JPH083019A - 温度感受性粉体、及びこれを配合した粉体化粧料 - Google Patents

温度感受性粉体、及びこれを配合した粉体化粧料

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JPH083019A
JPH083019A JP16461194A JP16461194A JPH083019A JP H083019 A JPH083019 A JP H083019A JP 16461194 A JP16461194 A JP 16461194A JP 16461194 A JP16461194 A JP 16461194A JP H083019 A JPH083019 A JP H083019A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気温の変化に対応して親水性が変化し、低温
のときは保水性が向上し、高温になると保水性が抑制さ
れる温度感受性粉体を得、これを配合することにより、
1年を通じて良好な使用感が得られ、また運動時にも化
粧くずれのない粉体化粧料を提供する。 【構成】 曇点を有するアクリル酸重合体又はその架橋
ゲルを無機或いは有機多孔性、又は中空多孔性粉体内に
内包させて、温度により保水性の変化する温度感受性粉
体を得、これを配合して粉体化粧料を得る。曇点を有す
るアクリル酸重合体としては、N-イソプロピルアクリル
アミド,N-イソプロピルメタクリルアミド,N-ペンチル
アクリルアミド,N-ペンチルメタクリルアミド,N-シク
ロヘキシルアクリルアミド,N-シクロヘキシルメタクリ
ルアミドより成る群から選ばれる1種以上を含む重合体
又は共重合体が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、曇点を有するアクリル
酸重合体又はその架橋ゲルを内包させ、温度により水に
対する親和性を変化させることのできる温度感受性粉
体、及びこの温度感受性粉体の1種又は2種以上を配合
して成る、新規な粉体化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】パウダータイプ或いはケーキ型のファン
デーション,アイカラー,チークカラー等の粉体化粧料
は、一般に体質顔料,白色顔料,着色顔料といった粉体
の表面を、油剤や界面活性剤などの結合剤で処理して圧
縮,固形化して調製される。つまり、化粧料成分中の大
部分を粉体が占めるが、粉体の吸湿性,吸油性により汗
や皮脂を吸収し、化粧料を皮膚に塗布後時間が経過する
につれて色のくすみや化粧くずれが生じてしまう。そこ
で、親水性粉体をシリコーン油や界面活性剤などの疎水
化剤により処理して撥水性を向上させたり(特公平4−
51523,同5−3450,同5−4129,同5−
86368等)、フッ素系樹脂で被覆して撥水,撥油性
を向上させたり(特開昭61−194010,同60−
126210,特公昭61−48803等)して、化粧
持ちを向上させる試みがなされていた。
【0003】一方、粉体化粧料においては水を配合しな
いか、配合しても極微量に制限されるため、エモリエン
ト剤を含有させたり、コラーゲンやヒアルロン酸,アミ
ノ酸誘導体などの保水性の高い物質をメカノケミカル法
等により被覆した粉体を配合したりして(特開昭61−
69710,同61−282307,同62−1270
9等)、粉体化粧料に保湿性を持たせる試みがなされて
いた。
【0004】ところが、従来の撥水性粉体を配合した化
粧料は、気温が高く高湿度となる夏季に使用するには粉
体自体の吸湿性も抑制され、汗に対する抵抗性も大き
く、さらに撥油性粉体を配合した場合には皮脂に対する
抵抗性も付与され、良好な使用感を呈するのであるが、
気温が低く空気の乾燥する冬季に使用すると、粉体の吸
湿性が低いため、乾燥感が強くなり妥当な使用感が得ら
れない。逆に、保水性粉体を配合した化粧料では、低温
低湿度下の条件ではしっとりした使用感を示すが、高温
多湿となり汗をかきやすい夏季にはかえってべたつき感
を生じ、化粧くずれが顕著となった。従って、高温高湿
となる夏季及び低温低湿となり皮膚も乾燥しやすい冬季
と、両シーズンにわたって満足な使用感の得られる化粧
料は提供されていなかった。水あり,水無しの両態様に
おいて使用できるツーウェイタイプの粉体化粧料も提供
されているが、単にスポンジに水を含ませて塗布するこ
とを可能としたのみで、塗布時にさっぱりした使用感を
与えることができるに過ぎなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな従来の撥水性粉体或いは保水性粉体の欠点を改善す
るべく、温度により水に対する親和性が変化し、高温多
湿となる夏季には親水性が低下して水分保持量が減少
し、低温低湿となる冬季には親水性が上昇して保水性の
向上する新規な温度感受性粉体を調製し、これを配合し
て1年を通じて良好な使用感の得られる粉体化粧料を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、われわれは粉体化粧料を構成する粉体自体に温度感
受性を付与することを試みた。わが国においては、気温
の上昇に伴って湿度も上昇する傾向があり、気温に対応
して粉体の水に対する親和性を制御することができれ
ば、季節の変動に対応して粉体の保水性を制御すること
ができ、季節に応じて最適な使用感を得ることが可能と
なる。また、皮膚温の上昇に対応して保水量を減少させ
ることができれば、運動時の発汗に伴う化粧くずれを防
ぐことができる。
【0007】粉体の水に対する親和性に温度感受性を付
与する手段として、粉体に曇点を有する高分子化合物を
内包させることが有効であると考えた。高分子化合物に
曇点を持たせるためには、分子中にアミド基,カルボニ
ル基等の親水性と、直鎖或いは分岐鎖のアルキル基やシ
クロアルキル基等の疎水性基とを併せ持つモノマーを重
合させたり、高分子化合物中に親水性基と疎水性基を導
入するといった方法が考えられる。
【0008】本発明では体温付近に曇点を設定するた
め、アクリル酸の重合体を用いる。特に、親水性基とし
てアミドを有し、疎水性基としてN-イソプロピル,N-ペ
ンチル,又はN-シクロヘキシル基を有する重合体が所望
の曇点を得るために好ましく、N-イソプロピルアクリル
アミド,N-イソプロピルメタクリルアミド,N-ペンチル
アクリルアミド,N-ペンチルメタクリルアミド,N-シク
ロヘキシルアクリルアミド,N-シクロヘキシルメタクリ
ルアミドから選んだ1種又は2種以上のモノマーを重合
或いは共重合して得る重合体、或いは前記モノマーの1
種又は2種以上と、他の親水性或いは疎水性モノマーの
1種又は2種以上との共重合体が、粉体に内包させる重
合体として好適である。重合に用いるモノマーの種類と
重合比を変化させることにより、所望の曇点を設定する
ことができる。
【0009】粉体に上記アクリル酸重合体を内包させる
には、シリカ,タルク,カオリン等の無機多孔性粉体や
ポリ酢酸ビニル,ポリN-ビニルピロリドン等の有機多孔
性樹脂粉体を上記アクリル酸モノマーの溶液中に浸漬し
モノマーを含浸させた後、粉体内において重合反応を進
行させる。その際、N,N'-メチレンビスアクリルアミド
等の架橋剤を添加し、アクリル酸重合体をさらに架橋し
てゲルとすることにより、より一層温度による水分保持
能の変化を増大させることができる。反応終了後、溶媒
による洗浄と乾燥を数回繰り返し、化粧料用粉体とす
る。多孔性粉体として、中空の粉体を用いると、アクリ
ル酸重合体の内包量を多くすることができるため、より
顕著な温度感受性を付与することができ、なお好まし
い。また、セルロースやポリスチレン等を壁物質とする
マイクロカプセルにも、同様に内包させることができ
る。
【0010】得られた曇点を有するアクリル酸重合体内
包粉体は、常法に従い粉体化粧料に配合することができ
る。粉体化粧料は、白粉,パウダーファンデーション,
パウダーアイカラー,パウダーチークカラー等の固形粉
末化粧料や、ケーキタイプのファンデーション,アイカ
ラー,チークカラー,アイライナー等、水を含ませた塗
布具で使用できる粉体化粧料、或いは水ありでも水なし
でも使用できるツーウェイタイプの粉体化粧料として提
供できる。
【0011】
【作用】本発明による温度感受性粉体は、曇点以下の温
度では粉体に内包されるアクリル酸重合体或いはその架
橋ゲルが親水性を示すため、良好な保水性を示す。温度
が曇点以上になると、粉体に内包されるアクリル酸重合
体或いはその架橋ゲルの親水性は低下し、粉体の保水能
は小さくなる。特に、曇点を有するアクリル酸重合体の
架橋ゲルを内包させた場合、この温度変化による粉体の
保水能の変化は大きい。従って、この温度感受性粉体を
配合した粉体化粧料は、気温が曇点以下の場合には良好
な保水性を示し、気温が曇点以上の場合には保水性が抑
制されて良好な撥水性を示す。また、気温が曇点以下で
も、皮膚に塗布し、運動等により皮膚温が上昇した場合
には、曇点の設定によっては皮膚温の上昇を感知し、保
水性を低下させて化粧くずれを防ぐことができる。
【0012】
【実施例】さらに本発明について、実施例により詳細に
説明する。
【0013】[実施例1] ポリN-イソプロピルアクリ
ルアミド内包タルク 式1で示されるN-イソプロピルアクリルアミド0.7M
水溶液に、過酸化硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリ
ウムを0.1mg/mlとなるように添加し、この溶液
中にタルク粉体を浸漬し、減圧後アルゴン置換により常
圧に戻して前記溶液を含浸させた。 ついで20℃で1
0時間反応させ、タルク粉体の空孔内にて重合体を形成
させ、精製水にて数回洗浄後乾燥して得た。
【化1】
【0014】[実施例2] ポリN-イソプロピルメタク
リルアミド内包カオリン 式2で示されるN-イソプロピルメタクリルアミドを上記
と同様にカオリン粉体に含浸させ、粉体空孔内にて重合
体とし、精製水にて数回洗浄後乾燥して得た。
【化2】
【0015】[実施例3] ポリN-イソプロピルアクリ
ルアミド架橋ゲル内包中空シリカ 式1のN-イソプロピルアクリルアミド0.7M及びN,N'
-メチレンビスアクリルアミド8mM水溶液に過酸化硫
酸ナトリウム,亜硫酸水素ナトリウムを加え、中空シリ
カ中に含浸させた後重合させてゲル化し、洗浄,乾燥し
て得た。
【0016】[実施例4] ポリN-ペンチルアクリルア
ミド架橋ゲル内包中空シリカ 式3のN-ペンチルアクリルアミド0.7M及びN,N'-メ
チレンビスアクリルアミド8mM水溶液に過酸化硫酸ナ
トリウム,亜硫酸水素ナトリウムを加え、中空シリカ中
に含浸させた後重合させてゲル化し、洗浄,乾燥して得
た。
【化3】
【0017】[実施例5] ポリN-シクロヘキシルアク
リルアミド架橋ゲル内包中空アルミノシリケート 式4のN-シクロヘキシルアクリルアミド0.7M及びN,
N'-メチレンビスアクリルアミド8mM水溶液に過酸化
硫酸ナトリウム,亜硫酸水素ナトリウムを加え、中空ア
ルミノシリケート中に含浸させた後重合させてゲル化
し、洗浄,乾燥して得た。
【化4】
【0018】[実施例6] ポリN-イソプロピルアクリ
ルアミド架橋ゲル内包エチレン酢酸ビニル共重合体粉体 式1のN-イソプロピルアクリルアミド0.7M及びN,N'
-メチレンビスアクリルアミド8mM水溶液に過酸化硫
酸ナトリウム,亜硫酸水素ナトリウムを加え、エチレン
酢酸ビニル共重合体粉体中に含浸させた後重合させてゲ
ル化し、洗浄,乾燥して得た。
【0019】[実施例7] N-イソプロピルアクリルア
ミド・N-ペンチルメタクリルアミド共重合体内包ポリメ
タクリル酸メチル粉体 式1のN-イソプロピルアクリルアミド及び式5のN-ペン
チルメタクリルアミド各0.7M水溶液に過酸化硫酸ナ
トリウム,亜硫酸水素ナトリウムを加え、この水溶液を
ポリメタクリル酸メチル粉体中に含浸させ、同様に重合
させて共重合体とした後、洗浄,乾燥して得た。
【化5】
【0020】[実施例8] N-イソプロピルアクリルア
ミド・N-イソプロピルメタクリルアミド共重合体内包ポ
リアクリル酸メチル粉体 式1のN-イソプロピルアクリルアミド及び式2のN-イソ
プロピルメタクリルアミド各0.7M水溶液に過酸化硫
酸ナトリウム,亜硫酸水素ナトリウムを加え、この水溶
液を、ポリアクリル酸メチル粉体に含浸させ、同様に重
合させて共重合体とし、洗浄,乾燥して得た。
【0021】[実施例9] N-イソプロピルアクリルア
ミド・アクリル酸共重合体内包ポリN-ビニルピロリドン
粉体 式1のN-イソプロピルアクリルアミド及びアクリル酸各
0.7Mの水溶液に過酸化硫酸ナトリウム,亜硫酸水素
ナトリウムを加え、この水溶液をポリN-ビニルピロリド
ン粉体に含浸させ、同様に重合させて共重合体とし、洗
浄,乾燥して得た。
【0022】[実施例10] N-イソプロピルアクリル
アミド・アクリル酸メチル共重合体内包ポリ酢酸ビニル
粉体 式1のN-イソプロピルアクリルアミド及びアクリル酸メ
チル各0.7Mの水溶液に過酸化硫酸ナトリウム,亜硫
酸水素ナトリウムを加え、この水溶液をポリ酢酸ビニル
粉体に含浸させ、同様に重合させて共重合体とし、洗
浄,乾燥して得た。
【0023】[実施例11] N-ペンチルアクリルアミ
ド・N-シクロヘキシルメタクリルアミド共重合体架橋ゲ
ル内包セルロース壁マイクロカプセル 式3のN-ペンチルアクリルアミド及び式6のN-シクロヘ
キシルメタクリルアミド各0.7M、N,N'-メチレンビ
スアクリルアミド8mMの水溶液に過酸化硫酸ナトリウ
ム,亜硫酸水素ナトリウムを加え、この水溶液をセルロ
ース壁マイクロカプセルに含浸させ、同様に重合させて
ゲル化し、洗浄,乾燥して得た。
【化6】
【0024】[実施例12] N-シクロヘキシルアクリ
ルアミド・N-シクロヘキシルメタクリルアミド共重合体
ゲル内包ポリスチレン壁マイクロカプセル 式4のN-シクロヘキシルアクリルアミド及び式6のN-シ
クロヘキシルメタクリルアミド0.7M、N,N'-メチレ
ンビスアクリルアミド8mMの水溶液に過酸化硫酸ナト
リウム,亜硫酸水素ナトリウムを加え、この水溶液をポ
リスチレン壁マイクロカプセルに含浸させ、同様に重合
ゲル化させて共重合体ゲルとし、洗浄,乾燥して得た。
【0025】 [実施例13] パウダーファンデーション (1)ベンガラ 3.0(重量%) (2)黄酸化鉄 2.5 (3)黒酸化鉄 0.5 (4)ナイロンパウダー 10.0 (5)酸化チタン 10.0 (6)マイカ 20.0 (7)温度感受性タルク(実施例1) 43.8 (8)流動パラフィン 5.0 (9)ミリスチン酸オクチルドデシル 2.5 (10)ワセリン 2.5 (11)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (12)香料 0.1 製法:(1)〜(7)を混合,粉砕し、高速ブレンダーに移し
て(8)〜(12)を加えて均一に混合後粉砕して、ふるいを
通し粒度を整えた後、金皿に充填し圧縮成型する。
【0026】 [実施例14] ケーキ型ファンデーション (1)酸化チタン 10.0(重量%) (2)コロイダルカオリン 20.0 (3)温度感受性中空アルミノシリケート(実施例5) 5.0 (4)温度感受性タルク(実施例1) 34.9 (5)温度感受性中空シリカ(実施例3) 10.0 (6)ベンガラ 0.8 (7)黄酸化鉄 2.5 (8)黒酸化鉄 0.1 (9)スクワラン 10.0 (10)セスキオレイン酸ソルビタン 3.5 (11)グリセリン 3.0 (12)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (13)香料 0.1 製法:(1)〜(8)を混合,粉砕し、高速ブレンダーに移し
て(11)を添加,混合する。これに別に混合,均一化した
(9),(10),(12),(13)を加えて混合,均一化した後粉
砕し、ふるいを通して粒度を整えた後金皿に充填し、圧
縮成型する。
【0027】 [実施例15] ツーウェイファンデーション (1)シリコーン処理酸化チタン 10.0(重量%) (2)シリコーン処理セリサイト 30.0 (3)温度感受性タルク(実施例1) 18.7 (4)温度感受性中空シリカ(実施例4) 8.0 (5)温度感受性カオリン(実施例2) 3.5 (6)温度感受性中空アルミノシリケート(実施例5) 5.0 (7)シリコーン処理ベンガラ 2.5 (8)シリコーン処理黄酸化鉄 2.0 (9)シリコーン処理黒酸化鉄 0.1 (10)温度感受性ポリスチレン壁マイクロカプセル 10.0 (実施例12) (11)スクワラン 6.0 (12)メチルフェニルポリシロキサン 4.0 (13)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (14)香料 0.1 製法:(1)〜(10)を混合,粉砕し、高速ブレンダーに移
して(11)〜(14)を加えて均一に混合後粉砕し、ふるいを
通し粒度を整えた後、金皿に充填し圧縮成型する。
【0028】 [実施例16] ケーキ型アイカラー (1)温度感受性タルク(実施例1) 30.0(重量%) (2)温度感受性ポリアクリル酸メチル粉体(実施例8) 17.8 (3)マイカ 15.0 (4)炭酸マグネシウム 1.0 (5)ステアリン酸マグネシウム 10.0 (6)酸化チタン 5.0 (7)着色顔料 15.0 (8)ソルビタンセスキオレエート 1.0 (9)流動パラフィン 4.0 (10)ラノリン 1.0 (11)パラオキシ安息香酸メチル 0.2 製法:(1)及び(7)を混合し、(2),(3),(4),(5),(6)
を順次添加して混合した後、あらかじめ混合,融解した
(8)〜(11)を噴霧して混合する。これを粉砕し、ふるい
を通して粒度を整えた後、金皿に充填して圧縮成型す
る。
【0029】 [実施例17] パウダーアイカラー (1)温度感受性ポリメタクリル酸メチル粉体(実施例7)10.0(重量%) (2)雲母チタン 23.0 (3)温度感受性エチレン酢酸ビニル共重合体粉体 12.9 (実施例6) (4)温度感受性ポリN-ビニルピロリドン粉体(実施例9)12.0 (5)セリサイト 15.0 (6)ステアリン酸マグネシウム 2.0 (7)着色顔料 15.0 (8)流動パラフィン 8.5 (9)パラフィンロウ 1.5 (10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 製法:(1)〜(7)を混合,粉砕し、高速ブレンダーに移し
て(8)〜(10)を加えて均一に混合後粉砕して、ふるいを
通し粒度を整えた後、金皿に充填し圧縮成型する。
【0030】 [実施例18] 固形チークカラー (1)温度感受性タルク(実施例1) 39.8(重量%) (2)温度感受性中空シリカ(実施例4) 20.0 (3)温度感受性カオリン(実施例2) 14.0 (4)温度感受性ポリメタクリル酸メチル粉体(実施例7) 6.0 (5)酸化チタン 4.0 (6)ステアリン酸マグネシウム 5.0 (7)コメデンプン 5.0 (8)着色剤 3.0 (9)香料 0.2 (10)流動パラフィン 3.0 製法:(1)〜(8)を均一に混合し展色する。続いて(9),
(10)を噴霧して加え、均一に混合し、ふるいを通した後
金皿に充填し、圧縮成型する。
【0031】 [実施例19] ケーキ型アイライナー (1)温度感受性タルク(実施例1) 42.7(重量%) (2)温度感受性ポリ酢酸ビニル樹脂粉体(実施例10) 12.0 (3)酸化チタン 15.0 (4)炭酸カルシウム 5.0 (5)ステアリン酸マグネシウム 5.0 (6)着色顔料 5.0 (7)流動パラフィン 10.0 (8)ソルビタンセスキオレエート 5.0 (9)香料 0.1 (10)パラオキシ安息香酸メチル 0.2 製法:(1)〜(6)を混合,粉砕し、高速ブレンダーに移し
て(8)を添加,混合する。これに別に混合,均一化した
(7),(9),(10)を加えて混合,均一化した後粉砕し、ふ
るいを通して粒度を整えた後金皿に充填し、圧縮成型す
る。
【0032】 [実施例20] 粉白粉 (1)温度感受性タルク(実施例1) 39.8(重量%) (2)温度感受性カオリン(実施例2) 15.0 (3)炭酸カルシウム 5.0 (4)酸化亜鉛 10.0 (5)温度感受性セルロース壁マイクロカプセル 10.0 (実施例11) (6)温度感受性中空アルミノシリケート(実施例5) 10.0 (7)ステアリン酸マグネシウム 5.0 (8)着色顔料 5.0 (9)香料 0.2 製法:(1)と(8)をブレンダーで混合し、これに(2)〜(7)
を加え混合した後調色し、(9)を噴霧し均一に混合す
る。これを粉砕し、ふるいを通して製品とする。
【0033】
【発明の効果】本発明の実施例1〜実施例12に係る温
度感受性粉体は、粉体空孔内に内包しているアクリル酸
重合体又はその架橋ゲルが、31〜32℃の間で曇点を
有し、この温度で水に対する親和性が変化するため、保
水能が変化する。一例として、実施例3のN-イソプロピ
ルアクリルアミドゲル内包中空シリカについて、温度に
よる保水力の変化を次に示す。実施例3の温度感受性粉
体を水に分散させ、吸水させた後ろ過して過剰の水を除
去した。この1gを採り、温度及び湿度を一定に保ち、
重量変化を測定して粉体の水分量を測定した。湿度は6
0%とし、温度を20℃,30℃及び40℃の3段階に
設定して粉体の保水力を評価した。比較のため、N-イソ
プロピルアクリルアミドゲルを内包しない中空シリカを
比較例1として同様に水分量を測定し、保水力の温度変
化を評価した。結果は図1に示した。
【0034】図1において、20℃,30℃及び40℃
における実施例3及び比較例1の各粉体の水分量の変化
を、それぞれ(a),(b),及び(c)に示した。20℃及び
30℃では、実施例3の粉体は内包するN-イソプロピル
アクリルアミドゲルが親水性を示すため、比較例1の粉
体に比べて保持する水分保持量が多く、また経時的な減
少も小さくなっている。これに対して40℃では、N-イ
ソプロピルアクリルアミドの曇点以上の温度であるた
め、内包するゲルは疎水性となり、ほとんど水分を保持
しなくなる。測定開始2時間後における水分量の温度に
よる変化を図2に示した。実施例3の温度感受性粉体の
水分保持量が20℃及び30℃では比較例1に比べて大
きいこと、さらに曇点である31℃付近から水分保持量
が急激に減少することが示されている。
【0035】次に、本発明に係る温度感受性粉体を配合
した粉体化粧料の使用試験を行った。本発明に係る実施
例13〜20について、それぞれパネラー20名に夏季
及び冬季にブラインドにて使用させ、官能評価を行わせ
た。なお、各実施例処方中、温度感受性粉体をアクリル
酸重合体或いはその架橋ゲルを内包しない多孔性粉体に
代替したものをそれぞれ比較例2〜比較例9とした。官
能評価は、「しっとり感」,「べたつき感」,「化粧持
ち」の項目について行わせ、「しっとり感」については
◎;ある,○;ややある,△;ややない,×;ない、
「べたつき感」については◎;ない,○;ややない,
△;ややある,×;ある、「化粧持ち」については◎;
良い,○;やや良い,△;やや悪い,×;悪いの各4段
階で評価させ、各評価を行ったパネラー数にて表1〜表
3に示した。
【0036】
【表1】 表1はパウダータイプ,ケーキタイプ及びツーウェイタ
イプの各ファンデーションの使用試験について示す。表
中各実施例使用群において、夏季使用についてはべたつ
きのないさっぱりした使用感と良好な化粧持ちが得られ
ており、冬季使用についてはすぐれたしっとり感が認め
られている。特に、ポリN-イソプロピルアクリルアミド
ゲルを内包する中空シリカ(実施例3)と、ポリN-シク
ロヘキシルアクリルアミドゲルを内包する中空アルミノ
シリケート(実施例5)とを配合した実施例14、及び
ポリN-ペンチルアクリルアミドゲルを内包する中空シリ
カ(実施例4),ポリN-シクロヘキシルアクリルアミド
ゲルを内包する中空アルミノシリケート(実施例5),
N-シクロヘキシルアクリルアミド・N-シクロヘキシルメ
タクリルアミド共重合体ゲルを内包するポリスチレンマ
イクロカプセル(実施例12)を配合する実施例15使
用群においては、保水性が高いため、冬季のしっとり感
に優れていた。これに対して、比較例2及び比較例3使
用群では、冬季使用時のしっとり感があまり得られてお
らず、夏季になるとべたつき感が顕著となり、化粧持ち
も悪くなっている。比較例4使用群においては冬季使用
時のしっとり感についての評価が悪い。すなわち、本発
明に係るファンデーションでは、化粧料組成物中に配合
された温度感受性粉体が32℃付近で親水性を変化さ
せ、これより低温の冬季では保水性が上昇し、反対に高
温となる夏季においては親水性が低下して保水量が減少
するようになり、季節に応じた良好な使用感が得られる
ものと考えられる。
【0037】
【表2】 表2はアイカラー及びチークカラーのポイントメイクア
ップ化粧料についての使用試験結果を示す。実施例1
6,17及び18使用群では、各評価項目において夏季
及び冬季使用時のいずれにおいても良好な評価を得てい
る。特に、夏季の化粧持ちの良さと、冬季のしっとり感
が各比較例に比べて顕著に認められた。
【0038】
【表3】 表3はアイライナー及び粉白粉についての使用試験結果
を示す。実施例19のケーキ型アイライナーは特に夏季
使用時には水分を吸収しにくく、水や汗に対して化粧く
ずれを起こしにくいため、比較例8に比べて化粧持ちが
顕著に優れていた。また、実施例20の粉白粉も、比較
例9に比べて夏季には良好な化粧持ちを示し、冬季には
優れたしっとり感が得られていた。
【0039】以上詳述したように、本発明により、温度
変化に対応して水分保持能が変化する粉体を得ることが
でき、さらにその温度感受性粉体を配合することによっ
て、低温,低湿となる冬季においては良好な保水性を有
し、高温,高湿となる夏季においては水分保持量を低下
させてべたつき感がなく、化粧持ちの良好な粉体化粧料
を提供することができた。この粉体化粧料は、1年間を
通じて良好な使用感の得られるものであり、また、運動
などにより皮膚温が上昇した場合にも化粧くずれしない
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】20℃,30℃及び40℃における、実施例3
及び比較例1の水分量の経時的な変化を示す図である。
【図2】測定開始後2時間経過時の、実施例3及び比較
例1の水分保持量の温度による変化を示す図である。
【符号の説明】
1 実施例3 2 比較例1

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曇点を有するアクリル酸重合体を内包し
    て成る、温度感受性粉体。
  2. 【請求項2】 曇点を有するアクリル酸重合体の架橋ゲ
    ルを内包して成る、温度感受性粉体。
  3. 【請求項3】 曇点を有するアクリル酸重合体が、N-イ
    ソプロピルアクリルアミド,N-イソプロピルメタクリル
    アミド,N-ペンチルアクリルアミド,N-ペンチルメタク
    リルアミド,N-シクロヘキシルアクリルアミド,N-シク
    ロヘキシルメタクリルアミドより成る群から選ばれる1
    種又は2種以上のモノマーを重合させて得る重合体又は
    共重合体であることを特徴とする、請求項1又は請求項
    2に記載の温度感受性粉体。
  4. 【請求項4】 曇点を有するアクリル酸重合体が、N-イ
    ソプロピルアクリルアミド,N-イソプロピルメタクリル
    アミド,N-ペンチルアクリルアミド,N-ペンチルメタク
    リルアミド,N-シクロヘキシルアクリルアミド,N-シク
    ロヘキシルメタクリルアミドより成る群から選ばれる1
    種又は2種以上のモノマーと、他の重合性モノマーとの
    共重合体であることを特徴とする、請求項1又は請求項
    2に記載の温度感受性粉体。
  5. 【請求項5】 請求項1及び請求項2に記載の温度感受
    性粉体から選択される1種又は2種以上を配合すること
    を特徴とする、粉体化粧料。
  6. 【請求項6】 請求項3及び請求項4に記載の温度感受
    性粉体から選択される1種又は2種以上を配合すること
    を特徴とする、粉体化粧料。
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