JPH08294248A - 電磁回転機械 - Google Patents
電磁回転機械Info
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- JPH08294248A JPH08294248A JP7120497A JP12049795A JPH08294248A JP H08294248 A JPH08294248 A JP H08294248A JP 7120497 A JP7120497 A JP 7120497A JP 12049795 A JP12049795 A JP 12049795A JP H08294248 A JPH08294248 A JP H08294248A
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Abstract
を検出することができる電磁回転機械を提供すること。 【構成】 コントローラ82は、位置制御巻線C2の電
流Iu2、Iv2、Iw2や、一次電流周波数指令値2ω、及
びインバータ56の出力電流(あるいは電圧)から演算
して回転子50の変位を推定する。そして、このコント
ローラ82で推定された回転子50の変位に基づいて、
変調器84や3相2相変換器86、及び電圧制御インバ
ータ88が位置制御巻線C2の電流を制御する。これに
より、電動機巻線C4によって形成される磁界が不均衡
となり、回転子50に半径方向の磁力が働いて、その位
置制御が行われる。
Description
詳細には、固定子に位置制御巻線を設けて磁気軸受機能
を付加した誘導機や同期機等の電磁回転機械に関する。
イール等では、電動機の高速、高出力化の要求が高まっ
ており、これらの軸受としては、高速回転化や長期間無
保守が可能な磁気軸受が適用されつつある。磁気軸受で
は、充分な力を発生させるために大型化する傾向にあ
り、実際、電動機の軸長に等しい場合もある。従って、
主軸の軸長が長くなり、高速回転時に生じる主軸の弾性
的な振動が問題となってしまい、高速回転を実現するこ
とは容易ではない。また、高出力化しようとすると電動
機の軸長を長くする必要があり、電磁機械が発生する吸
引力が増加するため磁気軸受のサイズも大形とする必要
がある。この結果、危険速度が低下してしまい、高速化
がきわめて困難となる。このような課題に対して近年で
は、モータの固定子に磁気軸受の位置制御巻線を付加す
ることで、軸短化と高速、高出力化を実現した位置制御
巻線付き電磁回転機械が開発されている。
0を表したものである。位置制御巻線付き電磁回転機械
30では、3相インバータ20に接続されたトルク発生
用の巻線(図示せず)の他に、ロータ31に対して半径
方向の磁力を発生させる半径方向位置制御巻線(図示せ
ず)が、モータの固定子32、34に設けられている。
半径方向位置制御巻線は、それぞれ3相インバータ3
6、38によって電流が制御され、この制御でロータ3
1の半径方向の位置制御が行われる。位置制御巻線付き
電磁回転機械30では、1つ固定子でトルクと半径方向
の力とを発生させることができるため一般の磁気軸受付
きの超高速電動機に比べて軸長を短くでき、また、軸長
が同一であれば高速、高出力化を図ることができる。
ては、以下のようなものが既に提案されている。例え
ば、励磁磁束を変化させて軸方向力を発生させること
で、ディスク形電動機の軸方向位置を調整するようにし
たものがある。これは、ディスク形の回転機には応用可
能であるが、広く用いられているラジアル形の回転機に
は応用が難しい。また、一般の誘導電動機の巻線電流を
不平衡にすることにより、半径方向の力を発生して回転
子の半径方向の位置を制御しようとするものがある。こ
れには、回転子が中心に位置しているときには原理的に
半径方向力が発生できないという問題点がある。
載されているように、磁気軸受の磁路とステッピングモ
ータの磁路を単に共有したものがある。この方式は、低
速のアクチュエータに適しているが、構造上、極数がき
わめて大きくする必要があるため超高速回転には適して
いない。また、高出力の誘導機、永久磁石形電動機など
に多く用いられる正弦波状の超磁力分布、磁束分布を持
つ回転機に応用することは難しい。
載されている技術では、極数を減少させるとともに、従
来の誘導機や永久磁石形回転機に近い構造を有するもの
が提案されている。これは、4相のスイッチドリラクタ
ンス機の固定子鉄心のような、8個の歯を構成した固定
子に4極の集中巻線を施し、これを各磁極で分割し、各
磁極の磁束を独立に制御するようにしたものである。回
転磁界を発生するとともに、各磁極の磁束の強弱により
半径方向力を発生させることもできる。また、特開平4
−107318号公報に記載されたものでも同様の鉄心
構造を有しているが、巻線を分布巻きとして、より正弦
波分布に近い超磁力分布とした点に特徴がある。しか
し、これらの技術では、4分割した巻線を個々に駆動す
るため、直交2軸の半径方向力とトルクを発生する1つ
のユニットで、2相巻線であれば最小で8台の単相イン
バータと16本の配線が必要となってしまう。更に、半
径方向力制御とトルク制御が同一の巻線電流によって行
われるため、きわめて高速かつ高精度で容量が大きい電
流駆動器が必要となる。
に記載されているように、4極の回転機に2極の巻線を
施すことで半径方向の力を発生することができる電磁回
転機械が既に提案されている。この電磁回転機械では、
回転磁界形電動機において極数の異なる位置制御巻線を
固定子に追加することにより、積極的に回転磁界を不平
衡にして半径方向力をトルクとともに発生するようにな
っている。
る半径方向力の発生原理を表したものである。回転子4
0が固定子42の中心に位置している場合、固定子42
に設けられたトルク発生用の4極巻線44は、正方向の
電流が通電されることで、4極の対称磁束H4を発生さ
せる。そして、この4極の巻線44と、これと直交する
図示しない他の4極巻線とに二相交流電流を流すことに
より4極の回転磁界を発生させる。あるいは特開平2−
193547号公報で既に報告しているように3相巻線
であってもよい。これにより、回転子40にかご形巻線
が施してあれば通常のかご形誘導機として回転子40に
トルクが発生する。
て、回転子40に対して半径方向に磁力を作用させる2
極の位置制御巻線46a、46bも施されており、位置
制御巻線46aに正方向の電流を流すと図8に示すよう
な2極の磁束H2が発生する。この場合、回転子40
の、図8において下部のギャップでは、4極の巻線44
による磁束H4の方向が2極の巻線46aの磁束H2の
方向と逆である。従って、このギャップでは磁束密度が
低下する。一方、回転子40の上部におけるギャップで
は、4極の磁束H4の方向と2極の磁束H2の方向が一
致しているため磁束密度は増加する。
転子40に図8において上方向に作用する半径方向の力
Fが生じる。この半径方向の力Fの大きさは2極巻線4
6aに流れる電流の大きさを制御することにより調整で
きる。また、半径方向の力Fの方向を逆にするために
は、2極巻線46aの電流の方向を反転すればよい。一
方、図8において左右方向の力を発生させるためには、
巻線46aと直交する2極巻線46bに通電すればよ
い。このように直交した2極巻線46a、46bの電流
の大きさ、方向を調整することにより所望の大きさ、方
向の半径方向力を発生できる。図8では4極巻線44を
電動機駆動用、2極巻線46a、46bを半径方向位置
制御用に用いているが、4極巻線44を半径方向力発生
用に、2極巻線46a、46bを電動機駆動用に用いる
ことも可能である。
う電磁回転機械では、半径方向力とトルクを発生するた
めに、3相巻線であれば6本の配線と2台の3相インバ
ータだけで済み、また、半径方向力を発生する巻線とト
ルクを発生する巻線が分離しているため、半径方向力制
御用インバータあるいはパワーアンプは小電力容量で済
むという特徴を有する。更に、4極と2極の巻線を用い
ているため、回転子が中心に位置していれば相互結合が
0となり、電動機の誘起電圧が半径方向力制御巻線に生
じない。また、誘導機、永久磁石形同期機、シンクロナ
スリラクタンスモータなどの正弦波起磁力分布、正弦波
磁束分布を仮定した高出力回転機に広く応用できる。
制御系を表したものである。なお、この図では、構成を
簡単にするため、2軸分の半径方向の位置制御を行うシ
ステム構成のみが示されている。図9に示す位置制御巻
線付き電磁回転機械の制御系は、回転子50に対してト
ルクを与えるための電動機駆動回路部Aと、回転子50
の半径方向の位置を制御するための位置制御回路部Bと
で主に構成されている。電動機駆動回路部Aでは、正弦
波発振器52や余弦波発振器53が1次電流周波数指令
2ωに基づいてそれぞれ正弦波や余弦波を発生させ、こ
れに電流振幅指令値を乗じられる。そして、3相2相変
換器54で3相2相変換されて瞬時電流指令値iu4、i
v4、iw4がそれぞれ得られ、これに追従するようにイン
バータ56が4極電動機巻線C4の電流制御を行う。
とのギャップを検出する変位センサ58a、58bの出
力α、βが、比較器60a、60bでそれぞれギャップ
指令値α0、β0と比較される。そして、その誤差ε
α、εβが、PID(比列微分積分)コントローラ62
a、62bに入力される。PIDコントローラ62a、
62bは、ギャップ誤差εα、εβに応じて半径方向の
力を指令する指令値Fα、Fβをそれぞれ発生させる。
そして、変調器64が、正弦波発振器52や余弦波発振
器53からの信号を基に、回転磁界の角度に応じた変調
をそれぞれ指令値Fα、Fβに施し、2極位置制御巻線
Nα、Nβの電流指令値iα、iβを発生させる。かご
形巻線等の場合は、図9に示すように位相補償を行う補
償器66が設けられ、この出力信号は3相2相変換器6
8で2相軸上から3相軸上に変換される。インバータ7
0は、3相2相変換器68からの電流指令値iu2、iv
2、iw2に追従するように巻線電流Iu2、Iv2、Iw2を
検出して2極位置制御巻線Nα、Nβの電流制御を行
う。
指令値や電流振幅指令値をいかにして発生するかについ
ては、ベクトル制御や滑り周波数制御、及びv/f制御
等の各種方法を用いる。また、図9では省略されている
が、ベクトル制御等においては、1次周波数の正弦波や
余弦波以外に、トルク電流ベクトルの大きさや角度、及
び励磁電流指令値等も電動機駆動回路部Aから位置制御
回路部Bに供給される。以上のように、図9に示した制
御系は、回転磁界に同期した変調を施す点をのぞくと従
来の磁気軸受の制御システムにきわめて類似している。
御巻線付き電磁回転機械では、回転子の変位を検出する
変位センサについて、いくつかの問題がある。すなわ
ち、変位センサが必ずしも半径方向力を発生する部分に
とりつけられないため、弾性変形する回転子では、不安
定が生じる場合がある。また、変位センサの種類による
ものの、変位センサの対抗部の凸凹、偏心などが位置制
御系に対して外乱となってしまう。また、変位センサ自
体が高価であることも問題である。
位センサの問題を解決するため、以下のような方法でセ
ンサレス化することが考えられている。すなわち、磁気
軸受を駆動する電流制御器のスイッチング周波数が、磁
気軸受端子から見込んだインダクタンスによって変化す
るため、主軸の半径方向変化をスイッチング周波数から
推定する方法がある。この方法は雑音にも強く実用的な
方法である。しかし、この方法では、回転子が変位して
も、磁気軸受のインダクタンスの変化はあまり大きくな
く、特に、中心付近ではインダクタンスの変化が極小と
なってしまい、制御が難しいという問題がある。
の距離と密接な関係があることに着目し、動作点近傍で
線形化を行い、観測器、あるいはシミュレータを用いて
半径方向の変位を推定したり、検出した電流から系全体
が安定化するコントローラを構成して電圧指令値を発生
するようにしたものがある。この方法は数学的にきわめ
て明快であり、新しい手法である。しかし、動作点近傍
で線形化を行う必要があり、安定化するコントローラを
構成するためにはパラメータの調整がきわめて難しい点
に問題がある。
されている動作点近傍付近を線形化して位置を推定した
り、磁気軸受用電磁石のインダクタンス変化量で位置を
推定したりしなくとも、変位センサを設けることなく回
転子の変位を推定でき、低価格で信頼性の高い、かつ安
定な位置制御が実現できる電磁回転機械を提供すること
を目的とする。
は、固定子と回転子間の電磁作用によって駆動する電磁
回転機械に、前記固定子に設けられた駆動用巻線と、前
記固定子に設けられ、前記駆動用巻線と極数が異なる磁
界を形成する位置制御巻線と、この位置制御巻線に通電
して前記固定子側での磁界を不均衡にすることにより、
前記回転子に磁力を作用させる磁力発生手段と、前記回
転子の変位と前記駆動用巻線により形成される回転磁界
によって前記位置制御巻線に生じる誘起電圧または電流
を検出する誘起状態検出手段と、この誘起状態検出手段
により検出された誘起電圧または電流と前記駆動用巻線
により形成される回転磁界の大きさと速度から、前記回
転子の変位を検出する変位検出手段と、この変位検出手
段で検出された変位に応じて、前記磁力発生手段によっ
て発生する磁力を変化させることで、前記回転子の位置
を制御する位置制御手段とを具備させて前記目的を達成
する。
間の電磁作用によって駆動する電磁回転機械に、前記固
定子に設けられた駆動用巻線と、前記固定子に設けられ
前記駆動用巻線と極数が異なる磁界を形成する位置制御
巻線と、この位置制御巻線に通電して前記固定子側での
磁界を不均衡にすることにより前記回転子に磁力を作用
させる磁力発生手段と、前記回転子の変位と前記駆動用
巻線により形成される回転磁界によって前記位置制御巻
線に生じる誘起電圧または電流を打ち消す電圧または電
流を発生させる起電力発生手段と、この起電力発生手段
によって発生した電圧あるいは電流に応じて前記磁力発
生手段によって発生する磁力を変化させることで前記回
転子の位置を制御する位置制御手段とを具備させて前記
目的を達成する。請求項3記載の発明では、固定子と回
転子間の電磁作用によって駆動する電磁回転機械に、前
記固定子に設けられた駆動用巻線と、前記固定子に設け
られ前記駆動用巻線と極数が異なる磁界を形成する位置
制御巻線と、この位置制御巻線に通電して前記固定子側
での磁界を不均衡にすることにより前記回転子に磁力を
作用させる磁力発生手段と、前記回転子の変位と前記駆
動用巻線により形成される回転磁界によって前記位置制
御巻線に生じる誘起電圧と電流との関係を決定するイン
ピーダンス回路と、このインピーダンス回路によって決
定された電圧と電流との関係に応じて前記磁力発生手段
によって発生する磁力を変化させることで前記回転子の
位置を制御する位置制御手段とを具備させて前記目的を
達成する。
段が、位置制御巻線に通電して駆動用巻線と極数が異な
る磁界によって固定子側での磁界を不均衡にすること
で、回転子に磁力を作用させる。誘起状態検出手段は、
回転子の変位と駆動用巻線により形成される回転磁界に
よって位置制御巻線に生じる誘起電圧または電流を検出
する。そして、変位検出手段は、誘起状態検出手段によ
り検出された誘起電圧あるいは電流と、駆動用巻線によ
り形成される回転磁界の大きさと速度から、回転子の変
位を検出する。位置制御手段は、変位検出手段で検出さ
れた変位に応じて、磁力発生手段によって発生する磁力
を変化させることで、回転子の位置を制御する。請求項
2記載の電磁回転機械では、磁力発生手段が、位置制御
巻線に通電して駆動用巻線と極数が異なる磁界によって
固定子側での磁界を不均衡にすることで、回転子に磁力
を作用させる。起電力発生手段は、回転子の変位と駆動
用巻線により形成される回転磁界によって位置制御巻線
に生じる誘起電圧あるいは電流を打ち消す電圧または電
流を発生させる。位置制御手段は、起電力発生手段によ
って発生した電圧あるいは電流に応じて磁力発生手段に
よって発生する磁力を変化させることで回転子の位置を
制御する。請求項3記載の電磁回転機械では、磁力発生
手段が、位置制御巻線に通電して駆動用巻線と極数が異
なる磁界によって固定子側での磁界を不均衡にすること
で、回転子に磁力を作用させる。インピーダンス回路
は、回転子の変位と駆動用巻線により形成される回転磁
界によって、位置制御巻線に生じる誘起電圧と電流との
関係を決定する。位置制御手段は、インピーダンス回路
によって決定された電圧と電流との関係に応じて磁力発
生手段によって発生する磁力を変化させることで、回転
子の位置を制御する。
例について図にしたがって詳細に説明する。図1は、電
磁回転機械10の制御系における主要部を概略的に表し
たものである。なお、図9に示した従来の電磁回転機械
と同様の構成については同一の符号を付し、その詳細な
説明は適宜省略することとする。本実施例の電磁回転機
械10は、固定子側で回転磁界を発生させることにより
回転子50にトルクを与える誘導モータ、あるいは同期
モータ等であり、固定子には、回転磁界を発生させる電
動機巻線C4と、この電動機巻線C4による回転磁界を
不均衡にすることで回転子50に対して半径方向の磁力
を作用させる位置制御巻線C2とがそれぞれ設けられて
いる。位置制御巻線C2による半径方向力の発生原理
は、図8に示したものと同様である。
電流を制御する位置制御回路部B1を備えている。この
位置制御回路部B1では、変位センサを設ける代わり
に、位置制御巻線C2の電流Iu2、Iv2、Iw2と1次電
流周波数指令とインバータ56の出力電流値(あるいは
電圧値)がコントローラ82に供給されるようになって
いる。コントローラ82は、これら電流Iu2、Iv2、I
w2等から回転子50の半径方向における変位を推定し、
PID、あるいはPIDD等の増幅器で増幅して、変位
を0とするように回転子50に対して働く半径方向力の
指令値Fα、Fβを発生させるようになっている。
続され、発生した指令値Fα、Fβは、この変調器84
で、電動機駆動回路部Aにおける正弦波発振器52や余
弦波発振器53からの信号を基に、回転磁界の角度に応
じた変調を施されるようになっている。そして、位置制
御巻線C2の電圧を指令する2極巻線電圧指令値vα、
vβとして3相2相変換器86に供給され、ここで、2
相軸上から3相軸上に変換される。3相2相変換器86
で変換された3相軸上の電圧指令値vu2、vv2、vw2
は、電圧制御インバータ88に供給されるようになって
いる。もし、2相巻線であれば、この3相2相変換器8
6は省略でき、変調器84の電圧指令値vα、vβが直
接電圧制御インバータ88に供給される。電圧制御イン
バータ88は、電圧指令値vu2、vv2、vw2に追従する
ように出力電圧Vu2、Vv2、Vw2を発生して位置制御巻
線C2に印加するようになっている。なお、電動機駆動
回路部Aは、図9に示したものと同様の構成である。
について説明する。まず、コントローラ82において位
置制御巻線C2の電流Iu2、Iv2、Iw2と1次電流周波
数指令、及びインバータ56の出力電流値(あるいは電
圧値)から、回転子50の変位を推定する原理について
説明する。なお、以下では、説明を簡単にするため、固
定子に設けられた電動機巻線と位置制御巻線を、それぞ
れ2相4極の電動機巻線Na、Nbと、2相2極の位置
制御巻線Nα、Nβとした場合を例に説明する。
したものであり、図3は、回転子12の変位を座標軸上
で表現したものである。なお、図において横軸及び縦軸
を各々α軸、β軸とし、回転子12が中心に位置してい
る場合のギャップをg0 とする。また、これら巻線N
a、Nb、及びNα、Nβの起磁力分布を正弦波とし、
磁気飽和やスロット等の空間高調波を無視し、更に回転
子12が中心に位置している場合の、固定子14と回転
子12とのギャップパーミアンスを一定値と仮定する。
このように仮定した場合、単位電流に対する各巻線N
a、Nb、及びNα、Nβの起磁力は(1)〜(4)式
で示すようになる。
Na、Nbの起磁力、Aα、Aβは2相2極位置制御巻
線Nα、Nβの起磁力、N4 、N2 は各4、2極巻線N
a、Nb、及びNα、Nβの単位電流に対する起磁力の
基本波、φs は固定子内面に沿った角度である。いま図
3に示す通り、回転子12が固定子14内においてα軸
方向にx、β軸方向にy変位しているとし、回転子12
の半径に比較し、ギャップは十分小さく、またギャップ
に対し回転子12の変位は十分小さいと仮定したときの
単位ラジアン当たりのパーミアンスP0 は、(5)式と
なる。
の軸長、μ0 は空気中の透磁率である。また、各巻線N
a、Nb、及びNα、Nβを単位電流で励磁した場合の
磁束Ψa、Ψb、及びΨα、Ψβは、パーミアンスと磁
気ポテンシャルから(6)〜(9)式となる。
βにおける磁束鎖交数をそれぞれλa、λb、及びλ
α、λβ、各巻線Na、Nb、及びNα、Nβの瞬時電
流をそれぞれia、ib、及びiα、iβとすれば、イ
ンダクタンスの対称性を考慮して(10)式を定義でき
る。
線分布に乗じて積分することにより導出できる。例え
ば、a相4極電動機巻線の自己インダクタンスLaは
(11)式となる。
制御巻線の相互インダクタンスMaαは(12)とな
る。
る。次に、同様にして(10)式の各インダクタンスに
ついて解き、これを行列式で表すと(13)〜(15)
式となる。
の自己インダクタンスLa、Lb及びLα、Lβは、回
転子12の変位に依存せず一定であり、4極電動機巻線
Na、Nb同士の相互インダクタンスMab、及び2極
位置制御巻線Nα、Nβ同士の相互インダクタンスMα
βは0であることがわかる。更に(15)式では、4極
電動機巻線Na、Nbと位置制御巻線Nα、Nβの相互
インダクタンスMaα、Mbα、及びMaβ、Mbβ
が、回転子12の変位に比例することがわかる。
ダクタンスを測定した結果を表したものである。図3
(a)においてα方向に回転子12を変位させた場合、
相互インダクタンスMbβは、図4(a)に示すように
変位に比例し、相互インダクタンスMaαは変位に反比
例する。また、図3(a)においてβ方向に回転子12
を変位させた場合、相互インダクタンスMaβ、Mbα
は、図4(b)に示すように変位に比例する。一方、相
互インダクタンスMab、Mαβ、Mbα、Maβは、
回転子12をいずれの方向に変位させた場合において
も、他のインダクタンスに比較して極めて小さく0に近
い。このため、図4(a)、(b)には描かれていな
い。また、自己インダクタンスLa、Lb、及びLα、
Lβは、α方向とβ方向のいずれの方向に変位させた場
合においても、ほぼ一定値となる。従って、このような
結果から(13)〜(15)式が裏付けられる。
も相互インダクタンス行列M42から回転子12の変位を
推定できることがわかる。すなわち、回転子12が中心
に位置している場合、M42は0であるため2極位置制御
巻線Nα、Nβには、誘導起電圧が発生しない。しか
し、回転子12が半径方向に変位するとM42は0となら
ないため、4極電動機巻線Na、Nbの回転磁界に起因
して、誘起電圧が発生する。このM42は前述したように
回転子12の変位に比例するため、誘起電圧は回転子1
2の変位と電動機巻線Na、Nbによる回転磁界の大き
さと速度に比例する。これは、位置制御巻線Nα、Nβ
の端子に回転子12の半径方向の変位に比例した成分が
含まれていることを示す。
圧または電流を検出し、その検出値と電動機巻線Na、
Nbによる回転磁界の大きさと速度から演算して回転子
12の変位を推定することができる。また、回転磁界の
大きさを一定にすれば、位置制御巻線Nα、Nβの誘起
電圧または電流と回転磁界の速度から演算して変位を推
定することもできる。以上は2相4極電動機巻線Na、
Nbと2相2極位置制御巻線Nα、Nβについて説明し
たが、2相2極電動機巻線と2相4極位置制御巻線の場
合でも、また本実施例のように3相巻線の場合でも同様
の原理から回転子の位置を検出することができる。
明する。本実施例では、電動機駆動回路部Aのインバー
タ56によって電動機巻線C4に3相対称電流を流すこ
とで固定子側で回転磁界を発生させる。また、図8に示
したように、位置制御巻線C2によって固定子の磁束密
度を積極的に不均衡にすることで、回転子50に半径方
向力を作用させ磁気浮上させる。位置制御回路部B1に
よる位置制御巻線C2の電圧制御によってその浮上位置
が所定の位置(固定子の中心)となるように制御され
る。これにより、回転子50は、非接触の状態で回転駆
動される。
50が中心に位置している場合、前述した原理により電
動機巻線C4と位置制御巻線C2との間の相互インダク
タンス行列M(相互インダクタンスM42に相当)は0で
あるため、位置制御巻線C2には電動機巻線C4による
誘導起電圧が発生しない。しかし、回転子50が半径方
向に変位すると、相互インダクタンス行列Mは0となら
ないため、電動機巻線C4による回転磁界に起因して位
置制御巻線C2に誘導起電圧が発生する。この相互イン
ダクタンス行列Mは前述した原理から、回転子50の変
位に比例するため、誘起電圧は回転子50の変位と電動
機巻線C4による回転磁界の速度と大きさに比例する。
すなわち、位置制御巻線C2の端子には回転子50の半
径方向の変位に比例した成分が含まれている。
線C2の電流Iu2、Iv2、Iw2で得て、この電流と、回
転磁界の速度である一次電流周波数指令2ωと、回転磁
界の大きさを推定するためのインバータ56の出力電流
値(あるいは電圧値)から演算して回転子50の変位を
推定し、図示しないギャップ指令値と比較し、そのギャ
ップ誤差を0にする方向の力を指令する指令値Fα、F
βを発生させる。そして変調器84、3相2相変換器8
6、電圧制御インバータ88を通し、位置制御巻線C2
に電圧を加え、回転子50の変位に基づく電流が所定値
になるように制御し、回転子50の位置制御が行われ
る。
機械10では、変位センサを設けることなく、回転子5
0の位置制御を行うようにしているので、配線数を少な
くすることができ、信頼性を高くすることができる。ま
た、変位センサがない分、低価格を実現できる。更に、
弾性ロータで問題となるコロケーション問題も発生しな
い。
5は、第2の実施例による電磁回転機械の制御系におけ
る主要部を表したものである。なお、第1の実施例と同
様の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明
は適宜省略することとする。本実施例では、第1の実施
例における制御系を簡略化したものであり、位置制御回
路部B2のコントローラ90は、半径方向の系を安定化
させる伝達関数で構成されている。すなわち、コントロ
ーラ90は、位置制御巻線C2の電流Iu2、Iv2、Iw2
を得て、この電流や回転磁界の速度である一次電流周波
数指令2ω、及び回転磁界の大きさを推定するためのイ
ンバータ56の出力電流(あるいは電圧)から演算して
変位を推定する機能と、第1の実施例で説明した、指令
値Fα、Fβを発生させる回路、変調器84、及び3相
2相変換器86の機能とを有することで、半径方向の系
を安定化させる伝達関数を再構成している。
流Iu2、Iv2、Iw2を検出し、半径方向の系を安定化さ
せるための電圧指令値を演算し、電圧制御インバータ9
2にvu2、vv2、vw2を出力する。これにより、電圧制
御インバータ92は、これらの信号に基づいて、出力電
圧Vu2、Vv2、Vw2を位置制御巻線C2に発生させるこ
とにより、回転子50の位置制御を行う。なお、本実施
例及び前述の第1の実施例では、位置制御巻線C2の電
流から回転子50の半径方向位置を推定しているが、位
置制御巻線C2の誘起電圧から回転子50の半径方向位
置を推定し、半径方向の系を安定化させるための電流指
令値を演算し、インバータから出力させることにより、
回転子50の位置制御を行ってもよい。
お、第1の実施例と同様の構成については同一の符号を
付し、その詳細な説明は適宜省略することとする。図示
しないが、本実施例では、固定子に4極の電動機巻線C
4と2極の位置制御巻線C2とが設けられ、電動機巻線
C4には、その駆動電流を制御する電動機駆動回路部A
が接続されている。また、本実施例では、位置制御巻線
C2が、その端子を短絡されることで閉回路を構成して
いる。そして、駆動時にこの閉回路に生じる誘起電圧に
よって回転子50を常に中心に保つ半径方向力を発生さ
せるようになっている。すなわち、位置制御巻線C2に
は、前述したように、回転子50の変位と電動機巻線C
4による回転磁界の大きさと速度に比例した誘起電圧が
発生する。従って、本実施例のように位置制御巻線C2
の端子間を短絡し閉じた回路を構成することで、この閉
回路には、回転子50の変位を打ち消す方向に誘起電圧
が発生する。そして、この誘起電圧により回転子50を
常に中心に保つ半径方向力を発生させる電流が流れ、回
転子50の位置制御が行われる。
場合、誘起電圧が小さいと半径方向力はあまり大きくな
い。しかし、回転速度が増加し、位置制御巻線C2の誘
起電圧が増加すると電流が増加し、その結果、大きな半
径方向力が発生し、回転子50を常に中心に保つ制御が
実現できる。また、位置制御巻線C2を超電導体または
低抵抗体で構成すれば、巻線抵抗はほぼ0であり、小さ
な誘起電圧でも大きな電流が流れ、回転子50を常に中
心に保つ制御が実現できる。
を位置制御巻線C2に設けることにより、コンデンサC
で低域でのダンピングの減少、インダクタンスLで高域
のダンピングの減少を実現できる。すなわち低速域で浮
上しはじめる速度の決定と、高速域で誘起電圧が高くな
り、位置制御電流が大きくなりすぎるのを抑制すること
ができる。この方式では、第1及び第2の実施例に比較
し、位置制御用のコントローラやインバータ、電流検出
器等を省略でき、簡単な構成となり低コスト化が可能で
ある。なお、以上の各実施例では、電動機巻線C4が4
極、位置制御巻線C2が2極の巻線であったが、その逆
に、電動機巻線C4が2極、位置制御巻線C2が4極の
巻線であってもよい。また、以上の各実施例では、電動
機として駆動する電磁回転機械を例に説明したが、本発
明は、発電機として駆動する電磁回転機械にも適用可能
である。
流( あるいは誘起電圧)から回転子の変位を検出するこ
とがきるので、変位センサが不要となる。そのため、低
コスト化と高信頼性が実現できる。また、従来、位置を
推定するために実施されている動作点近傍での線形化を
行う必要がないため、パラメータの調整も容易であり、
動作条件に対してもロバストである。更に、半径方向位
置検出点と半径方向力作用点が同一位置であるため、弾
性体で問題となるコロケーション問題も発生しない。
御系の主要部を示したブロック図である。
る。
示した説明図である。
御系の主要部を示したブロック図である。
御系における一例を示したブロック図である。
である。
を示した説明図である。
ロック図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 固定子と回転子間の電磁作用によって駆
動する電磁回転機械において、 前記固定子に設けられた駆動用巻線と、 前記固定子に設けられ、前記駆動用巻線と極数が異なる
磁界を形成する位置制御巻線と、 この位置制御巻線に通電して前記固定子側での磁界を不
均衡にすることにより、前記回転子に磁力を作用させる
磁力発生手段と、 前記回転子の変位と前記駆動用巻線により形成される回
転磁界によって前記位置制御巻線に生じる誘起電圧また
は電流を検出する誘起状態検出手段と、 この誘起状態検出手段により検出された誘起電圧または
電流と前記駆動用巻線により形成される回転磁界の大き
さと速度から、前記回転子の変位を検出する変位検出手
段と、 この変位検出手段で検出された変位に応じて、前記磁力
発生手段によって発生する磁力を変化させることで、前
記回転子の位置を制御する位置制御手段とを具備するこ
とを特徴とする電磁回転機械。 - 【請求項2】 固定子と回転子間の電磁作用によって駆
動する電磁回転機械において、 前記固定子に設けられた駆動用巻線と、 前記固定子に設けられ、前記駆動用巻線と極数が異なる
磁界を形成する位置制御巻線と、 この位置制御巻線に通電して前記固定子側での磁界を不
均衡にすることにより、前記回転子に磁力を作用させる
磁力発生手段と、 前記回転子の変位と前記駆動用巻線により形成される回
転磁界によって前記位置制御巻線に生じる誘起電圧また
は電流を打ち消す電圧または電流を発生させる起電力発
生手段と、 この起電力発生手段によって発生した電圧または電流に
応じて、前記磁力発生手段によって発生する磁力を変化
させることで、前記回転子の位置を制御する位置制御手
段とを具備することを特徴とする電磁回転機械。 - 【請求項3】 固定子と回転子間の電磁作用によって駆
動する電磁回転機械において、 前記固定子に設けられた駆動用巻線と、 前記固定子に設けられ、前記駆動用巻線と極数が異なる
磁界を形成する位置制御巻線と、 この位置制御巻線に通電して前記固定子側での磁界を不
均衡にすることにより、前記回転子に磁力を作用させる
磁力発生手段と、 前記回転子の変位と前記駆動用巻線により形成される回
転磁界によって前記位置制御巻線に生じる誘起電圧と電
流との関係を決定するインピーダンス回路と、 このインピーダンス回路によって決定された電圧と電流
との関係に応じて、前記磁力発生手段によって発生する
磁力を変化させることで、前記回転子の位置を制御する
位置制御手段とを具備することを特徴とする電磁回転機
械。
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