JPS6148803B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、水、発汗等による透明化、色むらあ
るいは化粧崩れを生じない付着性、感触性の著し
く改良された、おしろい、コンパクトパウダー、
ケーキフアンデーシヨン、パウダーフアンデーシ
ヨン、チークカラーパウダー、アイカラーパウダ
ー、ボデイパウダー等の化粧料に関する。 おしろい、コンパクトパウダー、ケーキフアン
デーシヨン、パウダーフアンデーシヨン等の化粧
料は、通常タルク、カオリン、雲母などの無機粉
体、蛋白質粉末、魚鱗箔などの有機粉体等の化粧
用粉体と、黄酸化鉄、ベンガラなどの無機着色
料、レーキ、タール色素などの有機着色料等の着
色料を主として配合して得られるものである。 そして上記の如き化粧料の成分である無機粉
体、あるいは無機着色料等は、通常、酸化物であ
つて、その表面に水酸基を有し、それ故親水性で
あり、またこれらの粉体あるいは着色料は屈折率
が小さいため、このような粉体あるいは着色料を
配合して得られる化粧料は、水あるいは汗、皮脂
等の分泌物でぬれやすく、ぬれると透明化して地
肌の色が出て来たり、あるいは発汗や顔の動き等
で粉体あるいは着色料が移動、凝集して化粧崩れ
を起こしやすいという欠点を有している。 従来、このような化粧料の欠点を改善する方法
として以下の如き種々の方法がある。 すなわち、例えばステアリン酸マグネシウム、
ラウリン酸亜鉛、レシチン等の界面活性剤で粉体
を処理し、この粉体を化粧用粉体として化粧料に
配合する方法がある。しかしながらかかる方法に
おいては、得られる化粧料の化粧崩れは改善され
るが、水、汗等でぬれて透明化し、地肌の色が出
てくるという欠点を有している。 また他方、粉体をシリル化合物、アルコール化
合物等で処理し、粉体の表面の水酸基を保護し、
この粉体を化粧料に配合する方法がある。しかし
ながら、かかる方法においては、得られる化粧料
のぬれによる透明化は改善されるが、肌への付着
性が悪く、化粧崩れを起こしやすいという欠点を
有している。 このように従来の方法においては、化粧料のぬ
れによる透明化及び付着性を共に改善し、水ある
いは汗、皮脂等の分泌物に接しても、地肌の色が
表われずかつ化粧崩れを起こさないという化粧料
は得られない。 そこで本発明者らは、付着性及びぬれによる透
明化が改善された化粧料を得るべく鋭意研究した
結果、 化粧用粉体及び／又は着色料を特に、弗素系樹
脂で表面処理して得られる粉体及び／ 又は着色料を化粧料に配合せしめることによつ
て、付着性，ぬれによる透明化が著しく改善さ
れ、水，或いは汗，皮脂等の分泌物と接しても地
肌の色が表われず、黒ずみ、色むらが生ぜず、ま
た発汗や顔の動き等で粉体が移動、凝集して化粧
崩れを起こさず、更に肌の感触が特になめらか
で、見た目の色と化粧時の色が変らない優れた化
粧料が得られ、又該粉体又は着色料が皮膚刺激を
与えないということを見出し本発明に到達したも
のである。 すなわち本発明は、化粧用粉体及び／又は着色
料を主たる成分として構成される化粧料におい
て、弗素系樹脂で表面処理した化粧用粉体及び／
又は着色料を配合することを特徴とした化粧料で
ある。 本発明の化粧料は、水，発汗等による透明化、
色むらあるいは化粧崩れを生じない付着性，感触
性の著しく改良された化粧料であり、例えば、お
しろい，コンパクトパウダー，ケーキフアンデー
シヨン，パウダーフアンデーシヨン，チークカラ
ーパウダー，アイカラーパウダー，ボデイパウダ
ー等に極めて有用である。 本発明の化粧料は、化粧用粉体及び／又は着色
料を主たる成分として構成される。 ここで使用される化粧用粉体は通常用いられる
ものが任意に用いられ、例えば以下の如き粉体が
挙げられる。 すなわち、例えばタルク，カオリン，雲母，雲
母チタン，酸化チタン，酸化鉄，酸化マグネシウ
ム，一酸化亜鉛，二酸化亜鉛，重質もしくは軽質
炭酸カルシウム，第２燐酸カルシウム，水酸化ア
ルミニウム，硫酸バリウム，シリカアルミナ，シ
リカゲル，酸化アンチモン，ケイ酸アルミン酸マ
グネシウム，メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
などの無機粉体、蛋白質粉末，魚鱗箔，金属石
鹸，ポリ塩化ビニル，ナイロン12，微結晶繊維素
粉末などの有機粉体等が挙げられる。 これらの化粧用粉体のなかでも、本発明の如
く、おしろい，コンパクトパウダー，ケーキフア
ンデーシヨン等の化粧料として用いることを考慮
すれば、タルク，カオリン，雲母，雲母チタン，
酸化チタン，酸化鉄，酸化マグネシウム，一酸化
亜鉛，二酸化亜鉛，重質もしくは軽質炭酸カルシ
ウム，第２燐酸カルシウム，水酸化アルミニウ
ム，硫酸バリウム，シリカアルミナ，シリカゲ
ル，酸化アンチモン，ケイ酸アルミン酸マグネシ
ウム，メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどの
無機粉体が好ましい。 着色料としては、例えば、黄酸化鉄，ベンガ
ラ，黒酸化鉄，カーボンブラツク，グンジヨウ，
水酸化クロム，酸化クロムなどの無機着色料、タ
ール色素，レーキなどの有機着色料等が挙げられ
る。 本発明に於ては、このような化粧用粉体及び／
又は着色料を主たる成分として構成される化粧料
に、弗素系樹脂で表面処理した化粧用粉体及び／
又は着色料を配合せしめる。 ここで使用する弗素系樹脂は、公知の弗素系樹
脂であればいずれも使用可能であるが、好ましく
はポリテトラフルオロエチレン，ポリクロロトリ
フルオロエチレン，ポリエチレン―テトラフルオ
ロエチレンなどがあげられ、中でも特に、ポリテ
トラフルオロエチレンが好ましい。 このような弗素系樹脂で表面処理する際に用い
られる化粧用粉体及び／又は着色料としては、前
述した如き粉体、着色料が挙げられるが、弗素系
樹脂で表面処理して、化粧料に配合した時に、透
明化，付着性，色むら等において充分な効果を発
揮させるには、特にタルク，カオリン，雲母，雲
母チタン，酸化チタン，酸化鉄，酸化マグネシウ
ム，一酸化亜鉛，二酸化亜鉛，重質もしくは軽質
炭酸カルシウム，第２燐酸カルシウム，水酸化ア
ルミニウム，硫酸バリウム，シリカアルミナ，シ
リカゲル，酸化アンチモン，ケイ酸アルミン酸マ
グネシウム，メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
などの無機粉体、黄酸化鉄，ベンガラ，黒酸化
鉄，グンジヨウ，水酸化クロム，酸化クロムなど
の無機着色料が好ましく、なかでも特に、タル
ク，カオリン，雲母，雲母チタン，酸化チタン，
酸化鉄，酸化マグネシウム，一酸化亜鉛，二酸化
亜鉛，硫酸バリウムなどの無機粉体が好ましい。 なお、上記の如き化粧用粉体あるいは着色料の
２種以上を弗素系樹脂で表面処理し、これらの処
理した２種以上のものを化粧料に配合してもよ
い。 化粧用粉体或いは着色料を弗素系樹脂で表面処
理する方法としては、特に限定するものではな
く、例えば弗素系樹脂を摩砕混合することにより
メカノケミカル処理する方法、弗素系樹脂溶液に
含浸する方法、弗素系樹脂を熔融して粉体表面に
吹きつける方法等があげられるが、簡便で効率
的、しかも特になめらかな粉体が得られるという
点から弗素系樹脂を摩砕混合することにより、メ
カノケミカル処理する方法が好ましく用いられ
る。 メカノケミカル処理を施す方法としては、弗素
系樹脂粉体、特に好ましくは平均粒径10μ以下の
微粉体を、好ましくは化粧用粉体及び／又は着色
料に対して、0.5〜30重量％の配合量で処理すべ
き粉体に加え、摩砕装置中で一定時間処理を行な
う方法が挙げられる。この際、場合によつては
水，アルコール，流動パラフイン等を加えて湿式
で行なつてもよいが、通常は乾式で行なう。ま
た、弗素系樹脂粉体の配合量、処理時間を適当に
変化させることにより、処理粉体の機能性、感触
性等をコントロールすることができる。 摩砕装置としては、各種ボールミル，振動ミ
ル，擂潰機，乳鉢，ポツトミル，アトライター等
があげられるが、効果、使い易さの点等から回転
ボールミル等が好ましい。 この際、ボールミルを特に低速で回転させるこ
とが好ましい。 弗素系樹脂で表面処理した粉体及び／又は着色
料の配合量は、化粧料を構成する粉体又は着色料
の全部として配合してもよく、またかかる粉体、
着色料の一部として配合してもよく、その配合量
は任意の量でよいが、得られる化粧料の付着性、
透明化を改善するのに充分な効果をあげるために
は、弗素系樹脂で表面処理した粉体及び／又は着
色料の配合量は、化粧料を構成する主たる成分で
ある化粧用粉体及び着色料中に30〜100％含有す
る量、配合するのが好ましく、特に50〜100％含
有する量、配合するのが好ましい。 弗素系樹脂により表面処理した粉体及び／又は
着色料を化粧料を構成する粉体又は着色料の全部
あるいは一部として用い、これにステアリン酸亜
鉛，ミリスチン酸マグネシウム，ステアリン酸マ
グネシウム等の界面活性剤、色素，香料等を用途
に応じて任意に選択し、通常の方法によつて配合
することにより、本発明の化粧料が得られる。 以上に詳述した如く、弗素系樹脂により表面処
理した化粧用粉体及び／又は着色料を配合せしめ
た化粧料は、水，発汗等による透明化がなく、ま
た化粧崩れを生じない、付着性、感触性の著しく
改良された化粧料であり、かかる化粧料は、例え
ばおしろい，コンパクトパウダー，ケーキフアン
デーシヨン，パウダーフアンデーシヨン，チーク
カラーパウダー，アイカラーパウダー，ボデイパ
ウダー等として極めて有用な化粧料である。 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。 実施例 １ ポリテトラフルオロエチレン〔ホスタフロン
（ヘキスト社製）：平均粒径５〜７μ〕５重量部
とタルク100重量部とを回転ボールミル中に入
れ、30時間低速で摩砕しメカノケミカル処理を行
なつた。またこれと同様にしてカオリンを処理し
た。ここで、メカノケミカル処理したタルク自体
の撥水性、水スプレーによる崩れのテストを行な
い、結果を第１表に示す。 かかるメカノケミカル処理したタルク，カオリ
ンを用いて、以下に示した如き成分を加え、通常
の方法によつて非常になめらかな感触を有するお
しろいを得た。かかるおしろいの撥水性及び水ス
プレーによる崩れの結果は第２表に示した通りで
ある。 処 方 メカノケミカル処理タルク 52重量％ 〃 カオリン 20 〃 雲 母 ８ 〃 酸化チタン ２ 〃 炭酸マグネシウム ４ 〃 ステアリン酸亜鉛 ４ 〃 流動パラフイン 10 〃 色 素 適当量 香 料 〃 実施例 ２ ポリテトラフルオロエチレン〔テフロンデユ
ポン社製〕５重量部と雲母100重量部とを回転ボ
ールミル中に入れ、200時間低速で摩砕しメカノ
ケミカル処理を行なつた。ここでメカノケミカル
処理した雲母自体の撥水性、水スプレーによる崩
れのテストを行ない、結果を第１表に示す。 かかるメカノケミカル処理した雲母及び実施例
１で得られるタルクを用いて、以下に示した如き
成分を加え、通常の方法によつてなめらかできめ
の細かいパウダーフアンデーシヨンを得た。かか
るパウダーフアンデーシヨンを化粧料として用い
た時の撥水性、化粧崩れのテストの結果は第２表
に示したとおりである。 処 方 撥水撥油剤処理タルク 40重量％ 〃 雲母 35 〃 雲母チタン ５ 〃 酸化チタン ４ 〃 ミリスチン酸マグネシウム ４ 〃 流動パラフイン ５ 〃 ラノリンアルコール ４ 〃 メチルポリシロキサン ３ 〃 色 素 適当量 香 料 〃 実施例 ３ 実施例１と同様にして酸化チタンをメカノケミ
カル処理をした。このものの撥水性，水スプレー
による崩れのテストを第１表に示す。 このメカノケミカル処理酸化チタン、及び実施
例１，２で得られるメカノケミカル処理タルク，
雲母を用いて、以下に示した如き成分を加え、通
常の方法によつてきめの細かいケーキフアンデー
シヨンを得た。かかるケーキフアンデーシヨンを
化粧料として用いた時の撥水性，化粧崩れのテス
トの結果は第２表に示した通りである。 処 方 撥水撥油剤処理タルク 45重量％ 〃 雲母 16 〃 〃 酸化チタン 13 〃 カオリン ６ 〃 ラノリン １ 〃 親油性乳化剤 ４ 〃 ワセリン ３ 〃 流動パラフイン 10 〃 プロピレングリコール ２ 〃 色 素 適当量 香 料 〃 実施例 ４ 実施例１と同様にして雲母チタンをメカノケミ
カル処理をした。このものの撥水性，水スプレー
による崩れのテストを第１表に示す。 このメカノケミカル処理雲母チタン、及び実施
例１，２で得られるメカノケミカル処理タルク，
雲母を用いて、以下に示した如き成分を加え、通
常の方法によつてアイカラーパウダーを得た。か
かるアイカラーパウダーを化粧料として用いた時
の撥水性，水スプレーによる崩れのテストの結果
は第２表の通りである。 処 方 メカノケミカル処理タルク 60重量％ 〃 雲母チタン 20 〃 〃 雲母 14 〃 流動パラフイン １ 〃 ラノリンアルコール ５ 〃 色 素 適当量 比較例 １ 市販の未処理 タルク，カオリンを用いて、実施例１と同様の
処方によりおしろいを得た。このものの撥水性，
水スプレーによる崩れのテスト結果を第２表に示
す。また、 この未処理タルク，カオリン自体の撥水性，水
スプレーによる崩れのテスト結果を第１表に示
す。 比較例 ２ ビス―（トリメチルシリル）アセトアミド１重
量部とｎ―ヘプタン100重量部とからなる処理液
を充分撹拌しつつ、これにタルク10重量部加え、
120〜130℃で２時間還流した後、過，水洗，エ
タノール洗浄の各工程を経て、風乾により乾燥し
て、粉体表面の水酸基をシラン化処理した粉体を
得た。 また同様にして雲母のシラン化処理粉体も得
た。これらの撥水性，水スプレーによる崩れのテ
スト結果を第１表に示す。このタルクと雲母とを
用いて実施例２と同様の処方により、パウダーフ
アンデーシヨンを得た。このものの撥水性，水ス
プレーによる崩れのテストを表２に示す。 比較例 ３ 市販のステアリン酸マグネシウム処理タルク，
雲母，酸化チタンを用いて、実施例３と同様の処
方によりケーキフアンデーシヨンを得た。このも
のの撥水性及び水スプレーによる崩れのテスト結
果を第２表に示す。またステアリン酸マグネシウ
ム処理タルク，雲母，酸化チタン自体の撥水性，
水スプレーによる崩れのテスト結果を第１表に示
す。 比較例 ４ 市販の未処理タルク，雲母，雲母チタンを用い
て、実施例４と同様の処方によりアイカラーパウ
ダーを得た。このものの撥水性，水スプレーによ
る崩れのテスト結果を第２表に示す。また、この
未処理雲母，雲母チタン自体の撥水性，水スプレ
ーによる崩れのテスト結果を第１表に示す。

【表】

【表】 ○；良好、×；悪い
〔撥水性，崩れの評価方法〕 粉体をイソプロピルアルコールに分散させた液
を、ポリエステルフイルム上へ約５mg／cm²の厚さ
でコートし、風乾したものをサンプルとした。こ
れに霧吹きで十分に水を吹きかけ、その撥水性，
崩れの状態を観察した。表中の記号は下記の如き
意味を示す。

〔撥水性，化粧崩れの評価方法〕

女性の被検者に化粧を施し（ベースクリームを
塗り、場合によつてはその上にフアンデーシヨン
をつけ、更に本発明の化粧粉体の表面処理品とそ
の比較品とを顔半面ずつに塗布）、スポーツ（卓
球２時間等）による多量の発汗後の化粧崩れの状
態を比較観察した。表中の記号は下記の如き意味
を示す。 ◎；極めて良好、△；やや悪い、 〇；良好、 ×；悪い。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 化粧用粉体及び／又は着色料を主たる成分と
   して構成される化粧料において、 弗素系樹脂で表面処理した化粧用粉体及び／又
   は着色料を配合したことを特徴とする化粧料。 ２ 弗素系樹脂がポリテトラフルオロエチレン、
   ポリクロロトリフルオロエチレン又はポリエチレ
   ン―テトラフルオロエチレンコポリマーである特
   許請求の範囲第１項記載の化粧料。 ３ 弗素系樹脂がポリテトラフロオロエチレンで
   ある特許請求の範囲第１項記載の化粧料。 ４ 弗素系樹脂を摩砕混合することにより、メカ
   ノケミカル処理した化粧粉体及び／又は着色料を
   配合せしめた特許請求の範囲第１項〜第３項のい
   ずれか１項記載の化粧料。 ５ 弗素系樹脂により表面処理された化粧用粉体
   及び／又は着色料が無機粉体である特許請求の範
   囲第１項〜第４項のいずれか１項記載の化粧料。 ６ 弗素系樹脂で表面処理した化粧料及び／又は
   着色料を、化粧料を構成する主たる成分である化
   粧用粉体及び／又は着色料中に20〜100重量％含
   有する量配合せしめた特許請求の範囲第１項〜第
   ５項のいずれか１項記載の化粧料。