JPH0829415A - 潜血検出用インキ組成物 - Google Patents

潜血検出用インキ組成物

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JPH0829415A
JPH0829415A JP16252994A JP16252994A JPH0829415A JP H0829415 A JPH0829415 A JP H0829415A JP 16252994 A JP16252994 A JP 16252994A JP 16252994 A JP16252994 A JP 16252994A JP H0829415 A JPH0829415 A JP H0829415A
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JP
Japan
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occult blood
composition
resin
ink composition
water
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JP16252994A
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English (en)
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Runa Yuuki
瑠奈 結城
Nobuyuki Tsuji
信之 辻
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 呈色試薬及び/又は蛋白系物質を吸着するこ
とができる吸着剤、吸水性担体及び高吸水性樹脂を精密
混合処理した粉体を含むことを特徴とする、潜血検出用
印刷インキ組成物及び該組成物を用いた潜血検出用検査
体。 【効果】 本発明により、以下の性質を有する試薬シー
ト用潜血検出用組成物及び潜血検出用体液検査体が提供
される。 被験者が呈色の有無を識別することにより、潜血の
陽性・陰性を正確に判定できる。 美しく発色する。
呈色時のムラ、滲み等を防止することができる。
偽陰性若しくは偽陽性の判断を防ぎ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は潜血検出用組成物及び当
該組成物を用いて作出した検査体に関する。そして、よ
り詳しくは尿、糞便、若しくは体液中の血液を簡便かつ
迅速に検出することを目的とする潜血検出用印刷インキ
組成物、及びこの検出用印刷インキ組成物を用いて作出
した潜血検出用検査体に関する。
【0002】
【従来の技術】尿、吐物、胃内溶液などの体液や糞便排
泄物中の潜血の検出は、多くの病態の診断において非常
に有効な手段である。従来、前記の体液及び糞便排泄物
中の血液を検出するには、主に潜血検査試薬を塗布した
検査体が用いられている。当該潜血検査試薬により潜血
を検出する原理は、血液中の血色素が有するペルオキシ
ダーゼ様作用 (ペルオキシダーゼと類似の作用) により
過酸化物が分解され、当該分解時に発生する酸素が被酸
化性指示薬と反応して、この被酸化性指示薬を発色させ
ることに基づく。
【0003】当該検査体は、使用に際して操作が簡便
で、しかも血液の有無の判定を短時間に行い得る、とい
う点において優れている。しかしながらドライケミスト
リーにおいては、上記の血液中の血色素が有するペルオ
キシダーゼ様作用は相対的に弱く、呈色濃度に寄与し、
満足な測定感度を有する前記検査体を提供するのは困難
であった。そこで、キノリン及びキノリン誘導体を潜血
検査試薬中に含有させて用い、当該ペルオキシダーゼ様
作用を協強力した (換言すれば増感した) 検査体が提案
されている (特公昭41-5680号公報)。
【0004】ところが、このようにペルオキシダーセ様
作用を協強する場合、o-トリジンやベンジジンのような
高感度の被酸化性指示薬を使用する場合には満足な感度
と呈色濃度を与える検査体が提供されるが、その以外の
被酸化性指示薬を用いるときは満足な感度と呈色濃度が
得られないという欠点がある。加えて潜血検出用検査体
中の過酸化物は、他の指示薬や緩衝剤との接触によって
も分解され、これによっても当該検査体の感度や呈色濃
度の低下が助長される。そこで、当該検査体に長期保存
性を付与する目的で、ゼラチンを用いた有機ヒドロ過酸
化物のマイクロカプセル化による保護が提案されている
(特公昭54-10520号公報) 。
【0005】このような状況下で出願人らは先に、被酸
化性指示薬、有機過酸化物、及び結合材を溶液中に溶解
若しくは分散させたインキ組成物を、支持体上に印刷し
て検査体を製造する方法についての特許出願をし(特開
昭58-209995 、特開昭60-178356 号公報) 、有機過酸化
物と増感剤のカプセル化処理(特開昭64-465号公報)、
あるいは抗酸化剤の添加(特開平1-65453 号公報)によ
り保存性を向上させた検査体についての特許出願を行っ
た。
【0006】さらに、インキ担体 (試薬層の支持担体)
として無機吸着剤を用いることでインキの印刷適正を向
上させ、試験片を大量に生産することを可能とし、また
吸着剤の働きにより呈色試薬を安定化させ、試薬層の耐
光性を向上せしめ、後加工の際の品質低下を解消した検
査体についての特許出願を行った (特開平3-48157 号公
報)。
【0007】また出願人は、試験片上に痕跡色の色調層
を試薬層の外周に設けたOTC 向尿潜血検出用試験片につ
いての特許出願を行った (特開平1-138458号公報) 。な
お、当該試験片を製造するために、インキ担体として無
機吸着剤 (リン酸三カルシウム及びヒドロキシアパタイ
ト)を含有する潜血検出用印刷インキ組成物(特開平3-
48157 号公報)を用いて得られた試験片の試薬性能によ
って色調層の色調色 (痕跡;0.06mgヘモグロビン/dl)
の決定を行ったところ、他の検査項目 (糖、蛋白等) に
ついて当該試験を行った場合と比較して色見が薄く、陰
性、痕跡、もしくは陽性であることの識別が困難である
ことが判明した。
【0008】さらに出願人は、メンブレンフィルター上
に直接潜血検出用印刷インキ組成物を印刷した糞便潜血
検出用試験片についての特許出願を行った (特開平3-47
880号公報)。無機吸着剤を含有する潜血検出用印刷イ
ンキ組成物 (特開平3-47880号公報)をメンブレンフィ
ルター上に直接印刷して試験片を製造し、前記と同様
に、当該試験片について色調層の色調色 (痕跡:0.06mg
ヘモグロビン/dl) の決定試験を行った。その結果、糞
便潜血の検出を企図したものとしての感度はあまり好ま
しいものではなかった。
【0009】そこで、潜血検出用検査体として優れた保
存安定性を有し、低濃度域 (痕跡;0.06mgヘモグロビン
/dl) でも充分な呈色を示し、陰性時との比較におい
て、一瞥して陽性であることの識別ができる製品につい
ての、すなわち被検者 (一般人) 自身が尿中や糞便中の
潜血を検査する際においても検出しやすいように、陰性
時と陽性時が呈色の有無で識別できる潜血検査試験片に
ついての特許出願を行った (特開平4-351959号公報、特
開平4-204255号公報) 。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決すべき課
題は、先に出願した潜血検査試験片 (特開平4-204255号
公報、特開平4-351959号公報) をさらに改良し、以下の
性質を有する試薬シート用潜血検出用検査試験片を提供
することにある。
【0011】被検者 (一般人) が尿、糞便、若しくは
体液中の潜血を検査する際に正確に判定できるよう、正
常時は呈色せずに陽性時に呈色する、すなわち陰性と陽
性とを呈色の有無で識別可能である。 美しく発色する。 濾紙やメンブレンフィルター上に直接検査試薬を印刷
した場合における呈色時のムラ、滲みや紙への色移りを
防止することができる。
【0012】アスコルビン酸 (ビタミンC) 耐性もし
くは鉄イオン耐性を有し、偽陰性若しくは偽陽性の判断
を防ぎ得る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の発明を提供
することにより当該課題を解決し得ることを見出した。 (1) 呈色試薬及び/又は蛋白系物質を吸着することが
できる吸着剤、吸水性担体及び高吸水性樹脂を精密混合
処理した粉体を含むことを特徴とする、潜血検出用印刷
インキ組成物。
【0014】(2) 前記(1) 記載の潜血検出用印刷イン
キ組成物に、アスコルビン酸オキシダーゼ含有物を含む
ことを特徴とする、潜血検出用印刷インキ組成物。 (3) 吸水性担体が、低置換度ヒドロキシプロピルセル
ロース微粉体であることを特徴とする、前記(1) 記載の
潜血検出用印刷インキ組成物。 (4) 高吸水性樹脂が、アクリル酸ソーダ・ビニルアル
コール共重合体微粉体であることを特徴とする、前記
(1) 記載の潜血検出用印刷インキ組成物。
【0015】(5) アスコルビン酸オキシダーゼ含有物
が糖質を安定化剤として、アスコルビン酸オキシダーゼ
を含む粉末であり、かつ抗酸化剤がアスコルビン酸ステ
アレートであることを特徴とする、前記(2) 記載の潜血
検出用印刷インキ組成物。 (6) 前記(1) 〜(5) のいずれかに記載された潜血検出
用印刷インキ組成物を用いた潜血検出用検査体。
【0016】以下、本発明について詳細に説明する。 A.本発明潜血検出用印刷インキ組成物 (以下、本発明
組成物と記載する。) に含まれる「呈色試薬及び/又は
蛋白系物質を吸着することができる吸着剤」は、呈色試
薬 (o-トリジン、グアヤク脂、テトラメチルベンジジン
等) 、及び/又は蛋白系物質 (酵素、抗原、ハプテン、
抗体、蛋白質等) を吸着する性質を有するものであれ
ば、無機物、有機物を問わずすべてのタイプのものを用
いることができる。
【0017】例えば、以下の吸着剤を用いることができ
る。多孔質ガラス、シリカゲル、アルミナ、活性白土、
石英砂、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ベント
ナイト、カオリン、タルク、ヒドロキシアパタイト、リ
ン酸三カルシウム、酸化チタン、活性炭等の無機多孔
体;ナイロン6パウダー、ナイロン6,6 パウダー、四フ
ッ化エチレンパウダー、ポリビニリデンジフルオライド
パウダー、三フッ化塩化エチレンパウダー、又は上記パ
ウダーをプラズマ処理したもの等の有機多孔体;陰イオ
ン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、マクロポーラス型イオ
ン交換樹脂、ハイブリッド型イオン交換樹脂、イオン交
換繊維、キレート樹脂等、さらに具体的には DEAE-セル
ロース粉砕品、高速液体クロマトグラフィー用イオン交
換樹脂等の極性基を有する担体 (アニオン、カチオン又
は双極イオン性) ;非イオン性高分子凝集剤、ポリ陽イ
オン系高分子凝集剤、ポリ陰イオン系高分子凝集剤、両
性イオン系高分子凝集剤等、さらに具体的にはキトサ
ン、ポリアミノアルキルメタクリレート (及びアクリル
アミドとの共重合体)等の高分子凝集剤;抗体固定化高
分子、レクチン固定化高分子、抗原若しくは抗原ハプテ
ンを固定化した高分子 (なお、高分子としては、セルロ
ース、アガロース、デキストラン等を好適な高分子とし
て例示することができる)等の高分子に被吸着物質を化
学的処理により固定化したもの;合成高分子系ゲル濾過
用担体、多糖類系ゲル濾過用担体等、より具体的には高
速液体クロマトグラフィー用保持体等の分離用 (クロマ
トグラフィー用) 高分子担体;その他、共重合により形
成されたラテックス等の微小プラスチックを水溶性塩
(リン酸塩、カルシウム塩、バリウム塩等) で処理した
もの、水不溶性酸化物 (チタン酸塩、アルミナ等) をイ
オン (アニオン、カチオン) 交換セルロースの微粉末で
処理したもの等を例示することができる。
【0018】呈色試薬の反応性を低下させない、両極性
の物理吸着剤が好ましく、また緩衝剤に影響を示さない
中性の吸着剤が好ましく、加えてインキ担体として、イ
ンキ用溶剤で膨潤せず、粒径が50μmφ以下のものが好
ましい。なお、上記の吸着剤の使用形態は、粉末状、特
に微粉末状がインキの印刷適正性能上好ましい。具体的
には、0.1〜50μmφ程度の微小担体を用いるのが好ま
しい。また、当該吸着剤は単独で、若しくは2種以上の
混合物として用いることができる。そして、当該吸着剤
の使用両に特別の制限はないが、本発明組成物100g当た
り10〜40g 程度を用いるのが呈色試薬及び酵素の反応性
を著しく低下させず安定化できるという点で好ましい。
【0019】本発明組成物においては、溶剤中で呈色試
薬や蛋白系物質が吸着剤に吸着される。本発明において
は、被吸着物である呈色試験や蛋白系物質は極性基を有
するのが好ましく、上記吸着剤はかかる極性基を利用し
て当該試薬や蛋白系物質を吸着する。次に、吸水性担体
としては、一般には親水性樹脂が用いられる。当該親水
性樹脂としては、例えば、カルボキシメチルエチルセル
ロース樹脂、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタ
レート樹脂、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセ
テートサクシネート樹脂、酢酸フタル酸セルロース樹
脂、酢酸トリメリト酸セルロース樹脂、酢酸フタル酸ポ
リビニルアルコール樹脂、メタクリル酸コポリマー樹脂
(メタクリル酸+アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル又はメタクリル酸エチル)等の合
成酸性樹脂や、セラミック樹脂等の天然酸性樹脂、無水
酸環を持つ各種コポリマーを低級〜中級アルコールでハ
ーフエステル化した酸性樹脂、エチルセルロース樹脂、
ブチラール樹脂、酢酸セルロース樹脂、アクリレートコ
ポリマー樹脂(アクリル酸エチル+メタクリル酸メチ
ル)、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ピロリドン樹脂、コポリビドン樹脂(ビニルピロリドン
+酢酸ビニル)、(ビニルアルコール+酢酸ビニル)コ
ポリマー樹脂、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
樹脂、ヒドロキシプロピルメチルセルロース樹脂、ヒド
ロキシエチルメチルセルロース樹脂等が単一又は二種以
上の混合物で用いられるが、低置換度ヒドロキシプロピ
ルセルロース樹脂が好ましい。
【0020】次に「高吸水性樹脂」とは、自重の数倍以
上もの多量の水を吸収保持しうる樹脂を広く指し、例え
ば、澱粉・アクリル酸グラフト共重合体系、イソブチレ
ン・無水マレイン酸共重合体系、ポリアクリル酸塩系、
アクリル酸・ビニルアルコール共重合体等の樹脂を単独
に、若しくは複数併用できる。かかる樹脂の形状には特
に制限はないが、粉末、好ましくは微粉末がインキの印
刷適正性能上好ましい。具体的には、特に 400メッシュ
パス程度の高吸水性樹脂を用いるのが有利である。
【0021】これらの高吸水性樹脂としては、市販品を
適宜使用することが可能であり、自重の数倍以上もの多
量の水を吸収保持しうる高い吸水能力を有するポリマー
であればすべてのタイプのものが使用できる。例えば、
サンウェットIW-300、サンウェットIW-1000(共に三洋化
成製) 等の澱粉・アクリル酸グラフト共重合体系;KIゲ
ル、201K-F2(共にクラレ製) 等のイソブチレン・無水マ
レイン酸共重合体系;アクアキープ4S、アクアキープIO
SH-NF(共に製鉄化学製) 、アラソープ (荒川化学製) 、
ポイズSA-20(花王製) 、スミカゲルNP-1010(住友化学
製) 等のポリアクリル酸塩系;スミカゲルSP-510、スミ
カゲルSP-520 (共に住友化学製) 等のアクリル酸・ビニ
ルアルコール共重合体等を例示することができる。
【0022】なお、当該親水性樹脂の本発明組成物にお
ける使用量 (配合量) は、製品の使用目的に応じて試薬
層の吸水能を調整し感度及び呈色速度等を適応させるた
め自由に選択でき、格別の制限はない。しかしながら、
インキ組成物100g当り1〜10g 程度を包含させるのが吸
水・保水剤として働き試薬層の検体を吸水・保水する性
能を向上させるという点で好ましい。
【0023】同じく、当該高吸水性樹脂の本発明組成物
における使用量 (配合量) は、製品の使用目的に応じて
試薬層の吸水性を調整し感度及び呈色速度を適応させる
ため自由に選択でき、格別の制限はない。しかしなが
ら、インキ組成物100g当たり0.1〜5g程度を包含させる
のが崩壊剤として働き試薬層の検体が内部に浸透する性
能を向上させる点において好ましい。
【0024】次に、上記の吸着剤、親水性樹脂及び高吸
水性樹脂を精密混合処理して粉体を調製する。ここで
「精密混合処理」とは、比重や含有比が極めて異なる異
種粉体としてでも均一に分散した混合粉体を調製するこ
とで、粉体を単粒子単位で混合処理を行うことを意味す
るものであり、精密粉体混合機を用いて処理を行うこと
により提供される。かかる混合粉体を本発明組成物に配
合することにより、検体溶液を本発明組成物を用いた検
査体に接触させた場合の発色ムラを防止することができ
る。
【0025】さらに、本発明組成物にアスコルビン酸耐
性を保持させるために、本発明組成物中にアスコルビン
酸オキシダーゼ含有物を含有させることができる。ここ
にいう「アスコルビン酸オキシダーゼ含有物」とは、ア
スコルビン酸オキシダーゼを含有し、アスコルビン酸を
分解する能力を有する含有物のことをいい、例えばキュ
ウリやカボチャ等の植物より精製し得られるものや、微
生物の代謝産物として得られるものがあり、蛋白質乃至
糖質を安定化剤としてアスコルビン酸オキシダーゼを含
む粉末等を例示することができる。アスコルビン酸オキ
シダーゼ(ASO) として、微生物由来のASO(旭化成工業
(株) 製) は植物由来のASO に比べて、副反応のPOD(ペ
ルオキシダーゼ)活性が弱く、潜血反応試薬(POD活性測
定) 系に用いるのに適している。また、かかるアスコル
ビン酸オキシダーゼ含有物のうち、糖質を安定化剤とし
てアスコルビン酸オキシダーゼを含む粉末は、安定化剤
として牛血清アルブミン(BSA) を用いた場合と比べても
陰性発色が弱いという理由で好ましい。かかる糖質を安
定化剤として微生物由来のアスコルビン酸オキシダーゼ
を含む粉末を本発明組成物中に含有させる場合には、こ
れを単独に配合するだけで良好な耐アスコルビン酸性能
を示し、上記の陰性発色を防止することができる。
【0026】上記のアスコルビン酸オキシダーゼ含有物
の本発明組成物における配合量は、用いるアスコルビン
酸オキシダーゼ含有物の種類に応じて適宜選択して用い
られる。アスコルビン酸オキシダーゼ含有物として、
「糖質を安定化剤としてアスコルビン酸オキシダーゼを
含む粉末」を本発明組成物に配合する場合においては、
インキ100gに対して、5〜15万U(200〜300U/mg)、より
好ましくはインキ100gに対して7万U程度配合する。
【0027】これらのアスコルビン酸オキシダーゼ含有
物を本発明組成物に配合することによりアスコルビン酸
耐性を有し、かつ偽陽性として判定されることのない本
発明組成物を用いる検査体を得ることが可能になる。
【0028】B.上記A.において述べた点を本発明組
成物はその特徴とする。そしてその他の点では、従来か
ら潜血検出用インキ組成物に用いられる構成成分を本発
明組成物に含有させることが可能である。すなわち上記
Aに示したものの他に、溶媒に過酸化物、被酸化性指示
薬、増感剤、pH緩衝剤、結合材やその他の成分を溶解し
て本発明組成物を調製することができる。
【0029】上記過酸化物としては、例えばヒドロペル
オキシドを挙げることができる。かかる有機ヒドロペル
オキシドは、そのグループ内に属する良く知られた多く
の化合物のうち、過酸化物に感受性を有する指示薬の存
在下に過酸化活性物質と反応して、色の変化、検査体に
吸収されるかもしくはそれにより反射される光の変化な
どの検出可能な応答をすることができるものである限り
において、何れのものも使用できる。さらに具体的の本
発明の潜血検出用組成物に使用されるものとしては、例
えばクメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペル
オキシド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロペルオ
キシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、
又はパラメンタンヒドロペルオキシド等を例示すること
ができる。なお、これらの化合物は単純で、若しくは混
合物として使用できる。このなかでも、クメンヒドロペ
ルオキシドを用いることが安定である点で好ましい。
【0030】なお、上記有機ヒドロペルオキシドは、本
発明組成物の固形分に対して1〜30重量%、好ましくは
2〜25重量%の量で含有させることができる。上記被酸
化性指示薬は、酵素によって酸化されて発色する指示薬
であり、例えばベンジジン類、又はN-アルキル化ベンジ
ジン類等の従来既知の化合物を広く用いることができ
る。これらのうち、o-トリジン、3,3',5,5'-テトラメチ
ルベンジジン、2,7-アザフルオレン等が高感度である点
で好ましく、さらにこれらの中でも、3,3',5,5'-テトラ
メチルベンジジンを特に好ましく用いることができる。
【0031】かかる被酸化性指示薬は、潜血検出用組成
物の固形分に対して0.5 〜10重量%、好ましくは0.6 〜
6重量%の量で含有させることができる。上記増感剤と
して、キノリン若しくはその誘導体とトリエタノールア
ミン塩の混合物を使用することにより、血液の存在下で
の潜血検出用検査体の色形成を促進し、感度及び呈色濃
度を向上することができる。
【0032】かかるキノリン若しくはその誘導体として
は、キノリン、キニン、6-メトキシキノリン、6-メチル
キノリン、若しくは7-メチルキノリン等が用いられ、こ
れらのうち、6-メトキシキノリンが増感効果が得られる
点で特に好ましい。トリエタノールアミン塩としては、
トリエタノールアミン塩酸塩、トリエタノールアミンリ
ン酸塩、若しくはトリエタノールアミン硫酸塩などが用
いられるが、この中でも特に、硫酸塩であるウラリル硫
酸トリエタノールアミン、及びポリオキシエチレンウラ
リル硫酸トリエタノールアミンを用いることが増感効果
が得られる点で好ましい。
【0033】キノリンもしくはその誘導体は、潜血検出
用組成物の固形分に対して0.5 〜10重量%、好ましくは
0.6 〜6重量%の量で含有させることができる。さら
に、トリエタノールアミン塩は、潜血検出用組成物の固
形分に対して1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%の
量で含有させることができる。上記pH緩衝剤は、既に述
べた被酸化性指示薬が、本発明組成物中で好ましい呈色
変化を起こすpH範囲を保持の目的に用いられる。かかる
pH緩衝剤としては、所定のpH範囲(例えばpH5付近)を
潜血検出用組成物に与えることができるものであればい
ずれでもよいが、具体的には特にクエン酸とクエン酸ナ
トリウムとの組合わせを用いることがインキ化しやすい
という点で好ましい。
【0034】上記結合材は、被検査液中の成分やpH等に
影響を及ぼさず、かつ試薬類、特に被酸化性指示薬にも
影響を及ぼさず、しかも本発明組成物の呈色反応を妨げ
ないものであることが要求される。これらの条件を満た
すことが確かめられた結合材としては、例えばポリエス
テル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリス
チレン樹脂、アクリル樹脂、エピキシ樹脂、塩化ビニル
樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリド
ン樹脂、若しくは無水マレイン酸系共重合体樹脂などの
合成樹脂;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
などのセルロース誘導体;澱粉、多糖類、ゼラチン、カ
ゼイン、若しくはアルギン酸ナトリウム等の天然高分子
等を挙げることができる。なお、これらの結合材は単独
で若しくは二種以上の混合物としても用いられる。
【0035】なお、これらの結合材は潜血検出用組成物
の固形分に対し0.1 〜20重量%、好ましくは0.5 〜10重
量%の割合で含有させることができる。そして場合によ
っては、上記各成分の他に、湿潤剤を本発明組成物中に
配合することができる。かかる湿潤剤としては、非イオ
ン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界
面活性剤、両性界面活性剤、若しくはポリエチレングリ
コール類等が挙げられる。当該湿潤剤を配合することに
よって、上記各試薬の分散が助け、均一な検査領域の形
成を促進し、水ぬれ性を向上させることができる。当該
湿潤剤は本発明組成物の固形分に対して0.5 〜5重量%
の量で含有させることが好ましい。
【0036】さらに、既に述べた指示薬の呈色色調を更
に顕著にするために、背景色素、例えばオイルイエロー
等を本発明組成物中に添加してもよい。上記に述べた本
発明組成物の構成成分を適切な溶媒に配合して本発明組
成物を調製することができる。なお、用いられる溶媒と
しては、上記の各成分、特に結合材を均一かつ安定に溶
解もしくは分散させることができるものが好ましい。こ
のような条件を満たす溶媒としては、例えばベンゼン、
トルエンなどの芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、
シクロヘキサノンなどの脂肪族ケトン;酢酸エチルなど
のエステル類;n-ヘキサノールなどのアルコール類;ブ
チルセロソルブなどのエーテル類及びそのアセテート類
などの非水溶媒;並びに水等を挙げることが可能であ
る。そして、これらの溶媒の一種又は数種の混合物を溶
媒として用いることも可能である。なお、組成物を支持
体上に塗布した後の乾燥工程を低温かつ短時間で行なう
ことができるという点で、安定性の高い試薬組成状態の
保持に寄与し、酵素の熱安定性を向上する効果も有する
という点で非水溶媒を使用することが好ましい。
【0037】本発明においては、マイクロカプセル皮膜
材をカプセルに内在する成分を外界より遮蔽し、光や酵
素等による分解を防御する皮膜として用いることができ
る。本発明において使用可能なマイクロカプセル皮膜材
は、本発明組成物を構成する成分を、有機ヒドロペルオ
キシド、増感剤、結合材の一部よりなる第1のグループ
と、被酸化性指示薬、pH緩衝剤、吸水性粉末及び結合材
の一部よりなる第2のグループとに分けた場合、第1の
グループに属する成分の何れか、若しくは第2のグルー
プの属する成分の何れかと混合して良好なエマルジョン
を形成する乳化剤であって、かつ被検査液中の水と接触
すると迅速に崩壊して、内包する有機ヒドロペルオキシ
ドや被酸化性指示薬等を呈色反応に関与させるべく放出
する働きを有するものであることが好ましい。
【0038】このような条件を満たすマイクロカプセル
皮膜材としては、例えばポリビニルアルコール樹脂、ポ
リビニルピロリドン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、若
しくはポリ酢酸ビニル樹脂等の水溶性合成樹脂;メチル
セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシセルロー
ス、若しくはカルボキシメチルセルロース等の水溶性セ
ルロース誘導体;澱粉、多糖類、ゼラチン、カゼイン、
アラビアゴム、若しくはアルギン酸ナトリウム等の天然
高分子等を挙げることができる。これらのうち、特にア
ラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、若しくはポ
リビニルアルコール樹脂が皮膜の安定性に優れる点で好
ましい。
【0039】なお、上記マイクロカプセル皮膜材は、潜
血検出用組成物の固形分に対して2〜70重量%、特に4
〜50重量%の量でエマルジョン溶液を調製し熱噴霧乾燥
(スプレードライヤー)を用いマイクロカプセル化する
のが好ましい。上記した本発明組成物をインキ組成物と
して用い、支持体上に塗布し、続いて乾燥することによ
り潜血検出用領域が形成され、所望する検査体が得られ
る。
【0040】本発明組成物の塗布方法としては、印刷
法、コーティング法(例えばロールコーティング法、ス
プレーコーティング法、ディップコーティング法、ベタ
コーティング法等)等が用いられる。本発明において、
潜血検出用組成物の塗布量は比較的多く、しかも一定で
あることが好ましいため、シルクスクリーン印刷法、凹
版印刷法、グラビア印刷法などによって潜血検出用組成
物を支持体上に塗布するのが好ましい。
【0041】潜血検出用組成物の支持体上への塗布量
は、組成物の種類にもよるが、一般に2〜150g/m2 (乾
燥時)であることが好ましい。本発明組成物を塗布する
支持体としては、潜血検出用組成物と反応せず、しか
も、指示薬の呈色を阻害しない素材であることが好まし
い。具体的には、紙、合成紙、織布、メンブレンフィル
ター、不織布もしくは合成樹脂フィルム、若しくはこれ
らの複合体(例えば紙と合成樹脂フィルムの組み合わせ
等の積層体)等を例示することができる。さらに、限外
濾過作用を有する上記支持体(ポアサイズ0.01〜10μm
φ)も同様に支持体として使用できる。
【0042】このような支持体上に潜血検出用領域を形
成した検査体は、任意の形態、例えばスティック状、ロ
ール状、テープ状等の形態に形成して用いることができ
る。その他、支持体自身が被検査液を採取できる形態、
例えばコップ状、試験管状、皿状、トレイ状、スポイト
状に形成して用いることもできる。なお、支持体として
メンブレンフィルターを用いる場合には、当該フィルタ
ーとしてはポアサイズが0.01〜10μmφで 100℃程度の
熱風でも収縮しにくく、アルコール系溶剤に安定で、か
つ印刷基材としての機械的強度を有するものであれば、
セルロース系、ビニル系、芳香族系その他のすべてのタ
イプのものを使用できる。かかるタイプに属するフィル
ターとしては、例えば、タンパク質及び薬物の吸着が少
ない親水性のメンブレンフィルター、ないしこれをさら
に遮蔽剤(スクシニル化カゼイン等)で処理したもの、
例えばナイロン6メンブレンフィルター、ナイロン6,6
メンブレンフィルター、再生セルロースメンブレンフィ
ルター、ポリエーテルスルホンメンブレンフィルター、
セルロースアセテートメンブレンフィルター等を挙げる
ことができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明について、実施例により更に具
体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例により限
定されない。
【0044】〔実施例1〕潜血検出用印刷インキ組成物
の調製 A.潜血検出用印刷インキ組成物の前調製 (1)以下の組成の潜血検出用印刷インキ組成物を調製
した。 〔g〕 1) 3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB; 東京化成製) 1.30 2) ASOパウダー粉砕品(200 〜300U/mg;旭化成工業製) 約0.2 〜0.35 3) 10%MBBC(2,2'-メチレンビス-(6-t-ブチル-p-クレゾール; 2.50 東京化成製) (in HX-OH; W/total W) 4) 混合溶液 26.50 BCA/20%PEG2000/20%ラウリル硫酸トリエタノールアミン (in HX-OH; W/total W)=7.3 /11.2/10.0 (W/W/W) 5) 混合粉体 17.60 TPC/L-HPC/SP-510=6/3/0.5 (W/W/W) 6) 製造用糖用バッファー 9.50 7) 製造用HAP(カラムクロマト用ヒドロキシアパタイト;和光純薬製) 11.30 8) 製造用糖用レジン 16.80 9) マイクロカプセル 15.00 有機過酸化物(アラビアゴム)10.49g; クメンペルオキシド 3.38g; 6-メトキシキノリン1.13g 合計 100.5 +α 尚、「PEG」はポリエチレングリコール、「HX−O
H」はn−ヘキサノール、「TPC」はリン酸カルシウ
ムを意味する。
【0045】(2)前記インキ組成物の各成分の具体的
な調製方法は、以下の通りである。 混合溶液 1) 固形ラウリル硫酸トリエタノールアミンの調製方法 花王製エマールTD(水溶液)100 gをステン製トレイ
に入れ、続いて変性エタノール50gを加えて攪拌後、オ
ーブン(60℃)中に投入して、1時間加熱・脱水処理を
行う。この操作を3回繰り返し、室温まで冷却後、真空
オーブン(ヤマト化学製)を用い、一晩室温で真空乾燥
を行い、固形ラウリル硫酸トリエタノールアミンを得
た。
【0046】2) PEG2000(和光純薬製)乃至固形ラ
ウリル硫酸トリエタノールアミンをそれぞれ、n−ヘキ
サノール(トヨノール6;東洋合成製)に加え加温(60
℃)して透明な20%溶液(in HX-OH, W/total w)をそれ
ぞれ調製した。混合時に再び加温し、透明な溶液として
から使用する。 3) 酢酸2−ブトキシエチル(BCA;純正化学製)73
gに、透明・可溶化した20%PEG2000溶液及び20%ラ
ウリル硫酸トリエタノールアミン溶液をそれぞれ112g
及び100gを加え混合溶液を調製した。尚、使用直前に
水浴中で加温し、透明な溶液としてから使用した。
【0047】 混合粉体 化学用TPC(純正化学製)を真空オーブン装置(ヤマ
ト化学製、トラップとして凍結乾燥機を使用)を用い
て、陰圧下で105 ℃、3時間乾燥し、引き続き一晩真空
乾燥(ヒーターOFF)を行い、乾燥TPC品を得た。一
方、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HP
C)(LH−31、信越化学製)を200 メッシュの篩に入
れ、電磁篩器(Retsch製)を用いて篩分けを行った。20
0 メッシュ通過品を真空オーブン装置を用いて陰圧下で
105 ℃、3時間乾燥し、引き続き一晩真空乾燥(ヒータ
ーOFF)を行い、乾燥L−HPC品を得た。
【0048】前記TPCを360 g、L−HPCを180 g
及びSP-510(住友化学製高吸水性樹脂)を30g、中型
丸キーパーに加え、手で数回振って前混合した。続い
て、これを精密混合機Hi-X200J(日清エンジニアリング
製)に加え、「100rps、回転軸30°、5分間、反応槽内
窒素雰囲気中」の条件で精密混合処理を行い、混合粉体
とした。
【0049】 製造用HAP カラムクロマト用HAP(和光純薬製)を200 メッシュ
の篩に入れ、電磁篩器を用いて篩分けを行った。200 メ
ッシュ通過品を真空オーブン装置を用いて陰圧下で105
℃、3時間乾燥し、引き続き一晩真空乾燥(ヒーターOF
F)を行い、製造用HAPを得た。
【0050】 マイクロカプセル 10L 用のステン缶に精製水2.8L及びアラビアゴム末840g
を加え、手ベラで軽く攪拌した。次に、低粘度用ホモミ
キサー羽を取り付けたホモミキサー(特殊機械工業製)
で、完全溶解するまで高速分散処理(12,000rpm)した
(約20分間)。完全溶解後、この溶液を200 メッシュの
篩に通し、スプレードライ装置の2流体ノズルの目詰ま
り防止のため灰分等を除去した。この濾過済み溶液に、
パークミルH−80(クメンヒドロペルオキシド;日本油
脂製)270 gと6−メトキシキノリン(アルドリッチ
製)90gの混合溶液を加え、ホモミキサーを用いて同様
に分散処理を行い(20分間)、乳化溶液を調製した。続
いて、スプレードライ装置を用い、以下の条件で乾燥処
理を行った。
【0051】入口エアー温度:185 ℃、出口エアー温
度:95℃以下、アスピレーター風量:70mm H2O、ノズル
風量:3kg/cm2、輸液ポンプ流量:3.5〜4.0目盛、攪拌
機速度:7〜10目盛。
【0052】 ASOパウダー粉砕品 市販ASOを無菌パック・窒素雰囲気中でメノウ鉢を用
いて粉砕した。
【0053】B.潜血検出用印刷インキ組成物の本調製 (1)工程1 広口ポリ瓶(容量500ml)にTMB13.0g、ASO7
0万U分(2.0〜3.5g)及び10%MBBC溶液25.0g
を加え、更に、完全に可溶化(60℃下)させた混合溶
液265.0gを加えた。
【0054】密栓後、50℃の温水の入った超音波洗浄器
(サイレントソニック;サンヨー製)中で最強強度で30
分間超音波分散処理を行った。超音波分散処理の終了
後、手で数回振盪し、再び5分間超音波処理(30℃の水
浴中)を行い、静かに引き上げ、開封後速やかに沈殿物
を含む数mlを残し、ASOを含む分散溶液をピペットで
静かに回収した(容量1.6Lの中型深底丸キーパー内)。
【0055】沈殿物(ペレット)を含む残液数mlを遠沈
管に移し、遠心分離器(フナコソ製)を用いて高速(1
2,000rpm)で1秒間(フラッシュスイッチを使用)遠心
分離し、上清のみを回収した(丸キーパー内)。
【0056】(2)工程2 上記丸キーパー内に混合粉体176.0gを加え、手ベラを
使って粉のダマダマが無い状態まで攪拌した。これを密
栓後(シーリングテープ使用)、50℃の温水の入った超
音波洗浄器中で、最強強度で30分間超音波分散処理を行
った。超音波分散処理の終了後、呈色試薬(TMB)の
物理吸着剤(TPC)への定着を促するため(耐光性の
向上)、そのまま暗所に一晩放置した。
【0057】(3)工程3 一晩放置した上記インキ成分を含む丸キーパーに、製造
用糖用バッファー95.0gを加え、手ベラで攪拌して均一
化した。これを密栓し、50℃の温水の入った超音波洗浄
器中で、最強強度で30分間超音波分散処理を行った。
【0058】(4)工程4 室温に戻した上記インキ成分を含む丸キーパーに、製造
用HAP113.0gを加え、手ベラで粉のダマダマが無く
なるまで均一に攪拌した。上記丸キーパーを開封したま
ま小型デシケーターに入れ、真空ポンプを用いて減圧
後、2分間脱気処理した。これを密栓し、50℃の温水の
入った超音波洗浄器中で、最強強度で30分間超音波分散
処理を行った。
【0059】(5)工程5 室温に戻した上記インキ成分を含む丸キーパーに、製造
用糖用レジン168.0gを加え、手ベラで攪拌して均一化
した。続いて、樹脂分散用羽を取り付けたホモミキサー
(特殊機械工業製)で、12,000rpm、2分間高速分散処
理を行った。
【0060】次に上記丸キーパーをアジテーター(Hanw
a製)に装着し、中速で5分間練合処理した。
【0061】(6)工程6 アジテーター上で練合処理中の丸キーパー内に、マイク
ロカプセル150.0gを徐々に加え、手ベラを用いて均一
とした後、引き続き中速で5分間練合処理を行った。練
合終了後、上記丸キーパーを密栓し、暗所で一晩放置
し、熟成させた。
【0062】(7)工程7 暗所で一晩放置した丸キーパー内の上記インキ組成物
は、使用直前に手ベラで攪拌後、再びアジテーターに装
着し、中速で5分間練合処理を行った。このようにし
て、潜血検出用印刷インキ組成物1kgを得た。
【0063】C.呈色性能試験 (1)標準原液の調製 容量100ccのポリ瓶中に牛ヘモグロビン(BSHb)50m
g相当を加え、その重量をマイクロ天秤を用いて精密に
秤り、BSHb濃度が75mg/dL となるように人工尿(1
cc=1g)の添加量(66.67±αg)を計算して、ポリ
瓶に加え、完全に溶解させ、標準原液(75mgBSHb/dL)
とし、使用時まで冷蔵庫で保存した。
【0064】(2)評価用検体の作製(要時調製) 標準原液を正常尿(潜血陰性尿)乃至アスコルビン酸
(Vc)を加えた正常尿で正確に10倍希釈した標準溶液
(7.5mgBSHb/dL)を調製した。検体溶液濃度は、次の通
りである。 「3+」(0.75mgBSHb/dL ):標準溶液 4.00g+正常尿
(±Vc) 36.00g 「2+」(0.15mgBSHb/dL ):「3+」溶液 10.00g +
正常尿(±Vc) 40.00g 「1+」(0.06mgBSHb/dL ):「2+」溶液 14.00g +
正常尿(±Vc) 21.00g 上記正常尿(±Vc)、「1+」、「2+」及び「3
+」を用い、呈色評価を行った。
【0065】前記インキ組成物をスクリーン印刷機を用
いて、ポリスチレン基材上に印刷し、裁断して試験片を
得た(膜厚50μm,4×4mm□)。これを用いて、他社
品〔耐アスコルビン酸対策として、化学薬品(ヨウ素酸
ソーダ)を添加した製品〕との性能比較を行った。結果
を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】〔実施例2〕糞便潜血検出用試験体 水溶紙(三嶋製紙製:ディソルボCD−2N、中性塩
紙、ツボ量120g/m2)の両面に下記の色調樹脂をスクリ
ーン印刷法により、一辺25mmの正方形で直径15mmの中抜
けパターンに印刷した(版の線数200メッシュ、レジス
ト膜厚20μm)。 潜血色調用インキ組成物の組成成分表 〔g〕 ブチセロソルブ(BS) 50 ブチセロソルブアセテート(BCA) 50 ヒドロキシプロピルセルロース(高粘度型) 2 (HPC-H 、日本曹達(株)製) アエロジルR972D 1 (日本アエロジル(株)製) コポリドン 5 (コリドンVA64、BASF(株) 製) エチルセルロース 3 (N-10-G、信越化学(株)製) 染料溶液 [1% シアン染料(Kayaset blue 714、日本化薬)(BC中)] [0.75% イエロー染料(Macrolex yellow GELB 6G、バイエル)(BC中)] 計 115g 上記支持体の片面に、中抜けパターンの中央にくるよう
実施例1に記載の潜血検出用印刷インキ組成物をスクリ
ーン印刷法により印刷し、所定の寸法に裁断して検出用
試験体とした。図1は得られた潜血検出用検査体の上面
図、図2はその断面図である。
【0068】本発明の潜血検出用検査体は、水溶紙3
(CMC−Ca)を基板とし、その上に色調陽性色樹脂
層1、その内円の基板上の片側の部分に試薬層2が配置
されている。上記潜血検出用検査体の試薬部背面の基板
(円部内)上に検体を塗布し、濡らす乃至滴下し、背面
の試薬部が青緑色に呈色すれば陽性と判断され、呈色し
なければ陰性と判断される。
【0069】
【発明の効果】本発明により、以下の性質を有する試薬
シート用潜血検出用組成物、及び潜血検出用体液検査体
が提供される。 被験者(一般人)が、尿、糞便若しくは体液中の潜
血を検査する際に正確に判定できるよう、正常時は呈色
せずに陽性時に呈色する、すなわち陰性と陽性とを呈色
の有無で識別可能である。
【0070】 美しく発色する。 濾紙やメンブレンフィルター上に直接検査試薬を印
刷した場合における呈色時のムラ、滲みや紙への色移り
を防止することができる。 アスコルビン酸(ビタミンC)耐性若しくは鉄イオ
ン耐性を有し、偽陰性若しくは偽陽性の判断を防ぎ得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 得られた潜血検出用検査体の上面図。
【図2】 得られた潜血検出用検査体の断面図。
【符号の説明】
1:色調陽性色樹脂層 2:試薬層 3:水溶紙

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 呈色試薬及び/又は蛋白系物質を吸着す
    ることができる吸着剤、吸水性担体及び高吸水性樹脂を
    精密混合処理した粉体を含むことを特徴とする、潜血検
    出用印刷インキ組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の潜血検出用印刷インキ組
    成物に、アスコルビン酸オキシダーゼ含有物を含むこと
    を特徴とする、潜血検出用印刷インキ組成物。
  3. 【請求項3】 吸水性担体が、低置換度ヒドロキシプロ
    ピルセルロース微粉体であることを特徴とする、請求項
    1記載の潜血検出用印刷インキ組成物。
  4. 【請求項4】 高吸水性樹脂が、アクリル酸ソーダ・ビ
    ニルアルコール共重合体微粉体であることを特徴とす
    る、請求項1記載の潜血検出用印刷インキ組成物。
  5. 【請求項5】 アスコルビン酸オキシダーゼ含有物が糖
    質を安定化剤として、アスコルビン酸オキシダーゼを含
    む粉末であり、かつ、抗酸化剤がアスコルビン酸ステア
    レートであることを特徴とする、請求項2記載の潜血検
    出用印刷インキ組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に
    記載の潜血検出用印刷インキ組成物を用いた潜血検出用
    検査体。
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