JPH083038A - 抗hiv剤 - Google Patents

抗hiv剤

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JPH083038A
JPH083038A JP6137443A JP13744394A JPH083038A JP H083038 A JPH083038 A JP H083038A JP 6137443 A JP6137443 A JP 6137443A JP 13744394 A JP13744394 A JP 13744394A JP H083038 A JPH083038 A JP H083038A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 エイズ治療薬として有用であり且つ低毒性で
ある抗HIV剤を開発する。 【構成】 既知の化合物である 5,6−O−ベンジリデン
−L−アスコルビン酸又はこれのアルカリ金属塩あるい
はアルカリ土類金属塩を有効成分とする抗HIV剤。 【効果】 5,6−O−ベンジリデン−L−アスコルビン
酸は、HIV感染したT細胞におけるHIVの複製を阻
害する作用を有し、当該化合物又はこれらのアルカリ金
属塩あるいはアルカリ土類金属塩を有効成分とする抗H
IV剤はエイズ治療薬として期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は 5,6-O- ベンジリデン−
L−アスコルビン酸又はこれの製薬学的に許容できる塩
を有効成分とする抗HIV剤、すなわちHIV増殖阻害
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】エイズ、すなわち後天性免疫不全症候群
(AIDS)はヒトT細胞にエイズウイルス(HIV)
が感染したことによる病気であり、エイズの予防治療剤
としては各種の抗HIV剤が報告されている。例えば、
AZT(アジドチミジン)、DDI(2′,3′−ジデ
オキシイノシン)、IFN(インターフェロン)、制癌
剤であるアルキル化剤または代謝拮抗剤(特開平1-3803
1 号)等が抗HIV剤として挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来知られて
いる抗HIV剤はエイズ治療薬として満足できるものが
ないので、毒性が低く且つ強い抗HIV活性をもつ新規
な抗HIV剤を提供することが要望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の事情
を考慮して鋭意検討を重ねた結果、 5,6−O−ベンジリ
デン−L−アスコルビン酸(以下では、単にベンジリデ
ン−アスコルビン酸と記載することもある)又はこれの
製薬学的に許容できる金属塩が低い毒性と高い抗HIV
活性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0005】従って、本発明によると、 5,6−O−ベン
ジリデン−L−アスコルビン酸又はこれの製薬学的に許
容できるアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩を
有効成分として含有することを特徴とする抗HIV剤が
提供される。
【0006】本発明において有効成分として用いられる
ベンジリデン−アスコルビン酸またはその塩は公知の化
合物である。 5,6−O−ベンジリデン−L−アスコルビ
ン酸の製造法は「Steroids」12巻, 309頁(1968)等に記
載され、また別の製造法は、特公平3−33127号公
報及び米国特許第 5,036,103号明細書に示される。更
に、 5,6−O−ベンジリデン−L−アスコルビン酸又は
これのナトリウム塩、カリウム塩及びカルシウム塩が有
する抗癌活性及びこれらの塩を製造する方法は特公平3
−33127号公報及び米国特許第 5,036,103号明細書
に記載される。
【0007】本発明の抗HIV剤で有効成分として有用
であるベンジリデン−アスコルビン酸の塩の具体例に
は、一ナトリウム塩、二ナトリウム塩、一カリウム塩、
二カリウム塩及びカルシウム塩がある。特に、 5,6−O
−ベンジリデン−L−アスコルビン酸一ナトリウム塩
(略号:SBA)が好ましい。
【0008】本発明で有効成分として用いられるベンジ
リデン−アスコルビン酸又はその製薬学的に許容できる
塩は低毒性であり、しかも抗HIV作用を有する。
【0009】本発明の抗HIV剤は、ヒトの免疫細胞の
HIVウイルスによる感染の予防・治療と後天性免疫不
全症候群(AIDS)の予防・治療に有用である。本発
明の抗HIV剤を上記の目的の医薬品として用いる場
合、製薬学的に許容される添加剤(例えば、担体、賦活
剤、希釈剤等)等の如き製薬上必要な添加剤成分と適宜
混合し、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、
注射剤、外用剤、坐剤等の態様で医薬組成物に製剤で
き、そして、経口的または非経口的に投与することがで
きる。
【0010】上記製剤中には、本発明で用いる有効成分
化合物はその有効量が配合される。投与量は、投与経
路、症状、患者の体重、性別、年齢等によって異なる
が、例えば、成人患者では1日当たり100〜3000
mg程度が例示される。しかし、その投与量は動物試験の
結果など種々の情況を勘案して薬剤投与による薬剤血中
濃度が一定量を越えない範囲で、連続的または間けつ的
に投与できる。一定の条件下における適量と投与回数
は、上記の指針を基にして専門医の決定によらなければ
ならない。また、本発明の抗HIV剤の製剤された組成
物中における有効成分化合物の含量が製剤型により種々
異なるが、通常は 0.1〜99重量%、好ましくは1〜9
0重量%である。例えば注射液の場合には、通常 0.1−
5重量%の有効成分化合物を含むようにすることがよ
い。経口投与の場合には、前記の固体担体もしくは液状
担体と共に錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、ドライシ
ロップ剤、液剤、シロップ剤等の形態で用いられる。カ
プセル、錠剤、顆粒、粉剤の場合、一般に有効成分化合
物の含量は3〜99重量%、好ましくは5〜90重量%
であり、残部は担体である。
【0011】かかる製剤中での賦形剤および担体として
は製薬学上許容されるものが選ばれ、その種類および組
成は投与経路や投与方法によって決まる。例えば、液状
担体として水、アルコールもしくは大豆油、ゴマ油、ミ
ネラル油などの動植物油、または合成油などが用いられ
る。固体担体としてマルトース、シュークロースなどの
糖類、リジンなどのアミノ酸類、ヒドロキシプロピルセ
ルロースなどのセルロース誘導体、シクロデキストリン
などの多糖類、ステアリン酸マグネシウムなどの有機酸
塩などが使用される。
【0012】注射剤として製剤する場合には、液状担体
は一般に生理食塩水、各種緩衝液、グルコース、イノシ
トール、マンニトールなどの糖類溶液、エチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール等のグリコール類が望ま
しい。また、イノシトール、マンニトール、グルコー
ス、マンノース、マルトース、シュークロースなどの糖
類、フェニルアラニンなどのアミノ酸類などの賦形剤と
共に凍結乾燥製剤とし、それを投与時に注射用の適当な
溶剤、例えば滅菌水、生理食塩水、ブドウ糖液、電解質
溶液、アミノ酸などの静脈投与用液体に溶解して用いる
こともできる。
【0013】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために製剤例及
び試験例等を挙げるが、本発明はこれらにより何ら限定
されるものではない。
【0014】製剤例1 (錠剤) (1)SBA(5,6−O−ベンジリデン−L−アスコルビン酸 一ナトリウム塩) 50g (2)メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 14g (3)トウモロコシデンプン 21g (4)乳 糖 35g (5)結晶セルロース 60g (6)CMCカルシウム 18g 上記成分を均一に混合した後にステアリン酸マグネシウ
ムの2gを添加してさらに混合し、その混合粉末を打錠
して、1錠200mgの錠剤とした。この錠剤は、必要に
応じて、通常用いられる胃溶性フィルムコーティング剤
(例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテ
ート)あるいは食用性着色剤で着色してもよい。
【0015】製剤例2 (カプセル剤) (1)SBA 1000g (2)乳 糖 960g (3)ステアリン酸マグネシウム 40g 上記成分を均一に混合し、その混合粉末をハードゼラチ
ンカプセルに200mgずつ充填した。
【0016】製剤例3 (注射剤) (1)SBA 100mg (2)ブドウ糖 100mg (3)生理食塩水 全量で10ml SBAとブドウ糖を生理食塩水に溶解した液をメンブラ
ンフィルターで濾過後に再び除菌濾過を行い、その濾過
液を無菌的にバイアルに分注し、窒素ガスを充填した
後、密封して静脈内注射剤とした。
【0017】試験例1(毒性の評価) 生理食塩水にとかしたSBA溶液(100mg/ml)を10
00mg/kg 体重の投与量でSBAをICR系マイス(5
週令,雄,各群5匹)に静脈内投与しても、死亡するに
は到らなかった。これにより、 5,6−O−ベンジリデン
−L−アスコルビン酸が極めて低い毒性を示すことが認
められる。
【0018】試験例2 U937細胞(ヒト単球芽球様細胞)にHIV−1(H
TLV− IIIB株)の遺伝子DNAを2コピー導入して
HIV−1遺伝子がプロウイルスとして細胞内に存在し
ているHIV持続感染細胞であるU1細胞をHIV発現
試験用の細胞として用いた。このU1細胞はTPA(ホ
ルボールエステル)あるいはTNF(腫瘍壊死因子)等
の細胞刺激剤により感染細胞を刺激しないと、HIVの
複製、すなわちHIVの発現が起こらない型の細胞であ
る。
【0019】上記のU1細胞を48穴のコスタープレート
の各穴で種々の条件下で培養した。すなわち、種々の濃
度で 5,6−O−ベンジリデン−L−アスコルビン酸ナト
リウム塩(以下、SBAと略す)を培養液中に添加して
SBAの存在下に又は非存在下にU1細胞を培養し、ま
たさらに、これら細胞に種々の濃度のTPAを加えて刺
激を行った細胞と、刺激を行わなかった細胞とをも培養
した。
【0020】TPAの添加による刺激をされたU1細胞
を培養すると、相当数のU1細胞の中でHIVの複製が
起り、細胞内でHIV抗原が生成して、HIV粒子が細
胞より発芽、放出されるHIV陽性細胞となる。HIV
の複製は間接蛍光抗体法で検出できる。
【0021】上記のようにして、SBA及びTPAの両
者とも添加しない場合、SBAを添加したがTPAを添
加しない場合、SBAを添加しないがTPAを添加した
場合及びSBAとTPAの両者を添加した場合の夫々の
条件に分けてU1細胞を培養した。このように培養され
たU1細胞のうちのHIVの複製とHIV粒子の放出
を、一次抗体として、抗HIV−1を要するマウスモノ
クローナル抗体、二次抗体としてFITC−家兎由来ヒトI
gG抗体を用いる蛍光測定法により検出した。検出した
HIV陽性細胞の細胞数を、試験に供したU1細胞の全
数に対する百分率(%)として算出し、HIV−1陽性
細胞の出現率(%)として表わす。
【0022】得られた試験結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1の結果から明らかなように、添加され
たSBAは50〜 800μg/mlの範囲で濃度に依存して、T
PA添加培養の細胞系でHIV−1陽性細胞の出現率を
低下せしめており、HIVの複製が抑制されたことが認
められ、その50%阻害濃度はほぼ400 μg/mlである。
【0025】上記の結果から、SBAは従って 5,6−O
−ベンジリデン−L−アスコルビン酸又はその塩がHI
V持続感染宿主細胞内においてHIVの複製を阻害する
こと、すなわち抗HIV作用を有することが確認され
た。
【0026】試験例3 TPA及び腫瘍壊死因子(TNF)の刺激により、HI
V感染細胞内でHIVプロウイルスとして潜伏するHI
V遺伝子が活性化され、ウイルス粒子の発芽、放出への
進行が強く誘導される。このウイルス発現の活性化は、
これら細胞外からの刺激で生じる宿主細胞内の酸化スト
レスが原因であると考えられている。細胞内の核内因子
であるNFk Bがウイルスの増殖に重大に関与し、かつ
そのNFk Bの酸化還元状態が本因子の活性化に重要で
あること、などの知見も報告されている。そこでSBA
にHIV増殖阻害活性があるか否かを、下記の試験法で
培養細胞レベルで検討した。
【0027】(イ)各種のT細胞に対するSBAの細胞
毒性試験 A3.01細胞(HAT感受性CEM細胞株)と、HIVを
感染させたA3.01細胞と、前記のU1細胞とを夫々に種
々の濃度のSBAを含む改良RPM1−1640培地中で培
養し、培養後に生存した細胞の細胞数を偏光顕微鏡下で
トリパンブルー色素排除法により測定した。細胞の生存
率(%)を算出して、次の表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】A3.01細胞、HIV感染A3.01細胞、U1
細胞に対するSBAの上記の細胞毒性試験では、U1細
胞に対してSBAは細胞毒性をほとんど示さず、A3.01
細胞に対してもSBAが1000μg/mlの高濃度で細胞
の生存率がほぼ70%であった。これらの結果はこれら
細胞に対するSBAの細胞毒性がかなり低いことを示し
ている。一方、HIVに感染したA3.01細胞に対して、
SBAは500〜800μg/mlで細胞の生存に著しい阻
害作用を示した。
【0030】(ロ)HIV感染されたマイトジェン誘導
幼若化ヒト末梢血単核球細胞(PBMC)におけるHI
Vの感染及び増殖複製に対するSBAの阻害試験 マイトジェンであるPHA(ホルボールエステル)で活
性化されて幼若化したPBMC細胞を培養し、次いでH
IVを又はSBAで前処理されたHIVを感染させた。
このHIV感染細胞を種々の濃度のSBAを含む培地中
で培養し続け、更に培養物の上清を分離し、上清中に放
出されたHIV粒子の量を測定した。但し、HIV粒子
の放出量の測定は、HIV の構造タンパク質であるHIV
−p24抗原が上清中に存在する量を代行指標として測
定することにより行った。その結果を次の表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】上記の試験におけるように、PHAで活性
化したPBMC細胞にHIVを感染させた際に発現する
HIV−p24抗原の生成量を指標として、SBAの抗
HIV作用を見ると、SBA100μg/mlではHIV抗原
の生成に対する抑制効果が認められた。従ってHIVの
複製抑制に対するSBAの作用が認められたことが表3
の結果から示される。しかし、HIVをSBAで前処理
してから感染させた細胞をSBAの存在下に培養した試
験ではHIVの複製に対する抑制効果が認められなかっ
た。この結果、SBAのHIV−1複製抑制効果はSB
Aが直接にHIVに作用してHIVの感染性(感染力)を
失わせたことによるものでない。
【0033】(ハ)HIV感染したA3.01細胞に腫瘍壊
死因子(TNF−α)を導入した時に誘導されるHIV
複製に対するSBAの阻害作用試験 エイズウイルスHIVBRU (逆転写酵素活性、0.03cpm/
細胞)と6×106 個のA3.01細胞(HAT感受性CE
M細胞株)を37℃で1時間反応させた。1時間反応
後、細胞をPBSで洗い、余分なウイルスを除去した。
5×105 個のHIV感染したA3.01細胞を種々の濃度
のTNF−αとSBAを含む培地中で培養し、培養0日
目〜5日目の間でその培養細胞の上清中に放出されたH
IV構造タンパク質のHIV−p24抗原の量を測定し
た。
【0034】上記の細胞培養に用いた培地は10%熱処
理胎児牛血清、ペニシリン、ストレプトマイシン、グル
タミン、メルカプトエタノールを含むRPM1−164
0培地である。
【0035】経時的に測定したHIV−p24抗原の生
成量とSBAの濃度との関連性を次の表4に要約して示
す。
【0036】
【表4】
【0037】上記の試験では培養細胞上清に出現するp
24抗原タンパク質を指標としてHIV複製の検討を行
った。すなわち、HIV感染後、6日間、経時的にp2
4抗原量を測定したところ、SBAの非存在下では、A
3.01細胞で10unit/ml のTNF−αの刺激によりHI
V複製が誘導された。しかし、そのHIV複製は1μg/
mlという低濃度のSBAの添加でHIV感染後5日目に
は著しく抑制されており、10μg/mlのSBAの添加で
50%の阻害を示し、100μg/mlのSBAの添加では
HIV複製が完全に阻止されたことが表4の結果より認
められた。
【0038】なお、表4では、HIV感染細胞の培養時
にSBAに代えて2μg/mlのAZT(既知の抗HIV
剤)を添加した場合の比較試験の結果も示してある。S
BAとAZTとのHIV感染、複製阻害効果の比較は、
SBA濃度100μg/mlでAZT(2μg/ml)と同じ効
果を示した。
【0039】(ニ)HIV感染Molt−4細胞の巨細胞形
成に対するSBAの抑制作用試験 上記の試験(ハ)と同様にしてエイズウイルスHIV
BRU をMolt−4細胞(CD4陽性ヒト由来T細胞株)に
感染させた。その後、HIV感染したMolt−4細胞とH
IV感染してないMolt−4細胞とを混合して、種々の濃
度のSBAを含む上記の改良RPM1−1640培地中
で高密度で混合培養した。感染細胞と感染細胞、感染細
胞と非感染細胞により形成される細胞融合細胞(巨細
胞)の存在を検討した。巨細胞出現は顕微鏡下で確認を
行った。その巨細胞の大きさは他の細胞の大きさとは明
らかに異なる。本実験系でSBAを添加下に培養する
と、培養20時間において10μg/ml以上のSBA濃度
でSBAは巨細胞形成を抑制することが認められた。
【0040】上記の試験(ロ)〜(ニ)の試験結果は、
試験したSBAがT細胞に感染したHIVの細胞内のH
IV複製を抑制する作用を有する物質であることを示し
ている。上記の試験において、Molt−4細胞における巨
細胞形成と、マイトジェン誘導によるPBMC幼若下でのH
IV感染と、A3.01細胞におけるHIVp24gag タン
パク質生産等が、SBAで抑制されることが証明され
た。即ち、SBAは抗HIV作用を有することを示す。
【0041】特にSBAがMolt−4細胞での巨細胞形成
を抑制し、かつ1μg/mlという微量のSBAがTNF−
αで誘導されるHIVの増殖を抑制する知見は、SBA
がHIV感染細胞内におけるHIV−1遺伝子の転写の
初期過程を抑制してHIVのウイルスエンベロープ蛋白
を発現させないことを示す。HIV−1遺伝子の転写初
期過程においては、宿主細胞の転写調節因子NFk Bが
重要な役割を果たしている。従ってSBAはNFk Bの
活性化を阻害している可能性を強く示している。
【0042】NFk Bは分子量約5万(p50)のタン
パク質と分子量6万5千(p65)のタンパク質との分
子が会合した複合タンパク質であり、これに核酸結合能
阻害因子としてのIk B(分子量3万7千)のタンパク
質が結合してNFk Bの核酸結合能を不活性化した状態
で細胞質に存在していることが知られている。細胞外よ
り諸種の酸化ストレス因子やTNF−αなどの炎症性サ
イトカインにより刺激を受けると、細胞内に活性酸素が
生じる。この生じた活性酸素に対する生体内防御反応と
して活性酸素を捕捉する酵素の発現を誘導させる。その
ような酵素のうちにはNFk Bの核酸結合能を活性化す
る作用を有するものがある。活性化されたNFk Bは、
プロウイルスとして存在しているHIV遺伝子のメッセ
ンジャーRNAの転写調節部位に結合して、HIVのm
RNAへの転写を増強させる。その結果、HIVの増殖
促進を誘導する。強い抗酸化能を有するSBAは、細胞
内で活性酸素を消去し、そのため宿主細胞由来の活性酸
素を消去する酵素の発現が誘導されず、結果的にNFk
Bの核酸結合能の活性化の誘導を行わないため、HIV
−1の複製が阻害されると考察される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5,6−O−ベンジリデン−L−アスコル
    ビン酸又はこれの製薬学的に許容できるアルカリ金属塩
    あるいはアルカリ土類金属塩を有効成分として含有する
    ことを特徴とする抗HIV剤。
JP6137443A 1994-06-20 1994-06-20 抗hiv剤 Expired - Lifetime JP2990015B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6137443A JP2990015B2 (ja) 1994-06-20 1994-06-20 抗hiv剤
EP95921986A EP0765662B1 (en) 1994-06-20 1995-06-19 Use of 5,6-o-benzylidene-l-ascorbic acid or salts thereof for the manufacture of a medicament for the treatment of hiv
CA002193239A CA2193239A1 (en) 1994-06-20 1995-06-19 Hiv growth inhibitory composition
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