JPH0762680B2 - 体液検査体 - Google Patents

体液検査体

Info

Publication number
JPH0762680B2
JPH0762680B2 JP10787286A JP10787286A JPH0762680B2 JP H0762680 B2 JPH0762680 B2 JP H0762680B2 JP 10787286 A JP10787286 A JP 10787286A JP 10787286 A JP10787286 A JP 10787286A JP H0762680 B2 JPH0762680 B2 JP H0762680B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
solvent
test
reagent
body fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10787286A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62263466A (ja
Inventor
和之 迫田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP10787286A priority Critical patent/JPH0762680B2/ja
Publication of JPS62263466A publication Critical patent/JPS62263466A/ja
Publication of JPH0762680B2 publication Critical patent/JPH0762680B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、体液中の各成分を簡単に検出しうる検査体に
関し、更に詳しくは、体液中のブドウ糖,蛋白質,体積
のpH等を簡単迅速に検出しうる体液検査部を支持体上に
設けてなる体液検査体に関する。
【従来の技術】
病気の発見,診断,治療に際して、血液,リンパ液,尿
等の体液中に含有される各種成分の有無並びにその量を
簡単に且つ迅速に知ることは極めて重要なことである。 例えば尿或いは血液など体液中のブドウ糖の量を迅速に
且つ簡単に知ることは、糖尿病の早期発見,診断並びに
管理に必要不可欠である。また、体液特に尿中の蛋白質
の量を迅速に且つ簡単に知ることは、腎疾患の早期発見
及び診断並びに治療に大きな役割を果す。更に、体液特
に尿のpHを正確に知ることは、体液中に蛋白質が存在す
るか否かを正確に知ることの手助けとなるほか、腎孟
炎,膀胱炎等を引き起こす細菌尿の可能性を確認するこ
との手助けとなる。 このように体液特に尿中のブドウ糖,蛋白質及びpHを簡
単迅速に検出することは極めて重要であるが、このため
には従来主として検査試薬が含浸されたロ紙を支持体に
貼着してなる検査体が用いられてきた。この検査体は、
使用に際して操作が簡単でしかも判定が短時間で行なえ
るという利点があった。 しかしながらこのようなロ紙をプラスチックフィルムに
貼着し、適当な大きさに裁断して作成されるものは製造
工程が複雑であるため、得られる試験片の品質を一定に
保つことが難しく、検査体の試験精度及び信頼性を確保
するためには、特別な注意と熟練が要求され、製造効率
が低下しやすく、製造コストの上昇を招いていた。 このため、製造工程を簡素化でき大量生産に適した検査
体の開発が進められ、特公昭44−25953号公報には、水
−アルコール混合溶液に酵素類を予め溶解させ、これに
指示薬,pH緩衝動剤,高分子結合剤,及び吸水性担体等
を混合して、印刷またはコーティング適性を有するイン
キ組成物を調製し、このインキ組成物を支持体上に印刷
(コーティングを含む)した後乾燥して試験片を製造す
る方法が提案されている。しかしながらこの方法では、
酵素類は一部水に溶解されており、従って不安定で急速
に失活するため、調製後直ちに印刷を行なう必要があっ
た。その上酵素の失活を防止するため低温で乾燥する必
要があり、しかも長期保存性を得るために、塗布された
試薬層中の残留水分量をできるだけ少なくする必要があ
った。 このような情況のもとで、本出願人は特開昭58−209995
号公報において、酵素類を殆ど溶解しない非水系溶媒に
酵素類を分散させ、次いで更に指示薬,緩衝剤,結合
剤,及び吸水性担体を溶解或いは分散させてインキ組成
物を調製し、このインキ組成物を支持体上に印刷して検
査体を製造する方法を提案した。また、支持体上にブド
ウ糖検出用インキ組成物,蛋白質検出用インキ組成物,
及びpH測定用インキ組成物の少なくとも一種が塗布され
てなる領域を有する体液検査体が特開昭60−178356号公
報によって提案されている。 この他にも、体液特に尿中の蛋白質検出用試験片とし
て、実開昭57−79767号公報には蛋白質誤差を示す指示
薬,緩衝剤,結合剤及び吸水性粉末からなる試薬組成物
を支持体上にパターン印刷してなる蛋白検出用試験片が
提案されており、体液特に尿のpHを測定するための試験
片として実開昭57−79767号公報にはpH指示薬を含むpH
測定用インキ組成物を支持体上に印刷して設けたpH測定
用領域を有するpH試験片も提案されている。
【発明が解決しようとする問題点】
本発明者は、従来の体液検査体の体液検査部を形成する
体液検査用試薬について、感度,定量性能,呈色性,安
定性,保存性,及び検査部の形態保持性等について検討
すると共に、体液検査用試薬を塗布するための支持体、
及び体液検査用試薬を溶解又は分散せしめる溶剤につい
て研究を行った。 支持体上に体液検査用試薬を溶解又は分散せしめたイン
キ組成物を塗布,乾燥する場合、溶剤によってはインキ
組成物の支持体上への付着が困難であったり、不均一と
なり、また、乾燥後に検査試薬部が支持体から剥離する
ことがある。また、支持体を極度に溶解する溶剤を用い
て体液検査用試薬を溶解又は分散せしめた場合は、体液
検査用試薬を含有するインキ組成物を塗布する過程で、
支持体と体液検査用試薬とが混合され、体液検査部によ
る検体である体液の吸収が不良となるため呈色速度が低
下すること、支持体が含有する充填物が呈色を阻害する
こと等の不都合を生じる。また、上記の過程で支持体が
変形し、支持体並びに体液検査部の形状が不良となると
いう不都合を生じることがある。 本発明は、上記のような欠点を解決するためになされた
ものであって、以下のような目的を有している。 (a)体液検査用試薬を含むインキ組成物とインキ組成
物を塗布する支持体との接着性を高める溶剤を提供する
こと。 (b)体液検出用試薬を溶解又は分散せしめる溶剤は、
支持体上への接着性に優れると共に、体液検査用試薬の
呈色性,保存性,安定性等に悪影響を与えないものであ
ること。
【問題点を解決するための手段】
本発明は、支持体上に、単独若しくは混合されていて支
持体を少なくとも膨潤しうる溶剤に体液検査用試薬を溶
解又は分散せしめたインキ組成物を塗布した体液検査部
を有する体液検査体に係るものである。 支持体は、試薬組成物と反応せず、しかも試薬の呈色を
阻害しないものであることが好ましく、紙,合成紙,不
織布又は合成樹脂フィルム等が使用できるが、具体的に
はポリスチレンシートを下記溶剤と組合せて使用するこ
とが好ましく、支持体はポリスチレンシート単独であっ
ても、紙とポリスチレンシートとの積層体等の何れであ
ってもよい。 溶剤としては、前述のように、体液検査用試薬の呈色
性,保存性,安定性等に悪影響を与えず、しかも支持体
への接着性に優れたものが用いられる。支持体への接着
性を高めるためには、支持体を少なくとも膨潤しうる溶
剤に体液検査用試薬を溶解又は分散せしめる。 本発明において少なくとも膨潤しうる溶剤とは、支持体
に対して非溶解性で膨潤性のみを有する溶剤の単独のみ
ならず、混合溶剤が支持体に対して適宜に膨潤性を示す
よう、支持体に対し非溶解性溶剤、膨潤性且つ非溶解性
溶剤、及び溶解性溶剤を適宜混合した混合溶剤をも含む
ものである。本発明において用いられる溶剤の組合せと
しては、具体的には次のようなものが挙げられる。 (イ)膨潤性且つ非溶解性溶剤の単独 (ロ)非膨潤性且つ非溶解性溶剤、及び膨潤性且つ非溶
解性溶剤の混合溶剤であって膨潤性を示す溶剤 (ハ)非膨潤性且つ非溶解性溶剤、及び溶解性溶剤の混
合溶剤であって膨潤性を示す溶剤 (ニ)非膨潤性且つ非溶解性溶剤、膨潤性且つ非溶解性
溶剤、及び溶解性溶剤の混合溶剤であって膨潤性を示す
溶剤 上記(イ)〜(ニ)の各溶剤を具体的に例示すると、例
えば、(イ)ブチルセロソルブ (ロ)n−アミルアルコール又はn−ブタノール+ブチ
ルセロソルブ (ハ)n−アミルアルコール又はn−ブタノール+ブチ
ルセロソルブアセテート (ニ)n−アミルアルコール又はn−ブタノール+ブチ
ルセロソルブ+ブチルセロソルブアセテート のような単独又は混合の溶剤が挙げられる。 非溶解性溶剤としては、n−アミルアルコールに変えて
n−ブタノールを同様にして使用することができる。 本発明においては上記(イ),(ロ),(ハ),(ニ)
の溶剤が使用できるが(ロ)の膨潤性且つ非溶解性溶剤
と、非膨潤性且つ非溶解性溶剤との混合溶剤を使用する
場合は、混合溶剤が支持体を膨潤しうるよう膨潤性溶媒
の混合割合を決定する。 次に、(ハ),(ニ)の溶解性溶剤を用いる場合につい
て説明する。 溶解性溶剤単独を使用する場合は体液検査用試薬を含有
するインキ組成物を塗布する過程で支持体と体液検査用
試薬とが混合され、体液検査部による検体である体液の
吸収が不良となるため呈色速度が低下すること、支持体
が含有する充填物が呈色を阻害すること等の不都合が生
じたり、上記の過程で支持体が変形し、支持体並びに体
液検査部の形状が不良となるという不都合が生じ、好ま
しくない。 そこで、混合溶剤とする場合は上記した溶解性溶剤に起
因する不都合が生じないように溶剤を適宜選択、或いは
溶解性溶剤の混合割合を適宜選択決定し、混合溶剤が支
持体に対して膨潤性を示すように調整する。 次に、体液検査体の各検査領域を形成するためのインキ
組成物についてそれぞれ具体的に説明する。しかしなが
ら、インキ組成物は、これら組成物に限定されるもので
はない。各種インキ組成物は上記溶剤に溶解又は分散さ
れて支持体上に塗布されて各種検査領域が形成される
が、検査領域はブドウ糖検出用領域,蛋白質検出用領
域,pH測定用領域のうち少なくとも一種よりなるもので
あって、ブドウ糖検査領域を含む検査体を得る場合は、
先ず蛋白質検出用インキ組成物、並びにpH測定用インキ
組成物から形成される試薬層の両者又は何れかを予め支
持体上に形成した後、ブドウ糖検出用インキ組成物から
形成される試薬層を形成し、溶剤を蒸発乾燥する操作に
伴うブドウ糖検出用インキ組成物に含有される成分への
悪影響が生じないようにすることが望ましい。 (a)ブドウ糖検出用インキ組成物 体液中のブドウ糖は、グルコースオキシダーゼ等のブド
ウ糖酸化酵素の作用により、空気中の酸素と反応して最
終的にグルコン酸と過酸化水素に酸化される。生成した
過酸化水素は、ペルオキシダーゼの作用により発生期の
酸素を産生し、この酸素は直ちにグアヤク脂,o−トリジ
ン等の被酸化性指示薬と反応して該指示薬を発色させ
る。この発色の程度により、体液中のブドウ糖の有無並
びにその量が半定量的に決定される。 本発明に係る検査体を形成するに際して用いることので
きるブドウ糖検出用インキ組成物を構成する各成分につ
いて以下に詳細に説明する。 イ)糖酸化酵素 糖酸化酵素としてのグルコースオキシダーゼは、精製さ
れた凍結乾燥品の状態で用いられる。この酵素は、例え
ば酵素活性が100unit/mgの力価のものを用いた場合、イ
ンキ組成物の固形分に対して0.02〜2重量%好ましくは
0.2〜1.8重量%の量で存在することが望ましい。 ロ)ペルオキシダーゼ ペルオキシダーゼは、過酸化水素または有機過酸化物に
よる種々の有機物の酸化を接触する酵素であって、主に
西洋ワサビから抽出される。この酵素は、例えば、活性
が100unit/mgの力価の凍結乾燥品を用いた場合インキ組
成物の固形分に対して0.002〜1重量%好ましくは0.02
〜0.2重量%の量で存在することが望ましい。 ハ)被酸化性指示薬 被酸化性指示薬は、酸素によって酸化されて発色する指
示薬であって、例えばベンジジン類及びN−アルキル化
ベンジジン類等の従来既知の化合物が広く用いられうる
が、このうち特にグアヤク脂,o−トリジンが好ましく、
その中でも特にグアヤク脂を用いることが好ましい。被
酸化性指示薬としてグアヤク脂を使用し、更に後述の感
度調節剤を併用することにより、一般に使用されるベン
ジジン誘導体を使用する場合と比較してブドウ糖検出用
インキ組成物並びにブドウ糖検出用検査体の安全性,保
存安定性,及び呈色安定性が改良される。この被酸化性
指示薬は、インキ組成物の固形分に対して0.5〜10重量
%好ましくは0.6〜6重量%の量で存在することが望ま
しい。 ニ)感度調節剤 感度調節剤としてアスコルビン酸の脂肪族カルボン酸エ
ステルを使用することにより、ブドウ糖検出用検査体の
定量性、即ち、検体中に含まれるブドウ糖濃度と検査試
薬部の呈色濃度との直線性を改良することができる。ア
スコルビン酸の脂肪族カルボン酸エステルを添加しない
場合は、検体中のブドウ糖濃度が低いうちに高濃度の呈
色が起り、飽和してしまうため、ごく低濃度のブドウ糖
を除いては定量が困難である。脂肪族カルボン酸として
は、好ましくは飽和の総炭素数CがC1〜C30、特にC12
C22の脂肪族飽和カルボン酸が好ましいものとして挙げ
られる。 アスコルビン酸の低級カルボン酸エステルは水に溶け易
く、また、C22以上のものは他成分との相溶性,溶剤へ
の溶解性,重量に比しての感度調節効果の低いこと等の
理由により好ましくない。 感度調節剤の添加量はインキ組成物の固形分に対し、0.
02〜5重量%が望ましい。 ホ)安定剤 安定剤は、糖酸化酵素,ペルオキシダーゼ,被酸化性指
示薬,感度調節剤,pH緩衝剤,結合剤,及び吸水性粉末
からなる試薬組成物の安定化に寄与するものである。こ
のうち被酸化性指示薬は、前述の如く大気中の過酸化物
質等の作用を受けて変色する傾向が認められるが、これ
を防止するのが安定剤の主たる役割である。上記感度調
節剤であるアスコルビン酸の脂肪酸エステルは、安定剤
としての作用も有している。アスコルビン酸のような還
元剤は、本検査の目的であるグルコース検出の反応系、
即ち、被酸化性指示薬の酸化反応を阻害し、感度低下を
きたす性質があるが、脂肪族カルボン酸として、上記の
ように炭素数C1〜C30の脂肪族飽和カルボン酸を選択使
用することにより、アスコルビン酸の脂肪族カルボン酸
エステルに起因する被酸化性指示薬の呈色阻害を避ける
ことができる。 従って、アスコルビン酸の脂肪族エステルを安定剤とし
て使用し、ブドウ糖検出用検査体の保存中における被酸
化性指示薬の酸化を防止することができるが、ブドウ糖
検出用インキ組成物の安定剤として公知の、抗酸化活性
を有する化合物またはグリセロールエステル類に代表さ
れる特定の界面活性剤或いはこれらの混合物を適宜加え
ることもできる。これら安定剤の添加量は特に限定はさ
れないが、インキ組成物の固形分に対し0.02〜5重量%
が好ましい。 ヘ)pH緩衝剤 pH緩衝剤は、上記の被酸化性指示薬がブドウ糖検出用イ
ンキ組成物中で好ましい呈色変化を起すpHの近くのpH値
を保つために用いられる。pH緩衝剤としては、所定のpH
値(例えばpH5)をインキ組成物に与えうるものであれ
ば何れのものでもよいが、具体的にはクエン酸とクエン
酸ナトリウムとの組合せが好ましく用いられる。 ト)結合剤 結合剤は、被検体液中の成分及びpH等に影響を及ぼさ
ず、且つ試薬類特に酵素並びに被酸化性指示薬に影響を
及ぼさず、しかも発色反応を妨げないものであることが
要求される。このような要件を満たすことが確かめられ
た結合剤としては、 (I)ポリエステル樹脂,アルキド樹脂,ポリウレタン
樹脂,ポリスチレン樹脂,アクリル樹脂,エポキシ樹
脂,塩化ビニル樹脂,塩化ビニル共重合体樹脂,ポリビ
ニルブチラール樹脂,ポリビニルアルコール樹脂,ポリ
ビニルピロリドン樹脂,無水マレイン酸系共重合体等の
合成樹脂類、(II)メチルセルロース,エチルセルロー
ス,ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、(III)デンプン,多
糖類,ゼラチン,カゼイン或いはアルギン酸ナトリウム
等の天然高分子等が用いられる。またこれらの結合剤を
二種以上組合せてもい。この結合剤はインキ組成物の固
形分に対して0.1〜20重量%好ましくは0.5〜10重量%の
量で存在することが望ましい。 チ)吸水性粉末 吸水性粉末の添加は、支持体上に設けられた試薬組成物
の吸水性を高め、被被体液と試薬組成物との接触が促進
され、指示薬の呈色反応を促進する働きを有する このような吸水性粉末としては、水と接触した場合に、
極端な酸性或いはアルカリ性を示すものは好ましくな
く、しかも白色度の高いものが好ましい。具体的には、
カオリン,合成シリカ,ガラス,セルロースブロック,
微結晶セルロース,イオン交換セルロース,イオン交換
樹脂,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,ケイ酸アル
ミニウム等が用いられうる。 吸水性粉末は、インキ組成物の固形分に対して30〜90重
量%の量で存在することが好ましい。 リ)その他の成分 場合によっては、上記各成分のほかに、湿潤剤をブドウ
糖検出用インキ組成物中に配合できる。湿潤剤として
は、非イオン界面活性剤,陰イオン界面活性剤,陽イオ
ン界面活性剤,両性イオン界面活性剤,ポリエチレング
リコール類等が用いられ、この湿潤剤は、各試薬の分散
に役立ち均一な試薬層の形成を促進し、水ぬれ性を向上
させることができる。湿潤剤はインキ組成物の固形分に
対して0.5〜5重量%の量で存在することが好ましい。 また、指示薬の呈色色調を更に見やすくするために、例
えばオイルイエロー等の背景色素を添加してもよい。 尚、上記のような組成を有するブドウ糖検出用インキ組
成物によりブドウ糖検出領域を形成して体液中のブドウ
糖を検出すると、被検体液中にアスコルビン酸,グルタ
チオン或いはシステイン等の還元物質が共存している場
合にも、これらの物質による呈色反応への悪影響が殆ど
認められないという利点もある。 (b)蛋白質検出用インキ組成物 本発明に係る検査体を形成するに際して用いられる蛋白
質検出用インキ組成物は、形態保持剤として官能基とし
てカルボキシル基を有する水膨潤性樹脂を使用すること
が望ましい。 被検体液の蛋白質の検出は、酸側のpHに保たれた蛋白誤
差を示す指示薬(例えばテトラブロモブルー)に、被検
体液中の蛋白質が接すると、該指示薬と蛋白質とが複合
物を形成して、酸性色である黄色から、塩基性色である
青色に変色し、この変色の程度は被検体液中に存在する
蛋白質の量に対応するので、この原理を利用して行われ
る。 以下に、本発明において使用することのできる蛋白質検
出用インキ組成物を構成する各成分について詳細に説明
する。 イ)蛋白誤差を示す指示薬 この指示薬は上記のような原理に従って挙動する指示薬
であるが、具体的には、テトラブロモフェノールブル
ー,テトラブロモチモールブルー,テトラブロモフェノ
ールフタレインエチルエステル,テトラブロモベンズア
ラリン,ブロモチモールブルー等を用いることができ
る。これらのうちテトラブロモフェノールブルーが感度
的に優れており好ましい。 ロ)pH緩衝剤 pH緩衝剤は、上記の蛋白誤差を示す指示薬が色彩変化を
起すpHの近くにpH値を保つために用いられる。pH緩衝剤
としては、所定のpH値(例えばpH3〜4)を試薬組成物
に与えうるものであれば何れのものでもよいが、具体的
にはクエン酸とクエン酸ナトリウムとの組合せが好まし
く用いられる。但しこの酸性側のpH緩衝剤若しくは指示
薬の量が過剰であると、蛋白誤差を示す呈色反応が妨害
されることがあるため、酸性側のpH緩衝剤若しくは指示
薬の使用量は最小限にどどめるべきである。前記指示薬
として、テトラブロモフェノールブルーを用いた場合に
は、インキ組成物の固形分に対して0.02〜0.1重量%の
量で存在することが好ましい。 ハ)蛋白質吸着性のイオン交換体 このイオン交換体としては、強酸性陽イオン交換体(官
能基−SO3M)、弱酸性陽イオン交換体(−COOM)、強塩
基性イオン交換体(−N+R,X-,−N+(CH3(CH2CH3O
H))、弱塩基性陰イオン交換体(−N(R)2,−NH
(R),−NH2など)が用いられる。 これらのうちで、弱酸性陽イオン交換体であって官能基
として−COOM基(MはHまたはNa)をもつ親水性イオン
交換体が特に好ましく、このイオン交換体を用いた場合
には感度並びに呈色濃度が向上される。 また上記イオン交換体の母体としては、スチレン系,ア
クリル系等の合成樹脂、セルロース、シリカ等が用いら
れる。 しかし、この場合、被検体液に浸漬する試薬反応層にこ
のイオン交換体は含まれるため、親水性であり、且つ保
水性の優れたものが好ましい。この点から、スチレン系
母体を有するイオン交換体では、架橋度(Crosslinkag
e)の少ないもの(DVB含有量8%以下)が好ましい。 特にセルロースを母体とするものは、保水性が最も大き
いため好ましい。 また、このセルロース母体としては繊維性(Fibrous)
及び微顆粒性(Micogranular)等のものがあるが、微顆
粒性のものを母体として用いたとき、感度並びに呈色濃
度が、最も優れた結果が得られる。これはこの微顆粒性
のものが最も蛋白質吸着能が大きいためと考えられる。 イオン交換体は0.1〜5meq/g(乾燥樹脂)のイオン交換
容量を有することが好ましい。またこのイオン交換体は
イオン交換容量に応じて変化するが、1.0meq/gのイオン
交換容量を有するカルボキシメチルセルロース交換体
(好ましくは微顆粒)を用いる場合には、インキ組成物
の固形分に対して5〜30重量%の量で存在することが好
ましい。 イオン交換体を試薬組成物中に添加することによって、
被検体液として尿を用いる場合には尿中の5〜10mg/dl
の蛋白質の検出が可能になる。 ニ)形態保持剤 形態保持剤としては、印刷された検査試薬部の親水性を
損わず、しかも水に対し非溶解性であるものが使用さ
れ、官能基としてカルボキシル基を有する水膨潤性樹脂
や高吸水性ゲルが挙げられる。具体的には、医薬品の崩
壊剤として知られるカルボキシメチルセルロースカルシ
ウム塩,カルボキシメチルセルロースナトリウム塩等が
ある。 高吸水性ゲルは、ポリビニルアルコール(PVA)、アク
リル酸塩、アクリルニトリル、デンプン等を主成分とす
る架橋、クラフト共重合体であり、市販されている高吸
水性ゲルとしては、吸水能600倍を有するスミカゲルSP5
20(商品名;住友化学工業(株)より市販のPVA−アク
リル酸塩ブロックコポリマー)、吸水能1000倍を有する
サンウエットIM−1000(商品名;三洋化成(株)より市
販のアクリル酸グラフトデンプン)、同じく吸水能1000
倍を有するKIゲル(PVA−環状酸無水物との反応生成
物)等を挙げることができる。 形態保持剤は、インキ組成物の固形分に対して1〜20重
量%で存在することが好ましく、特にカルボキシメチル
セルロース塩を用いる場合はインキ組成物の固形分に対
して2〜10重量%程度を加えることが望ましい。 ホ)結合剤 結合剤は、被検体液中の成分及びpH等に影響を及ぼさ
ず、且つ試薬類特に指示薬に影響を及ぼさず、しかも指
示薬の発色反応を妨げないものであることが要求され
る。このような要件を満たすことが確かめられた結合剤
としては、(I)ポリエステル樹脂,アルキド樹脂,ポ
リウレタン樹脂,ポリスチレン樹脂,アクリル樹脂,塩
化ビニル樹脂,塩化ビニル共重合体樹脂,ポリビニルブ
チラール樹脂,ポリビニルアルコール樹脂,無水マレイ
ン酸系共重合体樹脂等の合成樹脂類、(II)メチルセル
ロース,エチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロー
ス,カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体
及び(III)デンプン,多糖類,ゼラチン,カゼイン,
アルギン酸ナトリウム等の天然高分子等が用いられる。 これらの結合剤のうち、無水マレイン酸系共重合体樹脂
であるメチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合
体、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン
/無水マレイン酸共重合体と、アルコールとを反応させ
たエステル化物が好ましい。 この結合剤は、インキ組成物の固形分に対して0.5〜10
重量%の量で存在することが好ましい。 ヘ)吸水性粉末 吸水性粉末は、試薬組成物中に配合されることによっ
て、被検液とpH指示薬との接触を促進し、該指示薬の呈
色反応を促進する働きを有する。 このような吸水性粉末としては、水と接触した場合に、
極端な酸性或いはアルカリ性を示すものは好ましくな
く、しかも白色度の高いものが好ましい。具体的には、
カオリン,合成シリカ,ガラス,セルロースブロック,
微結晶セルロース,イオン交換セルロース,イオン交換
樹脂,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,ケイ酸アル
ミニウム等が用いられ得る。 吸水性粉末は、インキ組成物の固形分に対して30〜60重
量%の量で存在することが好ましい。 ト)その他の成分 場合によっては、上記各成分のほかに、少量の湿潤剤例
えば非イオン界面活性剤,陰イオン界面活性剤,陽イオ
ン界面活性剤,両性イオン界面活性剤,ポリエチレング
リコール類等を、pH測定用試薬組成物中に配合すること
もできる。この湿潤剤は、各試薬の分散に役立ち、均一
な試薬層の形成を促進し、水ぬれ性を向上させることが
できる。湿潤剤は試薬組成物の固形分に対して、0.2〜1
0重量%の量で存在することが好ましい。 また指示薬の呈色色調を更に見易くするために、例えば
オイルイエロー等の背景色素を添加してもよい。 上記の各成分からなる蛋白質検出用インキ組成物を調製
するには、先ず、緩衝剤,イオン交換体,形態保持剤,
及び吸水性粉末を50μm以下の粒子に粉砕する。次いで
得られた粉末を、結合剤及び指示薬が溶剤に予め溶解或
いは分散された液中に加え、高速撹拌機,サンドミル,
ボールミル,ホモゲサイザー,3本ロール,超音波分散機
等によって分散並びに混練すればよい。 (c)pH測定用インキ組成物 体液中のpHは、pHによって色調の変わる指示薬によって
被検液のpHを指示薬の色調を判別することによって測定
する。 本発明に係る検査体を形成するに際して用いられるpH測
定用インキ組成物は、適量の塩基性物質をインキ組成物
中に加えることによりpH検査体の支持性能を高めると共
に、一旦発色された色調の乾燥後における退色を防止す
ることが望ましく、以下に具体的に説明する。 イ)pH指示薬 被検液の水素イオン濃度に応じて色調の変化する支持薬
であればどのような指示薬も使用できる。また複数種の
指示薬を適当に選択または組合わせることによって、広
い範囲のpH領域を測定することもできる。例えば、pH指
示薬としてメチルレッドとブロモチモールブルーとを組
合わせて用いれば、pH5〜9の範囲で良好なpHの判定が
可能である。 pH指示薬は、インキ組成物の固形分に対して0.01〜0.8
重量%の量で存在することが好ましい。 ロ)4級アンモニウム塩またはアミン塩 試薬組成物中に4級アンモニウム塩を適量配合すること
によって、一旦発色された色の経時的な退色現象が大き
く抑制され、且つ鮮明な色が得られる。 4級アンモニウム塩としては、アルキルトリメチルアン
モニウム塩,アルキルジメチルベンジルアンモニウム
塩,サバミン型アンモニウム塩等が用いられる。これら
のうち、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩が特
に好ましい。 尚、4級アンモンニウム塩の代わりに、陽イオン型界面
活性剤として知られている第1級アミン塩,第2級アミ
ン塩及び第3級アミン塩或いはポリエチレングリコール
も使用できる。 これらの4級アンモンニウム塩またはアミン塩は、イン
キ組成物の固形分に対して0.05〜1重量%の量で存在す
ることが好ましい。 ハ)塩基性物質 塩基性物質を添加することにより、pH測定用インキ組成
物並びにpH測定用検査体の検査試薬部の色調再現性が改
良される。即ち、塩基性物質を添加すると酸性物質の溶
出を防止できるので、インキ組成物の色調が経時変化を
せず、一定の色調が保たれる。 塩基性物質としては、有機塩基性物質,水酸化アンモニ
ウム,アルカリ金属水酸化物,アルカリ土類金属水酸化
物等の無機塩基性物質が用いられる。塩基性物質は、必
要に応じて、粉砕等の処理を施して添加することができ
るが、好ましくは少量の水或いは親水性溶剤に溶解して
添加することができる。塩基性物質は、インキ組成物の
固形分に対して0.01〜1重量%の割合で添加することが
好ましい。 ニ)結合剤 結合剤は、上記試薬類及び吸水性粉末を、支持体上に形
成可能とするために用いられ、被検液中の成分及びpH等
に影響を及ぼさず、しかも試薬類の溶出を防止しかつ呈
色反応を妨げないものであることが要求される。 このような要件を満たすpH測定用インキ組成物に適した
結合剤は、pH指示薬の発色を全く妨げず、しかも発色し
て得られた色を安定化するという顕色効果を有する水溶
性高分子化合物と、pH指示薬の発色を妨げず、しかも試
薬類の被検液中への溶出を防止するという効果を有する
皮膜形成能を有する水不溶性高分子化合物とが組合わさ
れて形成されていることが好ましい。 上記の水溶性高分子化合物としては、(I)甘藷デンプ
ン,馬鈴薯デンプン,こんにゃく粉,ふのり,寒天,ア
ルギン酸ナトリウム,トロロアオイ,トンガロゴム,ア
ラビアゴム,デキストラン,レバン,ニカワ,ゼラチ
ン,カゼイン,コラーゲン等の天然親水性高分子化合
物、(II)メチルセルロースヒドロキシプロピルセルロ
ース,ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチル
セルロース等のセルロース誘導体、カルボキシメチルデ
ンプン,ジアルデヒドデンプン誘導体等の半合成親水性
高分子化合物及び(III)ポリビニルアルコール,ポリ
アクリルアミド,ポリビニルピロリドン又はこれらの共
重合体、ポリアクリル酸ナトリウム,ポリエチレンオキ
シド等の合成高分子化合物などが挙げられる。これらの
化合物のうち、特にヒドロキエチルセルロース等のセル
ロース誘導体及びポリビニルピロリドン等の合成高分子
化合物が好ましい。 一方、上記の皮膜形成を有する水不溶性高分子化合物と
しては、(I)ニトロセルロース,酢酸セルロース,エ
チルセルロース,酢酪酸セルロース等のセルロース樹
脂、(II)ポリエステル樹脂,アルキド樹脂,ポリウレ
タン樹脂,エポキシ樹脂,アクリル樹脂,塩化ビニル樹
脂,塩化ビニル共重合体樹脂,ポリビニルブチラール,
ポリ酢酸ビニルエマルジョン,酢酸ビニルコポリマー
(酢酸ビニル−アクリル酸エステル等)エマルジョン,
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン,塩化ビニリ
デン共重合体エマルジョン,エポキシ樹脂エマルジョ
ン,合成ゴムラテックス等が挙げられる。このうち、ウ
レタン樹脂及びポリビニルブチラールは、pH指示薬の呈
色反応に悪影響を及ぼさないため好ましい。 結合剤は、インキ組成物の固形分に対して2〜18重量%
の量で存在することが好ましい。 ホ)吸水性粉末 吸水性粉末は、試薬組成物中に配合されることによっ
て、被検液とpH指示薬との接触を促進し、該指示薬の呈
色反応をを促進する働きを有する。 このような吸水性粉末としては、水と接触した場合に、
極端な酸性或いはアルカリ性を示すものは好ましくな
く、しかも白色度の高いものが好ましい。具体的には、
カオリン,合成シリカ,ガラス,セルロースブロック,
微結晶セルロース,イオン交換セルロース,イオン交換
樹脂,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,ケイ酸アル
ミニウム等が用いられうる。 吸水性粉末は、インキ組成物の固形分に対して30〜90重
量%の量で存在することが好ましい。 ヘ)その他の成分 場合によっては、上記各成分のほかに、少量の湿潤剤例
えば非イオン界面活性剤,陰イオン界面活性剤,陽イオ
ン界面活性剤,両性イオン界面活性剤のポリエチレング
リコール類等を、pH測定用試薬組成物中に配合すること
もできる。この湿潤剤は、各試薬の分散に役立ち、均一
な試薬層の形成を促進し、水ぬれ性を向上させることが
できる。湿潤剤は試薬組成物の固形分に対して、0.2〜
5重量%の量で存在することが好ましい。 また、指示薬の呈色色調を更に見易くするために、例え
ばオイルイエロー等の背景色素を添加してもよい。 上記のような各種インキ組成物は、支持体上に塗布され
て各種検出領域が形成されるが、このように支持体上に
ブドウ糖検査領域,蛋白検査領域およびpH測定領域のう
ち少くとも一種以上が設けられた本発明に係る検査体
は、スティック状,ロール状,テープ状等の形態に形成
されていてもよい。或いは支持体自体が被検体液を採取
しうるような形態例えばコップ状,試験管状,皿状,ト
レイ状,スポイト状に形成され、その支持体上にブドウ
糖検査領域等の各成分の検査領域を設けて、本発明に係
る検査体としてもよい。
【実 施 例】
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。 実施例1 下記組成のpH検出用インキ組成物をホモミキサーで微細
分散させた後、スクリーン印刷法により、厚さ300μの
白色ポリスチレンシート上に一辺が5mmの四角形となる
ように印刷した。用いたスクリーン版は80メッシュ,レ
ジスト及びスクリーン紗の厚さの合計は190μであっ
た。 pH検出用インキ組成物 メチルレッドナトリウム塩 0.070重量部 ブロムチモールブルー 1.0重量部 ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド 1.0重量部
水酸化ナトリウム 0.088重量部 ポリビニルピロリドン(BASF製;商品名コリドン90) 13.2重量部 ポリビニルブチラール (積水化学製;登録商標エスレックBX−1)1.54重量部
セルロース微粉末(旭化成製;商品名アビセルSF) 174重量部 ブチルセロソルブ 257重量部 得られた印刷物を60℃で30分間乾燥後、スティック状に
断裁してpH検出用検査体を得た。 得られたスティックを目視にて観察したところ、検査試
薬部の支持体への接着状態は良好であった。正常尿のpH
を塩酸或いは水酸化ナトリウムを用いて5,6,7,8,及び9
に調節したものを検体として用い、スティックを浸漬後
直ちに取出して1分間静置し、検査試薬部の色調を観察
したところ、呈色は均一且つ鮮明であり、pH5−9の範
囲でpH1単位毎に判別可能であった。 比較例1 溶剤として実施例1に示したブチルセロソルブのかわり
にn−アミルアルコールを使用する以外は実施例1と同
様にしてpH検出用検査体を作成した。 得られたスティックを目視にて観察したところ、検査試
薬の一部が支持体から剥離していることが認められた。 比較例2 溶剤として実施例1に示したブチルセロソルブのかわり
にブチルセロソルブアセテートを使用する以外は実施例
1と同様にしてpH検出用検査体を作成した。 得られたスティックを目視にて観察したところ、支持体
の検査試薬を有する部分に凹凸が認められた。実施例1
と同様にして調製した検体を用い、スティックを浸漬後
直ちに取出して1分間静置し、検査試薬部の色調を観察
したところ、呈色は不均一且つ不鮮明であった。 実施例2 下記組成の蛋白質検出用インキ組成物をホモミキサーで
微細分散させた後、スクリーン印刷法により、厚さ300
μの白色ポリスチレンシート上に一辺が5mmの四角形と
なるように印刷した。用いたスクリーン版は80メッシ
ュ,レジスト及びスクリーン紗の厚さの合成は190μで
あった。 蛋白質検出用インキ組成物 テトラブロムフェノールブルー 0.40重量部 クエン酸 25.7重量部 クエン酸ナトリウム 11.0重量部 ソルビタンモノラウレート (花王石鹸製;商品名スパン20) 4.0重量部 カルボキシメチルセルロース ナトリウム塩(ワットマン製;CM−32) 50.0重量部 カルボキシメチルセルロース カルシウム塩(ダイセル化学製) 10.0重量部 メチルビニルエーテル /無水マレイン酸共重合体 (GAF社製商品名ガントレッツAN−169) のアミルアルコールエステル化物 4.97重量部 セルロース微粉末(旭化成製;商品名アビセルSF) 108重量部 n−アミルアルコール 28.1重量部 ブチルセロソルブ 107.7重量部 ブチルセロソルブアセテート 50.2重量部 得られた印刷物を60℃で30分間乾燥後、スティック状に
断裁して蛋白質検出用検査体を得た。 得られたスティックを目視にて観察したところ、検査試
薬部の支持体への接着状態は良好であった。正常尿に牛
血清アルブミンを20mg/dl,30mg/dl,100mg/dl,300mg/dl,
1000mg/dlの濃度になるように溶解したものを検体とし
て用い、スティックを浸漬後直ちに取出して1分間静置
し、検査試薬部の色調を観察したところ、呈色は均一且
つ鮮明であり、上記濃度範囲で各濃度毎に判別可能であ
った。 比較例3 溶剤として実施例2に示したn−アミルアルコール/ブ
チルセロソルブ/ブチルセロソルブアセテート混合物の
かわりに下記溶剤組成物を使用する以外は実施例2と同
様にして蛋白質検出用検査体を作成した。 溶剤組成物 n−アミルアルコール 78.3重量部 ブチルセロソルブ 107.7重量部 得られたスティックを目視にて観察したところ、検査試
薬の一部が支持体から剥離していることが認められた。 比較例4 溶剤として実施例2に示したn−アミルアルコール/ブ
チルセロソルブ/ブチルセロソルブアセテート混合物の
かわりに下記溶剤組成物を使用する以外は実施例2と同
様にして蛋白質検出用検査体を作成した。 溶剤組成物 n−アミルアルコール 28.1重量部 ブチルセロソルブアセテート 157.9重量部 得られたスティックを目視にて観察したところ、支持体
の検査試薬を有する部分に凹凸があり、且つ検査試薬の
一部が支持体内部に埋没していることが認められた。実
施例2と同様にして調製した検体を用い、スティックを
浸漬後直ちに取出して1分間静置し、検査試薬部の色調
を観察したところ、呈色は不均一且つ不鮮明であった。
検体として正常尿を用いた場合、偽陽性を呈することが
認められた。 実施例3 下記組成のブドウ糖検出用インキ組成物をホモミキサー
で微細分散させた後、スクリーン印刷により、厚さ300
μの白色ポリスチレンシートに一辺が5mmの四角形とな
るように印刷した。用いたスクリーン版は80メッシュ,
レジスト及びスクリーン紗の厚さの合成は130μであっ
た。 ブドウ糖検出用インキ組成物 ブドウ糖酸化酵素(東洋紡製;Grade II) 3.6重量部 ペルオキシダーゼ(東洋紡製;Grade III) 2.4重量部 グアヤク脂 4.8重量部 ソルビタンモノラウレート (花王石鹸製;商品名スパン20) 7.2重量部 L−アスコルビルステアレート 0.48重量部 クエン酸 2.8重量部 クエン酸ナトリウム 11.0重量部 ポリビニルピロリドン(BASF製;商品名コリドン90) 12.6重量部 ポリビニルブチラール (積水化学製;登録商標エスレックBX−1)2.25重量部 セルロース微粉末(旭化成製;商品名アビセルSF) 171重量部 n−アミルアルコール 228重量部 ブチルセロソルブアセテート 33.5重量部 得られた印刷物を60℃で40分間乾燥後、スティック状に
断裁してブドウ糖検出用検査体を得た。 得られたスティックを目視にて観察したところ、検査試
薬部の支持体への接着状態は良好であった。正常尿及び
正常尿にβ−D−グルコースを50mg/dl,100mg/dl,250mg
/dl,500mg/dl,及び2000mg/dlの濃度になるように溶解し
たものを検体として用い、スティックを浸漬後直ちに取
出して1分間静置し、検査試薬部の色調を観察したとこ
ろ、呈色は均一且つ鮮明であり、上記濃度の範囲で各濃
度毎に判別可能であった。 比較例5 溶剤として実施例3に示したn−アミルアルコール/ブ
チルセロソルブアセテート混合物のかわりにn−アミル
アルコールを使用する以外は実施例3と同様にしてブド
ウ糖検出用検査体を作成した。 得られたスティックを目視にて観察したところ、検査試
薬の一部が支持体から剥離していることが認められた。 比較例6 溶剤として実施例3に示したn−アミルアルコール/ブ
チルセロソルブアセテート混合物のかわりにブチルセロ
ソルブアセテートを使用する以外は実施例3と同様にし
てブドウ糖検出用検査体を作成した。 得られたスティックを目視にて観察したところ、支持体
の検査試薬を有する部分に凹凸が認められた。実施例3
と同様にして調製した検体を用い、スティックを浸漬後
直ちに取出して1分間静置し、検査試薬部の色調を観察
したところ、呈色は不均一且つ不鮮明であった。
【発明の効果】
本発明においては、支持体を少なくとも膨潤せしめるこ
とができる溶剤に体液検査用試薬を溶解又は分散せしめ
て支持体上に塗布することにより、体液検査用試薬の基
材への接着性が改良された体液検査体が得られ、検査体
を検体中に浸漬後の検査試薬部の呈色は均一,鮮明であ
る。実施例,比較例の記載から明らかなように、支持体
を膨潤せしめることができない溶剤を使用した場合に
は、体液検査試薬が支持体から剥離する。一方、支持体
を溶解する溶剤のみを使用した場合は支持体の検査試薬
を有する部分に凹凸が生じ、検査体を検体中に浸漬した
場合、呈色が不均一,不鮮明となる。 本発明は、上記したように支持体を少くとも膨潤せしめ
るように選択もしくは適宜混合し、膨潤性を有するよう
調整した溶剤を用いたものであるので支持体上への体液
検査用試薬の接着性が極めて良好であるので、安定した
生産が可能であり、特に印刷により各成分の検出領域を
形成する大量生産に適している。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、少なくとも支持体を膨潤しう
    る溶剤に体液検査用試薬を溶解又は分散せしめたインキ
    組成物を塗布してなる体液検査部を有することを特徴と
    する体液検査体。
  2. 【請求項2】支持体がポリスチレンシートである特許請
    求の範囲第1項に記載の体液検査体。
  3. 【請求項3】溶剤が単独若しくは混合されていて、支持
    体を少なくとも膨潤しうる非水系溶剤である特許請求の
    範囲第1項に記載の体液検査体。
  4. 【請求項4】体液検査部が、ブドウ糖検出用検査部,蛋
    白検出用検査部,pH検出用検査部のうち、少なくとも一
    種以上を有するものである特許請求の範囲第1項に記載
    の体液検査体。
JP10787286A 1986-05-12 1986-05-12 体液検査体 Expired - Lifetime JPH0762680B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10787286A JPH0762680B2 (ja) 1986-05-12 1986-05-12 体液検査体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10787286A JPH0762680B2 (ja) 1986-05-12 1986-05-12 体液検査体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62263466A JPS62263466A (ja) 1987-11-16
JPH0762680B2 true JPH0762680B2 (ja) 1995-07-05

Family

ID=14470224

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10787286A Expired - Lifetime JPH0762680B2 (ja) 1986-05-12 1986-05-12 体液検査体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0762680B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4128954A1 (de) * 1991-08-30 1993-06-09 Eca Gmbh & Co. Kg, 5632 Wermelskirchen, De Sitzteil eines fahrzeugsitzes
JP4724695B2 (ja) * 2007-08-10 2011-07-13 フジライト工業株式会社 尿pH検査用具

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62263466A (ja) 1987-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5178831A (en) Device for testing body fluids
JP2927772B2 (ja) 紙おむつ
US5183742A (en) Test device for detecting glucose, protein urobilinogen, and/or occult blood in body fluids and/or determining the PH thereof
JPH0653074B2 (ja) 体液検査体
US5260195A (en) Nonaqueous polymeric reagent compositions and applications thereof
US5976823A (en) Low range total available chlorine test strip
AU633210B2 (en) Asymmetric sandwich membrane system as diagnostic test device
EP0290610B1 (en) Method for inspecting bodily fluids
JPH0328199B2 (ja)
JPH01138458A (ja) 体液検査体
JPH0762680B2 (ja) 体液検査体
JP2532866B2 (ja) 検査用試験紙
JPH0687789B2 (ja) 体液成分検査用組成物
JP2777439B2 (ja) 水溶性被酸化性指示薬を用いたブドウ糖検出用印刷インキ組成物及びその適用方法
JP2660843B2 (ja) 体液検査体
JP2640945B2 (ja) 過酸化活性物質検出用組成物及び検査体
JPH0762685B2 (ja) 蛋白質検出用インキ組成物および検査体
JPH0349695A (ja) ブドウ糖検出用印刷インキ組成物及びこれを用いた血糖検出用検査体
JPS62263469A (ja) 体液検査体およびその製造方法
JP2610460B2 (ja) 潜血検出用組成物およびそれを用いた検査体
JP2777406B2 (ja) 潜血検出用印刷インキ組成物及びこれを用いた潜血検出用検査体
JPH10215896A (ja) ブドウ糖検出用インキ組成物
JPH079425B2 (ja) 試験体
JPH0599927A (ja) 水溶性被酸化呈色指示薬を用いたブドウ糖検出用印刷 インキ組成物及びその適用法
JPH04351959A (ja) Otc用糞便潜血検出用試験片