JPH08295733A - アクリル酸系誘導体およびその製造方法並びにアクリル酸系重合体 - Google Patents

アクリル酸系誘導体およびその製造方法並びにアクリル酸系重合体

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JPH08295733A
JPH08295733A JP4171496A JP4171496A JPH08295733A JP H08295733 A JPH08295733 A JP H08295733A JP 4171496 A JP4171496 A JP 4171496A JP 4171496 A JP4171496 A JP 4171496A JP H08295733 A JPH08295733 A JP H08295733A
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Yuichi Kita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の用途に利用され得る、新規なアクリル
酸系誘導体を提供する。 【解決手段】 一般式(3) 【化32】 (式中、R1 は水素原子または有機残基を表し、R3
有機残基を表す)で表されるアクリル酸エステル類と、
一般式(4) 【化33】 (式中、R2 は水素原子または有機残基を表し、nは1
〜3の正数を表す)で表される環状エーテル化合物とを
反応させる。また、このようにして得られた一般式
(2) 【化34】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、nは1〜3の
正数を表し、mは1〜 100の正数を表す)で表されるア
クリル酸系誘導体を加水分解させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なアクリル酸
系誘導体およびその製造方法並びに新規なアクリル酸系
重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、水酸基を含有する単量体は、
他の単量体(共重合性モノマー)と共重合させた後、該
水酸基と反応し得る架橋剤、例えばイソシアネート化合
物やメラミン樹脂等と反応させることにより、常温乾燥
(硬化)型塗料や焼付乾燥(硬化)型塗料等に使用され
ている。このような単量体としては、環状エーテル化合
物を付加した(メタ)アクリル酸系化合物、例えば、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシ(エトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、塩基の存
在下で容易に加水分解を受け、ヒドロキシアルキル基が
脱離するという問題点を有している。このため、上記加
水分解を受けない新規な(メタ)アクリル酸系化合物が
求められている。即ち、本発明の目的は、種々の用途に
利用され得る、新規なアクリル酸系誘導体およびその製
造方法並びに新規なアクリル酸系重合体を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、新規な
アクリル酸系誘導体を提供すべく鋭意検討した結果、α
−ヒドロキシアルキルアクリル酸エステル類と、環状エ
ーテル化合物とを反応させることにより、上記従来の問
題点を解決し、種々の用途に利用され得るアクリル酸系
誘導体が得られることを見い出して、本発明を完成させ
るに至った。尚、α−ヒドロキシアルキルアクリル酸エ
ステル類と環状エーテル化合物との反応については、未
だ知られていない。さらに、本願発明者等は、該アクリ
ル酸系誘導体を加水分解させることによっても、種々の
用途に利用され得る新規なアクリル酸エステル系誘導体
が得られることを見い出した。
【0005】即ち、本発明は、一般式(1)
【0006】
【化9】
【0007】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R4 は水素原子または対
イオンを表し、nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100
の正数を表す)で表されるアクリル酸系誘導体に関する
ものである。
【0008】また、本発明は、上記R1 が水素原子であ
り、R2 が水素原子、メチル基またはエチル基であり、
4 が水素原子、1価金属、2価金属、アンモニウム基
または有機アミン基であるアクリル酸系誘導体に関する
ものである。
【0009】さらに、本発明は、一般式(2)
【0010】
【化10】
【0011】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、
nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100の正数を表す)
で表されるアクリル酸系誘導体を加水分解させることを
特徴とする一般式(1)
【0012】
【化11】
【0013】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R4 は水素原子または対
イオンを表し、nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100
の正数を表す)で表されるアクリル酸系誘導体の製造方
法に関するものである。
【0014】また、本発明は、一般式(2)
【0015】
【化12】
【0016】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、
nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100の正数を表す)
で表されるアクリル酸系誘導体に関するものである。
【0017】さらに、本発明は、上記R1 が水素原子で
あり、R2 が水素原子、メチル基またはエチル基であ
り、R3 が炭素数1〜18のアルキル基であるアクリル酸
系誘導体に関するものである。
【0018】さらに、本発明は、一般式(3)
【0019】
【化13】
【0020】(式中、R1 は水素原子または有機残基を
表し、R3 は有機残基を表す)で表されるアクリル酸エ
ステル類と、一般式(4)
【0021】
【化14】
【0022】(式中、R2 は水素原子または有機残基を
表し、nは1〜3の正数を表す)で表される環状エーテ
ル化合物とを反応させることを特徴とする一般式(2)
【0023】
【化15】
【0024】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、
nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100の正数を表す)
で表されるアクリル酸系誘導体の製造方法に関するもの
である。
【0025】また、本発明は、一般式(5)
【0026】
【化16】
【0027】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R5 は水素原子、対イオ
ンまたは有機残基を表し、nは1〜3の正数を表し、m
は1〜 100の正数を表す)で表される構造単位を有する
アクリル酸系重合体に関するものである。
【0028】さらに、本発明は、数平均分子量が1,000
〜1,000,000 の範囲内であることを特徴とするアクリル
酸系重合体に関するものである。
【0029】上記一般式(1)・(2)で表される新規
なアクリル酸系誘導体、およびアクリル酸系重合体は、
従来公知の水酸基を含有する単量体、例えばヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート等の用途と同様の用途に
供することができる。例えば、上記のアクリル酸系誘導
体やアクリル酸系重合体は、いわゆる塗料の密着性向上
剤として用いることができる。つまり、上記のアクリル
酸系誘導体やアクリル酸系重合体を塗料に添加すること
により、被塗布物に対する塗膜の密着性を向上させるこ
とができる。その他、上記のアクリル酸系誘導体やアク
リル酸系重合体は、ウレタン樹脂やメラミン樹脂等の架
橋反応に供される架橋用モノマー、塗料、接着剤、界面
活性剤、洗剤のビルダー、可塑剤、固体電解質、制電性
モノマー、防曇剤、凝集剤、染色性改良剤、繊維の改質
剤、繊維の加工処理剤、木材の寸法安定剤、スケール防
止剤、親水性モノマー、分散剤、無機微粒子分散剤、切
削泥水用添加剤、コンクリート用混和剤等として好適に
用いることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。本発明にかかる前記一般式(1)
で表されるアクリル酸系誘導体(以下、説明の便宜上、
アクリル酸系化合物と称する)は、特に限定されるもの
ではないが、式中、R1 、R2 で示される置換基がそれ
ぞれ独立して水素原子または有機残基で構成され、R4
で示される置換基が水素原子または対イオンで構成さ
れ、nが1〜3の正数であり、mが1〜 100の正数であ
る化合物である。そして、前記環状エーテル化合物に由
来する部分、即ち、−CH2 (CHR2 n O−で表さ
れるオキシアルキレン基の繰り返し構造は、以下の構造
を有する。つまり、上記R2 で表される置換基は、各オ
キシアルキレン基毎に独立して水素原子または有機残基
で構成されていてもよく、これらオキシアルキレン基
は、ブロックあるいはランダムに結合されていてもよ
い。そして、これら化合物のうち、R1 で示される置換
基が水素原子であり、R2 で示される置換基が水素原
子、メチル基またはエチル基であり、R4 で示される置
換基が水素原子、1価金属、2価金属、アンモニウム基
または有機アミン基である化合物がより好ましい。
【0031】また、本発明にかかる前記一般式(2)で
表されるアクリル酸系誘導体(以下、説明の便宜上、ア
クリル酸エステル系化合物と称する)は、特に限定され
るものではないが、式中、R1 、R2 で示される置換基
がそれぞれ独立して水素原子または有機残基で構成さ
れ、R3 で示される置換基が有機残基で構成され、nが
1〜3の正数であり、mが1〜 100の正数である化合物
である。そして、前記環状エーテル化合物に由来する部
分、即ち、−CH2 (CHR2 n O−で表されるオキ
シアルキレン基の繰り返し構造は、以下の構造を有す
る。つまり、上記R2 で表される置換基は、各オキシア
ルキレン基毎に独立して水素原子または有機残基で構成
されていてもよく、これらオキシアルキレン基は、ブロ
ックあるいはランダムに結合されていてもよい。そし
て、これら化合物のうち、R1 で示される置換基が水素
原子であり、R2 で示される置換基が水素原子、メチル
基またはエチル基であり、R3 で示される置換基が炭素
数1〜18のアルキル基である化合物がより好ましい。
【0032】また、本発明にかかる前記一般式(5)で
表される構造単位を有するアクリル酸系重合体は、特に
限定されるものではないが、式中、R1 、R2 で示され
る置換基がそれぞれ独立して水素原子または有機残基で
構成され、R5 で示される置換基が水素原子、対イオン
または有機残基で構成され、nが1〜3の正数であり、
mが1〜 100の正数である重合体である。そして、前記
環状エーテル化合物に由来する部分、即ち、−CH
2 (CHR2 n O−で表されるオキシアルキレン基の
繰り返し構造は、以下の構造を有する。つまり、上記R
2 で表される置換基は、各オキシアルキレン基毎に独立
して水素原子または有機残基で構成されていてもよく、
これらオキシアルキレン基は、ブロックあるいはランダ
ムに結合されていてもよい。尚、上記R5 で示される置
換基は、前記R3 、R4 で示される置換基に由来する置
換基である。また、上記アクリル酸系重合体の数平均分
子量は、 1,000〜1,000,000 の範囲内である。特に、数
平均分子量10,000〜500,000 のアクリル酸エステル系重
合体は、通常のラジカル重合により容易に得られると共
に、取り扱い易いので有用である。
【0033】本発明にかかる上記アクリル酸エステル系
化合物の製造方法において原料として用いられる前記一
般式(3)で表されるアクリル酸エステル類は、特に限
定されるものではないが、式中、R1 で示される置換基
が水素原子または有機残基で構成され、R3 で示される
置換基が有機残基で構成される化合物、即ち、α−ヒド
ロキシアルキルアクリル酸エステル類である。
【0034】上記R3 で示される置換基とは、具体的に
は、炭素数1〜18の直鎖状、枝分かれ鎖状、若しくは環
状のアルキル基、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル
基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、炭素数1〜
8のハロゲン化アルキル基、アリール基を示す。
【0035】前記一般式(3)で表されるアクリル酸エ
ステル類としては、具体的には、例えば、メチル−α−
ヒドロキシメチルアクリレート、エチル−α−ヒドロキ
シメチルアクリレート、n-ブチル−α−ヒドロキシメチ
ルアクリレート、2-エチルヘキシル−α−ヒドロキシメ
チルアクリレート、メチル−α-(1-ヒドロキシエチル)
アクリレート、エチル−α-(1-ヒドロキシエチル) アク
リレート、n-ブチル−α-(1-ヒドロキシエチル) アクリ
レート、2-エチルヘキシル−α-(1-ヒドロキシエチル)
アクリレート等のアルキル−α−ヒドロキシアルキルア
クリレート類が挙げられる。
【0036】これらアクリル酸エステル類は、一種類の
みを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用
いてもよい。上記例示の化合物のうち、メチル−α−ヒ
ドロキシメチルアクリレート、エチル−α−ヒドロキシ
メチルアクリレート、n-ブチル−α−ヒドロキシメチル
アクリレート、2-エチルヘキシル−α−ヒドロキシメチ
ルアクリレートが、環状エーテル化合物との反応性や、
重合性等が良好であるので好ましい。
【0037】尚、上記のアクリル酸エステル類は、従来
公知の方法、例えば、相当するアクリレート化合物とア
ルデヒド化合物とを塩基性イオン交換樹脂等の触媒の存
在下で反応させる(特開平6-135896号公報等)ことによ
り、容易に得ることができる。
【0038】本発明にかかるアクリル酸エステル系化合
物の製造方法において原料として用いられる前記一般式
(4)で表される環状エーテル化合物は、特に限定され
るものではないが、式中、R2 で示される置換基が水素
原子または有機残基で構成され、nが1〜3の正数であ
る化合物、即ち、アルキレンオキシド類、テトラヒドロ
フラン類、アルキルグリシジルエーテル類である。
【0039】アルキレンオキシド類としては、具体的に
は、例えば、R2 が水素原子でnが1であるエチレンオ
キシド、R2 が水素原子でnが2であるプロピレンオキ
シド、R2 が水素原子でnが3であるブチレンオキシド
等が挙げられる。また、アルキルグリシジルエーテル類
としては、具体的には、例えば、アリルグリシジルエー
テル、フェニルグリシジルエーテル、エピクロルヒドリ
ン等が挙げられる。これら化合物のうち、エチレンオキ
シド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラ
ヒドロフランがアクリル酸エステル類との反応性や、重
合性等が良好であるので好ましい。
【0040】これら環状エーテル化合物は、一種類のみ
を用いてもよいし、二種類以上を適宜混合して用いても
よい。従って、上記一般式(2)で表されるアクリル酸
エステル系化合物において、前記環状エーテル化合物に
由来する部分、即ち、−CH2 (CHR2 n O−で表
されるオキシアルキレン基の繰り返し構造は、以下の構
造を有する。つまり、上記R2 で表される置換基は、各
オキシアルキレン基毎に独立して水素原子または有機残
基で構成されていてもよく、これらオキシアルキレン基
は、ブロックあるいはランダムに結合されていてもよ
い。
【0041】上記のアクリル酸エステル系化合物は、ア
クリル酸エステル類と、環状エーテル化合物とを開環重
合触媒等の触媒の存在下で反応させることにより容易に
製造される。アクリル酸エステル系化合物の製造方法、
即ち、アクリル酸エステル類と環状エーテル化合物との
反応方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の
種々の方法(例えば、一般的なアルコール類の水酸基に
環状エーテル化合物を付加反応させる方法)を転用する
ことができる。尚、アクリル酸エステル類と環状エーテ
ル化合物との反応は発熱反応であり、反応時の発熱量が
大きいため、例えば、アクリル酸エステル類に触媒を所
定量添加した後、環状エーテル化合物を少量ずつ添加す
る方法が好適である。
【0042】上記の触媒としては、例えば、塩酸、硫
酸、リン酸、ホウ酸等の鉱酸、およびその部分中和塩、
タングストリン酸、モリブドリン酸、タングストケイ
酸、モリブドケイ酸等のヘテロポリ酸、およびその部分
中和塩、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等
の有機スルホン酸等のプロトン酸;フッ化ホウ素、塩化
ホウ素、塩化アルミニウム、二塩化錫、四塩化錫等のル
イス酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、ナト
リウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ
金属アルコキシド、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン等の3級アミン類、および、それらの4級アンモニウ
ム塩等の塩基触媒等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。これら触媒は、一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0043】アクリル酸エステル類に対する触媒の添加
量は、用いるアクリル酸エステル類の種類にもよるが、
例えば、該アクリル酸エステル類に対する割合が、 0.0
01重量%〜10重量%の範囲内、好ましくは0.01重量%〜
5重量%の範囲内となるようにすればよい。触媒の添加
量が 0.001重量%よりも少ない場合には、触媒活性が十
分に発揮されにくく、反応時間が長くなり過ぎ、アクリ
ル酸エステル系化合物を効率的に製造することができな
くなるので好ましくない。また、触媒の添加量を10重量
%よりも多くしても、触媒量の増加に比例した、反応時
間の短縮等の触媒効果のさらなる向上は望めず、添加し
た触媒の一部が無駄になり、経済的に不利となるので好
ましくない。
【0044】アクリル酸エステル類に対する環状エーテ
ル化合物の添加量は、所望するアクリル酸エステル系化
合物(或いは、アクリル酸系重合体)の各種物性、換言
すれば、アクリル酸エステル系化合物における環状エー
テル化合物に由来する部分の長さ、即ち、前記mの値に
もよるが、例えば、該アクリル酸エステル類1モルに対
して1モル〜 100モルの範囲内とすればよい。尚、環状
エーテル化合物の添加量が比較的少ない場合には、得ら
れるアクリル酸エステル系化合物の重合体の流動性が小
さくなる。一方、環状エーテル化合物の添加量が比較的
多い場合には、得られるアクリル酸エステル系化合物の
重合体は軟質となり、流動性が大きくなる。
【0045】上記の反応を行う際の反応条件等は、特に
限定されるものではないが、原料であるアクリル酸エス
テル類および環状エーテル化合物、並びに、生成物であ
るアクリル酸エステル系化合物は、分子中にビニル基等
を含有しているので、重合し易い性質を有している。従
って、アクリル酸エステル類と環状エーテル化合物とを
反応させる際には、該アクリル酸エステル類や環状エー
テル化合物、アクリル酸エステル系化合物の重合を抑制
するために、反応系に重合防止剤(または重合禁止剤)
や分子状酸素を添加することが好ましい。
【0046】重合防止剤としては、例えば、ヒドロキノ
ン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、p-ベンゾキノ
ン、t-ブチルカテコール、フェノチアジン等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。これら重合防止剤
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適
宜混合して用いてもよい。また、重合防止剤の添加量
は、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル
酸エステル類に対する割合が、 0.001重量%〜5重量%
の範囲内となるようにすればよい。また、分子状酸素と
しては、例えば、空気を用いることができるが、この場
合、反応系、つまり、アクリル酸エステル類中に空気を
溶存させるか、或いは、吹き込む(いわゆる、バブリン
グ)ようにすればよい。そして、上記重合を充分に抑制
するために、重合防止剤と分子状酸素とを併用すること
が好ましい。
【0047】また、反応は無溶媒で行うことができる
が、溶媒中で行うこともできる。上記の溶媒としては、
具体的には、例えば、メチルエチルケトン等のケトン
類、ジプロピルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、ト
ルエン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化
水素類等が挙げられるが、上記反応を阻害するものでな
ければ、特に限定されるものではない。また、溶媒の使
用量は、特に限定されるものではない。
【0048】アクリル酸エステル類と環状エーテル化合
物との反応は発熱反応であるので、両者を反応させる際
には、反応系から余分な熱を除去すると共に、該反応系
から除去される熱量に見合う量の環状エーテル化合物を
反応系に添加することにより、反応温度をほぼ一定に保
ちながら反応を進行させることが好ましい。但し、上記
反応は、必ずしもほぼ一定の反応温度で進行させる必要
はない。
【0049】上記の反応温度は、特に限定されるもので
はないが、前記した重合を抑制するために、0℃〜 150
℃の範囲内が好ましく、30℃〜120 ℃の範囲内がさらに
好ましく、30℃〜80℃の範囲内が最も好ましい。反応温
度が0℃よりも低い場合には、反応時間が長くなり過
ぎ、アクリル酸エステル系化合物を効率的に製造するこ
とができなくなるので好ましくない。また、反応温度が
150℃よりも高い場合には、前記した重合を抑制するこ
とができなくなるので好ましくない。そして、反応時間
は、上記反応が完結するように、反応温度や、アクリル
酸エステル類、環状エーテル化合物、および触媒の種類
や組み合わせ、使用量等に応じて、適宜設定すればよ
い。また、反応圧力は、特に限定されるものではなく、
常圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであってもよい。
【0050】触媒が、例えば、ヘテロポリ酸や、その部
分中和塩である場合には、反応終了後の反応溶液に、ヘ
テロポリ酸および/またはその塩や微量の副生物が含ま
れている。この場合、反応終了後、反応系、即ち、反応
溶液を酸吸着剤等の吸着剤と接触させて、該吸着剤に溶
液中の触媒を吸着させて不溶物を形成し、次いで、反応
溶液の濾過等を行うことにより、該不溶物(触媒)を容
易に除去することができる。但し、触媒の除去方法は種
々の方法が使用でき、特に限定されるものではない。
【0051】つまり、反応終了後、所定の方法によって
反応系から触媒を除去することにより、所望するアクリ
ル酸エステル系化合物、即ち、本発明にかかる新規なア
クリル酸系誘導体が容易に得られる。
【0052】上記アクリル酸エステル系化合物は、それ
自身、新規なアクリル酸系誘導体として種々の用途に用
いることができるが、前記一般式(1)で表されるアク
リル酸系化合物の原料として用いることもできる。
【0053】つまり、本発明にかかるアクリル酸系化合
物は、上記一般式(2)で表されるアクリル酸エステル
系化合物を加水分解させることにより容易に製造され
る。上記アクリル酸系化合物の製造方法は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、触媒を少量添加した水の
中に上記アクリル酸エステル系化合物を少量ずつ添加す
る方法を用いることができる。
【0054】加水分解に用いられる水の使用量は、特に
限定されるものではないが、アクリル酸エステル系化合
物に対して、重量比で、0.001 〜1000の範囲が好まし
く、0.01〜100 の範囲内がさらに好ましい。上記アクリ
ル酸エステル系化合物に対する水の使用量が重量比で0.
001 より小さければ、反応の進行に時間がかかり、上記
加水分解を効率的に行うことができなくなるので好まし
くない。また、上記アクリル酸エステル系化合物に対す
る水の使用量が重量比で1000を越えると、該アクリル酸
系化合物の生産性が低下し、工業的に不利となるため好
ましくない。
【0055】上記加水分解に用いられる触媒としては、
具体的には、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカ
リ金属(1価金属)の水酸化物、金属酸化物、金属炭酸
塩;マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属(2
価金属)の水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩;アンモ
ニア;トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級ア
ミン;塩基性イオン交換樹脂;塩酸、硫酸、リン酸、ホ
ウ酸等の鉱酸およびその部分中和塩、タングストリン
酸、モリブドリン酸、タングストケイ酸、モリブドケイ
酸等のヘテロポリ酸、およびその部分中和塩、メタンス
ルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機スルホン
酸、酸性イオン交換樹脂等のプロトン酸等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。
【0056】上記触媒の添加量は、特に限定されるもの
ではないが、上記アクリル酸エステル系化合物1モルに
対し、0.01モル〜10モルの範囲内が好ましく、 0.1モル
〜5モルの範囲内がさらに好ましい。上記触媒の添加量
が0.01モルよりも少ない場合には、触媒活性が十分に発
揮されにくく、反応時間が長くなりすぎ、工業的に不利
となるため好ましくない。また、上記触媒の添加量を10
モルより多くしても、触媒量の増加に比例した、反応時
間の短縮等の触媒効果のさらなる向上は望めず、添加し
た触媒の一部が無駄になり、経済的に不利となると共
に、該アクリル酸系化合物の生産性が低下するので好ま
しくない。
【0057】上記加水分解を行う際の反応温度は、0℃
〜150 ℃に範囲内が好ましく、30℃〜120 ℃の範囲内が
さらに好ましい。上記反応温度が0℃よりも低い場合に
は、反応時間が長くなり過ぎ、上記加水分解を効率的に
行うことができず、工業的に不利となるので好ましくな
い。上記反応温度が150 ℃よりも高い場合には、前記ア
クリル酸エステル系化合物、および、加水分解物である
上記アクリル酸系化合物の重合を抑制することができな
くなるので好ましくない。
【0058】上記加水分解時には、原料となる前記アク
リル酸エステル系化合物に既に重合防止剤が添加されて
いるため、重合の抑制を目的として重合防止剤をさらに
添加する必要はない。但し、重合防止剤をさらに添加し
ても構わない。
【0059】上記加水分解を行う際に重合防止剤を添加
する場合には、例えば、前記アクリル酸エステル系化合
物の製造方法において例示した重合防止剤と同様の化合
物を用いることができる。上記重合防止剤の添加量は、
特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸エ
ステル系化合物に対する割合が、 0.001重量%〜5重量
%の範囲内となるようにすればよい。
【0060】上記加水分解を行う際の反応時間は、上記
反応が完結するように、反応温度や、アクリル酸エステ
ル系化合物および触媒の種類や組み合わせ、使用量等に
応じて、適宜設定すればよい。また、反応圧力は、特に
限定されるものではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧
の何れであってもよい。
【0061】本発明にかかるアクリル酸系重合体は、上
記のアクリル酸エステル系化合物またはアクリル酸系化
合物を単独で重合させるか、或いは、上記のアクリル酸
エステル系化合物およびアクリル酸系化合物を互いに、
或いはこれらアクリル酸エステル系化合物およびアクリ
ル酸系化合物と共重合可能な共重合性モノマーと共重合
させることにより、容易に製造される。
【0062】上記アクリル酸エステル系化合物およびア
クリル酸系化合物と共重合可能な共重合性モノマーとし
ては、例えばスチレン系化合物やアクリロニトリル、他
のアクリル酸系単量体等が挙げられるが、該アクリル酸
系重合体に要求される各種物性を損なわない化合物であ
れば、特に限定されるものではない。つまり、本発明に
かかるアクリル酸系重合体を構成する前記一般式(5)
で示される構造単位以外の構造単位は、特に限定される
ものではない。
【0063】上記共重合性モノマーとしては、具体的に
は、(i)一般式(6)
【0064】
【化17】
【0065】(式中、R6 は水素原子または有機残基を
表し、R7 は水素原子または対イオンを表す)で表され
る(メタ)アクリル酸系単量体である、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、α−(ヒドロキシメチル)アクリ
ル酸、並びに、それらの1価金属塩、2価金属塩、アン
モニウム塩および有機アミン塩等; (ii)一般式(7)
【0066】
【化18】
【0067】(式中、R8 は水素原子または有機残基を
表し、R9 は有機残基を表す)で表される(メタ)アク
リル酸エステル系単量体である、例えば、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル
酸t−ブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イ
ソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プ
ロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec
−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−
オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル
酸メチル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチ
ル、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸プロピル、α
−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、α−
(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−ブチル、α−(ヒ
ドロキシメチル)アクリル酸イソブチル、α−(ヒドロ
キシメチル)アクリル酸sec−ブチル、α−(ヒドロ
キシメチル)アクリル酸t−ブチル、α−(ヒドロキシ
メチル)アクリル酸n−オクチル、α−(ヒドロキシメ
チル)アクリル酸イソオクチル、α−(ヒドロキシメチ
ル)アクリル酸2−エチルヘキシル等; (iii) 上記各単量体(アクリル酸系化合物、アクリル酸
エステル系化合物、(メタ)アクリル酸系単量体、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体)以外のその他の単量
体である、例えば、炭素数1〜20の脂肪族アルコールと
(メタ)アクリル酸とのエステル;ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールポリブチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリ
ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリ
アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;メ
トキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)ア
クリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)
アクリレート、エトキシポリブチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールポ
リプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキ
シポリエチレングリコールポリブチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール
ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキ
シポリエチレングリコールポリプロピレングリコール
(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコー
ルポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エト
キシポリピロピレングリコールポリブチレングリコール
(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレング
リコール(メタ)アクリレート類;一般式(8)
【0068】
【化19】
【0069】(式中、R10は水素原子またはメチル基を
表し、R11は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、ま
たはフェニル基を表し、R12は炭素数1〜18のアルキル
基を表し、nは0または1〜3の正数を表し、mは1〜
100の正数を表す)で表されるα−(アルコキシポリア
ルキレングリコキシメチル)アクリル酸アルキルエステ
ル類;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等の不飽和
ジカルボン酸類、および、これらの酸と、炭素数1〜20
の脂肪族アルコール、炭素数2〜4のグリコール、また
はこれらのグリコール付加数が2〜100 の範囲内にある
ポリアルキレングリコールとのモノエステル或いはジエ
ステル類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル
アルキルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン等の芳
香族ビニル類;ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルス
ルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、2−メ
チルプロパンスルホン酸(メタ)アクルアミド、スチレ
ンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、およびそれらの
一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン
塩類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、一般式(9)
【0070】
【化20】
【0071】(式中、R13は水素原子または有機残基を
表し、R14は水素原子、対イオンまたは有機残基を表
す)で表されるエーテルダイマー、一般式(10)
【0072】
【化21】
【0073】(式中、R15は水素原子または有機残基を
表し、R16は水素原子、対イオンまたは有機残基を表
す)で表されるアセタールダイマー等の多官能モノマー
類等が挙げられる。これら共重合性モノマーは、一種類
のみを用いてもよいし、二種類以上を適宜混合して用い
てもよい。
【0074】また、上記アクリル酸系化合物、アクリル
酸エステル系化合物、および共重合性モノマーの使用量
は、所望する物性に応じて適宜設定すればよく、特に限
定されるものではない。
【0075】上記アクリル酸系重合体を製造する際の製
造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ラジ
カル重合開始剤等の重合開始剤を用いる重合方法;イオ
ン化放射線、電子線等の放射線や、紫外線を照射する重
合方法;加熱による重合方法等、従来公知の種々の方法
を採用することができる。例えば、重合開始剤の存在
下、溶媒中で重合を行う溶液重合や、溶媒を用いない塊
状重合等の方法により、所望するアクリル酸系重合体を
容易に製造することができる。
【0076】溶液重合は、回分式でも連続式でも行うこ
とができる。溶液重合を行う際に使用される溶媒として
は、具体的には、例えば、水;メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール
類;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、
n−ヘキサン等の炭化水素類;酢酸エチル等のエステル
類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類等が
挙げられるが、上記反応を阻害するものでなければ、特
に限定されるものではない。これら溶媒のなかでも、水
および/または炭素数1〜4の低級アルコールを用いる
ことが、原料となる単量体および得られるアクリル酸系
重合体の溶解性、並びに、該アクリル酸系重合体の使用
時の便から好ましい。この場合、上記の炭素数1〜4の
低級アルコールのなかでもメチルアルコール、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコールが特に有効である。
また、溶媒の使用量は特に限定されるものではない。
【0077】水中で重合を行う場合に用いられる重合開
始剤としては、水溶性の重合開始剤であれば特に限定さ
れるものではなく、具体的には、例えば、アンモニウム
またはアルカリ金属の過硫酸塩、過酸化水素等の過酸化
物;アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等
のアゾアミジン化合物等が挙げられる。また、これら重
合開始剤に加えて、亜硫酸水素ナトリウム等の促進剤を
併用してもよい。
【0078】また、低級アルコール、芳香族炭化水素
類、脂肪族炭化水素類、エステル類、或いは、ケトン類
等の有機溶媒を用いて重合する場合に用いられる重合開
始剤としては、具体的には、例えば、ベンゾイルパーオ
キシド、ラウロイルパーオキシド等のパーオキシド類;
クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド
類;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙
げられる。また、これら重合開始剤に加えて、アミン化
合物等の促進剤を併用してもよい。
【0079】さらに、水−低級アルコール混合溶媒を用
いる場合には、重合開始剤および促進剤は、上記の種々
の重合開始剤、或いは、重合開始剤と促進剤との組み合
わせの中から適宜選択して用いることができる。
【0080】上記溶液重合を行う際の重合温度は、特に
限定されるものではなく、用いる溶媒や重合開始剤等の
種類にもよるが、例えば、0℃〜 120℃の範囲内となる
ように設定すればよい。尚、重合時間は、重合温度や、
用いる各単量体の種類や組み合わせ、或いは、重合開始
剤の種類等に応じて、重合反応が完結するように適宜設
定すればよい。
【0081】また、塊状重合を行う場合に用いられる重
合開始剤としては、具体的には、例えば、ベンゾイルパ
ーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のパーオキシド
類;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキ
シド類;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が
挙げられる。
【0082】上記塊状重合を行う際の重合温度は、特に
限定されるものではないが、例えば、50℃〜200 ℃の範
囲内となるように設定すればよい。尚、重合時間は、重
合温度や、用いる各単量体の種類や組み合わせ、或い
は、重合開始剤の種類等に応じて、重合反応が完結する
ように適宜設定すればよい。
【0083】また、該アクリル酸系重合体として、特
に、一般式(11)
【0084】
【化22】
【0085】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R4 は水素原子または対
イオンを表し、nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100
の正数を表す)で表される構造単位を有するアクリル酸
系重合体を得る場合には、一旦、上記アクリル酸エステ
ル系化合物を単独で、或いは該アクリル酸エステル系化
合物と共重合可能な共重合性モノマーと共重合させるこ
とにより、一般式(12)
【0086】
【化23】
【0087】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、
nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100の正数を表す)
で表される構造単位を有するアクリル酸系重合体を得た
後、上記一般式(12)で表されるアクリル酸系重合体
のカルボン酸エステルをアルカリ性物質でさらに加水分
解することによって得ることもできる。
【0088】上記の加水分解に用いられるアルカリ性物
質は、特に限定されるものではないが、例えば、1価金
属および2価金属の水酸化物、塩化物および炭酸塩等の
無機塩;アンモニア;有機アミン等が好ましい。
【0089】このようにして得られたアクリル酸系重合
体の重合度は、数平均分子量が 1,000〜1,000,000 の範
囲内となるような値が好ましい。尚、上記の重合反応
は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ま
しい。
【0090】以上のように、本発明にかかる前記一般式
(2)で表される新規なアクリル酸エステル系化合物
は、前記一般式(3)で表されるアクリル酸エステル類
と、前記一般式(4)で表される環状エーテル化合物と
を反応させることにより容易に得られる。また、本発明
にかかる前記一般式(1)で表される新規なアクリル酸
系化合物は、前記一般式(2)で表されるアクリル酸エ
ステル系化合物を加水分解することにより容易に得られ
る。さらに、本発明にかかる新規なアクリル酸系重合体
は、前記一般式(5)で表される構造単位を有してお
り、該アクリル酸系重合体の数平均分子量は、 1,000〜
1,000,000 の範囲内である。
【0091】上記本発明に係る新規なアクリル酸系化合
物、アクリル酸エステル系化合物およびアクリル酸系重
合体は、従来公知の水酸基を含有する単量体、例えばヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の用途と同様
の用途に供することができる。例えば、上記アクリル酸
系化合物、アクリル酸エステル系化合物およびアクリル
酸系重合体は、いわゆる塗料の密着性向上剤として用い
ることができる。つまり、上記アクリル酸系化合物やア
クリル酸エステル系化合物やアクリル酸系重合体を塗料
に添加することにより、被塗布物に対する塗膜の密着性
を向上させることができる。その他、上記アクリル酸系
化合物やアクリル酸エステル系化合物やアクリル酸系重
合体は、ウレタン樹脂やメラミン樹脂等の架橋反応に供
される架橋用モノマー、塗料、接着剤、界面活性剤、洗
剤のビルダー、可塑剤、固体電解質、制電性モノマー、
防曇剤、凝集剤、染色性改良剤、繊維の改質剤、繊維の
加工処理剤、木材の寸法安定剤、スケール防止剤、親水
性モノマー、分散剤、無機微粒子分散剤、切削泥水用添
加剤、コンクリート用混和剤等として好適に用いること
ができる。
【0092】尚、上記アクリル酸系化合物やアクリル酸
エステル系化合物やアクリル酸系重合体の物性は、前記
1 、R2 、R3 、R4 、およびR5 で示される置換基
や、nおよびmの値を適宜組み合わせることにより、或
る程度変更することが可能である。
【0093】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。
【0094】〔実施例1〕温度計、ガス吹き込み管、お
よび攪拌装置を取り付けた1000mlの耐圧性反応容器に、
アクリル酸エステル類としてのエチル−α−ヒドロキシ
メチルアクリレート 130g、溶媒としてのトルエン 150
g、触媒としての三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体
1.4g、および、重合防止剤としてのヒドロキノン0.08
gを仕込んで攪拌した。次に、上記の反応容器に不活性
ガスとしての窒素ガスを圧力2.5kg/cm2 となるように吹
き込んだ後、該反応容器内の温度を35℃〜45℃の範囲内
に保ちながら、環状エーテル化合物としてのエチレンオ
キシド 88gを徐々に該反応溶液に圧入した。
【0095】圧入終了後、上記の反応溶液を50℃で2時
間攪拌することにより反応を完了させた。そして、反応
終了後、該容器内の温度を40℃にすると共に 100mmHgに
減圧し、未反応のエチレンオキシドを除去した。次い
で、反応溶液をロータリーエバポレータに移し、40mmHg
の減圧下、70℃でトルエンを留去した。さらに、反応溶
液に吸着剤である酸化マグネシウム 3gを添加し、50℃
で2時間攪拌することにより、該酸化マグネシウムに溶
液中の三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体を吸着させて
不溶物を形成した。次いで、反応溶液を吸引濾過し、該
不溶物を除去して精製を行い、淡黄色透明液体58gを得
た。
【0096】以上のようにして得た淡黄色透明液体につ
いて、 1H−NMRおよび赤外吸収スペクトル(IR)
を測定することにより、物質の同定を行った。その結
果、反応生成物である上記の淡黄色透明液体が本発明に
かかる新規なアクリル酸エステル系化合物であることを
確認した。また、所定の方法により測定した上記アクリ
ル酸エステル系化合物の水酸基価は 269mgKOH/gであ
り、この結果から、エチル−α−ヒドロキシメチルアク
リレート1モル当たり、エチレンオキシドが1.8モル付
加していることがわかった。また、所定の方法により測
定した、25℃における該アクリル酸エステル系化合物の
粘度は 18.5cpsであった。反応生成物の 1H−NMRの
チャートを図1に、赤外吸収スペクトルを図2にそれぞ
れ示す。
【0097】〔実施例2〕実施例1で得られたアクリル
酸エステル系化合物10g、および、重合開始剤としての
2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.01gを試験管に入
れ、窒素置換した後、該試験管を密栓した。次に、上記
のアクリル酸系誘導体を80℃に加熱することにより、該
アクリル酸エステル系化合物の重合反応を行って重合体
を得た。
【0098】以上のようにして得た重合体について、 1
H−NMRおよび赤外吸収スペクトルを測定することに
より、物質の同定を行った。その結果、上記の重合体が
本発明にかかる新規なアクリル酸系重合体であることを
確認した。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)により測定したアクリル酸系重合体の数
平均分子量は40,000であった。重合体の赤外吸収スペク
トルを図3に示す。
【0099】〔実施例3〕実施例1で得られたアクリル
酸エステル系化合物 6.9g、共重合性モノマーとしての
スチレン 3.1g、および、重合開始剤としての 2,2'-ア
ゾビスイソブチロニトリル0.01gを試験管に入れ、窒素
置換した後、該試験管を密栓した。次に、上記のアクリ
ル酸エステル系化合物を80℃に加熱することにより、該
アクリル酸エステル系化合物の重合反応を行って重合体
を得た。
【0100】以上のようにして得た重合体について、実
施例2と同様にして物質の同定を行った。その結果、上
記の重合体が本発明にかかる新規なアクリル酸系重合体
であることを確認した。また、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーにより測定した該アクリル酸系重合体
の数平均分子量は63,000であった。重合体の赤外吸収ス
ペクトルを図4に示す。
【0101】〔実施例4〕実施例3におけるスチレン
3.1gに代えて、共重合性モノマーとしてのメタクリル
酸メチル 3.1gを用いた以外は実施例3と同様の反応を
行い、重合体を得た。
【0102】以上のようにして得た重合体について、実
施例2と同様にして物質の同定を行った。その結果、上
記の重合体が本発明にかかる新規なアクリル酸系重合体
であることを確認した。また、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーにより測定した該アクリル酸系重合体
の数平均分子量は59,000であった。重合体の赤外吸収ス
ペクトルを図5に示す。
【0103】〔実施例5〕イソホロンジイソシアネート
2モル、トリエチレングリコール1モル、および2-ヒド
ロキシエチルアクリレート2モルを所定の方法によって
反応させることにより、紫外線硬化型樹脂の単量体であ
るウレタンアクリレートを合成した。次に、上記のウレ
タンアクリレート50gと、実施例1で得られたアクリル
酸エステル系化合物25gと、紫外線硬化型樹脂の単量体
である1,6-ヘキサンジオールジアクリレート25gと、光
重合開始剤であるベンジルジメチルケタール(チバガイ
ギー株式会社製;商品名 イルガキュアー651)3g
とを混合することにより、単量体組成物を調製した。
【0104】次いで、上記の単量体組成物を被塗布物で
ある鋼板パネル上に、いわゆるスピンコータを用いて10
μmの厚みとなるように塗布した。その後、該鋼板パネ
ルをコンベアを用いて3m/分の速度で移動させながら、
鋼板パネルからの高さが10cmとなるように設置された80
W/cmの高圧水銀灯から、塗布された上記単量体組成物に
紫外線を照射した。そして、上記の条件下で紫外線を1
回照射することにより、単量体組成物を紫外線硬化さ
せ、粘着力の無い(タックフリー)硬化塗膜を得た。
【0105】以上のようにして得た硬化塗膜の鋼板パネ
ルに対する密着性を評価するために、いわゆる碁盤目テ
ープ剥離試験を行った。即ち、先ず、鋼板パネル上の10
mm四方の硬化塗膜に1mm間隔で切れ目を入れることによ
り、 100個の小片(枡目)に分割した。次いで、該小片
にセロファンテープを圧着した後、上記セロファンテー
プを勢いよく鋼板パネルから剥離し、この剥離動作によ
って鋼板パネルから剥離した上記小片の個数を調べた。
その結果、上記の剥離動作によって剥離した小片は無か
った。つまり、「剥離しなかった小片の個数/分割した
小片の個数= 100/100 」であった。
【0106】〔実施例6〕実施例1におけるエチル−α
−ヒドロキシメチルアクリレートの使用量を 130gから
65gに変更し、また、エチレンオキシドの使用量を88g
から 440gに変更した以外は実施例1と同様の反応およ
び操作を行い、淡黄色透明液体58gを得た。尚、この淡
黄色透明液体は常温(25℃) では半固体であった。
【0107】以上のようにして得た淡黄色透明液体につ
いて、実施例1と同様にして物質の同定を行った。その
結果、反応生成物である上記の淡黄色透明液体が本発明
にかかる新規なアクリル酸エステル系化合物であること
を確認した。また、所定の方法により測定した該アクリ
ル酸エステル系化合物の水酸基価は66.6mgKOH/gであ
り、この結果から、エチル−α−ヒドロキシメチルアク
リレート1モル当たり、エチレンオキシドが16.2モル付
加していることがわかった。反応生成物の 1H−NMR
のチャートを図6に、赤外吸収スペクトルを図7にそれ
ぞれ示す。
【0108】〔実施例7〕実施例6で得られたアクリル
酸エステル系化合物 9.3g、共重合性モノマーとしての
アクリロニトリル 0.7g、および、重合開始剤としての
2,2'-アゾビスイソブチロニトリル0.01gを試験管に入
れ、窒素置換した後、該試験管を密栓した。次に、上記
のアクリル酸エステル系化合物を80℃に加熱することに
より、該アクリル酸エステル系化合物の重合反応を行っ
て重合体を得た。
【0109】以上のようにして得た重合体について、実
施例2と同様にして物質の同定を行った。その結果、上
記の重合体が本発明にかかる新規なアクリル酸系重合体
であることを確認した。また、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーにより測定したアクリル酸系重合体の
数平均分子量は55,000であった。重合体の赤外吸収スペ
クトルを図8に示す。
【0110】〔実施例8〕温度計、ガス吹き込み管、滴
下装置および攪拌装置を取り付けた 300mlの反応容器
に、アクリル酸エステル類としてのエチル−α−ヒドロ
キシメチルアクリレート39g、触媒としてのタングスト
リン酸 0.4g、および、重合防止剤としてのヒドロキノ
ン0.08gを仕込んで攪拌した。一方、滴下装置に環状エ
ーテル化合物としてのプロピレンオキシド52gを入れ
た。次に、上記の反応溶液中に空気を吹き込むと共に、
該反応容器内の温度を45℃〜55℃の範囲内に保ちなが
ら、滴下装置内のプロピレンオキシドを徐々に該反応溶
液に滴下した。
【0111】滴下終了後、上記の反応溶液を50℃で2時
間攪拌することにより反応を完了させた。そして、反応
終了後、該容器内の温度を70℃にすると共に、 100mmHg
に減圧し、未反応のプロピレンオキシドを2時間かけて
除去した。さらに、反応溶液に吸着剤である酸化マグネ
シウム 3gを添加し、50℃で2時間攪拌することによ
り、該酸化マグネシウムに溶液中のタングストリン酸を
吸着させて不溶物を形成した。次いで、反応溶液を吸引
濾過して該不溶物を除去し、淡黄色透明液体58gを得
た。
【0112】以上のようにして得た淡黄色透明液体につ
いて、実施例1と同様にして物質の同定を行った。その
結果、反応生成物である上記の淡黄色透明液体が本発明
にかかる新規なアクリル酸エステル系化合物であること
を確認した。また、所定の方法により測定したアクリル
酸エステル系化合物の水酸基価は 221.4mgKOH/gであ
り、この結果から、エチル−α−ヒドロキシメチルアク
リレート1モル当たり、プロピレンオキシドが 2.1モル
付加していることがわかった。また、所定の方法により
測定した25℃における該アクリル酸エステル系化合物の
粘度は 14.7cpsであった。反応生成物の 1H−NMRの
チャートを図9に、赤外吸収スペクトルを図10にそれ
ぞれ示す。
【0113】〔実施例9〕実施例8で得られたアクリル
酸エステル系化合物 8.0g、共重合性モノマーとしての
アクリロニトリル 2.0g、および、重合開始剤としての
2,2'-アゾビスイソブチロニトリル 0.003gを試験管に
入れ、窒素置換した後、該試験管を密栓した。次に、上
記のアクリル酸系誘導体を80℃に加熱することにより、
該アクリル酸エステル系化合物の重合反応を行って重合
体を得た。
【0114】以上のようにして得た重合体について、実
施例2と同様にして物質の同定を行った。その結果、上
記の重合体が本発明にかかる新規なアクリル酸系重合体
であることを確認した。また、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーにより測定したアクリル酸系重合体の
数平均分子量は51,000であった。重合体の赤外吸収スペ
クトルを図11に示す。
【0115】〔比較例1〕実施例5におけるアクリル酸
エステル系化合物を用いない以外は実施例5と同様の操
作を行い、比較用単量体組成物を調製した。つまり、紫
外線硬化型樹脂の単量体であるウレタンアクリレートお
よび1,6-ヘキサンジオールジアクリレートと、光重合開
始剤であるベンジルジメチルケタールとを混合すること
により、比較用単量体組成物を調製した。
【0116】次いで、実施例5と同様の操作を行って比
較用単量体組成物を紫外線硬化させ、比較用硬化塗膜を
得た。そして、上記比較用硬化塗膜の鋼板パネルに対す
る密着性をいわゆる碁盤目テープ剥離試験を行って評価
した。その結果、剥離動作によって68個の小片が剥離し
た。つまり、「剥離しなかった小片の個数/分割した小
片の個数=32/100 」であった。
【0117】〔実施例10〕温度計、ガス吹き込み管、
滴下装置および攪拌装置を取り付けた1000mlの反応容器
に、水 150g、触媒としての水酸化ナトリウム 1.5gを
仕込んで攪拌した。一方、滴下装置に実施例2で得られ
たアクリル酸エステル系化合物30gを入れた。次に、該
反応容器内の温度を80℃に保ちながら、滴下装置内のア
クリル酸エステル系化合物を徐々に該反応容器内に滴下
した。
【0118】滴下終了後、上記の反応溶液を80℃で2時
間攪拌することにより反応を完了させた。そして、反応
終了後、該容器内の温度を90℃にすると共に、40mmHgに
減圧し、水および副製したエチルアルコールを除去し
た。この結果、淡黄色透明液体58gを得た。
【0119】以上のようにして得た淡黄色透明液体につ
いて、実施例1と同様にして物質の同定を行った。その
結果、反応生成物である上記の淡黄色透明液体が本発明
にかかる新規なアクリル酸系化合物であることを確認し
た。反応生成物の 1H−NMRのチャートを図12に示
す。
【0120】〔実施例11〕温度計、攪拌機、滴下ロー
ト、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製反応
容器に水 459部を仕込んで攪拌した。一方、滴下ロート
に、アクリル酸系化合物としてのα−(ヒドロキシポリ
エチレングリコキシメチル)アクリル酸ナトリウム(エ
チレンオキシドの平均付加モル数=10) 282部、共重合
性モノマーとしてのアクリル酸24部、および水 459部か
らなる単量体組成物と、重合開始剤としての7%過硫酸
アンモニウム水溶液122 部と、促進剤としての 3.5%亜
硫酸水素ナトリウム122 部とをそれぞれ別々に仕込ん
だ。次に、上記の反応容器内を窒素置換した後、該反応
容器内の温度を窒素雰囲気下で50℃まで加熱し、滴下ロ
ート内の単量体組成物、7%過硫酸アンモニウム水溶
液、および 3.5%亜硫酸水素ナトリウムをそれぞれ4時
間かけて該反応容器内に滴下した。
【0121】滴下終了後、7%過硫酸アンモニウム水溶
液31部と 3.5%亜硫酸水素ナトリウム31部とをさらに1
時間かけて該反応容器内に滴下した。その後、50℃に保
ちながらさらに3時間攪拌することにより該アクリル酸
系化合物の重合反応を行って共重合体水溶液を得た。
【0122】以上のようにして得た共重合体水溶液につ
いて、13C−NMRを測定することにより、物質の同定
を行った。その結果、上記の共重合体水溶液が本発明に
かかる新規なアクリル酸系重合体であることを確認し
た。反応生成物の13C−NMRのチャートを図13に示
す。また、所定の方法により測定したアクリル酸系重合
体の数平均分子量は15,000であった。
【0123】〔実施例12〕実施例11において、α−
(ヒドロキシポリエチレングリコキシメチル)アクリル
酸ナトリウムに代えて、アクリル酸エステル系化合物と
してのα−(ヒドロキシポリエチレングリコキシメチ
ル)アクリル酸エチルエステル(エチレンオキシドの平
均付加モル数;10) 285部を用いた以外は、実施例11
と同様の反応・操作を行って共重合体水溶液を得た。こ
のようにして得られた共重合体水溶液の数平均分子量は
23,000であった。
【0124】次いで、該共重合体水溶液を1000mlのオー
トクレーブ装置に移し、アルカリ性物質である48%水酸
化ナトリウム69部をさらに添加し、150 ℃で6時間加水
分解を行った。その後、加水分解で生成したエチルアル
コールを水と共沸させて溜出させ、溜出液70部を除去す
ることにより、共重合体を得た。
【0125】以上のようにして得た共重合体について、
実施例11と同様の方法により物質の同定を行った。そ
の結果、上記の共重合体が本発明にかかる新規なアクリ
ル酸系重合体であることを確認した。反応生成物の13
−NMRのチャートを図14に示す。
【0126】上記実施例1〜4および実施例6〜12の
結果から明らかなように、本実施例にかかる方法によれ
ば、新規なアクリル酸系誘導体(アクリル酸系化合物お
よびアクリル酸エステル系化合物)並びに新規なアクリ
ル酸系重合体を容易に得ることができる。また、上記実
施例5および比較例1の結果から明らかなように、上記
のアクリル酸系誘導体は、いわゆる塗料の密着性向上剤
として好適に用いることができることがわかる。
【0127】
【発明の効果】本発明は、以上のように、一般式(1)
【0128】
【化24】
【0129】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R4 は水素原子または対
イオンを表し、nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100
の正数を表す)で表されるアクリル酸系誘導体に関する
ものである。
【0130】また、本発明は、以上のように、上記R1
が水素原子であり、R2 が水素原子、メチル基またはエ
チル基であり、R4 が水素原子、1価金属、2価金属、
アンモニウム基または有機アミン基であるアクリル酸系
誘導体に関するものである。
【0131】さらに、本発明は、以上のように、一般式
(2)
【0132】
【化25】
【0133】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、
nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100の正数を表す)
で表されるアクリル酸系誘導体を加水分解させることを
特徴とする一般式(1)
【0134】
【化26】
【0135】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R4 は水素原子または対
イオンを表し、nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100
の正数を表す)で表されるアクリル酸系誘導体の製造方
法に関するものである。
【0136】また、本発明は、以上のように、一般式
(2)
【0137】
【化27】
【0138】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、
nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100の正数を表す)
で表されるアクリル酸系誘導体に関するものである。
【0139】さらに、本発明は、以上のように、上記R
1 が水素原子であり、R2 が水素原子、メチル基または
エチル基であり、R3 が炭素数1〜18のアルキル基であ
るアクリル酸系誘導体に関するものである。
【0140】また、本発明は、以上のように、一般式
(3)
【0141】
【化28】
【0142】(式中、R1 は水素原子または有機残基を
表し、R3 は有機残基を表す)で表されるアクリル酸エ
ステル類と、一般式(4)
【0143】
【化29】
【0144】(式中、R2 は水素原子または有機残基を
表し、nは1〜3の正数を表す)で表される環状エーテ
ル化合物とを反応させることを特徴とする一般式(2)
【0145】
【化30】
【0146】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、
nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100の正数を表す)
で表されるアクリル酸系誘導体の製造方法に関するもの
である。
【0147】また、本発明は、以上のように、一般式
(5)
【0148】
【化31】
【0149】(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水
素原子または有機残基を表し、R5 は水素原子、対イオ
ンまたは有機残基を表し、nは1〜3の正数を表し、m
は1〜 100の正数を表す)で表される構造単位を有する
アクリル酸系重合体に関するものである。
【0150】さらに、本発明は、以上のように、数平均
分子量が1,000 〜1,000,000 の範囲内であるアクリル酸
系重合体に関するものである。
【0151】上記の方法によれば、前記一般式(2)で
表される新規なアクリル酸系誘導体は、前記一般式
(3)で表されるアクリル酸エステル類と、前記一般式
(4)で表される環状エーテル化合物とを反応させるこ
とにより容易に得られる。従って、上記の方法は、新規
なアクリル酸系誘導体の製造方法として好適に使用され
るという効果を奏する。また、前記一般式(2)で表さ
れる新規なアクリル酸系誘導体は、それ自身、新規なア
クリル酸系誘導体として種々の用途に用いることができ
るが、前記一般式(1)で表されるアクリル酸系誘導体
の原料としても好適に用いることができる。つまり、前
記一般式(1)で表される新規なアクリル酸系誘導体
は、前記一般式(2)で表されるアクリル酸系誘導体を
加水分解することにより容易に得られる。また、上記の
構成によれば、新規なアクリル酸系重合体は、前記一般
式(5)で表される構造単位を有しており、該アクリル
酸系重合体の数平均分子量は1,000 〜1,000,000 の範囲
内である。
【0152】前記一般式(1)・(2)で表される新規
なアクリル酸系誘導体、およびアクリル酸系重合体は、
従来公知の水酸基を含有する単量体、例えばヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート等の用途と同様の用途に
供することができる。例えば、上記のアクリル酸系誘導
体やアクリル酸系重合体は、いわゆる塗料の密着性向上
剤として用いることができる。また、上記のアクリル酸
系誘導体やアクリル酸系重合体は、ウレタン樹脂やメラ
ミン樹脂等の架橋反応に供される架橋用モノマー、塗
料、接着剤、界面活性剤、洗剤のビルダー、可塑剤、固
体電解質、制電性モノマー、防曇剤、凝集剤、染色性改
良剤、繊維の改質剤、繊維の加工処理剤、木材の寸法安
定剤、スケール防止剤、親水性モノマー、分散剤、無機
微粒子分散剤、切削泥水用添加剤、コンクリート用混和
剤等として好適に用いることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において得られた反応生成物
1H−NMRのチャートである。
【図2】上記反応生成物の赤外吸収スペクトルである。
【図3】上記反応生成物を重合させて得られた重合体の
赤外吸収スペクトルである。
【図4】上記反応生成物を重合させて得られた別の重合
体の赤外吸収スペクトルである。
【図5】上記反応生成物を重合させて得られたさらに別
の重合体の赤外吸収スペクトルである。
【図6】本発明の他の実施例において得られた反応生成
物の 1H−NMRのチャートである。
【図7】図6の反応生成物の赤外吸収スペクトルであ
る。
【図8】図6の反応生成物を重合させて得られた重合体
の赤外吸収スペクトルである。
【図9】本発明のさらに他の実施例において得られた反
応生成物の 1H−NMRのチャートである。
【図10】図9の反応生成物の赤外吸収スペクトルであ
る。
【図11】図9の反応生成物を重合させて得られた重合
体の赤外吸収スペクトルである。
【図12】本発明のさらに他の実施例において得られた
反応生成物の 1H−NMRのチャートである。
【図13】本発明のさらに他の実施例において得られた
反応生成物の13C−NMRのチャートである。
【図14】本発明のさらに他の実施例において得られた
反応生成物の13C−NMRのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 20/26 MMG C08F 20/26 MMG // C08F 299/02 MRS 299/02 MRS C09D 7/12 PSL C09D 7/12 PSL PSM PSM (72)発明者 喜多 裕一 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
    有機残基を表し、R4 は水素原子または対イオンを表
    し、nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100の正数を表
    す)で表されるアクリル酸系誘導体。
  2. 【請求項2】上記R1 が水素原子であり、R2 が水素原
    子、メチル基またはエチル基であり、R4 が水素原子、
    1価金属、2価金属、アンモニウム基または有機アミン
    基である請求項1記載のアクリル酸系誘導体。
  3. 【請求項3】一般式(2) 【化2】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
    有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、nは1〜3の
    正数を表し、mは1〜 100の正数を表す)で表されるア
    クリル酸系誘導体を加水分解させることを特徴とする一
    般式(1) 【化3】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
    有機残基を表し、R4 は水素原子または対イオンを表
    し、nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100の正数を表
    す)で表されるアクリル酸系誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式(2) 【化4】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
    有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、nは1〜3の
    正数を表し、mは1〜 100の正数を表す)で表されるア
    クリル酸系誘導体。
  5. 【請求項5】上記R1 が水素原子であり、R2 が水素原
    子、メチル基またはエチル基であり、R3 が炭素数1〜
    18のアルキル基である請求項4記載のアクリル酸系誘導
    体。
  6. 【請求項6】一般式(3) 【化5】 (式中、R1 は水素原子または有機残基を表し、R3
    有機残基を表す)で表されるアクリル酸エステル類と、 一般式(4) 【化6】 (式中、R2 は水素原子または有機残基を表し、nは1
    〜3の正数を表す)で表される環状エーテル化合物とを
    反応させることを特徴とする一般式(2) 【化7】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
    有機残基を表し、R3 は有機残基を表し、nは1〜3の
    正数を表し、mは1〜 100の正数を表す)で表されるア
    クリル酸系誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】一般式(5) 【化8】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
    有機残基を表し、R5 は水素原子、対イオンまたは有機
    残基を表し、nは1〜3の正数を表し、mは1〜 100の
    正数を表す)で表される構造単位を有するアクリル酸系
    重合体。
  8. 【請求項8】数平均分子量が1,000 〜1,000,000 の範囲
    内であることを特徴とする請求項7記載のアクリル酸系
    重合体。
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JP2003505560A (ja) * 1999-07-21 2003-02-12 アルコ ケミカル テクノロジィ, エル.ピー. 櫛型ポリマーの製造方法

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JP2003505560A (ja) * 1999-07-21 2003-02-12 アルコ ケミカル テクノロジィ, エル.ピー. 櫛型ポリマーの製造方法

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