JP3249935B2 - 金属精錬炉内壁の冷却方法 - Google Patents

金属精錬炉内壁の冷却方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属精錬炉内壁の
冷却方法に関し、詳しくは、転炉等で水冷パネルを採用
した上部内壁を冷却する技術である。
【0002】
【従来の技術】溶融金属を製錬するために使用する炉
は、通常、炉内温度が極めて高温となるので、その内側
は、レンガ等の内張耐火物で保護されている。しかしな
がら、このように耐火物で内張りしても、使用を重ねる
と、製錬過程で生成するスラグによって次第に耐火物が
侵食され、損耗してくるので、損耗がある量に達した
ら、再度耐火物を張り直す、所謂「炉修作業」が必須で
ある。この炉修を行っている間は、当然のことながら炉
を使用することができないばかりでなく、再度張り直す
耐火物のコストも莫大である。そこで、このような耐火
物コストを低減し、また、炉修のための炉の停止期間を
短縮する手段として、炉壁の一部に内部を水冷としたパ
ネル(以下、水冷パネルという)を使用することが行わ
れている。
【0003】このような水冷パネルを設置した例として
は、電気炉、あるいはDIOSと称する固定式の転炉型
溶融還元炉(材料とプロセス;vol.9(1996)
No.4,p672参照)等、炉体上部の溶融金属面よ
り上方になる部分を全周にわたり該水冷パネルで被覆し
ているものがある。但し、これらの炉は、いずれも通常
の傾動式ではなく、出湯口を炉底あるいは炉下部に設置
したものである。従って、たとえ傾動したとしても、傾
動角が小さくてすみ、溶融金属面が水冷パネルを配設し
た位置に行かないようになっている。
【0004】これは、高温の溶融金属が、水冷パネルに
直接接触すると、水冷パネルを構成する金属を溶損する
可能性が高いからである。もしそのような溶損(これを
バーン・アウトという)が生じた場合、水冷パネルから
漏出した冷却水は、溶融金属中に入ることによって水蒸
気爆発を引き起こす恐れがある。一方、水冷パネルを傾
動方式の炉に採用した例としては、特開平8−3272
49号公報に開示されたものがある。それは、炉体上部
の溶融金属面より上方となる部分の内壁を全周にわたり
金属製の水冷パネルで被覆し、傾動に際して該溶融金属
に接触する部分の水冷パネル表面を耐火物で被覆するよ
うにしている。
【0005】しかしながら、前記の電気炉、あるいは転
炉型溶融還元炉に採用したものと同種の水冷パネルを、
通常の製鋼で使用する傾動式転炉に採用すると、傾動の
際に、溶融金属(溶鋼)面が水冷パネルに直接接触し、
所謂バーン・アウトによる水蒸気爆発の恐れが増加する
という問題があった。また、特開平8−327249号
公報記載の「傾動の際に溶融金属面と接触する部分の
み、水冷パネルの表面を耐火物で被覆する」技術でも、
その水冷パネルの表面を被覆した耐火物が損耗してくる
と、該水冷パネルの面がむきだしとなり、溶融金属と接
触してバーン・アウトを起こし、水蒸気爆発を誘起する
可能性が高い。さらに、溶融金属との非接触の部分が、
全周に対してほぼ半周はあるので、大部分は耐火物を内
張りすることになり、耐火物コストを飛躍的に低下させ
ることにならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、炉体傾動時に溶融金属と接触しても、耐火物を
表面に貼っていない水冷パネルで形成した内壁がバーン
・アウトしない金属精錬炉内壁の冷却方法を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者は、前記目的を達
成するため、水冷パネル表面の冷却を鋭意検討し、流体
の吹き付けでもバーン・アウトの防止ができることを確
認し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、金属
精錬炉内に保持した溶融金属の静止面より上方に位置す
る炉壁を金属製の水冷パネルで被覆し、出湯時に炉体を
傾動させ、該水冷パネルで被覆した炉壁を貫通する出湯
孔より溶融金属を炉外に排出するにあたり、前記溶融金
属が前記水冷パネルと接触を開始する前に、該水冷パネ
ルの炉内側表面に流体を吹き付け、該表面を冷却するこ
とを特徴とする金属精錬炉内壁の冷却方法である。
【0008】また、本発明は、前記流体の吹き付けを気
水スプレーとすることを特徴とする金属精錬炉内壁の冷
却方法である。さらに、本発明は、前記金属精錬炉を転
炉とすることを特徴とする金属精錬炉内壁の冷却方法で
ある。本発明では、炉上部の溶融金属の静止面より上方
に位置する内壁を、全周にわたり金属製水冷パネルで形
成し、炉体傾動時に該水冷パネルの表面に冷却流体を吹
きつけ、溶融金属が該水冷パネルと接触した際には、そ
こに凝固層を生成させるようにしたので、該水冷パネル
のバーン・アウトが防止できるようになる。その結果、
炉内壁の一部を耐火物ではなく、水冷パネルにすること
ができ、従来より耐火物コストが大幅に削減できるよう
になる。また、操業中、上吹きランスの先端位置を高め
ることができるので、溶融金属への酸素吹きが所謂ソフ
ト・ブローで行えるようになり、ダスト発生量が著しく
減少するようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、発明をなすに至る経緯をま
じえて、本発明の実施形態を説明する。本発明が対象と
する金属精錬炉は、例えば、通常の製鋼用転炉や電気
炉、あるいは鉄鉱石、クロム鉱石その他鉱石の溶融還元
を行う所謂転炉型溶融還元炉が挙げられる。
【0010】本発明では、上記転炉の直立時に炉上部の
静止浴面より上方に位置する範囲の内壁を、水冷パネル
で被覆する。その理由は、この範囲の炉内壁は、製錬時
の炉内発生ガスで極めて高温となり、またスラグによる
侵食を受けるので、耐火物が最も溶損し易いからであ
る。なお、水冷パネル自体は、前記した従来より公知の
もので良く、例えば、銅又は銅合金製のブロック内部
に、冷却水の流路を設けたものである。
【0011】この水冷パネルは、製錬中に高温雰囲気に
曝されているので、精錬終了後でもまだ高温となってい
る。勿論、水冷パネルは、内部水冷されており、該水冷
パネルを構成する金属に熱伝導率の高い銅合金等を使用
しているから、パネル自体がその融点以上の温度にまで
上昇することはない。また、製錬中の激しい炉内反応に
よって、水冷パネル表面には、スラグ、メタル等の付着
物が適度に付着して自己保護被覆を形成している。しか
し、この自己保護被覆と水冷パネルの間の伝熱は、水冷
パネルを形成する銅合金に比べて極めて悪いので、製錬
終了後においても、その温度は容易には低下していない
のである。
【0012】この状態で、出湯作業のために炉を傾動し
て、水冷パネルが溶融金属浴面下に没すると、上記付着
物が溶融金属中に溶解し、水冷パネル自体が剥き出しの
状態で溶融金属と接する。そのため、該水冷パネルは、
バーン・アウトし易い危険な状態となる。そこで、発明
者は、水冷パネルが溶融金属浴面下に没する前に、水冷
パネルを炉内側から流体を吹き付けて冷却することで、
この付着物の温度を短時間に著しく低下させるものであ
る。発明者の実験によれば、その冷却手段としては、散
水、あるいは気水等スプレーによる水冷が効果的であっ
た。
【0013】
【実施例】出湯孔6より上部の炉壁全周にわたり銅製の
水冷パネル2を貼った溶融還元炉1を用いて、ステンレ
ス鋼製造のための母溶鋼5の溶融還元操業を行った(ク
ロム鉱石を炭材で直接溶融還元する)。使用した炉の概
要を図1に示す。なお、図1では、水冷パネル2だけが
炉上部の全周にわたることを示すため、立体的且つリン
グ状に描かれている。
【0014】この溶融還元精錬の実施中は、上吹酸素用
ランス3を介して酸素ガス10を上吹し、前記炉1の上
部で炉内発生COガスの2次燃焼を起こさせた。その
際、水冷パネル2は、上吹酸素用ランス3の先端とほぼ
同じ高さの位置に設置されており、該水冷パネル内に流
した冷却水は、流速が8m/s、内圧6kgf/cm2
とした。それにより、該冷却水の沸点は120℃まで上
昇した。
【0015】かかる溶融還元精錬の終了後に、炉体を傾
転させ製造した母溶鋼5を炉外に排出した(図2参
照)。その際、本発明に係る金属精錬炉内壁の冷却方法
を実施した。つまり、図2に示すように、炉体上部より
水吹きランス7を介して、出湯孔6側の水冷パネル2の
表面に沿い気水8を噴霧し、冷却した(所謂フォグ冷
却)。
【0016】使用した水吹きランス及び気水の噴霧条件
は、 噴霧水量 4ton/hr(ノズル2本) 水圧 3kgf/m2 (ノズル先端) 噴霧角度 85° ノズル径 4mm である。
【0017】その結果、傾転角が大きくなり、水冷パネ
ル2の表面と前記母溶鋼5とが接触した際、該水冷パネ
ル2の表面と母溶鋼5との間に、図3(b)に示すよう
に、凝固層8が生成された。すなわち、この凝固層8
が、水冷パネル2の温度上昇を緩和し、そのバーン・ア
ウトを防止したのである。従来は、この部分は耐火レン
ガであったが、本発明により水冷パネルが使用できるよ
うになり、耐火物コストが従来より40%低減したので
ある。
【0018】なお、前記実施例においては、転炉型溶融
還元炉を用いたが、本発明は、通常の製鋼用転炉、電気
炉等、傾転式の金属精錬炉のすべてに適用可能であるこ
とは言うまでもない。また、水冷パネル表面の冷却手段
は、気水のフォグに限らず、単なる散水冷却でも良い。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、金属
精錬炉の内壁の一部に、耐火物を貼っていない水冷パネ
ルを使用しても、そのバーン・アウトが防止できるよう
になった。その結果、金属精錬時の耐火物コストが、従
来より大幅に削減された。また、上吹きランスの先端位
置を従来より高くできるようになり、溶融金属面への酸
素ガスの上吹きを所謂ソフト・ブローとし、操業中のダ
スト発生量を減少させる副次効果もあった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷却方法を実施する溶融還元炉の
縦断面図である。
【図2】図1の炉を用い、本発明に係る冷却方法を実施
している状況を示す縦断面図である。
【図3】本発明に係る冷却方法実施において、溶鋼と水
冷パネルが接触した時の状況を示す図であり、(a)は
縦断面図、(b)は(a)の丸囲い部の拡大図である。
【符号の説明】
1 金属精錬炉(転炉型溶融還元炉、転炉、電気炉
等) 2 水冷パネル 3 上吹酸素用ランス 4 スラグ 5 溶融金属(母溶鋼) 6 出湯孔 7 水吹きランス 8 凝固層 9 気水 10 酸素ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田玉 智明 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭63−28817(JP,A) 特開 平6−147775(JP,A) 特開 平8−337809(JP,A) 特許3081626(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27D 1/12 C21C 5/42 C21C 5/46 105

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属精錬炉内に保持した溶融金属の静止
    面より上方に位置する炉壁を水冷パネルで被覆し、出湯
    時に炉体を傾動させ、該水冷パネルで被覆した炉壁を貫
    通する出湯孔より溶融金属を炉外に排出するにあたり、 前記溶融金属が水冷パネルと接触を開始する前に、該水
    冷パネルの炉内側表面に流体を吹き付け、該表面を冷却
    することを特徴とする金属精錬炉内壁の冷却方法。
  2. 【請求項2】 前記流体の吹き付けを気水スプレーとす
    ることを特徴とする請求項1記載の金属精錬炉内壁の冷
    却方法。
  3. 【請求項3】 前記金属精錬炉を転炉とすることを特徴
    とする請求項1又は2記載の金属精錬炉内壁の冷却方
    法。
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