JPH08295800A - 安定化された熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

安定化された熱可塑性樹脂組成物

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JPH08295800A
JPH08295800A JP8034984A JP3498496A JPH08295800A JP H08295800 A JPH08295800 A JP H08295800A JP 8034984 A JP8034984 A JP 8034984A JP 3498496 A JP3498496 A JP 3498496A JP H08295800 A JPH08295800 A JP H08295800A
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JP
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group
general formula
hydrogen atom
carbon atoms
thermoplastic resin
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JP8034984A
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English (en)
Inventor
Takashi Sanada
隆 真田
Toshiya Maruyama
俊哉 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリフェニレンエーテルと非晶性熱可塑性樹
脂とからなる組成物の熱による劣化を制御すること。 【解決手段】 ポリフェニレンエーテルと非晶性熱可塑
性樹脂とからなる組成物に対して特定のヒンダートピペ
リジン系化合物を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂と非晶性熱可塑性樹脂の組成物においての加
工時の安定性に加え、実使用時の熱安定性を向上した熱
可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル樹脂は機械的性
質、耐熱性、寸法安定性などの諸特性に優れた熱可塑性
樹脂であるが、一方では成形加工時の流動性が悪いとい
った欠点を持つ。またポリフェニレンエーテル樹脂は高
温で加工する際、着色したり、架橋等の劣化を生じ易
い。特に酸素存在下では熱による劣化が著しく、ゲル化
したり、場合によってはブッラクスペックを生じる。こ
れらの欠点をおぎなうため、加工性の面からは種々の樹
脂とブレンドし加工時の温度を下げる等の提案がなされ
てきた。また熱劣化を抑えるためには種々の添加剤をブ
レンドする提案がなされている。例えばたとえば特公昭
44−29751号公報に示されるような燐系の添加剤
や特公昭46−24782号公報に示されるようなフェ
ノール系の添加剤が挙げられる。また特開昭52−14
1883号公報、特開昭58−194931号公報、特
開昭60−76538号公報、特開昭60−14964
6号公報、特開昭60−168755号公報、特開昭6
0−168756号公報、特開昭60−199035号
公報、特開昭60−203150号公報、特開昭60−
221452号公報、特開昭61−203150号公
報、特開昭62−192454号公報、特開昭62−2
83183号公報、特開平1−126364号公報、特
開平1−161051号公報に示されるような、主に光
による変色防止を目的とした立体障害型アミンを含む種
々の化合物や立体障害型アミンを含む化合物とフェノー
ル系の添加剤の併用等、数多くの検討がなされてきてい
る。これらについては、多くの検討は加工時もしくは実
使用時の蒸散性の改良の為の検討がなされ、これらの立
体障害型アミンを含む化合物の単独もしくは他の成分と
の共重合体(オリゴマー)が数多く提案されている。し
かし、以上のいずれにおいても加熱時の劣化を抑制する
十分な効果は未だ見いだされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリフェニ
レンエーテル樹脂と結晶性熱可塑性樹脂の特に熱による
劣化を抑制した組成物に関する発明である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、ポリフェニレンエーテル樹脂
と結晶性熱可塑性樹脂に特定構造の立体障害型アミンを
もつ化合物を添加することにより、熱による劣化を抑制
する著しい効果が得られることをみいだし本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、 a)ポリフェニレンエーテル 100重量部、および b)結晶性熱可塑性樹脂 1〜99重量% a)、b)の合計量100重量部に対し、 c)一般式(1)もしくは(2)で表される少なくとも
一つの4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジル化合物 0.001〜15重量部を添加してなる
熱可塑性樹脂組成物である。 1 は水素原子、酸素原子(オキシラジカル)、水酸
基、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ベンジ
ル基、アリール基、アルカノイル基、アルケノイル基、
アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基を表す。R
2 は水素原子、アルキル基、一般式(3) を表す。ここで、Xは直接結合、−O−または−NH−
を表し、R4 は直接結合、直鎖もしくは分岐アルキレン
基、またはアルキリデン基、アリーレン基を表し、R5
は水素原子、アルキル基、アリール基、一般式(4)ま
たは一般式(5)を表す。 nは1から4の整数を表す。pは2から6の整数を表
し、R3 はn価の基を表す。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるa)成分ポリ
フェニレンエーテル樹脂とは、一般式(11) (式中、R15,R16,R17,R18およびR19は水素、ハ
ロゲン原子、炭化水素基もしくは置換炭化水素基から選
ばれたものであり、そのうち、必ず1個は水素原子であ
る。)で示されるフェノール化合物の一種または二種以
上を酸化カップリング触媒を用い、酸素または酸素含有
ガスで酸化重合せしめて得られる重合体である。
【0006】上記一般式に於けるR15,R16,R17,R
18およびR19の具体例としては、水素、塩素、臭素、フ
ッ素、ヨウ素、メチル、エチル、n−またはiso−プ
ロピル、pri−、sec−またはt−ブチル、クロロ
エチル、ヒドロキシエチル、フェニルエチル、ベンジ
ル、ヒドロキシメチル、カルボキシエチル、メトキシカ
ルボニルエチル、シアノエチル、フェニル、クロロフェ
ニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、エチルフェ
ニル、アリルなどが挙げられる。
【0007】上記一般式の具体例としては、フェノー
ル、o−,m−,またはp−クレゾール、2,6−、
2,5−、2,4−または3,5−ジメチルフェノー
ル、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジ
フェニルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2
−メチル−6−エチルフェノール、2,3,5−、2,
3,6−または2,4,6−トリメチルフェノール、3
−メチル−6−t−ブチルフェノール、チモール、2−
メチル−6−アリルフェノールなどが挙げられる。上記
一般式のフェノール化合物は、上記一般式以外のフェノ
ール化合物、例えば、ビスフェノール−A、テトラブロ
モビスフェノール−A、レゾルシン、ハイドロキノン、
ノボラック樹脂のような多価ヒドロキシ芳香族化合物と
共重合することもできる。
【0008】成分a)のポリフェニレンエーテルとして
好ましいものとしては、2,6−ジメチルフェノールま
たは2,6−ジフェニルフェノールの単独重合体、およ
び大量部の2,6−ジメチルフェノールと少量部の3−
メチル−6−t−ブチルフェノールまたは2,3,6−
トリメチルフェノールの共重合体が挙げられる。フェノ
ール化合物を酸化重合せしめる際に用いられる酸化カッ
プリング触媒は、特に限定されるものではなく、重合能
を有する如何なる触媒でも使用しえる。
【0009】本発明に於ける成分b)の結晶性熱可塑性
樹脂は通常の射出成型品を示差熱量計で測定して結晶化
度が5%以上の樹脂を指し、好ましくはポリエチレン,
ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ(アルキレンジカル
ボキシレート)、ポリアセタール、ポリフェニレンスル
フィド、およびポリエーテルケトンである。
【0010】本発明において用いられるポリエチレン系
樹脂とは、エチレン単独重合体の他、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレ
ン−4メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセ
ン−1共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレ
ン−デセン−1共重合体などのエチレン・α−オレフィ
ン共重合体等が挙げられる。これらのポリエチレン系樹
脂はJISK6760によれば密度が0.914〜0.
925(g/cm3 )の低密度ポリエチレン(LDP
E)、0.925〜0.94(g/cm3 )の中密度ポ
リエチレン(MDPE)、0.94〜0.96(g/c
3 )の高密度ポリエチレン(HDPE)に分類され
る。LDPEのうち特にエチレン−α−オレフィン共重
合体を線状低密度ポリエチレン(LLDPE)と呼ぶこ
とがある。エチレン−α−オレフィン共重合体のうちさ
らに密度の低いもの例えば0.914未満〜0.90以
上の極低密度ポリエチレン(VLDPE)、0.90未
満〜0.88以上の超低密度ポリエチレン(ULDP
E)なども含まれる。VLDPE、ULDPEともに8
0℃以上に融点を有する。この点において同一密度のエ
チレン−α−オレフィン共重合体ゴムと区別される。こ
れらのポリエチレン系樹脂は少なくとも一つの官能基を
有する単量体、例えばα、β−不飽和カルボン酸、脂肪
族カルボン酸またはこれらの誘導体でグラフト変性され
た上記重合体であってもよい。
【0011】本発明においてポリプロピレンとは結晶性
ポリプロピレンであり、結晶性プロピレンホモポリマー
のほかにプロピレンと30モル%以下の少なくとも一種
のエチレンもしくはプロピレン以外のα−オレフィンを
共重合して得られるポリマーである。例えば、第1工程
でプロピレンを重合させるか、またはプロピレンと、エ
チレンおよび/またはたとえばブテン−1のような少な
くとも1種のオレフィンの6モル%以下とを共重合さ
せ、第2工程でプロピレンと、エチレンおよび/または
少なくとも1種のα−オレフィンの10モル%以上とを
共重合させて得られる結晶性プロピレンとα−オレフィ
ンとブロックコポリマーまたはプロピレンとエチレンお
よび/または少なくとも1種の他のα−オレフィン(例
えばブテン−1、ヘキセン−1)6モル%以下とを共重
合させた結晶性プロピレン/α−オレフィンランダムコ
ポリマー等を含む。
【0012】本発明に用いられる結晶性ポリアミドと
は、ラクタムあるいはアミノカルボン酸の重合および等
モル量の炭素原子4〜12個を含む飽和脂肪族ジカルボ
ン酸と炭素原子2〜12個を含む脂肪族ジアミンとの結
合により製造することができるホモポリアミドおよびコ
ポリアミド等から選ばれた1種又は2種以上のポリアミ
ド樹脂である。重合の際に所望に応じてジアミンを過剰
に用いてポリアミド中のカルボキシル末端基よりアミン
末端基を過剰に与えることができる。逆に、過剰の二塩
基性酸を用いてポリアミドのカルボキシル基末端基がア
ミン末端基より過剰になるよう調整することもできる。
同様に、これらのポリアミドを該酸及びアミンの酸生成
及びアミン生成誘導体、たとえばエステル、酸塩化物、
アミン塩などからも良好に製造することができる。この
ポリアミドを製造するために用いる代表的な脂肪族ジカ
ルボン酸にはアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、
スベリン酸、セバシン酸及びドデカンジオン酸が含ま
れ、一方代表的な脂肪族ジアミンにはヘキサメチレンジ
アミン及びオクタメチレンジアミンが含まれる。加え
て、これらのポリアミドはラクタムの自己縮合により製
造することができる。
【0013】脂肪族 ポリアミドの例には、ポリヘキサ
メチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチ
レンアゼラミド(ナイロン69)、ポリヘキサメチレン
セバサミド(ナイロン610)、及びポリヘキサメチレ
ンドデカノアミド(ナイロン612)、ポリ−ビス−
(p−アミノシクロヘキシル)メタンドデカノアミド、
ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46、ナイロ
ン6、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン6/66)共重合体等が、またこれらのナイロン
を2種以上任意の割合で使用してもよい。
【0014】これらの結晶性ポリアミドにあって好まし
くはナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン11、ナイロン12などが用いられる。より好ましく
は、ナイロン6、ナイロン66あるいはナイロン6とナ
イロン66との任意の比率の混合物が用いられる。また
これらポリアミドの末端官能基はアミン末端の多いも
の、カルボキシ末端の多いもの、両者がバランスしたも
の、あるいはこれらの任意の比率の混合物が好適に用い
られる。さらに結晶性を有する芳香族ポリアミドも含
む。たとえばポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナ
イロン6I)の如き芳香族成分を含有するコポリアミド
である。かかる芳香族成分を含有する熱可塑性コポリア
ミドは芳香族アミノ酸及び/又は芳香族ジカルボン酸た
とえば、パラアミノメチル安息香酸、パラアミノエチル
安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸などを主要構成
成分とする溶融重合が可能なポリアミドを意味する。
【0015】ポリアミドの他の構成成分となるジアミン
はヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレ
ンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(p−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−アミノシクロヘ
キシル)プロパン、ビス(3−メチル、4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサンなどを使用することができる。またジアミンの代
わりにイソシアネート類を用いる事が出来る。たとえば
4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネートなどである。必要に応じて用いられる
共重合成分は特に限定なく、ラクタムもしくは炭素原子
4〜12個のω−アミノ酸の単位、又は炭素原子4〜1
2個の脂肪族ジカルボン酸、及び炭素原子2〜12個の
脂肪族ジアミンから誘導される化合物、たとえば、ε−
カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、11−アミノウ
ンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのラクタム、
又はアミノ酸、前記した各種ジアミンとアジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸などとのモル塩などが利用でき
る。またこれらの結晶性ポリアミドに非晶性ポリアミド
を任意の割合で混合してもよい。
【0016】本発明におけるポリ(アルキレンジカルボ
キシレート)とは、ジカルボン酸又はその機能誘導体お
よびアルキレンジオキシ化合物又はその機能誘導体を重
縮合して得られるものである。ジカルボン酸の具体例と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸およびこれら
の芳香核の水素原子がメチル基、エチル基、フェニル基
などで置換された核置換芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数2〜
20の脂肪族ジカルボン酸、およびシクロヘキサンジカ
ルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。
ジカルボン酸の機能誘導体とは、上記化合物の酸クロリ
ド又は、カルボン酸メチルエステル、フェニルエステル
のようなエステル類などが挙げられる。ジオキシ化合物
の具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジオールなどの脂肪族ジオールおよび脂環
式ジオールなどが挙げられる。ジオキシ化合物の機能誘
導体の代表的なものはジアセテート体である。上記化合
物は2種以上用いられることも可能であり、更にはP−
オキシ安息香酸との共重合、ポリエチレングリコールと
の共重合も可能である。これらの熱可塑性ポリエステル
の中で、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフテレート及びそれらの構造を含む変性重合体、たち
えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどのポリエーテルとの共重合体が好ましい具体例の
一つである。
【0017】本発明におけるポリアリーレンスルフィド
とは、下記化学式(12)(式中のArは2価の芳香族
残基を表わす。)で表わされる繰り返し単位からなる重
合体のことである。
【0018】 Arの例としては化学式(13)〜(22)で表わされ
る2価の芳香族残基およびこれらの核置換体が挙げられ
る。
【0019】
【0020】また、これら2価の芳香族残基に加えて化
学式(23)で表わされる三官能の基を少量含む重合体
も本発明のポリアリーレンスルフィドに含まれる。
【0021】
【0022】化学式(12)で表わされるポリアリーレ
ンスルフィドの具体例としてはポリフェニレンスルフィ
ド、ポリ(1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フ
ェニレンスルフィド)、ポリ(1,4−フェニレンスル
ホニル−1,4−フェニレンスルフィド)、ポリ(ビフ
ェニレンスルフィド)等が挙げられる。これらのうちで
好ましいポリアリーレンスルフィドは化学式(24)で
表わされる繰り返し単位を50モル%以上含むポリアリ
ーレンスルフィドであり、より好ましいポリアリーレン
スルフィドはポリフェニレンスルフィドであり、さらに
好ましくは降温結晶化温度が225℃以下のポリフェニ
レンスルフィドである。ここに降温結晶化温度とは、溶
融後、降温下で測定した結晶化温度のことであり、DS
Cにおいて、10℃/分の降温速度で測定した値であ
る。一般に、上記ポリアリーレンスルフィドには直鎖型
と部分架橋も含めた架橋型の2つのタイプがあり、本発
明にはいずれも使用可能であるが直鎖型が好ましい。
【0023】
【0024】本発明における成分c)の立体障害型アミ
ノ基を基本骨格として持つ4−アミノ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジル化合物は前記の一般式(1)
もしくは(2)で表される。R1 は水素原子、酸素原子
(オキシラジカル)、水酸基、アルキル基、シクロアル
キル基、アリル基、ベンジル基、アリール基、アルカノ
イル基、アルケノイル基、アルキルオキシ基、シクロア
ルキルオキシ基を表す。R2 は水素原子、アルキル基、
前記の一般式(3)を表す。ここで、Xは直接結合、−
O−または−NH−を表し、R4 は直接結合、直鎖もし
くは分岐アルキレン基、またはアルキリデン基、アリー
レン基を表し、R5 は水素原子、アルキル基、アリール
基、前記の一般式(4)または一般式(5)を表す。n
は1から4の整数を表す。pは2から6の整数を表し、
3 はn価の基を表す。前記の一般式(1)もしくは
(2)で表される4−アミノ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジル化合物の好ましい例は以下の[I]か
ら[VII ]で示される。 [I]n=1のとき、R3 が水素原子、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール
基もしくは前記の一般式(6)で表され、ここで、Yは
直接結合、−O−または−NR8 −で表され、R6 は直
接結合、直鎖もしくは分岐アルキレン基、またはアルキ
リデン基、アリーレン基で表され、R7 、R8 はお互い
に独立して水素原子、水酸基、アルキル基、アリール基
で表される。
【0025】さらに好ましくは、n=1のとき、R1
2 がそれぞれ独立して水素原子、炭素数1から18の
アルキル基を表し、R3 が水素原子、アルキル基、シク
ロアルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基
もしくは一般式(6) で表され、ここで、Yは直接結合、−O−または−NR
8 −で表され、R6 は直接結合、炭素数1から10の直
鎖もしくは分岐アルキレン基、またはアルキリデン基、
アリーレン基で表され、R7 、R8 はお互いに独立して
水素原子、炭素数1から18のアルキル基、炭素数6か
ら21のアリール基、前記の一般式(4)または一般式
(5)で表される化合物である。
【0026】[II]n=2のとき、R3 がアルキレン基
または一般式(7) を表す化合物。R9 は直接結合、直鎖もしくは分岐アル
キレン基、炭素数1から10のアルキリデン基、アリー
レン基を表す。もしくは前記の一般式(4)で表され
る。さらに好ましくは、n=2のとき、R1 とR2 がそ
れぞれ独立して水素原子、炭素数1から18のアルキル
基を表し、R3 がアルキレン基または前記の一般式
(7)を表し、R9 が直接結合、炭素数1から10の直
鎖もしくは分岐アルキレン基、炭素数1から10のアル
キリデン基、アリーレン基を表す化合物である。
【0027】n=2のとき、一般式(1)において、R
2 が前記の一般式(3)で表され、ここで、Xは直接結
合、−O−または−NH−で表され、R4 は直接結合、
直鎖もしくは分岐アルキレン基、またはアルキリデン
基、アリーレン基で表され、R 5 は水素原子、アルキル
基、アリール基、前記の一般式(4)または一般式
(5)で表され、R3 がアルキレン基で表される化合物
もまた好ましい。 [III ]n=3のとき、R3 が一般式(8)を表す化合
物。
【0028】[VI]n=4のとき、R3 が一般式(9)
もしくは(10)を表す化合物。 [V]さらに前記の一般式(1)で示される化合物も好
ましい。
【0029】R1 は水素原子、酸素原子(オキシラジカ
ル)、水酸基、炭素数1から8のアルキル基、シクロア
ルキル基、アリル基、ベンジル基、アリール基、アルカ
ノイル基、アルケノイル基、アルキルオキシ基、シクロ
アルキルオキシ基を表す。nは1,2,もしくは4の整
数を表す。n=1のとき、R2 は水素原子、炭素数1か
ら8のアルキル基もしくは、 ここでPとQはアルキレン基、アルカリデン基、ビニル
基、ビニリデン基から選ばれる一つの基を示す。
【0030】R3 は水素原子、アルキル基、シクロアル
キル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基もしく
は前記の一般式(6)を表す。ここで、Yは直接結合、
−O−または−NR8 −を表し、R6 は直接結合、直鎖
もしくは分岐アルキレン基、またはアルキリデン基、ア
リーレン基を表し、R5 は水素原子、アルキル基、アリ
ール基、前記の一般式(4)または一般式(5)を表
す。n=2のとき、R2 は水素原子、炭素原子数1から
8のアルキル基、もしくは ここでPとQはアルキレン基、アルカリデン基、ビニル
基、ビニリデン基から選ばれる一つの基を示す。R3
アルキレン基、もしくは前記の一般式(7)を表す。R
9 は直接結合、直鎖もしくは分岐アルキレン基、アルキ
リデン基、アリーレン基を表す。n=4のときR2 は水
素原子、炭素原子数1から8のアルキル基を表し、R3
は前記の一般式(9)もしくは(10)を表す。さらに
好ましくは、前記の一般式(1)において、R1 、R2
それぞれが水素原子、炭素数1から8のアルキル基であ
り、 (i)n=1のとき、R3 が水素原子、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルケニル基もしくは前記の一般式
(6)を表し、ここでYは直接結合、−O−または−N
8 −を表し、R6 は直接結合、炭素数1から10の直
鎖もしくは分岐アルキレン基、またはアルキリデン基、
アリーレン基を表し、R7 とR8 はお互い独立して水酸
基、炭素数1から18のアルキル基、炭素数6から21
のアリール基、前記の一般式(4)または一般式(5)
を表す化合物。
【0031】(ii)n=2のとき、R3 はアルキレン
基、もしくは前記の一般式(7)を表す。R9 は直接結
合、炭素数1から10の直鎖もしくは分岐アルキレン
基、アルキリデン基、アリーレン基を表す化合物。 さらに好ましくは、式(i) から(iv)の少なくともひとつ
の化合物。
【0032】 ここでR10が水素原子、水酸基、アルキル基もしくはア
ルキルオキシ基を表し、R11がアルキレン基を、R12
アルキル基を、R13とR14がそれぞれ独立に水素原子も
しくはメチル基を表す。式(i) において好ましくは、R
10が水素原子、炭素数1から10のアルキル基もしくは
炭素数1から10のアルキルオキシ基を表し、R11が炭
素数2から8のアルキレン基を表す化合物であり、さら
に好ましくは、R10が水素原子もしくはメチル基を表
し、R11がヘキサメチレン基を表す化合物である。式(i
i)において好ましくは、R10が水素原子、水酸基、炭素
数1から10のアルキル基もしくは炭素数1から10の
アルキルオキシ基を表し、R11が炭素数2から8のアル
キレン基を、R12が炭素数1から18のアルキル基を表
す化合物であり、さらに好ましくは、R10が水素原子も
しくはメチル基を表す化合物である。
【0033】式(iii) において好ましくは、R10が水素
原子、水酸基、炭素数1から10のアルキル基もしくは
炭素数1から10のアルキルオキシ基を表し、R11が炭
素数2から8のアルキレン基を表す化合物であり、さら
に好ましくは、R10が水素原子もしくはメチル基を表す
化合物である。式(iv)において好ましくは、R10が水素
原子、水酸基、炭素数1から10のアルキル基もしくは
炭素数1から10のアルキルオキシ基を表し、R11が炭
素数2から8のアルキレン基を表す化合物であり、さら
に好ましくは、R10が水素原子もしくはメチル基を表す
化合物である。 [VI]前記の一般式(1)で表される化合物。R1 は水
素原子、酸素原子(オキシラジカル)、水酸基、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アリル基、ベンジル基、アリ
ール基、アルカノイル基、アルケノイル基、アルキルオ
キシ基、シクロアルキルオキシ基を表す。R2 は水素原
子もしくはアルキル基を表し、nは1,2,4の整数を
表す。 (i)n=1のとき R3 は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基、ベンジル基、アリール基もしくは前記の一般
式(6) ここでYは直接結合、−O−または−NR8 −を表し、
6 は直接結合、直鎖もしくは分岐アルキレン基、また
はアルキリデン基、アリーレン基を表し、R7とR8
お互い独立して水酸基、アルキル基、アリール基、前記
の一般式(4)または一般式(5)を表す。 (ii)n=2のとき、R3 は前記の一般式(7)を表
す。R9 は直接結合、炭素数1から10の直鎖もしくは
分岐アルキレン基、アルキリデン基、アリーレン基を表
す。 (iv)n=4のとき、R3 は前記の一般式(9)もし
くは一般式(10)を表す。好ましくは、一般式(1)
において、R1 が水素原子もしくは炭素数1から8のア
ルキル基で表され、R2 が水素原子もしくは炭素数1か
ら18のアルキル基で表され、
【0034】(i)n=1のとき R3 は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基、ベンジル基、アリール基もしくは前記の一般
式(6) ここでYは直接結合、−O−または−NR8 −を表し、
6 は直接結合、炭素数1から10の直鎖もしくは分岐
アルキレン基、または炭素数1から10のアルキリデン
基、アリーレン基を表し、R7 とR8 はお互い独立して
水素原子、炭素数1から18のアルキル基、炭素数6か
ら21のアリール基、前記の一般式(4)または一般式
(5)を表す化合物。 (ii)n=2のとき、R3 は前記の一般式(7)を表
す。R9 は直接結合、炭素数1から10の直鎖もしくは
分岐アルキレン基、炭素数1から10のアルキリデン
基、アリーレン基を表す化合物。 [VII ]前記の一般式(2)で表される化合物。ここで
1 は水素原子、酸素原子(オキシラジカル)、水酸
基、炭素数1から8のアルキル基、シクロアルキル基、
アリル基、ベンジル基、アリール基、アルカノイル基、
アルケノイル基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオ
キシ基を表し、R2 は水素原子、炭素数1から8のアル
キル基を表し、nは3を表し、pは2から6の整数を表
し、R3 が前記の一般式(8)を表す化合物。
【0035】具体的には、[I]、[V]そして[VI]
において[n=1]の化合物c)として以下の化合物が
例示される。4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、4−メチルアミノ−2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジン、4−エチルアミノ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−プロピルア
ミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−
ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、4−ヘキシルアミノ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、4−オクチルアミノ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン、4−ドデカニルアミノ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ジエチルア
ミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピ
ペリジン、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)アセトアミド、N−(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジル)ステアロイルアミ
ド、そして一般式(25)から(43)に示される化合
物が挙げられる。
【0036】
【0037】
【0038】また[II]、[V]そして[VI」において
[n=2]の化合物c)として以下の化合物が例示され
る。一般式(1)もしくは(2)で表される4−アミノ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル化合物にお
いて、R1 は例えば水素、水酸基やメチル、エチル、プ
ロピルなどの炭素数1から10のアルキル基または炭素
数1から10のアルキルオキシ基であることができ、ま
たその炭素数が3以上の場合は直鎖状や分岐状のほかシ
クロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル等の環状を
含んでもよい。R1 としては、水素またはメチル基が好
ましい。R2 は炭素数1から17のアルキル基または炭
素数1から18のアルキルオキシ基であり、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチ
ル、第三ブチル、第二ブチル、n−ペンチル、n−ヘキ
シル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、1,1,
3,3−テトラメチルブチル、n−デシル、n−ドデシ
ル、n−オクタドデシル、シクロヘキシル、3,3,5
−トリメチルシクロヘキシル、シクロオクチル、シクロ
デシルなどが挙げられる。R1 としては、水素またはメ
チル基が好ましい。
【0039】R2 は炭素数1から17のアルキル基また
は炭素数1から18のアルキルオキシ基であり、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、第三ブチル、第二ブチル、n−ペンチル、n
−ヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、1,
1,3,3−テトラメチルブチル、n−デシル、n−ド
デシル、n−オクタドデシル、シクロヘキシル、3,
3,5−トリメチルシクロヘキシル、シクロオクチル、
シクロデシルなどが挙げられる。R3 は炭素数2から8
のアルキレン基であり、エチレン、1,2−及び1,3
−プロピレン、1,2−、1,3−または1,4−ブチ
レン、ペンタメチレン、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロピレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン等の−Cn
2n- で示されるアルキレン基や、シクロヘキシレン、
シクロヘキシレンジメチレンなどが挙げられる。さらに
3 は炭素数6のヘキサメチレンである場合が好まし
い。
【0040】R4 は水素または炭素数1から17のアル
キル基であり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、第三ブチル、第二ブチ
ル、n−ペンチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシ
ル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル、n−デシル、n−ドデシル、n−オクタドデシル、
シクロヘキシル、3,3,5−トリメチルシクロヘキシ
ル、シクロオクチル、シクドデシルなどが挙げられる。
前記の一般式(7)においてR9 は直接結合、炭素数1
から10の直鎖もしくは分岐アルキレン基、またはアル
キリデン基、アリーレン基で表し、たとえばエチレン、
1,2−及び1,3−プロピレン、1,2−、1,3−
または1,4−ブチレン、ペンタメチレン、2,2−ジ
メチル−1,3−プロピレン、ヘキサメチレン、オクタ
メチレン等や、シクロヘキシレン、シクロヘキシレンジ
メチレンなどが挙げられる。
【0041】具体的な化合物としては, N,N’−ビス
(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)
−1,6−ヘキサンジアミン、N,N’−ビス(2,
2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)−エチ
レンジアミン、N,N’−ビス(2,2,6,6,−テ
トラメチル−4−ピペリジル)−1,4−ブタンジアミ
ン、N,N’−ビス(2,2,6,6,−テトラメチル
−4−ピペリジル)−1,8−オクタンジアミン等の化
合物や一般式(44)から(49)で表される化合物を
挙げることができる。
【0042】また[III ]と[VII ]において[n=
3]の化合物c)として以下の化合物が例示される。一
般式(2)において、R3 が前記の一般式(8)を表
し、具体的には一般式(50)、(51)で表される化
合物である。
【0043】また[I]そして[IV]から[VI]におい
て[n=4]の化合物c)として以下の化合物が例示さ
れる。一般式(1)もしくは(2)において、R3 が前
記の一般式(9)もしくは(10)で表される化合物で
ある。具体的には一般式(52)から(54)等の化合
物が挙げられる。
【0044】本発明における成分a)と成分b)の配合
割合は a)ポリフェニレンエーテル 1〜99重量% b)結晶性熱可塑性樹脂 99〜1重量% である。好ましくは、 a)ポリフェニレンエーテル 10〜90重量% b)結晶性熱可塑性樹脂 90〜10重量% であり、さらに好ましくは、 a)ポリフェニレンエーテル 10〜80重量% b)結晶性熱可塑性樹脂 90〜20重量% であり、最も好ましいのは、 a)ポリフェニレンエーテル 15〜60重量% b)結晶性熱可塑性樹脂 85〜40重量% である。また成分c)の添加量については成分a)ポリ
フェニレンエーテルとせいぶんb)結晶性熱可塑性樹脂
の合計量100重量部に対して0.001〜15重量部
であり、好ましくは0.1〜10重量部である。0.0
01重量部未満ではゲル化抑制効果が見られず、15重
量部を超えると揮発成分により実使用時に発泡等の問題
を生じる。
【0045】本発明に於けるポリフェニレンエーテルと
結晶性熱可塑性樹脂の成分d)の相容化剤は下記(d
1)〜(d10)から選ばれる少なくとも一種である。 (d1):エチレン性又はアセチレン性不飽和結合を持
たないエポキシ化合物 (d2):同一分子内に(i)少なくとも一種の不飽和
基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合
と(ii)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物 (d3):分子構造中に、(i)酸素の架橋を介して炭
素原子、及び(ii)少なくともエチレン性炭素−炭素
二重結合もしくは炭素−炭素三重結合及び/又はアミノ
基及びメルカプト基から選ばれる官能基、の両方を有
し、前記官能基がケイ素原子に直接結合されていないシ
ラン化合物 (d4):同一分子内に(i)(OR)(ここでRは水
素又はアルキル、アリール、アシル又はカルボニルジオ
キシ基である。)及び(ii)カルボン酸、酸ハライ
ド、酸無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミ
ド、イミド、イミド、アミノ及びこれらの塩から選ばれ
た少なくとも二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ
化合物 (d5):同一分子内に(i)酸ハライド基と(ii)
少なくとも一種のカルボン酸、カルボン酸無水物、、酸
エステル又は、酸アミド基を併せ持つ化合物 (d6):アルケニル芳香族化合物の単位及びα、β−
不飽和ジカルボン酸もしくはジカルボン酸無水物の単位
を有する共重合体、又はビニル芳香族化合物の単位及び
α、β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物の単位を有
する共重合体 (d7):エチレン性又はアセチレン性不飽和結合を持
たないで、一分子中に2個以上のイソシアネート基およ
び/またはイソチオシアネート基を有する有機化合物 (d8):エチレン性又はアセチレン性不飽和結合およ
び(OR)(ここでRは水素又はアルキル、アリール、
アシル又はカルボニルジオキシ基である。)を持たない
2つ以上のアミノ基を持つ化合物 (d9):(d1)、(d2)、(d3)、(d4)及
び(d5)からなるなる群の中から選ばれた少なくとも
一種の相容化剤で官能化されたポリフェニレンエーテル (d10):アルケニル芳香族化合物と相容化を目的と
する結晶性熱可塑性樹脂と相容する化合物との共重合体
【0046】本発明に用いられる(d1)グループの相
容化剤は(1)ポリヒドリックフェノール(たとえばビ
スフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾ
ルシンなど)とエピクロルヒドリンの縮合体、及びコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールな
ど)とエピクドルヒドリンの縮合体が挙げられる。
【0047】本発明に用いられる(d2)グループの相
容化剤は、不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭
素−炭素三重結合と、極性基すなはちポリアミド樹脂中
に含まれるアミド結合、連鎖末端に存在するカルボキシ
ル基、アミノ基と親和性や、化学反応性を示す官能基を
同一分子内に併せ持つ化合物である。かかる官能基とし
ては、カルボン酸基、カルボン酸より誘導される基すな
わちカルボキシル基の水素原子あるいは水酸基が置換し
た各種の塩やエステル、酸アミド、酸無水物、イミド、
酸アジド、酸ハロゲン化物、あるいはオキサゾリン、ニ
トリルなどの官能基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、
又は、イソシアン酸エステル基などが挙げられ、不飽和
基と極性基を併せ持つ化合物すなわち、不飽和カルボン
酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和エポキシ化合物、
不飽和アルコール、不飽和アミン、不飽和イソシアン酸
エステルが用いられる。
【0048】具体的には、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、
無水マレイン酸とジアミンの反応物たとえば、下記化学
式(55)、(56)で表される。 (ただしRは脂肪族、芳香族基を示す。)などで示され
る構造を有するもの、無水メチルナジック酸、無水ジク
ロロマレイン酸、マレイン酸アミド、イタコン酸、無水
イタコン酸、大豆油、キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻
実油、綿実油、ゴマ油、菜種油、落花生油 、椿油、オ
リーブ油、ヤシ油、イワシ油などの天然油脂類、エポキ
シ化天然油脂類、アクリル酸、ブテン酸、クロトン酸、
ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリカ
酸、チグリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、α
−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペン
テン酸、2−ヘキセン、2−メチル−2−ペンテン酸、
3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン酸、
2・2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、2
−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10
−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4
−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデ
セン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、ア
イコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、
ミコリペン酸、2・4−ヘキサジエン酸、ジアリル酢
酸、ゲラニウム酸、2・4−デカジエン酸、2・4−ド
デカジエン酸、9・12−ヘキサデカジエン酸、9・1
2−オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリエン酸、アイ
コサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコサテトラエ
ン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、オレイン
酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサジエン
酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサペ
ンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキサ
コジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテン酸などの
不飽和カルボン酸、あるいはこれらの不飽和カルボン酸
のエステル、酸アミド、無水物、あるいはアリルアルコ
ール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノー
ル、アリルカルビノール、メチルプロピペニルカルビノ
ール、4−ペンテン−1−オール、10−ウンデセン−
1−オール、プロパルギルアルコール、1・4−ペンタ
ジエン−3−オール、1・4−ヘキサジエン−3−オー
ル、3・5−ヘキサジエン−2−オール、2・4−ヘキ
サジエン−1−オール、一般式Cn 2n-5OH、Cn
2n-7OH、Cn 2n-9OH(ただし、nは正の整数)で
示されるアルコール、3−ブテン−1・2−ジオール、
2・5−ジメチル−3−ヘキセン−2・5−ジオール、
1・5−ヘキサジエン−3・4−ジオール、2・6−オ
クタジエン−4・5−ジオールなどの不飽和アルコー
ル、あるいはこのような不飽和アルコールのOH基が、
−NH2 基に置き換わった不飽和アミン、あるいはグリ
シジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ルなどが挙げられる。
【0049】また、ブタジエン、イソプレンなどの低重
合(たとえば平均分子量が500から10000ぐらい
のもの)あるいは高分子量体(たとえば平均分子量が1
0000以上のもの)に無水マレイン酸、フェノール類
を付加したもの、あるいはアミノ基、カルボン酸基、水
酸基、エポキシ基などを導入したもの、イソシアン酸ア
リルなどが挙げられる。
【0050】本発明における同一分子内に不飽和基と極
性基を併せ持つ化合物の定義には、不飽和基を2個以
上、極性基を2個以上(同種又は異種)含んだ化合物も
含まれる個とは、いうまでもなく、また、2種以上の特
定化合物を使うことも可能である。
【0051】これらの内で、好ましくは無水マレイン
酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコ
ン酸、グリシジル(メタ)アクリレートが、より好まし
くは無水マレイン酸、フマール酸が用いられる。
【0052】本発明に用いられる(d3)グループの相
容化剤は分子構造中に、ア)酸素の架橋を介して炭素原
子に結合された少なくとも1つのケイ素原子、及びイ)
少なくともエチレン性炭素−炭素二重結合もしくは炭素
−炭素三重結合及び/又はアミノ基及びメルカプト基か
ら選ばれる官能基、の両方を有し、前記官能基がケイ素
原子に結合されていない、シラン化合物であり、ガンマ
アミノプロピトリエトキシシラン、2−(3−シクロヘ
キシル)エチルトリメキシシランなどが使用できる。
【0053】本発明に用いられる(d4)グループの相
容化剤はアリファティックポリカルボン酸、酸エステル
又は酸アミドであり、一般式(R1 O)m R(COOR
2 n (CONR3 4 l (ここで、Rは:線状又は
分岐状飽和アリファティック炭化水素であって2〜20
個、好ましくは2〜10個の炭素原子を有するものであ
り、R1 は水素、アルキル基、アリール基、アシル基、
又はカルボニルジオキシ基で特に好ましくは水素であ
り、R2 は水素、アルキル基、又はアリール基で炭素数
1から20、好ましくは1から10であり、R3 及びR
4 は水素、アルキル基、又はアリール基で炭素数1から
10、好ましくは1から6、更に好ましくは1から4で
あり、m=1であり、n+lは2以上の整数、好ましく
は2又は3であり、nは0以上の整数であり、lは0以
上の整数であり、(R1 O)はカルボニル基のα位又は
β位に位置し、少なくとも2つのカルボニル基の間に
は、2〜6個の炭素が存在するものである。)によって
あらわされる飽和脂肪族ポリカルボン酸及びその誘導体
化合物。(具体的には、飽和脂肪族ポリカルボン酸のエ
ステル化合物、アミド化合物、無水物、水加物及び塩な
どを示す。飽和脂肪族ポリカルボン酸として、クエン
酸、リンゴ酸、アガリシン酸などである。これらの化合
物の詳細は、公表特許公報 昭61−502195号に
開示されている。)
【0054】本発明に用いられる(d5)グループの相
容化剤は一般式((I)−Z−(II))(式中、
(I)は、少なくとも式:(X−CO)−(式中Xは、
F、Cl、B、I、OH、OR又は−O−CO−Rで、
RはH、アルキル基又はアリール基である)の基、(I
I)は少なくともカルボン酸、酸無水物基、酸アミド
基、イミド基、カルボン酸エステル基、アミノ基又はヒ
ドロキシル基であり、(I)及び(II)の基は、2価
炭化水素である結合Zを介して共有結合している。]で
表される化合物。(具体的には、クロロホルミルこはく
酸無水物、クロロエタノイルこはく酸無水物、トリメリ
ット酸無水物酸クロライド、トリメリット酸無水物酢酸
無水物、テレフタル酸酸クロライドなどがあげられ
る。)からなる群から選ばれる一種又はそれ以上の化合
物からなる。
【0055】本発明に用いられる(d6):アルケニル
芳香族化合物の単位及びα、β−不飽和ジカルボン酸も
しくはジカルボン酸無水物の単位を有する共重合体、又
はビニル芳香族化合物の単位及びα、β−不飽和ジカル
ボン酸のイミド化合物の単位を有する共重合体とは例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン等のアルケニル芳香
族化合物と無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、N
−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等の共重
合を挙げることができる。
【0056】本発明に用いられる(d7):エチレン性
又はアセチレン性不飽和結合を持たないで、一分子中に
2個以上のイソシアネート基および/またはイソチオシ
アネート基を有する有機化合物としては、例えばm−フ
ェニレンジイソシアネート、2,4−トルイレンジイソ
シアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビ
フェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジメチルジフ
ェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテル−
4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−
4,4’−ジイソシアネート、トリフェニルメタントリ
イソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類;キシ
リレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ポリイソシアネ
ート類;4,4’−シクロヘキサンジイソシアネート、
ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、1,12−ドデカン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト等の脂肪族ポリイソシアネート類等およびこれらの混
合物、並びにこれらに対応するイソチアシアネート基を
持った化合物を挙げることができる。また、これらの2
量体、3量体等の多量体型;カルボジイミド変性型;フ
ェノール類、ラクタム類等によってイソシアネート基を
マスクしたブロック型等のポリイソシアネート変性体等
を挙げることができる。
【0057】本発明に用いられる(d8):エチレン性
又はアセチレン性不飽和結合および(OR)(ここでR
は水素又はアルキル、アリール、アシル又はカルボニル
ジオキシ基である。)を持たない2つ以上のアミノ基を
持つ化合物とは、例えばエチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、2−メ
チルペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、ジアミノデカン、ジアミ
ノドデカン、等の飽和脂肪族ジアミンおよびポリアミン
類、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミ
ン、トリス(3−アミノプロピル)アミン、ならびにこ
れらの二酸化炭素付加物等の脂肪族ポリアミン、p−フ
ェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、トリレン
ジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニ
ルスルフォン等の芳香族ポリアミン類が挙げられる。
【0058】本発明に用いられる(d10):アルケニ
ル芳香族化合物と相容化を目的とする結晶性熱可塑性樹
脂と相容する化合物との共重合体は、例えば結晶性樹脂
としてポリオレフィンを用いる場合、スチレン、α−メ
チルスチレン等のアルケニル芳香族化合物とα−オレフ
ィンの共重合体が挙げられる。
【0059】しかし、本発明における相容性改良剤は、
ここに例示した化合物に限定されず、PPEと結晶性熱
可塑性樹脂の相容性を改良する目的で使用される化合物
であればどれでもよく、単独又は複数の相容化剤を同時
に使用してもよい。該相容性改良剤の配合量は、ポリフ
ェニレンエーテル系樹脂と結晶性熱可塑性樹脂の合計1
00重量部に対し、0〜30重量部で30重量部を越え
ると耐熱安定性の低下や分解などによる著しい強度低下
などが起こるため好ましくない。好ましい配合量は、
0.05重量部〜25重量部である。また、この相容性
改良剤を配合するとき、ラジカル開始剤を併用してもよ
い。
【0060】本発明において、該熱可塑性樹脂組成物の
剛性の改良や硬度の改良等の目的で充填剤を配合するこ
とができる。適当な充填剤として、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、硫酸
マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウ
ム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸、含水ケイ酸カルシウ
ム、含水ケイ酸アルミニウム、マイカ、鉱物繊維、ゾノ
トライト、チタン酸カリウム・ウイスカ、マグネシウム
オキシサルフェート、ガラスバルン、ガラス繊維、ガラ
スビーズ、カーボン繊維、ステンレス繊維等の無機繊
維、アラミド繊維、カーボンブラック等があるが、これ
らの充填剤を一種以上配合することが可能である。ま
た、配合する充填剤は、これらに限定されない。本発明
において熱可塑性樹脂組成物を得るために、強化用、機
能付与等を目的に充填剤を配合して用いることができ
る。充填剤としては、ガラス繊維、カ−ボン繊維、アラ
ミド繊維、アルミニウムやステンレスなどの強化用繊維
および金属のウィスカ−、シリカ、アルミナ、炭酸カル
シウム、タルク、マイカ、クレ−、カオリン、硫酸マグ
ネシウム、カ−ボンブラック、TiO2 、ZnOおよび
Sb23 のような無機充填剤を用いることができる。
【0061】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記a)
〜d)成分を公知の方法で配合し、溶融混練して得られ
る。またa)成分の重合工程において加えてもよい。本
発明の熱可塑性樹脂組成物は射出成形、ブロー成形、シ
ート成形、フィルム成形、真空成形など幅広い成形が可
能であり、特にブロー成形、シート成形、フィルム成形
において熱による劣化を著しく抑制していることから最
適である。また得られた成形品は包材、家電製品、自動
車用外板部品や内装材として幅広く使用できる。
【0062】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を詳しく説明す
るが、これは単なる例示であり、本発明はこれに限定さ
れるものではない。 (各組成物および試験片の作成)各実施例および比較例
を各表に示すような組成で混合し、二軸混練機(東芝機
械製 TEM−50A)にて、シリンダー温度260℃
で押し出し、水槽にて冷却後ストランドカッターにより
ペレット化して組成物を得たた。こうして得られたペレ
ットを130℃ 2時間真空乾燥した後、射出成形機
(東芝機械製 IS220EN)によりシリンダー温度
290℃、射出圧力1200kg/cm2 、金型温度8
0℃の条件で各テストピースを成形した。 こうして得
たペレットおよびテストピースを下記の方法によって試
験してデータを得た。
【0063】(ポリフェニレンエーテルの分子量)得ら
れたペレットを微粉砕したのちクロロホルム用いたソッ
クスレイ抽出を行い、組成物中からポリフェニレンエー
テルを得た。得られたポリフェニレンエーテルをクロロ
ホルム溶媒として、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)
((株)東ソー製 HLC−8020 カラム:K−8
06,K−805,K−804,K−803 検出器:
UV 290nm 温度:40℃ 流量:1.0ml/
min)で測定し、ポリスチレン換算の分子量を求め
た。
【0064】(混練による組成物の黄変度の測定)前述
の射出成形によって得た試験片を住化カラー製 CCM
にてイエローインデックス(YI)を測定した。
【0065】(耐熱安定性)前述の射出成形によって得
た3.2mmアイゾット用試験片を、120℃条件の恒
温層中に100、500時間放置して、熱履歴を与えた
後、ASTM D256に準拠してノッチを入れ23℃
雰囲気下で衝撃テストを実施した。
【0066】実施例および比較例の各組成物を得るに当
たり次に示す原料を準備した。(ポリフェニレンエーテ
ル・PPE) 2,6−ジメチルフェノールを単独重合
することによって得られたクロロホルム溶液(濃度:
0.5g/dl),30度摂氏での対数粘度が0.46
のポリフェニレンエーテル。
【0067】(結晶性熱可塑性樹脂) PA−A:数平均分子量17500のナイロン6 PA−B:数平均分子量17000のナイロン66 PP:住友化学製 ノーブレン HD100 PBT:三菱レーヨン製 タフペット N−1000 PPS:東レ・フィリップス製 M2880 耐衝撃材:シェル化学製 カリフレックス TR110
【0068】(相容化剤) 相容化剤1:無水マレイン酸 相容化剤2:ジアミノドデカン 相容化剤3:シェル化学製 クレイトン G1701X 相容化剤4:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナ
ート
【0069】(添加剤) 添加剤1:サノール LS−770 (三共(株)製) 下記化学式(57)で表す。
【0070】添加剤2:チヌビン 622 (チバ・ガ
イギー製) 下記化学式(58)で表す。
【0071】添加剤3:キマソーブ 944 (チバ・
ガイギー製) 下記化学式(59)で表す。
【0072】添加剤4:アデカスタブ PEP−36
(旭電化(株)製) 下記化学式(60)で表す。
【0073】(参考例)以下、実施例で用いた化合物の
合成例を示す。なお、例中にある%は、特にことわらな
いかぎり重量基準である。 例1:N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン(化合
物1)の製造 5リットルオートクレーブに2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリドン981g(6.32モル)、ヘキ
サメチレンジアミン350g(3.01モル)、メタノ
ール1500gおよび炭素上の5%プラチナ5.0gを
45〜55℃に保つように仕込んだ。そして水素でこの
オートクレーブを40バールに加圧した後、70〜80
℃に加熱し水素化を行った。水素化は4〜5時間の後に
完了した。触媒を2〜3バールの圧力下70〜80℃の
温度にて濾過により除去した後、N,N′−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6
−ヘキサンジアミンを蒸留により1070g 収率90
%で得た。 沸点:188〜190℃/0.80ミリバール
【0074】例2:N,N′−ビス(2−メトキシカル
ボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジア
ミン(化合物2)の製造 1リットルの四つ口フラスコに、N,N′−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6
−ヘキサンジアミン80g(0.20モル)およびメタ
ノール200gを仕込んで完溶させた。これに、アクリ
ル酸メチル35g(0.41モル)をメタノール100
gに溶かした溶液を室温で滴下した。この後、還流下で
12時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、ヘキ
サンで再結晶したところ、白色固体として標記化合物2
を98g(0. 17モル)、収率85%で得た。 融点: 50〜52℃
【0075】例3:N,N′−ビス(2−オクタデシル
オキシカルボニルエチル)−N,N′−ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘ
キサンジアミン(化合物3)の製造 撹拌機および還流冷却機を備えた四つ口フラスコに、例
2で得たN,N′−ビス(2−メトキシカルボニルエチ
ル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン(化合
物2)20g(35ミリモル)、ステアリルアルコール
21g(77ミリモル)およびトルエン200mlを仕
込み、還流下で撹拌した。そこへ、リチウムアミド0.
1g(4ミリモル)とメタノール3gとの溶液を滴下し
た。その後、トルエンを追加しながら溶媒を留去させ、
反応を完結させた。4時間反応させたあと、トルエンを
追加し、室温まで冷却した。有機層を水で3回洗浄した
あと濃縮し、標記化合物3を23g(22ミリモル)、
収率63%で得た。 融点: 45〜46℃
【0076】例4:N,N′−ビス(エトキシカルボニ
ル)−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン(化合
物4)の製造 エチルクロロカーボネート22.8g(0.21モル)
を、0℃を越えない範囲で、1,2−ジクロロエタン2
00ミリリットル中、N,N′−ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサン
ジアミン39.4g(0.1モル)の−10℃に冷却し
た溶液に加える。次に50ミリリットルの水に溶解した
水酸化ナトリウム8.4gを、温度0℃に保ってゆっく
り加える。次に温度を20℃まで上昇させ、水相を分離
して有機相を水で洗浄する。無水硫酸ナトリウム上で乾
燥し、溶媒を除いた後、残留物をオクタンから結晶さ
せ、標記化合物7を44.1g 収率82%で得た。 融点: 125℃
【0077】例5:化合物5(化学式(61))の製造 温度計、撹拌装置および冷却管を備えた四つ口フラスコ
に、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン 156g、トルエン 400ml,無水マレイン
酸 98gを仕込み、容器内を窒素置換した後、撹拌し
ながら60℃で6時間保温した。反応終了後、生成した
白色結晶を濾別し、トルエンで洗浄することにより、
243gを得た。
【0078】例6:化合物6 2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミン
【0079】実施例1〜7、比較例1〜6 表1に各実施例及び比較例の組成と得られた組成物中の
ポリフェニレンエーテルの分子量および混練前のポリフ
ェニレンエーテルの分子量を示した。
【0080】実施例8〜11、比較例7〜10 表2に各実施例及び比較例の組成と得られた組成物中の
ポリフェニレンエーテルの分子量および混練前のポリフ
ェニレンエーテルの分子量を示した。
【0081】実施例12,13および比較例11,12 表3に組成物のYIを示す。
【0082】実施例14,15および比較例13 表4に組成物の耐熱安定性を示す。
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【発明の効果】ポリフェニレンエーテルと結晶性熱可塑
性樹脂の組成物に対して特定のヒンダードピペリジン系
化合物を添加することにより、加工時の熱によるポリフ
ェニレンエーテルの分子量増加の抑制、着色および耐熱
安定性が著しく改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 59/00 LMP C08L 59/00 LMP 67/02 LPF 67/02 LPF 77/00 LQV 77/00 LQV 81/02 LRG 81/02 LRG 101/00 LTA 101/00 LTA

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)ポリフェニレンエーテル 1〜99重
    量% b)結晶性熱可塑性樹脂 1〜99重量% a)、b)の合計量100重量部に対し、 c)一般式(1)もしくは(2)で表される少なくとも
    一つの4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
    リジル化合物 0.001〜15重量部を添加してなる
    熱可塑性樹脂組成物。 1 は水素原子、酸素原子(オキシラジカル)、水酸
    基、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ベンジ
    ル基、アリール基、アルカノイル基、アルケノイル基、
    アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基を表す。R
    2 は水素原子、アルキル基、一般式(3) を表す。ここで、Xは直接結合、−O−または−NH−
    を表し、R4 は直接結合、直鎖もしくは分岐アルキレン
    基、またはアルキリデン基、アリーレン基を表し、R5
    は水素原子、アルキル基、アリール基、一般式(4)ま
    たは一般式(5)を表す。 nは1から4の整数を表す。pは2から6の整数を表
    し、R3 はn価の基を表す。
  2. 【請求項2】 成分c)の一般式(1)もしくは(2)
    で表される少なくとも一つの4−アミノ−2,2,6,
    6−テトラメチルピペリジル化合物がn=1であり、R
    3 が水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケ
    ニル基、ベンジル基、アリール基もしくは一般式(6) で表され、ここで、Yは直接結合、−O−または−NR
    8 −で表され、R6 は直接結合、直鎖もしくは分岐アル
    キレン基、またはアルキリデン基、アリーレン基で表さ
    れ、R7 、R8 はお互いに独立して水素原子、水酸基、
    アルキル基、アリール基 で表される請求項1に示され
    る熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分c)の一般式(1)もしくは(2)
    で表される少なくとも一つの4−アミノ−2,2,6,
    6−テトラメチルピペリジル化合物がn=2であり、R
    3 がアルキレン基、一般式(7) で表され、R9 は直接結合、直鎖もしくは分岐アルキレ
    ン基、またはアルキリデン基、アリーレン基で表される
    請求項1に示される熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分c)の一般式(1)もしくは(2)
    で表される少なくとも一つの4−アミノ−2,2,6,
    6−テトラメチルピペリジル化合物がn=3であり、R
    3 が一般式(8) で表される請求項1に示される熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 成分c)の一般式(1)もしくは(2)
    で表される少なくとも一つの4−アミノ−2,2,6,
    6−テトラメチルピペリジル化合物がn=4であり、R
    3 が一般式(9)もしくは一般式(10)で表される請
    求項1に示される熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 成分c)の化合物が一般式(1)におい
    て、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素、炭素数1から
    18のアルキル基であり、nは1または2で表され、
    (1)n=1のときR3 は水素原子、アルキル基、シク
    ロアルキル基、アルケニル基もしくは請求項2において
    記載の一般式(6)を表し、Yは直接結合、−O−また
    は−NR8 −を表し、R6 は直接結合、炭素原子数1か
    ら10の直鎖もしくは分岐アルキレン基、またはアルキ
    リデン基、アリーレン基を表し、R7 、R 8 はお互いに
    独立して水素原子、炭素原子数1から18のアルキル
    基、炭素原子数6から21のアリール基、請求項1にお
    いて記載の一般式(4)または一般式(5)で表し、
    (2)n=2のときR3 は請求項3において記載の一般
    式(7)を表し、R9 は直接結合、炭素原子数1から1
    0の直鎖もしくは分岐アルキレン基、またはアルキリデ
    ン基、アリーレン基を表す請求項1記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 成分c)の一般式(1)で表される少な
    くとも一つの4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチ
    ルピペリジル化合物がn=2であり、R3 がアルキレン
    基で表される請求項1に示される熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 成分c)の一般式(1)で表される少な
    くとも一つの4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチ
    ルピペリジル化合物がn=2であり、R2 が水素原子で
    あり、R3 がアルキレン基で表される請求項1に示され
    る熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 成分c)の一般式(1)で表される少な
    くとも一つの4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチ
    ルピペリジル化合物がn=2であり、R1 が水素原子ま
    たはメチル基、R2 が水素原子であり、R3 がヘキサメ
    チレン基で表される請求項1に示される熱可塑性樹脂組
    成物。
  10. 【請求項10】 成分c)の一般式(1)で表される少
    なくとも一つの4−アミノ−2,2,6,6−テトラメ
    チルピペリジル化合物がn=2であり、R2がアルキル
    基であり、R3 がアルキレン基で表される請求項1に示
    される熱可塑性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 成分c)の一般式(1)で表される少
    なくとも一つの4−アミノ−2,2,6,6−テトラメ
    チルピペリジル化合物がn=2であり、R2が請求項1
    において記載の一般式(3)で表され、ここで、Xは直
    接結合、−O−または−NH−で表され、R4 は直接結
    合、直鎖もしくは分岐アルキレン基、またはアルキリデ
    ン基、アリーレン基で表され、R5 は水素原子、アルキ
    ル基、アリール基、請求項1において記載の一般式
    (4)または一般式(5)で表され、R3 がアルキレン
    基で表される請求項1に示される熱可塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 結晶性熱可塑性樹脂がポリエチレン,
    ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ(アルキレンジカル
    ボキシレート)、ポリアセタール、ポリフェニレンスル
    フィド、およびポリエーテルケトンである請求項1記載
    の樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 b)成分の結晶性熱可塑性樹脂がポリ
    アミドである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 成分a)と成分b)が相容化に有効な
    量の相容化剤d)を含む請求項1記載の組成物。
  15. 【請求項15】 d)成分が、下記(d1)〜(d1
    0)から選ばれる少なくとも一種である請求項14記載
    の熱可塑性樹脂組成物。 (d1):エチレン性又はアセチレン性不飽和結合を持
    たないエポキシ化合物 (d2):同一分子内に(i)少なくとも一種の不飽和
    基すなわち炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合
    と(ii)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物 (d3):分子構造中に、(i)酸素の架橋を介して炭
    素原子、及び(ii)少なくともエチレン性炭素−炭素
    二重結合もしくは炭素−炭素三重結合及び/又はアミノ
    基及びメルカプト基から選ばれる官能基、の両方を有
    し、前記官能基がケイ素原子に直接結合されていないシ
    ラン化合物 (d4):同一分子内に(i)(OR)(ここでRは水
    素又はアルキル、アリール、アシル又はカルボニルジオ
    キシ基である。)及び(ii)カルボン酸、酸ハライ
    ド、酸無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミ
    ド、イミド、イミド、アミノ及びこれらの塩から選ばれ
    た少なくとも二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ
    化合物 (d5):同一分子内に(i)酸ハライド基と(ii)
    少なくとも一種のカルボン酸、カルボン酸無水物、、酸
    エステル又は、酸アミド基を併せ持つ化合物 (d6):ビニル芳香族化合物の単位及びα、β−不飽
    和ジカルボン酸もしくはジカルボン酸無水物の単位を有
    する共重合体、又はビニル芳香族化合物の単位及びα、
    β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物の単位を有する
    共重合体 (d7):エチレン性又はアセチレン性不飽和結合を持
    たないで、一分子中に2個以上のイソシアネート基およ
    び/またはイソチオシアネート基を有する有機化合物 (d8):エチレン性又はアセチレン性不飽和結合およ
    び(OR)(ここでRは水素又はアルキル、アリール、
    アシル又はカルボニルジオキシ基である。)を持たない
    2つ以上のアミノ基を持つ化合物 (d9):(d1)、(d2)、(d3)、(d4)及
    び(d5)からなるなる群の中から選ばれた少なくとも
    一種の相容化剤で官能化されたポリフェニレンエーテル (d10):アルケニル芳香族化合物と相容化を目的と
    する結晶性熱可塑性樹脂と相容する化合物との共重合体
  16. 【請求項16】 成分c)が請求項1において記載の一
    般式(1)で表される4−アミノ−2,2,6,6−テ
    トラメチルピペリジル化合物である請求項1記載の熱可
    塑性樹脂組成物。R1 は水素原子、酸素原子(オキシラ
    ジカル)、水酸基、炭素数1から8のアルキル基、シク
    ロアルキル基、アリル基、ベンジル基、アリール基、ア
    ルカノイル基、アルケノイル基、アルキルオキシ基、シ
    クロアルキルオキシ基を表す。nは1,2,もしくは4
    の整数を表す。n=1のとき、R2 は水素原子、炭素数
    1から8のアルキル基もしくは、 を表す。ここでPとQはアルキレン基、アルカリデン
    基、ビニル基、ビニリデン基から選ばれる一つの基を示
    す。R3 は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、
    アルケニル基、ベンジル基、アリール基もしくは請求項
    2において記載の一般式(6)を表す。ここで、Yは直
    接結合、−O−または−NR8 −を表し、R6 は直接結
    合、直鎖もしくは分岐アルキレン基、またはアルキリデ
    ン基、アリーレン基を表し、R5 は水素原子、アルキル
    基、アリール基、請求項1において記載の一般式(4)
    または一般式(5)を表す。n=2のとき、R2 は水素
    原子、炭素原子数1から8のアルキル基、もしくは を表す。ここでPとQはアルキレン基、アルカリデン
    基、ビニル基、ビニリデン基から選ばれる一つの基を示
    す。R3 はアルキレン基、もしくは請求項3において記
    載の一般式(7)を表す。R9 は直接結合、直鎖もしく
    は分岐アルキレン基、アルキリデン基、アリーレン基を
    表す。n=4のときR2 は水素原子、炭素原子数1から
    8のアルキル基を表し、R3は請求項5において記載の
    一般式(9)もしくは(10)を表す。
  17. 【請求項17】 成分c)の一般式(1)において、R
    1 、R2 それぞれが水素原子、炭素数1から8のアルキ
    ル基であり、n=1もしくは2であり、 (i)n=1のとき、R3 が水素原子、アルキル基、シ
    クロアルキル基、アルケニル基もしくは請求項2におい
    て記載の一般式(6)を表し、ここでYは直接結合、−
    O−または−NR8 −を表し、R6 は直接結合、炭素数
    1から10の直鎖もしくは分岐アルキレン基、またはア
    ルキリデン基、アリーレン基を表し、R7とR8 はお互
    い独立して水酸基、アルキル基、アリール基、請求項1
    において記載の一般式(4)または一般式(5)を表
    す。 (ii)n=2のとき、R3 はアルキレン基、もしくは
    請求項3において記載の一般式(7)を表す。R9 は直
    接結合、炭素数1から10の直鎖もしくは分岐アルキレ
    ン基、アルキリデン基、アリーレン基を表す。である請
    求項16記載の熱可塑性樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 成分c)の一般式(1)において、n
    =2であり、R3 がアルキレン基を表す請求項16記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 成分c)の一般式(1)において、n
    =2であり、R2 が水素を表し、R3 がアルキレン基を
    表す請求項16記載の熱可塑性樹脂組成物。
  20. 【請求項20】 成分c)の一般式(1)において、n
    =2であり、R1 が水素あるいはメチル基を表し、R2
    が水素原子を表し、R3 がヘキサメチレン基を表す請求
    項16記載の熱可塑性樹脂組成物。
  21. 【請求項21】 成分c)の一般式(1)において、n
    =2であり、R2 がアルキル基を表し、R3 がアルキレ
    ン基を表す請求項16記載の熱可塑性樹脂組成物。
  22. 【請求項22】 成分c)の一般式(1)の化合物が、
    式(i) から(iv)の少なくともひとつの化合物 を表す請求項16記載の熱可塑性樹脂組成物。 ここでR10が水素原子、水酸基、アルキル基もしくはア
    ルキルオキシ基を表し、R11がアルキレン基を、R12
    アルキル基を、R13とR14がそれぞれ独立に水素原子も
    しくはメチル基を表す。
  23. 【請求項23】 式(i) において、R10が水素原子、炭
    素数1から10のアルキル基もしくは炭素数1から10
    のアルキルオキシ基を表し、R11が炭素数2から8のア
    ルキレン基を表す請求項22記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  24. 【請求項24】 式(i) において、R10が水素原子もし
    くはメチル基を表し、R11がヘキサメチレン基を表す請
    求項22記載の熱可塑性樹脂組成物。
  25. 【請求項25】 式(ii)において、R10が水素原子、水
    酸基、炭素数1から10のアルキル基もしくは炭素数1
    から10のアルキルオキシ基を表し、R11が炭素数2か
    ら8のアルキレン基を、R12が炭素数1から18のアル
    キル基を表す請求項22記載の熱可塑性樹脂組成物。
  26. 【請求項26】 式(ii)において、R10が水素原子もし
    くはメチル基を表す請求項22記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  27. 【請求項27】 式(iii) において、R10が水素原子、
    水酸基、炭素数1から10のアルキル基もしくは炭素数
    1から10のアルキルオキシ基を表し、R11が炭素数2
    から8のアルキレン基を表す請求項22記載の熱可塑性
    樹脂組成物。
  28. 【請求項28】 式(iii) において、R10が水素原子も
    しくはメチル基を表す請求項22記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  29. 【請求項29】 式(iv)において、R10が水素原子、水
    酸基、炭素数1から10のアルキル基もしくは炭素数1
    から10のアルキルオキシ基を表し、R11が炭素数2か
    ら8のアルキレン基を表す請求項22記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  30. 【請求項30】 式(iv)において、R10が水素原子もし
    くはメチル基を表す請求項22記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  31. 【請求項31】 成分c)一つの4−アミノ−2,2,
    6,6−テトラメチルピペリジル化合物が請求項1にお
    いて記載の一般式(1)で表される請求項1記載の熱可
    塑性樹脂組成物。R1 は水素原子、酸素原子(オキシラ
    ジカル)、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、ア
    リル基、ベンジル基、アリール基、アルカノイル基、ア
    ルケノイル基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキ
    シ基を表す。R2 は水素原子もしくはアルキル基を表
    し、nは1,2,4の整数を表す。 (i)n=1のとき R3 は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アル
    ケニル基、ベンジル基、アリール基もしくは請求項2に
    おいて記載の一般式(6) ここでYは直接結合、−O−または−NR8 −を表し、
    6 は直接結合、直鎖もしくは分岐アルキレン基、また
    はアルキリデン基、アリーレン基を表し、R7とR8
    お互い独立して水酸基、アルキル基、アリール基、請求
    項1において記載の一般式(4)または一般式(5)を
    表す。 (ii)n=2のとき、R3 は請求項3において記載の
    一般式(7)を表す。R 9 は直接結合、炭素数1から1
    0の直鎖もしくは分岐アルキレン基、アルキリデン基、
    アリーレン基を表す。 (iv)n=4のとき、R3 は請求項5において記載の
    一般式(9)もしくは一般式(10)を表す。
  32. 【請求項32】 成分c)の一般式(1)において、R
    1 が水素原子もしくは炭素数1から8のアルキル基で表
    され、R2 が水素原子もしくは炭素数1から18のアル
    キル基で表され、nは1もしくは2の整数を表し、 (i)n=1のとき R3 は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アル
    ケニル基、ベンジル基、アリール基もしくは請求項2に
    おいて記載の一般式(6) ここでYは直接結合、−O−または−NR8 −を表し、
    6 は直接結合、炭素数1から10の直鎖もしくは分岐
    アルキレン基、または炭素数1から10のアルキリデン
    基、アリーレン基を表し、R7 とR8 はお互い独立して
    水素原子、炭素数1から18のアルキル基、炭素数6か
    ら21のアリール基、請求項1において記載の一般式
    (4)または一般式(5)を表す。 (ii)n=2のとき、R3 は請求項3において記載の
    一般式(7)を表す。R 9 は直接結合、炭素数1から1
    0の直鎖もしくは分岐アルキレン基、炭素数1から10
    のアルキリデン基、アリーレン基を表す。ところの請求
    項31記載の熱可塑性樹脂組成物。
  33. 【請求項33】 成分c)の4−アミノ−2,2,6,
    6−テトラメチルピペリジル化合物が請求項1において
    記載の一般式(2)で表される請求項1記載の熱可塑性
    樹脂組成物。ここで、R1 は水素原子、酸素原子(オキ
    シラジカル)、水酸基、炭素数1から8のアルキル基、
    シクロアルキル基、アリル基、ベンジル基、アリール
    基、アルカノイル基、アルケノイル基、アルキルオキシ
    基、シクロアルキルオキシ基を表し、nは3を表し、R
    2 は水素原子、炭素数1から8のアルキル基を表し、p
    は2から8の整数を表し、R3 が請求項4において記載
    の一般式(8)を表す。
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