JPH0830303A - 振動系の駆動制御方法 - Google Patents
振動系の駆動制御方法Info
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- JPH0830303A JPH0830303A JP6159917A JP15991794A JPH0830303A JP H0830303 A JPH0830303 A JP H0830303A JP 6159917 A JP6159917 A JP 6159917A JP 15991794 A JP15991794 A JP 15991794A JP H0830303 A JPH0830303 A JP H0830303A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 H∞制御器の伝達関数の設計を簡単にする。
H∞制御器の伝達関数の次数が必要以上に大きくなるの
を防止する。 【構成】 制御対象プラントのモ−ダル解析モデル10
を予め生成し、コントロ−ラ20A,20Bの伝達関数
Kを設計する際に、必要な部分だけを抽出したモ−ダル
解析モデル10A又は10Bを用いて、1次振動成分1
st(又はそれと2次振動成分2nd)を取り出し、そ
れに重み関数W1を掛けて制御出力z1を得る。PI制
御器22の出力SG0に重み関数W2を掛けてz2を得
て、SG0に制御入力uを加算した結果に重み関数W3
を掛けてz3を得る。この設計モデルにH∞制御理論を
適用して伝達関数Kを求める。
H∞制御器の伝達関数の次数が必要以上に大きくなるの
を防止する。 【構成】 制御対象プラントのモ−ダル解析モデル10
を予め生成し、コントロ−ラ20A,20Bの伝達関数
Kを設計する際に、必要な部分だけを抽出したモ−ダル
解析モデル10A又は10Bを用いて、1次振動成分1
st(又はそれと2次振動成分2nd)を取り出し、そ
れに重み関数W1を掛けて制御出力z1を得る。PI制
御器22の出力SG0に重み関数W2を掛けてz2を得
て、SG0に制御入力uを加算した結果に重み関数W3
を掛けてz3を得る。この設計モデルにH∞制御理論を
適用して伝達関数Kを求める。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばロ−ル駆動装置
などの振動系の駆動制御に関する。
などの振動系の駆動制御に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、圧延機などのロ−ルを回転駆動
するロ−ル駆動装置は、駆動用の電動機,減速機又は増
速機,ロ−ル,軸(スピンドル)などで構成されてい
る。この種の装置の制御系においては、一般に、駆動用
の電動機に取り付けた速度検出器からの速度信号と、目
標速度とを比較した結果に応じて、電動機の駆動状態を
制御することにより実施されている。
するロ−ル駆動装置は、駆動用の電動機,減速機又は増
速機,ロ−ル,軸(スピンドル)などで構成されてい
る。この種の装置の制御系においては、一般に、駆動用
の電動機に取り付けた速度検出器からの速度信号と、目
標速度とを比較した結果に応じて、電動機の駆動状態を
制御することにより実施されている。
【0003】ところが、この種の装置は、等価的に、多
質点のばね系で表現される振動系を構成しているため、
制御系に振動が生じ易い。特に、近年の圧延機の高速化
および高応答化の要求に伴なって、ロ−ル駆動制御装置
の駆動目標速度の変化を速くする(応答性を高める)
と、軸の捩じり振動が顕著になり、安定した運転が難し
くなる。また、例えば熱間圧延設備において鋼板を圧延
する際、圧延機の板噛み込み時にロ−ル側から駆動側に
加わる負荷力(負荷インパクト入力)によって、軸の捩
じり振動(軸共振)が発生するため、制御系に振動が外
乱として加わり、ロ−ル駆動速度が変動する。
質点のばね系で表現される振動系を構成しているため、
制御系に振動が生じ易い。特に、近年の圧延機の高速化
および高応答化の要求に伴なって、ロ−ル駆動制御装置
の駆動目標速度の変化を速くする(応答性を高める)
と、軸の捩じり振動が顕著になり、安定した運転が難し
くなる。また、例えば熱間圧延設備において鋼板を圧延
する際、圧延機の板噛み込み時にロ−ル側から駆動側に
加わる負荷力(負荷インパクト入力)によって、軸の捩
じり振動(軸共振)が発生するため、制御系に振動が外
乱として加わり、ロ−ル駆動速度が変動する。
【0004】従って、ロ−ル駆動系を高応答化するため
には、駆動速度目標値の変更時、あるいは負荷インパク
ト時に、軸の捩じり振動によって生じる制御系の振動を
すみやかに抑制するように制御することが重要である。
には、駆動速度目標値の変更時、あるいは負荷インパク
ト時に、軸の捩じり振動によって生じる制御系の振動を
すみやかに抑制するように制御することが重要である。
【0005】そこで、例えば特開昭61−26486号
公報では、機械系を多質点モデルに近似した状態方程式
に基づく、オブザ−バを用いて、軸の捩じり振動を抑制
することを提案している。
公報では、機械系を多質点モデルに近似した状態方程式
に基づく、オブザ−バを用いて、軸の捩じり振動を抑制
することを提案している。
【0006】また、最近では外乱に対して安定性の高い
H∞制御理論が注目されており、これを電動機の駆動制
御に適用することも試みられている(平成5年電気学会
全国大会,674,「H∞制御による電動機の制
御」)。
H∞制御理論が注目されており、これを電動機の駆動制
御に適用することも試みられている(平成5年電気学会
全国大会,674,「H∞制御による電動機の制
御」)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オブザ
−バは一般にノイズ等の外乱に弱いため、それに基づく
制御系は、負荷インパクト時の外乱等に対して、制御が
不安定になり易い。
−バは一般にノイズ等の外乱に弱いため、それに基づく
制御系は、負荷インパクト時の外乱等に対して、制御が
不安定になり易い。
【0008】また、H∞制御理論を適用した従来の方法
では、制御対象の伝達関数をひとまとめにして考えてい
るため、例えば、制御対象の振動系が多数の共振周波数
を持つ複雑なものである場合、必ず制御器の伝達関数も
非常に複雑なものになる。従って、実用的な処理速度の
制御器を実現するためには、高速処理のできる高価な制
御用コンピュ−タが必要になる。しかし実際の制御系に
おいては、振動系が多数の共振周波数を持つ場合であっ
ても、制御に大きな影響を及ぼす共振周波数は2つ程度
と少ない場合が多い。従って、従来の制御では、必要以
上に制御器の伝達関数が複雑化し、必要以上に高価な制
御装置(制御用コンピュ−タ)を使用せざるを得ない。
では、制御対象の伝達関数をひとまとめにして考えてい
るため、例えば、制御対象の振動系が多数の共振周波数
を持つ複雑なものである場合、必ず制御器の伝達関数も
非常に複雑なものになる。従って、実用的な処理速度の
制御器を実現するためには、高速処理のできる高価な制
御用コンピュ−タが必要になる。しかし実際の制御系に
おいては、振動系が多数の共振周波数を持つ場合であっ
ても、制御に大きな影響を及ぼす共振周波数は2つ程度
と少ない場合が多い。従って、従来の制御では、必要以
上に制御器の伝達関数が複雑化し、必要以上に高価な制
御装置(制御用コンピュ−タ)を使用せざるを得ない。
【0009】従って本発明は、軸の捩じり振動によって
生じる制御系の振動をすみやかに抑制しうる制御系を構
成するとともに、制御器の伝達関数が必要以上に複雑化
するのを防止して、低コストの装置でも実用的な制御器
を実現可能にすることを課題とする。
生じる制御系の振動をすみやかに抑制しうる制御系を構
成するとともに、制御器の伝達関数が必要以上に複雑化
するのを防止して、低コストの装置でも実用的な制御器
を実現可能にすることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の振動系の駆動制御方法では、駆動手段
(1),動力伝達手段(2,3,4,5),及び負荷
(6)を含む振動系の制御対象プラント(8)に対し
て、それの構成を複数の周波数成分に分解して等価的に
示すモ−ダル解析モデル(10)を生成し、制御入力を
uとし、観測出力をyとし、伝達関数をKとし、u=K
・yで表わされる補償量を出力するコントロ−ラ(2
0,20A,20B)の伝達関数Kを決定する際に、前
記モ−ダル解析モデルと前記コントロ−ラを含めた制御
系モデル(30,30A,30B)において、負荷トル
クτL及び速度目標値ωrefを外部入力wとし、制御系
の状態量をxとし、状態量xおよび観測出力yの中から
選択された制御出力をz’とし、A,B,C,Dを行列
とし、前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出さ
れた特定の共振周波数成分(1st,2nd)を少なく
とも1つz’の中に含み、
に、本発明の振動系の駆動制御方法では、駆動手段
(1),動力伝達手段(2,3,4,5),及び負荷
(6)を含む振動系の制御対象プラント(8)に対し
て、それの構成を複数の周波数成分に分解して等価的に
示すモ−ダル解析モデル(10)を生成し、制御入力を
uとし、観測出力をyとし、伝達関数をKとし、u=K
・yで表わされる補償量を出力するコントロ−ラ(2
0,20A,20B)の伝達関数Kを決定する際に、前
記モ−ダル解析モデルと前記コントロ−ラを含めた制御
系モデル(30,30A,30B)において、負荷トル
クτL及び速度目標値ωrefを外部入力wとし、制御系
の状態量をxとし、状態量xおよび観測出力yの中から
選択された制御出力をz’とし、A,B,C,Dを行列
とし、前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出さ
れた特定の共振周波数成分(1st,2nd)を少なく
とも1つz’の中に含み、
【0011】
【数2】
【0012】の状態方程式で表わされる制御系におい
て、前記外部入力wから前記制御出力z’へ至る伝達関
数をΦ’とし、前記モ−ダル解析モデルの中から選択的
に抽出された特定の共振周波数成分に対する重み関数W
i(1stに対応するW1,2ndに対応するW2)を
その要素に含む重み行列Wを用いて、W・z’を評価出
力zとし、Φ=W・Φ’で表わされる、前記外部入力w
から前記評価出力zへ至る伝達関数ΦのH∞ノルムの大
きさを1未満にする伝達関数Kを求め、この伝達関数K
と等価な機能を備えた前記コントロ−ラを、実際の制御
対象プラント(8)の制御系に接続してそれの制御を実
施する。
て、前記外部入力wから前記制御出力z’へ至る伝達関
数をΦ’とし、前記モ−ダル解析モデルの中から選択的
に抽出された特定の共振周波数成分に対する重み関数W
i(1stに対応するW1,2ndに対応するW2)を
その要素に含む重み行列Wを用いて、W・z’を評価出
力zとし、Φ=W・Φ’で表わされる、前記外部入力w
から前記評価出力zへ至る伝達関数ΦのH∞ノルムの大
きさを1未満にする伝達関数Kを求め、この伝達関数K
と等価な機能を備えた前記コントロ−ラを、実際の制御
対象プラント(8)の制御系に接続してそれの制御を実
施する。
【0013】また、請求項2の発明では、前記重み行列
Wは、前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出さ
れた、特定の共振周波数成分を制御出力z1’とし、前
記評価出力の要素をz1とし、z1=W1・z1’で表
わされる第1の重み関数W1と、前記コントロ−ラ(2
0A)が付加される制御系の操作量を制御出力z2’と
し、前記評価出力の要素をz2とし、z2=W2・z
2’で表わされる第2の重み関数W2と、前記コントロ
−ラが付加される制御系の操作量(SG0)に、該コン
トロ−ラが出力する制御入力uを加えた量を制御出力z
3’とし、前記評価出力の要素をz3とし、z3=W3
・z3’で表わされる第3の重み関数W3と、を含む。
Wは、前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出さ
れた、特定の共振周波数成分を制御出力z1’とし、前
記評価出力の要素をz1とし、z1=W1・z1’で表
わされる第1の重み関数W1と、前記コントロ−ラ(2
0A)が付加される制御系の操作量を制御出力z2’と
し、前記評価出力の要素をz2とし、z2=W2・z
2’で表わされる第2の重み関数W2と、前記コントロ
−ラが付加される制御系の操作量(SG0)に、該コン
トロ−ラが出力する制御入力uを加えた量を制御出力z
3’とし、前記評価出力の要素をz3とし、z3=W3
・z3’で表わされる第3の重み関数W3と、を含む。
【0014】また、請求項3の発明では、前記重み行列
Wは、前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出さ
れた、第1の共振周波数成分(1st)を制御出力z
1’とし、前記評価出力の要素をz1とし、z1=W1
・z1’で表わされる第1の重み関数W1と、前記モ−
ダル解析モデルの中から選択的に抽出された、第2の共
振周波数成分(2nd)を制御出力z2’とし、前記評
価出力の要素をz2とし、z2=W2・z2’で表わさ
れる第2の重み関数W2と、前記コントロ−ラ(20
B)が付加される制御系の操作量(SG0)を制御出力
z3’とし、前記評価出力の要素をz3とし、z3=W
3・z3’で表わされる第3の重み関数W3と、前記コ
ントロ−ラが付加される制御系の操作量(SG0)に、
該コントロ−ラが出力する制御入力uを加えた量を制御
出力z4’とし、前記評価出力の要素をz4とし、z4
=W4・z4’で表わされる第4の重み関数W4と、を
含む。
Wは、前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出さ
れた、第1の共振周波数成分(1st)を制御出力z
1’とし、前記評価出力の要素をz1とし、z1=W1
・z1’で表わされる第1の重み関数W1と、前記モ−
ダル解析モデルの中から選択的に抽出された、第2の共
振周波数成分(2nd)を制御出力z2’とし、前記評
価出力の要素をz2とし、z2=W2・z2’で表わさ
れる第2の重み関数W2と、前記コントロ−ラ(20
B)が付加される制御系の操作量(SG0)を制御出力
z3’とし、前記評価出力の要素をz3とし、z3=W
3・z3’で表わされる第3の重み関数W3と、前記コ
ントロ−ラが付加される制御系の操作量(SG0)に、
該コントロ−ラが出力する制御入力uを加えた量を制御
出力z4’とし、前記評価出力の要素をz4とし、z4
=W4・z4’で表わされる第4の重み関数W4と、を
含む。
【0015】また、請求項4の発明では、前記コントロ
−ラが付加される制御系の操作量を観測出力yに定めて
求めた前記伝達関数Kを設定した第1のコントロ−ラ
(20A)と、前記速度目標値ωrefを観測出力yに定
めて求めた前記伝達関数Kを設定した第2のコントロ−
ラ(20B)との両者を実際の制御対象プラントの制御
系に接続してそれの制御を実施する。
−ラが付加される制御系の操作量を観測出力yに定めて
求めた前記伝達関数Kを設定した第1のコントロ−ラ
(20A)と、前記速度目標値ωrefを観測出力yに定
めて求めた前記伝達関数Kを設定した第2のコントロ−
ラ(20B)との両者を実際の制御対象プラントの制御
系に接続してそれの制御を実施する。
【0016】なお上記括弧内に示した記述及び記号は、
後述する実施例中の対応する要素を参考までに示したも
のであるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な
要素のみに限定されるものではない。
後述する実施例中の対応する要素を参考までに示したも
のであるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な
要素のみに限定されるものではない。
【0017】
【作用】本発明では、制御対象プラント(8)を制御す
るために、補償量を出力するコントロ−ラ(20,20
A,20B)を制御系に接続するが、このコントロ−ラ
の伝達関数Kを決定する際に、制御対象プラントの軸捩
じり振動を抑制し、かつ制御対象プラントの特性に対し
て制御が安定するように、H∞制御理論を適用する。
るために、補償量を出力するコントロ−ラ(20,20
A,20B)を制御系に接続するが、このコントロ−ラ
の伝達関数Kを決定する際に、制御対象プラントの軸捩
じり振動を抑制し、かつ制御対象プラントの特性に対し
て制御が安定するように、H∞制御理論を適用する。
【0018】この伝達関数Kを決定する場合、従来の方
法では、制御対象プラントの全体の伝達関数をひとまと
めにして考え、H∞制御理論を適用している。一般に、
制御対象プラントは多数の共振周波数を有するので、そ
の伝達関数は非常に複雑になる。従来の方法では、制御
対象プラントの全ての共振周波数に対して、その振動を
抑制するようなコントロ−ラの伝達関数Kが結果的に生
成される。
法では、制御対象プラントの全体の伝達関数をひとまと
めにして考え、H∞制御理論を適用している。一般に、
制御対象プラントは多数の共振周波数を有するので、そ
の伝達関数は非常に複雑になる。従来の方法では、制御
対象プラントの全ての共振周波数に対して、その振動を
抑制するようなコントロ−ラの伝達関数Kが結果的に生
成される。
【0019】しかしながら、実際の制御対象プラントの
伝達関数は、例えば図2に示すようになっている。即
ち、伝達関数に含まれる多数の共振周波数のうち、実際
のプラントの動作に影響を及ぼす支配的な成分は、周波
数の低い1次振動のみ、あるいは1次振動と2次振動の
みである。
伝達関数は、例えば図2に示すようになっている。即
ち、伝達関数に含まれる多数の共振周波数のうち、実際
のプラントの動作に影響を及ぼす支配的な成分は、周波
数の低い1次振動のみ、あるいは1次振動と2次振動の
みである。
【0020】従って、従来の方法で生成された伝達関数
は、必要以上に複雑であり、そのコントロ−ラを実現す
るためには、高速処理のできる高価なコンピュ−タが必
要である。また後述するように、伝達関数を求めるため
の設計に、非常に手間がかかる。
は、必要以上に複雑であり、そのコントロ−ラを実現す
るためには、高速処理のできる高価なコンピュ−タが必
要である。また後述するように、伝達関数を求めるため
の設計に、非常に手間がかかる。
【0021】本発明では、制御対象プラントのモ−ダル
解析モデル(10)を生成し、このモ−ダル解析モデル
を使用してコントロ−ラの伝達関数Kを求める。モ−ダ
ル解析モデルは、制御対象プラントの構成を複数の周波
数成分に分解して等価的に示すものであり、その中か
ら、多数の共振周波数成分のそれぞれを分離して抽出す
ることができる。
解析モデル(10)を生成し、このモ−ダル解析モデル
を使用してコントロ−ラの伝達関数Kを求める。モ−ダ
ル解析モデルは、制御対象プラントの構成を複数の周波
数成分に分解して等価的に示すものであり、その中か
ら、多数の共振周波数成分のそれぞれを分離して抽出す
ることができる。
【0022】本発明では、前記モ−ダル解析モデルの中
から選択的に抽出された特定の共振周波数成分(1s
t,2nd)に対する重み関数Wi(1stに対応する
W1,2ndに対応するW2)をその要素に含む重み行
列Wを用いて、W・z’を評価出力zとし、Φ=W・
Φ’で表わされる、前記外部入力wから前記評価出力z
へ至る伝達関数ΦのH∞ノルムの大きさを1未満にする
伝達関数Kを求める。
から選択的に抽出された特定の共振周波数成分(1s
t,2nd)に対する重み関数Wi(1stに対応する
W1,2ndに対応するW2)をその要素に含む重み行
列Wを用いて、W・z’を評価出力zとし、Φ=W・
Φ’で表わされる、前記外部入力wから前記評価出力z
へ至る伝達関数ΦのH∞ノルムの大きさを1未満にする
伝達関数Kを求める。
【0023】従って本発明によって得られる伝達関数K
は、多数の共振周波数を有するプラントを制御する場合
であっても、実際に振動の抑制が必要な特定の共振周波
数成分(1st,2nd)のみを抑制するものであり、
それの次数は比較的小さい。即ち、本発明の方法で得ら
れた伝達関数Kを実現するコントロ−ラが実行する処理
は、従来の方法で得られたKを実現するコントロ−ラと
比べ、比較的単純になるため、処理速度の遅い比較的安
価なコンピュ−タ等を用いて、コントロ−ラを実現する
ことができる。また後述するように、伝達関数Kを求め
るための設計も、従来の方法でKを求める場合と比べて
単純になる。
は、多数の共振周波数を有するプラントを制御する場合
であっても、実際に振動の抑制が必要な特定の共振周波
数成分(1st,2nd)のみを抑制するものであり、
それの次数は比較的小さい。即ち、本発明の方法で得ら
れた伝達関数Kを実現するコントロ−ラが実行する処理
は、従来の方法で得られたKを実現するコントロ−ラと
比べ、比較的単純になるため、処理速度の遅い比較的安
価なコンピュ−タ等を用いて、コントロ−ラを実現する
ことができる。また後述するように、伝達関数Kを求め
るための設計も、従来の方法でKを求める場合と比べて
単純になる。
【0024】請求項2の発明では、制御対象プラントの
1次振動を抑制するために、前記モ−ダル解析モデルの
中から選択的に抽出された、特定の共振周波数成分を制
御出力z1’とし、前記評価出力の要素をz1とし、z
1=W1・z1’で表わされる第1の重み関数W1を用
い、プラントの速度とその目標値との偏差を小さくする
ために、前記コントロ−ラ(20A)が付加される制御
系の操作量を制御出力z2’とし、前記評価出力の要素
をz2とし、z2=W2・z2’で表わされる第2の重
み関数W2を用い、高周波域でのロバスト安定性(外乱
に対する安定性)を高めるために、前記コントロ−ラが
付加される制御系の操作量(SG0)に、該コントロ−
ラが出力する制御入力uを加えた量を制御出力z3’と
し、前記評価出力の要素をz3とし、z3=W3・z
3’で表わされる第3の重み関数W3を用い、重み行列
Wを、W1,W2,W3で構成する。
1次振動を抑制するために、前記モ−ダル解析モデルの
中から選択的に抽出された、特定の共振周波数成分を制
御出力z1’とし、前記評価出力の要素をz1とし、z
1=W1・z1’で表わされる第1の重み関数W1を用
い、プラントの速度とその目標値との偏差を小さくする
ために、前記コントロ−ラ(20A)が付加される制御
系の操作量を制御出力z2’とし、前記評価出力の要素
をz2とし、z2=W2・z2’で表わされる第2の重
み関数W2を用い、高周波域でのロバスト安定性(外乱
に対する安定性)を高めるために、前記コントロ−ラが
付加される制御系の操作量(SG0)に、該コントロ−
ラが出力する制御入力uを加えた量を制御出力z3’と
し、前記評価出力の要素をz3とし、z3=W3・z
3’で表わされる第3の重み関数W3を用い、重み行列
Wを、W1,W2,W3で構成する。
【0025】請求項3の発明では、制御対象プラントの
1次振動を抑制するために、前記モ−ダル解析モデルの
中から選択的に抽出された、第1の共振周波数成分(1
st)を制御出力z1’とし、前記評価出力の要素をz
1とし、z1=W1・z1’で表わされる第1の重み関
数W1を用い、制御対象プラントの2次振動を抑制する
ために、前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出
された、第2の共振周波数成分(2nd)を制御出力z
2’とし、前記評価出力の要素をz2とし、z2=W2
・z2’で表わされる第2の重み関数W2を用い、プラ
ントの速度とその目標値との偏差を小さくするために、
前記コントロ−ラ(20B)が付加される制御系の操作
量(SG0)を制御出力z3’とし、前記評価出力の要
素をz3とし、z3=W3・z3’で表わされる第3の
重み関数W3を用い、高周波域でのロバスト安定性(外
乱に対する安定性)を高めるために、前記コントロ−ラ
が付加される制御系の操作量(SG0)に、該コントロ
−ラが出力する制御入力uを加えた量を制御出力z4’
とし、前記評価出力の要素をz4とし、z4=W4・z
4’で表わされる第4の重み関数W4を用い、重み行列
Wを、W1,W2,W3,W4で構成する。
1次振動を抑制するために、前記モ−ダル解析モデルの
中から選択的に抽出された、第1の共振周波数成分(1
st)を制御出力z1’とし、前記評価出力の要素をz
1とし、z1=W1・z1’で表わされる第1の重み関
数W1を用い、制御対象プラントの2次振動を抑制する
ために、前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出
された、第2の共振周波数成分(2nd)を制御出力z
2’とし、前記評価出力の要素をz2とし、z2=W2
・z2’で表わされる第2の重み関数W2を用い、プラ
ントの速度とその目標値との偏差を小さくするために、
前記コントロ−ラ(20B)が付加される制御系の操作
量(SG0)を制御出力z3’とし、前記評価出力の要
素をz3とし、z3=W3・z3’で表わされる第3の
重み関数W3を用い、高周波域でのロバスト安定性(外
乱に対する安定性)を高めるために、前記コントロ−ラ
が付加される制御系の操作量(SG0)に、該コントロ
−ラが出力する制御入力uを加えた量を制御出力z4’
とし、前記評価出力の要素をz4とし、z4=W4・z
4’で表わされる第4の重み関数W4を用い、重み行列
Wを、W1,W2,W3,W4で構成する。
【0026】請求項4の発明では、負荷の変化に対する
振動を抑制するために、コントロ−ラが付加される制御
系の操作量を観測出力yに定めて求めた前記伝達関数K
を設定した第1のコントロ−ラ(20A)を用い、速度
目標値の変化に対する振動を抑制するために、前記速度
目標値ωrefを観測出力yに定めて求めた前記伝達関数
Kを設定した第2のコントロ−ラ(20B)を用いる。
これにより、負荷の変化と速度目標値の変化のいずれの
外乱に対しても、充分に振動を抑制しうる。
振動を抑制するために、コントロ−ラが付加される制御
系の操作量を観測出力yに定めて求めた前記伝達関数K
を設定した第1のコントロ−ラ(20A)を用い、速度
目標値の変化に対する振動を抑制するために、前記速度
目標値ωrefを観測出力yに定めて求めた前記伝達関数
Kを設定した第2のコントロ−ラ(20B)を用いる。
これにより、負荷の変化と速度目標値の変化のいずれの
外乱に対しても、充分に振動を抑制しうる。
【0027】
【実施例】一実施例で制御対象とするプラント8の一部
分の構成を図1に示す。即ち図1は、熱延仕上圧延機の
ロ−ル駆動系の機械構造を示している。図1を参照する
と、電気モ−タ1の出力軸は、シャフト2−減速機3−
シャフト4−ピニオンスタンド9−スピンドル5を介し
て、負荷である2個1組のワ−クロ−ル6にそれぞれ連
結されている。7はバックアップロ−ルである。圧延材
は、2個のワ−クロ−ル6の間に挟まれて圧延される。
電気モ−タ1を駆動することにより、2個のワ−クロ−
ル6をそれぞれ回転駆動することができる。
分の構成を図1に示す。即ち図1は、熱延仕上圧延機の
ロ−ル駆動系の機械構造を示している。図1を参照する
と、電気モ−タ1の出力軸は、シャフト2−減速機3−
シャフト4−ピニオンスタンド9−スピンドル5を介し
て、負荷である2個1組のワ−クロ−ル6にそれぞれ連
結されている。7はバックアップロ−ルである。圧延材
は、2個のワ−クロ−ル6の間に挟まれて圧延される。
電気モ−タ1を駆動することにより、2個のワ−クロ−
ル6をそれぞれ回転駆動することができる。
【0028】この種のロ−ル駆動系においては、機械系
の慣性モ−メントに比べて、電気モ−タ1の慣性モ−メ
ントが非常に大きく、しかも電気モ−タ1とワ−クロ−
ル6との間に減速機3が介在するため、この系では軸ね
じり振動が非常に複雑になる。即ち、多数の共振周波数
を有することになる。
の慣性モ−メントに比べて、電気モ−タ1の慣性モ−メ
ントが非常に大きく、しかも電気モ−タ1とワ−クロ−
ル6との間に減速機3が介在するため、この系では軸ね
じり振動が非常に複雑になる。即ち、多数の共振周波数
を有することになる。
【0029】図1のロ−ル駆動系の実際の特性を、図2
に示す。図2の上側は、モ−タの駆動トルクの変化に対
するモ−タ速度及びロ−ル速度の応答特性を示し、図2
の下側は、負荷トルクの変化に対するモ−タ速度及びロ
−ル速度の応答特性を示している。この例では、いずれ
の特性についても、3以上の異なる周波数の位置で共振
が認められるが、モ−タの駆動トルクの変化に対するモ
−タ速度の応答に関しては、1次振動モ−ド(110H
z程度の共振周波数)の成分が支配的であり、モ−タの
駆動トルクの変化に対するロ−ル速度の応答に関して
は、1次振動よりも2次振動モ−ド(150Hz程度の
共振周波数)の成分が顕著である。また、負荷トルクの
変化に対するモ−タ速度及びロ−ル速度の応答に関して
は、いずれも、1次振動モ−ドの成分が支配的である。
更に、1次振動モ−ドと2次振動モ−ド以外の高次の振
動モ−ドについては、その影響はほとんどないため、無
視しうる。
に示す。図2の上側は、モ−タの駆動トルクの変化に対
するモ−タ速度及びロ−ル速度の応答特性を示し、図2
の下側は、負荷トルクの変化に対するモ−タ速度及びロ
−ル速度の応答特性を示している。この例では、いずれ
の特性についても、3以上の異なる周波数の位置で共振
が認められるが、モ−タの駆動トルクの変化に対するモ
−タ速度の応答に関しては、1次振動モ−ド(110H
z程度の共振周波数)の成分が支配的であり、モ−タの
駆動トルクの変化に対するロ−ル速度の応答に関して
は、1次振動よりも2次振動モ−ド(150Hz程度の
共振周波数)の成分が顕著である。また、負荷トルクの
変化に対するモ−タ速度及びロ−ル速度の応答に関して
は、いずれも、1次振動モ−ドの成分が支配的である。
更に、1次振動モ−ドと2次振動モ−ド以外の高次の振
動モ−ドについては、その影響はほとんどないため、無
視しうる。
【0030】つまりこの例では、例えば圧延材のロ−ル
間への噛み込み時などに生じる負荷トルクの急激な変化
に対して軸ねじり振動の抑制をする場合には、1次振動
モ−ドのみに注目すれば充分であり、目標速度の急激な
変化に対して軸ねじり振動の抑制をする場合には、1次
振動モ−ドと2次振動モ−ドの両方を考慮する必要があ
る。但し、いずれの場合も、3次以上の振動モ−ドを考
慮する必要性は特に認められない。
間への噛み込み時などに生じる負荷トルクの急激な変化
に対して軸ねじり振動の抑制をする場合には、1次振動
モ−ドのみに注目すれば充分であり、目標速度の急激な
変化に対して軸ねじり振動の抑制をする場合には、1次
振動モ−ドと2次振動モ−ドの両方を考慮する必要があ
る。但し、いずれの場合も、3次以上の振動モ−ドを考
慮する必要性は特に認められない。
【0031】この実施例におけるプラント8の制御系の
主要部の構成を図3に示す。図3を参照すると、ωref
は目標駆動速度であり上位の計算機(例えばPLC:プ
ログラマブル・ロジック・コントロ−ラ)から入力され
る。この制御系は、目標駆動速度ωrefと、プラント8
からフィ−ドバックされる実際のモ−タ速度ωmとに応
じたモ−タトルクτMを発生する。τLは負荷トルクで
あり、圧延材の噛み込み時などに生じる外乱によって変
化する。
主要部の構成を図3に示す。図3を参照すると、ωref
は目標駆動速度であり上位の計算機(例えばPLC:プ
ログラマブル・ロジック・コントロ−ラ)から入力され
る。この制御系は、目標駆動速度ωrefと、プラント8
からフィ−ドバックされる実際のモ−タ速度ωmとに応
じたモ−タトルクτMを発生する。τLは負荷トルクで
あり、圧延材の噛み込み時などに生じる外乱によって変
化する。
【0032】図3において、減算器23は、目標駆動速
度ωrefとモ−タ速度ωmとの偏差をPI制御器22に
入力する。PI制御器22の出力は、コントロ−ラ20
Aの入力と加算器24の一方の入力に印加され、コント
ロ−ラ20Aの出力は加算器24の他方の入力に印加さ
れる。一方、コントロ−ラ20Bの入力には目標駆動速
度ωrefが印加され、コントロ−ラ20Bの出力が加算
器25の一方の入力に印加される。加算器25の他方の
入力には、加算器24の出力が印加される。つまり、加
算器25の出力に現われる電流目標値は、PI制御器2
2の出力,コントロ−ラ20Aの出力,及びコントロ−
ラ20Bの出力を加算した結果になる。電流制御装置
(ACR)は、加算器25が出力する電流目標値と一致
するように、電気モ−タ1の電流を制御する。図3に示
す26及び27は、電流制御装置(ACR)と電気モ−
タ1の伝達関数である。
度ωrefとモ−タ速度ωmとの偏差をPI制御器22に
入力する。PI制御器22の出力は、コントロ−ラ20
Aの入力と加算器24の一方の入力に印加され、コント
ロ−ラ20Aの出力は加算器24の他方の入力に印加さ
れる。一方、コントロ−ラ20Bの入力には目標駆動速
度ωrefが印加され、コントロ−ラ20Bの出力が加算
器25の一方の入力に印加される。加算器25の他方の
入力には、加算器24の出力が印加される。つまり、加
算器25の出力に現われる電流目標値は、PI制御器2
2の出力,コントロ−ラ20Aの出力,及びコントロ−
ラ20Bの出力を加算した結果になる。電流制御装置
(ACR)は、加算器25が出力する電流目標値と一致
するように、電気モ−タ1の電流を制御する。図3に示
す26及び27は、電流制御装置(ACR)と電気モ−
タ1の伝達関数である。
【0033】図3の制御系において、コントロ−ラ20
Aおよびコントロ−ラ20Bがこの実施例で特別に付加
された部分であり、その他の部分は従来の制御系と同一
である。図3の制御系において、PI制御器22とコン
トロ−ラ20Aで構成されるコントロ−ラ21は、負荷
トルクτLの変化に対して駆動トルクτMを制御する系
であり、コントロ−ラ20Bは、目標駆動速度ωrefの
変化に対して駆動トルクτMを制御する系である。コン
トロ−ラ20Aおよびコントロ−ラ20Bは、それぞ
れ、H∞制御理論に基づいて設計された伝達関数を有す
るものであり、これらを設計する方法について、以下に
説明する。
Aおよびコントロ−ラ20Bがこの実施例で特別に付加
された部分であり、その他の部分は従来の制御系と同一
である。図3の制御系において、PI制御器22とコン
トロ−ラ20Aで構成されるコントロ−ラ21は、負荷
トルクτLの変化に対して駆動トルクτMを制御する系
であり、コントロ−ラ20Bは、目標駆動速度ωrefの
変化に対して駆動トルクτMを制御する系である。コン
トロ−ラ20Aおよびコントロ−ラ20Bは、それぞ
れ、H∞制御理論に基づいて設計された伝達関数を有す
るものであり、これらを設計する方法について、以下に
説明する。
【0034】まず、プラント8の動作をシミュレ−ショ
ンするために、それのモ−ダル解析を実施する。即ち、
プラント8の機械系は、9つの慣性と8つの軸をもつバ
ネマス系(図4参照)で近似できるので、それをモ−ダ
ル解析すると、図5に示す様々な要素の組合せで示され
るモ−ダル解析モデル10が得られる。実際には、予め
求めたプラント8の各部の慣性モ−メントと、各部のば
ね定数を入力し、所定の計算プログラムを計算機を用い
て実行することにより、図5に示すモ−ダル解析モデル
10が得られる。
ンするために、それのモ−ダル解析を実施する。即ち、
プラント8の機械系は、9つの慣性と8つの軸をもつバ
ネマス系(図4参照)で近似できるので、それをモ−ダ
ル解析すると、図5に示す様々な要素の組合せで示され
るモ−ダル解析モデル10が得られる。実際には、予め
求めたプラント8の各部の慣性モ−メントと、各部のば
ね定数を入力し、所定の計算プログラムを計算機を用い
て実行することにより、図5に示すモ−ダル解析モデル
10が得られる。
【0035】図5において、Jは機械系の全慣性モ−メ
ント、ωiはi次振動モ−ドの固有周波数、ΦLiはi
次振動モ−ドの負荷側モ−ダルベクトル要素、ΦMiは
i次振動モ−ドの駆動側モ−ダルベクトル要素、ζはi
次振動モ−ドの減衰率(i=1,2,3,・・・,8)
を示している。つまり、このモ−ダル解析モデル10
は、プラント8の共振周波数毎に区分された要素の組合
せで構成されており、多数の共振周波数の各々の振動成
分0th,1st,2nd,・・・8thを、選択的に
取り出すことができる。
ント、ωiはi次振動モ−ドの固有周波数、ΦLiはi
次振動モ−ドの負荷側モ−ダルベクトル要素、ΦMiは
i次振動モ−ドの駆動側モ−ダルベクトル要素、ζはi
次振動モ−ドの減衰率(i=1,2,3,・・・,8)
を示している。つまり、このモ−ダル解析モデル10
は、プラント8の共振周波数毎に区分された要素の組合
せで構成されており、多数の共振周波数の各々の振動成
分0th,1st,2nd,・・・8thを、選択的に
取り出すことができる。
【0036】図3に示したコントロ−ラ20Aの最適な
伝達関数を設計するために用いる、一般化プラントの構
成を図6に示す。負荷トルクτLの変化に対して駆動ト
ルクτMを制御する系においては、前述のように1次振
動モ−ドの影響が支配的であるので、図6に示す一般化
プラントにおいては、図5のモ−ダル解析モデル10の
中からその一部分だけを抽出した、図7に示すモ−ダル
解析モデル10Aを用いている。即ち、図6に示す一般
化プラントで用いるモ−ダル解析モデル10Aでは、モ
−タトルクτMと負荷トルクτLを入力し、モ−タ速度
ωmと1次振動モ−ドの成分1stのみが取り出せるよ
うに構成してある。
伝達関数を設計するために用いる、一般化プラントの構
成を図6に示す。負荷トルクτLの変化に対して駆動ト
ルクτMを制御する系においては、前述のように1次振
動モ−ドの影響が支配的であるので、図6に示す一般化
プラントにおいては、図5のモ−ダル解析モデル10の
中からその一部分だけを抽出した、図7に示すモ−ダル
解析モデル10Aを用いている。即ち、図6に示す一般
化プラントで用いるモ−ダル解析モデル10Aでは、モ
−タトルクτMと負荷トルクτLを入力し、モ−タ速度
ωmと1次振動モ−ドの成分1stのみが取り出せるよ
うに構成してある。
【0037】図3に示すように、コントロ−ラ20Aの
入力、即ち観測出力yは、PI制御器22の出力であ
り、コントロ−ラ20Aの出力、即ち制御入力uは、電
流目標値に加算される補償量になる。
入力、即ち観測出力yは、PI制御器22の出力であ
り、コントロ−ラ20Aの出力、即ち制御入力uは、電
流目標値に加算される補償量になる。
【0038】コントロ−ラ20Aを設計するうえでの課
題として、この実施例では次の3点を考慮した。
題として、この実施例では次の3点を考慮した。
【0039】(1)1次振動を抑制する。
【0040】(2)低周波域で速度目標値と実績値との
偏差を小さくする。
偏差を小さくする。
【0041】(3)高周波域でのロバスト安定性を高め
る。
る。
【0042】上記(1)の課題を考慮して、制御出力z
1を出力する重み関数W1の状態xとして、モ−ダル解
析モデル10Aから取り出した1次振動モ−ドの成分1
stを選択した。また、負荷トルクτLから1stまで
の伝達関数は、図12に示すように1次の共振周波数の
点のみにピ−クを持つ形であるため、1次振動を抑制す
るための重み関数W1については、周波数領域に関して
フラットな特性を有するものでよい。
1を出力する重み関数W1の状態xとして、モ−ダル解
析モデル10Aから取り出した1次振動モ−ドの成分1
stを選択した。また、負荷トルクτLから1stまで
の伝達関数は、図12に示すように1次の共振周波数の
点のみにピ−クを持つ形であるため、1次振動を抑制す
るための重み関数W1については、周波数領域に関して
フラットな特性を有するものでよい。
【0043】また、上記(2)の課題を考慮して、制御
出力z2を出力する重み関数W2の状態xとして、PI
制御器22の出力SG0を選択した。これによってH∞
制御問題が可解となる。また、負荷トルクτLからSG
0までの伝達関数は、図13に示すように低周波領域で
の減衰が小さいため、重み関数W2が周波数領域でフラ
ットな特性であっても、PI制御器22の特性により、
低周波域で速度目標値と実績値との偏差を小さくするこ
とができる。
出力z2を出力する重み関数W2の状態xとして、PI
制御器22の出力SG0を選択した。これによってH∞
制御問題が可解となる。また、負荷トルクτLからSG
0までの伝達関数は、図13に示すように低周波領域で
の減衰が小さいため、重み関数W2が周波数領域でフラ
ットな特性であっても、PI制御器22の特性により、
低周波域で速度目標値と実績値との偏差を小さくするこ
とができる。
【0044】また、上記(3)の課題を考慮して、制御
出力z3を出力する重み関数W3の状態xとして、加算
器24の出力(SG0+u)を選択した。ロバスト安定
性に関しては、負荷トルクτLからの相補感度関数によ
り考慮する。モデル化誤差を考慮すると、制御系は図8
のように表わせる。ここでφL,φMはモ−ダルベクト
ルを示し、その成分は定数である。さて、ル−プ特性が
変わらないように考慮しながら変形すると、図8の制御
系は図9で表わされる。そして、小ゲイン定理を適用す
ると、 |Δ・P1n・P2・C/(1+P1n・P2・C)|<1 であれば、内部安定であることが分かる。一般に、モデ
ルの乗法摂動Δは、高周波成分を多く含んでいるので、
伝達関数(Δ・P1n・P2・C/(1+P1n・P2・C))を高
周波で小さくすればよい。この伝達関数は、τLからの
相補感度関数Tに相当するので、図8中のモ−ダルベク
トルφMの出力を評価することにより、ロバスト安定性
が考慮できる。ところで、P2は一次遅れで近似でき、
周波数領域で見て右下がり(周波数が高くなるに従って
ゲインが低下する)であるから、もしも負荷トルクτL
からP2の入力(電流目標値:Iref)への伝達特性が周
波数領域でフラットであるならば、必ず前記相補感度関
数Tは右下がりとなる。従って、電流目標値(SG0+
u)を取り出し、それに周波数領域でフラットな定数を
設定した重み関数W3を掛けた結果を用いて、ロバスト
安定性を評価することができる。勿論、この方法では、
数学的に厳密なロバスト安定性は保証されないが、その
代わりに重み関数を定数で与えることができ、評価する
ポイントを電流目標値に選定できる、という設計上の優
位点が得られる。
出力z3を出力する重み関数W3の状態xとして、加算
器24の出力(SG0+u)を選択した。ロバスト安定
性に関しては、負荷トルクτLからの相補感度関数によ
り考慮する。モデル化誤差を考慮すると、制御系は図8
のように表わせる。ここでφL,φMはモ−ダルベクト
ルを示し、その成分は定数である。さて、ル−プ特性が
変わらないように考慮しながら変形すると、図8の制御
系は図9で表わされる。そして、小ゲイン定理を適用す
ると、 |Δ・P1n・P2・C/(1+P1n・P2・C)|<1 であれば、内部安定であることが分かる。一般に、モデ
ルの乗法摂動Δは、高周波成分を多く含んでいるので、
伝達関数(Δ・P1n・P2・C/(1+P1n・P2・C))を高
周波で小さくすればよい。この伝達関数は、τLからの
相補感度関数Tに相当するので、図8中のモ−ダルベク
トルφMの出力を評価することにより、ロバスト安定性
が考慮できる。ところで、P2は一次遅れで近似でき、
周波数領域で見て右下がり(周波数が高くなるに従って
ゲインが低下する)であるから、もしも負荷トルクτL
からP2の入力(電流目標値:Iref)への伝達特性が周
波数領域でフラットであるならば、必ず前記相補感度関
数Tは右下がりとなる。従って、電流目標値(SG0+
u)を取り出し、それに周波数領域でフラットな定数を
設定した重み関数W3を掛けた結果を用いて、ロバスト
安定性を評価することができる。勿論、この方法では、
数学的に厳密なロバスト安定性は保証されないが、その
代わりに重み関数を定数で与えることができ、評価する
ポイントを電流目標値に選定できる、という設計上の優
位点が得られる。
【0045】以上のように、図6に示す一般化プラント
の重み関数W1,W2,W3は、全て定数で与えること
ができるため、コントロ−ラ20Aの伝達関数の設計が
極めて容易であり、またコントロ−ラ20Aの伝達関数
が低次元化されるため、その機能を実現するための装置
として、能力の高いコンピュ−タは必要としない。
の重み関数W1,W2,W3は、全て定数で与えること
ができるため、コントロ−ラ20Aの伝達関数の設計が
極めて容易であり、またコントロ−ラ20Aの伝達関数
が低次元化されるため、その機能を実現するための装置
として、能力の高いコンピュ−タは必要としない。
【0046】さて、H∞制御理論に基づいて、コントロ
−ラ20Aの伝達関数Kを設計するための前処理とし
て、図6に示した一般化プラント30を次のようにして
定式化する。
−ラ20Aの伝達関数Kを設計するための前処理とし
て、図6に示した一般化プラント30を次のようにして
定式化する。
【0047】
【数3】
【0048】
【数4】
【0049】
【数5】
【0050】
【数6】
【0051】
【数7】
【0052】コントロ−ラ20Aを用いてH∞最適制御
を実施するためには、上記一般化プラントの伝達関数Φ
のH∞ノルムを最小にする(1未満にする)制御則、即
ちコントロ−ラ20Aの最適な伝達関数Kを求めればよ
い。行列A,B,C,Dを用いると、システムの方程式
は次式で表わされる。
を実施するためには、上記一般化プラントの伝達関数Φ
のH∞ノルムを最小にする(1未満にする)制御則、即
ちコントロ−ラ20Aの最適な伝達関数Kを求めればよ
い。行列A,B,C,Dを用いると、システムの方程式
は次式で表わされる。
【0053】
【数8】
【0054】コントロ−ラ20Aについては、観測出力
yと制御入力uが共に1つずつなので、上記行列B,
C,Dをそれぞれ下1行あるいは右1列だけ分割して、
表現を変えると、次式が得られる。
yと制御入力uが共に1つずつなので、上記行列B,
C,Dをそれぞれ下1行あるいは右1列だけ分割して、
表現を変えると、次式が得られる。
【0055】
【数9】
【0056】実際には、制御系設計支援ツ−ル(例えば
MATLAB)を用い、例えば「Kalman−May
ne」の方法等を適用することにより、(15)式,
(16)式の状態行列A,B,C,Dが求められる。こ
れらの行列を(17)式,(18)式の形に表現し、リ
カッティ方程式を解く(H∞制御問題を解く)ことによ
り、コントロ−ラ20Aに設定すべき伝達関数Kが求ま
る。この伝達関数Kと等価な計算処理を例えばコンピュ
−タを用いて実行し、システムの観測出力yを入力し
て、制御入力u(K・y)を出力すれば、最適制御を実
施するコントロ−ラ20Aが実現する。
MATLAB)を用い、例えば「Kalman−May
ne」の方法等を適用することにより、(15)式,
(16)式の状態行列A,B,C,Dが求められる。こ
れらの行列を(17)式,(18)式の形に表現し、リ
カッティ方程式を解く(H∞制御問題を解く)ことによ
り、コントロ−ラ20Aに設定すべき伝達関数Kが求ま
る。この伝達関数Kと等価な計算処理を例えばコンピュ
−タを用いて実行し、システムの観測出力yを入力し
て、制御入力u(K・y)を出力すれば、最適制御を実
施するコントロ−ラ20Aが実現する。
【0057】ここで、コントロ−ラ20Aの伝達関数K
を求めるまでの実際の処理の手順について説明する。
を求めるまでの実際の処理の手順について説明する。
【0058】 プラントの物理モデル(慣性モ−メン
ト等の物理量を基にしたモデル:図4参照)をモ−ダル
解析して、モ−ダル解析モデル10(図5参照)を作
る。あるいは、実際のプラントに接続したセンサにより
計測した実績デ−タを解析して、モ−ダル解析モデルを
作ることもできる。
ト等の物理量を基にしたモデル:図4参照)をモ−ダル
解析して、モ−ダル解析モデル10(図5参照)を作
る。あるいは、実際のプラントに接続したセンサにより
計測した実績デ−タを解析して、モ−ダル解析モデルを
作ることもできる。
【0059】 プラントの操業状態(図2参照)を考
慮しながらモ−ダル解析結果をみて、抑制すべき振動モ
−ドを(例えば設計者が)決定する。上記実施例では、
1次振動モ−ドを選択している。
慮しながらモ−ダル解析結果をみて、抑制すべき振動モ
−ドを(例えば設計者が)決定する。上記実施例では、
1次振動モ−ドを選択している。
【0060】 例えば、制御系設計支援ツ−ルである
MATLABに対して、設計用モデル(図6の内容+図
7の内容)を示す情報を入力する。実際には、CADソ
フトを用いて、図面の形で入力してもよいし、数式で入
力してもよい。
MATLABに対して、設計用モデル(図6の内容+図
7の内容)を示す情報を入力する。実際には、CADソ
フトを用いて、図面の形で入力してもよいし、数式で入
力してもよい。
【0061】 設計用モデルの実際のパラメ−タ(P
I制御器22の伝達関数,電流制御装置及びモ−タの伝
達関数を定めるKi,Ti,Kt等)を入力する。なお
この例では、PI制御器22には従来通りの伝達関数を
設定してある。
I制御器22の伝達関数,電流制御装置及びモ−タの伝
達関数を定めるKi,Ti,Kt等)を入力する。なお
この例では、PI制御器22には従来通りの伝達関数を
設定してある。
【0062】 H∞制御設計のための重み関数W1,
W2,W3を、設計者の判断でそれぞれ設定する。
W2,W3を、設計者の判断でそれぞれ設定する。
【0063】 MATLABのコマンド(例えばli
nmod)を用いて、入力したモデルの状態方程式表現
A,B,C,Dを求める。
nmod)を用いて、入力したモデルの状態方程式表現
A,B,C,Dを求める。
【0064】 状態方程式の行列A,B,C,Dを、
(17)式,(18)式に示す形に変形する。
(17)式,(18)式に示す形に変形する。
【0065】 MATLABに備わった、H∞制御問
題を解く(リカッティ方程式を解く)ためのアルゴリズ
ム関数(hinf)を用いて、H∞制御器であるコント
ロ−ラ20Aの伝達関数Kを求める。
題を解く(リカッティ方程式を解く)ためのアルゴリズ
ム関数(hinf)を用いて、H∞制御器であるコント
ロ−ラ20Aの伝達関数Kを求める。
【0066】 重みの与え方が悪いと、適切な伝達関
数Kが得られない場合がある。その場合には、適切な伝
達関数Kが得られるまで、上記〜のステップを繰り
返す。さて、H∞制御問題では、前記伝達関数Φを小さ
くする制御器の伝達関数Kを求めるのであるが、Φ=W
Φ’であるから、重み関数Wを予め大きくしておけば、
伝達関数Φ’を小さくする伝達関数Kが求まる。即ちこ
の例では、例えば、重み関数WのW1を大きくしておけ
ば、負荷トルクτL及び目標速度ωrefからz1’まで
の伝達関数を小さくするようなKが求まる。これを物理
的に説明すれば、伝達関数Kと等価な制御器を付加する
ことにより、負荷トルクτL及び目標速度ωrefの変化
が外乱として加わった場合に、プラントの1次振動モ−
ドに対する影響が小さくなる、ということである。同様
に、重み関数WのW2,W3を適当に選定することによ
り、z2’及びz3’に対する入力変化の影響を小さく
することができる。
数Kが得られない場合がある。その場合には、適切な伝
達関数Kが得られるまで、上記〜のステップを繰り
返す。さて、H∞制御問題では、前記伝達関数Φを小さ
くする制御器の伝達関数Kを求めるのであるが、Φ=W
Φ’であるから、重み関数Wを予め大きくしておけば、
伝達関数Φ’を小さくする伝達関数Kが求まる。即ちこ
の例では、例えば、重み関数WのW1を大きくしておけ
ば、負荷トルクτL及び目標速度ωrefからz1’まで
の伝達関数を小さくするようなKが求まる。これを物理
的に説明すれば、伝達関数Kと等価な制御器を付加する
ことにより、負荷トルクτL及び目標速度ωrefの変化
が外乱として加わった場合に、プラントの1次振動モ−
ドに対する影響が小さくなる、ということである。同様
に、重み関数WのW2,W3を適当に選定することによ
り、z2’及びz3’に対する入力変化の影響を小さく
することができる。
【0067】ところで、一般にH∞制御理論に基づいて
制御系を設計する場合、例えば、入力から出力への伝達
関数を低周波領域で小さくしたいとか、高周波領域で小
さくしたいとかの設計仕様を満たすために、重み関数W
の値自体を、周波数に応じて変化する変数に定めてい
る。例えば(Ko(T・s+1)/T・s)という伝達関
数(Ko:ゲイン係数,T:時定数,s:ラプラスの演
算子)を重み関数Wに与えると、Wの伝達関数は周波数
に応じて変化する。しかしながら、重みを適切に選定し
ない限り、適切な伝達関数Kが得られないので、重み関
数Wが変数である場合、試行錯誤を繰り返して重み関数
Wを修正しながら、上記ステップ〜を何回も繰り返
さなければならず、制御器の設計が難しい。
制御系を設計する場合、例えば、入力から出力への伝達
関数を低周波領域で小さくしたいとか、高周波領域で小
さくしたいとかの設計仕様を満たすために、重み関数W
の値自体を、周波数に応じて変化する変数に定めてい
る。例えば(Ko(T・s+1)/T・s)という伝達関
数(Ko:ゲイン係数,T:時定数,s:ラプラスの演
算子)を重み関数Wに与えると、Wの伝達関数は周波数
に応じて変化する。しかしながら、重みを適切に選定し
ない限り、適切な伝達関数Kが得られないので、重み関
数Wが変数である場合、試行錯誤を繰り返して重み関数
Wを修正しながら、上記ステップ〜を何回も繰り返
さなければならず、制御器の設計が難しい。
【0068】しかしこの実施例においては、前述のよう
に、重み関数W1,W2,W3は、いずれも周波数領域
ではフラットなものでよいため、それらを全て定数で与
えることができる。例えばW1=Koとすることができ
る。従って、適切な伝達関数Kが得られるまでの、重み
関数Wの修正回数が少なく、上記ステップ〜を繰り
返す回数も少なくなるので、制御器の設計が従来よりも
容易になる。
に、重み関数W1,W2,W3は、いずれも周波数領域
ではフラットなものでよいため、それらを全て定数で与
えることができる。例えばW1=Koとすることができ
る。従って、適切な伝達関数Kが得られるまでの、重み
関数Wの修正回数が少なく、上記ステップ〜を繰り
返す回数も少なくなるので、制御器の設計が従来よりも
容易になる。
【0069】以上で、図3に示したコントロ−ラ20A
に関する伝達関数Kが得られたので、次に、コントロ−
ラ20Bの伝達関数Kを求める。コントロ−ラ20Bの
最適な伝達関数Kを設計するために用いる、一般化プラ
ントの構成を図10に示す。目標駆動速度ωrefの変化
に対して駆動トルクτMを制御する系においては、前述
のように2次振動モ−ドの影響が大きいので、図10に
示すプラントにおいては、図5のモ−ダル解析モデル1
0の中から、1次振動成分と2次振動成分だけを抽出し
た、図11に示すモ−ダル解析モデル10Bを用いてい
る。即ち、図10に示す一般化プラントで用いるモ−ダ
ル解析モデル10Bでは、モ−タトルクτMを入力し、
モ−タ速度ωm,1次振動モ−ド成分1st,及び2次
振動モ−ド成分2ndのみが取り出せるように構成して
ある。また、図10に示すプラントにおいては、コント
ロ−ラ20Aを含めてある。
に関する伝達関数Kが得られたので、次に、コントロ−
ラ20Bの伝達関数Kを求める。コントロ−ラ20Bの
最適な伝達関数Kを設計するために用いる、一般化プラ
ントの構成を図10に示す。目標駆動速度ωrefの変化
に対して駆動トルクτMを制御する系においては、前述
のように2次振動モ−ドの影響が大きいので、図10に
示すプラントにおいては、図5のモ−ダル解析モデル1
0の中から、1次振動成分と2次振動成分だけを抽出し
た、図11に示すモ−ダル解析モデル10Bを用いてい
る。即ち、図10に示す一般化プラントで用いるモ−ダ
ル解析モデル10Bでは、モ−タトルクτMを入力し、
モ−タ速度ωm,1次振動モ−ド成分1st,及び2次
振動モ−ド成分2ndのみが取り出せるように構成して
ある。また、図10に示すプラントにおいては、コント
ロ−ラ20Aを含めてある。
【0070】図3に示すように、コントロ−ラ20Bの
入力、即ち制御出力yは、目標駆動速度ωrefであり、
コントロ−ラ20Bの出力、即ち制御入力uは、電流目
標値に加算される補償量になる。
入力、即ち制御出力yは、目標駆動速度ωrefであり、
コントロ−ラ20Bの出力、即ち制御入力uは、電流目
標値に加算される補償量になる。
【0071】コントロ−ラ20Bを設計するうえでの課
題として、この実施例では次の4点を考慮した。
題として、この実施例では次の4点を考慮した。
【0072】(1)1次振動を抑制する。
【0073】(2)2次振動を抑制する。
【0074】(3)低周波域で速度目標値と実績値との
偏差を小さくする。
偏差を小さくする。
【0075】(4)高周波域でのロバスト安定性を高め
る。
る。
【0076】上記(1)の課題を考慮して、制御出力z
1を出力する重み関数W1の状態xとして、モ−ダル解
析モデル10Bから取り出した1次振動モ−ドの成分1
stを選択した。また、上記(2)の課題を考慮して、
制御出力z2を出力する重み関数W2の状態xとして、
モ−ダル解析モデル10Bから取り出した2次振動モ−
ドの成分2ndを選択した。また、上記(3)の課題を
考慮して、制御出力z3を出力する重み関数W3の状態
xとして、PI制御器22の出力SG0を選択した。こ
れによってH∞制御問題が可解となる。また、上記
(4)の課題を考慮して、制御出力z4を出力する重み
関数W4の状態xとして、加算器24の出力(SG0+
u)を選択した。
1を出力する重み関数W1の状態xとして、モ−ダル解
析モデル10Bから取り出した1次振動モ−ドの成分1
stを選択した。また、上記(2)の課題を考慮して、
制御出力z2を出力する重み関数W2の状態xとして、
モ−ダル解析モデル10Bから取り出した2次振動モ−
ドの成分2ndを選択した。また、上記(3)の課題を
考慮して、制御出力z3を出力する重み関数W3の状態
xとして、PI制御器22の出力SG0を選択した。こ
れによってH∞制御問題が可解となる。また、上記
(4)の課題を考慮して、制御出力z4を出力する重み
関数W4の状態xとして、加算器24の出力(SG0+
u)を選択した。
【0077】前記のコントロ−ラ20Aの場合と同様
に、重み関数W1,W2,W3,W4は、全て定数で与
えることが可能である。しかしこの実施例では、目標値
に対する追従性(上記(3)の課題)を更に向上させる
ため、重み関数W3のみ、周波数の低い領域でゲインが
上がる特性(即ち、周波数領域で左上りの特性)を有す
る変数を割り当ててある。
に、重み関数W1,W2,W3,W4は、全て定数で与
えることが可能である。しかしこの実施例では、目標値
に対する追従性(上記(3)の課題)を更に向上させる
ため、重み関数W3のみ、周波数の低い領域でゲインが
上がる特性(即ち、周波数領域で左上りの特性)を有す
る変数を割り当ててある。
【0078】ここで、重み関数W1,W2,W3,W4
の設定に応じて、コントロ−ラ20Bを付加した制御系
の特性を変えることができる。W1に比べてW2の重み
を軽くした場合の、制御系の目標値のステップ状変化に
対する応答をシミュレ−ションした結果を図14に示
し、W1に比べてW2の重みを重くした場合の、制御系
の目標値のステップ状変化に対する応答をシミュレ−シ
ョンした結果を図15に示す。図14においては、W1
の重みが大きいため、1次振動モ−ドを抑制する効果が
高いが、2次振動モ−ドはあまり抑制されていない。ま
た図15においては、W2の重みが大きいため、2次振
動モ−ドを抑制する効果が高いが、1次振動モ−ドはあ
まり抑制されていない。
の設定に応じて、コントロ−ラ20Bを付加した制御系
の特性を変えることができる。W1に比べてW2の重み
を軽くした場合の、制御系の目標値のステップ状変化に
対する応答をシミュレ−ションした結果を図14に示
し、W1に比べてW2の重みを重くした場合の、制御系
の目標値のステップ状変化に対する応答をシミュレ−シ
ョンした結果を図15に示す。図14においては、W1
の重みが大きいため、1次振動モ−ドを抑制する効果が
高いが、2次振動モ−ドはあまり抑制されていない。ま
た図15においては、W2の重みが大きいため、2次振
動モ−ドを抑制する効果が高いが、1次振動モ−ドはあ
まり抑制されていない。
【0079】PI制御器22だけの場合(上側)とコン
トロ−ラ20Bを付加した制御系のステップ応答特性
(下側)を図16に対比して示す。図16を参照する
と、コントロ−ラ20Bを付加することにより、目標値
(ωref)の変化に対してロ−ル速度に生じる振動が抑
制され、その振動が収束するまでの時間も短縮されるこ
とがわかる。
トロ−ラ20Bを付加した制御系のステップ応答特性
(下側)を図16に対比して示す。図16を参照する
と、コントロ−ラ20Bを付加することにより、目標値
(ωref)の変化に対してロ−ル速度に生じる振動が抑
制され、その振動が収束するまでの時間も短縮されるこ
とがわかる。
【0080】さて、H∞制御理論に基づいて、コントロ
−ラ20Bの伝達関数Kを設計するための前処理とし
て、図10に示した一般化プラントを次のようにして定
式化する。
−ラ20Bの伝達関数Kを設計するための前処理とし
て、図10に示した一般化プラントを次のようにして定
式化する。
【0081】
【数10】
【0082】
【数11】
【0083】
【数12】
【0084】
【数13】
【0085】コントロ−ラ20Bを用いてH∞最適制御
を実施するためには、上記一般化プラントの伝達関数Φ
のH∞ノルムを最小にする制御則、即ちコントロ−ラ2
0Bの最適な伝達関数Kを求めればよい。前述のコント
ロ−ラ20Aの伝達関数Kを求める場合と同様の方法
で、コントロ−ラ20Bの伝達関数Kを求めることがで
きる。
を実施するためには、上記一般化プラントの伝達関数Φ
のH∞ノルムを最小にする制御則、即ちコントロ−ラ2
0Bの最適な伝達関数Kを求めればよい。前述のコント
ロ−ラ20Aの伝達関数Kを求める場合と同様の方法
で、コントロ−ラ20Bの伝達関数Kを求めることがで
きる。
【0086】但しコントロ−ラ20Bの伝達関数Kを求
める場合には、ステップで1次振動モ−ド(1st)
と2次振動モ−ド(2nd)を選択し、ステップで
は、図10及び図11に示す設計用モデルを入力する。
める場合には、ステップで1次振動モ−ド(1st)
と2次振動モ−ド(2nd)を選択し、ステップで
は、図10及び図11に示す設計用モデルを入力する。
【0087】このようにして求めた伝達関数Kと等価な
計算処理を例えばコンピュ−タを用いて実行し、システ
ムの観測出力yを入力して、制御入力u(K・y)を出
力すれば、最適制御を実施するコントロ−ラ20Bが実
現する。そして、図3に示すように、コントロ−ラ20
A及び20Bを実際の制御系に設置することによって、
負荷トルクτLの変化と目標速度ωrefの変化の双方の
外乱に対して、プラントの軸ねじり振動が抑制される。
計算処理を例えばコンピュ−タを用いて実行し、システ
ムの観測出力yを入力して、制御入力u(K・y)を出
力すれば、最適制御を実施するコントロ−ラ20Bが実
現する。そして、図3に示すように、コントロ−ラ20
A及び20Bを実際の制御系に設置することによって、
負荷トルクτLの変化と目標速度ωrefの変化の双方の
外乱に対して、プラントの軸ねじり振動が抑制される。
【0088】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によって得られる
伝達関数Kは、多数の共振周波数を有するプラントを制
御する場合であっても、実際に振動の抑制が必要な特定
の共振周波数成分(1st,2nd)のみを抑制するも
のであり、それの次数は比較的小さい。即ち、本発明の
方法で得られた伝達関数Kを実現するコントロ−ラが実
行する処理は、従来の方法で得られたKを実現するコン
トロ−ラと比べ、比較的単純になるため、処理速度の遅
い比較的安価なコンピュ−タ等を用いて、コントロ−ラ
を実現することができる。また後述するように、伝達関
数Kを求めるための設計も、従来の方法でKを求める場
合と比べて単純になる。
伝達関数Kは、多数の共振周波数を有するプラントを制
御する場合であっても、実際に振動の抑制が必要な特定
の共振周波数成分(1st,2nd)のみを抑制するも
のであり、それの次数は比較的小さい。即ち、本発明の
方法で得られた伝達関数Kを実現するコントロ−ラが実
行する処理は、従来の方法で得られたKを実現するコン
トロ−ラと比べ、比較的単純になるため、処理速度の遅
い比較的安価なコンピュ−タ等を用いて、コントロ−ラ
を実現することができる。また後述するように、伝達関
数Kを求めるための設計も、従来の方法でKを求める場
合と比べて単純になる。
【0089】請求項2の発明では、重み行列Wを、W
1,W2,W3で構成するため、制御対象プラントの1
次振動の抑制,プラントの速度とその目標値との偏差の
抑制,及び高周波域でのロバスト安定性の改善の全てに
対応しうる。
1,W2,W3で構成するため、制御対象プラントの1
次振動の抑制,プラントの速度とその目標値との偏差の
抑制,及び高周波域でのロバスト安定性の改善の全てに
対応しうる。
【0090】請求項3の発明では、重み行列Wを、W
1,W2,W3,W4で構成するため、対象プラントの
1次振動及び2次振動の抑制,プラントの速度とその目
標値との偏差の抑制,及び高周波域でのロバスト安定性
の改善の全てに対応しうる。
1,W2,W3,W4で構成するため、対象プラントの
1次振動及び2次振動の抑制,プラントの速度とその目
標値との偏差の抑制,及び高周波域でのロバスト安定性
の改善の全てに対応しうる。
【0091】請求項4の発明では、第1のコントロ−ラ
(20A)により負荷の変化に対する振動を抑制し、第
2のコントロ−ラ(20B)により速度目標値の変化に
対する振動を抑制するので、負荷の変化と速度目標値の
変化のいずれの外乱に対しても、充分に振動を抑制しう
る。
(20A)により負荷の変化に対する振動を抑制し、第
2のコントロ−ラ(20B)により速度目標値の変化に
対する振動を抑制するので、負荷の変化と速度目標値の
変化のいずれの外乱に対しても、充分に振動を抑制しう
る。
【図1】 制御対象プラントの構成を示す正面図であ
る。
る。
【図2】 図1のプラント8の応答特性を示すグラフで
ある。
ある。
【図3】 図1のプラント8を制御する実施例の制御系
の構成を示すブロック図である。
の構成を示すブロック図である。
【図4】 図1のプラント8を等価的に示す模式図であ
る。
る。
【図5】 図1のプラント8に関するモ−ダル解析モデ
ルを示すブロック図である。
ルを示すブロック図である。
【図6】 図3のコントロ−ラ20Aを設計するための
一般化プラントの構成を示すブロック図である。
一般化プラントの構成を示すブロック図である。
【図7】 図6で使用するモ−ダル解析モデルを示すブ
ロック図である。
ロック図である。
【図8】 モデル化誤差を考慮した場合のプラントの構
成を示すブロック図である。
成を示すブロック図である。
【図9】 図8の構成を変形して得られたブロック図で
ある。
ある。
【図10】 図3のコントロ−ラ20Bを設計するため
の一般化プラントの構成を示すブロック図である。
の一般化プラントの構成を示すブロック図である。
【図11】 図10の構成で使用するモ−ダル解析モデ
ルを示すブロック図である。
ルを示すブロック図である。
【図12】 伝達関数の周波数特性を示すグラフであ
る。
る。
【図13】 伝達関数の周波数特性を示すグラフであ
る。
る。
【図14】 特定の重み関数に対する制御系の応答のシ
ミュレ−ション結果を示すグラフである。
ミュレ−ション結果を示すグラフである。
【図15】 特定の重み関数に対する制御系の応答のシ
ミュレ−ション結果を示すグラフである。
ミュレ−ション結果を示すグラフである。
【図16】 PI制御器だけの場合と、コントロ−ラ2
0Bを備えた場合の、制御系の応答特性のシミュレ−シ
ョン結果を示すグラフである。
0Bを備えた場合の、制御系の応答特性のシミュレ−シ
ョン結果を示すグラフである。
1:電気モ−タ 2:シャフト 3:減速機 4:シャフト 5:スピンドル 6:ワ−クロ−ル 7:バックアップロ−ル 8:プラント 9:ピニオンスタンド 10,10A,10B:モ−ダル解析モデル 20A,20B,21:コントロ−ラ 22:PI制御器 23:減算器 24,25:加算器 26,27:電流制御装置+電気モ−タ 30,30A:設計用の一般化プラントモデル 30B:制御系 1st:1次振動モ−ド成分 2nd:2次振動モ
−ド成分 τL:負荷トルク τM:モ−タ駆動ト
ルク ωref:目標速度 ωm:モ−タ速度
−ド成分 τL:負荷トルク τM:モ−タ駆動ト
ルク ωref:目標速度 ωm:モ−タ速度
Claims (4)
- 【請求項1】 駆動手段,動力伝達手段,及び負荷を含
む振動系の制御対象プラントに対して、それの構成を複
数の周波数成分に分解して等価的に示すモ−ダル解析モ
デルを生成し、制御入力をuとし、観測出力をyとし、
伝達関数をKとし、u=K・yで表わされる補償量を出
力するコントロ−ラの伝達関数Kを決定する際に、 前記モ−ダル解析モデルと前記コントロ−ラを含めた制
御系モデルにおいて、負荷トルクτL及び速度目標値ω
refを外部入力wとし、制御系の状態量をxとし、状態
量xおよび観測出力yの中から選択された制御出力を
z’とし、A,B,C,Dを行列とし、 前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出された特
定の共振周波数成分を少なくとも1つz’の中に含み、 【数1】 の状態方程式で表わされる制御系において、前記外部入
力wから前記制御出力z’へ至る伝達関数をΦ’とし、 前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出された特
定の共振周波数成分に対する重み関数Wiをその要素に
含む重み行列Wを用いて、W・z’を評価出力zとし、
Φ=W・Φ’で表わされる、前記外部入力wから前記評
価出力zへ至る伝達関数ΦのH∞ノルムの大きさを1未
満にする伝達関数Kを求め、この伝達関数Kと等価な機
能を備えた前記コントロ−ラを、実際の制御対象プラン
トの制御系に接続してそれの制御を実施する、振動系の
駆動制御方法。 - 【請求項2】 前記重み行列Wは、 前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出された、
特定の共振周波数成分を制御出力z1’とし、前記評価
出力の要素をz1とし、z1=W1・z1’で表わされ
る第1の重み関数W1と、 前記コントロ−ラが付加される制御系の操作量を制御出
力z2’とし、前記評価出力の要素をz2とし、z2=
W2・z2’で表わされる第2の重み関数W2と、 前記コントロ−ラが付加される制御系の操作量に、該コ
ントロ−ラが出力する制御入力uを加えた量を制御出力
z3’とし、前記評価出力の要素をz3とし、z3=W
3・z3’で表わされる第3の重み関数W3と、を含む
前記請求項1記載の振動系の駆動制御方法。 - 【請求項3】 前記重み行列Wは、 前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出された、
第1の共振周波数成分を制御出力z1’とし、前記評価
出力の要素をz1とし、z1=W1・z1’で表わされ
る第1の重み関数W1と、 前記モ−ダル解析モデルの中から選択的に抽出された、
第2の共振周波数成分を制御出力z2’とし、前記評価
出力の要素をz2とし、z2=W2・z2’で表わされ
る第2の重み関数W2と、 前記コントロ−ラが付加される制御系の操作量を制御出
力z3’とし、前記評価出力の要素をz3とし、z3=
W3・z3’で表わされる第3の重み関数W3と、 前記コントロ−ラが付加される制御系の操作量に、該コ
ントロ−ラが出力する制御入力uを加えた量を制御出力
z4’とし、前記評価出力の要素をz4とし、z4=W
4・z4’で表わされる第4の重み関数W4と、を含む
前記請求項1記載の振動系の駆動制御方法。 - 【請求項4】 前記コントロ−ラが付加される制御系の
操作量を観測出力yに定めて求めた前記伝達関数Kを設
定した第1のコントロ−ラと、 前記速度目標値ωrefを観測出力yに定めて求めた前記
伝達関数Kを設定した第2のコントロ−ラと、の両者を
実際の制御対象プラントの制御系に接続してそれの制御
を実施する、前記請求項1記載の振動系の駆動制御方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6159917A JPH0830303A (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 振動系の駆動制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6159917A JPH0830303A (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 振動系の駆動制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0830303A true JPH0830303A (ja) | 1996-02-02 |
Family
ID=15703986
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6159917A Withdrawn JPH0830303A (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 振動系の駆動制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0830303A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104942010A (zh) * | 2015-07-03 | 2015-09-30 | 燕山大学 | 一种板带轧机颤振的建模方法 |
-
1994
- 1994-07-12 JP JP6159917A patent/JPH0830303A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104942010A (zh) * | 2015-07-03 | 2015-09-30 | 燕山大学 | 一种板带轧机颤振的建模方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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