JPH08300857A - リライトカード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鏡面状金属薄膜層を有するカード基材に空気
層を介して熱可逆性感熱記録フィルムを貼付したリライ
トカードにおいて、前記カード基材表面の易印刷層への
サーマルヘッド，熱板，ヒートロールからの熱による悪
影響を排除して印字情報の視認性を高め、バーコードの
読み取りエラー等を確実に防止することを目的とする。 【構成】 カード基材１１表面に鏡面状金属薄膜層１
２、易印刷層１３を設け、空気層１６を介して熱可逆性
感熱記録フィルム１７を貼付したリライトカード１０に
おいて、少なくとも前記フィルム裏面と接触する易印刷
層１３の表面全面に亘り無色透明で、かつ、耐熱性を有
するインキ、樹脂被膜等の拘束層１４を形成することに
より、サーマルヘッド１９，熱板，ヒートロールからの
熱が原因となる易印刷層１３の溶融状態の保護膜とし、
熱可逆性感熱記録フィルム１７と易印刷層１３の密着を
防止し、印字情報の視認性を高め、バーコード等の読み
取りエラーを確実に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、熱可逆性感熱記録フ
ィルムを使用したリライトカードに関するもので、特
に、サーマルヘッドや熱板，ヒートロールによる印字・
消字の際、易印刷層と前記フィルムとの密着現象を防止
して、視認性や光学読取性が低下しないリライトカード
に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、キャッシュカード，クレジット
カード，ポイントカード等に利用されるカード、あるい
は、汎用カードの２倍サイズ，３倍サイズのカード類と
して本出願人は、先に実願昭６３−６１８２９号におい
て熱可逆性感熱記録フィルムを使用したリライトカード
を提案している。

【０００３】このものは、カードの情報表示部の素材と
して、熱可逆性感熱記録フィルムを使用するもので、こ
の熱可逆性感熱記録フィルムは、有機低分子物質と樹脂
を利用し、加熱による透明状態と白濁状態とが可逆的に
変化し、更に常温でもその２形態を維持するという特質
を備えている。

【０００４】図５は従来のリライトカードの一例を示す
もので、このリライトカード１は、ポリエステル樹脂等
のカード基材２の表面側に鏡面状金属薄膜層３、更にそ
の表面に易印刷層４が形成されており、易印刷層４の表
面の一部に印字された文字，数字，記号等のコントラス
トアップのための印刷層５が施されているとともに、接
着剤６を介して表面側に熱可逆性感熱記録フィルム７が
貼付されており、接着剤６により易印刷層４の表面と熱
可逆性感熱記録フィルム７との間に空気層８が形成され
るという構成である。

【０００５】そして、サーマルヘッド９，熱板，ヒート
ロールを使用して熱可逆性感熱記録フィルム７の所定部
分を白濁状態・透明状態に可変操作することにより、所
定情報の印字、あるいは消字を行なっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来のリ
ライトカード１においては、サーマルヘッド９，熱板，
ヒートロールを使用して熱可逆性感熱記録フィルム７を
白濁状態、透明状態に可変操作する際、印字・消字の際
の熱が易印刷層４に伝わり、易印刷層４に溶融現象が生
じてしまう。

【０００７】そして、易印刷層４の溶融部分が熱可逆性
感熱記録フィルム７に密着し、空気層８が部分的に失わ
れ、白濁濃度の低下が生じ、例えば、前記フィルムが密
着したままでバーコード等をサーマルヘッド９により印
字処理した際、白濁濃度の低下と、逆に透明部分の反射
率の上昇（鏡面反射しにくくなる）により、バーコード
の読み取りエラーが発生するという不具合が指摘されて
いた。

【０００８】また、バーコード以外の文字，数字，記号
等の印字においても空気層８が部分的に失われると視認
性を低下させるという問題点があった。

【０００９】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、カード基材の鏡面状金属薄膜層表面にコー
ティングされた易印刷層がサーマルヘッド，熱板，ヒー
トロールによる印字・消字操作を繰り返しても、可逆性
感熱記録フィルム裏面と密着することがなく、印字部分
の視認性，光学読取性を維持し、バーコード等の読取り
エラー等の不具合を有効に解決することを可能にしたリ
ライトカードを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、カード基材の表面側に鏡面状金属薄膜
層、更にその表面に易印刷層を設けるとともに、空気層
を介してその表面側に熱可逆性感熱記録フィルムを貼付
したリライトカードにおいて、少なくとも熱可逆性感熱
記録フィルム裏面と接触する前記易印刷層の表面全面に
亘り無色透明で、かつ、耐熱性を有する拘束層が形成さ
れていることを特徴とする。

【００１１】上記拘束層としては、耐熱性のある無色透
明のインキを易印刷層の表面全面に印刷してもよく、ま
た、耐熱性のある無色透明の樹脂被膜をコーティング処
理等により易印刷層表面に形成してもよい。

【００１２】

【作用】以上の構成から明らかなように、本発明による
リライトカードは、鏡面状金属薄膜層表面に形成される
易印刷層の表面に無色透明で、かつ、耐熱性を有する拘
束層を形成するというものであるから、リライトカード
に対してサーマルヘッド，熱板，ヒートロールにより印
字・消字操作を行なう際、サーマルヘッドからの熱によ
り、易印刷層の一部が溶融しても、拘束層に易印刷層密
着，保護されているため、易印刷層と熱可逆性感熱記録
フィルムの密着を確実に防止できる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明に係るリライトカードの一実施
例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１４】図１，図２は本発明に係るリライトカード
の一実施例を示すもので、図１はリライトカード１０の
平面図、図２は同リライトカード１０の断面図であり、
図面において、本発明に係るリライトカード１０は、ポ
リエステル樹脂等からなるカード基材１１の表面に鏡面
状金属薄膜層１２が形成されており、更に、その表面に
易印刷層１３がコーティング処理されている。

【００１５】本発明では、少なくとも熱可逆性感熱記録
フィルム裏面と接触する易印刷層１３の表面全面に無色
透明で、かつ、耐熱性を有する拘束層１４を設けたこと
が特徴である。

【００１６】また、易印刷層１３の表面の一部に印字さ
れた文字，数字，記号等のコントラストアップの為の印
刷層１５が部分的に形成されており、それらの表面に空
気層１６を介して熱可逆性感熱記録フィルム１７が位置
するように、易印刷層１３と熱可逆性感熱記録フィルム
１７との間には、接着剤１８が設けられている。

【００１７】上記拘束層１４としては、無色透明で耐熱
性を有するインキ（商品名；ＲＮＣ無変色メジウム、Ｔ
＆Ｋ ＴＯＫＡ製）を易印刷層１３の表面に印刷処理し
てもよく、また、無色透明で耐熱性を有する樹脂被膜を
易印刷層１３の表面にコーティング処理してもよい。

【００１８】本発明に係るリライトカード１０は以上の
ように構成されているため、例えば、サーマルヘッド１
９、あるいは図示しない熱板，ヒートロールによりバー
コード等の所定情報を印字あるいは消字する際、サーマ
ルヘッド１９，熱板，ヒートロールからの熱が熱可逆性
感熱記録フィルム１７、空気層１６を介して拘束層１
４、易印刷層１３に伝達されるが、易印刷層１３が熱に
より溶融しても、耐熱性を有するインキ、樹脂被膜等の
拘束層１４により、易印刷層１３の動きが規制され、熱
可逆性感熱記録フィルム１７と易印刷層１３とが密着
し、空気層１６が部分的に失われるという従来不具合は
なくなり、印字情報の視認性を維持することができ、特
に、バーコードの印字に際しては、読み取りエラー等を
可及的に防止できるため、リライトカード１０の信頼性
を著しく高めることができる。

【００１９】更に、易印刷層１３の表面全面に亘り拘束
層１４が形成されているため、リライトカードと熱可逆
性感熱記録フィルム１７との貼り合せ加工等において、
リライトカードの滑り性がよくなり、用紙の搬送性が向
上することにより、作業能率が向上する等の利点もあ
る。

【００２０】以上説明した実施例におけるリライトカー
ド１０は、拘束層１４の上下に印刷層１５を配置したデ
ザインであり、比較的大型のカード類に適用したもので
あるが、図３に示すように、小型のカードに適用し、拘
束層１４と印刷層１５とを上下２分割構成にしても良
く、また、図４に示すように、拘束層１４のみの構成で
もよい等、各種バリエーションを任意に選択できる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係るリライ
トカードは、以下に記載する格別の作用効果を有する。

【００２２】（１）リライトカード表面の易印刷層の表
面に無色透明で、かつ、耐熱性を有するインキ、樹脂被
膜等の拘束層を形成するという構成であるため、サーマ
ルヘッド，熱板，ヒートロールにより印字・消字を行な
う際、サーマルヘッド，熱板，ヒートロールからの熱に
より、易印刷層の一部が溶融しても、拘束層により易印
刷層の動きが規制できるため、印字情報の視認性を低下
させることがない。特に、バーコードを印字する際、熱
可逆性感熱記録フィルムの白濁濃度が低下することな
く、また、透明部分の反射率も良好に維持できるため、
バーコードの読み取りエラーを確実に防止でき、リライ
トカードの信頼性を高めることができるという効果を有
する。

【００２３】（２）リライトカードの易印刷層表面に無
色透明で、かつ、耐熱性を有する拘束層を形成するとい
う構成であるため、この拘束層によりリライトカードの
滑り性がよくなり、用紙の搬送性が向上することによ
り、作業能率が向上するという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るリライトカードの一実施例を示す
平面図。

【図２】図１中II−II線断面図。

【図３】本発明に係るリライトカードの別実施例を示す
平面図。

【図４】本発明に係るリライトカードの別実施例を示す
平面図。

【図５】従来のリライトカードの構成を示す断面図。

【符号の説明】

１０ リライトカード １１ カード基材 １２ 鏡面状金属薄膜層 １３ 易印刷層 １４ 拘束層 １５ 印刷層 １６ 空気層 １７ 熱可逆性感熱記録フィルム １８ 接着剤 １９ サーマルヘッド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カード基材の表面側に鏡面状金属薄膜
   層、更にその表面に易印刷層を設けるとともに、空気層
   を介してその表面側に熱可逆性感熱記録フィルムを貼付
   したリライトカードにおいて、 少なくとも熱可逆性感熱記録フィルム裏面と接触する前
   記易印刷層の表面全面に亘り無色透明で、かつ、耐熱性
   を有する拘束層が形成されていることを特徴とするリラ
   イトカード。