JPH08308013A - パンタグラフの押上力制御方法および装置 - Google Patents
パンタグラフの押上力制御方法および装置Info
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- JPH08308013A JPH08308013A JP31120795A JP31120795A JPH08308013A JP H08308013 A JPH08308013 A JP H08308013A JP 31120795 A JP31120795 A JP 31120795A JP 31120795 A JP31120795 A JP 31120795A JP H08308013 A JPH08308013 A JP H08308013A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な構成でパンタグラフの作用高さに対応
して補助翼の迎角を変化させて押上力を容易に制御する
ことができる、低騒音の翼型舟体を備えるパンタグラフ
の押上力制御方法および装置を提供する。 【解決手段】 π型パンタグラフ10は、低騒音の翼型
舟体11、舟体11を支持する支持装置12、支持装置
12を間隔をあけて支える一対のポール13a,13
b、一対のポール13a,13b間に配置される補助翼
14などを含む。補助翼14の迎角θは、舟体11の姿
勢を保つ補助リンク19に連動する補助翼リンクを利用
して、パンタグラフ10の作用高さに対応して変化さ
れ、舟体11の押上力の変化を抑制するように制御され
る。
して補助翼の迎角を変化させて押上力を容易に制御する
ことができる、低騒音の翼型舟体を備えるパンタグラフ
の押上力制御方法および装置を提供する。 【解決手段】 π型パンタグラフ10は、低騒音の翼型
舟体11、舟体11を支持する支持装置12、支持装置
12を間隔をあけて支える一対のポール13a,13
b、一対のポール13a,13b間に配置される補助翼
14などを含む。補助翼14の迎角θは、舟体11の姿
勢を保つ補助リンク19に連動する補助翼リンクを利用
して、パンタグラフ10の作用高さに対応して変化さ
れ、舟体11の押上力の変化を抑制するように制御され
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両に使用さ
れる低騒音の翼型舟体を備えるパンタグラフの押上力制
御方法および装置に関する。
れる低騒音の翼型舟体を備えるパンタグラフの押上力制
御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両、特に新幹線に代表される高速
鉄道車両に使用されるパンタグラフは、車両速度が増加
するにつれて、空力音などの騒音が増加する。騒音基準
をクリアするために、パンタグラフの集電用に用いる舟
体の断面形状を翼型にすることによって舟体付近の空気
の乱れを少なくし低騒音化を行うことが提案されてい
る。この翼型の舟体は、低騒音化には役立つけれども、
正または負の揚力を発生しやすく、トロリ線への押付け
力が増大あるいは減少する傾向がある。また舟体自体の
パンタグラフの作用高さによる揚力の変化は小さいけれ
ども、パンタグラフの枠体についてのモーメントへの寄
与は作用高さによる変化が大きく、トロリ線への押付け
力もそのモーメントに従って変化する。
鉄道車両に使用されるパンタグラフは、車両速度が増加
するにつれて、空力音などの騒音が増加する。騒音基準
をクリアするために、パンタグラフの集電用に用いる舟
体の断面形状を翼型にすることによって舟体付近の空気
の乱れを少なくし低騒音化を行うことが提案されてい
る。この翼型の舟体は、低騒音化には役立つけれども、
正または負の揚力を発生しやすく、トロリ線への押付け
力が増大あるいは減少する傾向がある。また舟体自体の
パンタグラフの作用高さによる揚力の変化は小さいけれ
ども、パンタグラフの枠体についてのモーメントへの寄
与は作用高さによる変化が大きく、トロリ線への押付け
力もそのモーメントに従って変化する。
【0003】パンタグラフの押上力を制御するために、
舟体の迎角を変化させるか、または迎角は不変として舟
体の形状を注意深く選定するなどして、作用高さが変動
してもトロリ線への押付け力が一定の範囲内に収まるよ
うに調整している。また翼型舟体単独による押上力制御
には方向性などの限界があるので、補助翼を用いて往復
走行時の揚力調整を図るパンタグラフの先行技術は、た
とえば特開平5−328512号公報に開示されてい
る。
舟体の迎角を変化させるか、または迎角は不変として舟
体の形状を注意深く選定するなどして、作用高さが変動
してもトロリ線への押付け力が一定の範囲内に収まるよ
うに調整している。また翼型舟体単独による押上力制御
には方向性などの限界があるので、補助翼を用いて往復
走行時の揚力調整を図るパンタグラフの先行技術は、た
とえば特開平5−328512号公報に開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】舟体単独による押上力
の制御では、作用高さが変動する場合のトロリ線への押
付け力の調整が充分ではなく、また集電機能と空力的機
能とが要求される舟体に、さらに低騒音機能が要求され
るので、舟体の構造が複雑となり、ひいてはコスト高に
つながる。
の制御では、作用高さが変動する場合のトロリ線への押
付け力の調整が充分ではなく、また集電機能と空力的機
能とが要求される舟体に、さらに低騒音機能が要求され
るので、舟体の構造が複雑となり、ひいてはコスト高に
つながる。
【0005】また補助翼を用いる先行技術では、車両の
進行方向の違いによる揚力を制御するだけであり、パン
タグラフの作用高さに対応して押上力が変動しないよう
に揚力を制御するものではない。
進行方向の違いによる揚力を制御するだけであり、パン
タグラフの作用高さに対応して押上力が変動しないよう
に揚力を制御するものではない。
【0006】本発明の目的は、簡単な構成でパンタグラ
フの作用高さが変動しても補助翼の揚力を容易に制御し
て舟体のトロリ線への押付け力変化を抑えることができ
る、低騒音の翼型舟体を備えるパンタグラフの押上力制
御方法および装置を提供することである。
フの作用高さが変動しても補助翼の揚力を容易に制御し
て舟体のトロリ線への押付け力変化を抑えることができ
る、低騒音の翼型舟体を備えるパンタグラフの押上力制
御方法および装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、低騒音の翼型
舟体を備えるパンタグラフの押上力制御方法において、
舟体の下方に補助翼を設け、補助翼の迎角を、パンタグ
ラフの作用高さに対応して変化させることによって補助
翼の揚力を加減し、舟体の押上力変化を抑えることを特
徴とするパンタグラフの押上力制御方法である。本発明
に従えば、低騒音の翼型舟体を備えるパンタグラフの押
上力制御は、舟体の下方に設けられた補助翼の迎角を、
パンタグラフの作用高さに対応して変化させ、補助翼で
揚力を加減することによって行う。パンタグラフの舟体
の下方に補助翼を設けるだけの簡単な構成で、パンタグ
ラフの作用高さに対応して補助翼の迎角を変化させるこ
とによって舟体の押上力変化を抑えることができ、トロ
リ線への押付け力を一定の範囲内に調整することが可能
となる。
舟体を備えるパンタグラフの押上力制御方法において、
舟体の下方に補助翼を設け、補助翼の迎角を、パンタグ
ラフの作用高さに対応して変化させることによって補助
翼の揚力を加減し、舟体の押上力変化を抑えることを特
徴とするパンタグラフの押上力制御方法である。本発明
に従えば、低騒音の翼型舟体を備えるパンタグラフの押
上力制御は、舟体の下方に設けられた補助翼の迎角を、
パンタグラフの作用高さに対応して変化させ、補助翼で
揚力を加減することによって行う。パンタグラフの舟体
の下方に補助翼を設けるだけの簡単な構成で、パンタグ
ラフの作用高さに対応して補助翼の迎角を変化させるこ
とによって舟体の押上力変化を抑えることができ、トロ
リ線への押付け力を一定の範囲内に調整することが可能
となる。
【0008】また本発明は、補助翼の迎角の変化を、舟
体の姿勢制御のためのリンク機構と結合させて行うこと
を特徴とする。本発明に従えば、補助翼の迎角の変化
を、舟体の姿勢制御のためのリンク機構と結合させて行
う。
体の姿勢制御のためのリンク機構と結合させて行うこと
を特徴とする。本発明に従えば、補助翼の迎角の変化
を、舟体の姿勢制御のためのリンク機構と結合させて行
う。
【0009】また本発明は、低騒音の翼型舟体を備える
パンタグラフの押上力制御装置において、舟体を支える
支持装置と、間隔をあけて支持装置を支える一対のポー
ルと、一対のポール間に配置される補助翼と、補助翼の
迎角を、パンタグラフの作用高さに対応して変化させ、
パンタグラフの作用高さによって変わる舟体の押上力の
変化を抑制するように制御する制御手段とを含むことを
特徴とするパンタグラフの押上力制御装置である。本発
明に従えば、低騒音の翼型舟体を備えるパンタグラフの
押上力制御装置は、舟体が支持装置によって支持され、
この支持装置を間隔をあけて支える一対のポール間に補
助翼が配置され、この補助翼の迎角をパンタグラフの作
用高さに対応して変化させ、パンタグラフの作用高さに
よって変わる舟体の押上力の変化を抑制するように制御
手段を用いて制御する。作用高さによって変わる揚力に
よるモーメントと抗力によるモーメントとの釣り合いを
舟体で考慮する必要はなくなり、補助翼の発生する揚力
によって、パンタグラフの各作用高さでのモーメントを
釣り合わせ、トロリ線への押付け力を一定の範囲内に調
整することが可能となる。
パンタグラフの押上力制御装置において、舟体を支える
支持装置と、間隔をあけて支持装置を支える一対のポー
ルと、一対のポール間に配置される補助翼と、補助翼の
迎角を、パンタグラフの作用高さに対応して変化させ、
パンタグラフの作用高さによって変わる舟体の押上力の
変化を抑制するように制御する制御手段とを含むことを
特徴とするパンタグラフの押上力制御装置である。本発
明に従えば、低騒音の翼型舟体を備えるパンタグラフの
押上力制御装置は、舟体が支持装置によって支持され、
この支持装置を間隔をあけて支える一対のポール間に補
助翼が配置され、この補助翼の迎角をパンタグラフの作
用高さに対応して変化させ、パンタグラフの作用高さに
よって変わる舟体の押上力の変化を抑制するように制御
手段を用いて制御する。作用高さによって変わる揚力に
よるモーメントと抗力によるモーメントとの釣り合いを
舟体で考慮する必要はなくなり、補助翼の発生する揚力
によって、パンタグラフの各作用高さでのモーメントを
釣り合わせ、トロリ線への押付け力を一定の範囲内に調
整することが可能となる。
【0010】また本発明は、前記制御手段は、リンク機
構によって、補助翼の迎角を制御することを特徴とす
る。本発明に従えば、前記制御手段は、補助翼の迎角を
前記ポール内に設けられるリンク機構によって制御する
ので、リンク機構による抗力増加などの空力的影響を免
れることができる。
構によって、補助翼の迎角を制御することを特徴とす
る。本発明に従えば、前記制御手段は、補助翼の迎角を
前記ポール内に設けられるリンク機構によって制御する
ので、リンク機構による抗力増加などの空力的影響を免
れることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
あるπ型パンタグラフ10の車両進行方向に向かっての
左側面図を示す。このときのパンタグラフ10の進行方
向は、矢符Aのとおりである。図2は、図1に示すπ型
パンタグラフ10の進行方向に向かっての正面図を示
す。π型パンタグラフ10は基本的に、低騒音の翼型舟
体11と、舟体11を支持する支持装置12と、間隔を
あけて支持装置12を支える一対のポール13a,13
bと、一対のポール13a,13b間に配置される補助
翼14と、舟体11の長手方向両端部に接続されるホー
ン15と、これらを支えて車両に固定するための台枠1
6と、台枠16を覆う台枠カバー17と、補助翼14の
迎角θをパンタグラフの作用高さに対応して変化させ、
舟体11の押上力の変化を抑制するように制御する制御
手段であるリンク機構とを含んで構成される。
あるπ型パンタグラフ10の車両進行方向に向かっての
左側面図を示す。このときのパンタグラフ10の進行方
向は、矢符Aのとおりである。図2は、図1に示すπ型
パンタグラフ10の進行方向に向かっての正面図を示
す。π型パンタグラフ10は基本的に、低騒音の翼型舟
体11と、舟体11を支持する支持装置12と、間隔を
あけて支持装置12を支える一対のポール13a,13
bと、一対のポール13a,13b間に配置される補助
翼14と、舟体11の長手方向両端部に接続されるホー
ン15と、これらを支えて車両に固定するための台枠1
6と、台枠16を覆う台枠カバー17と、補助翼14の
迎角θをパンタグラフの作用高さに対応して変化させ、
舟体11の押上力の変化を抑制するように制御する制御
手段であるリンク機構とを含んで構成される。
【0012】なお補助翼14の迎角θとは、レール面に
平行な平面と補助翼14の断面中心線との成す角であ
り、図1にて補助翼14が右下がりのときを正(+)と
し、右上がりのときを負(−)とする。
平行な平面と補助翼14の断面中心線との成す角であ
り、図1にて補助翼14が右下がりのときを正(+)と
し、右上がりのときを負(−)とする。
【0013】パンタグラフ10は、たとえばばねなどの
力でレバー18を矢符F方向に吸引操作することによっ
て発生する反時計回り(左回り)方向のモーメントに従
って、トロリ線に舟体11を押付けている。このパンタ
グラフ10の作用高さは、レール面からトロリ線までの
距離に対応して、仮想線20,21で示される間の範囲
において変動する。
力でレバー18を矢符F方向に吸引操作することによっ
て発生する反時計回り(左回り)方向のモーメントに従
って、トロリ線に舟体11を押付けている。このパンタ
グラフ10の作用高さは、レール面からトロリ線までの
距離に対応して、仮想線20,21で示される間の範囲
において変動する。
【0014】補助翼14は、その位置が各ポール13
a,13bの中間よりも上側過ぎると舟体11の影響を
受け、反対に下側過ぎると充分な揚力を得られないの
で、ポール13a,13bの中間よりも若干上側に配置
される。各ポール13a,13bは中空であり、その内
部にはリンク機構を構成する補助リンク19が設けられ
る。補助リンク19の下端は台枠16に、上端は支持装
置12にそれぞれピン結合される。補助リンク19の両
端付近はほぼ90°近くまで曲がり、ほぼ平行となる。
a,13bの中間よりも上側過ぎると舟体11の影響を
受け、反対に下側過ぎると充分な揚力を得られないの
で、ポール13a,13bの中間よりも若干上側に配置
される。各ポール13a,13bは中空であり、その内
部にはリンク機構を構成する補助リンク19が設けられ
る。補助リンク19の下端は台枠16に、上端は支持装
置12にそれぞれピン結合される。補助リンク19の両
端付近はほぼ90°近くまで曲がり、ほぼ平行となる。
【0015】補助翼14の迎角θは、各ポール13a,
13b内に設けられるリンク機構によって、後述するよ
うにして制御される。たとえばパンタグラフ10の作用
高さが変動範囲S1内において仮想線20で示されるよ
うに最も低いときには、迎角θはその範囲S1内で最小
となり、また仮想線21で示されるように最も高いとき
には、迎角θはその範囲S1内で最大となるように制御
手段によって制御される。このようにパンタグラフ10
の作用高さに対応して補助翼14の迎角θが変化させら
れるので、舟体11の押上力の変化を抑制することがで
きる。
13b内に設けられるリンク機構によって、後述するよ
うにして制御される。たとえばパンタグラフ10の作用
高さが変動範囲S1内において仮想線20で示されるよ
うに最も低いときには、迎角θはその範囲S1内で最小
となり、また仮想線21で示されるように最も高いとき
には、迎角θはその範囲S1内で最大となるように制御
手段によって制御される。このようにパンタグラフ10
の作用高さに対応して補助翼14の迎角θが変化させら
れるので、舟体11の押上力の変化を抑制することがで
きる。
【0016】図3は、舟体11の押上力に関して説明す
るための図である。図3(a)に示すように、舟体11
には、パンタグラフの作用高さには依存しない舟体揚力
Pfと舟体抗力Dfとが作用する。また補助翼14に
は、リンク機構19によって前述のように制御される迎
角θの変化とともに大きさが変化する補助翼揚力Pwと
補助翼抗力Dwとが作用する。なおポール13a,13
bなど他の部分に作用する力は、前記各力よりもはるか
に小さいので無視する。
るための図である。図3(a)に示すように、舟体11
には、パンタグラフの作用高さには依存しない舟体揚力
Pfと舟体抗力Dfとが作用する。また補助翼14に
は、リンク機構19によって前述のように制御される迎
角θの変化とともに大きさが変化する補助翼揚力Pwと
補助翼抗力Dwとが作用する。なおポール13a,13
bなど他の部分に作用する力は、前記各力よりもはるか
に小さいので無視する。
【0017】各ポール13a,13bを参照符「13」
で総称する。ポール13の先端側では支持装置12がポ
ール13に軸22を介してピン結合され、基端側では台
枠16に軸23を介してピン結合される。補助リンク1
9は、支持装置12および台枠16に、軸24,25を
介してそれぞれピン結合される。軸22,23,24,
25間の部分は、平行四辺形リンク機構を構成し、パン
タグラフの作用高さ、すなわちポール13の傾斜角φが
変化しても、舟体11の姿勢は一定に維持される。補助
翼14は連結板30に固定接続され、連結板30の一端
は軸26でポール13にピン結合され、補助翼リンク3
1にピン結合される。補助翼リンク31は、一端を連結
板30に軸27でピン結合され、他端を軸28で支持装
置12にピン結合される。連結板30、支持装置12、
ポール13および補助翼リンク31は、軸22,26,
27,28を4隅とする四角形リンクを構成する。
で総称する。ポール13の先端側では支持装置12がポ
ール13に軸22を介してピン結合され、基端側では台
枠16に軸23を介してピン結合される。補助リンク1
9は、支持装置12および台枠16に、軸24,25を
介してそれぞれピン結合される。軸22,23,24,
25間の部分は、平行四辺形リンク機構を構成し、パン
タグラフの作用高さ、すなわちポール13の傾斜角φが
変化しても、舟体11の姿勢は一定に維持される。補助
翼14は連結板30に固定接続され、連結板30の一端
は軸26でポール13にピン結合され、補助翼リンク3
1にピン結合される。補助翼リンク31は、一端を連結
板30に軸27でピン結合され、他端を軸28で支持装
置12にピン結合される。連結板30、支持装置12、
ポール13および補助翼リンク31は、軸22,26,
27,28を4隅とする四角形リンクを構成する。
【0018】軸22,23間および軸23,26間のポ
ール13の長さをそれぞれd1,d2とし、レバー18
の長さをd3とし、レバー18を吸引する力のうち、レ
バー18の直角成分をFとすると、軸23まわりのモー
メントの釣り合いから、舟体11へはトロリ線から次の
第1式を満たす押圧力Wが作用する。押圧力Wは押上力
の反力である。
ール13の長さをそれぞれd1,d2とし、レバー18
の長さをd3とし、レバー18を吸引する力のうち、レ
バー18の直角成分をFとすると、軸23まわりのモー
メントの釣り合いから、舟体11へはトロリ線から次の
第1式を満たす押圧力Wが作用する。押圧力Wは押上力
の反力である。
【0019】 (W−Pf)×d1×cosφ+Df×d1×sinφ−Pw×d2×cosφ +Dw×d2×sinφ−F×d3=0 …(1) 図3(b)、補助翼リンク31の反補助翼端の結合部の
軸28を支持装置12と結合するのではなく、台枠16
と結合することによって、同様の目的を果たすことがで
きる構成を示す。また、図3(c)に示すように、補助
リンク19に軸28でピン結合しても、同一効果が得ら
れる位置がある。
軸28を支持装置12と結合するのではなく、台枠16
と結合することによって、同様の目的を果たすことがで
きる構成を示す。また、図3(c)に示すように、補助
リンク19に軸28でピン結合しても、同一効果が得ら
れる位置がある。
【0020】図4は、本発明に関わるパンタグラフ10
の作用高さと舟体11の押上力変化との関係を示すグラ
フの一例である。舟体11の押上力変化は、前記変動範
囲S1において、図1の仮想線21で示す最大作用高さ
位置での押上力変化を基準として、図1の仮想線20の
位置まで、図4に示すように押上力変化量が変動する。
この変動範囲S1に対応する押上力の変化量の範囲S2
は、予め定める規定範囲S3内に収まっているので、ト
ロリ線への舟体11の過剰な押付けは防止され、トロリ
線および舟体11の摩耗を最小限にとどめることができ
る。なお図4、後述する図5および図6の各グラフは、
パンタグラフ10の周囲の風速が最大値のときの様子を
示している。
の作用高さと舟体11の押上力変化との関係を示すグラ
フの一例である。舟体11の押上力変化は、前記変動範
囲S1において、図1の仮想線21で示す最大作用高さ
位置での押上力変化を基準として、図1の仮想線20の
位置まで、図4に示すように押上力変化量が変動する。
この変動範囲S1に対応する押上力の変化量の範囲S2
は、予め定める規定範囲S3内に収まっているので、ト
ロリ線への舟体11の過剰な押付けは防止され、トロリ
線および舟体11の摩耗を最小限にとどめることができ
る。なお図4、後述する図5および図6の各グラフは、
パンタグラフ10の周囲の風速が最大値のときの様子を
示している。
【0021】図5は、本発明に関わるパンタグラフ10
の作用高さと舟体11および補助翼14の迎角との関係
の一例を示すグラフである。図5において、ラインL1
は舟体11の迎角を、ラインL2は補助翼14の迎角変
化をそれぞれ示す。舟体11の迎角はパンタグラフ10
の作用高さに拘わらず不変、すなわち0°のままであ
る。補助翼14の迎角θは、パンタグラフ10の作用高
さが図1に示される位置にあるときに0°であって、こ
れより作用高さが低いときには負の値に制御され、これ
より作用高さが高いときには正の値に制御される。つま
り補助翼14の迎角は、前記変動範囲S1においてパン
タグラフ10の作用高さが高くなるにつれて、図1の仮
想線20で示される位置に対応する最低値(負の最大
値)から、図1の仮想線21で示される位置に対応する
最大値まで増加するように制御される。舟体の特性とし
て迎角0であっても揚力を発生する場合もあり、この場
合には補助翼の揚力特性または補助翼の迎角をシフトし
た形で設定し、バランスさせることもできる。
の作用高さと舟体11および補助翼14の迎角との関係
の一例を示すグラフである。図5において、ラインL1
は舟体11の迎角を、ラインL2は補助翼14の迎角変
化をそれぞれ示す。舟体11の迎角はパンタグラフ10
の作用高さに拘わらず不変、すなわち0°のままであ
る。補助翼14の迎角θは、パンタグラフ10の作用高
さが図1に示される位置にあるときに0°であって、こ
れより作用高さが低いときには負の値に制御され、これ
より作用高さが高いときには正の値に制御される。つま
り補助翼14の迎角は、前記変動範囲S1においてパン
タグラフ10の作用高さが高くなるにつれて、図1の仮
想線20で示される位置に対応する最低値(負の最大
値)から、図1の仮想線21で示される位置に対応する
最大値まで増加するように制御される。舟体の特性とし
て迎角0であっても揚力を発生する場合もあり、この場
合には補助翼の揚力特性または補助翼の迎角をシフトし
た形で設定し、バランスさせることもできる。
【0022】図6は、本発明に関わるパンタグラフ10
の補助翼14の迎角と、その揚力および抗力との関係の
一例を示すグラフである。図6において、ラインL3は
補助翼14の揚力変化を、ラインL4は補助翼14の抗
力変化をそれぞれ示す。補助翼14の揚力は、抗力より
も常に大きく、迎角の増加にほぼ比例して増加する。補
助翼14の抗力は、迎角が0°、すなわち図1に示す場
合に最小値をとり、この最小値を境に正の迎角側と負の
迎角側とでほぼ対称的に、すなわち迎角の絶対値に対応
して、その絶対値が増加するにつれて緩やかに増加する
ように近似される(補助翼の形状により抗力の特性は変
化するが、通常に使われる範囲でほぼ変化しないとみて
よい程度のものである。)。
の補助翼14の迎角と、その揚力および抗力との関係の
一例を示すグラフである。図6において、ラインL3は
補助翼14の揚力変化を、ラインL4は補助翼14の抗
力変化をそれぞれ示す。補助翼14の揚力は、抗力より
も常に大きく、迎角の増加にほぼ比例して増加する。補
助翼14の抗力は、迎角が0°、すなわち図1に示す場
合に最小値をとり、この最小値を境に正の迎角側と負の
迎角側とでほぼ対称的に、すなわち迎角の絶対値に対応
して、その絶対値が増加するにつれて緩やかに増加する
ように近似される(補助翼の形状により抗力の特性は変
化するが、通常に使われる範囲でほぼ変化しないとみて
よい程度のものである。)。
【0023】図7は、補助翼14の迎角θを制御するた
めのリンク機構の構成を示す。補助翼14は連結板30
に固定接続され、連結板30の一端は軸26でポール1
3にピン結合され、他端は軸27で補助翼リンク31に
ピン結合される。補助翼リンク31は、一端を連結板3
0に軸27でピン結合され、他端を軸28で支持装置1
2にピン結合される。
めのリンク機構の構成を示す。補助翼14は連結板30
に固定接続され、連結板30の一端は軸26でポール1
3にピン結合され、他端は軸27で補助翼リンク31に
ピン結合される。補助翼リンク31は、一端を連結板3
0に軸27でピン結合され、他端を軸28で支持装置1
2にピン結合される。
【0024】図8に示すように、連結板30、支持装置
12、ポール13、および補助翼リンク31は、軸2
2,26,27,28を4隅とする4角形リンクを構成
する。この4角形リンクの4辺の長さをl1,l2.l
3.l4とすると、それぞれの値を適当に選択すること
によって、ポール角度φが変化するのに同調して、連結
板30の傾き、すなわち補助翼14の傾きを変化させる
ことができる。
12、ポール13、および補助翼リンク31は、軸2
2,26,27,28を4隅とする4角形リンクを構成
する。この4角形リンクの4辺の長さをl1,l2.l
3.l4とすると、それぞれの値を適当に選択すること
によって、ポール角度φが変化するのに同調して、連結
板30の傾き、すなわち補助翼14の傾きを変化させる
ことができる。
【0025】同様に補助翼リンク31の反補助翼の結合
部である軸28を、支持装置12と結合するのではな
く、図3(b)に示すように台枠16と結合することも
できる。補助翼リンク31を連結させる車両の屋根に近
づくので、風速が下がり、発生する音のエネルギが少な
くなる。
部である軸28を、支持装置12と結合するのではな
く、図3(b)に示すように台枠16と結合することも
できる。補助翼リンク31を連結させる車両の屋根に近
づくので、風速が下がり、発生する音のエネルギが少な
くなる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、補助翼の迎角をパンタ
グラフの作用高さに対応して変化させるだけで低騒音化
された翼型舟体の押上力変動を抑え、トロリ線への押付
け力を一定の範囲内に調整することができ、舟体および
トロリ線の摩耗は最小限にとどめられる。
グラフの作用高さに対応して変化させるだけで低騒音化
された翼型舟体の押上力変動を抑え、トロリ線への押付
け力を一定の範囲内に調整することができ、舟体および
トロリ線の摩耗は最小限にとどめられる。
【0027】また本発明によれば、簡単な構成で、補助
翼の迎角を、舟体の姿勢を維持しつつ最適な角度に調整
することができる。
翼の迎角を、舟体の姿勢を維持しつつ最適な角度に調整
することができる。
【0028】さらに本発明によれば、一対のポール間に
補助翼が配置されるので、補助翼の長さを充分に大きく
とって舟体の押上力の変化を容易に抑制することができ
る。
補助翼が配置されるので、補助翼の長さを充分に大きく
とって舟体の押上力の変化を容易に抑制することができ
る。
【0029】さらにまた本発明によれば、ポール内にリ
ンク機構が設けられので、外部に露出している部分の形
状が単純化されて空力音などの騒音の発生が一層低減さ
れる。
ンク機構が設けられので、外部に露出している部分の形
状が単純化されて空力音などの騒音の発生が一層低減さ
れる。
【図1】本発明の実施の一形態であるπ型パンタグラフ
10の正面図である。
10の正面図である。
【図2】π型パンタグラフ10の左側面図である。
【図3】リンク機構の構成とポール13についてのモー
メントの釣合いとを説明するための図である。
メントの釣合いとを説明するための図である。
【図4】本発明に関わるパンタグラフ10の作用高さと
押上力変化との関係を示すグラフである。
押上力変化との関係を示すグラフである。
【図5】本発明に関わるパンタグラフ10の作用高さと
舟体11および補助翼14の迎角との関係を示すグラフ
である。
舟体11および補助翼14の迎角との関係を示すグラフ
である。
【図6】本発明に関わるパンタグラフ10の補助翼14
の迎角とその揚力および抗力との関係を示すグラフであ
る。
の迎角とその揚力および抗力との関係を示すグラフであ
る。
【図7】補助翼14の迎角を制御するためのリンク機構
の概要を示す図である。
の概要を示す図である。
【図8】図7のリンク機構のうちで、補助翌14の迎角
を制御する4角形リンクの構成を示す図である。
を制御する4角形リンクの構成を示す図である。
10 パンタグラフ 11 舟体 12 支持装置 13,13a,13b ポール 14 補助翼 15 ホーン 16 台枠 17 台枠カバー 18 レバー 19 補助リンク 22,23,24,25,26,27,28 軸 30 連結板 31 補助翼リンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 昇 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内 (72)発明者 吉野 満治 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内
Claims (4)
- 【請求項1】 低騒音の翼型舟体を備えるパンタグラフ
の押上力制御方法において、 舟体の下方に補助翼を設け、 補助翼の迎角を、パンタグラフの作用高さに対応して変
化させることによって、補助翼の揚力を加減し、舟体の
押上力変化を抑えることを特徴とするパンタグラフの押
上力制御方法。 - 【請求項2】 補助翼の迎角の変化を、舟体の姿勢制御
のためのリンク機構と結合させて行うことを特徴とする
請求項1記載のパンタグラフの押上力制御方法。 - 【請求項3】 低騒音の翼型舟体を備えるパンタグラフ
の押上力制御装置において、 舟体を支える支持装置と、 間隔をあけて支持装置を支える一対のポールと、 一対のポール間に配置される補助翼と、 補助翼の迎角を、パンタグラフの作用高さに対応して変
化させ、パンタグラフの作用高さによって変わる舟体の
押上力の変化を抑制するように制御する制御手段とを含
むことを特徴とするパンタグラフの押上力制御装置。 - 【請求項4】 前記制御手段は、リンク機構によって、
補助翼の迎角を制御することを特徴とする請求項3記載
のパンタグラフの押上力制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31120795A JP3266777B2 (ja) | 1995-03-06 | 1995-11-29 | パンタグラフの押上力制御方法および装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-45874 | 1995-03-06 | ||
JP4587495 | 1995-03-06 | ||
JP31120795A JP3266777B2 (ja) | 1995-03-06 | 1995-11-29 | パンタグラフの押上力制御方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08308013A true JPH08308013A (ja) | 1996-11-22 |
JP3266777B2 JP3266777B2 (ja) | 2002-03-18 |
Family
ID=26385971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31120795A Expired - Fee Related JP3266777B2 (ja) | 1995-03-06 | 1995-11-29 | パンタグラフの押上力制御方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3266777B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018150129A1 (fr) | 2017-02-15 | 2018-08-23 | Faiveley Transport Tours | Pantographe et véhicule ferroviaire comportant un tel pantographe |
FR3092040A1 (fr) | 2019-01-28 | 2020-07-31 | Faiveley Transport Tours | Pantographe et vehicule ferroviaire comportant un tel pantographe |
CN111907332A (zh) * | 2020-08-04 | 2020-11-10 | 北京中车赛德铁道电气科技有限公司 | 一种受电弓导流板设计方法 |
-
1995
- 1995-11-29 JP JP31120795A patent/JP3266777B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018150129A1 (fr) | 2017-02-15 | 2018-08-23 | Faiveley Transport Tours | Pantographe et véhicule ferroviaire comportant un tel pantographe |
FR3092040A1 (fr) | 2019-01-28 | 2020-07-31 | Faiveley Transport Tours | Pantographe et vehicule ferroviaire comportant un tel pantographe |
WO2020157397A1 (fr) | 2019-01-28 | 2020-08-06 | Faiveley Transport Tours | Pantographe et vehicule ferroviaire comportant un tel pantographe |
CN111907332A (zh) * | 2020-08-04 | 2020-11-10 | 北京中车赛德铁道电气科技有限公司 | 一种受电弓导流板设计方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3266777B2 (ja) | 2002-03-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |