JPH08301717A - 歯科用セメント組成物 - Google Patents
歯科用セメント組成物Info
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- JPH08301717A JPH08301717A JP7128764A JP12876495A JPH08301717A JP H08301717 A JPH08301717 A JP H08301717A JP 7128764 A JP7128764 A JP 7128764A JP 12876495 A JP12876495 A JP 12876495A JP H08301717 A JPH08301717 A JP H08301717A
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- acid
- cement
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- average molecular
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来の歯科用セメントの長所はそのまま維持
し、更に歯質,歯科用金属,レジン,ポーセレン等への
接着性を改善した歯科用セメント組成物を得ることにあ
る。 【構成】a.特定範囲の重量平均分子量のα-β不飽和
カルボン酸の重合体、 b.CH2=C(R1)-C00-基を有する重合可能な不飽和有機化
合物、 c.特定構造のスルホキシド基を有する化合物、 d.水、 e.a成分と反応し得る酸化物粉末、 f.重合触媒、 より成る歯科用セメント組成物。
し、更に歯質,歯科用金属,レジン,ポーセレン等への
接着性を改善した歯科用セメント組成物を得ることにあ
る。 【構成】a.特定範囲の重量平均分子量のα-β不飽和
カルボン酸の重合体、 b.CH2=C(R1)-C00-基を有する重合可能な不飽和有機化
合物、 c.特定構造のスルホキシド基を有する化合物、 d.水、 e.a成分と反応し得る酸化物粉末、 f.重合触媒、 より成る歯科用セメント組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯科用セメント組成物に
関するものである。更に詳細に述べると、重合可能な不
飽和有機化合物の重合反応による硬化とポリカルボン酸
と酸化物粉末との酸−塩基反応による硬化を併用し、エ
ナメル質、象牙質などの歯質及び歯科用の合金、レジ
ン、ポーセレン等に対して優れた接着性を有する歯科用
セメント組成物に関するものである。
関するものである。更に詳細に述べると、重合可能な不
飽和有機化合物の重合反応による硬化とポリカルボン酸
と酸化物粉末との酸−塩基反応による硬化を併用し、エ
ナメル質、象牙質などの歯質及び歯科用の合金、レジ
ン、ポーセレン等に対して優れた接着性を有する歯科用
セメント組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯科用セメントは種類が多く幅広い用途
に使用されている材料の一つである。現在使用されてい
る主なものは、酸化亜鉛とリン酸の反応を利用したリン
酸亜鉛セメント、酸化亜鉛とポリカルボン酸の反応を利
用したポリカルボキシレートセメント、酸化亜鉛とユー
ジノールの反応を利用した酸化亜鉛ユージノールセメン
ト、フルオロアルミノシリケートガラス粉末とポリカル
ボン酸との反応を利用したグラスアイオノマーセメン
ト、更にアクリル系モノマーの重合を利用したレジンセ
メントなどが代表的なものである。
に使用されている材料の一つである。現在使用されてい
る主なものは、酸化亜鉛とリン酸の反応を利用したリン
酸亜鉛セメント、酸化亜鉛とポリカルボン酸の反応を利
用したポリカルボキシレートセメント、酸化亜鉛とユー
ジノールの反応を利用した酸化亜鉛ユージノールセメン
ト、フルオロアルミノシリケートガラス粉末とポリカル
ボン酸との反応を利用したグラスアイオノマーセメン
ト、更にアクリル系モノマーの重合を利用したレジンセ
メントなどが代表的なものである。
【0003】これ等の歯科用セメントはそれぞれ一長一
短があり、完全に理想的な歯科用セメントは存在してい
ないのが実情である。例えばリン酸亜鉛セメントは歯質
との接着性が無いことや硬化初期に於けるリン酸の刺激
が有ること、ポリカルボキシレートセメントは硬化体の
最終強度が低いこと、ユージノールセメントは強度が低
く口腔内耐久性が劣るため仮封や仮着に限定して使用さ
れるが、ユージノールの本来の刺激の有ることが挙げら
れる。また、レジンセメントは他には見られない優れた
接着性と機械的強度などの利点を持つ反面、操作法が煩
雑である、生体親和性に疑問が残されているなどの欠点
を有している。
短があり、完全に理想的な歯科用セメントは存在してい
ないのが実情である。例えばリン酸亜鉛セメントは歯質
との接着性が無いことや硬化初期に於けるリン酸の刺激
が有ること、ポリカルボキシレートセメントは硬化体の
最終強度が低いこと、ユージノールセメントは強度が低
く口腔内耐久性が劣るため仮封や仮着に限定して使用さ
れるが、ユージノールの本来の刺激の有ることが挙げら
れる。また、レジンセメントは他には見られない優れた
接着性と機械的強度などの利点を持つ反面、操作法が煩
雑である、生体親和性に疑問が残されているなどの欠点
を有している。
【0004】一方、グラスアイオノマーセメントは生体
に対する親和性が極めて良好であり、歯質接着性をも有
している。更に硬化体が半透明性を有し、審美性にも優
れているなどの特徴に加えてガラス中に含まれるフッ素
により、歯質強化作用が期待出来る。この様な多くの特
徴を活かしてグラスアイオノマーセメントは齲蝕窩洞の
修復充填、クラウン、インレー、ブリッジや矯正用バン
ドの合着、窩洞の裏装、支台築造や予防填塞などの歯科
分野での幅広い用途に使用されている。しかしながら、
このグラスアイオノマーセメントにも幾つかの欠点があ
る。その主なものとしては、初期硬化時に於ける水分に
よるマトリックスの脆弱化や、レジンセメントと比べて
明らかに低い接着性、機械的強度等が挙げられる。これ
等の問題点に対する改良は、現在までにも多くの試が行
われて来た。例えば、特公昭54-21858号公報ではキレー
ト剤の添加により、特公昭59-38926号公報ではフルオロ
錯塩の添加によりそれぞれ硬化速度をシャープにするこ
とが公開されている。しかしながら、これ等の方法は前
述のグラスアイオノマーセメントの初期硬化に於ける水
分による劣化という問題を完全には解決したとは言えな
かった。
に対する親和性が極めて良好であり、歯質接着性をも有
している。更に硬化体が半透明性を有し、審美性にも優
れているなどの特徴に加えてガラス中に含まれるフッ素
により、歯質強化作用が期待出来る。この様な多くの特
徴を活かしてグラスアイオノマーセメントは齲蝕窩洞の
修復充填、クラウン、インレー、ブリッジや矯正用バン
ドの合着、窩洞の裏装、支台築造や予防填塞などの歯科
分野での幅広い用途に使用されている。しかしながら、
このグラスアイオノマーセメントにも幾つかの欠点があ
る。その主なものとしては、初期硬化時に於ける水分に
よるマトリックスの脆弱化や、レジンセメントと比べて
明らかに低い接着性、機械的強度等が挙げられる。これ
等の問題点に対する改良は、現在までにも多くの試が行
われて来た。例えば、特公昭54-21858号公報ではキレー
ト剤の添加により、特公昭59-38926号公報ではフルオロ
錯塩の添加によりそれぞれ硬化速度をシャープにするこ
とが公開されている。しかしながら、これ等の方法は前
述のグラスアイオノマーセメントの初期硬化に於ける水
分による劣化という問題を完全には解決したとは言えな
かった。
【0005】そこで我々はこの問題点を解決するグラス
アイオノマーセメントとして新しく液成分に従来のポリ
アクリル酸に加えて、重合可能な不飽和有機化合物を含
み、更に重合触媒を添加することで、可視光線照射によ
り迅速に硬化反応が行われる歯科用グラスアイオノマー
セメント組成物を発明し、特公平6-27047号を出願し
た。
アイオノマーセメントとして新しく液成分に従来のポリ
アクリル酸に加えて、重合可能な不飽和有機化合物を含
み、更に重合触媒を添加することで、可視光線照射によ
り迅速に硬化反応が行われる歯科用グラスアイオノマー
セメント組成物を発明し、特公平6-27047号を出願し
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この不飽和有機化合物
を含有するグラスアイオノマーセメントは、従来のグラ
スアイオノマーセメントと比較して操作性の向上、初期
硬化時の水分による脆弱化防止、更に、初期硬さ、曲げ
強さ、歯質への接着性、及び透明性などの物性を向上さ
せることに成功したものである。しかしながら、このグ
ラスアイオノマーセメントでも歯質への接着力が充分で
あるとは言えず、歯質の他、歯科用合金、レジン、ポー
セレンなどへの接着力もレジンセメントなどと比較する
と明らかに劣っているのが現状である。そのため、充填
物や歯冠修復物が脱落したり、或いは間隙、空洞部分に
唾液が侵入して二次齲蝕を誘発するなどの問題が生じる
こともあった。そこで不飽和有機化合物を含有するグラ
スアイオノマーセメントの長所をそのまま残し、之に加
えて、歯質、歯科用合金、レジン、ポーセレン等への優
れた接着性を有する歯科用セメントの開発が要求されて
来た。
を含有するグラスアイオノマーセメントは、従来のグラ
スアイオノマーセメントと比較して操作性の向上、初期
硬化時の水分による脆弱化防止、更に、初期硬さ、曲げ
強さ、歯質への接着性、及び透明性などの物性を向上さ
せることに成功したものである。しかしながら、このグ
ラスアイオノマーセメントでも歯質への接着力が充分で
あるとは言えず、歯質の他、歯科用合金、レジン、ポー
セレンなどへの接着力もレジンセメントなどと比較する
と明らかに劣っているのが現状である。そのため、充填
物や歯冠修復物が脱落したり、或いは間隙、空洞部分に
唾液が侵入して二次齲蝕を誘発するなどの問題が生じる
こともあった。そこで不飽和有機化合物を含有するグラ
スアイオノマーセメントの長所をそのまま残し、之に加
えて、歯質、歯科用合金、レジン、ポーセレン等への優
れた接着性を有する歯科用セメントの開発が要求されて
来た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、歯科用セ
メントに於ける接着性の向上を鋭意検討した結果、 a.重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽和
カルボン酸の重合体、 b.CH2=C(R1)-COO-基(R1:HまたはCH3)を少なくとも
1個含有する重合可能な不飽和有機化合物、 c.一般式
メントに於ける接着性の向上を鋭意検討した結果、 a.重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽和
カルボン酸の重合体、 b.CH2=C(R1)-COO-基(R1:HまたはCH3)を少なくとも
1個含有する重合可能な不飽和有機化合物、 c.一般式
【0008】
【化4】
【0009】で示されるスルホキシド基を有する化合
物、 d.水、 e.「重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽
和カルボン酸の重合体(a)」と反応し得る酸化物粉末、 f.重合触媒、 の上記a,b,c,d,e,fより成る歯科用セメント
組成物が、従来型のグラスアイオノマーセメントや重合
可能な不飽和有機化合物を含有したグラスアイオノマー
セメントと同等、若しくはそれ以上の物性を有し、且
つ、歯質、歯科用合金、レジン、ポーセレン等への接着
性を大幅に向上させ得ることを見出し、本発明を完成し
た。
物、 d.水、 e.「重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽
和カルボン酸の重合体(a)」と反応し得る酸化物粉末、 f.重合触媒、 の上記a,b,c,d,e,fより成る歯科用セメント
組成物が、従来型のグラスアイオノマーセメントや重合
可能な不飽和有機化合物を含有したグラスアイオノマー
セメントと同等、若しくはそれ以上の物性を有し、且
つ、歯質、歯科用合金、レジン、ポーセレン等への接着
性を大幅に向上させ得ることを見出し、本発明を完成し
た。
【0010】更に本発明に於ける、より好ましい範囲を
詳細に述べるならば、 a.重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽和
カルボン酸の重合体:5〜100重量部、 b.CH2=C(R1)-COO-基(R1:HまたはCH3)を少なくとも
1個含有する重合可能な不飽和有機化合物:5〜100重
量部、 c.一般式
詳細に述べるならば、 a.重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽和
カルボン酸の重合体:5〜100重量部、 b.CH2=C(R1)-COO-基(R1:HまたはCH3)を少なくとも
1個含有する重合可能な不飽和有機化合物:5〜100重
量部、 c.一般式
【0011】
【化5】
【0012】で示されるスルホキシド基を有する化合
物:0.1〜40重量部、 d.水:5〜50重量部、 e.「重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽
和カルボン酸の重合体(a)」と反応し得る酸化物粉末:
5〜100重量部、 f.重合触媒:0.01〜5重量部 の範囲でa,b,c,d,e,fを配合させることが好
ましい。
物:0.1〜40重量部、 d.水:5〜50重量部、 e.「重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽
和カルボン酸の重合体(a)」と反応し得る酸化物粉末:
5〜100重量部、 f.重合触媒:0.01〜5重量部 の範囲でa,b,c,d,e,fを配合させることが好
ましい。
【0013】重量平均分子量5,000〜40,000であるα-β
不飽和カルボン酸の重合体はα-β不飽和モノカルボン
酸或いはα-β不飽和ジカルボン酸の重合体のことであ
り、例えばアクリル酸、メタクリル酸、2-クロロアクリ
ル酸、アコニット酸、メサコン酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、フマール酸、グルタコン酸、シトラコン酸などの
単独重合体或いは共重合体のことである。之等共重合体
はα-β不飽和カルボン酸同士の共重合体であってもよ
く、α-β不飽和カルボン酸と共重合可能な成分との共
重合体でもよい。この場合α-β不飽和カルボン酸の割
合は50%以上であることが好ましい。共重合可能な成分
とは、例えばアクリルアミド、アクリロニトリル、メタ
クリル酸エステル、アクリル酸塩類、塩化ビニル、塩化
アリル、酢酸ビニルがある。之等のα-β不飽和カルボ
ン酸の重合体の中で、特に好ましいものとしてはアクリ
ル酸またはマレイン酸の単独重合体または共重合体が挙
げられる。
不飽和カルボン酸の重合体はα-β不飽和モノカルボン
酸或いはα-β不飽和ジカルボン酸の重合体のことであ
り、例えばアクリル酸、メタクリル酸、2-クロロアクリ
ル酸、アコニット酸、メサコン酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、フマール酸、グルタコン酸、シトラコン酸などの
単独重合体或いは共重合体のことである。之等共重合体
はα-β不飽和カルボン酸同士の共重合体であってもよ
く、α-β不飽和カルボン酸と共重合可能な成分との共
重合体でもよい。この場合α-β不飽和カルボン酸の割
合は50%以上であることが好ましい。共重合可能な成分
とは、例えばアクリルアミド、アクリロニトリル、メタ
クリル酸エステル、アクリル酸塩類、塩化ビニル、塩化
アリル、酢酸ビニルがある。之等のα-β不飽和カルボ
ン酸の重合体の中で、特に好ましいものとしてはアクリ
ル酸またはマレイン酸の単独重合体または共重合体が挙
げられる。
【0014】之等のα-β不飽和カルボン酸の重合体は
酸化物粉末と反応し硬化する成分であるが、5,000未満
の重量平均分子量を有する重合体を使用した場合は硬化
物の強度が低く耐久性に問題が残る。また、歯質への接
着力も低下する。40,000を超える重量平均分子量を有す
る重合体を使用した場合は、セメント組成物の練和時の
稠度が堅過ぎて練和が極めて難しい。従って、本発明で
使用されるα-β不飽和カルボン酸重合体の平均分子量
は5,000〜40,000の範囲に在る。また、この様なα-β不
飽和カルボン酸重合体の配合割合は、5重量部未満では
本発明の特徴である歯質接着性が低下することがあり、
100重量部を超えると硬化体の溶解度が増加し、耐久性
が劣ることがある。従って本発明組成中に於いてα-β
不飽和カルボン酸重合体は組成物全体に対して5〜100
重量部の範囲であることが好ましい。
酸化物粉末と反応し硬化する成分であるが、5,000未満
の重量平均分子量を有する重合体を使用した場合は硬化
物の強度が低く耐久性に問題が残る。また、歯質への接
着力も低下する。40,000を超える重量平均分子量を有す
る重合体を使用した場合は、セメント組成物の練和時の
稠度が堅過ぎて練和が極めて難しい。従って、本発明で
使用されるα-β不飽和カルボン酸重合体の平均分子量
は5,000〜40,000の範囲に在る。また、この様なα-β不
飽和カルボン酸重合体の配合割合は、5重量部未満では
本発明の特徴である歯質接着性が低下することがあり、
100重量部を超えると硬化体の溶解度が増加し、耐久性
が劣ることがある。従って本発明組成中に於いてα-β
不飽和カルボン酸重合体は組成物全体に対して5〜100
重量部の範囲であることが好ましい。
【0015】CH2=C(R1)-COO-基(R1:HまたはCH3)を少
なくとも1個含有する重合可能な不飽和有機化合物は、
重合反応による硬化性を有しマトリックスの強化と接着
性の向上に有効な成分であり、アクリロイル基またはメ
タクリルロイル基を有する不飽和有機化合物であれば本
発明の目的を達成出来るが、より好ましくはアクリル酸
またはメタクリル酸のエステルである。例えば、特公平
6-27047号に例示されているアクリレート化合物または
メタクリレート化合物が挙げられる。更に本発明に於い
ては之等の低分子化合物(モノマー)に限らず、直鎖、
側鎖の末端に重合可能なアクリロイル基、メタクリロイ
ル基を有するオリゴマーおよび高分子化合物(ポリマ
ー)を用いることも出来る。例えば、側鎖にアクリレー
ト化合物やメタクリレート化合物がエステル結合したポ
リカルボン酸、または、先述したアクリレート化合物、
メタクリレート化合物の重合度が2〜20程度である重合
体で、末端に不飽和基を残しているオリゴマーなどが挙
げられる。
なくとも1個含有する重合可能な不飽和有機化合物は、
重合反応による硬化性を有しマトリックスの強化と接着
性の向上に有効な成分であり、アクリロイル基またはメ
タクリルロイル基を有する不飽和有機化合物であれば本
発明の目的を達成出来るが、より好ましくはアクリル酸
またはメタクリル酸のエステルである。例えば、特公平
6-27047号に例示されているアクリレート化合物または
メタクリレート化合物が挙げられる。更に本発明に於い
ては之等の低分子化合物(モノマー)に限らず、直鎖、
側鎖の末端に重合可能なアクリロイル基、メタクリロイ
ル基を有するオリゴマーおよび高分子化合物(ポリマ
ー)を用いることも出来る。例えば、側鎖にアクリレー
ト化合物やメタクリレート化合物がエステル結合したポ
リカルボン酸、または、先述したアクリレート化合物、
メタクリレート化合物の重合度が2〜20程度である重合
体で、末端に不飽和基を残しているオリゴマーなどが挙
げられる。
【0016】また、之等の重合可能な不飽和有機化合物
の使用は、必ずしも1種類に限定されるものではなく、
2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
その場合、[CH2=C(R1)-COO-基(R1:HまたはCH3)を少
なくとも1個含有する重合可能な不飽和有機化合物]の
総重量に対してウレタンメタクリレート、エポキシメタ
クリレート、ポリオールメタクリレートの合計が50重量
%以上を占めることが好ましい。ウレタンメタクリレー
トとはウレタン骨格を有するメタクリル酸エステルの総
称であり、例えば前述したカルバメート化合物を指す。
ポリオールメタクリレートとは2価以上のアルコールと
メタクリル酸のエステルを指す。エポキシメタクリレー
トとはエポキシ化合物とメタクリル酸或いはメタクリル
酸エステルを反応させて得られるメタクリル酸の総称で
ある。本発明組成物に於いて[CH2=C(R1)-COO-基(R1:
HまたはCH3)を少なくとも1個含有する重合可能な不飽
和有機化合物]は、5〜100重量部の範囲が好ましい。
5重量部未満では本発明の特徴である初期硬化性が劣
り、100重量部を超えると歯質接着性が劣って来る。
の使用は、必ずしも1種類に限定されるものではなく、
2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
その場合、[CH2=C(R1)-COO-基(R1:HまたはCH3)を少
なくとも1個含有する重合可能な不飽和有機化合物]の
総重量に対してウレタンメタクリレート、エポキシメタ
クリレート、ポリオールメタクリレートの合計が50重量
%以上を占めることが好ましい。ウレタンメタクリレー
トとはウレタン骨格を有するメタクリル酸エステルの総
称であり、例えば前述したカルバメート化合物を指す。
ポリオールメタクリレートとは2価以上のアルコールと
メタクリル酸のエステルを指す。エポキシメタクリレー
トとはエポキシ化合物とメタクリル酸或いはメタクリル
酸エステルを反応させて得られるメタクリル酸の総称で
ある。本発明組成物に於いて[CH2=C(R1)-COO-基(R1:
HまたはCH3)を少なくとも1個含有する重合可能な不飽
和有機化合物]は、5〜100重量部の範囲が好ましい。
5重量部未満では本発明の特徴である初期硬化性が劣
り、100重量部を超えると歯質接着性が劣って来る。
【0017】更に、本発明で用いられるスルホキシド化
合物は接着性の向上に大きく影響を与える成分であり、
スルホキシド基を必須とし、一般式
合物は接着性の向上に大きく影響を与える成分であり、
スルホキシド基を必須とし、一般式
【0018】
【化6】
【0019】で示される化合物であれば本発明の目的を
達成することが可能である。
達成することが可能である。
【0020】(1)式でスルホキシド基の一方は、メチ
レン基が必ず結合しており、nは1〜12の範囲が適当で
ある。nが12を超えると本発明に於ける接着性向上の効
果が顕著でない。R2は、アルキル基または置換アルキ
ル基である。通常は炭素数が少ない方が合成が容易であ
り、本発明の作用効果も大きいため、炭素数は5以下が
適当である。また、R2には通常不飽和結合は含まれな
い。置換アルキル基とは、フッ素、塩素等で置換された
アルキル基のことである。R2の代表的なものとして
は、-CH3、-C2H5、-C3H7、-C4H9、-C5H11および
レン基が必ず結合しており、nは1〜12の範囲が適当で
ある。nが12を超えると本発明に於ける接着性向上の効
果が顕著でない。R2は、アルキル基または置換アルキ
ル基である。通常は炭素数が少ない方が合成が容易であ
り、本発明の作用効果も大きいため、炭素数は5以下が
適当である。また、R2には通常不飽和結合は含まれな
い。置換アルキル基とは、フッ素、塩素等で置換された
アルキル基のことである。R2の代表的なものとして
は、-CH3、-C2H5、-C3H7、-C4H9、-C5H11および
【0021】
【化7】
【0022】等が挙げられ、これ等の水素の一部を塩
素、フッ素などのハロゲン原子で置換したものを包含す
る。R3は水素、エステル、アミドおよびエーテルを包
含し、-H、
素、フッ素などのハロゲン原子で置換したものを包含す
る。R3は水素、エステル、アミドおよびエーテルを包
含し、-H、
【0023】
【化8】
【0024】の化学式で示されるものから選ばれる。R
4は通常、飽和或いは不飽和炭化水素で炭素数が5以下
のものが好ましい。更に、
4は通常、飽和或いは不飽和炭化水素で炭素数が5以下
のものが好ましい。更に、
【0025】
【化9】
【0026】のアクリル酸、メタクリル酸のエステルで
あることが特に好ましい。本発明に使用可能なスルホキ
シド化合物は、公知の合成法で合成可能であり、例え
ば、1973年発行の「Die Makromolekulare Chemie」誌、
第169巻第323〜325頁には、スルホキシド化合物の合成
法が記載されている。
あることが特に好ましい。本発明に使用可能なスルホキ
シド化合物は、公知の合成法で合成可能であり、例え
ば、1973年発行の「Die Makromolekulare Chemie」誌、
第169巻第323〜325頁には、スルホキシド化合物の合成
法が記載されている。
【0027】本発明の歯科用セメント組成物に於いて、
水は必要不可欠な成分である。その理由の一つはアルミ
ノシリケートガラスとα-β不飽和カルボン酸の重合体
との反応が水の存在下で進行することにある。また、水
の存在下で本発明の歯科用セメント組成物は歯の表面と
接着する。この様に、本発明の組成物では水が常に存在
することが必要であり、好ましくは2〜50重量部の範囲
で用いられる。50重量部を超えると硬化体の物性が低下
することがあり、2重量部未満ではこのセメントの特徴
である歯質への接着性が低下する。
水は必要不可欠な成分である。その理由の一つはアルミ
ノシリケートガラスとα-β不飽和カルボン酸の重合体
との反応が水の存在下で進行することにある。また、水
の存在下で本発明の歯科用セメント組成物は歯の表面と
接着する。この様に、本発明の組成物では水が常に存在
することが必要であり、好ましくは2〜50重量部の範囲
で用いられる。50重量部を超えると硬化体の物性が低下
することがあり、2重量部未満ではこのセメントの特徴
である歯質への接着性が低下する。
【0028】また、本発明で使用される酸化物粉末は
「重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽和カ
ルボン酸の重合体(a)」と反応し得る酸化物粉末である
ならば限定するものではない。茲で、特に好ましいもの
は、フルオロアルミノシリケートガラス粉末、歯科用セ
メントに広く使用されている酸化亜鉛を主成分とする粉
末が挙げられる。ガラス粉末に就いては、主要成分とし
てAl3+、Si4+、F-、O2-とSr2+及び/またはCa2+を含む
アルミノシリケートガラス粉末が好ましく、特に主要成
分の割合がガラスの総重量に対してAl3+:10〜21重量
%、Si4+:9〜21重量%、F-:1〜20重量%、Sr2+とCa
2+の合計:10〜34重量%であることが望ましい。
「重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽和カ
ルボン酸の重合体(a)」と反応し得る酸化物粉末である
ならば限定するものではない。茲で、特に好ましいもの
は、フルオロアルミノシリケートガラス粉末、歯科用セ
メントに広く使用されている酸化亜鉛を主成分とする粉
末が挙げられる。ガラス粉末に就いては、主要成分とし
てAl3+、Si4+、F-、O2-とSr2+及び/またはCa2+を含む
アルミノシリケートガラス粉末が好ましく、特に主要成
分の割合がガラスの総重量に対してAl3+:10〜21重量
%、Si4+:9〜21重量%、F-:1〜20重量%、Sr2+とCa
2+の合計:10〜34重量%であることが望ましい。
【0029】本発明で用いられるフルオロアルミノシリ
ケートガラス粉末は公知のガラス作製法により作製する
ことが出来る。例えば、硅石、アルミナ、水酸化アルミ
ニウム、硅酸アルミニウム、ムライト、硅酸カルシウ
ム、硅酸ストロンチウム、硅酸ナトリウム、炭酸アルミ
ニウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸ナ
トリウム、フッ化ナトリウム、フッ化カルシウム、フッ
化アルミニウム、フッ化ストロンチウム、リン酸アルミ
ニウム、リン酸カルシウム、リン酸ストロンチウム、リ
ン酸ナトリウムなどから選択されたガラス原料を秤量し
1,000℃以上の高温で溶融し冷却後、粉砕して作製する
ことが出来る。
ケートガラス粉末は公知のガラス作製法により作製する
ことが出来る。例えば、硅石、アルミナ、水酸化アルミ
ニウム、硅酸アルミニウム、ムライト、硅酸カルシウ
ム、硅酸ストロンチウム、硅酸ナトリウム、炭酸アルミ
ニウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸ナ
トリウム、フッ化ナトリウム、フッ化カルシウム、フッ
化アルミニウム、フッ化ストロンチウム、リン酸アルミ
ニウム、リン酸カルシウム、リン酸ストロンチウム、リ
ン酸ナトリウムなどから選択されたガラス原料を秤量し
1,000℃以上の高温で溶融し冷却後、粉砕して作製する
ことが出来る。
【0030】本発明の組成中に於いて、これ等の酸化物
粉末は5〜100重量部の範囲が好ましい。5重量部未満
では硬化体の物性が劣り、100重量部を超えると反応の
低下がある。更に、酸化物粉末と併用して、所謂歯科用
コンポジットレジンに広く使用されている公知の無機充
填剤を用いても何等差し支えない。この場合の無機充填
剤とは、[「重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-
β不飽和カルボン酸の重合体(a)」と反応しない無機充
填剤]のことである。この無機充填剤には、例えば、石
英、コロイダルシリカ、長石、アルミナ、ストロンチウ
ムガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、カオリ
ン、タルク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、チタ
ニア、硫酸バリウムなどが挙げられる。また、無機質充
填剤を含んだポリマーを粉砕した複合フィラーなどがあ
る。勿論之等を混合して使用しても差し支えない。
粉末は5〜100重量部の範囲が好ましい。5重量部未満
では硬化体の物性が劣り、100重量部を超えると反応の
低下がある。更に、酸化物粉末と併用して、所謂歯科用
コンポジットレジンに広く使用されている公知の無機充
填剤を用いても何等差し支えない。この場合の無機充填
剤とは、[「重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-
β不飽和カルボン酸の重合体(a)」と反応しない無機充
填剤]のことである。この無機充填剤には、例えば、石
英、コロイダルシリカ、長石、アルミナ、ストロンチウ
ムガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、カオリ
ン、タルク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、チタ
ニア、硫酸バリウムなどが挙げられる。また、無機質充
填剤を含んだポリマーを粉砕した複合フィラーなどがあ
る。勿論之等を混合して使用しても差し支えない。
【0031】本発明の組成物に於いてこの[「重量平均
分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽和カルボン酸の
重合体(a)」と反応しない無機充填剤]を使用する場合
の量は50重量部以下であることが望ましい。50重量部を
超えて混合するとセメント組成物が練和し難く、また物
性の低下も著しい。なお、ポリアクリル酸メチル、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリメタ
クリル酸エチル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の有
機質充填剤の使用も制限するものではなく、適宜混合し
て使用して差し支えない。
分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽和カルボン酸の
重合体(a)」と反応しない無機充填剤]を使用する場合
の量は50重量部以下であることが望ましい。50重量部を
超えて混合するとセメント組成物が練和し難く、また物
性の低下も著しい。なお、ポリアクリル酸メチル、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリメタ
クリル酸エチル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の有
機質充填剤の使用も制限するものではなく、適宜混合し
て使用して差し支えない。
【0032】また、之等の酸化物粉末、無機充填剤およ
び有機充填剤に就いては、粉末の平均粒径が0.02〜10μ
mの範囲が好ましい。平均粒径が10μmを超える場合は硬
化体表面の平滑性が研磨によって得られないので、口腔
内での接触感が良くない。更に、液との硬化反応も緩慢
であり好ましいものではない。一方、平均粒径が0.02μ
m未満の微粉を用いた場合は絶対量として粉末が入り難
く物性が低下して了う。なお、粒径は通常の手段を用い
て測定することが出来、長径と短径の平均値で表す。
び有機充填剤に就いては、粉末の平均粒径が0.02〜10μ
mの範囲が好ましい。平均粒径が10μmを超える場合は硬
化体表面の平滑性が研磨によって得られないので、口腔
内での接触感が良くない。更に、液との硬化反応も緩慢
であり好ましいものではない。一方、平均粒径が0.02μ
m未満の微粉を用いた場合は絶対量として粉末が入り難
く物性が低下して了う。なお、粒径は通常の手段を用い
て測定することが出来、長径と短径の平均値で表す。
【0033】本発明に於ける重合触媒とは、「CH2=C
(R1)-COO-基(R1:HまたはCH3)を少なくとも1個含有
する重合可能な不飽和有機化合物(b)」を重合硬化させ
るための重合開始剤および重合促進剤のことである。現
在知られている各種の重合開始剤系により硬化させるこ
とが可能であるが、通常は酸化剤、還元剤から成る二元
開始剤(レドックス開始剤)や、可視光線照射によって
重合開始する光重合開始剤が使用される。
(R1)-COO-基(R1:HまたはCH3)を少なくとも1個含有
する重合可能な不飽和有機化合物(b)」を重合硬化させ
るための重合開始剤および重合促進剤のことである。現
在知られている各種の重合開始剤系により硬化させるこ
とが可能であるが、通常は酸化剤、還元剤から成る二元
開始剤(レドックス開始剤)や、可視光線照射によって
重合開始する光重合開始剤が使用される。
【0034】レドックス開始剤としては、過酸化物とア
ミン類の組合せや、「-SO2-基を有する有機芳香族化合
物」と「アルミニウム、鉄、錫の1種若しくは2種以上
の元素を含む化合物」の組合せが好適に使用される。本
発明の組成物に於いて、之等のレドックス開始剤は0.01
〜5重量部配合されることが望ましい。0.01重量部未満
では充分な硬化性が得られず、5重量部を超えても特に
効果が向上しない上に歯質接着性が低下する場合があ
る。
ミン類の組合せや、「-SO2-基を有する有機芳香族化合
物」と「アルミニウム、鉄、錫の1種若しくは2種以上
の元素を含む化合物」の組合せが好適に使用される。本
発明の組成物に於いて、之等のレドックス開始剤は0.01
〜5重量部配合されることが望ましい。0.01重量部未満
では充分な硬化性が得られず、5重量部を超えても特に
効果が向上しない上に歯質接着性が低下する場合があ
る。
【0035】レドックス開始剤として過酸化物とアミン
類を組合せた場合の過酸化物としては、一般に公知の過
酸化物が使用可能であり、例えばベンゾイルパーオキサ
イド、4,4'-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,4-
ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジラウリルパーオ
キサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブチ
ルパーオキシマレイックアシッド、サクシニックアシッ
ドパーオキサイド、ヒドロキシパーオキサイド、琥珀酸
パーオキサイド、および過硫酸カリウム、過硫酸ナトリ
ウムに代表される過硫酸塩等が挙げられるが、特に好適
なものは、ベンゾイルパーオキサイド、4,4'-ジクロロ
パーオキサイド、琥珀酸パーオキサイド、過硫酸カリウ
ムである。
類を組合せた場合の過酸化物としては、一般に公知の過
酸化物が使用可能であり、例えばベンゾイルパーオキサ
イド、4,4'-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,4-
ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジラウリルパーオ
キサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブチ
ルパーオキシマレイックアシッド、サクシニックアシッ
ドパーオキサイド、ヒドロキシパーオキサイド、琥珀酸
パーオキサイド、および過硫酸カリウム、過硫酸ナトリ
ウムに代表される過硫酸塩等が挙げられるが、特に好適
なものは、ベンゾイルパーオキサイド、4,4'-ジクロロ
パーオキサイド、琥珀酸パーオキサイド、過硫酸カリウ
ムである。
【0036】アミン類も特に限定するものではなく、一
般に公知のアミン類が使用可能であり、例えば特開昭62
-61906号公報で開示されているアミンを使用することが
出来る。本発明に於いて特に好ましくは、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、n-ブチルアミン、トリエチル
アミン、トリエチル-n-ブチルフォスフィン、p-ジメチ
ルアミノ安息香酸メチル、p-ジメチルアミノ安息香酸エ
チル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどが挙げ
られる。
般に公知のアミン類が使用可能であり、例えば特開昭62
-61906号公報で開示されているアミンを使用することが
出来る。本発明に於いて特に好ましくは、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、n-ブチルアミン、トリエチル
アミン、トリエチル-n-ブチルフォスフィン、p-ジメチ
ルアミノ安息香酸メチル、p-ジメチルアミノ安息香酸エ
チル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどが挙げ
られる。
【0037】また、本発明の組成物はレドックス開始剤
として「-SO2-基を有する有機芳香族化合物」と「アル
ミニウム、鉄、錫の1種若しくは2種以上の元素を含む
化合物」を組合せることにより、速やかに重合硬化させ
ることが出来る。「-SO2-基を有する有機芳香族化合
物」とは、芳香族スルフィン酸またはその金属塩、若し
くは芳香族スルホニル化合物であり、例示するならば、
p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、p-トルエンスルフ
ィン酸リチウム、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスル
フィン酸ナトリウム、p-トルエンスルホニルクロライ
ド、p-トルエンスルホニルフルオライド、o-トルエンス
ルホニルイソシアネート、p-トルエンスルホニルヒドラ
ジド、p-トルエンスルホンアミド、p-トルエンスルホニ
ルイミダゾール、p-トルエンスルホニルシアニド、2-(p
-トルエンスルホニル)アセトフェノン、p-トルエンスル
ホニル-N-ジエチルアミド、α-N,α-トルエンスルホニ
ル-N-アルギニン、α-N,p-トルエンスルホニル-L-アル
ギニンメチルエステル、p-トルエンスルホニルメチルイ
ソシアネート、p-トルエンスルホニル-N-メチル-N-ニト
ロサミド、N-(p-トルエンスルホニル)-L-フェニルアラ
ニン、N-p-トルエンスルホニル-L-フェニルアラニルク
ロライド、p-トルエンスルホニルアセトニトリル、2-(p
-トルエンスルホニル)アセトフェノン、トルエン-3,4-
ジスルホニルクロライド、ベンゼンスルホンアミド、ベ
ンゼンスルホヒドロキサンミン酸、ベンゼンスルホニル
クロリド、ベンゼンスルホニルイソシアネート、ベンゼ
ンスルホンアニリド、ベンゼンスルホンクロラミドナト
リウム、ベンゼンスルホンジクロラミド、ベンゼンスル
ホニルヒドラジド、ベンゼンスルホニル-N-メチルアミ
ド、2-フェニルスルホニルアセトフェノン、ジアミノジ
フェニルスルホン、4,4'-スルホニルジフェノール、ス
ルファピリジン、スルファエアゾール、スルファメチゾ
ール、エチルベンゼンスルホニルクロライド、ニトロベ
ンゼンスルホニルクロライド、ニトロベンゼンスルホニ
ルフルオライドなどが挙げられる。なお、「-SO2-基を
少なくとも1個含有する有機芳香族化合物」が含水塩で
あっても別に差し支えない。
として「-SO2-基を有する有機芳香族化合物」と「アル
ミニウム、鉄、錫の1種若しくは2種以上の元素を含む
化合物」を組合せることにより、速やかに重合硬化させ
ることが出来る。「-SO2-基を有する有機芳香族化合
物」とは、芳香族スルフィン酸またはその金属塩、若し
くは芳香族スルホニル化合物であり、例示するならば、
p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、p-トルエンスルフ
ィン酸リチウム、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスル
フィン酸ナトリウム、p-トルエンスルホニルクロライ
ド、p-トルエンスルホニルフルオライド、o-トルエンス
ルホニルイソシアネート、p-トルエンスルホニルヒドラ
ジド、p-トルエンスルホンアミド、p-トルエンスルホニ
ルイミダゾール、p-トルエンスルホニルシアニド、2-(p
-トルエンスルホニル)アセトフェノン、p-トルエンスル
ホニル-N-ジエチルアミド、α-N,α-トルエンスルホニ
ル-N-アルギニン、α-N,p-トルエンスルホニル-L-アル
ギニンメチルエステル、p-トルエンスルホニルメチルイ
ソシアネート、p-トルエンスルホニル-N-メチル-N-ニト
ロサミド、N-(p-トルエンスルホニル)-L-フェニルアラ
ニン、N-p-トルエンスルホニル-L-フェニルアラニルク
ロライド、p-トルエンスルホニルアセトニトリル、2-(p
-トルエンスルホニル)アセトフェノン、トルエン-3,4-
ジスルホニルクロライド、ベンゼンスルホンアミド、ベ
ンゼンスルホヒドロキサンミン酸、ベンゼンスルホニル
クロリド、ベンゼンスルホニルイソシアネート、ベンゼ
ンスルホンアニリド、ベンゼンスルホンクロラミドナト
リウム、ベンゼンスルホンジクロラミド、ベンゼンスル
ホニルヒドラジド、ベンゼンスルホニル-N-メチルアミ
ド、2-フェニルスルホニルアセトフェノン、ジアミノジ
フェニルスルホン、4,4'-スルホニルジフェノール、ス
ルファピリジン、スルファエアゾール、スルファメチゾ
ール、エチルベンゼンスルホニルクロライド、ニトロベ
ンゼンスルホニルクロライド、ニトロベンゼンスルホニ
ルフルオライドなどが挙げられる。なお、「-SO2-基を
少なくとも1個含有する有機芳香族化合物」が含水塩で
あっても別に差し支えない。
【0038】「アルミニウム、鉄、錫の1種若しくは2
種以上の元素を含む化合物」とは、アルミニウム、鉄、
錫の1種若しくは2種以上の元素を含む金属塩が適当で
あり、具体的には、塩化アルミニウム、酸化アルミニウ
ム、酢酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウム、アク
リル酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、水酸化アルミ
ニウム、硝酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、乳酸ア
ルミニウム、フッ化アルミニウム、硫酸アルミニウム、
イタコン酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ポリ塩
化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、アルミニウムア
セチルアセトナート、臭化アルミニウム、アルミニウム
ブトキシド、アルミニウムブチラート、アルミニウムエ
トキシド、シクロヘキサン酪酸アルミニウム、エチルヘ
キサン酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシ
ド、ラウリン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウ
ム、硫酸カリウムアルミニウム、ステアリン酸アルミニ
ウム、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ
エチラート、アルミニウムトリイソプロポキシド、アル
ミニウムトリイソプロピラート、アルミン酸バリウム、
水素化リチウムアルミニウム、アルミン酸ナトリウム、
酸化鉄、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、水酸化鉄、硫酸アン
モニウム鉄、クエン酸鉄、コハク酸鉄、臭化鉄、リン酸
鉄、鉄ジクロライド、エチレンジアミン鉄、蓚酸鉄、乳
酸鉄、エチレンジアミン四酢酸鉄、2-エチルヘキサン
鉄、フェロシアン化カリウム、フェリシアン化カリウ
ム、フェロシアン化アセチルアセトテートナトリウム、
鉄みょうばん、クエン酸鉄ナトリウム、蓚酸鉄ナトリウ
ム、硫酸アンモニウム鉄、鉄ベンゾイルアセトナート、
ジシクロペンタジエニル鉄、N,N-ジメチル-1-フェロセ
ニルエチルアミン、デカン酸鉄、ナフテン酸鉄、鉄ペン
タカルボニル、鉄ノナカルボニル、過塩素酸鉄、フタロ
シアニン鉄、ペンタシアノニトロシル鉄酸ナトリウム、
ペンタシアノアンミン鉄酸ナトリウム、ジシアノビス
(1,10-フェナントロリン)鉄、トリス(1-フェニル-1,
3-ブタンジオナート)鉄、酸化錫、塩化錫、酢酸錫、リ
ン酸錫、二リン酸錫、ピロリン酸錫、フッ化錫、ヨウ化
錫、蓚酸錫、硫酸錫、臭化錫、四塩化錫、ホウフッ化
錫、2-エチルヘキサン酸錫、水酸化トリフェニル錫、酸
化ビストリブチル錫、二酢酸ジ-n-ブチル錫、ニ塩化ジ
ブチル錫、二ラウリル酸ジ-n-ブチル錫、酸化ジブチル
錫、ヘキサブチル錫、ビス(2-エチルヘキサン酸)ジブ
チル錫、錫酸カリウム、錫酸ナトリウム、テトラブチル
錫、テトラエチル錫、テトラメチル錫、テトラオクチル
錫、テトラフェニル錫、酢酸トリブチル錫、塩化トリメ
チル錫、塩化トリエチル錫、塩化トリプロピル錫、塩化
トリブチル錫、などが挙げられる。場合によってはこれ
等の化合物を2種以上使用しても差し支えない。なお、
鉄化合物と錫化合物には多くの場合、第一鉄と第二鉄、
第一錫と第二錫とがあるが、勿論どちらを使用しても差
し支えない。また「アルミニウム、鉄、錫の1種若しく
は2種類以上の元素を含む化合物」が含水塩であっても
別に差し支えない。
種以上の元素を含む化合物」とは、アルミニウム、鉄、
錫の1種若しくは2種以上の元素を含む金属塩が適当で
あり、具体的には、塩化アルミニウム、酸化アルミニウ
ム、酢酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウム、アク
リル酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、水酸化アルミ
ニウム、硝酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、乳酸ア
ルミニウム、フッ化アルミニウム、硫酸アルミニウム、
イタコン酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ポリ塩
化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、アルミニウムア
セチルアセトナート、臭化アルミニウム、アルミニウム
ブトキシド、アルミニウムブチラート、アルミニウムエ
トキシド、シクロヘキサン酪酸アルミニウム、エチルヘ
キサン酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシ
ド、ラウリン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウ
ム、硫酸カリウムアルミニウム、ステアリン酸アルミニ
ウム、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ
エチラート、アルミニウムトリイソプロポキシド、アル
ミニウムトリイソプロピラート、アルミン酸バリウム、
水素化リチウムアルミニウム、アルミン酸ナトリウム、
酸化鉄、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、水酸化鉄、硫酸アン
モニウム鉄、クエン酸鉄、コハク酸鉄、臭化鉄、リン酸
鉄、鉄ジクロライド、エチレンジアミン鉄、蓚酸鉄、乳
酸鉄、エチレンジアミン四酢酸鉄、2-エチルヘキサン
鉄、フェロシアン化カリウム、フェリシアン化カリウ
ム、フェロシアン化アセチルアセトテートナトリウム、
鉄みょうばん、クエン酸鉄ナトリウム、蓚酸鉄ナトリウ
ム、硫酸アンモニウム鉄、鉄ベンゾイルアセトナート、
ジシクロペンタジエニル鉄、N,N-ジメチル-1-フェロセ
ニルエチルアミン、デカン酸鉄、ナフテン酸鉄、鉄ペン
タカルボニル、鉄ノナカルボニル、過塩素酸鉄、フタロ
シアニン鉄、ペンタシアノニトロシル鉄酸ナトリウム、
ペンタシアノアンミン鉄酸ナトリウム、ジシアノビス
(1,10-フェナントロリン)鉄、トリス(1-フェニル-1,
3-ブタンジオナート)鉄、酸化錫、塩化錫、酢酸錫、リ
ン酸錫、二リン酸錫、ピロリン酸錫、フッ化錫、ヨウ化
錫、蓚酸錫、硫酸錫、臭化錫、四塩化錫、ホウフッ化
錫、2-エチルヘキサン酸錫、水酸化トリフェニル錫、酸
化ビストリブチル錫、二酢酸ジ-n-ブチル錫、ニ塩化ジ
ブチル錫、二ラウリル酸ジ-n-ブチル錫、酸化ジブチル
錫、ヘキサブチル錫、ビス(2-エチルヘキサン酸)ジブ
チル錫、錫酸カリウム、錫酸ナトリウム、テトラブチル
錫、テトラエチル錫、テトラメチル錫、テトラオクチル
錫、テトラフェニル錫、酢酸トリブチル錫、塩化トリメ
チル錫、塩化トリエチル錫、塩化トリプロピル錫、塩化
トリブチル錫、などが挙げられる。場合によってはこれ
等の化合物を2種以上使用しても差し支えない。なお、
鉄化合物と錫化合物には多くの場合、第一鉄と第二鉄、
第一錫と第二錫とがあるが、勿論どちらを使用しても差
し支えない。また「アルミニウム、鉄、錫の1種若しく
は2種類以上の元素を含む化合物」が含水塩であっても
別に差し支えない。
【0039】なお、[「重量平均分子量が、5,000〜40,
000であるα-β不飽和カルボン酸の重合体(a)」と反応
し得る酸化物粉末]がアルミノシリケートガラス粉末の
様にその構成成分の中にアルミニウム化合物、例えばア
ルミナ、水酸化アルミニウム、硅酸アルミニウム、ムラ
イト、炭酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、リン酸
アルミニウム等が存在している場合には、之等のアルミ
ニウム化合物も「-SO2-基を少なくとも1個含有する有
機芳香族化合物」とレドックス反応を起こすことが確認
されており、その結果、アルミニウム,鉄,錫の何れか
の元素を含む化合物が予め酸化物粉末中に含有されてい
る場合には、新たな「アルミニウム、鉄、錫の1種若し
くは2種類以上の元素を含む化合物」の配合を省略した
り、配合量を少なくしたりすることも可能である。
000であるα-β不飽和カルボン酸の重合体(a)」と反応
し得る酸化物粉末]がアルミノシリケートガラス粉末の
様にその構成成分の中にアルミニウム化合物、例えばア
ルミナ、水酸化アルミニウム、硅酸アルミニウム、ムラ
イト、炭酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、リン酸
アルミニウム等が存在している場合には、之等のアルミ
ニウム化合物も「-SO2-基を少なくとも1個含有する有
機芳香族化合物」とレドックス反応を起こすことが確認
されており、その結果、アルミニウム,鉄,錫の何れか
の元素を含む化合物が予め酸化物粉末中に含有されてい
る場合には、新たな「アルミニウム、鉄、錫の1種若し
くは2種類以上の元素を含む化合物」の配合を省略した
り、配合量を少なくしたりすることも可能である。
【0040】重合触媒が光重合開始剤である場合には、
公知の光重合開始剤が使用可能であり、特にカルボニル
系の光重合開始剤が好ましい。例えば、特公平6-27047
号公報の中で例示されている光重合開始剤が挙げられ
る。本発明の組成物に於いて特に好ましいものを挙げる
ならば、カンファーキノン、ベンジルジエチルケター
ル、チオキサントンなどが挙げられる。場合によっては
これ等の光重合開始剤は2種類以上を同時に使用しても
差し支えない。またこれ等の光重合開始剤は各種還元剤
と併用することにより、その硬化速度をより一層シャー
プにすることが可能である。還元剤は特に限定されず、
レドックス開始剤のところで前述したアミン類や「-SO2
-基を有する有機芳香族化合物」等を使用することが出
来る。本発明に於いて特に好ましくは、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、p-ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p-トルエン
スルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸ナトリ
ウムなどが挙げられる。
公知の光重合開始剤が使用可能であり、特にカルボニル
系の光重合開始剤が好ましい。例えば、特公平6-27047
号公報の中で例示されている光重合開始剤が挙げられ
る。本発明の組成物に於いて特に好ましいものを挙げる
ならば、カンファーキノン、ベンジルジエチルケター
ル、チオキサントンなどが挙げられる。場合によっては
これ等の光重合開始剤は2種類以上を同時に使用しても
差し支えない。またこれ等の光重合開始剤は各種還元剤
と併用することにより、その硬化速度をより一層シャー
プにすることが可能である。還元剤は特に限定されず、
レドックス開始剤のところで前述したアミン類や「-SO2
-基を有する有機芳香族化合物」等を使用することが出
来る。本発明に於いて特に好ましくは、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、p-ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p-トルエン
スルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸ナトリ
ウムなどが挙げられる。
【0041】本発明組成物に於いて、重合触媒に光重合
開始剤を用いた場合も0.01〜5重量部の範囲が望まし
い。0.01重量部未満では初期硬化のシャープさが得られ
ず、5重量部を超えても特に硬化が向上しない上に接着
性が劣化する場合がある。
開始剤を用いた場合も0.01〜5重量部の範囲が望まし
い。0.01重量部未満では初期硬化のシャープさが得られ
ず、5重量部を超えても特に硬化が向上しない上に接着
性が劣化する場合がある。
【0042】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。また、参考例として、スルホキシド基
を有する化合物である2-メタクリロイルオキシエチルメ
チルスルホキシド、3-メタクリロイルオキシプロピルメ
チルスルホキシド、メタクリル酸(tert-ブチルチオ)ブ
チルアミドの合成方法を示す。
詳細に説明する。また、参考例として、スルホキシド基
を有する化合物である2-メタクリロイルオキシエチルメ
チルスルホキシド、3-メタクリロイルオキシプロピルメ
チルスルホキシド、メタクリル酸(tert-ブチルチオ)ブ
チルアミドの合成方法を示す。
【0043】(参考例1)2-メタクリロイルオキシエチ
ルメチルスルホキシドの合成;2-(メチルチオ)エタノー
ル30g、トリエチルアミン25gをエチルエーテル200ml
中で氷冷下にて撹拌混合する。この混合液中にメタクリ
ル酸クロライド25gを3時間を要して攪拌しながらゆっ
くり滴下する。反応終了後、濾過し、更にエーテルを留
去して反応物を取り出す。水洗を3回行った後、クロロ
ホルムにて抽出し、無水硫酸ソーダにて乾燥させる。70
℃、2mmHgの条件で減圧蒸留して中間生成物を得る。こ
の中間生成物30gと30%過酸化水素水溶液35gをアセト
ン150ml中にて3日間攪拌し、その後アセトンを留去す
ることによって最終目的物を得た。
ルメチルスルホキシドの合成;2-(メチルチオ)エタノー
ル30g、トリエチルアミン25gをエチルエーテル200ml
中で氷冷下にて撹拌混合する。この混合液中にメタクリ
ル酸クロライド25gを3時間を要して攪拌しながらゆっ
くり滴下する。反応終了後、濾過し、更にエーテルを留
去して反応物を取り出す。水洗を3回行った後、クロロ
ホルムにて抽出し、無水硫酸ソーダにて乾燥させる。70
℃、2mmHgの条件で減圧蒸留して中間生成物を得る。こ
の中間生成物30gと30%過酸化水素水溶液35gをアセト
ン150ml中にて3日間攪拌し、その後アセトンを留去す
ることによって最終目的物を得た。
【0044】(参考例2)3-メタクリロイルオキシプロ
ピルメチルスルホキシドの合成;参考例1で用いた2-
(メチルチオ)エタノールに代わって、3-(メチルチオ)プ
ロパノール30gを出発物質とし、他の合成条件は同様に
して3-メタクリロイルオキシプロピルメチルスホキシド
を合成した。
ピルメチルスルホキシドの合成;参考例1で用いた2-
(メチルチオ)エタノールに代わって、3-(メチルチオ)プ
ロパノール30gを出発物質とし、他の合成条件は同様に
して3-メタクリロイルオキシプロピルメチルスホキシド
を合成した。
【0045】(参考例3)メタクリル酸(tert-ブチルチ
オ)ブチルアミドの合成;参考例1で用いた2-(メチルチ
オ)エタノールの代わりに4-(tert-ブチルチオ)-n-ブチ
ルアミンを出発物質とし、その他の合成条件は同様にし
てメタクリル酸(tert-ブチルチオ)ブチルアミドを合成
した。
オ)ブチルアミドの合成;参考例1で用いた2-(メチルチ
オ)エタノールの代わりに4-(tert-ブチルチオ)-n-ブチ
ルアミンを出発物質とし、その他の合成条件は同様にし
てメタクリル酸(tert-ブチルチオ)ブチルアミドを合成
した。
【0046】〈引張り接着強さの評価方法〉 1.常温硬化型セメントの場合 A.歯科用合金、レジン、ポーセレンに対する引張り接
着強さ;試験体の表面を耐水研磨紙#1,000にて研磨し
て被着表面を得た(ポーセレンに就いてはシランカップ
リング剤で表面を処理した)。直径3mmの孔を開けたア
ルミニウム製マスキングテープにて接着面積を規定し
た。その後、練和したセメント泥を被着面に盛り、その
上から予め#600の研磨紙で表面研磨してあるステンレ
ス製の円柱ロッドを手圧にて圧着した。37℃、R.H.100
%の恒温槽に1時間放置後、37℃水中に23時間浸漬し、
引張り速度1mm/minにて試験を行った。結果は5個の試
験体に就いての平均値で表した。なお、試験体には、歯
科用金合金(商品名「キャスティングゴールドIII」:
株式会社ジーシー製)、歯科用コンポジットレジン(商
品名「ミクロレストコアー」:株式会社ジーシー製)、
歯科用ポーセレン(商品名「コスモテックII」:株式会
社ジーシー製)で作製した円盤状ブロックを使用した。
着強さ;試験体の表面を耐水研磨紙#1,000にて研磨し
て被着表面を得た(ポーセレンに就いてはシランカップ
リング剤で表面を処理した)。直径3mmの孔を開けたア
ルミニウム製マスキングテープにて接着面積を規定し
た。その後、練和したセメント泥を被着面に盛り、その
上から予め#600の研磨紙で表面研磨してあるステンレ
ス製の円柱ロッドを手圧にて圧着した。37℃、R.H.100
%の恒温槽に1時間放置後、37℃水中に23時間浸漬し、
引張り速度1mm/minにて試験を行った。結果は5個の試
験体に就いての平均値で表した。なお、試験体には、歯
科用金合金(商品名「キャスティングゴールドIII」:
株式会社ジーシー製)、歯科用コンポジットレジン(商
品名「ミクロレストコアー」:株式会社ジーシー製)、
歯科用ポーセレン(商品名「コスモテックII」:株式会
社ジーシー製)で作製した円盤状ブロックを使用した。
【0047】B.牛歯象牙質に対する引張り接着強さ;
抜去後直ちに冷凍保存した牛前歯を使用直前に解凍し、
低速カッターで歯根を切断して歯髄を除去後、歯髄溝を
従来型のグラスアイオノマーセメントにて充填した。唇
側面の象牙質を最終#600の研磨紙まで研磨し、10%ク
エン酸、2%塩化第二鉄溶液で20秒間処理して水洗乾燥
後、直径3mmの孔の開いたアルミニウム製のマスキング
テープにて接着面積を規定した。その後、練和したセメ
ント泥を被着面に盛り、その上から予め#600の研磨紙
で研磨してあるステンレス製の円柱ロッドを手圧にて圧
着した。37℃、R.H.100%に1時間放置後、37℃水中に2
3時間浸漬し、引張り速度1mm/minにて試験を行った。
結果は6個の試験体に就いての平均値で表した。
抜去後直ちに冷凍保存した牛前歯を使用直前に解凍し、
低速カッターで歯根を切断して歯髄を除去後、歯髄溝を
従来型のグラスアイオノマーセメントにて充填した。唇
側面の象牙質を最終#600の研磨紙まで研磨し、10%ク
エン酸、2%塩化第二鉄溶液で20秒間処理して水洗乾燥
後、直径3mmの孔の開いたアルミニウム製のマスキング
テープにて接着面積を規定した。その後、練和したセメ
ント泥を被着面に盛り、その上から予め#600の研磨紙
で研磨してあるステンレス製の円柱ロッドを手圧にて圧
着した。37℃、R.H.100%に1時間放置後、37℃水中に2
3時間浸漬し、引張り速度1mm/minにて試験を行った。
結果は6個の試験体に就いての平均値で表した。
【0048】2.光硬化型セメントの場合;常温硬化型
の時と同様な手順で歯科用合金、レジン、ポーセレンの
各試験体および牛歯象牙質の接着面積を規定した後、マ
スキングテープの上から内径4mm、高さ2mmのアクリル
製リングを接着面に合わせて置き、この中に練和したセ
メント泥を充填し、練和開始後60秒経過した時点で可視
光線照射装置「製品名:ラクソール」(英国I.C.I.社
製)により可視光線を40秒間照射して、セメントを硬化
させた。その後、硬化したセメントに即時重合レジンで
アクリル棒を接着し、37℃水中に24時間浸漬し、引張り
速度1mm/minにて試験を行った。結果は5個の試験体に
就いての平均値で表した。
の時と同様な手順で歯科用合金、レジン、ポーセレンの
各試験体および牛歯象牙質の接着面積を規定した後、マ
スキングテープの上から内径4mm、高さ2mmのアクリル
製リングを接着面に合わせて置き、この中に練和したセ
メント泥を充填し、練和開始後60秒経過した時点で可視
光線照射装置「製品名:ラクソール」(英国I.C.I.社
製)により可視光線を40秒間照射して、セメントを硬化
させた。その後、硬化したセメントに即時重合レジンで
アクリル棒を接着し、37℃水中に24時間浸漬し、引張り
速度1mm/minにて試験を行った。結果は5個の試験体に
就いての平均値で表した。
【0049】実施例1 酸化アルミニウム23g、無水硅酸41g、フッ化ストロン
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後、冷却し、ボー
ルミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを
通過させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100
gに対してベンゾイルパーオキサイド1gを添加し充分
混合して準備した粉末をセメント粉末とした。一方、平
均分子量20,000のポリアクリル酸30g、ジ-2-メタクリ
ロキシエチル-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート10g、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート2g、ジメチルスルホキシド
5g、蒸留水43gを60分間攪拌混合して均一化し、この
液をセメント液とした。セメント粉末2.0gに対してセ
メント液1.0gを30秒間練和し、前述した常温硬化型セ
メントの場合の試験方法に従って引張り接着強度を測定
した。結果は表1に纏めて示した。
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後、冷却し、ボー
ルミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを
通過させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100
gに対してベンゾイルパーオキサイド1gを添加し充分
混合して準備した粉末をセメント粉末とした。一方、平
均分子量20,000のポリアクリル酸30g、ジ-2-メタクリ
ロキシエチル-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート10g、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート2g、ジメチルスルホキシド
5g、蒸留水43gを60分間攪拌混合して均一化し、この
液をセメント液とした。セメント粉末2.0gに対してセ
メント液1.0gを30秒間練和し、前述した常温硬化型セ
メントの場合の試験方法に従って引張り接着強度を測定
した。結果は表1に纏めて示した。
【0050】実施例2 酸化亜鉛粉末80g、酸化マグネシウム粉末20gを混合し
た酸化物粉末100gに対して4,4'-ジクロロパーオキサイ
ド1gを添加し充分混合して準備した粉末をセメント粉
末とした。一方、平均分子量20,000のポリアクリル酸30
g、ジ-2-メタクリロキシエチル-ヘキサメチレンジカル
バメート10g、ネオペンチルグリコールジアクリレート
10g、ジメチルアミノエチルメタクリレート3g、ジメ
チルスルホキシド10g、蒸留水37gを60分間攪拌混合し
均一化し、この液をセメント液とした。セメント粉末2.
0gに対してセメント液1.0gを30秒間練和し、前述した
常温硬化型セメントの場合の試験方法に従って引張り接
着強度を測定した。結果は表1に纏めて示した。
た酸化物粉末100gに対して4,4'-ジクロロパーオキサイ
ド1gを添加し充分混合して準備した粉末をセメント粉
末とした。一方、平均分子量20,000のポリアクリル酸30
g、ジ-2-メタクリロキシエチル-ヘキサメチレンジカル
バメート10g、ネオペンチルグリコールジアクリレート
10g、ジメチルアミノエチルメタクリレート3g、ジメ
チルスルホキシド10g、蒸留水37gを60分間攪拌混合し
均一化し、この液をセメント液とした。セメント粉末2.
0gに対してセメント液1.0gを30秒間練和し、前述した
常温硬化型セメントの場合の試験方法に従って引張り接
着強度を測定した。結果は表1に纏めて示した。
【0051】実施例3 酸化アルミニウム20g、無水硅酸45g、フッ化カルシウ
ム8g、リン酸アルミニウム15g、および炭酸ストロン
チウム12gを充分混合し、1200℃の高温電気炉中で5時
間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボールミ
ルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通過
させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100gに
対して過硫酸カリウム1gを添加し充分混合して準備し
た粉末をセメント粉末とした。一方、平均分子量20,000
のポリアクリル酸20g、平均分子量8,000のポリマレイ
ン酸10g、ジ-2-メタクリロキシエチル-ヘキサメチレン
ジカルバメート10g、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート10g、n-ブチルアミン3g、2-メタクリロイルオ
キシエチルメチルスルホキシド10g、蒸留水37gを60分
間攪拌混合し均一化し、この液をセメント液とした。セ
メント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練和
し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方法に従
って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて示
した。
ム8g、リン酸アルミニウム15g、および炭酸ストロン
チウム12gを充分混合し、1200℃の高温電気炉中で5時
間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボールミ
ルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通過
させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100gに
対して過硫酸カリウム1gを添加し充分混合して準備し
た粉末をセメント粉末とした。一方、平均分子量20,000
のポリアクリル酸20g、平均分子量8,000のポリマレイ
ン酸10g、ジ-2-メタクリロキシエチル-ヘキサメチレン
ジカルバメート10g、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート10g、n-ブチルアミン3g、2-メタクリロイルオ
キシエチルメチルスルホキシド10g、蒸留水37gを60分
間攪拌混合し均一化し、この液をセメント液とした。セ
メント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練和
し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方法に従
って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて示
した。
【0052】実施例4 酸化アルミニウム20g、無水硅酸45g、フッ化カルシウ
ム8g、リン酸アルミニウム15g、および炭酸ストロン
チウム12gを充分混合し、1200℃の高温電気炉中で5時
間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボールミ
ルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通過
させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100gに
塩化アルミニウム1g、p-トルエンスルフィン酸ナトリ
ウム0.5gを添加し充分混合して準備した粉末をセメン
ト粉末とした。一方、平均分子量18,000のポリアクリル
酸20g、平均分子量9,000のポリマレイン酸10g、2,2'-
ビス[3(4-フェノキシ)-2ヒドロキシプロパン-1-メタク
リレート]プロパン15g、ジ-1-メチル-2-メタクリロキ
シエチル-ヘキサンジカルバメート10g、2-メタクリロ
イルオキシエチルメチルスルホキシド5g、蒸留水40g
を60分間混合し均一化し、この液をセメント液とした。
セメント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練
和し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方法に
従って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて
示した。
ム8g、リン酸アルミニウム15g、および炭酸ストロン
チウム12gを充分混合し、1200℃の高温電気炉中で5時
間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボールミ
ルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通過
させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100gに
塩化アルミニウム1g、p-トルエンスルフィン酸ナトリ
ウム0.5gを添加し充分混合して準備した粉末をセメン
ト粉末とした。一方、平均分子量18,000のポリアクリル
酸20g、平均分子量9,000のポリマレイン酸10g、2,2'-
ビス[3(4-フェノキシ)-2ヒドロキシプロパン-1-メタク
リレート]プロパン15g、ジ-1-メチル-2-メタクリロキ
シエチル-ヘキサンジカルバメート10g、2-メタクリロ
イルオキシエチルメチルスルホキシド5g、蒸留水40g
を60分間混合し均一化し、この液をセメント液とした。
セメント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練
和し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方法に
従って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて
示した。
【0053】実施例5 酸化亜鉛粉末80g、酸化マグネシウム粉末20gを混合し
た酸化物粉末100gに対してクエン酸鉄2g、ベンゼン
スルホヒドロキサンミン酸1gを添加し充分混合して準
備した粉末をセメント粉末とした。一方、平均分子量2
0,000のポリアクリル酸30g、ジ-2-メタクリロキシエチ
ル-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネオペンチル
グリコールジアクリレート10g、2-メタクリロイルオキ
シプロピルメチルスルホキシド5g、蒸留水45gを60分
間攪拌混合し均一化し、この液をセメント液とした。セ
メント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練和
し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方法に従
って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて示
した。
た酸化物粉末100gに対してクエン酸鉄2g、ベンゼン
スルホヒドロキサンミン酸1gを添加し充分混合して準
備した粉末をセメント粉末とした。一方、平均分子量2
0,000のポリアクリル酸30g、ジ-2-メタクリロキシエチ
ル-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネオペンチル
グリコールジアクリレート10g、2-メタクリロイルオキ
シプロピルメチルスルホキシド5g、蒸留水45gを60分
間攪拌混合し均一化し、この液をセメント液とした。セ
メント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練和
し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方法に従
って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて示
した。
【0054】実施例6 酸化アルミニウム23g、無水硅酸41g、フッ化ストロン
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボール
ミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通
過させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100g
に対してp-トルエンスルフィン酸1gを充分混合して準
備した粉末をセメント粉末とした。一方、平均分子量1
4,000のポリアクリル酸30g、ジ-2-メタクリロキシエチ
ル-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネオペンチル
グリコールジアクリレート10g、3-メタクリロイルオキ
シプロピルメチルスルホキシド10g、蒸留水45gを60分
間混合し均一化し、この液をセメント液とした。セメン
ト粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練和し、
前述した常温硬化型セメントの場合の試験方法に従って
引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて示し
た。
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボール
ミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通
過させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100g
に対してp-トルエンスルフィン酸1gを充分混合して準
備した粉末をセメント粉末とした。一方、平均分子量1
4,000のポリアクリル酸30g、ジ-2-メタクリロキシエチ
ル-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネオペンチル
グリコールジアクリレート10g、3-メタクリロイルオキ
シプロピルメチルスルホキシド10g、蒸留水45gを60分
間混合し均一化し、この液をセメント液とした。セメン
ト粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練和し、
前述した常温硬化型セメントの場合の試験方法に従って
引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて示し
た。
【0055】実施例7 酸化アルミニウム23g、無水硅酸41g、フッ化ストロン
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボール
ミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通
過させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100g
に対してベンゼンスルフィン酸ナトリウム1gを添加し
充分混合して準備した粉末をセメント粉末とした。一
方、平均分子量16,000のポリアクリル酸20g、平均分子
量7,000のポリマレイン酸10g、ジ-2-メタクリロキシエ
チル-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート10g、2-メタクリロイルオ
キシエチルメチルスルホキシド5g、カンファーキノン
1g、蒸留水45gを暗室にて60分間混合して均一化し、
この液をセメント液とした。セメント粉末2.0gに対し
てセメント液1.0gを30秒間練和し、前述した光重合型
セメントの場合の試験方法に従って引張り接着強度を測
定した。結果は表1に纏めて示した。
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボール
ミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通
過させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100g
に対してベンゼンスルフィン酸ナトリウム1gを添加し
充分混合して準備した粉末をセメント粉末とした。一
方、平均分子量16,000のポリアクリル酸20g、平均分子
量7,000のポリマレイン酸10g、ジ-2-メタクリロキシエ
チル-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート10g、2-メタクリロイルオ
キシエチルメチルスルホキシド5g、カンファーキノン
1g、蒸留水45gを暗室にて60分間混合して均一化し、
この液をセメント液とした。セメント粉末2.0gに対し
てセメント液1.0gを30秒間練和し、前述した光重合型
セメントの場合の試験方法に従って引張り接着強度を測
定した。結果は表1に纏めて示した。
【0056】実施例8 酸化アルミニウム20g、無水硅酸45g、フッ化カルシウ
ム8g、リン酸アルミニウム15g、および炭酸ストロン
チウム12gを充分混合し、1200℃の高温電気炉中で5時
間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボールミ
ルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通過
させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100gにp
-ジメチルアミノ安息香酸エチル1g、を添加し充分混
合して準備した粉末をセメント粉末とした。一方、平均
分子量20,000のアクリル酸とマレイン酸の共重合体30
g、2,2'-ビス[3(4-フェノキシ)-2ヒドロキシプロパン
-1-メタクリレート]プロパン10g、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート20g、メタクリル酸(tert-ブチル
チオ)ブチルアミド10g、蒸留水30gを60分間混合し均
一化し、この液をセメント液とした。セメント粉末2.5
gに対しセメント液1.0gを30秒間練和し、前述した光
重合型セメントの場合の試験方法に従って引張り接着強
度を測定した。結果は表1に纏めて示した。
ム8g、リン酸アルミニウム15g、および炭酸ストロン
チウム12gを充分混合し、1200℃の高温電気炉中で5時
間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボールミ
ルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通過
させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100gにp
-ジメチルアミノ安息香酸エチル1g、を添加し充分混
合して準備した粉末をセメント粉末とした。一方、平均
分子量20,000のアクリル酸とマレイン酸の共重合体30
g、2,2'-ビス[3(4-フェノキシ)-2ヒドロキシプロパン
-1-メタクリレート]プロパン10g、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート20g、メタクリル酸(tert-ブチル
チオ)ブチルアミド10g、蒸留水30gを60分間混合し均
一化し、この液をセメント液とした。セメント粉末2.5
gに対しセメント液1.0gを30秒間練和し、前述した光
重合型セメントの場合の試験方法に従って引張り接着強
度を測定した。結果は表1に纏めて示した。
【0057】実施例9 酸化アルミニウム20g、無水硅酸43g、フッ化カルシウ
ム10g、リン酸アルミニウム12g、および炭酸ストロン
チウム15gを充分混合し、1200℃の高温電気炉中で5時
間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボールミ
ルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通過
させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100gにp
-トルエンスルホンアミドを添加し充分混合して準備し
た粉末をセメント粉末とした。一方、平均分子量18,000
のポリアクリル酸20g、平均分子量9,000のポリマレイ
ン酸10g、2,2'-ビス[3(4-フェノキシ)-2ヒドロキシプ
ロパン-1-メタクリレート]プロパン15g、ジ-1-メチル
-2-メタクリロキシエチル-ヘキサンジカルバメート20
g、メタクリル酸(tert-ブチルチオ)ブチルアミド5
g、ベンジルジエチルケタール3g、蒸留水30gを60分
間混合し均一化し、この液をセメント液とした。セメン
ト粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練和し、
前述した光重合型セメントの場合の試験方法に従って引
張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて示した。
ム10g、リン酸アルミニウム12g、および炭酸ストロン
チウム15gを充分混合し、1200℃の高温電気炉中で5時
間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボールミ
ルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通過
させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100gにp
-トルエンスルホンアミドを添加し充分混合して準備し
た粉末をセメント粉末とした。一方、平均分子量18,000
のポリアクリル酸20g、平均分子量9,000のポリマレイ
ン酸10g、2,2'-ビス[3(4-フェノキシ)-2ヒドロキシプ
ロパン-1-メタクリレート]プロパン15g、ジ-1-メチル
-2-メタクリロキシエチル-ヘキサンジカルバメート20
g、メタクリル酸(tert-ブチルチオ)ブチルアミド5
g、ベンジルジエチルケタール3g、蒸留水30gを60分
間混合し均一化し、この液をセメント液とした。セメン
ト粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練和し、
前述した光重合型セメントの場合の試験方法に従って引
張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて示した。
【0058】実施例10 酸化アルミニウム22g、無水硅酸43g、フッ化カルシウ
ム12g、リン酸カルシウム15g、および炭酸ストロンチ
ウム8gを充分混合し、1200℃の高温電気炉中で5時間
保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボールミル
を用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通過さ
せた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末85g、平均
粒度4μmの微粉末硅砂15g、p-トルエンスルフィン酸
ナトリウム1gを充分に撹拌混合してセメント粉末とし
た。一方、平均分子量20,000のポリアクリル酸20g、ジ
-2-メタクリロキシエチル-ヘキサメチレンジカルバメー
ト15g、ネオペンチルグリコールジアクリレート10、2-
メタクリロイルオキシエチルメチルスルホキシド10g、
蒸留水35gを60分間撹拌して均一化し、セメント液とし
た。セメント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒
間練和し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方
法に従って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏
めて示した。
ム12g、リン酸カルシウム15g、および炭酸ストロンチ
ウム8gを充分混合し、1200℃の高温電気炉中で5時間
保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボールミル
を用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通過さ
せた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末85g、平均
粒度4μmの微粉末硅砂15g、p-トルエンスルフィン酸
ナトリウム1gを充分に撹拌混合してセメント粉末とし
た。一方、平均分子量20,000のポリアクリル酸20g、ジ
-2-メタクリロキシエチル-ヘキサメチレンジカルバメー
ト15g、ネオペンチルグリコールジアクリレート10、2-
メタクリロイルオキシエチルメチルスルホキシド10g、
蒸留水35gを60分間撹拌して均一化し、セメント液とし
た。セメント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒
間練和し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方
法に従って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏
めて示した。
【0059】比較例1 酸化アルミニウム23g、無水硅酸41g、フッ化ストロン
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボール
ミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通
過させた粉をセメント粉末とした。一方、平均分子量1
8,000アクリル酸マレイン酸共重合体40g、酒石酸10
g、および蒸留水50gから成る水溶液をセメント液とし
た。セメント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒
間練和し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方
法に従って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏
めて示した。
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボール
ミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通
過させた粉をセメント粉末とした。一方、平均分子量1
8,000アクリル酸マレイン酸共重合体40g、酒石酸10
g、および蒸留水50gから成る水溶液をセメント液とし
た。セメント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒
間練和し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方
法に従って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏
めて示した。
【0060】比較例2 酸化亜鉛粉末80g、酸化マグネシウム粉末20gを混合し
た酸化物粉末100gに対して4,4'-ジクロロパーオキサイ
ド1gを添加し充分混合して準備した粉末をセメント粉
末とした。一方、平均分子量20,000のポリアクリル酸20
g、平均分子量8,000のポリマレイン酸10g、ジ-2-メタ
クリロキシエチル-ヘキサメチレンジカルバメート10
g、ネオペンチルグリコールジアクリレート15g、ジメ
チルアミノエチルメタクリレート3g、蒸留水40gを60
分間攪拌混合し均一化し、この液をセメント液とした。
セメント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練
和し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方法に
従って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて
示した。
た酸化物粉末100gに対して4,4'-ジクロロパーオキサイ
ド1gを添加し充分混合して準備した粉末をセメント粉
末とした。一方、平均分子量20,000のポリアクリル酸20
g、平均分子量8,000のポリマレイン酸10g、ジ-2-メタ
クリロキシエチル-ヘキサメチレンジカルバメート10
g、ネオペンチルグリコールジアクリレート15g、ジメ
チルアミノエチルメタクリレート3g、蒸留水40gを60
分間攪拌混合し均一化し、この液をセメント液とした。
セメント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練
和し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方法に
従って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて
示した。
【0061】比較例3 酸化アルミニウム23g、無水硅酸41g、フッ化ストロン
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボール
ミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通
過させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100g
に対して4,4'-ジクロロパーオキサイド1gを添加し充
分混合して準備した粉末をセメント粉末とした。一方、
平均分子量20,000のポリアクリル酸20g、平均分子量8,
000のポリマレイン酸10g、ジ-2-メタクリロキシエチル
-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート15g、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート3g、蒸留水40gを60分間攪拌混合し均一
化し、この液をセメント液とした。セメント粉末2.0g
に対してセメント液1.0gを30秒間練和し、前述した常
温硬化型セメントの場合の試験方法に従って引張り接着
強度を測定した。結果は表1に纏めて示した。
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボール
ミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通
過させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100g
に対して4,4'-ジクロロパーオキサイド1gを添加し充
分混合して準備した粉末をセメント粉末とした。一方、
平均分子量20,000のポリアクリル酸20g、平均分子量8,
000のポリマレイン酸10g、ジ-2-メタクリロキシエチル
-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート15g、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート3g、蒸留水40gを60分間攪拌混合し均一
化し、この液をセメント液とした。セメント粉末2.0g
に対してセメント液1.0gを30秒間練和し、前述した常
温硬化型セメントの場合の試験方法に従って引張り接着
強度を測定した。結果は表1に纏めて示した。
【0062】比較例4 酸化アルミニウム23g、無水硅酸41g、フッ化ストロン
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボール
ミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通
過させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100g
に対してp-トルエンスルフィン酸ナトリウム1gを充分
混合して準備した粉末をセメント粉末とした。一方、平
均分子量14,000のポリアクリル酸30g、ジ-2-メタクリ
ロキシエチル-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート20g、蒸留水45g
を60分間混合し均一化し、この液をセメント液とした。
セメント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練
和し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方法に
従って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて
示した。
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボール
ミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通
過させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100g
に対してp-トルエンスルフィン酸ナトリウム1gを充分
混合して準備した粉末をセメント粉末とした。一方、平
均分子量14,000のポリアクリル酸30g、ジ-2-メタクリ
ロキシエチル-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート20g、蒸留水45g
を60分間混合し均一化し、この液をセメント液とした。
セメント粉末2.0gに対してセメント液1.0gを30秒間練
和し、前述した常温硬化型セメントの場合の試験方法に
従って引張り接着強度を測定した。結果は表1に纏めて
示した。
【0063】比較例5 酸化アルミニウム23g、無水硅酸41g、フッ化ストロン
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボール
ミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通
過させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100g
に対してベンゼンスルフィン酸ナトリウム1gを添加し
充分混合して準備した粉末をセメント粉末とした。一
方、平均分子量16,000のポリアクリル酸20g、平均分子
量7,000のポリマレイン酸10g、ジ-2-メタクリロキシエ
チル-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート15g、カンファーキノン1
g、蒸留水45gを暗室にて60分間混合して均一化し、こ
の液をセメント液とした。セメント粉末2.0gに対して
セメント液1.0gを30秒間練和し、前述した光重合型セ
メントの場合の試験方法に従って引張り接着強度を測定
した。結果は表1に纏めて示した。
チウム10g、リン酸アルミニウム13g、およびリン酸カ
ルシウム13gを充分混合し、1100℃の高温電気炉中で5
時間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボール
ミルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通
過させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100g
に対してベンゼンスルフィン酸ナトリウム1gを添加し
充分混合して準備した粉末をセメント粉末とした。一
方、平均分子量16,000のポリアクリル酸20g、平均分子
量7,000のポリマレイン酸10g、ジ-2-メタクリロキシエ
チル-ヘキサメチレンジカルバメート10g、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート15g、カンファーキノン1
g、蒸留水45gを暗室にて60分間混合して均一化し、こ
の液をセメント液とした。セメント粉末2.0gに対して
セメント液1.0gを30秒間練和し、前述した光重合型セ
メントの場合の試験方法に従って引張り接着強度を測定
した。結果は表1に纏めて示した。
【0064】比較例6 酸化アルミニウム20g、無水硅酸45g、フッ化カルシウ
ム8g、リン酸アルミニウム15g、および炭酸ストロン
チウム12gを充分混合し、1200℃の高温電気炉中で5時
間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボールミ
ルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通過
させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100gにp
-ジメチルアミノ安息香酸エチル1g、を添加し充分混
合して準備した粉末をセメント粉末とした。一方、平均
分子量20,000のアクリル酸とマレイン酸の共重合体30
g、2,2'-ビス[3(4-フェノキシ)-2ヒドロキシプロパン
-1-メタクリレート]プロパン15g、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート15g、ベンジルジエチルケタール
2g、蒸留水40gを60分間混合し均一化し、この液をセ
メント液とした。セメント粉末2.5gに対しセメント液1
gを30秒間練和し、前述した光重合型セメントの場合の
試験方法に従って引張り接着強度を測定した。結果は表
1に纏めて示した。
ム8g、リン酸アルミニウム15g、および炭酸ストロン
チウム12gを充分混合し、1200℃の高温電気炉中で5時
間保持しガラスを熔融させた。熔融後冷却し、ボールミ
ルを用い10時間粉砕し200メッシュ(ASTM)篩いを通過
させた粉をガラス粉末とした。このガラス粉末100gにp
-ジメチルアミノ安息香酸エチル1g、を添加し充分混
合して準備した粉末をセメント粉末とした。一方、平均
分子量20,000のアクリル酸とマレイン酸の共重合体30
g、2,2'-ビス[3(4-フェノキシ)-2ヒドロキシプロパン
-1-メタクリレート]プロパン15g、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート15g、ベンジルジエチルケタール
2g、蒸留水40gを60分間混合し均一化し、この液をセ
メント液とした。セメント粉末2.5gに対しセメント液1
gを30秒間練和し、前述した光重合型セメントの場合の
試験方法に従って引張り接着強度を測定した。結果は表
1に纏めて示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明の歯科用セメント組成物は、従来
のグラスアイオノマーセメントやリン酸亜鉛セメントな
どと比較して、歯質、歯科用合金、ポーセレン、レジン
等への接着性を大幅に向上させた歯科用セメント組成物
である。殊に、フルオロアルミノシリケートガラスをセ
メント粉末として用いた場合、グラスアイオノマーセメ
ントの特性である優れた生体親和性、審美性、フッ素の
徐放性、およびX線造影性などの利点を有し、加えて、
歯質と歯科材料に対する強固な接着性とその耐久性を合
わせ持った歯科用セメントを得ることが出来る。更に、
必要に応じて光硬化性を付与することも出来るため、修
復物の接着、充填、裏装、支台築造などの幅広い用途に
応じて好適な硬化方法を選択し、何れに於いても接着性
を始めとする優れた物性を発揮することが可能である優
れた歯科用セメントを得ることが出来るものである。
のグラスアイオノマーセメントやリン酸亜鉛セメントな
どと比較して、歯質、歯科用合金、ポーセレン、レジン
等への接着性を大幅に向上させた歯科用セメント組成物
である。殊に、フルオロアルミノシリケートガラスをセ
メント粉末として用いた場合、グラスアイオノマーセメ
ントの特性である優れた生体親和性、審美性、フッ素の
徐放性、およびX線造影性などの利点を有し、加えて、
歯質と歯科材料に対する強固な接着性とその耐久性を合
わせ持った歯科用セメントを得ることが出来る。更に、
必要に応じて光硬化性を付与することも出来るため、修
復物の接着、充填、裏装、支台築造などの幅広い用途に
応じて好適な硬化方法を選択し、何れに於いても接着性
を始めとする優れた物性を発揮することが可能である優
れた歯科用セメントを得ることが出来るものである。
Claims (7)
- 【請求項1】a.重量平均分子量が5,000〜40,000であ
るα-β不飽和カルボン酸の重合体、 b.CH2=C(R1)-COO-基(R1:HまたはCH3)を少なくとも
1個含有する重合可能な不飽和有機化合物、 c.一般式 【化1】 で示されるスルホキシド基を有する化合物、 d.水、 e.「重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽
和カルボン酸の重合体(a)」と反応し得る酸化物粉末、 f.重合触媒、 上記のa,b,c,d,e,fより成る歯科用セメント
組成物。 - 【請求項2】a.重量平均分子量が5,000〜40,000であ
るα-β不飽和カルボン酸の重合体:5〜100重量部、 b.CH2=C(R1)-COO-基(R1:HまたはCH3)を少なくとも
1個含有する重合可能な不飽和有機化合物:5〜100重
量部、 c.一般式 【化2】 で示されるスルホキシド基を有する化合物:0.1〜40重
量部、 d.水:5〜50重量部、 e.「重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽
和カルボン酸の重合体(a)」と反応し得る酸化物粉末:
5〜100重量部、 f.重合触媒:0.01〜5重量部 上記のa,b,c,d,e,fより成る歯科用セメント
組成物。 - 【請求項3】 請求項1または2に於いて、「重量平均
分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽和カルボン酸の
重合体(a)」が、アクリル酸、メタクリル酸、2-クロロ
アクリル酸、3-クロロアクリル酸、アコニット酸、メサ
コン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、グルタ
コン酸、シトラコン酸の中から選ばれた1種類以上を含
む共重合体または単独重合体であることを特徴とする請
求項1または2に記載の歯科用セメント組成物。 - 【請求項4】 請求項1ないし3の何れか1項に於い
て、「重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不飽
和カルボン酸の重合体(a)」が、アクリル酸またはマレ
イン酸の単独重合体、またはアクリル酸またはマレイン
酸を含む共重合体であることを特徴とする請求項1ない
し3中の何れか1項に記載の歯科用セメント組成物。 - 【請求項5】 請求項1ないし4の何れか1項に於い
て、「CH2=C(R1)-COO-基(R1:HまたはCH3)を少なくと
も1個含有する重合可能な不飽和有機化合物(b)」が、
アクリル酸またはメタクリル酸のエステルであることを
特徴とする請求項1ないし4中の何れか1項に記載の歯
科用セメント組成物。 - 【請求項6】 請求項1ないし5中の何れか1項に於い
て、「一般式 【化3】 で示されるスルホキシド基を有する化合物(c)」が、ア
クリル酸またはメタクリル酸のエステルであることを特
徴とする請求項1ないし5中の何れか1項に記載の歯科
用セメント組成物。 - 【請求項7】 請求項1ないし6中の何れか1項に於い
て、[「重量平均分子量が5,000〜40,000であるα-β不
飽和カルボン酸の重合体(a)」と反応し得る酸化物粉末
(e)]が、主成分としてAl3+、Si4+、F-、O2-を含み、
更にSr2+および/またはCa2+を含むフルオロアルミノシ
リケートガラス粉末であることを特徴とする請求項1な
いし6中の何れか1項に記載の歯科用セメント組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7128764A JPH08301717A (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 歯科用セメント組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7128764A JPH08301717A (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 歯科用セメント組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08301717A true JPH08301717A (ja) | 1996-11-19 |
Family
ID=14992897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7128764A Pending JPH08301717A (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 歯科用セメント組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08301717A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003012430A (ja) * | 2001-06-28 | 2003-01-15 | Kuraray Co Ltd | 歯科用組成物キット |
JP2006089484A (ja) * | 2004-09-24 | 2006-04-06 | 3M Espe Ag | 歯科用接着性組成物 |
JP2007119404A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Tokuyama Corp | 歯科用接着材 |
US7488762B2 (en) | 2005-04-25 | 2009-02-10 | Kabushiki Kaisha Shofu | Two paste-type glass ionomer cement |
JP2010536848A (ja) * | 2007-08-23 | 2010-12-02 | ドクサ アクティボラグ | 歯科用セメントシステム |
JP2012072072A (ja) * | 2010-09-28 | 2012-04-12 | Gc Corp | 歯科用グラスアイオノマーセメント組成物 |
-
1995
- 1995-05-01 JP JP7128764A patent/JPH08301717A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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