JPH082953Y2 - ヒータ - Google Patents

ヒータ

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JPH082953Y2
JPH082953Y2 JP1990096896U JP9689690U JPH082953Y2 JP H082953 Y2 JPH082953 Y2 JP H082953Y2 JP 1990096896 U JP1990096896 U JP 1990096896U JP 9689690 U JP9689690 U JP 9689690U JP H082953 Y2 JPH082953 Y2 JP H082953Y2
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insulating
heat generating
heater
heat
ptc element
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佳信 尾原
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、複写機やファクシミリ、レーザプリンタ等
の電子式写真装置等の熱源として使用されるヒータに関
するものである。
〔従来の技術〕
通常、複写機のファクシミリ等の電子式写真装置で
は、トナーを感光体ドラムの静電潜像に付着させた後、
転写紙に転写して可視画像とし、この可視画像を形成し
ているトナーを加熱して溶着させることにより、その転
写紙に定着させるようになっている。
この際の加熱には、転写紙を押圧しながら通過させる
一対の定着用ローラが用いられており、これら定着用ロ
ーラは転写紙に当接する円筒形状のロールと、このロー
ル内に内蔵されたヒータとを有している。そして、転写
紙はロールを介して発熱したヒータにより加熱されるよ
うになっている。
一般に、上記のヒータには、取り扱いの容易なニクロ
ム線が多用されている。ところが、このニクロム線は、
耐久性に劣ると共に昇温速度が遅い等の短所を有してお
り、最近ではニクロム線よりも耐久性に優れ、かつ昇温
速度の速い等の長所を有するPTC(Positive Temperatur
e Coefficient)素子、例えばチタン酸バリウム半導体
磁器から成るヒータの採用が考えられている。
従来より、上記のPTC素子を備えたヒータとしては、
例えば第8図に示すように、一端部に電極を有したPTC
素子が平板形状に形成された発熱部材31と、この発熱部
材31を両平面側から挟んで当接するように配置されてい
る断面略円弧形状の放熱板32・32とを有したものがあ
る。
そして、上記ヒータは、発熱部材31で生じる熱が放熱
板32・32に伝達されることで、放熱板32・32の外周面か
ら熱を放出するようになっており、特にその外周面は円
筒形状である前記定着用ローラの内周面に適合するよう
になっている。
しかしながら、上記従来のヒータでは、PTC素子で形
成された発熱部材31が平板形状に形成されているため、
放熱板32・32の外周面における熱の放出が不均一になり
易い。つまり、放熱板32・32から放出される熱量は、第
9図に示すように、発熱部材31に当接している側から離
れるに伴って減少し、最も離れた頂部A・Aで最低とな
る。したがって、このヒータを定着用ローラに用いた場
合、転写紙のトナーへの加熱が不均一になるため、定着
が不充分になる虞れがある。
そこで、PTC素子を定着用ローラの形状に合わせて円
柱形状に形成することが考えられるが、この場合には、
下記の理由により加工時の手間の増大や作業性の低下を
招くこととなる。
すなわち、PTC素子は、加工性の低いセラミックスで
あるので、定着用ローラ等に使用可能な寸法(20〜30c
m)の長尺物のヒータを一体的に形成することは困難な
ものであり、また、このような長尺物のセラミックスヒ
ータは加熱時に熱膨張のため割れ易い。
このような場合、PTC素子で長尺物のヒータを形成す
るには、円柱形状の小片のPTC素子を繋ぎ合わせること
で所望の長さを得ることが考えられ、その場合には各PT
C素子間に電流が流れるように、PTC素子同士が当接する
両端部にそれぞれ電極が設けられている。
しかしながら、上記構成では、隣接するPTC素子の電
極同士全ての確実な当接が、そのヒータの安定した動作
を保証する上で必要であり、これら全ての電極同士にお
ける確実な当接には、PTC素子や電極に高精度な成型性
および取り付けを要することになり、加工時の作業性が
低下する。さらに、円柱形状のPTC素子の場合には、そ
の径方向への加熱に直接影響しない内部にまでPTC素子
が必要なため、コストアップを招来している。
これらの結果、上記のヒータにおいては、PTC素子を
用いることで、耐久性が高く、かつ昇温速度の速い等の
特性を有しているが、セラミックス特有の加工性の悪さ
を備えているため、加工時の手間の増大や作業性の低
下、コストアップ等の問題を生じている。
そこで、上記問題を回避するために、特公昭55-13123
号公報に開示されている正特性サーミスタ装置を用いる
ことが考えられた。上記正特性サーミスタ装置では、円
板状に成形され、中心に孔を有する正特性サーミスタ素
子と、孔を有する金属放熱板とを交互に積み重ねて締付
け、上記放熱板をそれぞれ1枚おきに互いに接続してな
るものである。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来の正特性サーミスタ装置で
は、電子写真装置の定着用ローラに内蔵して用いた場
合、上記定着用ローラの外周面の周方向での温度分布を
ほぼ一定にできて、転写紙における上記転写紙の移動方
向での定着ムラを軽減できるが、上記定着用ローラの外
周面の軸方向での温度分布が不均一となり、トナーへの
加熱が不均一になるため、定着が不充分になって定着ム
ラの虞れがあるという問題を生じている。
つまり、上記従来の正特性サーミスタ装置では、個々
の正特性サーミスタ素子の熱放射量は、定常状態ではほ
ぼ一定となり、半球状に放射されるから、上記各正特性
サーミスタ素子から定着用ローラの内壁面の各部分に達
する熱量が、上記各正特性サーミスタ素子からの熱放射
量の重ね合わせによって形成される。このことから、上
記熱量は、上記定着用ローラの軸方向の中央部から、上
記定着用ローラの軸方向の両端部に向かってそれぞれ順
次小さくなる。
このことから、上記従来の正特性サーミスタ装置を用
いた定着用ローラでは、その外周面における温度分布
が、定着用ローラの軸方向において不均一となるので、
上記定着用ローラからのトナーへの加熱が不均一にな
り、上記トナーの定着が不充分になる虞れがあるという
問題を生じている。
したがって、本考案の目的は、PTC素子を用いること
で耐久性が高く、かつ昇温速度の速い等の優れた特性を
維持しつつ、上記の問題を解決して、電子写真装置の定
着用ローラに好適に用いることができるヒータを提供す
ることである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案に係るヒータは、上記課題を解決するために、
PTC素子が略円環状に形成された発熱部材は、略環状に
形成された絶縁部材と、略環状に形成された金属板とを
備えているヒータであって、複数の上記発熱部材と絶縁
部材とが軸方向に交互に配置されると共に、それら両者
間に上記金属板がそれぞれ上記発熱部材に電力を供給で
きるように挾持され、上記各発熱部材および各絶縁部材
の少なくとも一方は、少なくとも2つの相異なる軸方向
の長さにそれぞれ形成されていることを特徴としてい
る。
〔作用〕
上記の構成によれば、発熱部材にPTC素子を用いてい
ることにより、従来のニクロム線を使用するよりも耐久
性を改善でき、かつ昇温速度を速くすることができる。
一方、各発熱部材の軸方向端面に電極としての金属板
をそれぞれ有し、各発熱部材に上記各金属板を介して電
力を個々に供給できるので、例えば一つの発熱部材にお
ける電極に接触不良を生じても他の発熱部材へは影響を
及ぼすことを回避できる。
したがって、従来における円柱形状の発熱部材を連結
して用いるヒータのような、その発熱部材や電極の成型
精度および組み立て精度は必要なく、加工時の手間が低
減されると共に組立作業性の向上を図ることができる。
さらに、上記構成では、発熱部材は略円環状に形成さ
れ、中空部分を有していることから、同一外径の円柱形
状に形成された場合と比較してPTC素子の使用量を低減
できることから、コストダウンが可能となる。
また、上記構成では、発熱部材および絶縁部材が略円
環状に形成されているので、上記発熱部材および絶縁部
材を軸方向に交互に配置したものは円筒状となり、その
円筒状のものを例えば定着用ローラに同軸状に内蔵して
用いた場合、それら各発熱部材の外周面とその定着用ロ
ーラの内壁面との距離を一定になるように設置できる。
その上、上記構成では、各発熱部材および絶縁部材の
少なくとも一方は、少なくとも2つの相異なる軸方向の
長さにそれぞれ形成されているから、例えば、各発熱部
材の軸方向長さを変えた場合、上記各発熱部材における
軸方向の中央部の発熱部材に対して、両端部の発熱部材
の軸方向の長さを小さく設定することにより、両端部で
の軸方向の単位長さ当りの発熱部材の配置量を中央部に
対して高めることができると共に、軸方向の長さが小さ
いことにより抵抗値が低くなって両端部の発熱部材の発
熱熱量を大きくできるから、両端部の発熱部材での熱放
射量を、中央部の発熱部材に対して大きくすることがで
きる。
これらのことにより、軸方向に交互に配置した各発熱
部材および各絶縁部材における軸方向の単位長さ当りの
熱放射量を、軸方向の中央部に対して両端部の方がそれ
ぞれ大きくなるように設定できる。
一方、各絶縁部材の軸方向の長さをそれぞれ変えた場
合、例えば、両端部に対して中央部の軸方向の長さを大
きくすることにより、単位長さ当りの発熱部材の配置量
を、中央部に対して両端部を大きくできて、上述と同様
に、両端部の各発熱部材の熱放射量を、中央部の熱放射
量に対して単位長さ当りにて大きくすることができる。
ところで、従来の正特性サーミスタ装置を、例えば電
子写真装置の定着用ローラに内蔵して用いた場合、軸方
向の単位長さ当りの熱放射量が等しいから、定着用ロー
ラの内壁面の各部分にそれぞれ伝達される熱量は、各熱
放射量の重ね合わせとなるから、両端部が中央部に対し
て小さくなることにより、上記定着用ローラの外周面で
の軸方向での温度分布が不均一となっていた。
しかしながら、上記構成では、上記定着用ローラに内
蔵して用いられた場合、軸方向の単位長さ当りの熱放射
量を、軸方向の中央部に対して両端部が大きくなるよう
に設定できて、各発熱部材からの熱放射の重ね合わせに
よって形成される上記定着用ローラの内壁面の各部分に
対する熱量の放射をより一定にできるから、上記定着用
ローラの外周面における軸方向の温度分布を、従来より
均一にすることが可能となる。
〔実施例〕
本考案の一実施例を第1図ないし第7図に基づいて説
明すれば、以下の通りである。
第1図に示すように、ヒータには、円環状のPTC素子
(発熱部材)1および円環状の絶縁セラミックス(絶縁
部材)2が、それら両者間にやはり略円環状に形成され
ている金属板3を挾持しながら同軸上に交互に配置され
て、軸方向の両側からそれら三者を挾持している略円板
状の一対の絶縁板4・4が設けられている。
このPTC素子とは、正特性温度係数(Positive Temper
ature Coefficient)を有する素材、例えばチタン酸バ
リウムを主原料とした半導体磁器から成り、ある温度に
達すると急峻に抵抗値が増大する感熱素子である。この
素子は材料組成により任意にキュリー温度Tc(抵抗急変
温度)が設定でき、それは、および50〜250℃の範囲で
設定できる。本実施例ではPTC素子をキュリー温度Tc近
辺で定温となる定温発熱体として用いている。
上記ヒータの組立を順を追って説明すると、まず、第
3図に示すように、前記絶縁板4にはその同軸上に穿設
されている取付孔4aと、一対の第2取付孔4b・4bとが穿
設されている。これら第2取付孔4b・4bは、絶縁板4周
縁部にその軸心に対して対称の位置で第1取付孔4aと平
行に設けられている。上記第1取付孔4aおよび各第2取
付孔4b・4bに嵌合する所定の長さの3本の金属棒5a・5b
・5cが、それぞれの一端にボルトを形成してそれら各ボ
ルトが絶縁板4に接するように上記第1取付孔4aおよび
各第2取付孔4b・4bに挿入する。
次に、第4図に示すように、第1取付孔4aから突出し
ている金属棒5bに略円筒形状の第1絶縁管6が嵌挿さ
れ、その一端は絶縁板4と当接され、その長さは所定
の、つまり前述した一対の絶縁板4・4間の距離を決め
る長さとなっている。さらに、前記絶縁セラミックス2
が、この同軸上に穿設されている支持孔2aを通して第1
絶縁管6に嵌挿されて、その一面を絶縁板4と当接する
ように配設する。なお、支持孔2aは第1絶縁管6の外周
面に嵌合するように設けられている。
また、前記各第2取付孔4b・4bの一方に挿入された金
属棒5aには、軸方向の長さが上記絶縁セラミックス2の
軸方向の長さと等しく形成された略円筒形状の第2絶縁
管8が嵌挿されその一端が絶縁板4と当接するように配
し、各第2取付孔4b・4bの他方に挿入された金属棒5cに
は、上記第2絶縁管8より軸方向に長く、後述する所定
の長さの第2絶縁管8と同様な第3絶縁管9が嵌挿され
る。これら各絶縁管6・8・9および絶縁セラミックス
2は電気的な絶縁体、例えば磁器等から成っている。
この後、第5図に示すように、前記金属板3が装着さ
れるが、この金属板3は、第2図に示すように、略円板
形状に形成され、その同軸上に第1絶縁管6の外周に嵌
合する穴3aが穿設されており、一方、金属板3の外周に
は径方向外向きに突出部3bが設けられており、さらに、
その突出部3bの先端部には絶縁金属棒5a・5cと嵌合する
ように係止孔3cが穿設されている。上記金属板3の装着
は、第5図に示すように、第2絶縁管8の嵌挿されてい
る金属棒5aに係止孔3cを、かつ、第1絶縁管6に穴3aを
通してその一面を絶縁セラミックス2および第2絶縁管
8に当接するように配設する。
その後、絶縁PTC素子1が、その同軸上に穿設されて
いる保持孔1aを第1絶縁管6に通して、その一面を金属
板3に当接するように配設する。なお、保持孔1aは第1
絶縁管6の外周に嵌合するように設けられている。ま
た、前述した第3絶縁管9の長さは、図に示すように、
絶縁セラミックス2、金属板3およびPTC素子1の軸方
向の合計長さに設定されている。
この次に、第6図に示すように、第3絶縁管9が嵌挿
されている金属棒5cに上記金属板3の係止孔3cを挿入す
ると共に、第1絶縁管6に金属板3の穴3aを通して、金
属板3の一面を前記PTC素子1に当接するように設置す
る。この後、前記絶縁セラミックス2を、その支持孔2a
を第1絶縁管6に通して上記金属板3に当接するように
設置する。
その後、金属板3を第5図に示したように第2絶縁管
8が嵌挿されている金属棒5aと第1絶縁管6とを通し
て、上記絶縁セラミックス2に当接するように配設され
るが、その前に、電極として使用される金属板3への通
電を確かなものとする金属円筒10が、第2絶縁管8の嵌
挿されている金属棒5aにおける各金属板3間に嵌挿され
る。この金属円筒10は金属棒5a・5cと嵌合するように成
型され、その軸方向の長さは第3絶縁管9の軸方向長さ
と等しく設定されており、この金属円筒10の装着により
各金属板3への通電を確実なものとしている。
次に、PTC素子1が上記と同様に第1絶縁管6に嵌挿
され、この後、金属円筒10が、金属棒5cに嵌挿され、そ
の後、また金属板3が上記と同様に挿着される。
このように順次、第7図に示すように、絶縁セラミッ
クス2、金属板3、PTC素子1、金属板3、絶縁セラミ
ックス2、金属板3、PTC素子1というふうに隣接する
もの同士が当接しながら第1絶縁管6を通して同軸上に
連設され、さらに、各金属板3…は一つ置きにそれぞれ
同じ金属棒5aもしくは金属棒5cに、それぞれの係止孔3c
を通して固定され、かつ、隣接する係止孔3c間の金属棒
5a・5cにはそれぞれ金属円筒10が嵌挿される。そして、
最後に絶縁セラミックス2を挿着する。なお、上記のよ
うに連設されている各素子の軸方向の合計長さは第1絶
縁管6の長さと等しくなるように上記各素子の軸方向長
さは設定されている。
その後、一対の前記絶縁板4の他方を挿着し、各金属
棒5a・5b・5cをナットで固定する。このとき、上記絶縁
板4における第1取付孔4aから金属棒5bのナットを締め
つけることで、それぞれ当接している各PTC素子1、絶
縁セラミックス2、金属板3を密着させる。
また、上記絶縁板4における各金属棒5a・5cには、絶
縁体から成るハトメを上記絶縁板4と当接するようにそ
れぞれ嵌挿され、さらに引き出し線11・11を上記ハトメ
との間にそれぞれ装着してナットで固定する。なお、前
記の各PTC素子1…は、金属板3と当接する両面に、例
えば銀などが焼き付けられて電極1b…がそれぞれ形成さ
れている。
このようにして、第1図に示すような略円柱形状のヒ
ータが完成する。
上記のヒータは、引き出し線11・11に通電することで
発熱し、そのPTC素子1のキューリー温度Tc、例えば150
℃に達するまでは、電気抵抗が小さいため急速に温度が
上昇し、キューリー温度Tcを越えると急峻に電気抵抗が
増加するため温度上昇が止まり、その温度で一定とな
る。このように設定温度に合わせたキューリー温度Tcを
有するPTC素子1を用いることにより、特に温度制御の
ための回路や装置は必要なく簡素な構成で安定な一定温
度を得ることができる。
また、上記ヒータが、例えば電子写真装置の定着用ロ
ーラのように円筒形状のロール内に収容された場合に
は、ヒータをロール内の同軸上に設置することにより、
発熱部材としてのPTC素子1の外周が円形に形成されて
いることから、定着用ローラの壁面とPTC素子1の外周
面との距離を一定なものとすることができる。したがっ
て、そのPTC素子1の外周表面から放射される熱量を均
一に定着用ローラの壁面に伝達することが可能となって
いる。
一方、PTC素子1を円板形状に近い円環状に形成して
いるので、従来の円柱形状と比較すると円板形状の方が
成型するための加工性はよく、PTC素子1の成型におけ
る加工作業性の向上を図ることができる。その上、その
形状から従来の円柱状と比較してそのPTC素子1におけ
る保持孔1aの中空部分だけPTC素子1の材料の必要がな
くコストダウンを図ることができる。
また、それぞれの各PTC素子1…に、電極としての働
きを備える各金属板3…をそれぞれ密に当接しており、
各金属棒5a・5cを通して各PTC素子1…に対して電力を
並列に供給している。このことから、例えば一つのPTC
素子1に接触不良を生じても他のPTC素子1に影響を及
ぼさず、従来のような円柱形状の発熱部材を直列に連結
して用いる場合における、電力を安定に供給するための
発熱部材や電極の成型精度および組み立て精度は必要な
く、加工時の手間が低減されると共に組立作業性の向上
を図ることができる。
なお、各金属棒5a・5cに装着されている各金属板3…
の隣接する各突出部3b・3b間に金属円筒10をそれぞれ挟
んでいるので、電気の供給が金属板3の係止孔3cと金属
棒5a・5cとの間におけるそれぞれの点接点からだけでは
なく、金属円筒10と突出部3bとの当接面におけるそれぞ
れの面接点からも電力が供給され、より安定に電力を供
給することができる。
さらに、上記のヒータには発熱部材としてPTC素子1
が用いられていることから、従来から使用されている発
熱部材としてのニクロム線と比べてその耐久性は向上
し、かつ、その温度上昇が速やかなものとなっている。
なお、上記構成では、PTC素子1には同じキューリー
温度Tcのものを用いたが、異なるキューリー温度Tcを備
えるPTC素子を組み合わせて上記ヒータ上の温度分布を
変えて構成することができる。また、各PTC素子1間の
絶縁セラミックス2の軸方向の長さ、つまり厚さを変え
たり、PTC素子1自身の軸方向長さを変えたりしても上
記ヒータ上の温度分布を変えることができる。
すなわち、例えば前述の定着用ローラに収容されて使
用される際にその定着用ローラの両側から熱が逃げ易い
状態にある場合、その定着用ローラ上の温度分布を一定
にするため、ヒータ上の温度分布を両側、つまり両絶縁
板4側の温度を高くすることが必要なときがある。この
ようなときには、上記のような方法を用いて温度分布を
制御して構成することも可能である。
〔考案の効果〕
本考案に係るヒータは、以上のように、PTC素子から
成る略円環状の発熱部材と略円環状の絶縁部材とが軸方
向に交互に配置されると共に、それら両者間に上記金属
板がそれぞれ上記発熱部材に電力を供給できるように挾
持され、上記各発熱部材および各絶縁部材の少なくとも
一方は、少なくとも2つの相異なる軸方向の長さにそれ
ぞれ形成されている構成である。
これにより、上記構成では、発熱部材にPTC素子を用
いていることにより、従来のニクロム線を使用するより
も耐久性が高く、かつ昇温速度の速いヒータとすること
ができる。
一方、各発熱部材の軸方向両端面に電極としての金属
板をそれぞれ有するので、例えば一つの発熱部材におけ
る電極に接触不良を生じても他の発熱部材へは影響を及
ぼさず、従来のような円柱形状の発熱部材を連結して用
いる場合におけるその発熱部材や電極の成型精度および
組み立て精度は必要なく、加工時の手間が低減されると
共に組立作業性の向上を図ることができる。
さらに、発熱部材は略円環状に形成され、中空部分を
有していることから、同一外径の円柱形状に形成された
場合と比較してPTC素子の使用量を低減できるから、コ
ストダウンが可能となる。
その上、上記構成では、各発熱部材および各絶縁部材
の少なくとも一方を、少なくとも2つの相異なる軸方向
の長さにそれぞれ形成することにより、軸方向に交互に
配置した各発熱部材および各絶縁部材の軸方向の単位長
さ当りの熱放射量を、軸方向の中央部に対して両端部が
それぞれ大きくなるように設定できる。
したがって、上記構成では、定着用ローラに内蔵して
用いられた場合、各発熱部材からの熱放射の重ね合わせ
によって形成される上記定着用ローラの内壁面の各部分
に対する熱量の放射をより一定にできるから、上記定着
用ローラの外周面における軸方向の温度分布を、従来よ
り均一にすることが可能となる。
これらの結果、上記構成は、定着用ローラの外周面
を、その軸方向においてもより均一に加熱できることか
ら、例えば、複写機等の電子写真装置における画像品質
を向上できて、上記電子写真装置に用いられる円筒形状
の熱源としてより好適なものとなるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本考案の一実施例を示すものであ
る。 第1図はヒータの斜視図である。 第2図は金属板の正面図である。 第3図ないし第6図はヒータの組立の各段階を示す説明
図である。 第7図はヒータの要部断面図である。 第8図および第9図は従来例を示すものである。 第8図はヒータの分解斜視図である。 第9図はヒータの側面図である。 1はPTC素子(発熱部材)、2は絶縁セラミックス(絶
縁部材)、3は金属板である。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】PTC素子から成る略円環状の発熱部材と、
    略環状の絶縁部材と、略環状の金属板とを備えているヒ
    ータであって、 複数の発熱部材と絶縁部材とが軸方向に交互に配置され
    ると共に、それら両者間に上記金属板がそれぞれ上記発
    熱部材に電力を供給できるように挾持され、上記各発熱
    部材および各絶縁部材の少なくとも一方は、少なくとも
    2つの相異なる軸方向の長さにそれぞれ形成されている
    ことを特徴とするヒータ。
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JPS5513123A (en) * 1978-07-13 1980-01-30 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Concurrent collection of nox and sox in gas

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