JPH08306482A - 防音・断熱性能を有する電磁波シールド材およびその固定方法 - Google Patents

防音・断熱性能を有する電磁波シールド材およびその固定方法

Info

Publication number
JPH08306482A
JPH08306482A JP11194695A JP11194695A JPH08306482A JP H08306482 A JPH08306482 A JP H08306482A JP 11194695 A JP11194695 A JP 11194695A JP 11194695 A JP11194695 A JP 11194695A JP H08306482 A JPH08306482 A JP H08306482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electromagnetic wave
wave shielding
carbon fiber
electromagnetic
fiber felt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11194695A
Other languages
English (en)
Inventor
Arata Sakamoto
新 坂本
Shinichiro Okada
慎一郎 岡田
Shoji Doi
祥司 土肥
Hiroaki Morita
宏明 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP11194695A priority Critical patent/JPH08306482A/ja
Publication of JPH08306482A publication Critical patent/JPH08306482A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】短時間内に簡易な工法で低コストでのシールド
施工を可能とするともに、耐久性に優れ、さらに電磁シ
ールド効果と断熱・吸音効果とを同時に達成しうる新し
い材料を提供することを主な目的とする。 【構成】1.炭素繊維フェルトの少なくとも一面に金属
箔を備えたことを特徴とする防音・断熱性能を有する電
磁波シールド材。 2.炭素繊維フェルトの少なくとも一面に金属箔を備
え、且つその端面を金属箔の折返しにより包み込んだこ
とを特徴とする防音・断熱性能を有する電磁波シールド
材。 3.炭素繊維フェルトが常態の厚さの0.3倍以下に圧
縮可能であり、且つ常態の厚さの0.3倍に圧縮したと
きに得られる反発力が20〜40g/cm2である上記
項1または2に記載の防音・断熱性能を有する電磁波シ
ールド材。 4.上記項1乃至3のいずれかに記載の電磁波シールド
材の端部を重ねて、タッカー固定により接合することを
特徴とする電磁波シールド材の固定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防音および断熱性能を
有する電磁波シールド材およびその接続固定方法に関す
る。
【0002】本発明による電磁波シード材は、例えば、
建造物(オフィスビルディング、一般家屋など)の壁、
床、天井などの仕上げ材の裏側に介装することにより、
建造物内での電磁波シールドを行うことが出来る。
【0003】
【従来技術とその問題点】近年の通信技術、高周波利用
技術などの発展および普及に伴って、外部からの電磁波
による電子機器の誤作動、オフィスビル、放送局スタジ
オなどでのワイヤレス無線、コードレス電話のチャンネ
ル競合による混線などの電磁波障害が、問題となってい
る。
【0004】例えば、工場で使用される高周波溶解装
置、電気ドリルなどから発生する電磁波ノイズ或いは病
院の電気メス、ハイパーサーミヤー(温熱治療器)から
発生する電磁波ノイズが、周辺の電子機器に障害を及ぼ
すことがあり、大きな問題となっている。
【0005】また、逆に、電算機、半導体製造工場での
電子ビーム利用設備、病院での各種診断装置、テレメー
ターシステムなどが、外部からの電磁波により、誤作動
しやすい状況にある。
【0006】さらに、ビル内部で使用するワイヤレス無
線、コンピューターなどから発生する信号が外部に漏れ
て、盗聴される危険性があることも、問題となってい
る。
【0007】従って、この様な電磁波障害乃至電波漏れ
を防止するために、上記の様な電子機器類を設置した部
屋などを個別的にシールドした電磁シールド室が構築さ
れている。要求される電磁シールド性能は、周辺の電磁
環境により異なるが、例えば、電波無響室、シールドル
ームで、100dB程度;工場の放電加工機、病院のM
RI室、研究所の試験室で、60dB程度;電算機室、
放送局スタジオ、オフィスビル、病院の脳波測定室で、
40dB程度である。
【0008】この様な電磁シールド室を構築するために
は、部屋全体を導電性材料により構成する必要がある。
従来、壁面、床面、天井面などには金属箔或いは金属板
を接合した建材を用い、開口部の中、窓には金属メッシ
ュの入ったガラスまたは導電性薄膜をコーティングした
導電性ガラスと金属サッシュとを用い、換気口ダクトな
どには金属メッシュ、エキスパンドメタルなどを用いて
いる。さらに、扉などのパッキン材としては、フィンガ
ーストックなどの金属製板バネが用いられている。
【0009】一般に、電磁シールド室の壁面、床面、天
井面などの施工時に、導電性に優れた銅、アルミニウ
ム、鉄などの金属板或いは金属箔を施工現場で珪酸カル
シウム板などの下地板に貼り付け、シールド金属間に隙
間が生じないように注意してハンダ付けするか或いはボ
ルト接合して、施工している。しかしながら、ハンダ付
け、ボルト接合などは、煩雑で長時間を要する施工操作
を必要とするので、施工コストが高くなり、電磁シール
ド施工の普及を妨げている。
【0010】また、上記の様にして施工された電磁シー
ルド室であっても、地盤が弱く、振動が多い地域、或い
は変位の大きい地域の建造物では、金属の接合部に緩み
を生じ易く、シールド性能が大幅に低下する危険性があ
るので、シールド金属の継目に導電性コーキングを施す
必要がある。この操作は、極めて煩雑であり、やはりコ
スト増大要因となる。
【0011】さらに、建築物の室内は、断熱性および吸
音性にも、優れていることが望ましい。この要望に応え
るためには、断熱性と吸音性に優れた部材で部屋全体を
覆う必要があるので、電磁シールド材の場合と同様の手
法により、壁面、床面、天井面などの仕上げ材の裏面に
グラスウールなどの断熱・吸音材を介装する作業が必要
となる。この様な電磁シールド材と断熱・吸音材との二
段階施工は、長い施工時間を要し、施工コストを増大さ
せる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、短
時間内に簡易な工法で低コストでのシールド施工を可能
とするとともに、耐久性に優れ、さらに電磁シールド効
果と断熱・吸音効果とを同時に達成しうる新しい材料を
提供することを主な目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な従来技術の問題点に鑑みて種々研究を重ねた結果、圧
縮性に富み且つ適度の圧縮反発性を有する多孔質材料、
さらに詳しくは、常態の厚さの0.3倍以下までの圧縮
が可能であり、且つ常態の厚さの0.3倍(圧縮率70
%)に圧縮したときの圧縮反発力が20〜40g/cm
2であり、さらに圧縮力を取り去ったときの圧縮回復率
が90%以上であるという自己復元力を有する多孔質材
料であると金属箔とを組み合わせて使用する場合には、
上記の目的を達成しうることを見出した。
【0014】すなわち、本発明は、下記の電磁波シール
ド材およびその固定方法を提供するものである; 1.炭素繊維フェルトの少なくとも一面に金属箔を備え
たことを特徴とする防音・断熱性能を有する電磁波シー
ルド材。
【0015】2.炭素繊維フェルトの少なくとも一面に
金属箔を備え、且つその端面を金属箔の折返しにより包
み込んだことを特徴とする防音・断熱性能を有する電磁
波シールド材。
【0016】3.炭素繊維フェルトが常態の厚さの0.
3倍以下に圧縮可能であり、且つ常態の厚さの0.3倍
に圧縮したときに得られる反発力が20〜40g/cm
2である上記項1または2に記載の防音・断熱性能を有
する電磁波シールド材。
【0017】4.上記項1乃至3のいずれかに記載の電
磁波シールド材の端部を重ねて、タッカー固定により接
合することを特徴とする電磁波シールド材の固定方法。
【0018】以下図面を参照しつつ、本発明をさらに詳
細に説明する。
【0019】本発明による電磁波シールド材は、斜面図
として図1に示す様に、基本的に、自己復元力を有する
多孔質材料1と金属箔3とからなっている。
【0020】自己復元力を有する多孔質材料としては、
炭素繊維フェルト乃至不織布、ガラス繊維フェルト、合
成繊維フェルト、各種の樹脂発泡体などが存在するが、
本発明においては、軽量であること、不燃性であるこ
と、導電性を有することなどの理由により、炭素繊維フ
ェルトを使用する。炭素繊維フェルトとしては、圧縮性
に富み、適度な圧縮反発力を有するかさ密度0.01〜
0.05g/cm3程度に調整された低密度の炭素繊維
フェルトが好適である。より詳細には、炭素繊維フェル
トとしては、無荷重時の厚さの0.3倍以下(圧縮率7
0%以上)に圧縮可能であり、無荷重時の厚さの0.3
倍に圧縮したときの圧縮反発力が20〜40g/cm2
であり、さらに圧縮力を取り去ったときの回復率が圧縮
前の90%以上であるという自己復元性(良好なクッシ
ョン性)を有することが必要である。70%圧縮時の圧
縮反発力が20g/cm2未満であるか或いは40g/
cm2を上回る場合には、タッカーによる接合固定が不
十分となり、安定した性能を長期にわたり保持すること
が出来ない。
【0021】炭素繊維フェルト1の厚さは、主に吸音性
能に基づいて選択されるが、さらに施工性をも考慮し
て、タッカーにより容易に接合固定ができ、必要な圧縮
反発力が得られる厚さ、すなわち、通常無加重時の厚さ
で5〜100mm程度であり、好ましくは10〜50m
m程度であり、特に好ましくは15〜25mm程度であ
る。
【0022】金属箔3としては、アルミニウム箔、電解
銅箔、鉄箔などが使用される。金属箔の厚さは、通常
0.02〜0.1mm程度であり、可撓性、作業性、電
磁波シールド性能などを総合的に判断して、0.035
〜0.07mm程度とすることがより好ましい。
【0023】金属箔3は、炭素繊維フェルト1に対し、
図2に断面図として示す様に、接着剤層5により貼り合
わされる。接着剤は、金属箔の種類と炭素繊維フェルト
の種類に応じて適宜選択すれば良く、特に限定されるも
のではないが、例えば、アルミニウム箔と炭素繊維フェ
ルトとの貼り合わせには、ゴム系接着剤などを使用する
ことが好ましい。
【0024】図3は、炭素繊維フェルト1の両面に接着
剤層5、5を介して2枚の金属箔3、3を貼り合わせた
形式の本発明による電磁波シールド材の断面を示す。こ
の場合には、多重シールド効果を奏することが出来るの
で、好ましい。
【0025】図4は、炭素繊維フェルト1の端面を金属
箔3の折返しにより包み込んだ形式の電磁波シールド材
の断面図である。この場合には、金属箔の折り返し部分
にも接着剤を塗布して、貼り合わせを行う。
【0026】本発明による電磁波シールド材は、可撓性
に優れているので、曲面、凹凸面などの非平坦な面に対
しても、密着施工が可能である。また、その切断乃至裁
断を鋏み、カッターナイフなどの一般的な切断具により
簡単に行うことが出来る。
【0027】また、本発明による電磁波シールド材は、
吸音性および保温性に優れた炭素繊維フェルトを主な構
成材料としているので、本来の目的である電磁波シール
ド効果の他に、吸音および保温効果をも達成できる。従
って、本発明の電磁シールド材を使用する場合には、吸
音材および保温材の施工を省略することもできる。
【0028】また、従来の金属箔単独による電磁波シー
ルド施工の場合には、鋭利な刃物によりスリット状の開
口を生じた場合には、そのスリットの長さが電磁波の波
長の1/100程度であっても、シールド性能の劣化が
50dBにも達することが知られている。しかるに、本
発明の電磁波シールド材において、金属箔と導電性の炭
素繊維フェルトとを使用する場合には、シールド性能の
劣化を抑制することが出来、その信頼性を著しく高める
ことが出来る。
【0029】本発明による電磁波シールド材は、使用に
際しては、壁面、床面、天井面などに対して、下記に示
す施工方法により、複数枚の端部を接触させるか或いは
端部を重ね合わせた状態で、相互に繋ぎ合わせ、且つ下
地材に固定することが出来る。これらの施工方法は、電
磁シールド性を必要とする箇所、要求される電磁シール
ド性能などに応じて、適宜選択することが出来る。これ
らの方法の中でも、施工の簡素化という観点からは、タ
ックによる固定がより好ましい。
【0030】(1)図5に断面図として示す様に、本発
明の電磁波シールド材同士を端部で突き合わせ、金属箔
面を感圧接着式の金属導電性テープ7により繋ぎ合わせ
つつ、このテープにより下地材に対し固定することが出
来る。金属導電テープ7による繋ぎ合わせの幅xは、特
に限定されるものではないが、例えば、50mm程度と
することが出来る。下地材(図示せず)にたいする固定
は、タック(図示せず)によっても、行うことが出来
る。
【0031】(2)図6に断面図として示す様に、本発
明の電磁波シールド材の端部を重ね合わせ、タック9に
より重ね合わせ部分を下地板11に対し固定することが
出来る。重ね合わせ部分の幅(接合幅)xは、特に限定
されるものではないが、例えば、100mm程度とする
ことが出来る。
【0032】(3)上記(2)の施工方法では、若干電
磁シールド特性が低下する。従って、必要ならば、前述
の図4に示す様に、炭素繊維フェルト1の端面を金属箔
3の折返しにより包み込んだ形式の電磁波シールド材を
使用することにより、電磁シールド特性を向上させるこ
とが出来る。
【0033】(4)図7に断面図として示す様に、1枚
の電磁波シールド材の端部を折り返し、隣接する電磁波
シールド材の端部に重ね合わせ、下地材11に対しタッ
ク9により固定することが出来る。重ね合わせ部分の幅
(接合幅)xは、特に限定されるものではないが、例え
ば、50mm程度とすることが出来る。
【0034】(5)図8に断面図として示す様に、2枚
の電磁波シールド材の一方の金属箔3を他方に電磁波シ
ールド材に上方にまで張り出させた状態で、2枚の電磁
波シールド材をボルト13、固定助具15およびバック
プレート17により繋ぎ合わせることが出来る。この場
合、図示しないが、電磁波シールド材と下地材を固定助
具とバックプレート間に位置させた状態で、固定するこ
とにより、電磁波シールド材を下地材に固定することが
出来る。或いは、下地材への固定は、上記(1)の場合
と同様に、タックにより行うことも、出来る。
【0035】(6)図9は、斜面図として、図7に類似
した接続固定方法を示す。この方法では、重ね合わせた
2枚の電磁波シールド材を下地材11に固定するに際
し、固定助具19を使用することにより、より安定した
固定状態を確保することが出来る。
【0036】(7)図10は、3枚以上の電磁波シール
ド材を接合・固定する方法の一例を示す斜面図であり、
この方法は、図6に示す方法の応用例である。
【0037】(8)図11は、2枚の電磁波シールド材
を重ねて使用する場合の接続固定方法の一例を断面図と
して示す。この場合には、2枚の電磁波シールド材を少
しずらして配置し、タック9により2枚の電磁波シール
ド材を下地材に対し固定する。
【0038】(9)その他の方法として、図示はしない
が、2枚の電磁波シールド材の突き合わせ部分に樹脂製
或いは金属製などの当て板を当て、下地材に対しビス止
めをしたり、或いは下地材を介して電磁シールド材をボ
ルト止めすることもできる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、下記の様な顕著な効果
が達成される。
【0040】本発明による電磁シールド材を使用する場
合には、従来ハンダ付けによる接合のため施工が困難で
あった壁面、天井面などに対し、タック止め、導電性テ
ープによる接着などの簡単な施工法により、下地材に対
して強固に固定された電磁波シールド層を形成すること
が出来る。
【0041】シールド材相互の接合に際しては、端部を
重ね合わせ、タック止めすることにより、シールド材相
互を圧縮固定できるとともに、炭素繊維フェルトが有す
る圧縮反発力により、シールド材相互を常に加圧常態で
保持することができ、電磁シールドに必要である良好な
導通を維持することができ、さらに、電磁波漏れを容易
に防止することができる。
【0042】本発明による電磁波シールド材は、可撓性
およびクッション性に優れているので、曲面、凹凸面な
どの非平坦な面に対しても、容易に密着させることが出
来る。また、その切断乃至裁断を鋏み、カッターナイフ
などの一般的な切断具により簡単に行うことが出来る。
【0043】その結果、工数が大幅に減少し、作業性の
みならず、安全性も高められる。
【0044】下地材との接触が、炭素繊維フェルトの自
己復元力(反発力)により常に加圧状態で確保されてい
るので、従来の電磁シールド材において問題となってい
た変動、振動などによるハンダ付け接合面での破断・劣
化が皆無となり、特に地盤の弱い地域で構築されるシー
ルドルームの施工に好適である。
【0045】本発明による電磁波シールド材は、それ自
体が保温性および遮音性にも優れているので、極めて良
好な保温性および遮音性を必要とする特別な場合を除
き、保温材および遮音材を重ね施工する必要がない。
【0046】
【実施例】以下に参考例および実施例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
【0047】なお、参考例および実施例で使用した各種
の材料および電磁波シールド材の特性試験方法の詳細
は、下記の通りである。
【0048】(a)炭素繊維多孔体:フェノール樹脂を
塗布した炭素繊維短繊維のウェブを積層して密度0.012g
/cm3に調整し、固化することにより、常態での厚さ15m
m(米坪数180g/m2)の炭素繊維多孔体Aおよび25m
m(米坪数300g/m2)の炭素繊維多孔体Bを得た。こ
の炭素繊維多孔体AおよびBから直径50mmの試験片
を切り出し、常態での厚さの0.3倍の厚さに圧縮し、
圧縮反発力を測定したところ、Aは24g/cm2を示
し、Bは30g/cm2を示した。また、無負荷に戻し
たときの厚さは、Aでは95%であり、Bでは91%で
あった。
【0049】(b)電磁波シールド材:上記の炭素繊維
多孔体AおよびBにそれぞれ市販のイソブチルゴム系接
着剤を塗布した後、厚さ40μmのアルミニウム箔(昭
和アルミニウム(株)製)または厚さ35μmの電解銅
箔(福田金属箔粉工業(株)製)または厚さ70μmの
電解銅箔(福田金属箔粉工業(株)製)を接着すること
により、6種の電磁波シールド材A−Al、A−Cu
(35)、A−Cu(70)、B−Al、B−Cu(3
5)およびB−Cu(70)を得た。なお、銅箔を使用
する電磁波シールド材において、Cu(35)或いはC
u(70)とあるのは、銅箔の厚さ(μm)を示す。
【0050】(c)電磁波シールド性能:MIL STD285に
準拠して、送信室と発信室との隔壁に設けられた810
mm×810mmの開口部に試験体をセットし、30〜
1000MHzでの遮蔽性能を測定した。
【0051】(d)吸音性能:試験体を直径50mmに加
工し、JIS A1405に準拠して、測定周波数200〜2000Hzで
の垂直入射吸音率を測定した。測定装置の概要を断面図
として図12に示す。
【0052】(e)熱伝導率:JIS A 1412に準拠して、
測定した。
【0053】実施例1 上記の電磁波シールド材A−Al単独の電磁波シールド
性能を図13に示す。本発明による電磁波シールド材が
優れた電磁波シールド性能を備えていることが明らかで
ある。
【0054】実施例2 電磁波シールド材A−Alを900mm×450mmに切断し
た2枚の試験片を端面で突き合わせ、図5に示す要領で
金属箔面を感圧接着式導電性テープ(住友スリーエム株
式会社製、銅箔エンボス接着テープ、幅50mm)により
接合した。
【0055】2枚の試験片を接合した状態での電磁シー
ルド性能を図14に示す。
【0056】図13と図14との対比から明らかな様
に、接合による電磁シールド性能の低下は認められな
い。
【0057】実施例3 電磁波シールド材A−Alを900mm×450mmに切断し
た2枚の試験片を図6に示す様に重ね代x=100mmで
重ね合わせ、その重ね代部分を100mmの間隔で下地材
としてのベニヤ合板にタック固定した。
【0058】2枚の試験片を重ねて接合した状態での電
磁シールド性能を図15に示す。
【0059】実施例4 図7に示す様に、電磁波シールド材A−Alを900mm
×450mmに切断した試験片の端部を折返し幅70mmで
折り返し、隣接する他の同一寸法の試験片の上に重ね代
x=50mmで重ね合わせ、その重ね代部分を100mmの
間隔で下地材としてのベニヤ合板にタック固定した。
【0060】この接合状態での電磁シールド性能を図1
6に示す。
【0061】図15と図16との対比から明らかな様
に、電磁シールド材の端部を折り返した後、折り返し部
を他の電磁シールド材に重ね合わせて固定することによ
り、電磁シールド性能が著しく向上することが明らかで
ある。
【0062】実施例5 電磁波シールド材A−Cu(35)単独およびA−Cu
(70)単独の電磁波シールド性能を図17に示す。銅
箔を使用する本発明電磁波シールド材がやはり優れた電
磁波シールド性能を備えていることが明らかである。
【0063】実施例6 図6に示す形式で、それぞれ2枚の電磁波シールド材A
−Cu(35)およびA−Cu(70)を実施例3と同
様にして重ね代x=100mmで重ね合わせ接合した場
合の電磁シールド性能を図18に示す。
【0064】実施例7 図7に示す形式で実施例4と同様にして、電磁波シール
ド材A−Cu(35)を900mm×450mmに切断した試
験片の端部を折返し幅70mmで折り返し、隣接する他の
同一寸法の試験片の上に重ね代x=50mmで重ね合わ
せ、その重ね代部分を100mmの間隔で下地材としての
ベニヤ合板にタック固定した。
【0065】この接合状態での電磁シールド性能を図1
9に示す。
【0066】図18と図19との対比から明らかな様
に、金属箔として銅箔を使用する場合にも、電磁シール
ド材の端部を折り返した後、折り返し部を他の電磁シー
ルド材に重ね合わせて固定することにより、電磁シール
ド性能が著しく向上することが明らかである。
【0067】実施例8 電磁シールド材A−AlとB−Alについて、図12に
示す装置を用いて吸音性能を測定した。結果を図20に
示す。
【0068】厚さ15mm(米坪数180g/m2)の炭素繊
維多孔体Aを使用する電磁シールド材A−Alは、周波
数1000Hzで良好な吸音特性を示し、厚さ25mm(米坪
数300g/m2)の炭素繊維多孔体Bを使用する電磁シー
ルド材B−Alは、周波数2000Hzで良好な吸音特性を
示す。
【0069】実施例9 電磁シールド材A−AlとB−Alとからそれぞれ300
mm×300mmの試験片を切り出し、JIS A 1412に準拠
して、20℃での熱伝導率を平板比較法により評価し
た。
【0070】いずれの場合にも、0.02kcal/m・Hrという
良好な断熱性を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電磁波シールド材の構成を示す斜
面図である。
【図2】本発明による電磁波シールド材の構成の一例を
示す断面図である。
【図3】本発明による電磁波シールド材の構成の他の一
例を示す断面図である。
【図4】本発明による電磁波シールド材の構成のさらに
他の一例を示す断面図である。
【図5】本発明による電磁波シールド材の接合方法の一
例を示す断面図である。
【図6】本発明による電磁波シールド材の接合方法の他
の一例を示す断面図である。
【図7】本発明による電磁波シールド材の接合方法のさ
らに他の一例を示す断面図である。
【図8】本発明による電磁波シールド材の接合方法のさ
らに他の一例を示す断面図である。
【図9】本発明による電磁波シールド材の接合方法のさ
らに他の一例を示す斜面図である。
【図10】本発明による電磁波シールド材の接合方法の
さらに他の一例を示す斜面図である。
【図11】本発明による電磁波シールド材の接合方法の
さらに他の一例を示す斜面図である。
【図12】本発明による電磁波シールド材の吸音特性を
測定するために使用した装置の概要を示す断面図であ
る。
【図13】本発明による電磁波シールド材の電磁シール
ド性能を示すグラフである。
【図14】本発明による電磁波シールド材の電磁シール
ド性能を示すグラフである。
【図15】本発明による電磁波シールド材の電磁シール
ド性能を示すグラフである。
【図16】本発明による電磁波シールド材の電磁シール
ド性能を示すグラフである。
【図17】本発明による電磁波シールド材の電磁シール
ド性能を示すグラフである。
【図18】本発明による電磁波シールド材の電磁シール
ド性能を示すグラフである。
【図19】本発明による電磁波シールド材の電磁シール
ド性能を示すグラフである。
【図20】本発明による電磁波シールド材の吸音特性を
示すグラフである。
【符号の説明】
1…自己復元力を有する多孔質材料 3…金属箔 5…接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 宏明 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維フェルトの少なくとも一面に金属
    箔を備えたことを特徴とする防音・断熱性能を有する電
    磁波シールド材。
  2. 【請求項2】炭素繊維フェルトの少なくとも一面に金属
    箔を備え、且つその端面を金属箔の折返しにより包み込
    んだことを特徴とする防音・断熱性能を有する電磁波シ
    ールド材。
  3. 【請求項3】炭素繊維フェルトが常態の厚さの0.3倍
    以下に圧縮可能であり、且つ常態の厚さの0.3倍に圧
    縮したときに得られる反発力が20〜40g/cm2
    ある請求項1または2に記載の防音・断熱性能を有する
    電磁波シールド材。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁波
    シールド材の端部を重ねて、タッカー固定により接合す
    ることを特徴とする電磁波シールド材の固定方法。
JP11194695A 1995-05-10 1995-05-10 防音・断熱性能を有する電磁波シールド材およびその固定方法 Pending JPH08306482A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11194695A JPH08306482A (ja) 1995-05-10 1995-05-10 防音・断熱性能を有する電磁波シールド材およびその固定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11194695A JPH08306482A (ja) 1995-05-10 1995-05-10 防音・断熱性能を有する電磁波シールド材およびその固定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08306482A true JPH08306482A (ja) 1996-11-22

Family

ID=14574117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11194695A Pending JPH08306482A (ja) 1995-05-10 1995-05-10 防音・断熱性能を有する電磁波シールド材およびその固定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08306482A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001098662A (ja) * 1999-09-30 2001-04-10 Sekisui Chem Co Ltd ユニット建物
JP2007273606A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Nippon Chemicon Corp ラミネートフィルム外装電子部品
CN104776840A (zh) * 2015-04-17 2015-07-15 山东大学 一种便于分层观测的基坑回弹观测标志及观测方法
CN111168783A (zh) * 2019-12-19 2020-05-19 千年舟新材科技集团有限公司 一种电磁屏蔽功能的复合人造板及其制造方法
JP2021154700A (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 東洋紡Stc株式会社 遮熱シート、及び遮熱成型体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001098662A (ja) * 1999-09-30 2001-04-10 Sekisui Chem Co Ltd ユニット建物
JP2007273606A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Nippon Chemicon Corp ラミネートフィルム外装電子部品
CN104776840A (zh) * 2015-04-17 2015-07-15 山东大学 一种便于分层观测的基坑回弹观测标志及观测方法
CN111168783A (zh) * 2019-12-19 2020-05-19 千年舟新材科技集团有限公司 一种电磁屏蔽功能的复合人造板及其制造方法
JP2021154700A (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 東洋紡Stc株式会社 遮熱シート、及び遮熱成型体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4461796A (en) Sound damping materials
US8029881B2 (en) Radio frequency wave reducing material and methods for manufacturing same
US5595801A (en) Laminated shielding material and method for shielding an enclosure therewith
JP2011521300A (ja) メッシュ層を含む多層吸音構造物
JPH08306482A (ja) 防音・断熱性能を有する電磁波シールド材およびその固定方法
JP4745429B2 (ja) 吸音パネル
JP2000112482A (ja) 吸音シートおよび吸音シート積層体
CN106816145A (zh) 一种复合降噪板和降噪装置
WO2005091694A1 (ja) 電磁波シールド材の取付構造及びそれを用いた電磁波シールド構造
US4733013A (en) Shield system and sandwich seam for attenuation of electromagnetic energy
JPH10183813A (ja) 低音域騒音吸音構造
WO2018179485A1 (ja) 防音パネル
JP2849535B2 (ja) 電磁波シールド用炭素繊維フェルト及び炭素繊維フェルトによる電磁波シールド施工方法
JP2850447B2 (ja) 遮音パネル
JP3017733B1 (ja) 制震遮音性を有する電磁波シ―ルド材
JP2714581B2 (ja) 複合吸音壁材及び複合吸音壁構造
JP4730930B2 (ja) 電磁波シールド施工方法
WO1994009609A1 (en) Sheet material for shielding electromagnetic waves and method of constructing electromagnetic wave shielding
CN216839990U (zh) 层合吸隔声板
JP2010040640A (ja) 電磁波遮蔽体
JP2021138143A (ja) 積層体
JP2001358491A (ja) 電波又は磁波のシールド
JP2021194869A (ja) 積層体
JP2001267787A (ja) 成形板
JPS63268298A (ja) 電波シ−ルドパネル