JPH08296049A - モノアミン型生分解性キレート剤を用いた無電解Niメッキ浴 - Google Patents
モノアミン型生分解性キレート剤を用いた無電解Niメッキ浴Info
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- JPH08296049A JPH08296049A JP12046795A JP12046795A JPH08296049A JP H08296049 A JPH08296049 A JP H08296049A JP 12046795 A JP12046795 A JP 12046795A JP 12046795 A JP12046795 A JP 12046795A JP H08296049 A JPH08296049 A JP H08296049A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 安定性に優れ、高P含量のNi被膜を高速度
で与える無電解Niメッキ浴を提供する。 【構成】 アスパラギン酸、グルタミン酸、およびイミ
ノ二酢酸等を基本骨格としたモノアミン型生分解性キレ
ート剤およびそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩から
選ばれた少なくとも一種を有効成分として含有する無電
解Niメッキ浴。
で与える無電解Niメッキ浴を提供する。 【構成】 アスパラギン酸、グルタミン酸、およびイミ
ノ二酢酸等を基本骨格としたモノアミン型生分解性キレ
ート剤およびそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩から
選ばれた少なくとも一種を有効成分として含有する無電
解Niメッキ浴。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モノアミン型生分解性
キレート剤を錯化剤として使用した無電解Niメッキ浴
に関し、更に詳しくは、アスパラギン酸、グルタミン
酸、およびイミノ二酢酸等を基本骨格としたモノアミン
型生分解性キレート剤およびそのアルカリ金属塩を錯化
剤として使用した無電解Niメッキ浴に関する。
キレート剤を錯化剤として使用した無電解Niメッキ浴
に関し、更に詳しくは、アスパラギン酸、グルタミン
酸、およびイミノ二酢酸等を基本骨格としたモノアミン
型生分解性キレート剤およびそのアルカリ金属塩を錯化
剤として使用した無電解Niメッキ浴に関する。
【0002】モノアミン型生分解性キレート剤を含有す
る無電解Niメッキ浴は、環境への負荷の低減、浴安定
性の向上、メッキ速度の高速化、Ni被膜中の高P含量
化などの利点をもつメッキ浴として使用される。特に高
P含量の無電解Niメッキは、得られる被膜の非磁性、
均一性、耐食性、光沢性を利用して、電子部品産業にお
けるハードデイスク、トランンジスターパッケージ、航
空機および自動車産業における光学部品などに広く用い
られる。
る無電解Niメッキ浴は、環境への負荷の低減、浴安定
性の向上、メッキ速度の高速化、Ni被膜中の高P含量
化などの利点をもつメッキ浴として使用される。特に高
P含量の無電解Niメッキは、得られる被膜の非磁性、
均一性、耐食性、光沢性を利用して、電子部品産業にお
けるハードデイスク、トランンジスターパッケージ、航
空機および自動車産業における光学部品などに広く用い
られる。
【0003】
【従来の技術】無電解Niメッキ浴に用いられる錯化剤
としては、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、リンゴ酸、
乳酸、コハク酸などの無窒素型、あるいは、エチレンジ
アミン、ビピリジル、グリシン、アスパラギン酸、エチ
レンジアミン四酢酸(EDTA)などの含窒素型が従来
より知られている。
としては、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、リンゴ酸、
乳酸、コハク酸などの無窒素型、あるいは、エチレンジ
アミン、ビピリジル、グリシン、アスパラギン酸、エチ
レンジアミン四酢酸(EDTA)などの含窒素型が従来
より知られている。
【0004】しかしながら、クエン酸を代表とする無窒
素型錯化剤を主に用いた無電解Niメッキ浴は、浴安定
性には優れているが、メッキ速度が速いアルカリ条件下
においてNi被膜中のP含量が低下する傾向にあり、高
P含量のNi被膜を効率的に生産するには適さない。ま
た、酒石酸、グルコン酸などは、浴組成中に大量に使用
された場合、pH条件により不溶性の塩を形成して沈殿
することがあり、第一錯化剤としての利用には限界があ
る。
素型錯化剤を主に用いた無電解Niメッキ浴は、浴安定
性には優れているが、メッキ速度が速いアルカリ条件下
においてNi被膜中のP含量が低下する傾向にあり、高
P含量のNi被膜を効率的に生産するには適さない。ま
た、酒石酸、グルコン酸などは、浴組成中に大量に使用
された場合、pH条件により不溶性の塩を形成して沈殿
することがあり、第一錯化剤としての利用には限界があ
る。
【0005】一方、含窒素型錯化剤を主に用いたNiメ
ッキ浴は、錯化力が強力すぎてメッキ速度が著しく低下
する場合と、錯化力が弱すぎて浴安定性に著しく乏しい
場合とがほとんどであり、適切な錯化力を持つ化合物は
少ない。また、エチレンジアミン、EDTAなどは、非
生分解性であり、今後、環境問題の見地から使用が避け
られるべきである。特に1995年以降は、ロンドン・
ダンピング条約による海洋投棄が禁止されるため、早急
な代替品が望まれる。
ッキ浴は、錯化力が強力すぎてメッキ速度が著しく低下
する場合と、錯化力が弱すぎて浴安定性に著しく乏しい
場合とがほとんどであり、適切な錯化力を持つ化合物は
少ない。また、エチレンジアミン、EDTAなどは、非
生分解性であり、今後、環境問題の見地から使用が避け
られるべきである。特に1995年以降は、ロンドン・
ダンピング条約による海洋投棄が禁止されるため、早急
な代替品が望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解決すべくなされたもので、安定性に優れ、か
つ、クエン酸などの従来の錯化剤では実現不可能であっ
た、高速度でしかも高P含量のNiメッキを実現するメ
ッキ浴を提供することにある。
問題点を解決すべくなされたもので、安定性に優れ、か
つ、クエン酸などの従来の錯化剤では実現不可能であっ
た、高速度でしかも高P含量のNiメッキを実現するメ
ッキ浴を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、アスパラギン酸、グルタ
ミン酸、およびイミノ二酢酸等を基本骨格としたモノア
ミン型生分解性キレート剤が、無電解Niメッキ浴の錯
化剤として適切なキレート力を有することを見いだし
た。
を解決すべく鋭意研究の結果、アスパラギン酸、グルタ
ミン酸、およびイミノ二酢酸等を基本骨格としたモノア
ミン型生分解性キレート剤が、無電解Niメッキ浴の錯
化剤として適切なキレート力を有することを見いだし
た。
【0008】更に、本発明者らは、モノアミン型生分解
性キレート剤を錯化剤として用いた無電解Niメッキ浴
が、浴の安定性、メッキ速度、形成されたNi皮膜の性
状、および被膜中のP含量の各見地から優れた浴である
こと等を見いだして本発明に到達したものである。
性キレート剤を錯化剤として用いた無電解Niメッキ浴
が、浴の安定性、メッキ速度、形成されたNi皮膜の性
状、および被膜中のP含量の各見地から優れた浴である
こと等を見いだして本発明に到達したものである。
【0009】すなわち、本発明は、一般式[1]で表さ
れるモノアミン型生分解性キレート剤から選ばれた少な
くとも一種を有効成分として含有する無電解Niメッキ
浴に関する。
れるモノアミン型生分解性キレート剤から選ばれた少な
くとも一種を有効成分として含有する無電解Niメッキ
浴に関する。
【0010】一般式[1] (式中、R1 は、水素あるいは炭素数1〜10の無置換
または置換炭化水素基で、置換基として、−OH、−C
OOM、−SO3 M、−PO3 M2 、−NH2 、−CO
NH2 、−NHC(=NH)NH2 あるいは−SHを1
つ以上含んでいてもよい。R2 及びR3 は、水素あるい
は炭素数1〜8の無置換または置換炭化水素基で、置換
基として、−OH、−COOM、−SO3 Mあるいは−
PO3 M2を1つ以上含んでいてもよい。R4 は、水
素、−COOM、−SO3 Mあるいは−PO3 M2 を表
す。また、R1 とR2 の間で環を形成していてもよい。
Mは水素、アルカリ金属またはアンモニウム基を表
す。)
または置換炭化水素基で、置換基として、−OH、−C
OOM、−SO3 M、−PO3 M2 、−NH2 、−CO
NH2 、−NHC(=NH)NH2 あるいは−SHを1
つ以上含んでいてもよい。R2 及びR3 は、水素あるい
は炭素数1〜8の無置換または置換炭化水素基で、置換
基として、−OH、−COOM、−SO3 Mあるいは−
PO3 M2を1つ以上含んでいてもよい。R4 は、水
素、−COOM、−SO3 Mあるいは−PO3 M2 を表
す。また、R1 とR2 の間で環を形成していてもよい。
Mは水素、アルカリ金属またはアンモニウム基を表
す。)
【0011 】以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の一般式[1]の化合物の具体例と
しては、アスパラギン酸一酢酸(ASMA)、アスパラ
ギン酸二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸一プロピオ
ン酸(ASMP)、イミノジコハク酸(IDSA)、2
−スルホメチルアスパラギン酸(SMAS)、2−スル
ホエチルアスパラギン酸(SEAS)、グルタミン酸二
酢酸(GLDA)、2−スルホメチルグルタミン酸(S
MGL)、2−スルホエチルグルタミン酸(SEG
L)、イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NT
A)、メチルイミノ二酢酸(MIDA)、α−アラニン
二酢酸(α−ALDA)、β−アラニン二酢酸(β−A
LDA)、セリン二酢酸(SEDA)、イソセリン二酢
酸(ISDA)、フェニルアラニン二酢酸(PHD
A)、アントラニル酸二酢酸(ANDA)、スルファニ
ル酸二酢酸(SLDA)、タウリン二酢酸(TUD
A)、スルホメチル二酢酸(SMDA)あるいはこれら
のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩が挙げられる。
しては、アスパラギン酸一酢酸(ASMA)、アスパラ
ギン酸二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸一プロピオ
ン酸(ASMP)、イミノジコハク酸(IDSA)、2
−スルホメチルアスパラギン酸(SMAS)、2−スル
ホエチルアスパラギン酸(SEAS)、グルタミン酸二
酢酸(GLDA)、2−スルホメチルグルタミン酸(S
MGL)、2−スルホエチルグルタミン酸(SEG
L)、イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NT
A)、メチルイミノ二酢酸(MIDA)、α−アラニン
二酢酸(α−ALDA)、β−アラニン二酢酸(β−A
LDA)、セリン二酢酸(SEDA)、イソセリン二酢
酸(ISDA)、フェニルアラニン二酢酸(PHD
A)、アントラニル酸二酢酸(ANDA)、スルファニ
ル酸二酢酸(SLDA)、タウリン二酢酸(TUD
A)、スルホメチル二酢酸(SMDA)あるいはこれら
のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩が挙げられる。
【0013】生分解性の観点から好ましい本発明の一般
式[1]としては、(S)−アスパラギン酸一酢酸、
(S)−アスパラギン酸二酢酸、(S)−アスパラギン
酸一プロピオン酸、(S,S)−イミノジコハク酸、
(S,R)−イミノジコハク酸、(S)−2−スルホメ
チルアスパラギン酸、(S)−2−スルホエチルアスパ
ラギン酸,(S)−グルタミン酸二酢酸、(S)−2−
スルホメチルグルタミン酸、(S)−2−スルホエチル
グルタミン酸、(S)−α−アラニン二酢酸、(S)−
セリン二酢酸、(S)−フェニルアラニン二酢酸あるい
はこれらのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩が挙げ
られる。
式[1]としては、(S)−アスパラギン酸一酢酸、
(S)−アスパラギン酸二酢酸、(S)−アスパラギン
酸一プロピオン酸、(S,S)−イミノジコハク酸、
(S,R)−イミノジコハク酸、(S)−2−スルホメ
チルアスパラギン酸、(S)−2−スルホエチルアスパ
ラギン酸,(S)−グルタミン酸二酢酸、(S)−2−
スルホメチルグルタミン酸、(S)−2−スルホエチル
グルタミン酸、(S)−α−アラニン二酢酸、(S)−
セリン二酢酸、(S)−フェニルアラニン二酢酸あるい
はこれらのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩が挙げ
られる。
【0014】被メッキ素材には、金属、非金属を種々用
いることが出来る。一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭
素鋼材、ニッケルなどの触媒活性素材は、脱脂やエッチ
ング処理の後、直接メッキを施すことが可能である。ま
た、ステンレス鋼、モリブデン鋼、チタン、タングステ
ン、モリブデン、タンタル、銅、銀、金、アルミニウ
ム、マグネシウム、鉛、はんだ、ビスマス、アンチモ
ン、ITOなどの特殊金属、あるいはプラスチック、セ
ラミックスなどの非金属に対しても、それぞれの特徴に
応じた前処理と活性化を行うことにより、Niメッキが
可能である。
いることが出来る。一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭
素鋼材、ニッケルなどの触媒活性素材は、脱脂やエッチ
ング処理の後、直接メッキを施すことが可能である。ま
た、ステンレス鋼、モリブデン鋼、チタン、タングステ
ン、モリブデン、タンタル、銅、銀、金、アルミニウ
ム、マグネシウム、鉛、はんだ、ビスマス、アンチモ
ン、ITOなどの特殊金属、あるいはプラスチック、セ
ラミックスなどの非金属に対しても、それぞれの特徴に
応じた前処理と活性化を行うことにより、Niメッキが
可能である。
【0015】メッキ浴は、Ni++イオン供給剤、還元
剤、そして錯化剤の三成分を基本組成とする。Ni++イ
オン供給剤としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝
酸ニッケル等が用いられ、好ましくは、硫酸ニッケルが
よい。 還元剤としては、次亜燐酸ナトリウムなどのホ
スフィン酸塩、およびナトリウムボロハイドライド、ジ
メチルアミンボラン、ピリジンボランなどのホウ素水素
化物が用いられる。Ni−P合金メッキを目的とする場
合は、ホスフィン酸塩が用いられ、好ましくは次亜燐酸
ナトリウムがよい。また、本発明において用いられる錯
化剤は、種々モノアミン型生分解性キレート剤の中から
選択されるが、一種類の化合物を単独で用いても、複数
の化合物を配合して用いてもよい。
剤、そして錯化剤の三成分を基本組成とする。Ni++イ
オン供給剤としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝
酸ニッケル等が用いられ、好ましくは、硫酸ニッケルが
よい。 還元剤としては、次亜燐酸ナトリウムなどのホ
スフィン酸塩、およびナトリウムボロハイドライド、ジ
メチルアミンボラン、ピリジンボランなどのホウ素水素
化物が用いられる。Ni−P合金メッキを目的とする場
合は、ホスフィン酸塩が用いられ、好ましくは次亜燐酸
ナトリウムがよい。また、本発明において用いられる錯
化剤は、種々モノアミン型生分解性キレート剤の中から
選択されるが、一種類の化合物を単独で用いても、複数
の化合物を配合して用いてもよい。
【0016】本発明において錯化剤として使用されるモ
ノアミン型生分解性キレート剤は、錯化力によって異な
るが、濃度5〜500mMのNi++イオンに対し、0.
2〜30倍モル、好ましくは、0.5〜2.0倍モル、
特に好ましくは、0.7〜1.2倍モル量用いられる。
ノアミン型生分解性キレート剤は、錯化力によって異な
るが、濃度5〜500mMのNi++イオンに対し、0.
2〜30倍モル、好ましくは、0.5〜2.0倍モル、
特に好ましくは、0.7〜1.2倍モル量用いられる。
【0017】また、本発明において錯化剤として使用さ
れるモノアミン型生分解性キレート剤は、強い緩衝力を
持つため、それ自身が緩衝剤としてpH調節機能を果た
す。酸性浴でのpH調節には、硫酸、塩酸、硝酸などの
鉱酸類や酢酸、コハク酸などの錯化力の小さい有機酸を
用いることができる。また、アルカリ浴でのpH調節に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基やアンモニア、エチ
レンジアミン、トリエタノールアミンなどの錯化力の小
さい含窒素塩基を用いることができる。
れるモノアミン型生分解性キレート剤は、強い緩衝力を
持つため、それ自身が緩衝剤としてpH調節機能を果た
す。酸性浴でのpH調節には、硫酸、塩酸、硝酸などの
鉱酸類や酢酸、コハク酸などの錯化力の小さい有機酸を
用いることができる。また、アルカリ浴でのpH調節に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基やアンモニア、エチ
レンジアミン、トリエタノールアミンなどの錯化力の小
さい含窒素塩基を用いることができる。
【0018】浴のpHは、3〜12の幅広い領域が採用
され、好ましくはpH4〜10の範囲内で、メッキが実
施される。還元剤にホスフィン酸塩を用いた場合は、N
i−P合金メッキが可能であるが、高速度で高P含量の
Ni被膜を得ようとする場合は、pH4〜10の範囲
で、好ましくは、pH5〜9の範囲で実施される。
され、好ましくはpH4〜10の範囲内で、メッキが実
施される。還元剤にホスフィン酸塩を用いた場合は、N
i−P合金メッキが可能であるが、高速度で高P含量の
Ni被膜を得ようとする場合は、pH4〜10の範囲
で、好ましくは、pH5〜9の範囲で実施される。
【0019】浴の温度は、60〜98℃の範囲が採用さ
れ、好ましくは80〜95℃の範囲で実施される。
れ、好ましくは80〜95℃の範囲で実施される。
【0020】本発明のモノアミン型生分解性キレート剤
を錯化剤とした無電解Niメッキ浴は、通常、均一性、
密着性、光沢性、ぬれ性に優れた被膜を、高い浴安定性
下、高いターン数で与えるが、被膜の性状、浴安定性、
液寿命を更に向上させるため、界面活性剤、チオウレ
ア、鉛塩類などを微量添加することも有効な手段であ
る。
を錯化剤とした無電解Niメッキ浴は、通常、均一性、
密着性、光沢性、ぬれ性に優れた被膜を、高い浴安定性
下、高いターン数で与えるが、被膜の性状、浴安定性、
液寿命を更に向上させるため、界面活性剤、チオウレ
ア、鉛塩類などを微量添加することも有効な手段であ
る。
【0021】本発明のモノアミン型生分解性キレート剤
を錯化剤とした無電解Niメッキ浴は、廃液処理におい
て重金属および次亜燐酸塩等の除去を行う必要がある
が、錯化剤を含む廃液は、自然環境中で速やかに分解さ
れるため一般排水として処理することが可能である。
を錯化剤とした無電解Niメッキ浴は、廃液処理におい
て重金属および次亜燐酸塩等の除去を行う必要がある
が、錯化剤を含む廃液は、自然環境中で速やかに分解さ
れるため一般排水として処理することが可能である。
【0022】本発明において錯化剤として使用されるモ
ノアミン型生分解性キレート剤の生分解性、錯化力、お
よび製造方法について、例えば、ASDA(特願平5−
253584号)、ASMP(特願平6−35229
号)、ASMA(特願平5−253584号)、IDS
A(特願平6−164791号)、SMAS(特願平6
−254132号)、SEAS(特願平6−25413
2号)、SEGL(特願平6−254132号)、AL
DA(特願平6−58300号)、SLUDA(特願平
6−191213号),TUDA(特願平6−1912
13号)、およびSMDA(特願平6−191213
号)などが開示されている。
ノアミン型生分解性キレート剤の生分解性、錯化力、お
よび製造方法について、例えば、ASDA(特願平5−
253584号)、ASMP(特願平6−35229
号)、ASMA(特願平5−253584号)、IDS
A(特願平6−164791号)、SMAS(特願平6
−254132号)、SEAS(特願平6−25413
2号)、SEGL(特願平6−254132号)、AL
DA(特願平6−58300号)、SLUDA(特願平
6−191213号),TUDA(特願平6−1912
13号)、およびSMDA(特願平6−191213
号)などが開示されている。
【0023】本発明のモノアミン型生分解性キレート剤
は、目的に応じ錯化力を勘案して選択される。例えば、
キレート力が比較的強力な、ASDA、GLDAは、浴
の安定性の保持の見地から極めて有利なキレート剤とし
て選択される。一方、キレート力が比較的ソフトなAS
MP、ASMA、IDSAは、メッキ速度の見地から極
めて有利なキレート剤として選択される。
は、目的に応じ錯化力を勘案して選択される。例えば、
キレート力が比較的強力な、ASDA、GLDAは、浴
の安定性の保持の見地から極めて有利なキレート剤とし
て選択される。一方、キレート力が比較的ソフトなAS
MP、ASMA、IDSAは、メッキ速度の見地から極
めて有利なキレート剤として選択される。
【0024】本発明におけるモノアミン型生分解性キレ
ート剤の最大の特徴は、いずれの錯化剤を用いた場合で
も、高速度で高P含量のNi被膜を形成できることであ
る。例えは、pH8〜10(アンモニアによるアルカリ
性浴)の高メッキ速度領域において、クエン酸を錯化剤
に用いた場合えられるNiメッキ被膜中のP含量は、4
〜5%程度であるが、同条件で本発明におけるモノアミ
ン型生分解性キレート剤のいずれかを用いた場合、10
%以上の高Pメッキが可能である。この事実は、本発明
におけるNiメッキ浴が、産業上、極めて大きな重要性
をもつことを示している。すなわち、Ni−P合金は、
P含量が8%以上で非晶質の光沢性アモルファスとな
り、更に10%以上では析出状態に関係なく非磁性の被
膜となるため、本発明における高速度、高P含量のNi
メッキは、電子部品産業におけるハードデイスク、トラ
ンンジスターパッケージ、航空機および自動車産業にお
ける光学部品など製造に道を開くものである。
ート剤の最大の特徴は、いずれの錯化剤を用いた場合で
も、高速度で高P含量のNi被膜を形成できることであ
る。例えは、pH8〜10(アンモニアによるアルカリ
性浴)の高メッキ速度領域において、クエン酸を錯化剤
に用いた場合えられるNiメッキ被膜中のP含量は、4
〜5%程度であるが、同条件で本発明におけるモノアミ
ン型生分解性キレート剤のいずれかを用いた場合、10
%以上の高Pメッキが可能である。この事実は、本発明
におけるNiメッキ浴が、産業上、極めて大きな重要性
をもつことを示している。すなわち、Ni−P合金は、
P含量が8%以上で非晶質の光沢性アモルファスとな
り、更に10%以上では析出状態に関係なく非磁性の被
膜となるため、本発明における高速度、高P含量のNi
メッキは、電子部品産業におけるハードデイスク、トラ
ンンジスターパッケージ、航空機および自動車産業にお
ける光学部品など製造に道を開くものである。
【0025】
【実施例】次に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0026】実施例1〜21 本発明におけるモノアミン型生分解性キレート剤を錯化
剤に用いた場合の最大メッキ速度を、表1に示す。ま
た、最大メッキ速度時の浴のpHと緩衝力(pH変
化)、P含量、浴の安定性についても表1に示す。 (測定条件) Ni++イオン供給剤濃度:NiSO4 ・6(H2 0)と
して0.10M 還元剤濃度:NaH2 PO2 ・(H2 0)として0.2
0M 錯化剤濃度:0.07M メッキ温度:80℃ pH調製:H2 SO4 とNH4 OHによる
剤に用いた場合の最大メッキ速度を、表1に示す。ま
た、最大メッキ速度時の浴のpHと緩衝力(pH変
化)、P含量、浴の安定性についても表1に示す。 (測定条件) Ni++イオン供給剤濃度:NiSO4 ・6(H2 0)と
して0.10M 還元剤濃度:NaH2 PO2 ・(H2 0)として0.2
0M 錯化剤濃度:0.07M メッキ温度:80℃ pH調製:H2 SO4 とNH4 OHによる
【0027】
【表1】
【0028】ただし、表1における分析条件および記号
は以下の通りである。 (分析条件) 速度:10cm2 の試験板60分当のメッキ被膜増加質
量mg pH変化:pH4〜10の領域でメッキ浴のpHを0.
5刻に測定した際の、最大メッキ速度を与えるpH値お
よび測定終了後のpH P含量:生成したNi−P合金被膜中のP重量% (記号) ◎:極めて安定 ○:安定 △:やや不安定 ×:不安定、浴分解
は以下の通りである。 (分析条件) 速度:10cm2 の試験板60分当のメッキ被膜増加質
量mg pH変化:pH4〜10の領域でメッキ浴のpHを0.
5刻に測定した際の、最大メッキ速度を与えるpH値お
よび測定終了後のpH P含量:生成したNi−P合金被膜中のP重量% (記号) ◎:極めて安定 ○:安定 △:やや不安定 ×:不安定、浴分解
【0029】比較例1〜5 実施例1〜21と同様の条件で、モノアミン型生分解性
キレート剤以外の錯化剤を用いた場合の最大メッキ速度
を、表2に示す。また、最大メッキ速度時の浴のpHと
緩衝力(pH変化)、P含量、浴の安定性についても表
2に示す。
キレート剤以外の錯化剤を用いた場合の最大メッキ速度
を、表2に示す。また、最大メッキ速度時の浴のpHと
緩衝力(pH変化)、P含量、浴の安定性についても表
2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、無電解Niメッキ浴に
おいて、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびイミノ
二酢酸等を基本骨格としたモノアミン型生分解性キレー
ト剤を、適切なキレート力を有する錯化剤として使用す
ることができる。また、本発明は、以下に示す効果もあ
る。 1) クエン酸などの従来の錯化剤では実現不可能であ
った高速度でしかも高P含量のNiメッキを作成するこ
とができる。 2) 形成されたNi皮膜は、非磁性、均一性、耐食
性、光沢性において優れており、電子部品産業における
ハードデイスク、トランジスターパッケージ、航空機お
よび自動車産業における光学部品などに広く用いられ
る。 3) 浴の安定性に極めて優れており、長い液寿命の
下、高いターン数のメッキが実施可能である。
おいて、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびイミノ
二酢酸等を基本骨格としたモノアミン型生分解性キレー
ト剤を、適切なキレート力を有する錯化剤として使用す
ることができる。また、本発明は、以下に示す効果もあ
る。 1) クエン酸などの従来の錯化剤では実現不可能であ
った高速度でしかも高P含量のNiメッキを作成するこ
とができる。 2) 形成されたNi皮膜は、非磁性、均一性、耐食
性、光沢性において優れており、電子部品産業における
ハードデイスク、トランジスターパッケージ、航空機お
よび自動車産業における光学部品などに広く用いられ
る。 3) 浴の安定性に極めて優れており、長い液寿命の
下、高いターン数のメッキが実施可能である。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記一般式[1]で表されるモノアミン
型生分解性キレート剤から選ばれた少なくとも一種を有
効成分として含有する無電解Niメッキ浴。 一般式[1] (式中、R1 は、水素あるいは炭素数1〜10の無置換
または置換炭化水素基で、置換基として、−OH、−C
OOM、−SO3 M、−PO3 M2 、−NH2 、−CO
NH2 、−NHC(=NH)NH2 あるいは−SHを1
つ以上含んでいてもよい。R2 及びR3 は、水素あるい
は炭素数1〜8の無置換または置換炭化水素基で、置換
基として、−OH、−COOM、−SO3 Mあるいは−
PO3 M2を1つ以上含んでいてもよい。R4 は、水
素、−COOM、−SO3 Mあるいは−PO3 M2 を表
す。また、R1 とR2 の間で環を形成していてもよい。
Mは水素、アルカリ金属またはアンモニウム基を表
す。) - 【請求項2】 一般式[1]で表されるモノアミン型生
分解性キレート剤が、アスパラギン酸一酢酸、アスパラ
ギン酸二酢酸、アスパラギン酸一プロピオン酸、イミノ
ジコハク酸、2−スルホメチルアスパラギン酸、2−ス
ルホエチルアスパラギン酸,グルタミン酸二酢酸、2−
スルホメチルグルタミン酸、2−スルホエチルグルタミ
ン酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、メチルイミノ二
酢酸、α−アラニン二酢酸、β−アラニン二酢酸、セリ
ン二酢酸、イソセリン二酢酸、フェニルアラニン二酢
酸、アントラニル酸二酢酸、スルファニル酸二酢酸、タ
ウリン二酢酸、スルホメチル二酢酸あるいはこれらのア
ルカリ金属塩またはアンモニウム塩である請求項1記載
の無電解Niメッキ浴。 - 【請求項3】 一般式[1]で表されるモノアミン型生
分解性キレート剤が、(S)−アスパラギン酸一酢酸、
(S)−アスパラギン酸二酢酸、(S)−アスパラギン
酸一プロピオン酸、(S,S)−イミノジコハク酸、
(S,R)−イミノジコハク酸、(S)−2−スルホメ
チルアスパラギン酸、(S)−2−スルホエチルアスパ
ラギン酸,(S)−グルタミン酸二酢酸、(S)−2−
スルホメチルグルタミン酸、(S)−2−スルホエチル
グルタミン酸、(S)−α−アラニン二酢酸、(S)−
セリン二酢酸、(S)−フェニルアラニン二酢酸あるい
はこれらのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩である
請求項1記載の無電解Niメッキ浴。 - 【請求項4】 NaOH、KOH,NH4 OHによりア
ルカリ性とした請求項1記載の無電解Niメッキ浴。 - 【請求項5】 次亜燐酸ナトリウムを還元剤に用いた高
P含量のNi被膜を高速度で与える請求項4記載の無電
解Niメッキ浴。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12046795A JPH08296049A (ja) | 1995-04-24 | 1995-04-24 | モノアミン型生分解性キレート剤を用いた無電解Niメッキ浴 |
PCT/JP1996/001105 WO1996034126A1 (fr) | 1995-04-24 | 1996-04-24 | Bain de depot sans apport de courant mettant en ×uvre un agent de chelation |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12046795A JPH08296049A (ja) | 1995-04-24 | 1995-04-24 | モノアミン型生分解性キレート剤を用いた無電解Niメッキ浴 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08296049A true JPH08296049A (ja) | 1996-11-12 |
Family
ID=14786899
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12046795A Pending JPH08296049A (ja) | 1995-04-24 | 1995-04-24 | モノアミン型生分解性キレート剤を用いた無電解Niメッキ浴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08296049A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006206985A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | C Uyemura & Co Ltd | 無電解ニッケル−リンめっき皮膜及び無電解ニッケル−リンめっき浴 |
KR20100017608A (ko) * | 2007-05-03 | 2010-02-16 | 아토테크 도이칠란드 게엠베하 | 비전도성 기판에 금속 코팅하는 방법 |
JP2011001619A (ja) * | 2009-06-20 | 2011-01-06 | Ritsuhin Ri | 無電解ニッケルめっき浴および無電解ニッケルめっき方法 |
KR20170093870A (ko) * | 2014-12-16 | 2017-08-16 | 아토테크더치랜드게엠베하 | 금속 및 금속 합금의 무전해 도금을 위한 도금조 조성물 |
-
1995
- 1995-04-24 JP JP12046795A patent/JPH08296049A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006206985A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | C Uyemura & Co Ltd | 無電解ニッケル−リンめっき皮膜及び無電解ニッケル−リンめっき浴 |
KR20100017608A (ko) * | 2007-05-03 | 2010-02-16 | 아토테크 도이칠란드 게엠베하 | 비전도성 기판에 금속 코팅하는 방법 |
JP2010526205A (ja) * | 2007-05-03 | 2010-07-29 | アトテック・ドイチュラント・ゲーエムベーハー | 不導性基質へ金属被覆を施す方法 |
JP2011001619A (ja) * | 2009-06-20 | 2011-01-06 | Ritsuhin Ri | 無電解ニッケルめっき浴および無電解ニッケルめっき方法 |
KR20170093870A (ko) * | 2014-12-16 | 2017-08-16 | 아토테크더치랜드게엠베하 | 금속 및 금속 합금의 무전해 도금을 위한 도금조 조성물 |
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