JPH0829790B2 - 外部に配置され、分配された生産物を切断する空動き動作を行う出口バルブを有する粘性生産物のディスペンサー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ねり歯みがきのような粘性生産物に特に有
用な、手動操作ポンピングデイスペンサーに関するもの
である。

背景 1983年12月27日に米国に出願され、本譲受人に譲渡さ
れた係属中の出願（06/565,540）に、粘性生産物のデイ
スペンサーが示されており、それには管の出口を開閉す
る一体の外部バルブを備えた作動レバーが示されてい
る。その装置は、多くの観点から非常に魅力あるもので
あることが判明した。特に、ポンピングストロークの間
に、チエツク出口バルブの機能がデイスペンサーからの
生産物の薄層の流れを妨げたり、破砕したりすることが
ないように要求される場合、例えば分配されるべき生産
物が、容器内部において注意深く、薄く重ねられた縞状
の物質の層を形成しているねり歯みがきから成り、ユニ
ツトから分配される生産物の円柱体を美しく見せるため
にその層を整然とした状態に維持する必要がある場合で
ある。

しかしながら、従来のバルブが閉じる時に行なう「は
ね上げ戸」に似た動作は、多量の生産物を管に対して押
し付け、見苦しい生産物のかすを生じさせる傾向にある
ことがわかつた。これは、また、分配された生産物の円
柱体をバルブに付着させると共に、管内に残存する生産
物から十分に分離させない傾向にある。加うるに、ある
場合には、バルブフラツプが十分に出口を解放しないう
ちに、ポンピングピストンの動作によつて生産物が管か
ら押出される傾向のあることがわかつた。

本発明の概要 よつて、本発明の重要な目的は、前記先行技術（米国
出願）記載の構成による利益を維持したまま、出口バル
ブとアクチユエータの構造を改良することにある。すな
わち、分配される生産物の不適切な切断に伴う問題と放
出管に発生する見苦しさは、早すぎるポンピング動作と
同様に、除去される。

上記に鑑みて、本発明は、バルブフラツプがその閉鎖
位置に戻るときに、フラツプが出口に対して横向きにギ
ロチンに似た剪断動作を行なうように、バルブフラツプ
と管端の構造と配置を考慮したものである。この観点に
おいて、バルブフラツプは、アーチ形の管端面の軸線と
一致する軸線を軸としたアーチ形の行程を通つて動く。
それにより、バルブフラツプが復帰動作する間に、バル
ブフラツプが管端に近く且つ接触する関係で動いて、管
からぶら下つた状態にある生産物の円柱体を、管をたた
いたりあるいはその自由な動きを妨げることがないよう
にして、きれいに剪断する。さらに、アクチユエータと
出口バルブとの組合せユニツトが放出管に装着されてい
る。このユニツトは、ユニツトのアクチユエータ部の押
下げ動作がポンピングピストンにポンピングストローク
を通る運動を開始させる前に、出口バルブに放出口の出
口を十分に開放させるだけの初期空動き運動を行なわせ
る。その結果、バルブフラツプは、ポンピングピストン
の影響によつて出口から生産物が放出される時には、管
出口から完全に取除かれている。

実施例の詳細な説明 デイスペンサー10は管状あるいは筒状のボデイ（本
体）12を備え、そのボデイ12は、下端14において、下端
14にさしわたされた装飾的な閉板18あるいはそれと同等
物の孔16を介して大気に開口している。浮動ピストン20
はボデイ12の内壁面とシール状態に係合し、そして該ピ
ストンの底部に下外方に張り出したメタルスカート22あ
るいはそれと同等物を有し、そのスカートは同様にボデ
イ12の内表面に係合している。スカート22は十分な弾性
を備え、そのスカートはピストン20がボデイ12内におい
て上動するのを許容するのに必要な程度に下方にそり反
つている。さらに、これと同時に、スカート22は十分な
剛性を有し、それによりボデイ12内でピストン20が下方
へ動こうとするときにボデイの壁面に喰いつき、それに
よりピストン20の上記下動が阻止される。

ボデイ12の他端24は、横向きに延びるウエブ部28によ
つて支持されると共に垂直に中央に配置されたスリーブ
26を備えている。そのスリーブ26は、ポンピングピスト
ン32の管状軸30を往復動可能に被挿し、そのピストン32
は外周をボデイ12の内壁面にシール状態に係合させてい
る。通路34が管状軸30内に構成され、そして２つのピス
トン20と32がボデイ12と共働してそれらの間にポンピン
グ室36を形成している。

上記スリーブ26は、管状の放出管38の下端の一部を被
挿しており、その放出管38自体は、プランジヤー軸30の
上端を被挿すると共にそこに確実に固定されている。放
出通路40は放出管38内に設けられ、放出口42がその最上
端に位置している。ピストン32と放出管38を、第１図に
示すように、上方の付勢された位置に向けて偏倚させる
ため、コイルスプリング44とピストン軸30に捲回すると
共に、そのスプリングを放出管38の下端とスリーブ26の
内側に屈曲した下端46との間に装着している。

デイスペンサー10は、またアクチユエータユニツトを
も備え、それは概括的に数字48で表わされ、且つ放出管
38上の支点ピン50に回転可能に設けられている。支点ピ
ン50は、放出管38の相対向する一対の両側面から横向き
に突出する一対のピンとして具現され、そしてアクチユ
エータユニツト48の一対の脚（１つの脚52だけが図示さ
れている）が放出管38上に載設され、且つそれらの脚の
中心部分がそれぞれの支点ピン50上に位置している。

一対の脚52は所定の角度と長さで前方に突出してお
り、それによりそれらの脚は放出管38に臨むボデイ12上
のそれぞれの棚54の下方に位置している。上記棚54のそ
れぞれは、その最外端に端面である第１の固定面56を有
している。その底面56は、アクチユエータ48が第１図の
待機状態にある時に、脚52の上下側面のうち支点ピン50
と反対側に位置する上側面の中央に近い部分と接触状態
に係合している。そのようにして、第１の固定面56は支
点ピン50と共働してそれらの間に脚52を位置させてい
る。スプリング44のスプリング力はこの関係を維持する
手助けとなつており、そしてアクチユエータ48は下前方
に突出している脚により第１図の位置を保とうとする傾
向にあり、その結果、それらの最外端58は、棚の第１の
固定面56よりも内側に位置する棚54の底面である第２の
面60の下方に位置することになる。

脚52は、管状軸30の反対側とスリーブ26にまたがり、
ピン50上で軸支されている。図２から図３の状態に押し
下げられるにつれ、アクチュエータユニット48として脚
52はピン50周りに揺動する。かかる間、脚52は、固定さ
れた棚54の上側に抗し、ユニット48は、スプリング44の
復帰力に抗し、ピン52周りに揺動する。なお、第４図
は、第２図から第３図に示されたように、アクチュエー
タユニットが押し下げられた場合の棚54に抗する脚52及
び棚54の関係を示す管状軸30の断面図を示したものであ
る。

アクチユエータ48は、支点ピン50からみて一方向側に
指係合部62を備えると共に、そのピンからみて他方向側
にバルブフラツプ部64を備えている。そのフラツプ部64
は、中間ウエブ部66を介して指係合部62と一体に構成さ
れており、さらにバルブフラツプ部64は、アクチユエー
タ48が第１図の位置にあるときに、放出口42を完全にカ
バーして閉じるような寸法を有している。

放出管38の放出口42の最外端面は横からみてアーチ形
となつており、そのアーチ形面の中心軸線は支点ピン50
の軸線と一致している。また、バルブフラツプ自体は、
特にその下側面が、放出口42のアーチ形端面を補完する
ように横から見てアーチ形となつている。そのようにし
て、放出口42の露呈した端面、バルブフラツプ64の下面
及びアクチユエータユニツトの回転動作の軸の全ての軸
線が支点ピン50の軸線と一致している。好ましくは、ア
クチユエータ48が第１図の位置にあるときに、バルブフ
ラツプ64は、その下面が放出口42の外向きの端面と軽く
接触するような位置にあるのが望ましい。

願わくば、デイスペンサー10にオーバーキヤツプ68を
備えさせ、そのオーバーキヤツプ68をその底部の係合ス
ナツプ台の弾性を利用してボデイ12に対してぱちんと閉
じるようにすることもできる。また、オーバーキヤツプ
68の横向きの頂壁72を、バルブフラツプが第１図に示す
ように放出口42を完全に閉じる位置にあるときに、バル
ブフラツプ64の上方後端と当接する位置に配設し、それ
によりバルブフラツプ64の閉鎖位置を維持するスプリン
グ44の力を補わせることができる。

作用 復帰ばね44は、通常、ポンピングピストン32,放出管3
8及びアクチユエータユニツト48を、バルブフラツプ64
が放出口42をきつくカバーしてシール状態に閉鎖する第
１図の位置に維持している。オーバーキヤツプ68を取り
除いた後、アクチユエータ48の指係合部62へ指の力を下
向きに加えると、指係合部は支点ピン50のまわりに時計
回り方向に下向きに回転し、バルブフラツプ64は、上記
したと同じ方向に第２図に示された位置に至るまで放出
口42からスライドする。そのような初期の空動きの間に
は、上方に位置する棚54の第１の固定面56は相応する脚
58と係合したままの状態にあり、そして第１の固定面56
に対する脚52の接触点は、脚52に沿つてその外端58に向
けて僅かに動く。このとき、支点ピン50と棚54の表面56
との間の距離が僅かに増大して、脚52の最外端が棚54の
第２の面60と当接するように上向きに回転するのが許容
されるので、この間に、放出管38もまた非常に僅かに少
しだけ下方に動く。そのときまでに、脚52の外端58が回
転して第２の面60に当接し、放出口42はバルブフラツプ
64によつて実質的に完全に開放されているのが第２図か
ら明らかであろう。しかしながら、ポンピングピストン
32の実質的なポンプ動作はまだ起つていない。その後、
指係合部を押し続けると、アクチユエータユニツト48は
それが支えられている点を、点50から、棚54の表面60に
対して脚52が係合する点まで変え、これにより脚52の外
端58が第２の面60に対して支点となるように当接するこ
とになる。その間に、ポンピングピストン32は下方に押
し下げられて、脚52は第３図の位置に達するまで第１の
固定面56から離間し、この時に一方向への十分なポンピ
ングストロークが完了することになる。

その後、指係合部60上に加えていた指の力を取り除く
と、スプリング44がアクチユエータ48を反時計回り方向
に回転させながら、ポンピングピストン32と放出管38と
も第１図の位置に復帰させる。この復帰の過程におい
て、アクチユエータ48は第２図に示した位置に達して、
バルブフラツプ64は放出口42上にちようどスライドバツ
クし始める。この時、ピストン32が実質的に停止するよ
うになる間に、アクチユエータ48を空動きさせるように
反時計回り方向に付勢し続けるのに十分なスプリング力
がスプリング44内に残存している。

その後、バルブフラツプ64が開放状態にある放出口42
の端を横切つて下方にスライドし、これによりフラツプ
64は放出管34から延びる生産物の円柱体を切断するよう
に通過して、生産物を放出管34内に残存する生産物から
のギロチンのように切断する。このときまでに、バルブ
フラツプ64は放出口42をカバーするように十分に復帰す
る。そして、生産物の円柱体は管38内に残存する生産物
から小綺麗で、清潔で、視覚的に満足される態様で、完
全に離間している。そして放出口42の中にもまわりに
も、結果的に残留物を残さない。

ポンピング室36内の生産物が空になると共に、放出口
42がバルブフラツプ64で閉じられ、しかも美的なエンド
カバー18の孔16を通して大気圧がピストン20の底部に加
つているため、浮動ピストン20は対応する移動量だけポ
ンピング室36内を上方に動く。この観点から以下のこと
が理解されよう。即ち、ポンピングストロークが迅速に
行なわれる間に空にされたポンピング室60の空白部分を
再度充填する動作中に、バルブフラツプが分配されるべ
き生産物の特性に基づいてチエツクバルブとして機能し
て、生産物が放出管38内を大きく後退するのが抑制さ
れ、それによりポンピング室36の有効体積を、排出され
た生産物の量に応じて減少させるのに適当な挙動で、ピ
ストン20がポンピング室36内を上方に浮動し得るのが理
解されよう。

ここには、本発明のただ１つの実施例だけが示されて
いるに過ぎないことが認識されよう。しかしながら、上
記実施例に対する様々で明白な変更が、本発明の精神か
ら離れることなく本発明の目的のもとに、当業者に明ら
かであろう。これにより、本発明の範囲が、時折当業者
によつてなされるいかなる明白な変更をも含むというこ
とが理解されよう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の目的に従つて構成されたデイスペン
サーの縦断面図であつて、放出口がアクチユエータのバ
ルブフラツプ部によつて十分に閉じられた加圧，待機位
置におけるそのアクチユエータを示している。 第２図は、第１図におけるデイスペンサーの部分縦断面
図であり、しかしながらアクチユエータのバルブフラツ
プ部が放出口を開放しているが、ポンピングピストンの
押し下げがまだ始つていない間の、初期の空動きが完了
した際のアクチユエータを示している。 第３図は、第２図と同様のデイスペンサーの部分縦断面
図であり、しかしながらポンピングピストンが十分押し
下げられる最大限の範囲まで動かされたアクチユエータ
を示している。 第４図は、第２図から第３図に示されたように、アクチ
ュエータユニットが押し下げられた場合の棚54に抗する
脚52及び棚54の関係を示す管状軸30の断面図である。 主要符号 10……デイスペンサ、12……ボデイ 20……浮動ピストン、32……ポンピングピストン 34,40……通路、38……放出管 42……放出口、48……アクチユエータ 50……支点ピン、52……脚 56……第１の固定面、60……第２の面 64……バルブ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】粘性物質用のディスペンサーであって、 粘性物質用の本体と、 前記本体内に往復動自在に取り付けられ、粘性物質を前
   記本体の内部から外部へ押し出すための放出通路を有す
   るポンプ手段と、 初めて使用する時には、前記放出通路とは反対側の前記
   本体内に位置し、前記本体内を前記ポンプ手段側に向け
   てのみ移動可能で、粘性物質が放出される毎に前記本体
   内の一塊の粘性物質を前記ポンプ手段側に向けて押し進
   める浮動ピストンと、 前記ポンプ手段に取り付けられると共に、前記放出通路
   の放出口を開閉し、開放位置から閉塞位置へ戻る時に、
   前記放出通路の放出口を横断しながら剪断作用を発揮し
   て放出された粘性物質の一部を前記放出通路内に残って
   いる粘性物質から切り離す弁を有するアクチュエータと
   を備え、 前記アクチュエータは、粘性物質が前記ポンプ手段によ
   って放出される前に前記弁が前記放出通路の前記放出口
   を少なくとも略々開放するように、前記ポンプ手段に取
   り付けられ、 前記弁及び前記アクチュエータは一体的に形成されたユ
   ニットを構成し、該ユニットは脚を、前記ポンプ手段は
   支点ピンを夫々有し、前記脚はその略々中間部を介して
   前記支点ピンに揺動自在に係合し、前記本体は第１の固
   定面を有し、前記第１の固定面は、前記支点ピンから離
   間して対向し且つ前記支点ピンと協働して、前記アクチ
   ュエータが初期動作中に空動きしながら前記弁を開放す
   る間、該支点ピンとの間に前記脚を揺動可能に挟み、前
   記本体は更に前記支点ピンから離間した位置に第２の面
   を有し、前記弁の開放後、前記アクチュエータが引き続
   き移動する間、前記脚は前記第１の固定面から離れる方
   向に揺動し、前記脚の外端は前記第２の面を支点として
   該第２の面に係合することを特徴とするディスペンサ
   ー。
2. 【請求項２】粘性物質用のディスペンサーであって、 粘性物質用の略々管状の本体と、 前記本体内に配設され且つ放出管に固着されて、ポンプ
   動作中に該放出管とともに前記本体内を往復動すると共
   に、前記放出管と協働して粘性物質が前記本体内から放
   出される放出路を画成する略々管状のポンピングピスト
   ンと、 初めて使用する時には、前記放出管とは反対側の前記本
   体内に位置し、前記本体内を前記ポンピングピストン側
   に向けてのみ移動可能で、前記粘性物質が放出される毎
   に前記本体内の一塊の粘性物質を前記ポンピングピスト
   ン側に向けて押し進める浮動ピストンと、 前記放出管の外側から該放出管に揺動自在に取り付けら
   れると共に、アクチュエータと弁とを含み、該アクチュ
   エータを手動操作して揺動させると、先ず、前記弁が前
   記放出管の放出口を閉塞する第１位置から空動きをしな
   がら、前記弁が前記放出口を少なくとも略々開放し且つ
   前記ポンピングピストンは実質的に作動しない第２位置
   へ揺動し、更に前記アクチュエータを揺動させると、前
   記ポンピングピストンの作動によって前記本体の内部か
   ら前記粘性物質が押し出される第３位置へ揺動するユニ
   ットと、 前記ユニットと作用的に協働して前記ユニットを前記第
   １位置側へ、又、前記ポンピングピストンを非作動位置
   側へ夫々弾性的に付勢する付勢手段と、を備えることを
   特徴とするディスペンサー。
3. 【請求項３】前記ユニットの前記弁は、前記第２位置か
   ら前記第１位置へ空動きしながら戻る時に、前記放出管
   の前記放出口を横断する剪断作用によって、放出された
   粘性物質の一部を前記放出管の管内に残っている前記粘
   性物質から効果的に切り離す請求項２に記載のディスペ
   ンサー。
4. 【請求項４】前記ユニットは脚を、前記放出管は支点ピ
   ンを夫々有し、前記脚はその略々中間部を介して前記支
   点ピンに揺動自在に係合し、前記本体は第１の固定面を
   有し、前記第１の固定面は前記支点ピンから離間して対
   向し且つ該支点ピンと協働して、前記ユニットが初期動
   作中に空動きしながら前記弁を開放する間、該支点ピン
   との間に前記脚を揺動可能に挟み、前記本体は更に前記
   支点ピンから離間した位置に第２の面を有し、前記弁の
   開放後、前記ユニットが引き続き移動する間、前記脚は
   前記第１の固定面から離れる方向に揺動し、前記脚の外
   端は前記第２の面を支点として該第２の面に係合する請
   求項３に記載のディスペンサー。