JPH08296978A - ガス吹込みレンガおよび該レンガを施工した溶融金属用溶解・精錬容器並びに該容器のレンガ残厚推定方法 - Google Patents

ガス吹込みレンガおよび該レンガを施工した溶融金属用溶解・精錬容器並びに該容器のレンガ残厚推定方法

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JPH08296978A
JPH08296978A JP10101795A JP10101795A JPH08296978A JP H08296978 A JPH08296978 A JP H08296978A JP 10101795 A JP10101795 A JP 10101795A JP 10101795 A JP10101795 A JP 10101795A JP H08296978 A JPH08296978 A JP H08296978A
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bricks
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Koji Kono
幸次 河野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は溶融還元炉の二次燃焼率の高い反応
炉で、炉底等の損傷の大きい部位に適用し、冷却ガス量
を低減することが可能なガス吹込みレンガと、このレン
ガを設けた長寿命の溶融金属用溶解・精錬容器並びにこ
のレンガの残厚推定方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明によるガス吹込みレンガのガス吹込管
の構造は、レンガ外周部のガス吹込管はレンガを貫通し
ており、その内側のガス吹込管は背面側が開口してかつ
稼働面側が閉口し、内側の閉口しているガス吹込管の長
さが、その位置によって異なる。該レンガをガス吹込み
レンガ稼働面側が周囲の耐火物より50mm以上炉内に
飛び出すようにして施工することで、高耐用な溶融金属
用溶解・精錬容器が得られる。又ガス吹込みレンガの背
面に設けたガス溜まり部内の圧力を測定し、その圧力低
下を検知することでレンガの残厚推定が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融還元炉、スクラッ
プ溶解炉、転炉等の溶解・精錬容器の炉底、側壁に施工
するガス吹込みレンガ、およびそれを施工した溶融金属
用溶解・精錬容器、並びにそのレンガの残厚推定方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に銑鋼工程で使用される溶融還元
炉、溶解炉、転炉等では、炉内の溶融金属の反応性を高
める目的で炉底に二重管の羽口を用いたノズルや、単管
の複数の貫通羽口を用いたノズル等が使用され、酸素や
炭化水素ガス、不活性ガス等が攪拌用として用いられて
いる。
【0003】また、二次燃焼率の高い反応炉では、耐火
物単独での使用では限界があるため、高温かつ損傷の大
きい部位に単管の複数の貫通羽口を用いたガス吹込みレ
ンガを用い、不活性ガスを吹込んで耐火物表面および内
部の温度を低下させ、損傷を低減する試みがなされてい
る。このようなガス吹込みレンガは、一般的に、図1に
示されるように、レンガ背面に設けたガス溜まり部5
と、ガスを供給するガス導入管6、ガス溜まり部5から
レンガを貫通して炉内にガスを吹込む多数のガス吹込み
管7から構成されている。
【0004】このガス導入管6は周辺設備との取り合い
上から、φ10〜30mm程度のパイプが使用され、ガ
ス吹込み管7はφ2〜4mm程度のパイプが数十本〜数
百本使用されており、注入部と排出部の面積比は圧倒的
に排出部の方が大きい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなガス吹込み
レンガの使用により、レンガ表面温度が低減し、溶損が
小さくなる効果は認められるものの、大量の不活性ガス
を使用するため、ランニングコストが高くなるという問
題が生じる。この対策として、実開昭63−39147
号公報や実開昭63−90562号公報に示されるよう
に、ガス吹込み管を全て開口させずに、レンガの中間ま
で設ける方法が提案されているが、この方法では冷却効
果が十分でなく、溶損が大きいという問題が残る。
【0006】また、ガス溜まり部へガスを供給するガス
導入管は、周辺設備との取り合い上から、φ10〜30
mm程度のパイプ1本で構成されている場合が多く、こ
の結果、導入管周囲のガス吹込み管やレンガ中央部のガ
ス吹込み管はガスが良く流れるが、レンガ外周部のガス
吹込み管はガスの流れが悪く、一部には飛散スラグで詰
まったりして溶損が大きくなり、レンガが蒲鉾状に損耗
する。
【0007】このようにレンガが蒲鉾状に損耗すると、
目地部を起点にレンガがスポールしたり、ガス流れが変
わり下部の非冷却レンガを冷却、磨耗させたりして悪影
響を及ぼす場合が多い。特にガス吹込みレンガと非冷却
レンガが面一で施行されている場合等には、下部レンガ
の損傷が顕著になる。また、前述したように、ガス注入
部と排出部の面積比は圧倒的に排出部の方が大きくなっ
ているため、多少レンガ外周部のガス吹込み管が詰まっ
ても、中央部から安定してガスが流れるため圧力は変化
せず、レンガの損傷の程度が判別しづらいという問題が
あった。
【0008】このようなガス吹込みレンガの溶損量を推
定する手段としては、実開昭63−27458号公報に
示されるように、金属線や熱伝対を設置する方法が試み
られているが、検知用の関連機器や配線が煩雑になる等
の問題があった。本発明は、これらの諸問題に鑑みて開
発されたものであり、冷却ガス量を低減することが可能
なガス吹込みレンガと、該ガス吹込みレンガを設けた高
耐用、長寿命の溶融金属用溶解・精錬容器、並びに該レ
ンガの残厚推定方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
とするところは下記のとおりである。 (1)溶解・精錬容器の炉底、側壁に用いる多数のガス
吹込み管を有するガス吹込みレンガにおいて、レンガ外
周部のガス吹込み管が貫通し、その内側のガス吹込み管
は背面側が開口してかつ稼働面側が閉口していることを
特徴とするガス吹込みレンガ。
【0010】(2)内側の閉口しているガス吹込み管の
長さが、その位置によって異なることを特徴とする前項
(1)記載のガス吹込みレンガ。 (3)前項(1)または(2)記載のガス吹込みレンガ
を施工した溶融金属用溶解・精錬容器。 (4)前項(1)または(2)記載のガス吹込みレンガ
を施工した溶融金属用溶解・精錬容器において、ガス吹
込みレンガ稼働面側が周囲の耐火物より50mm以上炉
内に飛び出していることを特徴とする溶融金属用溶解・
精錬容器。
【0011】(5)前項(3)または(4)記載の溶融
金属用溶解・精錬容器において、レンガの残厚を推定す
るに当たり、ガス吹込みレンガの背面に設けたガス溜ま
り部内の圧力を測定し、その圧力低下によって検知する
ことを特徴とする溶融金属用溶解・精錬容器のレンガ残
厚推定方法。
【0012】
【作用】本発明において、ガス吹込みレンガのレンガ外
周部のガス吹込み管を開口し、内周部になるに従い稼働
面から多段式にレンガ内部にガス吹込み管を閉口、埋設
する理由は、最もガス流れの悪い外周部のガス流速を確
保し、冷却効果を上げることで、外周部の先行損耗、い
わゆる蒲鉾状損耗をなくすためである。
【0013】レンガ中央部は、ガス溜まり部およびガス
導入管の構造上、もともとガス流れが良く、ガス吹込み
管が開口していなくても冷却効果が大きく、損耗しにく
い。従って、全てのガス吹込み管を開口する場合に比べ
て、低流量で効率のよい冷却が可能で、しかもレンガも
均一な損耗形態とすることができる。ガス吹込みレンガ
のガス吹込み管の開口、閉口部の比率は、レンガの稼働
面側面積によりさまざまに設定可能であるが、概ね開口
部の長さ比がレンガ中心から端部までの距離の1/3〜
2/3の間の範囲が好ましい。ガス吹込みレンガの材質
はMgO−C、Al2 3 −C等のカーボン含有系が好
ましいが、いかなる材質でも適用可能である。
【0014】さらに、レンガ中央部に閉口して配設され
ているガス吹込み管は、レンガ稼働面から1段以上、数
段階で多段式に内部方向に配設されているのが好まし
く、この段数を多くする程、残厚推定の信頼性が向上す
る。内部方向に配設されるピッチについては、適宜設定
が可能であり、中心部に行くに従って埋設深さが深くな
る方が好ましいが、いかなる配置構造であっても構わな
い。
【0015】次にガス吹込みレンガの前面を周囲の非冷
却レンガより飛び出させて施工する理由は、ガス流れが
変わった場合の周囲レンガへの影響を軽減するためであ
り、飛び出し高さが50mm未満ではその効果がなく、
上限は数段階の段控え構造を採用することで400mm
程度まで可能である。また、最もガス流れの悪い外周部
を開口し、ガス流れの良い中央部を閉口することで、ガ
ス溜まり部内の圧力は高くなる。さらにレンガの溶損に
よりガス流れの良い中央部が開口するとガス溜まり部内
の圧力は徐々に低下してくる。この圧力低下を検知する
ことによりレンガの残厚が推定可能となる。
【0016】ガス吹込みレンガ構造において、外周部を
閉口し、中央部を開口する構造は、外周部の冷却効果を
さらに低下させることになり、レンガの蒲鉾状損耗の防
止や、圧力変化検知によるレンガ残厚推定の効果等は期
待できない。
【0017】
【実施例】以下に図面を用いて実施例を説明する。図1
は従来のガス吹込みレンガとその取り付け構造を示す図
である。図中4はガス吹込みレンガで、周囲のウェアー
レンガとは面一で施工してある。図中7がガス吹込み管
であり、内径φ4mmのSUSパイプを20mmピッチ
で配置している。図中6はガス導入管であり、内径φ1
0mmのSUSパイプを使用している。このガス吹込み
レンガを260T転炉に施工し、400Nm3 /H・m
2 の流量で100Hrsの実機試験を実施した。図2に
実機試験後の損傷状況を示す。この結果、ガス吹込みレ
ンガは蒲鉾状に損傷し、下部レンガの損傷が著しく大き
かった。
【0018】図3は本発明のガス吹込みレンガとその取
り付け構造を示す図である。図中4′がガス吹込みレン
ガであり、7がガス吹込み管(開口タイプ)で、10が
ガス吹込み管(閉口タイプ)である。図3の例では、レ
ンガ中央部の閉口タイプガス吹込み管は稼働面から50
mmと100mmの2段で配設した。図中11はレンガ
飛び出し高さであり、ここでは50mmとした。また、
ガス吹込み管、ガス導入管の径およびピッチは、従来品
と同じである。このガス吹込みレンガを260T転炉に
施工し、400Nm3 /H・m2 と300Nm3 /H・
2 の流量で100Hrsの実機試験を実施した。図4
に実機試験後の損傷状況を示す。この結果、ガス吹込み
レンガは均一の損傷形態を示し、下部レンガの損傷も軽
微であった。
【0019】表1に従来例と本発明例の比較を示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、本発明例のレン
ガ飛び出し高さを50mmにしたものは、下部レンガの
損耗が小さい。レンガ飛び出し高さは100mmでも変
わらない結果となった。また、本発明例では、冷却ガス
量を300Nm3 /H・m2 にしても、400Nm3
H・m2 の場合の溶損速度とあまり変わらず、25%ガ
ス量が低減可能となった。
【0022】図5に実機試験したガス吹込みレンガ使用
中のガス溜まり部圧力相対値の推移を示す。本発明の構
造では、2段階の圧力変化が生じており、より正確なレ
ンガ残厚推定が可能となった。
【0023】
【発明の効果】本発明を実機に適用することで、冷却能
が向上し、冷却ガス量を低減することが可能となった。
さらにガス吹込みレンガや周囲レンガが高耐用化し、該
ガス吹込レンガを設けた溶融金属用溶解・精錬容器の長
寿命化が達成できた。また、該ガス吹込みレンガの残厚
推定が可能となり、計画的な補修を組み込むことで、炉
材費用削減のみならず、生産の安定性も確保できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のガス吹込みレンガとその取付け構造を示
す図である。
【図2】従来のガス吹込みレンガ100Hrs実機使用
後の溶損状況を示す図である。
【図3】本発明のガス吹込みレンガとその取付け構造を
示す図である。
【図4】本発明のガス吹込みレンガ100Hrs実機使
用後の溶損状況を示す図である。
【図5】ガス吹込みレンガ使用中のガス溜まり部圧力相
対値の推移を示す図である。
【符号の説明】
1 炉殻鉄皮 2 パーマレンガ 3 ガス吹込みレンガ周囲のウェアーレンガ 4 ガス吹込みレンガ 4’ ガス吹込みレンガ 5 ガス溜まり部 6 ガス導入管 7 ガス吹込み管(開口タイプ) 8 スタンプ材 9 溶損線 10 ガス吹込み管(閉口タイプ) 11 レンガ飛び出し高さ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解・精錬容器の炉底、側壁に用いる多
    数のガス吹込み管を有するガス吹込みレンガにおいて、
    レンガ外周部のガス吹込み管が貫通し、その内側のガス
    吹込み管は背面側が開口してかつ稼働面側が閉口してい
    ることを特徴とするガス吹込みレンガ。
  2. 【請求項2】 内側の閉口しているガス吹込み管の長さ
    が、その位置によって異なることを特徴とする請求項1
    記載のガス吹込みレンガ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のガス吹込みレン
    ガを施工した溶融金属用溶解・精錬容器。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のガス吹込みレン
    ガを施工した溶融金属用溶解・精錬容器において、ガス
    吹込みレンガ稼働面側が周囲の耐火物より50mm以上
    炉内に飛び出していることを特徴とする溶融金属用溶解
    ・精錬容器。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の溶融金属用溶解
    ・精錬容器において、レンガの残厚を推定するに当た
    り、ガス吹込みレンガの背面に設けたガス溜まり部内の
    圧力を測定し、その圧力低下によって検知することを特
    徴とする溶融金属用溶解・精錬容器のレンガ残厚推定方
    法。
JP10101795A 1995-04-25 1995-04-25 ガス吹込みレンガおよび該レンガを施工した溶融金属用溶解・精錬容器並びに該容器のレンガ残厚推定方法 Withdrawn JPH08296978A (ja)

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