JPH08299434A - 中空糸型血液浄化装置 - Google Patents

中空糸型血液浄化装置

Info

Publication number
JPH08299434A
JPH08299434A JP10669895A JP10669895A JPH08299434A JP H08299434 A JPH08299434 A JP H08299434A JP 10669895 A JP10669895 A JP 10669895A JP 10669895 A JP10669895 A JP 10669895A JP H08299434 A JPH08299434 A JP H08299434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sealant
hollow fiber
opening
tubular casing
end surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10669895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2790617B2 (ja
Inventor
Kazuya Sakamoto
和也 坂本
Katsumi Isou
勝美 五十右
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikkiso Co Ltd filed Critical Nikkiso Co Ltd
Priority to JP7106698A priority Critical patent/JP2790617B2/ja
Publication of JPH08299434A publication Critical patent/JPH08299434A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2790617B2 publication Critical patent/JP2790617B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本願中空糸型血液浄化装置は、筒型ケーシン
グと、その開口部から突出してシーラントで固定される
と共に収束された中空繊維束の端部を開口するシーラン
ト固化部と、前記開口部とシーラント固化部との間を充
填しかつ前記開口部端面を覆うシーラントのシーラント
端面と、前記開口部に装着された血液導出入部材と、シ
ーラント端面および血液導出入部材の内面に密着された
環状弾性部材とを備えてなる。 【効果】 シーラント接着界面の剥離防止可能、耐久性
・強度良好、シーラントの不完全充填防止・使用量減少
可能、血液の漏洩、残血、凝血、滞留等の発生防止可
能、クリアランス向上、構造簡単・小型化可能、製造容
易な中空糸型血液浄化装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、中空糸型血液浄化装
置に関し、さらに詳しくは、筒型ケーシングとシーラン
トとの界面に裂け目や剥離が生ずることがなく、蒸気滅
菌等に対する耐久性に優れ、充分な強度を有し、クリア
ランスを向上させ、シーラントの使用量を減少させ、か
つその不完全な充填を防止することができ、小型化が可
能で血液の漏洩、残血、凝血、滞留等の発生がなく、構
造が簡単で製造が容易な中空糸型血液浄化装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】図3に示
すように、従来の中空糸型血液浄化装置11は、たとえ
ば、筒型ケーシング12と、筒型ケーシング12の開口
部13から突出してシーラント14で固定されるととも
に収束された中空繊維束15の端部16を開口するシー
ラント固化部17と、筒型ケーシング12の開口部13
とシーラント固化部17との間を充填したシーラント1
4のシーラント端面14aと、筒型ケーシング12の開
口部13に装着された血液導出入部材18と、シーラン
ト端面14aおよび血液導出入部材18の内面に密着さ
れた環状弾性部材19とを備えてなる構造を有してい
た。
【0003】しかしながら、従来の中空糸型血液浄化装
置11には以下のような問題がある。
【0004】すなわち、中空糸型血液浄化装置11は、
筒型ケーシング12の開口部13内に、集束された中空
繊維束15を挿入し、未硬化のシーラントを筒状ケーシ
ング12の開口部に充填してこれを固化していた。図4
に示すように、筒型ケーシング12とシーラント固化部
17との間に充填されるシーラント14においては、筒
型ケーシング12の開口部13側における、筒型ケーシ
ング12と固化したシーラント14との界面に裂け目2
0がしばしば生じていた。この裂け目20は、中空糸型
血液浄化装置11の強度低下の原因となり、また、この
ような裂け目20を有する中空糸型血液浄化装置11を
蒸気滅菌すると、前記界面において剥離が生じ、中空糸
型血液浄化装置11が使用不能となる。また、シーラン
ト固化部17の端部16の外側に環状弾性部材19が位
置し、環状弾性部材19の外側に筒型ケーシング12の
開口部13が位置するので、筒型ケーシング12の最大
外径が構造上必然的に大きくなってしまう。このため、
シーラント14も余分に必要となる上、シーラント14
の充填固化が不完全になることがある。
【0005】この発明は、前記従来における問題を解消
することを目的の一つとする。この発明は、筒型ケーシ
ングとシーラントとの接着面の形状を複雑にし、かつそ
の面積を大きくすることにより、両者の界面に裂け目や
剥離が生じず、蒸気滅菌等に対する耐久性に優れ、充分
な強度を有する中空糸型血液浄化装置を提供することを
目的の一つとする。この発明は、筒型ケーシングの最大
外径を小さくする一方、中空繊維束の径を大きくして、
シーラントの充填量を減少させ、シーラントの不完全な
充填を防止させ、クリアランスを向上させることができ
る小型の中空糸型血液浄化装置を提供することを目的の
一つとする。この発明は、血液の漏洩、残血、凝血、滞
留等がなく、構造が簡単で製造が容易な中空糸型血液浄
化装置を提供することを目的の一つとする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、筒型ケーシングと、筒型ケ
ーシングの開口部から突出してシーラントで固定される
とともに収束された中空繊維束の端部を開口するシーラ
ント固化部と、筒型ケーシングの開口部とシーラント固
化部との間を充填し、かつ筒型ケーシングの開口部にお
ける端面を覆うシーラントのシーラント端面と、筒型ケ
ーシングの開口部に装着された血液導出入部材と、シー
ラント端面および血液導出入部材の内面に密着された環
状弾性部材とを備えてなることを特徴とする中空糸型血
液浄化装置であり、請求項2に記載の発明は、前記環状
弾性部材と前記シーラント端面との接触面が、前記筒型
ケーシングの開口部における端面の上方に位置する前記
請求項1に記載の中空糸型血液浄化装置であり、請求項
3に記載の発明は、前記シーラント端面が、筒型ケーシ
ングの開口部とシーラント固化部との間を充填し、かつ
筒型ケーシングの開口部における端面であって、その直
径方向の厚みの1/5〜1/1に相当する部分を覆うシ
ーラントのシーラント端面である前記請求項1または2
に記載の中空糸型血液浄化装置であり、請求項4に記載
の発明は、前記シーラント端面が、前記筒型ケーシング
の開口部における端面から0.1〜3.0mm突出して
形成されてなる前記請求項1から3のいずれかに記載の
中空糸型血液浄化装置である。
【0007】
【作用】この発明の中空糸型血液浄化装置においては、
シーラントが、筒型ケーシングの開口部とシーラント固
化部との間に存在し、かつ筒型ケーシングの開口部にお
ける端面を覆う。その結果、シーラントは、筒型ケーシ
ングの内周面のみならず、その開口部端面とも接着す
る。また、血液導出入部材が、その内面とシーラント端
面とで環状弾性部材を密着に挟んだ状態で、筒型ケーシ
ングの開口部に装着される。その結果、血液導出入部材
とシーラント端面と間が液密にシールされる。
【0008】
【実施例】以下、この発明の中空糸型血液浄化装置の実
施例について図面を参照しながら説明する。図1は、こ
の発明の中空糸型血液浄化装置の一実施例を示す一部断
面概略説明図である。
【0009】この実施例の中空糸型血液浄化装置1は、
筒型ケーシング2とシーラント固化部7と血液導出入部
材8と環状弾性部材9とを備えてなる。
【0010】筒型ケーシング2としては、人工腎臓用モ
ジュールとして一般に使用されているケーシングを挙げ
ることができる。筒型ケーシング2の形状としては、両
端に開口端部を有する筒形状であれば特に制限はなく、
たとえば円筒形状、角筒形状、断面扁平形状、断面楕円
形状などの形状を挙げることができる。なお、この実施
例における筒型ケーシング2は、円筒形状であり、その
両端部は直径が大きくなっており、その周側面に液流出
入口が2つ形成されている。筒型ケーシング2の構造、
大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜
決定することができる。
【0011】筒型ケーシング2の材質としては、蒸気滅
菌等に耐え得る耐圧強度、耐熱性等を考慮して適宜決定
することができる。前記材質としては、たとえば、ポリ
カーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリルとスチ
レンとの共重合体、ポリメチルメタクリレート、ABS
樹脂などを好適に挙げることができ、使用の目的に応じ
て、他の通常の高分子材料、金属材料などを適宜採用し
てもよい。なお、筒型ケーシング2は、使用時の内部状
態を観察することができるように透明な材質で形成する
のが好ましい。
【0012】シーラント固化部7は、多数本の中空繊維
を束ねてなる中空繊維束5の両端をシーラント4で固化
して一体化することにより形成される。なお、シーラン
ト固化部7の両側の端部6には収束された中空繊維束5
が開口している。
【0013】前記中空繊維としては、たとえば、セルロ
ース、セルロースジアセテート、セルロールトリアセテ
ート等、セルロースエーテル類等のセルロース誘導体、
ポリアミド系誘導体、ポリエステル系誘導体、ポリメチ
ルメタクリレート等のメタクリル系もしくはアクリル系
重合体、ポリ塩化ビニル等のポリビニル系重合体、ポリ
ウレタン、ならびにポリエチレン、ポリプロピレンのよ
うなポリオレフィン等で形成された中空繊維を挙げるこ
とができる。前記中空繊維の外径は、通常10〜600
μmである。
【0014】シーラント4としては、中空繊維束5、筒
型ケーシング2等と強固に接着することができればその
種類等につき特に制限はなく、それ自体公知の接着剤、
たとえば、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキ
シ樹脂などの硬化性重合体組成物を挙げることができ
る。
【0015】シーラント固化部7は、筒型ケーシング2
の内部に装填され、筒型ケーシング2の両端の開口部3
から突出した状態で、その両端部分がシーラント4で筒
型ケーシング2と一体的に固着される。具体的には、た
とえば、シーラント4を、筒型ケーシング2の開口部3
における内周面とシーラント固化部7の外周面との間隙
に充填し、かつ筒型ケーシング2の開口部3における端
面を覆うように付する。そして、シーラント4を固化す
ることにより、筒型ケーシング2とシーラント固化部7
とを一体的に固着することができる。このとき、固化し
たシーラント4により形成される端面がシーラント端面
4aである。なお、固化したシーラント4は、筒型ケー
シング2の開口部3における内周面のみならず端面とも
固着し、複雑で大きな固着面を有する。
【0016】シーラント端面4aは、通常平面である
が、場合によっては曲面に形成してもよい。また、シー
ラント端面4aには、環状弾性部材9を配置するための
環状の凹部などが形成されていてもよい。なお、この実
施例においては、シーラント端面4aとシーラント固化
部7における端部6とが同一平面上に位置している。
【0017】この実施例においては、シーラント端面4
aを、筒型ケーシング2とシーラント固化部7とをシー
ラント4で固着するときに形成したが、たとえば以下の
ようにして形成してもよい。先ず、筒型ケーシング2
と、中空繊維束5と、中空繊維束5の端部を収束するた
めの収納部を有し、筒型ケーシング2に装着可能な成形
用型枠とを用意する。次いで、筒型ケーシング2内に中
空繊維束5を、その端部が筒型ケーシング2における両
端の開口部3から突出するように収納配置する。突出し
た中空繊維束5の端部を収束するように、成形用型枠に
おける収納部に中空繊維束5の端部を収納し、この成形
用型枠を筒型ケーシングの開口端部に装着する。その
後、筒型ケーシング2内に液状のシーラント4を入れ、
成形用型枠を装着した筒型ケーシング2を高速回転させ
ることにより、液状のシーラント4を筒型ケーシング2
における両端部に移動させる。移動後にシーラント4を
固化させる。シーラント4の固化後に、成形用型枠を筒
型ケーシング2から取り外す。筒型ケーシング2の開口
部3の近傍で、シーラント4で固化した中空繊維束5の
固化部を、中空繊維束5の軸に直交する方向に沿って切
断する。このようにして、開口端を有する中空繊維束5
をシーラント4で筒型ケーシング2と固着することがで
きる。この場合、シーラント固化部7とシーラント端面
4aとが同時に形成される。なお、シーラント固化部7
およびシーラント端面4aの形成は、それ自体公知の静
置法、遠心成形法などの方法に従って行ってもよい。
【0018】この発明においては、以上のようにして形
成したシーラント端面4aが、筒型ケーシング2の開口
部3における端面であって、その直径方向の厚みの1/
5〜1/1に相当する部分を覆っている態様が好まし
い。また、シーラント端面4aが、筒型ケーシング2の
開口部3における端面から好ましくは0.1〜3.0m
m、特に好ましくは0.5〜1.5mm突出して形成さ
れる態様が好ましい。これらの態様の場合、この発明の
目的を効果的に達成することができる。
【0019】血液導出入部材8としては、筒型ケーシン
グ2に固定した中空繊維束5に血液を導出入可能な血液
導出入口8aを備え、筒型ケーシング2の開口部3に装
着可能な構造であれば特に制限はなく、人工腎臓用モジ
ュールとして一般に使用されている部材を挙げることが
できる。なお、血液導出入部材8における内面には、環
状弾性部材9を押圧することができる押圧部が形成され
ており、さらに環状弾性部材9を収容することができる
環状の凹部が形成されていてもよい。
【0020】血液導出入部材8は、たとえば、筒型ケー
シング2の開口部3の外周面に形成したネジ山と血液導
出入部材9の端部内周面に形成したネジ山とを螺合させ
ることにより、あるいは、筒型ケーシング2の開口部3
の外周面と血液導出入部材8の端部内周面とを超音波で
融着することにより、筒型ケーシング2に装着される。
なお、前記装着の手段は、前記螺合や超音波融着による
ことの外、接着剤で接着する方法などを採用することが
できる。
【0021】環状弾性部材9は、環状に形成された弾性
部材であり、血液導出入部材8とシーラント固化部4a
との間を液密にシールすることができる限り特に制限は
なく、たとえば、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、ネ
オプレンゴムなどで形成したO−リング、パッキンなど
を挙げることができる。この実施例において、環状弾性
部材9はシリコーンゴム製O−リングである。
【0022】環状弾性部材9は、その内径が中空繊維束
5の外径よりも大きくなるように、その外径が筒型ケー
シング2の開口部3における端面の外径以下の大きさに
なるように設計される。環状弾性部材9は、環状弾性部
材9を直径方向に切断した場合における断面の形状が、
たとえば円形、楕円形、方形などである。環状弾性部材
9は、中実であっても、チューブ状であってもよい。環
状弾性部材9の厚みは、目的に応じて適宜決定すること
ができる。
【0023】環状弾性部材9は、シーラント端面4a上
に配置されるが、この発明においては、環状弾性部材9
とシーラント端面4aとの接触面が、筒型ケーシング2
の開口部3における端面の上方に位置するように、環状
弾性部材9をシーラント端面4a上に配置するのが好ま
しい。この場合、前記この発明の目的を効果的に達成す
ることができる。
【0024】環状弾性部材9は、血液導出入部材8を筒
型ケーシング2に装着した際に、血液導出入部材8の内
面とシーラント端面4aとにより、押圧力を受け、変形
した状態で挟まれる。このとき、血液導出入部材8の内
壁と環状弾性部材9とが密着し、シーラント端面4aと
環状弾性部材9とが密着しているので、筒型ケーシング
2と血液導出入部材8とが液密にシールされた状態で接
続される。
【0025】以下、この実施例における中空糸型血液浄
化装置の実際の設計例について、従来の中空糸型血液浄
化装置の参考例と比較する。
【0026】図2は、図1において円で囲まれた部位の
一部拡大説明図である。図2において、A〜Gは以下の
通りである。Aは、環状弾性部材9とシーラント端面4
aとの接点同士、あるいは接触面の中点同士を結ぶ直径
(mm)であり、シールリング内径を意味する。Bは、
中空繊維束5の外径(mm)であり、中空糸分散径を意
味する。Cは、固化したシーラント4のフランジ部にお
ける、筒型ケーシング2の開口部3の端面に接する面の
突出長さ(mm)を意味する。Dは、シーラント端面4
aが筒型ケーシング2の開口部3における端面から突出
する長さ(mm)であり、固化したシーラント4におけ
るフランジ部の厚みを意味する。Eは、中空糸型血液浄
化装置1の軸に直交する方向における、筒型ケーシング
2の開口部3の内周面から、環状弾性部材9とシーラン
ト端面4aとの接点あるいは接触面の中点の位置(「有
効シール面位置」と称することがある。)までの距離
(mm)を意味する。Eの値が、正の場合は、筒型ケー
シング2の開口部3の内周面よりも外側に有効シール面
が位置することを意味し、負の場合は、筒型ケーシング
2の開口部3の内周面よりも内側に有効シール面が位置
することを意味する。Fは、筒型ケーシング2の開口部
3における厚み(mm)を意味する。Gは、筒型ケーシ
ング2の開口部3における外径(mm)を意味する。
【0027】前記A〜Gが表1に示す値になるように中
空糸型血液浄化装置を設計した。この発明の中空糸型血
液浄化装置においては、C>0、3.0≧D≧0.1、
E≧0となる点に特長がある。
【0028】設計例1〜2および参考例1の中空糸型血
液浄化装置について、尿毒症性物質であるクレアチニン
(分子量;113)のクリアランスを比較した。なお、
中空糸型血液浄化装置における筒型ケーシング2の長さ
は255mmであり、有効膜面積は1.8m2 であり、
中空繊維束として再生セルロース膜(AKZO NOB
EL社製;キュプロファン(Cuprophan))の
束を使用した。
【0029】その結果、クリアランスは、設計例1、設
計例2、参考例1において、それぞれ180、183、
175であった。設計例1および設計例2においては、
参考例1に比しクリアランスの向上が確認された。
【0030】設計例3〜5および参考例2〜3の中空糸
型血液浄化装置について、シーラントであるウレタン樹
脂による充填試験を行った。試験数はそれぞれについて
100とした。なお、中空糸型血液浄化装置における筒
型ケーシング2の長さは255mmであり、有効膜面積
は1.5m2 であり、中空繊維束としてPEPA膜中空
糸(ポリエーテルスルホン樹脂とのポリアリレート樹脂
とを用いて形成された中空糸)束を使用した。
【0031】その結果、設計例3〜5においては、ウレ
タン樹脂の不完全な充填は確認されなかった。一方、参
考例2、参考例3においては、それぞれ2個、10個に
ついてウレタン樹脂の不完全な充填が確認された。
【0032】設計例5および参考例3の中空糸型血液浄
化装置のそれぞれ20個づつについて、120℃で40
分間蒸気滅菌を行った。その結果、シーラントであるウ
レタン樹脂の剥離は、設計例5においては生じなかった
が、参考例3においては3個生じた。
【0033】設計例5および参考例1の中空糸型血液浄
化装置について見てみると、両者においてはA=43で
等しいが、Gの値が設計例5においては44であるのに
対し、参考例1においては48であった。これは、Eの
値が設計例5においては1.0であるのに対し、参考例
1においては−1.0であることに起因する。つまり設
計例5においては、E≧0であるので、E<0である参
考例1に比し、Gの値を小さくすることができた。ま
た、参考例1の中空糸型血液浄化装置については、シー
ラントであるウレタン樹脂を固化させた際、図4に示す
ような裂け目20の発生が見られた。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】この発明によると、前記従来における問
題を解消することができる。つまり、筒型ケーシングと
シーラントとの接着面積を大きくすることにより、両者
の界面に裂け目や剥離が生じず、蒸気滅菌等による耐久
性に優れ、充分な強度を有する中空糸型血液浄化装置を
提供することができる。また、筒型ケーシングの最大外
径を小さくする一方、中空繊維束の径を大きくして、シ
ーラントの充填量を減少させ、シーラントの不完全な充
填を防止させ、クリアランスを向上させることができる
小型の中空糸型血液浄化装置を提供することができる。
さらに、血液の漏洩、残血、凝血、滞留等がなく、構造
が簡単で製造が容易な中空糸型血液浄化装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の中空糸型血液浄化装置の一
実施例を示す一部断面概略説明図である。
【図2】図2は、図1において円で囲まれた部位の一部
拡大説明図である。
【図3】図3は、従来の中空糸型血液浄化装置の一例を
示す一部断面概略説明図である。
【図4】図4は、図3において円で囲まれた部位の一部
拡大説明図である。
【符号の説明】
1・・・中空糸型血液浄化装置、2・・・筒型ケーシン
グ、3・・・開口部、3a・・・端面、4・・・シーラ
ント、4a・・・シーラント端面、5・・・中空繊維
束、6・・・端部、7・・・シーラント固化部、8・・
・血液導出入部材、8a・・・血液導出入口、9・・・
環状弾性部材、11・・・中空糸型血液浄化装置、12
・・・筒型ケーシング、13・・・開口部、14・・・
シーラント、14a・・・シーラント端面、15・・・
中空繊維束、16・・・端部、17・・・シーラント固
化部、18・・・血液導出入部材、19・・・環状弾性
部材、20・・・裂け目、

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒型ケーシングと、筒型ケーシングの開
    口部から突出してシーラントで固定されるとともに収束
    された中空繊維束の端部を開口するシーラント固化部
    と、筒型ケーシングの開口部とシーラント固化部との間
    を充填し、かつ筒型ケーシングの開口部における端面を
    覆うシーラントのシーラント端面と、筒型ケーシングの
    開口部に装着された血液導出入部材と、シーラント端面
    および血液導出入部材の内面に密着された環状弾性部材
    とを備えてなることを特徴とする中空糸型血液浄化装
    置。
  2. 【請求項2】 前記環状弾性部材と前記シーラント端面
    との接触面が、前記筒型ケーシングの開口部における端
    面の上方に位置する前記請求項1に記載の中空糸型血液
    浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記シーラント端面が、筒型ケーシング
    の開口部とシーラント固化部との間を充填し、かつ筒型
    ケーシングの開口部における端面であって、その直径方
    向の厚みの1/5〜1/1に相当する部分を覆うシーラ
    ントのシーラント端面である前記請求項1または2に記
    載の中空糸型血液浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記シーラント端面が、前記筒型ケーシ
    ングの開口部における端面から0.1〜3.0mm突出
    して形成されてなる前記請求項1から3のいずれかに記
    載の中空糸型血液浄化装置。
JP7106698A 1995-04-28 1995-04-28 中空糸型血液浄化装置 Expired - Fee Related JP2790617B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7106698A JP2790617B2 (ja) 1995-04-28 1995-04-28 中空糸型血液浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7106698A JP2790617B2 (ja) 1995-04-28 1995-04-28 中空糸型血液浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08299434A true JPH08299434A (ja) 1996-11-19
JP2790617B2 JP2790617B2 (ja) 1998-08-27

Family

ID=14440245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7106698A Expired - Fee Related JP2790617B2 (ja) 1995-04-28 1995-04-28 中空糸型血液浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2790617B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006070890A1 (ja) * 2004-12-28 2008-06-12 ニプロ株式会社 中空糸型血液浄化器
JP2014064829A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Kawasumi Lab Inc 血液処理装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6163240U (ja) * 1984-09-29 1986-04-28
JPS63106446U (ja) * 1986-12-27 1988-07-09
JPH02298320A (ja) * 1989-05-09 1990-12-10 Nissho Corp 中空糸型処理装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6163240U (ja) * 1984-09-29 1986-04-28
JPS63106446U (ja) * 1986-12-27 1988-07-09
JPH02298320A (ja) * 1989-05-09 1990-12-10 Nissho Corp 中空糸型処理装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006070890A1 (ja) * 2004-12-28 2008-06-12 ニプロ株式会社 中空糸型血液浄化器
JP2014064829A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Kawasumi Lab Inc 血液処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2790617B2 (ja) 1998-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3396085B2 (ja) 中空糸膜型血液処理器
US4283284A (en) Hollow fiber dialyzer end seal system
JP4002300B2 (ja) 可撓性流体接合器
JPS6229061B2 (ja)
JP3077020B2 (ja) 中空糸型分離膜モジュール
JP6028730B2 (ja) 中空糸膜モジュール
TWI630952B (zh) 中空絲膜模組與中空絲膜模組之製造方法
JPH08299434A (ja) 中空糸型血液浄化装置
JP2007330846A (ja) 中空糸膜モジュールの製造方法
EP1893318B1 (en) Improvements relating to filters
JP2936456B2 (ja) 液密シール方法および血液浄化装置
JPH0630202Y2 (ja) 中空糸型血液浄化装置
TWI573599B (zh) Plugs, medical modules and medical systems
JP4381957B2 (ja) 中空糸型モジュール
JPH0410846Y2 (ja)
EP1896244B1 (en) Improvements relating to respiratory apparatus
JP3713343B2 (ja) 継ぎ手を有する濾過膜カートリッジ
JP2004187746A (ja) 血液処理装置
JPH10507430A (ja) ベンティングキャップ製造方法
JPH01145069A (ja) 中空糸型血液浄化装置およびその製造方法
JP7402607B2 (ja) 流体処理用ビーズを収容するためのフィルター付き筒状容器
JP4362432B2 (ja) 中空糸型モジュール
JP4150838B2 (ja) 充填物流出防止用フィルタ及びそれを装着した吸着器
KR20200099164A (ko) 전체 혈액 및 혈액 유도체의 개선된 필터 유닛
CN109925552A (zh) 血液透析器的端盖、其制造方法与血液透析器

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980519

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees