg (R) アルギニン Asn (N) アスパラギン Asp (D) アスパラギン酸 Cys (C) システイン Gln (Q) グルタミン Glu (E) グルタミン酸 Gly (G) グリシン His (H) ヒスチジン Ile (I) イシロイシン Leu (L) ロイシン Lys (K) リジン Met (M) メチオニン Phe (F) フェニルアラニン Pro (P) プロリン Ser (S) セリン Thr (T) スレオニン Trp (W) トリプトファン Tyr (Y) チロシン Val (V) バリン
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0042】(ヒト26Sプロテアソームのサブユニッ
トP58のポリペプチド)以下で説明する方法により塩
基配列が決定されたヒト26Sプロテアソームのサブユ
ニットP58のポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チドから決定されるサブユニットP58のポリペプチド
のアミノ酸配列は配列表の配列番号1に記載のアミノ酸
配列である。前記ポリペプチドの計算上の分子量は、6
0849であり、等電点は、8.45である。
【0043】本発明に係るサブユニットP58は、上記
のアミノ酸配列のN末端にメチオニンが結合していない
ポリペプチド、および上記アミノ酸配列のN末端にヒト
プロテアソームのサブユニットP58のためのシグナル
ペプチドの一部もしくは全部が結合した中間体又は欠損
した中間体も含包する。
【0044】また、自然の変異によりまたは人工の変異
により、ポリペプチドの主たる活性に変化を与えること
なく、ポリペプチドをコードするDNAの構造の一部を
変化させることが可能である(例えば、Molecul
ar Cloning 2nd Edition,Co
ld Spring Harbor Laborato
ry Press,1989,15.1−15.113
ページ参照)。このとき、前記のDNAがコードするポ
リペプチドのアミノ酸配列は、1又は2以上のアミノ酸
が置換、欠失又は付加された変異体となる場合がある。
本発明のヒトプロテアソームのサブユニットP58のポ
リペプチドは、該変異体に相当する構造を有するポリペ
プチドも含包する。
【0045】(ヒト26Sプロテアソームの調製)本発
明に係るヒト26Sプロテアソームは本発明者等の方法
(特開平5−292964号公報)に準じ、ヒト細胞、
組織細胞等の各種動物細胞から、バイオゲルーA、Qー
セファロス、ハイドロキシアパタイトを吸着体としたク
ロマトグラフィー、グリセロール密度勾配遠心法等の操
作で単一に精製することが可能である。
【0046】さらに、26Sプロテアソーム制御因子群
のみの精製は、以下の方法、すなわち、ヒト株化細胞、
組織細胞等をはじめ各種動物細胞から出発物質を調製
し、バイオゲル、ハイドロキシアパタイト、グリセロー
ルグラディエント等の方法により調製可能である。
【0047】以下、その調製法を順に説明する。
【0048】(1)ヒト細胞や組織等を緩衝液(25m
M Tris−HCl(pH7.5)、10mM β−
メルカプトエタノール、2mM ATP、 250mM
Sucrose)を用いてホモジナイズし、さらに1
0000×gで30分間遠心する。
【0049】(2)上記遠心で得られた上澄をさらに7
0000×gで1時間遠心する。
【0050】(3)得られた上澄をさらに70000×
gで5時間遠心する。
【0051】(4)得られた沈殿物を25mM Tri
s−HCl(pH7.5)、10mMβ−メルカプトエ
タノール、0.5mM ATP、20%グリセロールの
緩衝液(緩衝液Aとする)に懸濁する。
【0052】(5)得られた懸濁サンプルを緩衝液Aで
平衡化したBio−Gel A(バイオラッド社)1.
5mカラムにより26Sプロテアソーム画分を集める。
26S画分の分画にはプロテアーゼ活性としてキモトリ
プシン様活性、トリプシン様活性、V8プロテアーゼ様
活性、ユビキチン分解活性(特開平5−292964号
公報)を指標とすることが可能である。
【0053】(6)上記画分を濃縮し、10mMリン酸
緩衝液(pH7.0)、10mM β−メルカプトエタ
ノール、0.5mM ATP、20%グリセロールで平
衡化したハイドロキシアパタイトカラムにより、10−
300mM リン酸緩衝液(pH7.0)のグラジエン
ト(10mM β−メルカプトエタノール、0.5mM
ATP、20%グリセロール)により精製する。
【0054】(7)得られた各分画を26Sプロテアソ
ーム抗体(徳島大学酵素科学研究センターより入手可
能)を用いて、イムノブロティング法(Antibod
ies,A Laboratory Manual,E
d.,Harlow et al.,p471−51
0,Cold Spring Harbor Labo
ratory,1988)により同定し、反応画分を分
離回収した後濃縮する。
【0055】(8)さらに10−30%のグリセロール
グラディエント(25mM Tris−HCl(pH
7.5)、10mM β−メルカプトエタノール、2m
M ATP)で25000回転で22時間遠心による分
画後、26S制御因子群を含む画分を(7)と同様にイ
ムノブロティング法により同定し、制御因子群を分離精
製することが可能である。
【0056】以上説明した方法の他にも、各種クロマト
グラフィーを組み合わせることにより、サブユニットP
58を含むプロテアソームの精製は可能である。例えば
牛赤血球細胞からは、J.Biol.Chem.26
9,3539−3547,1994に記載の方法に準じ
て、硫酸アンモニウムによる沈殿の後、セファクリルS
−300S、DEAE Fractogel、ハイドロ
キシアパタイトカラム等による分離精製が可能である。
【0057】なお、これら精製した26S制御因子画分
は20Sプロテアソームのプロテアーゼの活性をアクチ
ベートする活性がある。この活性を見る方法は実施例1
の(1−7)に示した。
【0058】精製したサブユニットP58を含む26S
プロテアソーム画分を、SDS−ポリアクリルアミド電
気泳動法(SDSーPAGE,Antibodies,
ALaboratory Manual,Harlow
David lane著、Cold Spring
Harbor laboratory,636−64
0,1988)や、O’Farrell等による2次元
電気泳動(J.Biol.Chem.250,4007
−4021,1975)により分離した後、ゲルをクマ
シー染色すると、分子量21−32kDの十数個の20
Sプロテアソームによるバンドとともに、分子量30−
110kDの制御因子群が含まれたバンドが観察され
る。
【0059】また精製しサブユニットP58を含む制御
因子群はSDS−PAGEや2次元電気泳動により、分
子量30−110kDの制御因子群のみのバンドとして
観察される。
【0060】(サブユニットP58の単離)上記SDS
−PAGEや2次元電気泳動によるバンドからサブユニ
ットP58を単離するには、分子量約58kDのバンド
を選ぶことにより可能である。
【0061】すなわち電気泳動法より分離同定されたサ
ブユニットP58をポリビニリデンジフルオロダイド
(PVDF)等にトランスファーすることが可能であ
る。
【0062】(プローブの作成)上記の処理後、リジル
エンドペプチダーゼなどによる各種酵素処理によりポリ
ペプチドフラグメントの混合物とし、得られたペプチド
フラグメントの混合物を高速液体クロマトグラフィーで
分離する。
【0063】上記得られたポリペプチドフラグメントの
いくつかのフラグメントのアミノ酸配列を自動アミノ酸
シークエンサー等を用いて決定することが可能である。
【0064】上記の解析によって得られたアミノ酸配列
の一部の情報をもとに、ポリヌクレオチドの検索に必要
なプローブは、得られたポリペプチドフラグメントのう
ち縮重頻度の低いものを選択し、これに対応する相補的
ポリヌクレオチドとして合成して作成することにより可
能である。
【0065】また、複数のアミノ酸配列が得られた場合
は、対応する相補的ポリヌクレオチドを組み合わせて、
ヒトのcDNAを鋳型にしてPCR法(例えば、Mic
hael A.Innis et al.,ed.,斎
藤隆 監訳、PCR実験マニュアル、HBJ出版局、1
991年)により、より長い断片のDNAプローブを得
ることが可能である。
【0066】以上のようにして、ヒトプロテソームのサ
ブユニットP58をスクリーニングするためのDNAプ
ローブが得られる。
【0067】(相補鎖DNAライブラリーの作製および
スクリーニング)本発明においてポリペプチドをコード
するポリヌクレオチドをスクリーニングするためのcD
NAライブラリーの作製は、一般的な方法を使用可能で
あり例えば次のステップにより可能である。
【0068】すなわち、(i)ヒトプロテアソーム産生
細胞からメッセンジャーRNA(mRNA)を分離し、
(ii)該mRNAから、単鎖の相補鎖ポリヌクレオチ
ド(cDNA)を、次いで2重鎖ポリヌクレオチドを合
成し、(iii)2重鎖ポリヌクレオチドをプラスミド
またはファージに組み込み、(iv)得られた組換えプ
ラスミドまたはファージにより適当な宿主細胞を形質転
換し、(v)得られた形質転換体を培養後、形質転換体
から、適当な方法、例えばコロニーハイブリダイゼーシ
ョンまたはプラークハイブリダイゼーションにより、目
的とするポリヌクレオチドを含有するプラスミドまたは
ファージを単離し、(vi)そのプラスミドまたはファ
ージから目的とするポリヌクレオチドを切り出し、(v
ii)該クローン化ポリヌクレオチドを適当なプラスミ
ドにサブクローニングする、というステップである。
【0069】各ステップについてさらに詳しく説明す
る。
【0070】ステップ(i):ヒトプロテアソームのサ
ブユニットP58のポリペプチドをコードするmRNA
は、種々の動物の組織、器官、産生細胞から、より具体
的には、肝臓、腎臓、心臓、脳、肺、胸腺、肝癌細胞
株、腎臓癌細胞株などから得ることができる。
【0071】また該酵素産生細胞から全RNAを調製す
る方法としては、グアニジウム/セシウムクロライド法
(Guanidiumu/Cesiumu Chlor
ide method,Maniatis,T.,Fr
itsch E.F.,and Sambrook,
J.,Molecular Cloning,Cold
Spring Harbor Laboratory
Press,194−196,1982)やグアニジウ
ムチオシアネート法 (Chomczynski,P.
et al.,Analytical Biochem
istry,162,156−159,1987)等が
一般に用いられる。
【0072】上記操作により得られる全RNAからのm
RNAの分離、精製は例えば、オリゴdT−セルロース
(コラボレイティブ リサーチ社(Collabora
tive Research社))やオリゴテックス−
dT30(タカラ社)等を用いて吸着カラム法またはバ
ッチ法により実施できる。
【0073】ステップ(ii):このようにして得られ
たmRNAを鋳型として逆転写酵素を用いて、例えばオ
カヤマ−バーグ法(Okayama,H.and Be
rg,P.,Molecular and Cellu
lar Bology,3,280,1983)やグブ
ラーとホフマンの方法(Gubler,V.andHo
ffman,B.J.,Gene,25,263−26
9,1983)等に従いcDNAを合成する。
【0074】ステップ(iii):得られたcDNAを
プラスミドやファージに組み込み、cDNAのライブラ
リーを調製する。
【0075】cDNAを組み込むプラスミドベクターと
しては、例えば、PBR322(Gene,2,95,
1977)、PBR325(Gene,4,121,1
978),PUC12(Gene,19,259,19
82)、PUC13(Gene,19,259,198
2)、PUC18(Gene,33,103,198
5)、PUC19(Gene,33,103,198
5)、PUC118(Methods in Enzy
mology,153,3,1987)、PUC119
(Methods in Enzymology,15
3,3,1987)、Bluescript II(N
ucleic Acids.Res.,17,949
4,1989)、などが挙げられるが、その他のもので
あっても、宿主内で複製保持されるものであれば、いず
れも用いることができる。
【0076】また、cDNAを組み込むファージベクタ
ーとしては、例えば、λgt10(Huynh,T.
V.,Young,R.A.and Davis,R.
W.,DNA cloning,A Practica
l Approach,IRLPress,Oxfor
d,1,49,1985)、λgt11(Proc.N
atl. Acad. Sci.,U.S.A.,8
0,1194,1983)又はλZAPII(Nucl
eic Acids.Res.,17,9494,19
89)などが使用可能であるが、その他のベクターであ
っても、適当な宿主内で増殖できるものであれば良い。
【0077】プラスミドにcDNAを組み込む方法とし
ては、例えば、サンブルーク(Sambrook,
J.)らの方法(Molecular Clonin
g,A Laboratory Manual,Col
d Spring HarborLaboratory
Press,1.53−1.73,1989)などが
挙げられる。
【0078】また、ファージベクターにcDNAを組み
込む方法としては、例えば、Hyunh,T.V.等の
方法(DNA cloning,A Practica
lApproach,IRL Press,Oxfor
d,1,49,1985)などが使用可能である。
【0079】ステップ(iv):上記の方法により得ら
れたプラスミドやファージベクターは、これを適当な宿
主たとえば、エシェリヒア コリ(Escherich
iaColi)、バチルススブチリス(Bacillu
s subtilis)、サッカロミセス セレビシア
エ(Saccharomyces cerevisia
e)等に導入して、これを形質転換できる。
【0080】プラスミドベクターで宿主を形質転換する
方法としては、例えば、Molecular Clon
ing,Cold Spring Harbor La
boratory Press,1.74−1.84,
1989)記載のエレクトロポーレーション法あるいは
カルシウムクロライド法などが挙げられる。また、ファ
ージベクターを、例えば、増殖させた大腸菌にインビト
ロパッケージング法を用いて導入することができる。
【0081】ステップ(v):上記方法によるcDNA
から目的のヒトプロテアソームのサブユニットP58の
cDNAを選択するには、例えばラベル化したプローブ
を用いたコロニーハイブリダイゼーション法または、プ
ラークハイブリダイゼーション法 (Molecula
r Cloning,Cold Spring Har
bor Laboratory Press,1.85
−1.104又は2.112−2.120,1989)
などが使用可能である。
【0082】上記のハイブリダイゼーションにおけるプ
ローブとして用いるポリヌクレオチドとしては、サブユ
ニットP58とハイブリダイズするポリヌクレオチドで
あれば、何でもよい。例えば、サブユニットP58のア
ミノ酸配列に基づいて化学合成したオリゴヌクレオチ
ド、あるいはプロテアソームのp58をコードするcD
NA、ゲノムDNA及びこれらの部分DNA等がサブユ
ニットとハイブリダイズ可能であるかぎり使用可能であ
る。
【0083】さらに、プロテアソームの他のコンポーネ
ントをコードするcDNA、ゲノムDNA、化学合成D
NA、およびこれらの部分DNAも、サブユニットとハ
イブリダイズ可能であるかぎり使用可能である。
【0084】以上のようにして、ヒトプロテアソームの
サブユニットP58をコードするポリヌクレオチドが調
製可能となる。
【0085】(塩基配列の決定)上記に従い得られたc
DNAの塩基配列の決定は、例えば、マキサム−ギルバ
ート(Maxiam−Gilbert)法(Metho
ds in Enzymology,65,499−5
60,1980)、ジデオキシ法(Messing,
J.et al.,Nucleic Acids Re
search,9,309,1981)、蛍光色素を用
いたTaq サイクルシークエンシング法等(Biot
echniques,7,494−499,1989)
により可能である。
【0086】決定されたヒトプロテアソームのサブユニ
ットP58のポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ドの塩基配列は、配列表の配列番号2に記載の塩基配列
である。また、前記ポリヌクレオチドがコードするポリ
ペプチドのアミノ酸配列は配列表の破裂番号1に記載の
アミノ酸配列である。
【0087】本発明に係る上記ポリヌクレオチドは、前
記配列の5’末端にATGが結合していない塩基配列か
らなるポリヌクレオチドを含む。
【0088】本発明のポリヌクレオチドはまた、ヒトプ
ロテアソームのサブユニットP58のシグナルペプチド
の部分または全部をコードする5’フランキングポリヌ
クレオチドを含むDNAも含む。
【0089】さらに、既述のように自然の変異により、
または人工的変異により、主たる活性に変化を与えるこ
となく、ポリヌクレオチドの構造およびそれから演繹さ
れるポリペプチドの構造の一部を変異せしめることが可
能である。従って、本発明に係るポリヌクレオチドは、
前述のすべてのポリペプチドの異性体に相当する構造を
有するポリペプチドをコードする塩基配列を含有するこ
とも可能である。
【0090】さらに、遺伝暗号の縮重に従い、ポリヌク
レオチドから生産されるポリペプチドのアミノ酸配列を
変えることなくそのポリヌクレオチドの塩基配列の少な
くとも一つの塩基を他の種類の塩基に置換することがで
きる。従って、本発明のポリヌクレオチドはまた、遺伝
暗号の縮重に基づく置換によって、変換された塩基配列
を含有することも可能である。この場合、上記置換によ
り得られた塩基配列より、演繹されるアミノ酸配列は配
列表の配列番号1のアミノ酸配列と一致する。
【0091】本発明のプロテアソームサブユニットP5
8のポリペプチドをコードするcDNAを含むポリヌク
レオチドは、上記の方法の他に、ヒト、ラット、マウス
などのゲノムDNAのライブラリーからのクローニング
によっても得ることができる。
【0092】これら、サブユニットP58をコードする
cDNAおよびゲノムDNAは、目的により、そのまま
あるいは制限酵素で切断して使用することが可能であ
る。
【0093】本発明により得られたサブユニットP58
のcDNAの構造は図2に示されるように、1978残
基からなり、オープンリーディングフレームは1605
残基であり、534アミノ酸をコードする。 (疾患の診断に有用な方法)上記のポリヌクレオチド又
はその一部であるポリヌクレオチドをプローブとして用
いることは、プロテアソームが関する免疫疾患等各種疾
患の診断等にも有効な手段を与える。プローブとして
は、12塩基以上の長さのポリヌクレオチドが一般に用
いられている。そのGC含有率は30−70%であるこ
とが好ましく、また長さは16塩基以上であることがさ
らに好ましい。本発明のポリヌクレオチドも配列表の配
列番号2の塩基配列のうちの前記条件を満たす一部がプ
ローブとして使用可能である。
【0094】さらにヒトプロテアソームサブユニットP
58の遺伝的多型性を調べることにより、各種疾患との
関連も明らかにでき、ポリヌクレオチド診断に有効に使
用可能となる。
【0095】また、本発明で得られたヒトプロテアソー
ムサブユニットP58の相補鎖ポリヌクレオチドをプロ
ーブとして用いることにより、各種ヒト臓器のmRNA
発現量を例えばノザンブロット解析やRT−PCR解析
(例えば、MichaelA.Innis et a
l.,ed.,斎藤隆 監訳、PCR実験マニュアル、
HBJ出版局、1991年)を行うことにより定量的に
測定可能となり、上記各種疾患の診断手段を与えるもの
である。
【0096】さらに本発明において得られたサブユニッ
トP58に対するポリクロナールまたはモノクロナール
抗体を作成することが可能である(例えば、Antib
odies,A Laboratory Manua
l,Ed.,Harlow et.al.,Cold
Spring Harbor Laboratory,
1988に記載の方法に準じて可能である)。前記抗体
を得るためには、抗原として少なくとも8以上のアミノ
酸からなるポリペプチドを免疫することが好ましい。さ
らには、実施例2で示したように15アミノ酸以上であ
ればより好ましい。
【0097】得られた抗体を用いた免疫的測定法によ
り、各種細胞中の該サブユニットの変化を定量的に測定
する手段が与えられる。
【0098】ヒトプロテアソームの遺伝子はヒト肝癌細
胞、ヒト腎癌細胞(CancerRes.,51,66
77−6685,1991)、ヒト白血病細胞などの悪
性腫瘍細胞(Proc.Natl.Acad.Sci.
U.S.A.,88,139−143,1990)にお
いて正常細胞に比較して異常に高く発現し、さらに、こ
れらの腫瘍細胞の核にプロテアソームが、異常蓄積する
ことが知られており、従って本発明に係るプロテアソー
ムのサブユニットP58をヒトの癌化のメカニズムの解
明や癌の診断および治療に有効に使用可能となる。
【0099】さらに、アルツハイマー病患者の脳内には
ユビキチンが異常蓄積し、少なくともこの疾患の原因の
一つに細胞内における蛋白質分解系の異常のあることが
示唆されており、さらにこの疾患の発現にかかわる遺伝
子の機能ドメインにはプロテアーゼ阻害剤がコードされ
ていることが知られており(Nature,331,5
30−532,1988)、非リソソーム系の蛋白分解
に関与すると考えられるプロテアソームがアルツハイマ
ー病に本質的に関係していることが示唆されている。
【0100】従って、本発明に係るヒトプロテアソーム
のサブユニットP58は、その機能および阻害メカニズ
ムの解明、および各種疾患と本酵素との関係や異常の生
じるメカニズムの解明、および治療に有効に使用可能と
なる。
【0101】(アンチセンスポリヌクレオチド)本発明
のサブユニットP58をコードするポリヌクレオチドの
塩基配列より、該サブユニットP58に対するアンチセ
ンスポリヌクレオチドが提供される。アンチセンスポリ
ヌクレオチドはサブユニットP58の生合成を抑制可能
であればその長さは限定されず、例えば、配列表の配列
番号2の全長に対するアンチセンスポリヌクレオチド
(全長)のフラグメントであってもよい。アンチセンス
ポリヌクレオチドとしては、一般に15塩基以上のもの
が適当とされている。本発明のアンチセンスポリヌクレ
オチドは化学的合成等の公知の方法で作製可能である。
また、公知の方法(例えば、癌と化学療法、20巻、1
899−1907頁、1993年を参照)により得られ
る誘導体も含まれる。
【0102】前記のように癌やアルツハイマー病でプロ
テアソームの異常蓄積が見られていることから、その発
現を抑制する本発明のアンチセンスポリヌクレオチド
が、該疾患の治療に有効に使用可能である。
【0103】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0104】(実施例1)ヒトプロテアソームのサブユ
ニットP58の遺伝子配列の決定 P58サブユニットを含む26Sプロテアソームの制御
因子群の調製 (1)プローブの調製 (1−1)出発物質の調製 牛赤血球細胞の26Sプロテアソーム制御因子群は以下
に記載の方法に準じて精製可能である。以下説明する。
【0105】牛血液をヘパリン存在下で収集し、200
0×gで1時間遠心し赤血球細胞を集めた後、得られた
沈殿を4倍体積のリン酸緩衝液に懸濁し、再沈殿するこ
とにより洗浄した。この操作を4回繰り返した。
【0106】なお、以下のステップは特に述べない限り
4℃で行った。
【0107】赤血球細胞に3倍体積の溶解バッファー
(バッファーH:20mMTris−HCl、pH7.
6、20mM NaCl、1mM EDTA、1mM
βーメルカプトエタノール)を加えて10分間攪拌して
溶解した。これを13,000×gで60分間遠心し、
上清を除去して、保存した。
【0108】沈殿は再度バッファーHに懸濁し、遠心し
た後上清を最初の上清に加えた。
【0109】この上清画分を20mM Tris−HC
l(pH7.6)、20mM NaCl、0.5mM
MgCl2 、0.1mM EDTA、5mM βーメル
カプトエタノール、10%グリセロールからなる緩衝液
に対して透析処理を行った。
【0110】(1−2)DE52による調製 上記の透析画分5mlに対し、バッファーHで平衡化し
たDE52(Whatman社)1mlを添加した。
【0111】該レジンに結合している蛋白を、0.5M
NaClを含むバッファーH中で該レジンを10分間
緩やかに攪拌することにより溶出した(レジン:0.5
MNaCl/バッファーH=1:1(v/v))。さら
に0.5M NaClを含む少量のバッファーHで溶出
し、ヘモグロビンを含まない赤血球細胞からの抽出画分
を得た。
【0112】(1−3)硫安沈殿 上記得られた画分に38%飽和になるように30分間を
かけてゆっくりと攪拌しながら硫安(硫酸アンモニウ
ム)を添加した。
【0113】さらに30分間攪拌して沈殿した蛋白を遠
心により集めた。
【0114】この沈殿をダンス(DOUNCE)ホモジ
ナイザーを用いて大量のバッファー中に再懸濁し、さら
に遠心し沈殿蛋白を得た。
【0115】沈殿は少量のバッファーHに溶解し、10
0mMになるようにNaClを添加し、100mM N
aCl/バッファーHに対して16時間透析した。
【0116】透析後、不溶物を30,000×g、30
分間遠心して除き、上清画分を得た。
【0117】(1−4)セファクリルS−300 セファクリルS−300(ファルマシア社、100×5
cm)カラムをバッファーHで平衡化後、(1−3)で
得た画分をアプライし、100mM NaClを含むバ
ッファーHで溶出し、11mlずつフラクションを集め
た。
【0118】フラクションのうち20Sプロテアーゼ活
性促進の高い画分を集めた。活性画分の測定は(1−
7)に記載した。
【0119】(1−5)DEAE Fractogel (1−4)の活性画分をバッファーHで平衡化したDE
AE Fractogel(EM Separatio
n、10×2.5cm)にアプライし100mM−30
0mM NaCl/バッファーHによるリニアグラジエ
ントで溶出し、11mlずつフラクションを集めた。
【0120】得られたフラクションのうち、活性画分の
高い画分を集め20mMリン酸緩衝液(pH7.6)に
対して透析を行った。
【0121】(1−6)ハイドロキシアパタイト (1−5)で得られた画分をバッファーHで平衡化した
ハイドロキシアパタイト(BioRad社、7x25c
m)にアプライし、リン酸緩衝液(20−200ml)
のリニアグラジエントにより8mlずつ各フラクション
を溶出し集めた。
【0122】上記各フラクションの活性画分を集め、バ
ッファーHで透析し、1mg/mlの濃度になるまでア
ミコンPM10メンブランで濃縮した。
【0123】(1−7)活性画分の測定方法 26Sプロテアソーム制御因子群の活性の測定は、20
Sプロテアソームと制御因子群を混合して20Sプロテ
アソームのペプチダーゼ活性を測定する方法により可能
である。反応は、5mM Tris−HCl(pH8.
0)、5mMジチオスレイトール(DTT)、60μM
ATP、10mM MgCl2中、0.3μg 20
Sプロテアソームと精製各段階の制御因子群を添加して
最終容積50μlで行った。
【0124】この反応液を、37℃で45分間プレイン
キュベートし、50mM Tris−HCl(pH8.
0)、5mM β−メルカプトエタノール、50μM
20Sプロテアソーム、Suc−Leu−Leu−Va
l−Tyr−AMC ( キモトリプシン様活性を測定す
るための合成基質)からなる溶液に添加し10分間イン
キュベートして、蛍光を測定した。
【0125】制御因子群にアクチベート活性があれば、
20Sプロテアソームによる合成基質の分解活性が上昇
することから、活性画分を同定可能となる。
【0126】(2)P58サブユニットのアミノ酸配列
の決定 (2−1)P58サブユニットの単離 (1)の処理で得られた26Sプロテアソーム制御因子
群蛋白を逆相高速液体クロマトグラフィー(Shode
x RS Pak D4−613 カラム 6×150
mm)を使用し以下の条件で分離した。
【0127】分離条件: 流速 0.75ml/min 温度 50℃ 溶媒A 0.06% トリフルオロ酢酸(TFA) 溶媒B 0.05%TFA/70%アセトニトリル/3
0%水 64%A,36%Bによりカラムを平衡化し、36−7
0%のB溶媒を用いたグラジエントで溶出した。
【0128】214nmの波長で検出し、ピーク画分を
スピードバックコンセントレータ(Savant In
struments社) で乾燥した。
【0129】(2−2)電気泳動による分離 上記得られた乾燥サンプルはSDSサンプルバファーに
溶解し、10% SDS−PAGE(Antibodi
es,A Laboratory Manual,Ha
rlow David lane 著、Cold Sp
ring Harbor laboratory,63
6−640,1988)により分離した。
【0130】電気泳動が終わったゲルは、イモビロン−
PVDFメンブラン(ミリポア社製)にセミドライエレ
クトロブロティング装置ザルトブロットII−S(ザル
トリウス社製)を用いてトランスファーした。
【0131】蛋白質をブロットした膜フィルターは、蒸
留水で洗浄した後、クマシーブルー染色液(0.2%ク
マシーブリリアントブルーR250を含む40%メタノ
ール、10%酢酸溶液)で染色後、脱色液(60%メタ
ノール溶液)に浸し、振とうしてバックグラウンドを脱
色した。
【0132】このメンブラン上の58kDの位置のスポ
ットを切出し、in situでL−1−tosyla
mido−2−phenyl chloromethy
lketone処理トリプシン(Worthingto
n Enzymes社)、又はLys−Cプロテアーゼ
(ベーリンガーマンハイム社)により酵素処理した。生
成したペプチドはHPLC(パーキンエルマー社製)に
よって分離精製した(流速50μl/min、0.1%
TFAを溶媒とし0−70%のアセトニトリルによるグ
ラジエント、RP300カラム(2.1×100m
m)。
【0133】得られたポリペプチドフラグメントのいく
つかをペプチドシークエンサー(パーキンエルマー社製
プロテインシークエンサー497型分析装置)により解
析を行った。
【0134】以上のアミノ酸解析により次の7種類のプ
プチドフラグメントのアミノ酸配列を決定した(J.B
iol.Chem.269,20878−20884,
1994)。
【0135】 フラグメント1;AKPPPGGGEQEPPPPPA
PQDVEMK フラグメント2;ELDTVTLEDIKEHVK フラグメント3;DFLLPFLEEPMDTEADL
QFR フラグメント4;VYEFLDKLDVV フラグメント5;HDXDGQATLLNLLLR フラグメント6;SVFPEQANNNEWAR フラグメント7;LQLDSPEDAEFIVAK ただし、Xは決定できなかったアミノ酸を示す。
【0136】(3)プライマーの合成 得られた上記のペプチドフラグメントの配列から縮重度
の低い配列として、フラグメント1からQDVEMKE
E、フラグメント7からFAKEMAEDの配列を選択
した。
【0137】次に、これら選択したポリペプチドに対応
する相補的オリゴヌクレオチドとして、フォワードプラ
イマーとして5’−CAGGATGTGGAGATGA
AAGAGGAG−3’を選び,リバースプライマーと
して5’−ATCCTCCGCCATCTCCTTGG
CAAA−3’をDNA合成機380B(アプライドバ
イオシステムズ社製)で合成した。
【0138】得られたオリゴヌクレオチドをオリゴヌク
レオチドカートリッジ(アプライドバイオシステムズ社
製)を使用して精製した。
【0139】(4)cDNAライブラリーの調製 (4−1)cDNAの調製 ヒト肝細胞癌HEPG2(ATCCから入手可能)か
ら、(3−2)記載のグアニジウムチオシアネイト法
(Anal.Biochem.,162,156−15
9,1987)によって全RNAを分離した。全RNA
からオリゴ(dT)ラテックス(タカラ社;Oligo
tex−dT30)を用いて(3−2)記載の方法と同
様にHEPG2細胞からmRNA10μgを得た。
【0140】上記の方法によって得られたポリ(A)+
RNAから、ファルマシア社製TimeSaver c
DNA合成キットを用いてcDNAを得た。
【0141】より詳しくは、オリゴdTプライマーを上
記mRNAのポリA部分にアニールさせ、逆転写酵素
(Murine Reverse Transcrip
tase)により、1本鎖DNAを合成し、E. col
i DNAポリメラーゼ1により、2本鎖cDNAとし
て合成した。
【0142】得られた上記cDNAの両端にNotI/
EcoR Iアダプターを付加するため、T4DNAラ
イゲース処理およびポリヌクレオチドキナーゼ処理を行
ない、両端にEcoR I制限酵素切断部位をもつcD
NAを得た。
【0143】(4−2)インビトロパッケージング反応 得られた両端にEcoR I制限酵素切断部位をもつc
DNAをクローニングベクターであるλZAPII(S
tratagene社製、EcoRI/CIAP処理λ
ZAPIIを含むλZAPIIクローニングキット)の
EcoRI部位にT4DNAリガーゼを用いて挿入し
た。
【0144】ライゲーション反応溶液1mlを用いて、
GigapackII Goldpackaging
extract(Stratagene 社)によりパ
ッケージングを行った。
【0145】パッケージングした組換えバクテリオファ
ージを含むパッケージング溶液と大腸菌SURE2を3
7℃で15分間培養した。
【0146】これを2−3mlのトップアガー(48
℃)に加えNZYアガープレートへプレーティングし
て、37℃で1夜培養した。
【0147】150mm NZYプレートにて約50,
000個のプラークを培養した。10枚のプレートにま
いて培養した、約5x105 個のプラークをスクリーニ
ング用に用いた。
【0148】(5)クローンの単離 (5−1)スクリーン用フィルタの調製 NZYプレートを4℃で2時間冷却し、このプレート上
にナイロンフィルタ(アマシャム社、ハイボンドN+)
をのせ、2分間放置した。
【0149】これをはがしてフィルターペーパ上で乾燥
し、紫外線照射により固定してスクリーニング用フィル
ターを調製した。
【0150】これを用いて以下のハイブリダイゼーショ
ンを行った。
【0151】(5−2)ハイブリダイゼーションのため
のプローブは(1)で得られたDNAプローブを、ラン
ダムプライムラベリング法(タカラ社;ランダムプライ
マDNAラベリングキットVer.2)で32P−dCT
P(アマシャム社)標識したものを使用した。
【0152】プレハイブリダイゼーション溶液として、
5×SSC(0.15M NaCl、0.015M ク
エン酸ナトリウム(pH7.0))、50%フォルムア
ミド、1×denhardt(0.2%ウシ血清アルブ
ミン(Fraction V)0.2%ポリビニルピロ
リドン、0.2%Ficoll400)溶液、0.1%
SDS、200μg/mlサーモンスパームDNAを用
いた。
【0153】フィルターは42℃、3時間、プレハイブ
リダイゼーション溶液でインキュベートし、続いて標識
プローブを加えたハイブリダイゼ−ション溶液(10%
dextran sulfateを含むプレハイブリダ
イゼーション溶液)で42℃、16時間、インキュベー
トしてハイブリダイゼーションを行った。
【0154】以上の操作により4個のポジティブクロー
ンが得られた。
【0155】(6)in vivo excision
(きりだし)による大腸菌組換え体の作成 (5−2)で得られたアガープレート中のポジティブZ
APファージクローンのプラークの中心を竹くしでつ
き、500μlのSM緩衝液と20μlのクロロフォル
ム混合液中に溶出し、ボルテックスをした後、一夜放置
した。
【0156】大腸菌XL−1 Blue 200μlと
ポジティブファージクローン200μl(>1x105
ファージパーティクル)、ヘルパーファージ R408
1μl(>1x106 pfu/ml)を50mlチュ
ーブにて混合し37℃、15分間で、ZAPとヘルパー
ファージを感染させた。
【0157】5mlの2×YT培地(10g NaC
l、10g Bacto YeastExtract、
16g Bactotryptone/1l)を加え、
37℃で3時間振とうしながら培養し、大腸菌よりファ
ージミドを分泌させた。
【0158】70℃で20分間熱処理した後、4000
×gで5分間遠心し、菌体を死滅させた。
【0159】上清のファージミドを別の試験管に移し
た。
【0160】この上清にはpBluescriptSK
(−)粒子が含まれており、この上清200μlあるい
は100倍に希釈した溶液20μlとSURE2(ST
RAGENE社)200μl(OD600=1.0)を
混合し37℃で15分間混合し感染させた。
【0161】1−100μlの培養液をLB/Ampプ
レートにプレーティングした後、37℃で一晩培養し
た。
【0162】表れたコロニーはインサートDNAを含む
2本鎖のpBluescriptSK(−)をもった大
腸菌(SUERE2)形質転換体である。
【0163】4個のポジティブクローンの大腸菌からプ
ラスミドをQIAprepPlasmidキット(Qu
iagen社) を用いて調製し、制限酵素NotIで切
断して、そのうち最も長いインサート(約2kb)をも
つクローンについて以下のDNA塩基配列の決定を行っ
た。
【0164】なおこのヒトプロテアソームサブユニット
P58の大腸菌SURE2形質転換体についてはhu−
P58/SUREと命名して、工業技術院生命工学工業
技術研究所に平成8年8月27日に寄託した(受託番
号:FERM P−15810)。
【0165】(7)塩基配列の決定 上記で得られた約2kbのクローンの塩基配列を、パー
キンエルマー社製DNAシークエンサー373Aを用
い、Taqサイクルシークエンシング法により決定し
た。
【0166】得られたサブユニットP58のcDNAの
制限酵素切断部位を図1に、また塩基配列の解析結果を
図2に示す。
【0167】決定した塩基数は1978残基で、オープ
ンリーディングフレームは1605残基であり、534
個のアミノ酸がコードされている。
【0168】計算上の分子量は60849であり、等電
点は、8.45である。
【0169】図2の下線部は、(2−2)記載の牛赤血
球より精製したP58から決定されたペプチドシークエ
ンスと相同性のある部分を示すものである。
【0170】(実施例2)ヒトプロテアソームサブユニ
ットP58に反応するポリクローナル抗体の作製 (1)サブユニットP58の他のATPaseサブユニ
ットとホモロジーのない部分であるc末端側15アミノ
酸(MQKDSEKNMSIKKLWK)を選択し、こ
のペプチドのN末端にシステインを付加したペプチドを
F−Moc法(Solid Phase Peptid
e synthesis,A practical a
pproach,IRL Press,Oxford,
1989,Atherton,E.,Sheppar
d,R.C.著)により、パーキンエルマー社製ペプチ
ド合成機433Aを用いて合成した。
【0171】合成したポリペプチドの脱保護および精製
は、抗ペプチド抗体実験プロトコール、大海忍 他著、
秀潤社、25−46ページに記載の方法で行った。
【0172】なお脱保護基後のペプチドの精製はC18
ODSカラム(島津社Syn ProPepカラム、
4.6×150mm、0.1%TFA、0−80%アセ
トニトリルグラジエント)を用いた。
【0173】(2)上記ペプチドにヘモシアニン(KL
H)をイムジェクトアクチベイテッドイムノグロビンコ
ンジュゲイションキット(ピアス社)を用いて結合さ
せ、ペプチド−KLH複合体を上記のキット中のカラム
により調製した。
【0174】(3)初回に、上記複合体約150μgを
フロインドの完全アジュバント(FCA、キャペル社)
とともにエマルジョンにし、ラビット(ジャパニーズホ
ワイト)の背中に免疫した。その後2週間おきに3回、
完全アジュバンドの代わりに不完全アジュバント(FI
A)を用いて同様に免疫した。
【0175】初回免疫後7、8、9週目にELISA法
により抗体価を測定し、後抗体価の上昇を確認後全採血
を行なった。
【0176】(4)ウサギ血液は、室温で3時間静置
後、セパラピッドチューブ(積水化学)にアプライし、
3000回転で30分間の遠心によりサブユニットP5
8に対する抗血清を得た。
【0177】(実施例3)ヒトプロテアソームのサブユ
ニットP58の発現解析 (1)ヒト腎臓から精製したヒト20S(図3Aレーン
1)および26Sプロテアソーム(特開平5−2929
64号公報、特開平6−022759号公報)(図3A
レーン2)をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動(A
ntibodies,A Laboratory Ma
nual,Harlow David lane著、C
old Spring Harbor laborat
ory,636−640,1988)で分離し、これを
クマシー染色した。
【0178】その結果、20Sプロテアソームは、分子
量20kD−30kDのバンドとして観察され、26S
プロテアソームは20Sプロテアソームと30−110
kDの制御因子が結合した複合体であることがわかる。
【0179】また図3Bは26Sヒトプロテアソーム制
御因子群のみを精製し、SDS−PAGE後クマシー染
色(図3Bレーン3)したものとP58の抗体を用いて
イムノブロットした結果を示したものである(図3Bレ
ーン4)。
【0180】イムノブロットの結果から、分子量約60
kDの位置に、p58抗体と反応する蛋白質が存在する
のが確認された。
【0181】従って、P58サブユニットから作成され
る抗体を用いれば、ヒトの組織でもP58の発現を解析
することが可能である。
【0182】(実施例4)プロテアソームサブユニット
P58の相補鎖ポリヌクレオチドをプローブに用いて、
各種ヒト臓器でのmRNA発現量のノザンブロット解析
を行った(J.Biochem.,115,257,1
994)。
【0183】プローブとしては、実施例1(6)で得ら
れた組み換え体を使用し、プラスミドDNAを大腸菌S
URE2より、QIAwell Plasmid Pu
rification System(QIAGEN
社)にて調製した。このプラスミドを制限酵素NotI
(タカラ社)で処理後、2%アゲロースゲル電気泳動で
分離して、2.0kbのサブユニットP58のプローブ
をQIA quickGEI Extraction
Kit(QIAGEN社)で調製した。
【0184】これをマルチプライムDNA標識システム
(アマシャム社)で32P標識してプローブとして用い
た。
【0185】フィルターは、各種ヒト臓器(心臓、脳、
胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓)より抽出したm
RNA(2μg)がブロットされたポジチィブチャージ
ドナイロンフィルター(Human Multi Ti
ssue NorthernBlot、クローンテック
社)を用いた。
【0186】プレハイブリダイゼーション溶液として、
5×SSC(0.15M NaCl、0.015M ク
エン酸ナトリウム(pH7.0))、50%フォルムア
ミド、1×denhardt(0.2%ウシ血清アルブ
ミン(Fraction V)、0.2%ポリビニルピ
ロリドン、0.2%Ficoll400)溶液、0.1
%SDS、200μg/mlサーモンスパームDNAを
用いた。
【0187】フィルターは42℃、3時間、プレハイブ
リダイゼーション溶液でインキュベートし、続いて標識
プローブを加えたハイブリダイゼ−ション溶液(10%
dextran sulfateを含むプレハイブリダ
イゼーション溶液)で42℃、16時間、インキュベー
トしてハイブリダイゼーションを行った。
【0188】フィルターは2×SSC、0.1%SDS
で42℃、15分間で4回洗浄し、さらに1×SSC、
0.1%SDSで30分間1回洗浄した。
【0189】オートラジグラフィーは、Kodal X
AR−5フィルムを用いて、−70℃で行った。
【0190】オートラジオグラフィーの結果を図4に示
す。各スポットの発色強度を表1に示す。発色強度の強
い順に、++++、+++、++、+と4段階で示し
た。
【0191】
【表1】
【0192】プロテアソームサブユニットP58は、約
1.8kbのmRNAと反応し、その発現量について
は、心臓、骨格筋で高く、腎臓、肺では低い発現である
ことが明確に定量可能であった。このことより、本発明
のプローブを用いて、mRNA発現量を測定することが
可能である。
【0193】
【発明の効果】ヒトプロテアソームを構成する個々のサ
ブユニット特にサブユニットP58のポリペプチド又は
該アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを利用す
ることで、プロテアソームが関与する癌やアルツハイマ
ー病免疫疾患等の各種疾患の診断及び治療が可能とな
る。
【0194】また、前記ポリペプチドに対する抗体の免
疫反応を利用した方法によっても前記疾患の診断及び治
療が可能となる。
【0195】さらに前記ポリペプチドに対するポリヌク
レオチド又はアンチセンスポリヌクレオチドを利用する
方法によっても前記各種疾患の診断および治療が可能と
なる。
【0196】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:534 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Lys Gln Glu Gly Ser Ala Arg Arg Arg Gly Ala Asp Lys Ala Lys 1 5 10 15 Pro Pro Pro Gly Gly Gly Glu Gln Glu Pro Pro Pro Pro Pro Ala Pro 20 25 30 Gln Asp Val Glu Met Lys Glu Glu Ala Ala Thr Gly Gly Gly Ser Thr 35 40 45 Gly Glu Ala Asp Gly Lys Thr Ala Ala Ala Ala Ala Glu His Ser Gln 50 55 60 Arg Glu Leu Asp Thr Val Thr Leu Glu Asp Ile Lys Glu His Val Lys 65 70 75 80 Gln Leu Glu Lys Ala Val Ser Gly Lys Glu Pro Arg Phe Val Leu Arg 85 90 95 Ala Leu Arg Met Leu Pro Ser Thr Ser Arg Arg Leu Asn His Tyr Val 100 105 110 Leu Tyr Lys Ala Val Gln Gly Phe Phe Thr Ser Asn Asn Ala Thr Arg 115 120 125 Asp Phe Leu Leu Pro Phe Leu Glu Glu Pro Met Asp Thr Glu Ala Asp 130 135 140 Leu Gln Phe Arg Pro Arg Thr Gly Lys Ala Ala Ser Thr Pro Leu Leu 145 150 155 160 Pro Glu Val Glu Ala Tyr Leu Gln Leu Leu Val Val Ile Phe Met Met 165 170 175 Asn Ser Lys Arg Tyr Lys Glu Ala Gln Lys Ile Ser Asp Asp Leu Met 180 185 190 Gln Lys Ile Ser Thr Gln Asn Arg Arg Ala Leu Asp Leu Val Ala Ala 195 200 205 Lys Cys Tyr Tyr Tyr His Ala Arg Val Tyr Glu Phe Leu Asp Lys Leu 210 215 220 Asp Val Val Arg Ser Phe Leu His Ala Arg Leu Arg Thr Ala Thr Leu 225 230 235 240 Arg His Asp Ala Asp Gly Gln Ala Thr Leu Leu Asn Leu Leu Leu Arg 245 250 255 Asn Tyr Leu His Tyr Ser Leu Tyr Asp Gln Ala Glu Lys Leu Val Ser 260 265 270 Lys Ser Val Phe Pro Glu Gln Ala Asn Asn Asn Glu Trp Ala Arg Tyr 275 280 285 Leu Tyr Tyr Thr Gly Arg Ile Lys Ala Ile Gln Leu Glu Tyr Ser Glu 290 295 300 Ala Arg Arg Thr Met Thr Asn Ala Leu Arg Lys Ala Pro Gln His Thr 305 310 315 320 Ala Val Gly Phe Lys Gln Thr Val His Lys Leu Leu Ile Val Val Glu 325 330 335 Leu Leu Leu Gly Glu Ile Pro Asp Arg Leu Gln Phe Arg Gln Pro Ser 340 345 350 Leu Lys Arg Ser Leu Met Pro Tyr Phe Leu Leu Thr Gln Ala Val Arg 355 360 365 Thr Gly Asn Leu Ala Lys Phe Asn Gln Val Leu Asp Gln Phe Gly Glu 370 375 380 Lys Phe Gln Ala Asp Gly Thr Tyr Thr Leu Ile Ile Arg Leu Arg His 385 390 395 400 Asn Val Ile Lys Thr Gly Val Arg Met Ile Ser Leu Ser Tyr Ser Arg 405 410 415 Ile Ser Leu Ala Asp Ile Ala Gln Lys Leu Gln Leu Asp Ser Pro Glu 420 425 430 Asp Ala Glu Phe Ile Val Ala Lys Ala Ile Arg Asp Gly Val Ile Glu 435 440 445 Ala Ser Ile Asn His Glu Lys Gly Tyr Val Gln Ser Lys Glu Met Ile 450 455 460 Asp Ile Tyr Ser Thr Arg Glu Pro Gln Leu Ala Phe His Gln Arg Ile 465 470 475 480 Ser Phe Cys Leu Asp Ile His Asn Met Ser Val Lys Ala Met Arg Phe 485 490 495 Pro Pro Lys Ser Tyr Asn Lys Asp Leu Glu Ser Ala Glu Glu Arg Arg 500 505 510 Glu Arg Glu Gln Gln Asp Leu Glu Phe Ala Lys Glu Met Ala Glu Asp 515 520 525 Asp Asp Asp Ser Phe Pro 530 配列番号:2 配列の長さ:1605 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:DNA 配列 ATG AAG CAG GAG GGC TCG GCG CGG CGC CGC GGC GCG GAC AAG GCG AAA 48 CCG CCG CCC GGC GGA GGA GAA CAA GAA CCC CCA CCG CCG CCG GCC CCC 96 CAG GAT GTG GAG ATG AAA GAG GAG GCA GCG ACG GGT GGC GGG TCA ACG 144 GGG GAG GCA GAC GGC AAG ACG GCG GCG GCA GCG GCT GAG CAC TCC CAG 192 CGA GAG CTG GAC ACA GTC ACC TTG GAG GAC ATC AAG GAG CAC GTG AAA 240 CAG CTA GAG AAA GCG GTT TCA GGC AAG GAG CCG AGA TTC GTG CTG CGG 288 GCC CTG CGG ATG CTG CCT TCC ACA TCA CGC CGC CTC AAC CAC TAT GTT 336 CTG TAT AAG GCT GTG CAG GGC TTC TTC ACT TCA AAT AAT GCC ACT CGA 384 GAC TTT TTG CTC CCC TTC CTG GAA GAG CCC ATG GAC ACA GAG GCT GAT 432 TTA CAG TTC CGT CCC CGC ACG GGA AAA GCT GCG TCG ACA CCC CTC CTG 480 CCT GAA GTG GAA GCC TAT CTC CAA CTC CTC GTG GTC ATC TTC ATG ATG 528 AAC AGC AAG CGC TAC AAA GAG GCA CAG AAG ATC TCT GAT GAT CTG ATG 576 CAG AAG ATC AGT ACT CAG AAC CGC CGG GCC CTA GAC CTT GTA GCC GCA 624 AAG TGT TAC TAT TAT CAC GCC CGG GTC TAT GAG TTC CTG GAC AAG CTG 672 GAT GTG GTG CGC AGC TTC TTG CAT GCT CGG CTC CGG ACA GCT ACG CTT 720 CGG CAT GAC GCA GAC GGG CAG GCC ACC CTG TTG AAC CTC CTG CTG CGG 768 AAT TAC CTA CAC TAC AGC TTG TAC GAC CAG GCT GAG AAG CTG GTG TCC 816 AAG TCT GTG TTC CCA GAG CAG GCC AAC AAC AAT GAG TGG GCC AGG TAC 864 CTC TAC TAC ACA GGG CGA ATC AAA GCC ATC CAG CTG GAG TAC TCA GAG 912 GCC CGG AGA ACG ATG ACC AAC GCC CTT CGC AAG GCC CCT CAG CAC ACA 960 GCT GTC GGC TTC AAA CAG ACG GTG CAC AAG CTT CTC ATC GTG GTG GAG 1008 CTG TTG CTG GGG GAG ATC CCT GAC CGG CTG CAG TTC CGC CAG CCC TCC 1056 CTC AAG CGC TCA CTC ATG CCC TAT TTC CTT CTG ACT CAA GCT GTC AGG 1104 ACA GGA AAC CTA GCC AAG TTC AAC CAG GTC CTG GAT CAG TTT GGG GAG 1152 AAG TTT CAA GCA GAT GGG ACC TAC ACC CTA ATT ATC CGG CTG CGG CAC 1200 AAC GTG ATT AAG ACA GGT GTA CGC ATG ATC AGC CTC TCC TAT TCC CGA 1248 ATC TCC TTG GCT GAC ATC GCC CAG AAG CTG CAG TTG GAT AGC CCC GAA 1296 GAT GCA GAG TTC ATT GTT GCC AAG GCC ATC CGG GAT GGT GTC ATT GAG 1344 GCC AGC ATC AAC CAC GAG AAG GGC TAT GTC CAA TCC AAG GAG ATG ATT 1392 GAC ATC TAT TCC ACC CGA GAG CCC CAG CTA GCC TTC CAC CAG CGC ATC 1440 TCC TTC TGC CTA GAT ATC CAC AAC ATG TCT GTC AAG GCC ATG AGG TTT 1488 CCT CCC AAA TCG TAC AAC AAG GAC TTG GAG TCT GCA GAG GAA CGG CGT 1536 GAG CGA GAA CAG CAG GAC TTG GAG TTT GCC AAG GAG ATG GCA GAA GAT 1584 GAT GAT GAC AGC TTC CCT TGA
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたヒトプロテアソームのサブ
ユニットP58のcDNAの制限酵素切断部位を示す図
である。
【図2】実施例1で得られたヒトプロテアソームのサブ
ユニットP58の決定された塩基配列と塩基配列から決
定したアミノ酸配列(P58の1次構造)を示す図であ
る。
【図3】[A]は、ヒト20Sプロテアソーム(レーン
1)と26Sプロテアソーム(レーン2)を電気泳動後
クマシー染色したものであり、[B]は、ヒト26S制
御因子群を電気泳動後クマシー染色したもの(レーン
3)と、これをP58の抗体を用いてイムノブロットし
たもの(レーン4)の電気泳動パターンの形態を示す図
である。
【図4】ヒトプロテアソームサブユニットP58の相補
鎖ポリヌクレオチドをプローブに用いた各種ヒト臓器で
のmRNA発現量のノザンブロット解析の結果を示す図
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】[A]は、ヒト20Sプロテアソーム(レーン
1)と26Sプロテアソーム(レーン2)を電気泳動後
クマシー染色したものであり、[B]は、ヒト26S制
御因子群を電気泳動後クマシー染色したもの(レーン
3)と、これをP58の抗体を用いてイムノブロットし
たもの(レーン4)の電気泳動パターンの形態を示す電
気泳動写真である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】ヒトプロテアソームサブユニットP58の相補
鎖ポリヌクレオチドをプローブに用いた各種ヒト臓器で
のmRNA発現量のノザンブロット解析の結果を示す電
気泳動写真である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 9/64 C12R 1:19)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
    列からなるポリペプチド。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配
    列のうち、1又は2以上のアミノ酸を置換、欠失又は付
    加した請求項1に記載のポリペプチドの変異体であっ
    て、請求項1に記載のポリペプチドを含むプロテアソー
    ムが有する、20Sプロテアソームのプロテアーゼ活性
    をアクチベートする活性、を実質的に有するポリペプチ
    ド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のポリペプチドを
    コードするポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号2に記載の塩基配列か
    らなるポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載のポリペプチドの
    うち連続する少なくとも8のアミノ酸からなるポリペプ
    チド。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4に記載のポリヌクレオチ
    ドのうち連続する少なくとも12の塩基からなるポリヌ
    クレオチド又はそれに相補的なポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 請求項1、2又は5に記載のポリペプチ
    ドに反応する抗体。
  8. 【請求項8】 プロテアソームサブユニットP58を該
    サブユニットとその抗体との特異性を利用して測定する
    ことを含む疾患を診断するためのキットであって、該抗
    体が請求項7に記載の抗体であることを特徴とする疾患
    診断用キット。
  9. 【請求項9】 プロテアソームサブユニットP58のm
    RNAを測定することを含む疾患を診断するためのキッ
    トであって、該キットが請求項6に記載のポリヌクレオ
    チド又はそれに相補的なポリヌクレオチドを含むことを
    特徴とする疾患診断用キット。
  10. 【請求項10】 請求項3又は4に記載のポリヌクレオ
    チドを含む組換えプラスミドによって宿主細胞を形質転
    換することにより得られる形質転換体。
  11. 【請求項11】 宿主細胞が大腸菌である請求項10に
    記載の形質転換体。
  12. 【請求項12】 請求項1又は2に記載のポリペプチド
    に対するアンチセンスポリヌクレオチド又はそのフラグ
    メントであって、プロテアソームサブユニットP58の
    生合成を抑制できることを特徴とするアンチセンスオリ
    ヌクレオチド又はそのフラグメント。
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