JPH08302349A - ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置Info
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Abstract
組成物であって、複屈折率Δnが0.235以上であ
り、誘電率異方性Δεが3以上であり、6成分以上の化
合物を含有し、固体相又はスメクチック相−ネマチック
相転移温度が−10℃以下であり、ネマチック相−等方
性液体相転移温度が65℃以上であることを特徴とする
ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置。 【効果】 本発明は、複屈折率(Δn)が0.235以
上と大きく、広い温度範囲でネマチック相を示す。ま
た、電圧保持率が高く、化学的安定性が高い。従って、
これを用いることにより、表示画面のちらつき、クロス
トーク現象の改善された液晶表示装置を得ることがで
き、大きな複屈折率により液晶層の厚みdの低減、応答
特性の改善ができ、特に情報量の多いTN-LCD、STN-LCD
あるいはアクティブ・マトリクス形液晶表示装置用液晶
材料として非常に有用である。
Description
して有用なネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶
表示装置に関する。
(ツイスティッド・ネマチック液晶表示素子)があり、
時計、電卓、電子手帳、ポケットコンピュータ、ワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータなどに使用されて
いる。一方、OA機器の処理情報の増加に伴い、一画面
に表示される情報量が増大しており、シェファー(Sche
ffer)等[SID '85 Digest, 120頁(1985年)]、あるい
は衣川等[SID '86 Digest,122頁(1986年)]によって、
STN(スーパー・ツイスティッド・ネマチック)−LCDが
開発され、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ
などの高情報処理用の表示に広く普及しはじめている。
的でアクティブアドレッシング駆動方式が提案されてい
る。(Proc.12th International Display Research Con
ference p.503 1992年)この様な液晶材料として、弾性
定数比K33/K11が1.5前後、誘電率異方性△ε
や粘性が比較的小さいことと併せて、特に複屈折率△n
が大きいものが要求されている。また、カラーフィルタ
ー層を用いないでカラー表示ができる方法として、液晶
と位相差板の複屈折性を利用した新規反射型カラー液晶
表示方式が提案されている。(テレビジョン学会技術報
告 vol.14 No10.p.51 1990年)この様な液晶材料とし
て、光の波長の違いによってより大きな位相差が現れる
ものがよいことから、特に複屈折率Δnが大きいものが
要求されている。
ら、アクティブ・マトリクス形液晶表示装置が液晶テレ
ビ、プロジェクター表示、コンピューター等のディスプ
レイの応用分野に有力なものとして市場に出されてい
る。アクティブ・マトリクス表示方式は、画素毎にTFT
(薄膜トランジスタ)あるいはMIM(メタル・インシュ
レータ・メタル)等のスイッチング素子が使われてお
り、この方式には漏れ電流の小さな高電圧保持率が重要
視されている。
ピューター等の情報量の多いSTN-LCDに用いられる従来
の液晶材料の場合、一般的に、調製された初期あるいは
促進テスト後の抵抗値が低いことが知られている。この
ために、暗い画質を補う目的で補助光源が付加されたバ
ックライト方式のSTN-LCDには、耐熱性等の化学的安定
性に優れている液晶材料が新たに必要とされている。
特性を改善するために、複屈折率(Δn)の大きい液晶
材料としては、例えば、以下のような化合物を挙げるこ
とができる。
基、アルコキシル基等を表わす。)しかしながら、これ
らの化合物を用いて液晶材料の複屈折率(Δn)を大き
くすることにより、電気光学特性を改善することができ
ても、液晶材料のより高い化学的安定性、液晶表示の高
速応答性及び駆動温度範囲等の特性については、依然と
して問題が残されたままである。例えば、上記一般式
(a)〜(c)の化合物のうちの任意成分と一般式
(d)で表わされる化合物を混合した場合、得られる液
晶組成物の複屈折率(△n)は大きくなるものの、スメ
クチック相が出現しやすい傾向を有するため、このよう
な化合物を用いても電気光学特性に優れ、且つ広い温度
範囲で駆動可能な液晶表示装置を作製することは非常に
困難である。
折率(Δn)の大きい液晶材料として、シアノ基を有す
る液晶材料が用いられていた。しかしながら、このよう
な液晶材料では、均一で高いコントラストを得るために
必要な高い電圧保持率や高い比抵抗値を得ることを困難
にさせる傾向を有していた。そこで、例えば、下記のよ
うな化合物が用いられてきた。
た液晶材料は、高い電圧保持率は得られるものの、液晶
材料の複屈折率(Δn)もシアノ基を有する化合物の場
合と比較するとかなり小さく、しきい値電圧を充分に低
減させることも非常に困難であった。
する課題は、シアノ基を有しない液晶化合物からなる液
晶組成物であって、複屈折率(Δn)が大きく、しかも
駆動可能な温度範囲が広く、化学的安定性にすぐれ、低
電圧駆動が可能なネマチック液晶組成物を提供すること
にある。更に、本発明の液晶組成物を構成材料として用
いた、電気光学特性の改善された液晶表示装置を提供す
ることにある。
するために、シアノ基を有しない液晶化合物からなる液
晶組成物において、6成分以上の化合物を含有し、複屈
折率Δnが0.235以上であり、誘電率異方性Δεが
3以上であり、固体相又はスメクチック相−ネマチック
相転移温度が0℃以下であり、ネマチック相−等方性液
体相転移温度が65℃以上であることを特徴とするネマ
チック液晶組成物を提供する。
圧保持率あるいは大きい複屈折率(Δn)を得ることが
できるものとして、シアノ基を有さない液晶化合物を用
いることが好ましい。使用する液晶化合物としてはトラ
ン系化合物、より好ましくはフルオロトラン系化合物で
あり、更に好ましくは3つの環を有するフルオロトラン
系化合物を主構成成分として使用することである。特に
フルオロトラン系化合物は大きな正の誘電率異方性(Δ
ε)を有しており、低しきい値電圧特性を得るのに好ま
しい。この様な化合物を少なくとも6成分以上混合する
ことによって得た液晶組成物は広い温度範囲でネマチッ
ク液晶相を示すものであり、この液晶組成物を液晶表示
装置として用いる場合、より広い温度範囲で表示を可能
とする。高い電圧保持率を得るためには、より高い比抵
抗の液晶組成物が好ましく、比抵抗としては1011Ω・
cm以上が好ましく、1012Ω・cm以上がより好まし
く、1013Ω・cm以上が最も好ましい。
以上の高い複屈折率(Δn)を特徴としており、このネ
マチック液晶組成物をツイスティッド・ネマチックある
いはスーパー・ツイスティッド・ネマチック液晶表示装
置に用いた場合、大きな複屈折率により液晶層の厚みd
を低減でき、応答速度やしきい値電圧を改善できる。ま
た、先にも述べたようにΔnの大きい本発明の液晶組成
物は、カラーフィルター層を用いないでカラー表示を行
う、液晶と位相差板の複屈折性を利用した新規反射型カ
ラー液晶表示方式用の液晶材料としても有用なものであ
る。
成物を得るに、例えば、(1)一般式(I-1)〜(I-3)
数2〜7の直鎖状アルキル基又はアルコキシ基を表わ
し、X11はそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子、−
OCF3、−CF3、−OCH3又は−CH3を表わす。)
で表わされる化合物からなる第1群から選ばれる化合物
を含有する液晶組成物が好ましい。
に加える成分として、(2)一般式(II-1)〜(II-5)
数2〜7の直鎖状アルキル基、アルケニル基又はCpH
2p+1-O-CqH2qを表わし、p及びqはそれぞれ独立的
に1〜5の整数を表わし、R22はそれぞれ独立的に炭素
原子数2〜7の直鎖状アルキル基、アルコキシ基を表わ
し、X21はそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子、−
OCF3又は−CF3を表わし、Y1〜Y3はそれぞれ独立
的に水素原子又はフッ素原子を表わす。)で表わされる
化合物からなる第2群から選ばれる化合物を含有するこ
とが好ましい。
数2〜7の直鎖状アルキル基、アルケニル基又はCrH
2r+1-O-CsH2sを表わし、r及びsはそれぞれ独立的
に1〜5の整数を表わし、X31はそれぞれ独立的にフッ
素原子、塩素原子、−OCF3又は−CF3を表わし、Y
4はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表わ
し、Z1はそれぞれ独立的に単結合、−COO−、−C2
H4−又は−C4H8−を表わし、環A1は1,4−シクロ
ヘキシレン基又は1,4−フェニレン基を表わす。)で
表わされる化合物からなる第3群から選ばれる化合物及
び/又は(4)一般式(IV-1)〜(IV-4)
数2〜7の直鎖状アルキル基又はアルケニル基を表わ
し、R42はそれぞれ独立的に炭素原子数2〜7の直鎖状
アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニ
ルオキシ基を表わし、Y5は水素原子、フッ素原子又は
−CH3を表わし、Y6はそれぞれ独立的に水素原子又は
フッ素原子を表わし、Z2はそれぞれ独立的に単結合、
−COO−、−C2H4−又は−C4H8−を表わし、環A
2は1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレ
ン基を表わし、nは0又は1の整数を表わす。)で表わ
される化合物からなる第4群から選ばれる化合物を含有
することが好ましい。
-3)で表わされる化合物の代表的なものの例(No.1
〜9)とその相転移温度を下記第1表に示す。尚、下記
表中、m.p.は結晶相から液晶相又は等方性液体相に相
転移する温度を、c.p.は液晶相から等方性液体相に相
転移する温度をそれぞれ表わす。また、各化合物は、蒸
留、カラム精製、再結晶等の方法を用いて不純物を除去
し、充分精製したものを使用した。
1)〜(I-3)の第1群から選ばれる化合物を含有するこ
とが好ましい。この(1)一般式(I-1)〜(I-3)の第
1群の化合物は、シアノ基を含有していないにもかかわ
らず、複屈折率(Δn)が従来になく非常に大きいとい
う特徴を有しており、これら化合物を使用することによ
って得られる液晶組成物の複屈折率は非常に大きいもの
となる。また、誘電率異方性(Δε)が大きく、電圧保
持率が高いという特徴も有している。更に、(1)一般
式(I-1)〜(I-3)の第1群の化合物は、これらの化合
物と類似構造を有する下記化合物
キシル基等を表わす。)と比較して、特段に高い相溶性
を示している。また、(1)一般式(I-1)〜(I-3)の
第1群から選ばれる化合物を含有する液晶組成物加える
成分として、(2)一般式(II-1)〜(II-5)で表わさ
れる化合物からなる第2群から選ばれる化合物を含有す
ることが好ましい。一般式(II-1)〜(II-5)で表わさ
れる化合物の代表的なものの例及び第4群の代表的な化
合物の例、その相転移温度を下記第2表に示す。尚、下
記表中、m.p.は結晶相から液晶相又は等方性液体相に
相転移する温度を、c.p.は液晶相から等方性液体相に
相転移する温度をそれぞれ表わす。
一般式(I-1)〜(I-3)の第1群から選ばれる化合物を
含有する液晶組成物に、(2)一般式(II-1)〜(II-
5)の第2群から選ばれる化合物を含有することが好ま
しく、複屈折率(Δn)が大きい液晶組成物を得ること
ができる。また、同時にネマチック相の温度範囲もより
広くさせる改善効果を示し、更には、駆動電圧を上昇さ
せにくい傾向を有している。このような効果は(2)一
般式(II-1)〜(II-5)の第2群の化合物がフルオロト
ラン構造を有し、化合物の弾性定数が小さいことによる
ものと考えられる。また、(1)一般式(I-1)〜(I-
3)の第1群の化合物との相溶性にも優れているので、
第1群の化合物の優れた特性をほとんど低減させること
なく、良好なネマチック液晶組成物を得ることができ
る。
(3)一般式(III-1)、(III-2)の第3群から選ばれ
る化合物及び/又は(4)一般式(IV-1)〜(IV-4)の
第4群から選ばれる化合物を上記の液晶組成物に加える
ことが好ましいが、これにより液晶組成物の複屈折率
(Δn)を用途に応じて容易に最適化することができ、
これにより液晶表示装置の色むらの低減、視角特性の向
上、コントラスト比の増加を容易に達成することができ
る。この一般式(IV-4)の化合物は、前述の一般式
(d)の化合物を包含するものである。一般式(d)の
化合物は、他の化合物との相溶性があまりよくないため
結晶相又はスメクチック相を示し易い傾向を有する。し
かしながら、一般式(d)の化合物及び本発明の(1)
一般式(I-1)〜(I-3)の第1群から選ばれる化合物を
含有する本発明の液晶組成物との相溶性は良好であり、
結晶相又はスメクチック相とネマチック相との相転移温
度を低温側に拡大し易い傾向を示す。従って、第4群の
化合物を加えることにより、優れた特性をほとんど低減
させることなく、Δnの調製も容易に行えるため良好な
ネマチック液晶組成物を得ることができるのである。
2)の第3群の化合物及び/又は(4)一般式(IV-1)
〜(IV-4)の第4群の化合物を添加することにより大き
なプレチルト角を形成できる液晶表示装置を提供するこ
とができる。または、(2)一般式(II-1)〜(II-5)
の第2群の化合物において、側鎖基R1及びR2がアルコ
キシアルキル基を有している化合物、又は(3)一般式
(III-1)及び(III-2)の第3群の化合物において、側
鎖基がアルコキシアルキル基である化合物を含有するこ
とによっても、このプレチルト角を維持あるいは改善す
ることができる。このようなプレチルト角が改善された
本発明のネマチック液晶組成物は、TFT-LCDにおけるバ
ックライトの放熱によるリバースチルトの発生、あるい
はSTN-LCDにおけるストライプ・ドメインの発生を顕著
に抑えることができ、歩留まりを向上させることができ
る。
化合物の含有量は、第1群の一般式(I-1)で表わされ
る化合物1種につき、それぞれ30重量%以下で含有す
ることが好ましく、液晶組成物における総含有量は、少
なくとも5重量%以上の範囲が好ましく、10〜80重
量%の範囲がより好ましく、15〜50重量%の範囲が
特により好ましい。一般式(I-2)及び(I-3)について
も同様である。
る化合物1種につき、それぞれ0〜30重量%の範囲で
含有することが好ましく、液晶組成物における総含有量
は、少なくとも90重量%以下の範囲が好ましく、0〜
80重量%の範囲がより好ましく、10〜60重量%の
範囲が特により好ましい。一般式(II-2)〜(II-5)に
ついても同様である。
れる化合物1種につき、それぞれ0〜20重量%の範囲
で含有することが好ましく、液晶組成物中における総含
有量は、少なくとも50重量%以下の範囲が好ましく、
0〜40重量%の範囲がより好ましく、5〜30重量%
の範囲が特により好ましい。一般式(III-2)について
も同様である。
つき、それぞれ0〜30重量%の範囲で含有することが
好ましく、液晶組成物中における総含有量は、少なくと
も70重量%以下の範囲が好ましく、0〜60重量%の
範囲がより好ましく、5〜50重量%の範囲が特により
好ましい。一般式(IV-2)〜(IV-4)についても同様で
ある。
1)〜(I-3)、(II-1)〜(II-5)、(III-1)、(III
-2)、(IV-1)〜(IV-4)で表わされる化合物以外に
も、液晶組成物の特性を改善するために、液晶化合物と
して認識される通常のネマチック液晶、スメクチック液
晶、コレステリック液晶などを含有していてもよい。し
かしながら、これらの化合物を多量に用いることはネマ
チック液晶組成物の特性が低減することになるので、添
加量は得られるネマチック液晶組成物の要求特性に応じ
て制限されるものである。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また、以下の実施例及び比較例の組成物における
「%」は「重量%」を意味する。
をアンプル管に入れ、真空脱気後窒素置換の処理をして
封入し、150℃、1時間の加熱促進テストを行い、こ
の液晶組成物の電圧保持率を測定した。実施例中、測定
した特性は以下の通りである。
移温度(℃) Vth : セル厚8μmのTN-LCDを構成した時のしきい
値電圧(V) Δε : 誘電異方性 Δn : 複屈折率
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 113.4 ℃ T→N : −2.0 ℃ Vth : 1.41 V Δε : 17.3 Δn : 0.238 比抵抗 : 1.0×1013 Ω・cm テスト前の電圧保持率 : 99.2% 加熱促進テスト後電圧保持率 : 98.5% このネマチック液晶組成物は加熱促進テスト後の電圧保
持率が高いことから、熱に安定であることが理解でき
る。またこの組成物を構成材料とするアクティブ・マト
リクス液晶表示装置を作製したところ、漏れ電流が小さ
くフリッカの発生しない優れたものであることが確認で
きた。
CD表示用セルの応答速度を測定したところ、立ち上が
り、立ち下がりともに7ミリ秒であった。更にこのネマ
チック液晶組成物にカイラル物質「S−811」(メル
ク社製)を添加して混合液晶を調製した。一方、対向す
る平面透明電極上に「サンエバー150」(日産化学社
製)の有機膜をラビングして配向膜を形成し、ツイスト
角220度のSTN-LCD表示用セルを作製した。上記の混合液
晶をこのセルに注入して液晶表示装置を構成し、表示特
性を測定した。その結果、応答速度は19ミリ秒と非常
に速く、しきい値電圧が低く、高時分割特性に優れ、表
示画面のちらつきやクロストーク現象が改善されたSTN-
LCD表示特性を示す液晶表示装置が得られた。
による混合液晶の固有らせんピッチPと表示用セルのセ
ル厚dが、Δn・d=0.85、d/P=0.53とな
るように添加した。 (実施例2)
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 110.2 ℃ T→N : −10.0 ℃ Vth : 1.42 V Δε : 17.0 Δn : 0.236 比抵抗 : 1.4×1013 Ω・cm テスト前の電圧保持率 : 99.1% 加熱促進テスト後電圧保持率 : 98.5% このネマチック液晶組成物は加熱促進テスト後の電圧保
持率が高いことから、熱に安定であることが理解でき
る。またこの組成物を構成材料とするアクティブ・マト
リクス液晶表示装置を作製したところ、漏れ電流が小さ
くフリッカの発生しない優れたものであることが確認で
きた。
物質「S−811」(メルク社製)を添加して混合液晶
を調製した。一方、対向する平面透明電極上に「サンエ
バー150」(日産化学社製)の有機膜をラビングして配
向膜を形成し、ツイスト角220度のSTN-LCD表示用セルを
作製した。上記の混合液晶をこのセルに注入して液晶表
示装置を構成し、表示特性を測定した。その結果、応答
速度が速く、しきい値電圧が低く、高時分割特性に優
れ、表示画面のちらつきやクロストーク現象が改善され
たSTN-LCD表示特性を示す液晶表示装置が得られた。
による混合液晶の固有らせんピッチPと表示用セルのセ
ル厚dが、Δn・d=0.85、d/P=0.53とな
るように添加した。 (実施例3)
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 90.3 ℃ T→N : −35.0 ℃ Vth : 2.07 V Δε : 7.0 Δn : 0.242 比抵抗 : 1.2×1013 Ω・cm テスト前の電圧保持率 : 99.3% 加熱促進テスト後電圧保持率 : 98.7% このネマチック液晶組成物は加熱促進テスト後の電圧保
持率が高いことから、熱に安定であることが理解でき
る。またこの組成物を構成材料とするアクティブ・マト
リクス液晶表示装置を作製したところ、漏れ電流が小さ
くフリッカの発生しない優れたものであることが確認で
きた。
率の波長分散を測定したところ、光の波長650nmに
対する400nmでの比が1.15以上であった。この
液晶材料は、光の波長の違いによってより大きな位相差
が現れていることから、カラーフィルター層を用いない
でカラー表示を行う、液晶と位相差板の複屈折性を利用
した新規反射型カラー液晶表示方式に有用なものであ
る。 (実施例4)
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 94.5 ℃ T→N : −31.0 ℃ Vth : 2.14 V Δε : 6.9 Δn : 0.247 比抵抗 : 1.8×1013 Ω・cm テスト前の電圧保持率 : 99.3% 加熱促進テスト後電圧保持率 : 98.6 このネマチック液晶組成物は加熱促進テスト後の電圧保
持率が高いことから、熱に安定であることが理解でき
る。またこの組成物を構成材料とするアクティブ・マト
リクス液晶表示装置を作製したところ、漏れ電流が小さ
くフリッカの発生しない優れたものであることが確認で
きた。
率の波長分散を測定したところ、光の波長650nmに
対する400nmでの比が1.15以上であった。この
液晶材料は、光の波長の違いによってより大きな位相差
が現れていることから、カラーフィルター層を用いない
でカラー表示を行う、液晶と位相差板の複屈折性を利用
した新規反射型カラー液晶表示方式に有用なものであ
る。 (実施例5)
を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以下
の通りであった。 TN-I : 96.3 ℃ T→N : −2.0 ℃ Vth : 1.80 V Δε : 10.2 Δn : 0.250 比抵抗 : 1.2×1013 Ω・cm テスト前の電圧保持率 : 99.0% 加熱促進テスト後電圧保持率 : 98.5% このネマチック液晶組成物は加熱促進テスト後の電圧保
持率が高いことから、熱に安定であることが理解でき
る。またこの組成物を構成材料とするアクティブ・マト
リクス液晶表示装置を作製したところ、漏れ電流が小さ
くフリッカの発生しない優れたものであることが確認で
きた。
率の波長分散を測定したところ、光の波長650nmに
対する400nmでの比が1.15以上であった。この
液晶材料は、光の波長の違いによってより大きな位相差
が現れていることから、カラーフィルター層を用いない
でカラー表示を行う、液晶と位相差板の複屈折性を利用
した新規反射型カラー液晶表示方式に有用なものであ
る。 (実施例6〜9)下記第3表に示すネマチック液晶組成
物No.23〜No.26を調製した。
トリクス液晶表示方式や新規反射型カラー液晶表示方式
に有用なものであった。
235以上と複屈折率(Δn)が大きく、広い温度範囲
でネマチック相を示す。また、電圧保持率が高く、化学
的安定性が高いことが明らかである。従って、本発明の
液晶組成物を用いることにより、表示画面のちらつき、
クロストーク現象の改善された液晶表示装置を得ること
ができ、大きな複屈折率により液晶層の厚みdを低減で
き応答特性を改善でき、特に情報量の多いTN-LCD、STN-
LCDあるいはアクティブ・マトリクス形液晶表示装置に
おいて良好な駆動特性及び表示特性が得られる。
Claims (6)
- 【請求項1】 シアノ基を有しない液晶化合物からなる
液晶組成物において、6成分以上の化合物を含有し、複
屈折率Δnが0.235以上であり、誘電率異方性Δε
が3以上であり、固体相又はスメクチック相−ネマチッ
ク相転移温度が0℃以下であり、ネマチック相−等方性
液体相転移温度が65℃以上であることを特徴とするネ
マチック液晶組成物。 - 【請求項2】 (1)一般式(I-1)〜(I-3) 【化1】 (式中、R11はそれぞれ独立的に炭素原子数2〜7の直
鎖状アルキル基又はアルコキシ基を表わし、X11はそれ
ぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子、−OCF3、−C
F3、−OCH3又は−CH3を表わす。)で表わされる
化合物からなる第1群から選ばれる化合物を含有するこ
とを特徴とする請求項1記載のネマチック液晶組成物。 - 【請求項3】 (2)一般式(II-1)〜(II-5) 【化2】 (式中、R21はそれぞれ独立的に炭素原子数2〜7の直
鎖状アルキル基、アルケニル基又はCpH2p+1-O-CqH
2qを表わし、p及びqはそれぞれ独立的に1〜5の整数
を表わし、R22はそれぞれ独立的に炭素原子数2〜7の
直鎖状アルキル基、アルコキシ基を表わし、X21はそれ
ぞれ独立的にフッ素原子、塩素原子、−OCF3又は−
CF3を表わし、Y1〜Y3はそれぞれ独立的に水素原子
又はフッ素原子を表わす。)で表わされる化合物からな
る第2群から選ばれる化合物を含有することを特徴とす
る請求項1又は2記載のネマチック液晶組成物。 - 【請求項4】 (3)一般式(III-1)、(III-2) 【化3】 (式中、R31はそれぞれ独立的に炭素原子数2〜7の直
鎖状アルキル基、アルケニル基又はCrH2r+1-O-CsH
2sを表わし、r及びsはそれぞれ独立的に1〜5の整数
を表わし、X31はそれぞれ独立的にフッ素原子、塩素原
子、−OCF3又は−CF3を表わし、Y4はそれぞれ独
立的に水素原子又はフッ素原子を表わし、Z1はそれぞ
れ独立的に単結合、−COO−、−C2H4−又は−C4
H8−を表わし、環A1は1,4−シクロヘキシレン基又
は1,4−フェニレン基を表わす。)で表わされる化合
物からなる第3群から選ばれる化合物及び/又は(4)
一般式(IV-1)〜(IV-4) 【化4】 (式中、R41はそれぞれ独立的に炭素原子数2〜7の直
鎖状アルキル基又はアルケニル基を表わし、R42はそれ
ぞれ独立的に炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基、ア
ルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表
わし、Y5は水素原子、フッ素原子又は−CH3を表わ
し、Y6はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を
表わし、Z2はそれぞれ独立的に単結合、−COO−、
−C2H4−又は−C4H8−を表わし、環A2は1,4−
シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基を表わ
し、nは0又は1の整数を表わす。)で表わされる化合
物からなる第4群から選ばれる化合物を含有することを
特徴とする請求項1、2又は3記載のネマチック液晶組
成物。 - 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載のネマチッ
ク液晶組成物を用いたアクティブ・マトリクス形液晶表
示装置。 - 【請求項6】 請求項1、2、3又は4記載のネマチッ
ク液晶組成物を用いたツイスティッド・ネマチックもし
くはスーパー・ツイスティッド・ネマチック液晶表示装
置。
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JP10624495A JP3858283B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 |
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JP10624495A JP3858283B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 |
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JPH08302349A true JPH08302349A (ja) | 1996-11-19 |
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ID=14428707
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JP10624495A Expired - Lifetime JP3858283B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104087308A (zh) * | 2014-07-21 | 2014-10-08 | 西安近代化学研究所 | 一种三氟甲氧基端取代二芳基乙炔类液晶化合物及其合成方法 |
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DE102012003876A1 (de) * | 2011-03-24 | 2012-09-27 | Merck Patent Gmbh | Verbindung mit einer C-C-Dreifachbindung |
-
1995
- 1995-04-28 JP JP10624495A patent/JP3858283B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
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CN104087308A (zh) * | 2014-07-21 | 2014-10-08 | 西安近代化学研究所 | 一种三氟甲氧基端取代二芳基乙炔类液晶化合物及其合成方法 |
CN104087308B (zh) * | 2014-07-21 | 2015-12-09 | 西安近代化学研究所 | 一种三氟甲氧基端取代二芳基乙炔类液晶化合物及其合成方法 |
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