JPH08298911A - 樹木害虫用トラップ - Google Patents

樹木害虫用トラップ

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JPH08298911A
JPH08298911A JP13600295A JP13600295A JPH08298911A JP H08298911 A JPH08298911 A JP H08298911A JP 13600295 A JP13600295 A JP 13600295A JP 13600295 A JP13600295 A JP 13600295A JP H08298911 A JPH08298911 A JP H08298911A
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trap
pest
floor member
pests
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Application number
JP13600295A
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English (en)
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Masatoshi Igarashi
正俊 五十嵐
Takashi Sasaki
堯 佐々木
Takashi Ujiie
敬 氏家
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Yashima Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Yashima Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 樹木を潜伏習性を有する害虫から保護するた
めの害虫用トラップであって、前記トラップを樹木面に
固着するための接着層を外面に有する床部材と、前記床
部材の両側端部から延びて内部に害虫が侵入し得る空間
を保持する光遮蔽性の屋根部材とを備えたトンネル型構
造で、少なくとも床部材の内面に薬剤が塗布または含浸
されている樹木害虫用トラップ。 【効果】 従来の誘殺バンドに比べて害虫の侵入効率、
侵入した害虫のトラップ内での定着(停滞)率が高く、
害虫への薬剤吸収効率に優れている。従来の誘殺バンド
のように樹幹の周囲全体を覆うように巻き付ける必要は
なく、樹幹に貼付けて簡単に取付けができる。小型軽量
であり、運搬時の容積・重量が軽減される。潜伏習性の
ない他の昆虫類に対しては影響がなく薬剤の使用がトラ
ップ内に限定され、トラップを回収することにより残留
薬剤の環境への影響を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹木を潜伏習性を有する
害虫から保護するための害虫用トラップに関する。さら
に詳しく言えば、潜伏習性を有するスギカミキリ等の穿
孔性害虫を確実に捕捉して殺滅するか、あるいはその繁
殖を不能とする害虫用トラップに関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】スギカミキリの成虫は樹幹内
部から3月〜5月にかけて孔を穿けて脱出し、樹幹の表
面を移動し、暗い所を好んで潜入し、外樹皮の下に産卵
する。卵は10日前後で孵化し、その幼虫が4月〜9月
にかけて樹幹内部を食い荒らした後、木の中でさなぎに
代わり、秋までに成虫になる。成虫はそのまま木の中で
越冬し、春に外へ脱出する。成虫の寿命は脱出後約35
日である。この脱出孔の大きさは直径10mm程度の孔
であるが、この孔から腐朽菌などが入りこみ更に樹幹内
部が変色したり腐ったりする。そのため、スギカミキリ
の被害にあった木材(杉、桧等)は材質、材価が著しく
低下する。
【0003】駆除は、従来、粗皮はぎと薬剤散布の二つ
の方法で行なわれている。粗皮はぎは、枝打ちのたび
(約3年毎)に行なうと産卵場所がなくなるので駆除法
として有効である。また薬剤散布は杉、桧の樹幹に3月
〜5月の時期に3回乃至5回、樹木1本、1本について
丁寧に薬剤散布を行なう。しかしながら、粗皮はぎも薬
剤散布もかなりの労力と経費を必要とする難点がある。
【0004】その他の駆除法として、スギカミキリの潜
伏習性を利用し、殺虫剤や粘着剤を含浸または塗布した
誘殺バンドを樹幹に巻きつけスギカミキリを誘導して捕
殺する方法があるが(森林防疫 FOREST PEST, Vol.33,
No.2, P.11-16, 1984)、誘殺バンドと樹幹の隙間の調
節が困難であり、雨や風により、誘殺バンドの紙基材が
湿潤、乾燥を繰り返し収縮し、樹幹と誘殺バンドの隙間
がなくなり、使用中に効果が失われる。
【0005】そこで、本出願人らは、スギカミキリが潜
伏し得る隙間(空間部)が長期間安定に保たれるものと
して、殺虫剤を塗布または含浸させた光遮蔽層を有する
波形基材を他の平坦な基材の片側に固着させた誘殺バン
ドを提案している(実公平4-1813号公報)。このバンド
は、波形基材として段ボール中芯原紙を使用し、その片
面に黒色インキをベタ印刷したのち薬剤を所定量塗工
し、平坦な基材(耐水ライナー)に、殺虫剤塗工面を外
側に向けて貼り合わせたものであり、殺虫剤塗工面が樹
幹に接触するように巻きつけて、ビニール紐等で止める
か、あるいはバンド端部の背面長手方向に取り付けた粘
着剤塗布面に剥離紙を貼着してなる結束部材で止めるか
等して使用される(後者については、実開平 4-81904号
参照)。この誘殺バンドでは、平坦な基材と波形基材の
間の初期の空間部が安定に保持されるので、誘殺バンド
の効力は長期間維持される。
【0006】しかしながら、上記のバンドには下記のよ
うな問題がある。 1)大型の害虫を捕殺できない。 波形基材の波の高さは4〜8mm(通常の片段ボールの
波形基材の場合6mm程度)、波と波の間隔は6〜12
mm(通常の片段ボールの波形基材の場合6mm程度)
であり、空間部が狭いため、大型の害虫は空間部に潜入
できず、バンドの上を通過してしまうことがある。 2)害虫に対する薬剤の効力発現が遅い。 波形基材面に薬剤が塗布され薬剤が害虫の背中部分から
作用する構造であるが、害虫の手足あるいは腹部から薬
剤が作用する場合に比べて効力発現が遅い。従って、手
足及び腹部から薬剤が作用するようにして効力発現速度
を高めることが望まれる。 3)バンドと樹木との密着性が良すぎるため、樹木の成
長肥大化と共に波形基材と樹木面の間の隙間が徐々に狭
くなり、害虫の潜入が不能となる。 4)樹木の外周全体に巻き付ける構成であるが、巻き付
け作業が依然として繁雑である。 5)バンド自体の嵩が大きいため運搬に不便である。
【0007】また、近年、直接害虫を殺滅する殺虫剤で
はなく、害虫の変態時あるいは次世代の卵の幼若ホルモ
ンのバランスを撹乱する幼若ホルモン様活性物質(JH
A)が注目されている。例えば、ピリプロキシフェン
(4−フェノキシフェニル(RS)−2−(ピジルオキ
シ)プロピルエーテル)は各種の昆虫に対して強い活性
を示し、スギカミキリでは雌成虫に接触させることによ
って極めて顕著な孵化抑制効果を示すことが明らかにな
っている。従って、幼若ホルモン様活性物質をスギカミ
キリの被害防止に応用することが考えられるが、幼若ホ
ルモン様活性物質の生理作用は殺虫剤とは全く異なった
ものであり、その薬理作用を効果的に発現させるために
は害虫の習性を充分に利用した施用技術を確立すること
が得策である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、薬剤の作用により従来のトラップ(誘殺バンド)の
欠点を補い、大型の成虫をも確実に捕捉して殺滅する
か、あるいはその繁殖を不能とする樹木害虫用トラップ
を提供することにある。本発明の他の目的は、害虫に効
率的に薬剤が作用し得る構造のトラップ、特に害虫の手
足や腹部から薬剤が作用し得る樹木害虫用トラップを提
供することにある。また、本発明の他の目的は、薬剤と
して幼若ホルモン様活性物質を使用したときにも薬剤が
害虫に有効に作用し得る樹木害虫用トラップを提供する
ことにある。さらに、本発明の他の目的は、樹木への装
着が簡便であり、製品コストが低く、効力が長期間持続
する樹木害虫用トラップを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、従来のトラップ(誘殺バンド)では捕捉で
きなかった大型の害虫が容易に侵入潜伏し、塗布した殺
虫剤あるいは幼若ホルモン様活性物質が確実に作用し
て、害虫を殺滅あるいは繁殖を不能とするためには、暗
所を好む害虫の習性を利用すれば従来の誘殺バンドのよ
うに樹木の周囲全体に巻き付ける必要はなく、光の遮蔽
された空間部(隙間)を有するトンネル型構造のトラッ
プを樹木の周囲にある程度の間隔をおいて並べれば充分
であること、薬剤は害虫の背面からでは効果が少なく腹
面から作用させることが有効であるのでトラップの天井
部のみに塗布したのでは効果は少なく、床部分に塗布す
ることが有効であること、さらに穿孔性害虫のスギカミ
キリでは好んで侵入潜伏する空間部には適度な大きさが
あること等を確認し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は以下の害虫防除トラッ
プを提供する。 1) 樹木を潜伏習性を有する害虫から保護するための
害虫用トラップであって、前記トラップを樹木面に固着
するための接着層を外面に有する床部材と、前記床部材
の両側端部から延びて内部に害虫が侵入し得る空間を保
持する屋根部材とを備えたトンネル型構造で、少なくと
も床部材の内面に薬剤が塗布または含浸されていること
を特徴とする樹木害虫用トラップ。 2) 屋根部材が光遮蔽層を有する前記1に記載の樹木
害虫用トラップ。 3) 接着層が離型材で保護されている前記1に記載の
樹木害虫用トラップ。 4) 床部材の薬剤処理面が凹凸加工処理されている前
記1乃至3に記載の樹木害虫用トラップ。 5) 裏面に離型材で保護された接着層を有し、表面に
薬剤が塗布または含浸されている床部材に、屋根部材を
接合してなる前記1乃至4に記載の樹木害虫用トラッ
プ。 6) 害虫が侵入し得る複数の空間部を備えている前記
1乃至5に記載の樹木害虫用トラップ。 7) 薬剤が殺虫剤である前記1乃至6に記載の樹木害
虫用トラップ。 8) 殺虫剤がフェニトロチオンおよびフェンチオンか
ら選択される前記7に記載の樹木害虫用トラップ。 9) 薬剤が幼若ホルモン様活性物質である前記1乃至
6に記載の樹木害虫用トラップ。 10) 幼若ホルモン様活性物質がピリプロキシフェン
である前記9に記載の樹木害虫用トラップ。 11) 害虫が穿孔性害虫である前記1乃至10に記載
の樹木害虫用トラップ。 12) 穿孔性害虫がスギカミキリである前記11に記
載の樹木害虫用トラップ。 13) 害虫がスギカミキリであり、空間部が巾2〜2
0cm、奥行き10〜15cm、高さ3mm〜20mm
である前記1乃至10に記載の樹木害虫用トラップ。
【0011】
【発明の開示】以下、添付図面に基づいて、本発明の樹
木害虫用トラップを説明する。図1は本発明の害虫用ト
ラップの一例の斜視図であり、図2はそのA−A断面図
である。本例の害虫用トラップ1は、光を遮蔽する屋根
部材10と床部材20とからなる、いわゆる、半月状の
トンネル型構造を有している。屋根部材10及び床部材
20の内、少なくとも床部材内面20aの全体または一
部に薬剤が塗工処理(塗布または含浸)された薬剤層2
4が設けられている。また、床部材の外面20bには樹
木に固着させるため接着層21が設けられ、さらに接着
層21には樹木への取り付けが容易に行なえるように剥
離材22の剥離剤処理面が貼合せられている。使用時に
は剥離材を剥がし接着層を樹木に貼り合わせて固着され
る。
【0012】トンネル型の構造は図示した半月形状に限
定されるものでなく、角ばった形状、例えば、図3a及
び3bに示すように外枠断面が三角や台形状のものでも
よい。本例のトラップは、例えば、図4a及び4bに示
すように、少なくとも床部材となり得る面に薬剤を塗布
または含浸した薬剤層41を有する基材40を薬剤層が
内側になるように中心部(M)で折り曲げて両側端部分
を接着させて作製することができる。この場合前記中心
部に対して片面の裏面全体には予め接着剤を塗布して接
着層42を設け剥離紙43の剥離剤処理面を貼り合わせ
たものを使用する。
【0013】本発明のトラップにおいて、屋根部材及び
床部材用の基材としては紙、パルプ成形品あるいはプラ
スチック成形品等が用いられるが、トラップは野外の樹
木面に長期間接着固定され、風雨に晒されものであるか
ら耐水処理加工したものが好ましい。例えば、耐水段ボ
ールに用いられる耐水ライナー等が最も簡便である。基
材の厚さには特に制限はないが、紙基材の場合には60
〜120g/m2程度のものでよい。また、基材の内表
面にエンボス(凹凸)加工を施すと侵入潜伏した害虫と
塗布薬剤との接触効率が向上する。
【0014】接着剤としては、トラップに塗工される薬
剤等との製品保存中の影響や野外での使用期間の関係で
耐殺虫剤安定性、耐候性等を考慮して選定する必要があ
るが、例えばアクリル系粘着剤が好ましく使用される。
【0015】剥離材の基材としては、未晒クラフト紙、
上質紙、グラシン紙などが使用される。未晒クラフト紙
や上質紙の場合、剥離剤(シリコーン)処理前にシリコ
ーン塗工液の浸透防止のためのアンダーコートとしてポ
リエチレン樹脂を塗工するが、ポリビニルアルコール
(PVA)やカルボキシメチルセルロース(CMC)な
どを塗工してもよい。グラシン紙の場合は平滑な上に浸
透性が少ないので直接シリコーン処理を行なうことがで
きる。
【0016】図5は本発明の他の実施例の斜視図であ
る。この例では害虫が侵入し得るトンネル型の空間部が
2個設けられている。空間部の数は2個に限らず任意の
数とすることができる。空間部の数を複数とすることに
よって、風雨等によるトラップの変形が防止できる。本
例のトラップは、図6a及び6bに示すようにして作製
することができる。裏面に接着層と離型材を備え、表面
に薬剤を塗工処理した薬剤層を有する床部材20の両側
端部及び中心部での幅方向に接着剤Bを塗布し、この床
部材20と奥行きがほぼ同一で幅が所定量だけ大きく裁
断され、光遮蔽用の屋根用部材10を用意する(図6
a)。屋根用部材10の中央部付近に所定の高さが保持
されるように、両側端部及び中心部付近を床部材20の
対応部分に接着させることによって、2つの空間部を有
するトラップが出来上がる(図6b)。
【0017】本発明者の検討によれば、後述の試験例が
示すように空間部分の大きさは害虫によって特に高さに
適切な範囲のあることが判明した。すなわち、スギカミ
キリでは図2に示す空間部の大きさはその高さHが3m
m以上必要である。高さの上限については、薬剤が床部
材に塗工され害虫の手足腹部に作用するので特に制限は
ないが、あまり高過ぎると開口部から光が入るので好ま
しくない。製造の作業性等を考慮して、大旨高さの範囲
は10〜15mmとするのがよい。幅W及び奥行きDに
ついても、高さとのバランスがとれて、スギカミキリが
侵入し停留し得るに充分なスペースが確保されるもので
あればよい。大旨、開口部の幅は5〜10cm、奥行き
は10〜15cm程度が適当である。トラップが大きく
なると、樹木の枝・節などの存在により取り付け場所の
選択が困難となる。
【0018】本発明では、暗所を好む害虫のトラップ内
への侵入潜伏をより容易にするために屋根部材に光遮蔽
層を設けることができる。光遮蔽層は、基材を黒色等に
着色したものであり、例えば黒色のインクを使用して印
刷法により形成することができる。
【0019】トラップ内表面の少なくとも床部材表面に
塗工される薬剤は害虫を殺滅する殺虫剤または害虫の変
態を抑制する幼若ホルモン様活性物質等のIGR剤( I
nsect Growth Regulator )である。共に害虫が忌避し
ないものを選択して使用する。殺虫剤としては従来使用
されている有機リン系、ピレスロイド系、カーバメート
系のものが使用できる。
【0020】有機リン系殺虫剤の具体例としては、
(1)O,O−ジエチル−S−2−(エチルチオ)エチ
ルホスホロジチオエート(エチルチオメトン)、(2)
O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−
ピリジルホスホロチオエート(クロルピリホス)、
(3)O,O−ジメチル−O−3,5,6−トリクロロ
−2−ピリジルホスホロチオエート(クロルピリホスメ
チル)、(4)2−クロロ−1−(2,4−ジクロロフ
ェニル)ビニルジメチルホスフェート(ジメチルビンホ
ス)、(5)O,O−ジメチル−S−(N−メチルカル
バモイルメチル)ジチオホスフェート(ジメトエー
ト)、(6)(2−イソプロピル−4−メチルピリミジ
ル−6)−ジエチルチオホスフェート(ダイアジノ
ン)、(7)O−2,4−ジクロロフェニル−O−エチ
ル−S−プロピルホスホロジチオエート(プロチオホ
ス)、(8)O,O−ジプロピル−O−4−メチルチオ
フェニルホスフェート(プロパホス)、(9)O−4−
ブロモ−2−クロロフェニル=O−エチル=S−プロピ
ル=ホスホロチオアート(プロフェノホス)、(10)
O,O−ジメチル=O−3−メチル−4−(メチルスル
フィニル)フェニル=ホスホロチオアート(メスルフェ
ンホス)、(11)2−クロロ−1−(2,4,5−トリ
クロロフェニル)ビニルジメチルホスフェート(CVM
P)、(12)2−クロロ−1−(2,4−ジクロロフェ
ニル)ビニルジエチルホスフェート(CVP)、(13)
O,O−ジメチル−O−p−シアノフェニルチオホスフ
ェート(CYAP)、(14)O,O−ジメチル−S−
[5−メトキシ−1,3,4−チアジアゾル−2(3
H)オニル−(3)−メチル]ジチオホスフェート(D
MTP)、(15)ジエチルジクロロフェニルチオホスフ
ェート(ECP)、(16)ジメチルエチルスルフィニル
イソプロピルチオホスフェート(ESP)、(17)O,
O−ジメチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニ
ル)チオホスフェート(MEP:フェニトロチオン)、
(18)O,O−ジメチル−O−[3−メチル−4−(メ
チルチオ)フェニル]チオホスフェート(MPP:フェ
ンチオン)、(19)ジメチルジチオホスホリルフェニル
酢酸エチル(PAP)、(20)O,S−ジメチル−N−
アセチルホスホロアミドチオエート(アセフェート)な
どが挙げられる。
【0021】ピレスロイド系殺虫剤の具体例としては、
(1)2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロ
ピル=3−フェノキシベンジル=エーテル(エトフェン
プロックス)、(2)(RS)−α−シアノ−3−フェ
ノキシベンジル=(Z)−(1RS,3RS)−3−
(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)
−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(シハロトリン)、(3)(RS)−α−シアノ−4−
フルオロ−3−フェノキシベンジル=(1RS,3R
S)−(1RS,3SR)−3−(2,2−ジクロロビ
ニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラ
ート(シフルトリン)、(4)(RS)−α−シアノ−
3−フェノキシベンジル=(1RS,3RS)−(1R
S,3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,
2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(シペル
メトリン)、(5)(S)−α−シアノ−3−フェノキ
シベンジル=(1R,3S)−2,2−ジメチル−3−
(1,2,2,2−テトラブロモエチル)シクロプロパ
ンカルボキシラート(トラロメトリン)、(6)(R
S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル=(RS)
−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブタノアー
ト(フェンバレレート)、(7)(RS)−α−シアノ
−3−フェノキシベンジル=2,2,3,3−テトラメ
チルシクロプロパンカルボキシラート(フェンプロパト
リン)、(8)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシ
ベンジル=(S)−2−(4−ジフルオロメトキシフェ
ニル)−3−メチルブチラート(フルシトリネート)、
(9)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル
=N−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−
トリル)−D−バリナート(フルバリネート)、(10)
3−フェノキシベンジル=(1RS,3RS)−(1R
S,3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,
2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(ペルメ
トリン)などが挙げられる。
【0022】カーバメート系殺虫剤の具体例としては、
(1)S−メチル−N−[(メチルカルバモイル)オキ
シ]チオアセトイミデート(メソミル)などが挙げられ
る。
【0023】これらの殺虫剤は対象とする害虫によって
適宜選択使用されるが、スギカミキリの場合は、例え
ば、有機りん系殺虫剤のフェニトロチオン、フェンチオ
ンなどが好ましい。
【0024】幼若ホルモン様活性物質は、蛹化、羽化な
どの昆虫に特有の成長段階を抑制する作用を有し、幼虫
のホルモンバランスが撹乱され正常な変態ができず、摂
食・繁殖行動などが不能な状態となりでやがて死に至ら
しめるほか、変態を終わった成虫では次世代の卵を孵化
不能にする作用がある。幼若ホルモン様活性物質は変態
の終わった成虫には何らの影響も及ぼさないが、スギカ
ミキリでは成虫の樹木摂食による被害はなく、害虫とな
り得る次世代の幼虫の孵化を抑制することによって防除
の目的が達成される。この物質は幼若ホルモンに関係の
ない哺乳動物、両棲類、魚類などには毒性が弱く無害で
あり、害虫となり得る昆虫のみに顕著な効果が発現す
る。
【0025】幼若ホルモン様活性物質の具体例として
は、(1)4−フェノキシフェニル−2−(2−ピリジ
ルオキシ)プロピルエーテル(一般名:ピリプロキシフ
ェン)、(2)エチル−2−(4−フェノキシフェノキ
シ)エチルカーバメート(一般名:フェノキシカル
プ)、(3)イソプロピル−(2E,4E)−11−メ
トキシ−3,7,11−トリメチル−2,4−ドデカジ
エノエート(一般名:メソプレン)、(4)4−クロロ
−2−(2−クロロ−2−メチルプロピル)−5−(6
−ヨード−3−ピリジルメトキシ)ピリダジン−3(2
H)−オン、(5)エチル−(2E,4E)−3,7,
11−トリメチル−2,4−ドデカジエノエート(一般
名:ヒドロプレン)などが挙げられる。これらの活性物
質は防除対象となる害虫によって適宜選択すれば良い
が、スギカミキリの場合は、ピリプロキシフェンが好ま
しい。
【0026】ピリプロキシフェンは、スギカミキリ雌成
虫の体表面から吸収されて卵巣内に移行し、産卵直前の
卵内に伝達され、その後、産卵された卵の胚発生は正常
に進んで孵化直前まで発育するが、孵化の段階でピリプ
ロキシフェンにより卵内のホルモンバランスが撹乱され
孵化不能となる。またピリプロキシフェンの吸収量が不
十分で孵化した幼虫も皮膚機能に障害を生じ、孵化後間
もなく死亡する。
【0027】これら薬剤の塗布あるいは含浸量は、薬剤
の種類に依存するので一概に規定できないが、本発明の
トラップでは従来の誘殺バンドに比べて害虫の潜伏侵入
率が高く、また薬剤が害虫の腹部に接触吸収されるた
め、従来よりも少量の薬剤塗布で作用する。例えば、ス
ギカミキリの場合、ピリプロキシフェンでは100μg
/cm2〜500μg/cm2、好ましくは200〜30
0μg/cm2塗布すればよく、また、フェニトロチオ
ンでは50μg/cm2〜1000μg/cm2、好ましくは
100〜500μg/cm2塗布すればよい。なお、潜
伏習性を有する害虫はトラップの特に狭い隅部分に停留
するから、隅の狭い部分の床部材内面のみに薬剤を塗布
した省薬型のトラップでも充分な作用効果を得ることが
できる。
【0028】薬剤の塗布あるいは含浸の方法は、基材に
有効成分を直接塗布あるいは含浸する方法の他、例えば
有効成分に乳化剤、揮発剤などの添加剤および溶剤を加
えて溶液とした後、その溶液を基材に噴霧や塗布する方
法、基材をその溶液に含浸する方法など周知の方法で行
なうことができる。
【0029】
【作用】本発明の樹木害虫用トラップは、具体的に、例
えばスギカミキリの被害防除に適用する場合には、図7
に示すように開口部を樹木の上下方向に向け、剥離紙を
剥がし床部材の接着層を樹木表面に接着固定する。害虫
は暗所を好む習性があるので、本発明のトラップは従来
の誘殺バンドのように樹幹の周囲全体に並べる必要はな
く、例えば10cm×10cmのトラップであれば、ト
ラップの間隔を5〜10cm程度の間をおいて設置すれ
ばよい。
【0030】スギカミキリは遮光部材により遮光された
トラップに侵入する。開口部は従来のバンドの開口部に
比べて充分に大きいから以前は入りきらなかった大型の
ものも侵入潜伏する。その後は隅の狭い部分に移動し停
留するが、その間に床材に塗布された薬剤がスギカミキ
リの手足及び腹部から作用する。すなわち殺虫剤を使用
した場合には昆虫は死滅し、幼若ホルモン様活性物質
(ピリプロキシフェン)を使用した場合には、吸収され
た活性物質がスギカミキリの雌成虫の卵巣内に移行し、
産卵直前の卵内に伝達される。産卵された卵の胚発生は
正常に進んで孵化直前まで発育する。しかし、孵化の段
階で卵内のホルモンバランスが撹乱され孵化不能とな
る。また、ピリプロキシフェンの吸収が不十分で孵化し
た個体も皮膚機能に障害が生じ、孵化後間もなく死亡す
る。変態を終わったスギカミキリの成虫には何等の異常
も認められないが、成虫の摂食による被害はないので次
世代の幼虫が孵化しないことによって被害防除の目的が
達成される。
【0031】
【実施例】以下、試験例および実施例を示して本発明を
より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
り限定されるものではない。
【0032】試験例1 図8に示すように、10cm×10cm×30cmのア
クリル板製の容器5の中央部に10cm×10cmの可
動式壁6が設けられた試験装置を用い、スギカミキリを
1頭ずつ試験装置に供試し(雄雌各6頭、平均体長:雄
23.1mm,雌:18.1mm、平均体厚:雄 4.6mm,雌:
3.4 mm)可動式壁からの隙間を1時間毎に1mmずつ
6mmまで変化させて、それぞれの隙間でのスギカミキ
リ成虫の自発行動を観察し隙間への潜入個体数を調べ
た。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】 隙間への潜入個体数 性 別 供試虫数 隙間の間隔(mm) 0 1 2 3 4 5 6 雄 6 0 0 1 2 6 5 6 雌 6 0 0 0 1 1 4 6 合 計 12 0 0 1 3 7 9 12
【0034】表1より、スギカミキリの侵入に必要な隙
間の間隔は3mm以上、好ましくは4mm以上であるこ
とがわかる。
【0035】試験例2 試験例1の装置を用い1頭ずつ供試したスギカミキリ
(雄9頭,体厚 4.0〜5.1 mm;雌5頭,体厚 2.6〜3.
9 mm)に対して可動式の壁6の位置を移動して腹部及
び背部の接触状況を観察して、潜入が可能な隙間の間隔
を評価した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】 隙間で接触移動可能な個体数 性 別 供試虫数 隙間の間隔(mm) 0 1 2 3 4 5 6 雄 9 0 0 0 5 9 0 0 雌 5 0 0 1 4 1 0 0 合 計 14 0 0 1 9 10 0 0
【0037】表2より、スギカミキリの腹背部が良好に
接触して移動し得る隙間の間隔は3〜4mmであること
がわかる。
【0038】実施例1 ピリプロキシフェン原体をアセトンに溶解して100μ
g/cm2となるように塗布した紙基材(10×12c
m)にスギカミキリ雌成虫(16頭)の手足腹部が接触
するように24時間放置した後、採卵し、孵化率を調査
した。その結果を表3に示す。
【0039】実施例2 無塗布の基材上にスギカミキリ雌成虫(14頭)を放
し、実施例1と同様にしてピリプロキシフェンが100
μg/cm2となるように塗布した基材の薬剤塗布面
を、前記無塗布の基材と4mmの間隔を維持するように
保持してスギカミキリ成虫の背部に接触するように24
時間放置した後は実施例1と同様にして採卵し、孵化率
を調査した。その結果を表3に示す。
【0040】比較例1 ピリプロキシフェンを塗布しない無処理の紙基材(対
照)についてスギカミキリ雌成虫(14頭)を使用して
実施例1と同様に実験を行なった。結果を表3に示す。
【0041】
【表3】 薬剤接触部位 供試成虫数 供試卵数 孵化幼虫数 孵化率 実施例1 手足腹部 16 1197 143 11.9% 実施例2 背部 14 592 387 65.4% 比較例1 なし 10 460 400 87.0%
【0042】表3より、カミキリムシの特に手足腹部に
薬剤を接触させることによって孵化率が大きく抑制され
ることがわかる。
【0043】実施例3 ピリプロキシフェン原体をアセトン(A)またはキシレ
ン(K)に溶解し、ろ紙上に乾燥薬剤塗布量が150、
300及び600μg/cm2となるように塗布したも
の(それぞれ、A150、A300、A600、K15
0、K300及びK600と略記する。)について、各
々スギカミキリ雌成虫(9頭)を個体毎に放虫した後、
採卵し、孵化率を調査した。その結果を薬剤を塗布しな
い対照についての結果と共に図9に示す。図9から、い
ずれの溶剤を使用した場合にも対照に比べて顕著な孵化
抑制効果が認められ、薬剤の塗布量を選択することによ
ってほぼ完全に孵化抑制ができることが分かる。
【0044】実施例4 幅10cm、空間の最大高さ12mm、奥行き10cm
のトンネル型の空間を備え、光遮蔽層を有する空間内の
床部材及び屋根部材の内面全体に乾燥時の塗布量が50
0μg/cm2となるようにピリプロキシフェンを塗布
したもの(500F)、床部材として内面をエンボス
(凹凸)加工したもの(凹凸の高さ約4mm、凹凸の間
隔約20mm、列間10mm、千鳥型配列)を使用し内
面全体に乾燥時の塗布量が500μg/cm2となるよ
うにピリプロキシフェンを塗布したもの(500E)、
さらに床部材の両サイドの1/5(床部材全体の2/
5)に乾燥時の塗布量が250μg/cm2、500μ
g/cm2及び1000μg/cm2となるようにピリプロキ
シフェンを塗布した省薬型トラップ(それぞれ250
S、500S及び1000Sと略記する。塗布薬剤量は、5
00Fに対して、それぞれ1/10、1/5及び2/
5)を作製した。各トラップを各々直径約8〜10c
m、高さ50cmのスギ丸太に装着した後、3〜4頭の
スギカミキリ雌成虫をスギ丸太上部に放し、48時間観
察した。この間、放虫4時間20分後、31時間5分
後、及び45時間30分後の3回にわたって行動をチェ
ックした。その結果、トラップ利用率は平均 89.3 %に
達し、最終的には放虫した成虫はすべて自主的にトラッ
プ内に侵入・定着した。さらに、48時間放虫した後、
採卵し、孵化率を調査した。その結果をピリプロキシフ
ェンを塗布しないトラップ(対照)の結果と共に図10
に示す。図10からピリプロキシフェンを塗布しないも
のに比べて、塗布したものは孵化率が顕著に抑制される
こと、特に床部材内面をエンボス加工したものでは抑制
効果が大きい(100%)ことがわかる。
【0045】実施例5 実施例4と同じく、幅10cm、空間の最大高さ12m
m、奥行き10cmのトンネル型の空間を備え、光遮蔽
層を有する空間内の床部材の内面全体に乾燥時の塗布量
が 1,000μg/cm2、500μg/cm2、250μg
/cm2、125μg/cm2、 62.5 μg/cm2とな
るようにフェニトロチオン50%乳剤を所定量のアセト
ンで希釈調製した薬液を塗布したトラップ(それぞれ10
00P、500P、250P、125P及び62.5Pと略記
する。)を各々2枚ずつ直径約8〜10cm、高さ50
cmのスギ丸太に装着した後、スギカミキリ雄成虫5頭
をスギ丸太上部に放し、72時間観察した。放虫試験は
各トラップについて各々3回ずつ行なった。放虫4時間
後、6時間後、9時間後、22時間後、48時間後及び
72時間後の6回にわたって麻痺落下(ノックダウン)
した虫数を求めた結果を表4〜表8に示す。
【0046】
【表4】 トラップ 1000 P 麻痺落下虫数 回数(虫数) 4 6 9 22 48 72(時間後) 1回目 (5) 4 4 5 5 5 5 2回目 (5) 1 2 4 5 5 5 3回目 (5) 1 3 5 5 5 5 計 (15) 6 9 14 15 15 15 落下率(%) 40 60 93 100 100 100
【0047】
【表5】 トラップ 500P 麻痺落下虫数 回数(虫数) 4 6 9 22 48 72(時間後) 1回目 (5) 4 5 5 5 5 5 2回目 (5) 1 5 5 5 5 5 3回目 (5) 4 4 5 5 5 5 計 (15) 9 14 15 15 15 15 落下率(%) 60 93 100 100 100 100
【0048】
【表6】 トラップ 250P 麻痺落下虫数 回数(虫数) 4 6 9 22 48 72(時間後) 1回目 (5) 2 4 5 5 5 5 2回目 (5) 1 5 5 5 5 5 3回目 (5) 1 4 4 5 5 5 計 (15) 4 13 14 15 15 15 落下率(%) 27 87 93 100 100 100
【0049】
【表7】 トラップ 125P 麻痺落下虫数 回数(虫数) 4 6 9 22 48 72(時間後) 1回目 (5) 1 2 4 5 5 5 2回目 (5) 1 3 5 5 5 5 3回目 (5) 1 2 5 5 5 5 計 (15) 3 7 14 15 15 15 落下率(%) 20 47 93 100 100 100
【0050】
【表8】 トラップ 62.5P 麻痺落下虫数 回数(虫数) 4 6 9 22 48 72(時間後) 1回目 (5) 0 0 2 5 5 5 2回目 (5) 0 0 2 4 5 5 3回目 (5) 1 1 3 3 3 5 計 (15) 1 1 7 12 13 15 落下率(%) 7 7 47 80 87 100
【0051】スギカミキリ成虫は1日2回の行動を起こ
し、それ以外の時間帯は樹皮の隙間等に潜伏し、1回の
潜伏時間は10時間前後である。表4〜表8より、フェ
ニトロチオンを125〜250μg/cm2塗布したト
ラップにおいては9時間で93%のノックダウン効果が
得られ、またフェニトロチオンを500μg/cm2
上塗布したトラップでは9時間で100%のノックダウ
ン効果が得られており、本例のトラップは潜伏性害虫に
対して極めて有効であることが分かる。
【0052】
【発明の効果】本発明の樹木害虫用トラップは、樹木を
潜伏習性を有する害虫から保護するための害虫用トラッ
プであって、前記トラップを樹木面に固着するための接
着層を外面に有する床部材と、前記床部材の両側端部か
ら延びて内部に害虫が侵入し得る空間を保持する屋根部
材とを備えたトンネル型構造を有し、少なくとも床部材
の内面に薬剤が塗布または含浸されていることを特徴と
する樹木害虫用トラップである。本発明のトラップは、
従来用いられている誘殺バンドに比べて害虫の侵入効率
が高く、また侵入した害虫のトラップ内での定着(停
滞)率も高いこと、薬剤は少なくとも害虫の手足腹部に
接触する床部材面に塗工されているため薬剤吸収に優
れ、殺虫剤による害虫の殺滅、及び幼若ホルモン様活性
物質による孵化抑制等による樹木被害防止効果に優れる
こと、暗所へ侵入潜伏する害虫の習性を最大限に利用し
ているので、従来の誘殺バンドのように樹幹の周囲全体
を覆うように巻き付ける必要はなく、また取付け作業も
簡単であること、小型軽量であり、従来製品に比べて運
搬時の容積・重量が格段に軽減されること、潜伏習性の
ない他の昆虫類に対しては影響がなく、薬剤の使用がト
ラップに限定されており、トラップを回収することによ
り残留薬剤の環境への影響が防がれることなどの特長を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の樹木害虫用トラップの一例の斜視図
である。
【図2】 図1の樹木害虫用トラップのA−A断面図で
ある。
【図3】 a及びbは本発明の他の樹木害虫用トラップ
の外枠の形状を示す断面図である。
【図4】 a及びbは図1の他の樹木害虫用トラップの
組立て説明図である。
【図5】 本発明の樹木害虫用トラップの他の実施例の
斜視図である。
【図6】 a及びbは図5の樹木害虫用トラップのの組
立て説明図である。
【図7】 本発明の害虫防除トラップの樹木への適用図
である。
【図8】 試験例で用いた試験装置の説明図である。
【図9】 実施例3のピリプロキシフェン剤のスギカミ
キリ雌成虫に対する効果を示すグラフである。
【図10】 実施例4のピリプロキシフェンを使用した
本発明の樹木害虫用トラップによるスギカミキリの卵の
孵化率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 樹木害虫用トラップ 10 屋根部材 20 床部材 21,42 接着層 22 剥離材 24,41 薬剤層 40 基材 43 剥離紙

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹木を潜伏習性を有する害虫から保護す
    るための害虫用トラップであって、前記トラップを樹木
    面に固着するための接着層を外面に有する床部材と、前
    記床部材の両側端部から延びて内部に害虫が侵入し得る
    空間を保持する屋根部材とを備えたトンネル型構造で、
    少なくとも床部材の内面に薬剤が塗布または含浸されて
    いることを特徴とする樹木害虫用トラップ。
  2. 【請求項2】 屋根部材が光遮蔽層を有する請求項1に
    記載の樹木害虫用トラップ。
  3. 【請求項3】 接着層が離型材で保護されている請求項
    1に記載の樹木害虫用トラップ。
  4. 【請求項4】 床部材の薬剤処理面が凹凸加工処理され
    ている請求項1乃至3のいずれかの項に記載の樹木害虫
    用トラップ。
  5. 【請求項5】 裏面に離型材で保護された接着層を有
    し、表面に薬剤が塗布または含浸されている床部材に、
    屋根部材を接合してなる請求項1乃至4のいずれかの項
    に記載の樹木害虫用トラップ。
  6. 【請求項6】 害虫が侵入し得る複数の空間部を備えて
    いる請求項1乃至5のいずれかの項に記載の樹木害虫用
    トラップ。
  7. 【請求項7】 薬剤が殺虫剤である請求項1乃至6のい
    ずれかの項に記載の樹木害虫用トラップ。
  8. 【請求項8】 殺虫剤がフェニトロチオンおよびフェン
    チオンから選択される請求項7に記載の樹木害虫用トラ
    ップ。
  9. 【請求項9】 薬剤が幼若ホルモン様活性物質である請
    求項1乃至6のいずれかの項に記載の樹木害虫用トラッ
    プ。
  10. 【請求項10】 幼若ホルモン様活性物質がピリプロキ
    シフェンである請求項9に記載の樹木害虫用トラップ。
  11. 【請求項11】 害虫が穿孔性害虫である請求項1乃至
    10のいずれかの項に記載の樹木害虫用トラップ。
  12. 【請求項12】 穿孔性害虫がスギカミキリである請求
    項11に記載の樹木害虫用トラップ。
  13. 【請求項13】 害虫がスギカミキリであり、空間部が
    巾2〜20cm、奥行き10〜15cm、高さ3mm〜
    20mmである請求項1乃至10のいずれかの項に記載
    の樹木害虫用トラップ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008100920A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Arysta Lifescience Corp 害虫駆除材
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CN115053871A (zh) * 2022-05-26 2022-09-16 中国农业科学院郑州果树研究所 一种果园害虫复合诱杀器

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