JP2000328114A - 高炉操業方法 - Google Patents

高炉操業方法

Info

Publication number
JP2000328114A
JP2000328114A JP11128528A JP12852899A JP2000328114A JP 2000328114 A JP2000328114 A JP 2000328114A JP 11128528 A JP11128528 A JP 11128528A JP 12852899 A JP12852899 A JP 12852899A JP 2000328114 A JP2000328114 A JP 2000328114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tuyere
laval
furnace
blast furnace
auxiliary fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11128528A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3615673B2 (ja
Inventor
Ryuichi Hori
隆一 堀
Kazuya Miyagawa
一也 宮川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP12852899A priority Critical patent/JP3615673B2/ja
Publication of JP2000328114A publication Critical patent/JP2000328114A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3615673B2 publication Critical patent/JP3615673B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Blast Furnaces (AREA)
  • Manufacture Of Iron (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 羽口からの微粉炭吹込み比を抑制したり、銑
鉄を減産したり、溶銑成分を変更(Siを高める等)した
りするなどの銑鉄の生産コストを損なうような対策を取
ることなく、シャフト部の炉壁煉瓦に悪影響を及ぼすシ
ャフト部の炉壁の熱負荷を抑制し得る高炉操業方法を提
供する。 【解決手段】 シャフト部の炉壁の熱負荷が高い部位の
下に位置する羽口を、羽口入口径及び羽口出口径より小
径の縮径部を有するラバール羽口とするとともに、その
ラバール羽口においては補助燃料吹込みランスの先端位
置を縮径部より羽口出口側に配置して補助燃料を高炉内
に吹込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉操業方法に関
し、詳細にはシャフト部の炉壁煉瓦や炉底部の側壁煉瓦
の損傷を抑制する高炉操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉操業中のシャフト部において、高温
ガスの偏流等により炉壁耐火物が損傷を受けた部位、あ
るいはステーブクーラー等の冷却装置が十分に機能して
いない部位などでは熱負荷が高くなり、当該部位の炉壁
耐火物の損傷が更に進行し、鉄皮にまで損傷が拡大する
ことが懸念される。このような場合の従来より行われて
いる一般的な対策は、高温ガスが周辺に流れないように
高炉に装入する塊鉱石、ペレット、コークスなどの装入
物分布を制御することである。この対策により、高温ガ
スは炉壁周辺より炉中心部に流れるようになり熱負荷が
低減される。しかし、必ずしもこの対策だけでは十分と
はいえない。
【0003】そこで、シャフト部の熱負荷の高い部位の
下に配設されている羽口の支管風量を独立に変更しレー
スウエイ深度を制御できれば、炉下部におけるガス分配
が制御され、ガス流れを安定させることができると考え
られるが、従来よりブローパイプに接続して普通に用い
られてきた羽口〔例えば第3版鉄鋼便覧第II巻製銑・製
鋼(第 306頁図 5・170)、特開昭64−4410号公報参照〕
(以下通常羽口と称す)では、その羽口から微粉炭など
の補助燃料を吹込みながら高炉操業が行われているた
め、補助燃料が羽口内で脱揮及び燃焼ガス化するために
ガス体積が増し羽口圧損が上昇し、特に微粉炭吹込み比
が増大(100kg/銑鉄t〜 150kg/銑鉄t)している今日
では前記羽口圧損を抑制することは難しくレースウエイ
深度の拡大を望むことは難しい。
【0004】一方、高炉の炉底部は一般にカーボン煉瓦
で作られている。このカーボン煉瓦は累計出銑量の増加
と共に浸食される。浸食には炉底部の側壁浸食と底部浸
食の二種類がある。底部の煉瓦厚さに対して側壁の煉瓦
厚さが薄いため、通常高炉の寿命は側壁の残存厚さで決
まることが多い。そして、炉底側壁煉瓦の浸食が進展し
た場合には、減産、溶銑成分の変更、炉内からの
高融点付着物の形成、出銑口深度の延長、浸食部分
直上の羽口径の縮小と閉塞、などの対応策が取られてい
た。以下にこれら対応策の詳細とその問題点について説
明する。
【0005】減産について カーボン煉瓦の浸食は溶銑・スラグとの接触によって発
生する。具体的には、接触による化学的な溶解、溶銑・
スラグの流れによる物理的な損耗、溶銑・スラグの浸透
による破壊が発生する。これを減少させるには溶銑・ス
ラグとカーボン煉瓦の接触の機会を減らす、減産が一番
有力な方法である。しかし、減産は、生産設備の本来の
目的に反し好ましい対応策とは言えない。
【0006】溶銑成分の変更について カーボン煉瓦が溶銑との接触で浸食される最大の理由
は、溶銑中の C(カーボン)が飽和していないため、カ
ーボン煉瓦から Cが溶出することである。従って、この
場合には滴下過程で溶銑中の Cが飽和するように浸炭時
間を長くとる必要がある。次に、溶銑の粘性が重要な影
響を持つ。すなわち、カーボン煉瓦の物理的浸食を抑制
するにはカーボン煉瓦−溶銑界面の溶銑流速を下げれば
よい。それには溶銑の粘性を上げる方法をとる。溶銑中
のSi(珪素)は高いほど粘性が高くなる。S(イオウ)
は低いほど粘性が高くなる。従って、炉底側壁煉瓦保護
のためには、高Si、低S の溶銑成分を目指す必要がある
が。そのためには高燃料比操業になり、高炉の生産性が
低下する。
【0007】しかし、上記溶銑成分の変更、特にSiの上
昇は製鋼コストの上昇を招く問題がある。製鋼プロセス
では、脱C に先立ちSiが酸化されSiO2になる。脱P の必
要性から CaO/SiO2は平均3.5 になるように調整されて
いる。従ってSiが高いと、生成するSiO2が増加し、 CaO
装入量も増加するとともに、製鋼スラグ量が増加してし
まう。と言った問題が起こる。又は、溶銑予備処理で脱
Siする場合にも、酸化剤であるFeO の量を多く必要とし
生成する脱Siスラグも増加し処理コストが上昇し、処理
能力が落ちると言った問題が起こる。
【0008】炉内からの高融点付着物の形成(炉底側
壁浸食部に炉内側から高融点物質による保護層を付着さ
せる方法)について 炉底側壁の冷却には、鉄皮のシャワー散水冷却とステー
ブクーラー冷却の二通りの方法がある。その目的は、鉄
皮側からの冷却によってカーボン煉瓦を冷却し、カーボ
ン煉瓦に接触する溶銑を凝固させるものである。 C飽和
銑鉄の凝固点は1150℃でカーボン煉瓦表面には凝固銑鉄
があり、その前面には半凝固状態の溶銑が存在する。そ
の半凝固状態の溶銑をマッシーゾーンという。銑鉄の凝
固温度を1150℃より高温にすればマッシーゾーンは拡大
する。この目的で装入物中にチタン酸化物(TiO2)を入
れ、これを高炉内で還元してTiC, TiNを生成させる。こ
れらは溶銑中に懸濁しており、融点は溶銑より高温であ
る。そのため、冷却されたカーボン煉瓦界面でTiC, TiN
が晶出し、浸食部分に付着し保護層として作用する。ま
た、TiC, TiNは粘性が高いため、上記の理由により浸
食を抑制する。
【0009】しかし、上記の炉内からの高融点付着物の
形成は、TiO2源として、砂鉄、イルミナイトあるいは含
チタン鉱石を使用するが、鉄鉱石に比べ高価である。ま
た、TiO2の装入によってTiが上昇し、溶銑の粘性が高く
なる。Siが高いときには粘性がさらに高くなる。このよ
うに溶銑の粘性が高くなると、羽口前で溶銑が滞留する
ことがあり、羽口破損の原因になる。と言った問題があ
る。
【0010】出銑口深度の延長について 出銑口深度は炉底の湯流れに影響を及ぼす。出銑口深度
が短いと、炉底側壁近傍から溶銑・スラグを流出するた
め、湯流れの環状流化(側壁近傍を円周方向に流れる)
を助長する。湯流れの環状流化は側壁の煉瓦浸食を促進
し、溶鉱炉の寿命を短くする。出銑口深度が長ければ、
溶銑・スラグは炉底の中心側から流出される。この場
合、煉瓦は底方向に浸食されるが、その速度は炉壁の煉
瓦浸食に比べて極めて小さい。しかし、出銑口深度の延
長は、流出点の変化による湯流れの変化に伴う間接的な
環状流の消失を狙うため、効果が出るまでに時間を要す
る。一方、出銑口深度の延長に伴って環状流が抑制され
ると、溶銑による側壁部への熱供給が低下し、カーボン
煉瓦近傍の温度が低下する。その結果、溶銑が再凝固し
マッシーゾーンが拡大される。と言った効果が期待でき
る。
【0011】浸食部分直上の羽口径の縮小と閉塞につ
いて 羽口からの送風で羽口前のコークスは燃焼する。コーク
スは主に上部から供給される。しかし、一部ではある
が、羽口下部にある炉芯コークスも湧き上がって羽口前
で燃焼消費する。この羽口下部からのコークスの消費は
マッシーゾーンの動きを引き起し、マッシーゾーンを縮
小させる。マッシーゾーンが縮小するとカーボン煉瓦へ
の熱負荷が増大し、煉瓦溶損を促進するため、この湧き
上がりコークスの動きを抑制する必要がある。浸食した
カーボン煉瓦直上の羽口径を縮小すると羽口前、羽口上
そして羽口下のコークスの燃焼が減少し、コークスの動
きが減少して、カーボン煉瓦前面のマッシーゾーンの動
きが減少する。出銑口直上の羽口を閉塞すると直下のコ
ークスの移動がさらに減少し、この効果はさらに大きく
なる。而して、羽口径の縮小及び閉塞は、コークスやマ
ッシーゾーンの動きが減少することから炉底の浸食抑制
に大きな効果をもたらす。
【0012】しかし、効果が最も大きいが弊害も大き
い。特に羽口閉塞では、羽口閉塞によって衝風のバラン
スが崩れ、原料装入物の円滑な降下が阻害される(棚吊
り、スリップ、片減り等)。また、羽口閉塞によって、
その羽口上部ではガス量が不足し、還元が不十分にな
り、炉壁に付着物を形成する。また更に羽口閉塞によっ
て送風量が減少し、出銑量が減少する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな技術背景をもとになしたものであって、その目的
は、羽口からの微粉炭吹込み比を抑制したり、銑鉄を減
産したり、溶銑成分を変更(Siを高める等)したりする
などの銑鉄の生産コストを損なうような対策を取ること
なく、シャフト部の炉壁煉瓦に悪影響を及ぼすシャフト
部の炉壁の熱負荷や、炉底部の側壁煉瓦を損傷させるよ
うな溶銑流の発生を抑制し得る高炉操業方法を提供する
ものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る請求項1の高炉操業方法は、シャフ
ト部の炉壁の熱負荷が高い部位の下に位置する羽口を、
羽口入口径及び羽口出口径より小径の縮径部を有するラ
バール羽口とするとともに、そのラバール羽口において
は補助燃料吹込みランスの先端位置を縮径部より羽口出
口側に配置して補助燃料を高炉内に吹込むものである。
【0015】上記請求項1に記載の発明の構成並びに作
用効果について詳細に説明する。図1は、ラバール羽口
と通常羽口の概要図であって、ラバール羽口1は、羽口
入口径D1及び羽口出口径D3より小径D2の縮径部2を有す
る。通常羽口3は、羽口入口径D4が羽口出口径D5よりも
大径に形成されその間がテーパーに形成されている。ま
た、図2と図3に示すグラフ図は、羽口入口径が同径
(D1=D4)で、且つ縮径部の径と羽口出口径が同径(D2
=D5)のラバール羽口と通常羽口をそれぞれ模型実験炉
に装備し、同じ羽口流速〔ここでは、羽口内の最小断面
積部(縮径部2)での流速と定義する。〕で空気を吹込
んだ場合の、羽口圧損(図2)とレースウエイ深度(図
3)を調査した結果を無次元化して示すグラフ図であ
る。
【0016】図2から明らかなように、羽口部を通過す
る流体の圧力損失はその流体流量に比例するが、その比
例係数は通常羽口に比べてラバール羽口の方が小さい。
その結果、通常羽口とラバール羽口が混在して配設され
た場合、ラバール羽口に分配される流体流量の方が多く
なる。また、レースウエイ形成に対する特性も異なるた
め、図3から明らかなように、混在下ではラバール羽口
のレースウエイ深度の方が大きくなる。
【0017】図4に、通常羽口とラバール羽口で形成さ
れるレースウエイ形状の違いを示す。この図4に示すよ
うに、同じ羽口流速〔羽口の最小断面積部:ラバール羽
口の縮径部、通常羽口の先端部(羽口出口部)〕の場合
には、通常羽口に比べてラバール羽口の方がレースウエ
イ深度は若干小さく、幅が大きくなる。しかし、上述し
たようなラバール羽口の流量増大効果によってラバール
羽口の流速は通常羽口より大きくなるので、通常羽口と
混在するラバール羽口のレースウエイ形状(深度、幅)
は通常羽口よりも大きくなる。その結果、高炉全体とし
て炉内圧損が低下し、更に、この炉内圧損低下によって
一層のラバール羽口への流体の優先的分配が促進され、
ラバール羽口のレースウエイが拡大する。
【0018】図5に、総送風量(Vt)一定の条件におい
て、全て通常羽口の状態からラバール羽口混在の状態に
なったときのレースウエイ深度と風圧の変化を示す。全
羽口本数がnの場合、初期状態では羽口1本の支管風量
はV1=Vt/nである。ラバール羽口をm本混在させると
(ラバール羽口割合=m/n)、各羽口の圧損が等しく
なるように支管風量は自律的に分配され、支管風量バラ
ンスは(n−m)・V2+m・V3=Vtとなる。ここで、圧
損係数の低いラバール羽口の支管風量(V3)は通常羽口の
支管風量(V2)よりも多く、V3>V1>V2となる。通常羽口
に着目するとV1>V2であり、羽口圧損はラバール羽口の
混在によって低下する。羽口圧損低下によって送風圧が
低下し、実ガス体積が膨張し、ガス流速は増大する。そ
の結果、通常羽口における流速低下は抑制され、ラバー
ル羽口における流速増大は促進されるため、レースウエ
イ深度の拡大が促進される。
【0019】図3より、羽口流速が大きい程レースウエ
イ深度は大きいことが分かる。全羽口がラバール羽口に
なると支管風量は通常羽口と変わらなくなるが、送風圧
低下による体積膨張が生じるので、羽口流速は増加す
る。その結果、レースウエイ深度も通常羽口よりも大き
くなる。このレースウエイ深度と流速の関係、曲線パタ
ーンは羽口形状(羽口入口径D1、羽口出口径D3、縮径部
の径D2、縮径部の位置、羽口内面粗度など)に依存す
る。ラバール羽口の場合、図4に示すように同一流速で
は通常羽口よりレースウエイ深度が小さいが、ラバール
羽口と通常羽口の混在使用の場合では逆に通常羽口より
もレースウエイ深度が大きくなる。全て通常羽口の状態
から考えると、ラバール羽口混在によって送風圧が低下
すると同時にラバール羽口に支管風量が優先的に分配さ
れ、ラバール羽口のレースウエイ深度は増大する(図
5)。このとき通常羽口は支管風量が低下してレースウ
エイ深度が低下するが、ラバール羽口のレースウエイ深
度増大の方が大きいので、全羽口平均のレースウエイ深
度は増大し、高炉全体としては炉内通気性が改善され
る。
【0020】そこで、上述したようなラバール羽口の特
性の知見のもとに、本発明に係る請求項1の高炉操業方
法では、シャフト部の炉壁の熱負荷が高い部位の下に位
置する羽口を、ラバール羽口とし、そのラバール羽口に
おいて補助燃料吹込みランスの先端位置を縮径部より羽
口出口側に配置して補助燃料を高炉内に吹込むことにし
たもので、このようなラバール羽口としたことで、レー
スウエイ深度が増大でき、補助燃料の吹込みを維持ある
いは増量して吹込むことができ、更にガス流れを周辺流
から中心流へ変えることができ、シャフト部の炉壁の熱
負荷を軽減させることができる。
【0021】次に、本発明に係る請求項2の高炉操業方
法は、炉底部の側壁浸食部又は/及び出銑口の上の羽口
を、羽口入口径及び羽口出口径より小径の縮径部を有す
るラバール羽口とするとともに、そのラバール羽口にお
いては補助燃料吹込みランスの先端位置を縮径部より羽
口出口側に配置して補助燃料を高炉内に吹込むものであ
る。
【0022】上記請求項2に記載の発明の構成並びに作
用効果について詳細に説明する。高炉の炉底湯溜まりに
はコークスが充填しており、その空隙中に溶銑・スラグ
が充溢している。羽口からの送風によって羽口前のコー
クスが燃焼する。燃焼するコークスの大部分は羽口上部
から供給されたものであるが、羽口より下の湯溜まり部
にあるコークスも湧き上がりによって羽口前で燃焼す
る。この羽口下部からのコークスの湧き上がりは、羽口
前のコークスの燃焼により炉床から起こり、炉底の側壁
部をゆっくりと上昇している。
【0023】一方、炉底側壁の浸食部は、鉄皮からの冷
却によってカーボン煉瓦が冷却され、カーボン煉瓦と溶
銑の接触面は凝固している。凝固線より炉内側は固相と
液相が共存する、いわゆるマッシーゾーンで、コークス
充填層の空隙中に存在している。
【0024】従って、炉底側壁の浸食を抑制し、凝固物
の付着を促進するためには、マッシーゾーン中のコーク
スの動きを抑制すればよく、更にそのコークスの動きを
少なくするためには上部の羽口におけるコークスの燃焼
を減少させればよいことになる。そこで、本発明に係る
請求項2の高炉操業方法では、炉底部の側壁浸食部又は
/及び出銑口の上の羽口を、ラバール羽口とし、そのラ
バール羽口において補助燃料吹込みランスの先端位置を
縮径部より羽口出口側に配置して補助燃料を高炉内に吹
込むことにしたものである。このようなラバール羽口と
したことで、前述したラバール羽口の特性より明らかな
ように、羽口内の通気抵抗を増加させることなく補助燃
料吹込み量を他の羽口より増量して吹込め、衝風中の酸
素を補助燃料の燃焼に消費させて羽口前のコークスの燃
焼量を減少させることができる。コークスの燃焼が減少
すると、コークスの動きが減少し、カーボン煉瓦前面の
マッシーゾーンの動きが減少するので、炉底側壁の浸食
を抑制することができる。
【0025】次に、本発明に係る請求項3の高炉操業方
法は、シャフト部の炉壁の熱負荷が高い部位の下に位置
する羽口と炉底部の側壁浸食部又は/及び出銑口の上の
羽口を、羽口入口径及び羽口出口径より小径の縮径部を
有するラバール羽口とするとともに、そのラバール羽口
においては補助燃料吹込みランスの先端位置を縮径部よ
り羽口出口側に配置して補助燃料を高炉内に吹込むもの
である。このようにシャフト部の炉壁の熱負荷が高い部
位の下に位置する羽口と炉底部の側壁浸食部又は/及び
出銑口の上の羽口とを、ラバール羽口とすることで、上
述した請求項1と請求項2の高炉操業方法における作用
効果を同時に享受する外、高炉全体として全羽口平均の
レースウエイ深度が増大すると共に炉内通気性が改善さ
れ、より効果的な高炉操業が行える。また、本発明の高
炉操業方法では、シャフト部の炉壁の熱負荷が高い部位
の下に位置する羽口と炉底部の側壁浸食部又は/及び出
銑口の上の羽口に加え、適宜、通常羽口に換えてラバー
ル羽口を装着しラバール羽口の装着数を増すことがで
き、これにより、更に全羽口平均のレースウエイ深度の
増大と炉内通気性の改善がなされるとともに、高炉に吹
込まれる微粉炭等の補助燃料の更なる増量が期待される
(銑鉄 1トン当たり 200kg以上)。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。
【0027】まず、請求項1に係る実施形態についてシ
ャフト部の炉体の熱負荷が高くなった部位の下と、その
前後の羽口の合計3本の羽口について図1aに示すラバ
ール羽口を装着して操業を行った。そして、そのラバー
ル羽口に変える前(通常羽口の状態)と後の炉体の温度
を測定した。その測定結果を無次元化して図6に示す。
なお、前記ラバール羽口においては補助燃料吹込みラン
スの先端位置を縮径部より羽口出口側に配置し、その吹
込みランスより通常羽口と同量の補助燃料を吹込んだ。
【0028】図6から明らかなように、通常羽口の場合
を1.0 とした場合にラバール羽口を装着することで、そ
の熱負荷を0.8 に軽減することができた。これは、ラバ
ール羽口を装着することで、その羽口に支管風量が優先
的に分配されるため局所的に大きなレースウエイが形成
されたためと推測される。すなわち、図7に示すよう
に、レースウエイ深度が大きくなることから、ラバール
羽口の上の炉壁側へのガス分配が抑制され、シャフト部
周辺ガスが低減し、炉体への熱負荷が低減したものと考
える。なお、図7は、高炉内のガス流れを模式的に示し
た図であって、aは通常羽口の場合、bはラバール羽口
の場合で、4は炉壁、5はレースウエイ、6はガス流れ
を示す。
【0029】次に、請求項2の実施形態について高炉の
炉底部には底面より約1000mm程度下部に熱電対が埋め込
まれており、この熱電対による測定温度によりその直上
における煉瓦の残存厚さが推定できる。本例では、その
測定温度が 250℃と高くなり、その時の残存煉瓦厚さが
650mmと推定された場合に、その測定温度が高くなった
箇所の直上に位置する5本の羽口を図1aに示すラバー
ル羽口とした。そして、そのラバール羽口からの微粉炭
吹込み量を羽口1本当たり定常操業の21〜30kg/min に
増量して高炉操業を行った。この時の熱電対による温度
記録を図8に示す。この図8から明らかなように、増量
後2日目から温度上昇箇所の測定温度が低下しはじめ、
30日後には 150℃に低下し、安定したことが分かる。こ
のことは、微粉炭の局部羽口大量吹込みによって、羽口
前のコークス燃焼量が減少し、炉床のコークスの移動量
が減少して煉瓦の局部溶損箇所の前面にマッシーゾーン
と呼ばれる不動層が形成されたものと推定される。
【0030】図9には同じく 240℃を示した測定温度上
昇箇所の直上の3本の羽口をラバール羽口とし、微粉炭
吹込み量を15〜18kg/min に増量した場合の熱電対によ
る温度記録を例を示すが、この例では、増量後6日目頃
から温度低下を開始し、50日後に 165℃で安定した。な
お、図8の場合も図9の場合もラバール羽口においては
補助燃料吹込みランスの先端位置を縮径部より羽口出口
側に配置した。
【0031】上記の例においては、通常羽口であれば微
粉炭吹込み量を増加すると送風圧力が上昇するところ、
図8の場合も図9の場合も微粉炭増量羽口にラバール羽
口を使用した結果、送風圧力の上昇は認められなかっ
た。なお、その送風圧力は図8の場合3.95kg/cm2 、図
9の場合3.97kg/cm2 で一定であった。
【0032】次に、出銑口上の羽口2本について図1a
に示すラバール羽口を装着し、そのラバール羽口からの
微粉炭吹込み量を変化させて出銑口深度の変化を調査し
た。この実験において、微粉炭吹込み量の変化が出銑口
深度の変化に及ぼす影響は時定数が大きく、変化が顕著
に現れたのは 5〜 7日後であった。図10は、吹込み量変
更後 7日目の出銑口深度を示している。
【0033】このように、出銑口上の羽口からの微粉炭
吹込み量を増やすと、コークス燃焼量が減少し、炉床の
コークス移動量が減少し、出銑口深度が伸長することが
実証された。これは、通常羽口であれば微粉炭吹込み量
を増量すると送風圧力が上昇するところ、この例では微
粉炭増量羽口にラバール羽口を使用したため、送風圧力
は4.05kg/cm2 で一定であった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る高炉
操業方法によれば、高炉のシャフト部の炉壁の熱負荷が
高い部位の下に位置する羽口や、炉底部の側壁浸食部又
は/及び出銑口の上の羽口を、所謂ラバール羽口とする
ことで、シャフト部の炉壁の熱負荷であれば、その熱負
荷を低減し炉壁を保護して高炉操業が行え、また炉底部
の側壁の浸食であれば、その側壁浸食を抑制して高炉操
業が行える。
【0035】また、全て通常羽口を装着した場合の高炉
操業よりも、全羽口平均のレースウエイ深度の増大と炉
内通気性の改善が望めるとともに、これにより高炉に吹
込まれる微粉炭等の補助燃料の更なる増量が期待でき、
銑鉄 1トン当たり 200kg以上での高微粉炭吹込み高炉操
業も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】羽口の概要図であって、aはラバール羽口、b
は通常羽口の場合である。
【図2】羽口流速と羽口圧損との関係を示すグラフ図で
ある。
【図3】羽口流速とレースウエイ深度との関係を示すグ
ラフ図である。
【図4】通常羽口とラバール羽口で形成されるレースウ
エイ形状の深度と幅の関係を示すグラフ図である。
【図5】ラバール羽口の装着割合と風圧及びレースウエ
イ深度との関係を示すグラフ図である。
【図6】通常羽口の時と、それをラバール羽口に換えた
後の炉体の温度の変化を示すグラフ図である。
【図7】通常羽口とラバール羽口によるレースウエイ深
度とガス流れを模式的に示す説明図であって、aは通常
羽口の場合、bはラバール羽口の場合である。
【図8】本発明の実施例における炉底側壁の温度推移を
示すグラフ図である。
【図9】本発明の別の実施例における炉底側壁の温度推
移を示すグラフ図である。
【図10】羽口1本当たりの微粉炭吹込み量と出銑口深度
との関係を示す図である。
【符号の説明】
1:ラバール羽口 2:縮径部
3:通常羽口 4:炉壁 5:レースウエイ
6:ガス流れ D1:ラバール羽口の羽口入口径 D2:ラバール羽口
の縮径部の径 D3:ラバール羽口の羽口出口径 D4:通常羽口の羽
口入口径 D5:通常羽口の羽口出口径

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフト部の炉壁の熱負荷が高い部位の
    下に位置する羽口を、羽口入口径及び羽口出口径より小
    径の縮径部を有するラバール羽口とするとともに、その
    ラバール羽口においては補助燃料吹込みランスの先端位
    置を縮径部より羽口出口側に配置して補助燃料を高炉内
    に吹込むことを特徴とする高炉操業方法。
  2. 【請求項2】 炉底部の側壁浸食部又は/及び出銑口の
    上の羽口を、羽口入口径及び羽口出口径より小径の縮径
    部を有するラバール羽口とするとともに、そのラバール
    羽口においては補助燃料吹込みランスの先端位置を縮径
    部より羽口出口側に配置して補助燃料を高炉内に吹込む
    ことを特徴とする高炉操業方法。
  3. 【請求項3】 シャフト部の炉壁の熱負荷が高い部位の
    下に位置する羽口と炉底部の側壁浸食部又は/及び出銑
    口の上の羽口を、羽口入口径及び羽口出口径より小径の
    縮径部を有するラバール羽口とするとともに、そのラバ
    ール羽口においては補助燃料吹込みランスの先端位置を
    縮径部より羽口出口側に配置して補助燃料を高炉内に吹
    込むことを特徴とする高炉操業方法。
JP12852899A 1999-05-10 1999-05-10 高炉操業方法 Expired - Lifetime JP3615673B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12852899A JP3615673B2 (ja) 1999-05-10 1999-05-10 高炉操業方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12852899A JP3615673B2 (ja) 1999-05-10 1999-05-10 高炉操業方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000328114A true JP2000328114A (ja) 2000-11-28
JP3615673B2 JP3615673B2 (ja) 2005-02-02

Family

ID=14986989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12852899A Expired - Lifetime JP3615673B2 (ja) 1999-05-10 1999-05-10 高炉操業方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3615673B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102277459A (zh) * 2011-08-15 2011-12-14 张昭贵 一种高炉风口及扩大其入口直径的方法
CN114134267A (zh) * 2021-12-06 2022-03-04 山西太钢不锈钢股份有限公司 一种应对高炉热负荷波动的炉温控制方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102277459A (zh) * 2011-08-15 2011-12-14 张昭贵 一种高炉风口及扩大其入口直径的方法
CN114134267A (zh) * 2021-12-06 2022-03-04 山西太钢不锈钢股份有限公司 一种应对高炉热负荷波动的炉温控制方法
CN114134267B (zh) * 2021-12-06 2023-01-03 山西太钢不锈钢股份有限公司 一种应对高炉热负荷波动的炉温控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3615673B2 (ja) 2005-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4745731B2 (ja) キュポラによる溶銑の溶製方法
CA2332153C (en) A method of relining a vessel
JP2000328114A (ja) 高炉操業方法
US4007035A (en) Method of using an expendable tap hole tuyere in open hearth decarburization
JP2000204405A (ja) 高炉の操業方法
US8506880B2 (en) Iron bath-type melting furnace
EP0128987A2 (en) Tuyere and method for blowing gas into molten metal
JPH01127613A (ja) 溶融金属の精錬方法及びその装置
JP2018104813A (ja) 転炉型精錬炉の操業方法
KR960006322B1 (ko) 용광로의 조업방법
WO2024122239A1 (ja) 高炉操業方法
KR100225249B1 (ko) 슬로핑 발생 억제를 위한 잔류 슬래그량 조절방법
JPS63282203A (ja) 高炉操業方法
JP2921392B2 (ja) 高炉の操業方法
JP2584891B2 (ja) 底吹き転炉の操業方法
JPS6225729B2 (ja)
JP2533815B2 (ja) 底吹き転炉の操業方法
JPH0443964B2 (ja)
JP2001294912A (ja) 高炉の操業方法
JPH09157714A (ja) 高炉炉底構造および高炉操業方法
JPH09227911A (ja) 高炉の操業方法
JPH0368712A (ja) 転炉の床上げコーティング方法
JP2000212613A (ja) 高炉の装入物分布制御方法
Satō et al. Study on a Permanent Wall Type Converter with Water Cooling
JP2002012910A (ja) 転炉内張り耐火物の保護方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041026

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081112

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081112

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091112

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091112

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101112

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111112

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121112

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term