JPH08292459A - 第二高調波発生素子およびその製造方法 - Google Patents

第二高調波発生素子およびその製造方法

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JPH08292459A
JPH08292459A JP9832095A JP9832095A JPH08292459A JP H08292459 A JPH08292459 A JP H08292459A JP 9832095 A JP9832095 A JP 9832095A JP 9832095 A JP9832095 A JP 9832095A JP H08292459 A JPH08292459 A JP H08292459A
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JP
Japan
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single crystal
optical waveguide
intermediate layer
melt
liquid phase
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JP9832095A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Kawaguchi
竜生 川口
Takashi Yoshino
隆史 吉野
Minoru Imaeda
美能留 今枝
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光損傷特性が良好であって、高出力の第二高調
波を発生させることができるような第二高調波発生素子
を提供することである。 【構成】第二高調波発生素子は、LiNb1-x Tax
3 の組成を有する単結晶基板1Aと、この単結晶基板1
A上に形成されている、LiNb1-y Tay 3の組成
を有する固溶体単結晶からなる中間層2Aと、中間層2
A上に形成されている、LiNb1-z Taz 3 の組成
を有する単結晶からなるリッジ型の光導波路11とを備
えている(ただし、0≦x、z<0.8、0<y≦0.
8、x、z<y)。少なくとも光導波路11には周期分
極反転構造が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、青色光源デバイス等に
好適に使用できる第二高調波発生素子の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】現在、ニオブ酸リチウム単結晶を用いた
第二高調波発生素子が、青色のレーザー光発生デバイス
として期待されている。例えば、特開平4−52933
号公報の記載によれば、ニオブ酸リチウム単結晶基板上
にタンタル酸リチウム単結晶薄膜を形成し、この上にニ
オブ酸リチウム薄膜からなる光導波層を形成することに
よって第二高調波発生素子を製造している。この際、光
導波層の膜厚を正確に制御することによって、薄膜のモ
ード分散を利用して位相整合を行わせ、第二高調波を発
生させている。また、特開平5−2201号公報によれ
ば、タンタル酸リチウム単結晶基板上にニオブ酸リチウ
ム単結晶薄膜を形成し、この薄膜にプロトン交換法によ
って三次元光導波路を形成し、かつこの光導波路に周期
分極反転構造を形成することによって、第二高調波発生
素子を製造している。また、特開平6−160927号
公報によれば、ニオブ酸リチウム単結晶基板上にニオブ
酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体薄膜を形成し、
この上にニオブ酸リチウム単結晶からなる薄膜を形成
し、この薄膜の一部分をプロトン交換することによっ
て、Hx Li1-x NbO3 に組成を変性させ、この変性
部分を光導波路として使用しており、このプロトン交換
光導波路に周期分極反転構造を設けることによって第二
高調波を発生させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平4−5
2933号公報記載の方法によれば、光導波層の膜厚を
正確に制御することによって、薄膜のモード分散を利用
して位相整合を行わせており、きわめて高精度での膜厚
の制御が必要であるが、実用的に見るとこのような制御
は困難である。特開平5−2201号公報、特開平6−
160927号公報記載の方法によれば、チタン拡散法
やプロトン交換法によってニオブ酸リチウム単結晶膜の
一部分に異種元素を拡散させ、変性させることによっ
て,この変性した部分を光導波路として使用しており、
この変性部分に周期分極反転構造を設けることによって
第二高調波を発生させている。
【0004】しかし、このような第二高調波発生素子を
用いて高出力の第二高調波を得ようとすると、耐光損傷
特性が劣化してくるので、高出力の第二高調波を発生さ
せることは困難であった。
【0005】本発明の課題は、光損傷特性が良好であっ
て、高出力の第二高調波を発生させることができるよう
な第二高調波発生素子を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、LiNb1-x
Tax 3 の組成を有する単結晶基板と、この単結晶基
板上に形成されている、LiNb1-y Tay 3の組成
を有する固溶体単結晶からなる中間層と、この中間層上
に形成されている、LiNb1-z Taz 3 の組成を有
する単結晶からなるリッジ型の光導波路とを備えてお
り、ここでx、yおよびzが下記の関係を満足してお
り、少なくとも前記光導波路に周期分極反転構造が形成
されていることを特徴とする、第二高調波発生素子に係
るものである。 0≦x、y、z≦0.8 x、z<y
【0007】また、本発明は、LiNb1-x Tax 3
の組成を有する単結晶基板を第一の溶融体に接触させる
ことによって、LiNb1-y Tay 3 の組成を有する
固溶体単結晶を液相エピタキシャル成長させて中間層を
形成し、次いでこの中間層を第二の溶融体に接触させる
ことによってLiNb1-z Taz 3 の組成を有する単
結晶からなる光導波層を形成し、少なくとも光導波層に
周期分極反転構造を形成し、この単結晶層をリッジ形状
となるように加工することによってリッジ型の光導波路
を形成することを特徴とする、第二高調波発生素子の製
造方法に係るものである。
【0008】
【作用】本発明者は、従来の第二高調波発生素子におい
て、高出力の第二高調波を得ようとすると、光損傷特性
が劣化してくる理由について検討した。この結果、ニオ
ブ酸リチウム単結晶からなる薄膜の屈折率を変化させた
り、あるいは分極反転させるために、この薄膜中に異種
元素を拡散させたことによって、光導波路の結晶性が劣
化するために、高出力の第二高調波を発振させようとす
ると、光損傷が増大してくるものと推定した。
【0009】そして、この問題を解決するために、基板
の材料として、高品質のバルク単結晶からなる光学グレ
ードの基板が容易に入手できるニオブ酸リチウム単結晶
基板を使用し、クラッド層としてニオブ酸リチウム−タ
ンタル酸リチウム固溶体単結晶からなる薄膜を液相エピ
タキシャル法によって形成し、この上に液相エピタキシ
ャル法によって結晶性の優れたニオブ酸リチウム単結晶
からなる光導波層を形成し、この光導波層に分極反転構
造を形成すると共にこの光導波層自体をリッジ形状とな
るように加工して、リッジ型の光導波路を形成してみ
た。この結果、きわめて光損傷特性が良好であって、大
きな出力の第二高調波を発振させうることを見いだし、
本発明を完成した。
【0010】更に、上記のニオブ酸リチウム単結晶基板
において、ニオブの一部をタンタルによって置換し、こ
の基板上に前記の中間層および光導波層を形成すること
を試みたが、やはり上記とほぼ同様の結果が得られた。
更に、中間層を構成するニオブ酸リチウム−タンタル酸
リチウム固溶体単結晶上に形成する光導波層の材質とし
ては、上記ではニオブ酸リチウム単結晶を使用したが、
ニオブの一部をタンタルで置換した単結晶を使用した場
合にも、基本的には上記した結果が得られることを確認
した。
【0011】
【実施例】本発明の好適な態様においては、中間層およ
び光導波層を液相エピタキシャル成長法によって形成す
るが、これによって特に高品質の中間層およびこの上の
光導波層が得られ、光導波路中に高密度のエネルギーが
集中しても光導波層中に光損傷が発生しない。従って、
スパッタリング法や拡散プロセスによって光導波層を形
成した第二高調波発生素子と比較して、はるかに高出力
の青色レーザーを得ることができる。
【0012】この液相エピタキシャル成長法によって、
光導波路や中間膜を構成するエピタキシャル膜を形成す
る際には、単結晶基板を、少なくとも目的とするエピタ
キシャル膜を構成する元素を含む溶融体に対して接触さ
せることによって、エピタキシャル膜をフラックス成長
させることが好ましい。
【0013】以下、適宜図面を参照しつつ、更に詳細に
本発明の実施例を説明する。図1(a)は、単結晶基板
1上に中間層2を形成した状態を示す正面図である。こ
の単結晶基板1の平面的形状は本実施例においては例え
ば長方形としているが、この平面的形状は種々変更でき
る。単結晶基板1の組成は、LiNb1-xTax 3
あり、ここで0≦x<0.8である。この単結晶基板の
表面1aに、LiNb1-y Tay 3 の組成を有する固
溶体単結晶からなる中間層2が形成されている。ここ
で、0<y≦0.8であり、xよりもyの方が大きい。
即ち、単結晶基板1におけるタンタルの置換割合より
も、中間層2におけるタンタルの置換割合の方が大き
い。
【0014】ここで、ニオブ酸リチウムよりもタンタル
酸リチウムの方が屈折率が小さい。また、ニオブ酸リチ
ウムとタンタル酸リチウムとは任意の比率で固溶体を生
成し、タンタルの比率が大きくなるのに従って、固溶体
の屈折率は小さくなる。
【0015】ここで、単結晶基板の材質をニオブ酸リチ
ウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶とした場合に
は、このタンタルの割合xは0.8以下であるが、更に
はxを0.2以下とすることが好ましい。なぜなら、x
が大きいと、単結晶基板のキュリー温度が低下してくる
が、このキュリー温度が成膜温度以下となると、成膜工
程において単結晶基板および単結晶膜が多分域化し、こ
れらの結晶性が損なわれ、かつ再び単分域化処理工程が
必要となるからである。また、特に結晶性が優れた膜を
形成するためには、成膜温度をある程度高くすることが
必要である。この観点からは、zが0.2以下の範囲内
であれば、通常の成膜温度であれば、成膜温度が単結晶
基板のキュリー温度を下回るおそれがない。
【0016】また、ニオブ酸リチウム単結晶基板につい
ては、結晶性の良い光学グレードの単結晶基板が得られ
ている。しかし、現在の段階では、引き上げ法により製
造されるタンタル酸リチウム単結晶基板は、ニオブ酸リ
チウム単結晶基板に比べて結晶性が悪い。従って、ニオ
ブ酸リチウム単結晶基板(x=0)を使用することが好
ましい。
【0017】次いで、好適な態様においては、中間層2
に周期分極反転構造を形成する。この工程においては公
知の方法を適用することができるが、例えば、中間層2
の表面を研磨し、フォトリソグラフィー法と真空蒸着法
によりリフトオフを行って、SiO2 等からなるストラ
イプ状のパターンを形成し、このパターン付きの単結晶
基板1および中間層2を熱処理し、次いでストライプ状
のパターンを除去することができる。この結果、例えば
図1(b)に示す中間層2Aのように、ストライプ状の
周期分極反転構造が形成される。ただし、中間層2Aに
は、その長手方向とは垂直に延びるようにストライプ状
の分極部分3、4が交互に形成されており、これらの各
分極部分3と4との分極の方向は互いに反対である。
【0018】次いで、図2(a)に示すように、この中
間層2A上に光導波層5を形成する。この光導波層5の
組成は、LiNb1-z Taz 3 (0≦z<0.8)で
ある。ここで、光導波層5内に光を閉じ込めるために
は、つまり光導波層として機能させるためには、LiN
1-z Taz 3 単結晶の屈折率を、中間層を構成する
単結晶の屈折率よりも小さくする必要があり、このため
にz<yとする必要がある。更には、zを0.2以下と
することが好ましい。
【0019】この実施例では、中間層2に周期分極反転
構造を形成することによって、即ち、分極部3と4とを
交互に形成することによって、周期分極反転構造を有す
る中間層2Aを既に形成している。この中間層2A上に
直接光導波層5をエピタキシャル成長させることによっ
て、この光導波層5にも中間層2Aの周期分極反転構造
が転写され、図2(a)に示すように、光導波層5に分
極部3と4とが交互に形成される。
【0020】次いで、光導波層5を加工し、図2(b)
に示すように、リッジ型の光導波路11を形成する。こ
の工程では、フォトリソグラフィー技術を使用すること
ができる。即ち、光導波層5に所定パターンのマスクを
設置し、このマスクの形状に従ってエッチングを行い、
図2(b)に示すように、光導波層5を所定のストライ
プ形状にエッチングして光導波路11を形成する。各光
導波路11の間の部分には薄膜部分10を残留させ、こ
の白膜部分10の上に細長い溝12を形成する。
【0021】次いで、この単結晶基板1の溝12に沿っ
て、各光導波路11を切り離し、図3(a)に示すよう
な光導波路素子13を製造する。この光導波路素子13
においては、細長い棒状の単結晶基板1Aの表面1a上
に中間層2Aおよびリッジ型の光導波路11が形成され
ている。
【0022】この光導波路素子13を使用し、図3
(b)に模式的に示すようにして第二高調波発生素子1
4を製造する。レーザー光源8、光学系9および光導波
路素子13を整列させ、レーザー光源8から赤外光を矢
印Aのように光学系9に射出させ、光学系からのレーザ
ー光を、光導波路素子13の光導波路11の一方の端面
11aから入射させ、他方の端面11bから第二高調波
を矢印Bのように射出させる。なお、上記のように中間
層2を形成した後に、この中間層2については周期分極
反転構造を形成することなく、中間層2上に光導波層を
形成し、この光導波層に周期分極反転構造を形成し、次
いでこの光導波層を加工してリッジ型の光導波路を形成
することができる。このようにして光導波層に周期分極
反転構造を形成するには、前記した方法を適用すること
ができる。
【0023】次に、中間層および光導波層を形成するた
めの特に好適な方法について説明する。本発明者は、液
相エピタキシャル法を検討する過程で、過冷却状態を作
りだす方法を見直してみた。従来は、まず1000〜1
300°Cの十分な高温で溶質と溶融媒体とを十分に溶
融させ、次いでこの仕込み組成に対応する飽和温度より
も低温にすることで、過冷却状態を作りだしていた。即
ち、十分な高温の液相から過冷却状態を作りだす必要が
あるという常識であった。
【0024】しかし、本発明者が液相エピタキシャル法
について、改めて再検討した結果、良質な単結晶膜を再
現性良く形成することはできないことがわかった。この
理由について説明する。まず、液相エピタキシャル法
は、引き上げ法に比べると、低い温度で成膜できるの
で、結晶性の良い単結晶膜を形成できるはずである。し
かし、溶質の濃度が上昇すると、飽和温度が高くなり、
引き上げ法における育成温度に近づいてくる。従って、
結晶性の良い膜を形成するためには、できるだけ低温で
成膜する必要がある。この観点からは、1000°C以
下の低温で膜を形成することが好ましいのである。
【0025】しかし、この一方、溶質の濃度が低くなる
と、特に飽和温度が1000°C以下になると、今度は
液相線の傾きが非常に大きくなってくる。従って、溶融
体における溶質の濃度がわずかに変動した場合にも、飽
和温度は大きく変動してしまう。液相エピタキシャル法
においては、まず溶融体を飽和温度以上に保持し、次い
で飽和温度未満の成膜温度にして過冷却状態で成膜して
いる。そして、膜の結晶性は、この過冷却状態によって
決定され、この過冷却状態は、飽和温度及び成膜温度に
よって決定される。
【0026】従って、溶融体における溶質の濃度がわず
かに変動すると、結晶性の良い膜を形成することは不可
能になってしまう。特に、実際の成膜工程においては、
基板への膜形成を繰り返すと、溶融体の組成が直ちに変
化していき、一定の溶質濃度を保持することはできな
い。従って、再現性よく成膜することが困難であった。
【0027】本発明者は、この点に着目し、従来とは本
質的に異なる方法に想到した。この方法について、図4
〜6を参照しつつ、説明する。図4、図6は、本発明者
が開発した新規な液相エピタキシャル法における溶融体
の温度スケジュールを模式的に示すグラフである。図5
(a)、(b)は、ルツボ15内の溶融体に対して単結
晶基板1を接触させる工程を説明するための模式的断面
図である。
【0028】まず、溶質と溶融媒体とを、ルツボ15内
に仕込んで混合する。この溶融体の飽和温度T0 は、溶
融体における溶質の濃度、即ち、仕込み組成に対応し
て、一定値に定まる。この飽和温度は液相線から算出す
ることができる。
【0029】この溶融体の温度を、飽和温度T0 よりも
高温T1 で保持し、溶質と溶融媒体とを均一に溶融させ
る。図4において、「A」が、この溶融状態に対応す
る。また、図5(a)に示すように、溶融体16のすべ
てが液相となっている。
【0030】次いで、溶融体の温度を、飽和温度T0
りも低い固相析出温度T 2 まで冷却する。この状態で
は、溶融体は、最初は過冷却状態となるが、この温度で
十分に長い時間保持すると、溶融体から固相が析出して
くる。図4において、「B」が、この固相析出のための
保持状態に対応する。この時には、図5(b)に示すよ
うに、溶融体17が液相部分18と固相部分19とに分
離する。この固相部分19は、主としてルツボ15の壁
面に沿って析出する。
【0031】次いで、溶融体の温度を下げて、液相部分
18を過冷却状態にする。図4において、「C」が、こ
の過冷却状態に相当する。過冷却状態の液相部分18に
対して、単結晶基板1を矢印20のように降下させ、接
触させ、中間層2をエピタキシャル成長させる。また
は、既に中間層2を形成し、この中間層2に周期分極反
転構造を設けて中間層2Aを形成した後で、この中間層
2Aを過冷却状態の液相部分18に対して接触させるこ
とによって、光導波層をエピタキシャル成長させる。
【0032】また、次の方法も検討した。即ち、図6に
示すように、まず、溶融体の温度を、飽和温度T0 より
も高温T1 で保持し、溶質と溶融媒体とを均一に溶融さ
せる。図6において、「A」が、この溶融状態に対応す
る。次いで、溶融体の温度を、飽和温度T0 よりも高い
保持温度T2 まで冷却する。むろんこの段階では固相は
析出しない。そこで、新たに所定量の溶質を溶融体に添
加する。このときには、溶融体の飽和温度が、T2 より
も高いT5 に上昇する。この温度T 2 で十分に長い時間
保持すると、固相と液相との状態が安定する。図6にお
いて、「D」が、この固相と液相とが共存した保持状態
に対応する。
【0033】次いで溶融体の温度をT3 にまで下げ、液
相部分18を過冷却状態にする。図6において、「C」
が、この過冷却状態に相当する。過冷却状態の液相部分
18に対して、単結晶基板1を矢印20のように降下さ
せ、接触させ、中間層または光導波層をエピタキシャル
成長させる。
【0034】また、溶融体の液相を過冷却状態とするに
は、温度T2 に保持した溶融体に対して、温度T2 より
も低い温度T3 に冷却した基板を接触させてもよい。こ
れにより、基板表面近傍の溶融体は、溶融体全体の温度
をT2 に冷却した場合と同様に、過冷却状態となり、基
板上に膜が形成される。
【0035】このように、本方法においては、固相と液
相が安定的に共存している状態B、D(温度T2 )を出
発点とし、この安定な状態から成膜温度T3 にまで温度
を下げることによって、液相部分を過冷却状態としてい
る。このように、固相と液相とが安定的に共存している
状態では、系全体の飽和温度を越えない限り、液相部分
における溶質の濃度は、保持温度T2 における飽和濃度
に保たれる。
【0036】例えば、溶融体における溶質の濃度が低下
したときには、保持温度T2 において、固相部分の量が
その分減少し、溶質の濃度が増加したときには、固相部
分の量がその分増加する。従って、液相部分の温度と濃
度とは、常に一定に保持される。そして、成膜温度T3
も、むろん一定値に設定するので、T2 とT3 との差
(過冷却度)も一定に保持され、過冷却状態を完全に制
御することが、初めて可能になる。
【0037】この結果、実際の成膜工程において、基板
への膜形成を繰り返したために、溶融体の組成が変化し
ていった場合においても、過冷却状態がほぼ完全に一定
状態に保持される。従って、結晶性の良い単結晶膜を、
再現性良く成膜することができる。
【0038】しかも、本方法によれば、単に一定品質の
単結晶膜を再現性良く作成できるというだけでなく、単
結晶膜の結晶性自体が顕著に向上していた。特に、従来
は作成不可能であった、単結晶基板よりもX線ロッキン
グカーブの半値幅が小さい単結晶膜を形成することに成
功した。
【0039】この理由は明らかではないが、おそらく、
以下の理由によると思われる。従来の方法では、溶融体
に基板を接触させるときには、溶融体全体が均一な液相
である。従って、基板が溶融体に接触した瞬間に、基板
の表面において、液相全体の中で初めて固相の析出が起
こる。このため、単結晶膜の成長が開始するためには、
比較的大きな核形成エネルギーが必要であると推定でき
る.従って基板と膜との界面において膜の成長が開始さ
れる時に、核形成エネルギーが大きいために、この界面
において膜の結晶性が乱れ、その上に析出する膜の結晶
性が、この結晶性の乱れを反映するものと思われる。
【0040】一方、本方法においては、図5(b)に示
すように、単結晶基板1または中間層が溶融体に接触す
る前に、あらかじめ溶融体中に液相部分18と固相部分
19とが共存している。この状態では、もともと固相部
分19と液相部分18との界面では、微視的に見れば溶
融と析出とが起こっている。従って、あらたに単結晶基
板1の表面1aまたは中間層を液相部分18に対して接
触させても、スムーズに膜成長が開始され、結晶性に優
れた単結晶膜が作製できると考えられる。
【0041】本発明者は、このように過冷却状態を制御
する方法を実現し、この方法を使用して、前述したよう
に、ニオブ酸リチウム単結晶基板上に、ニオブ酸リチウ
ム─タンタル酸リチウム固溶体膜を作成することを試み
てみた。これは、従来は、溶解度の関係から困難である
とされてきた組み合わせである。この結果、意外にも、
ニオブ酸リチウム単結晶基板上に、相当に広い組成範囲
で上記の固溶体膜を作成できることを発見した。これに
よって、クラッド相として作用する、ニオブ酸リチウム
−タンタル酸リチウム固溶体単結晶からなる中間層2を
形成することに成功し、本発明の第二高調波発生素子の
製造を初めて可能とした。
【0042】実際には、ニオブ酸リチウム─タンタル酸
リチウム固溶体膜の組成をLiNb1-y Tay 3 と表
示したときに、0<y≦0.8の範囲内で固溶体膜を作
成できることが分かった。
【0043】更に、本発明者は、上記の単結晶基板を構
成するニオブ酸リチウムの中にタンタル成分をドープ
し、ニオブ酸リチウム─タンタル酸リチウム固溶体から
なる単結晶基板を製造し、この上にニオブ酸リチウム─
タンタル酸リチウム固溶体膜を形成することを試みた。
この結果、やはり上記と同様に広い組成範囲でこの固溶
体膜を形成できることを確認した。このニオブ酸リチウ
ム─タンタル酸リチウム単結晶基板の組成は、LiNb
1-x Tax 3 (0<x≦0.8)と表示することがで
き、ここで、xおよびyがx<yの関係を満足している
ので、(0<x<0.8)となる。即ち、前記固溶体単
結晶からなる中間層の方が、単結晶基板よりもタンタル
の置換割合が大きい。
【0044】ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固
溶体単結晶膜を形成する場合には、溶融体は、主として
Li2 O、Nb2 5 、Ta2 5 およびフラックスか
らなる。Li2 Oの仕込み量は、Nb2 5 、Ta2
5 およびフラックスの仕込み量の合計(モル数)にほぼ
等しくなるように調合する。溶融体は、溶質成分である
LiNbO3 およびLiTaO3 と、溶媒成分(フラッ
クス)からなる、LiNbO3 ─LiTaO3 ─溶融媒
体の擬三元系組成であると考えることができる。また、
溶融体は、溶質成分であるLiNb1-x Tax 3 と、
溶媒成分(フラックス)からなる、LiNb1-x Tax
3 ─溶融媒体の擬二元系組成であると考えることがで
きる。こうしたフラックスとしては、V2 5 、B2
3 、MoO3 、WO3 を好適なものとして例示できる。
ニオブ酸リチウム単結晶膜を形成する場合には、溶融体
は、主としてLi2 O、Nb2 5 およびフラックスか
らなる。
【0045】本発明の第二高調波発生素子においては、
中間層、単結晶基板、光導波層中に、ドープ成分とし
て、希土類元素を含有させることができる。この希土類
元素は、レーザー発振用の添加元素として作用する。こ
の希土類元素としては、特にNd、Er、Tm、Ho、
Dy、Prからなる群より選ばれた一種以上の希土類元
素が好ましい。
【0046】また、中間層、単結晶基板、光導波層中
に、ドープ成分として、亜鉛、スカンジウム、マグネシ
ウム、インジウム、チタンおよびバナジウムからなる群
から選ばれた一種以上の金属原子を含有させることがで
きる。これらの元素は、耐光損傷特性を向上させる作用
を有している。
【0047】更に、特に図4〜図6を用いて説明したよ
うな成膜方法を採用して、光学グレードのニオブ酸リチ
ウム単結晶基板を使用すると、この単結晶基板よりもX
線ロッキングカーブの半値幅が小さい中間層および光導
波層を形成することができた。この結果、光導波路の耐
光損傷特性が顕著に向上することを確認した。
【0048】ここで、X線ロッキングカーブの半値幅に
ついて説明する。単結晶基板、中間層および光導波層の
結晶性は、X線ロッキングカーブの半値幅によって評価
することができる。一般に、この半値幅が小さいほど、
単結晶の結晶性が良好であると判断できる。この値その
ものは、X線測定装置において使用する基準結晶等によ
って変動するので、絶対値を特定することはできない。
【0049】しかし、液相エピタキシャル法により作製
される中間層および光導波層の結晶性は、単結晶基板の
結晶性の影響を強く受ける。従って、作製した各単結晶
膜の結晶性の優劣を判断するには、使用した単結晶基板
のX線ロッキングカーブの半値幅を基準にしなければな
らない。特に、光学グレードのニオブ酸リチウム単結晶
基板は、現在引き上げ法によって作成されているので、
中間層および光導波層のX線ロッキングカーブの半値幅
が、光学グレードのニオブ酸リチウム単結晶基板のそれ
よりも小さいことが好ましい。
【0050】飽和している液相部分の保持温度と成膜温
度との差(過冷却度)は、単結晶膜のX線ロッキングカ
ーブの半値幅を一層小さくするという観点から見て、5
0℃以下とすることが好ましく、20°C以下とするこ
とが更に好ましい。
【0051】以下、更に具体的な実験結果について説明
する。 〔実施例1〕 (中間層2の形成)まず、市販のZカットの光学グレー
ドのニオブ酸リチウム単結晶基板1の−c面上に、液相
エピタキシャル法によってニオブ酸リチウム−タンタル
酸リチウム固溶体単結晶からなる中間層2を形成した。
エピタキシャル成長に使用する溶融体の仕込み組成が、
16mol%LiNbO3 −4mol%LiTaO3
80mol%LiVO3 となるように各原料を配合し
た。図4の温度スケジュールに従って成膜を実施した。
前記の溶融体を温度T1 (1200℃)で3時間以上攪
拌し、十分均一な液相の状態とした。この後、溶融体を
保持温度T2 (920℃)まで冷却し、920℃で12
時間以上保持することによって、過飽和分の固相を析出
させ、固相部分19と液相部分18とを安定的に共存さ
せた。このとき、溶融体の液相部分18は、保持温度T
2 における飽和状態であり、溶融体は、固相と液相とが
共存する状態である。
【0052】この後、溶融体の温度を、T2 から過冷却
度ΔT1 (10℃)だけ低い成膜温度T3 (910℃)
にまで低下させ、ただちにニオブ酸リチウム単結晶基板
1の表面1aを液相部分18に対して接触させ、エピタ
キシャル成長を実施した。成膜時間を15分間とし、膜
厚約18μmの鏡面状のニオブ酸リチウム−タンタル酸
リチウム固溶体単結晶からなる中間層2を得た。中間層
2の組成をLiNb1-y Tay 3 と表示する。この中
間層2の組成を電子プローブ微量分析法(EPMA法)
によって分析したところ、タンタルの置換割合y=0.
2であった。中間層2の分極の方向は、単結晶基板と同
じように単分域構造であった。
【0053】(中間層2における周期分極反転構造の形
成)中間層2の表面を研磨し、通常のフォトリソグラフ
ィー法と真空蒸着法によりリフトオフを行って、幅1.
5μmのSiO2 膜を多数互いに平行に形成し、ストラ
イプ状のパターンを形成した。これを約1000℃で加
熱処理した後、中間層の表面を研磨してSiO2 を除去
した。この表面の一部をエッチングによって観察した結
果、SiO2 膜によって被覆されていた部分では分極の
方向が反転していることを確認した。
【0054】(光導波層5の形成)次に、周期分極反転
構造を形成した中間層2Aの上に、液相エピタキシャル
法によってニオブ酸リチウム単結晶からなる光導波層5
を形成した。エピタキシャル成長に使用する溶融体の仕
込み組成が、20mol%LiNbO3 −80mol%
LiVO3 となるように各原料を配合した。図4の温度
スケジュールに従って成膜を実施した。前記の溶融体を
温度T1 (1150℃)で3時間以上攪拌し、十分均一
な液相の状態とした。
【0055】この後、溶融体を保持温度T2 (905
℃)まで冷却し、905℃で12時間以上保持すること
によって、過飽和分の固相を析出させ、固相部分19と
液相部分18とを安定的に共存させた。このとき、溶融
体の液相部分18は、保持温度T2 における飽和状態で
あり、溶融体は、固相と液相とが共存する状態である。
【0056】この後、溶融体の温度を、T2 から過冷却
度ΔT1 (5℃)だけ低い成膜温度T3 (900℃)に
まで低下させ、ただちに周期分極反転構造を有する中間
層2Aの表面を液相部分18に対して接触させ、エピタ
キシャル成長を実施した。成膜時間を8分間とし、膜厚
約5μmの鏡面状のニオブ酸リチウム単結晶膜からなる
光導波層5を得た。この光導波層5の格子定数を測定
し、また室温での第二高調波位相整合波長を測定した結
果、この膜の組成はLi:Nb=1の化学両論的組成で
あった。この光導波層5の分極構造を調べた結果、下地
層である中間層2Aの周期分極反転構造が転写されてい
た。
【0057】(リッジ型光導波路の形成)次に、光導波
層5の表面を研磨し、分極反転によって形成されたスト
ライプ状のパターンと垂直方向に延びるように、通常の
フォトリソグラフィー法とスパッタ蒸着法によりエッチ
ングを行って、幅4μmのチタンの線状パターンを形成
した。この後、反応性イオンエッチングによって、幅
4.0μm、高さ4.0μmのリッジ型の光導波路11
を形成した。以上のようにして、ニオブ酸リチウム単結
晶基板1の上に、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウ
ム固溶体単結晶からなる中間層ないしクラッド層と、周
期分極反転構造を有するリッジ型の光導波路11とを備
えている光導波路素子を製造した(図2(b)の状
態)。
【0058】この素子を切断加工し、長さ1.0cmの
チップ形態の光導波路素子13を作成し、各光導波路1
1の両端面11a、11bを研磨加工した。この光導波
路11の一方の端面11aから、波長860nmのレー
ザー光を入射させ、SHG特性を評価したところ、入射
光パワーを100mWとしたときに、出力20mWの第
二高調波が発生し、非常に高い変換効率を達成すること
ができた。また、光損傷等による特性の劣化は認められ
なかった。
【0059】〔比較例1〕実施例1と同様にして、図2
(a)に示す、周期分極反転構造を有する中間層2Aお
よび光導波層5を備えたニオブ酸リチウム単結晶基板1
を製造した。この周期分極反転構造のストライプ状のパ
ターンと垂直方向に延びるように、プロトン交換法によ
って光導波路を形成した。具体的には、通常のフォトリ
ソグラフィー法によって、光導波層5の表面に幅2.5
μmのアルミニウムからなるマスクパターンを形成し、
この単結晶基板を200℃の安息香酸中に15分間浸漬
した。前記のマスクをエッチングによって除去し、35
0℃で4時間アニール処理を行い、プロトン交換光導波
を形成した。
【0060】こうした作成した光導波路素子を使用し
て、実施例1と同様の方法でSHG特性を評価した結
果、入射光パワー20mWに対して0.1mWの第二高
調波が得られた。しかし、入射光パワーを50mWまで
増加させると、光損傷が生じたために、安定した出力光
を得るのは不可能であった。
【0061】〔比較例2〕タンタル酸リチウム単結晶基
板の−c面上に、液相エピタキシャル法によって、膜厚
20μmのニオブ酸リチウム単結晶薄膜を形成した。次
に、このニオブ酸リチウム単結晶薄膜の表面を研磨し、
通常のフォトリソグラフィー法と真空蒸着法によりリフ
トオフを行って、幅1.5μmのSiO2 からなるスト
ライプ状のパターンを形成した。これを約1000℃で
加熱処理した後、ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の表面を
研磨することによってSiO2 を除去し、周期分極反転
構造を有するニオブ酸リチウム単結晶薄膜を形成した。
【0062】更に、分極反転しているストライプ状のパ
ターンとは垂直方向に延びるように、通常のフォトリソ
グラフィー法とスパッタ蒸着法によりエッチングを行っ
て、幅4μmのチタンの線状のパターンを形成した。こ
の後、反応性イオンエッチングによって、幅4.0μ
m、高さ4.0μmのリッジ型の光導波路を形成した。
【0063】こうして得た光導波路素子のSHG特性
を、実施例1と同様にして評価したところ、入射光パワ
ー100mWに対して1.1mWの第二高調波しか得ら
れず、変換効率が低かった。この理由は明らかではない
が、おそらく単結晶基板を構成するタンタル酸リチウム
単結晶のキュリー温度が約600℃と低いために、液相
エピタキシャル形成工程や加熱処理工程の間にその結晶
性が劣化してしまい、これが素子の特性に悪影響を与え
ているものと推定される。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の第二高調波
発生素子によれば、高い出力のレーザー光を使用しても
光損傷が生じにくく、高出力の第二高調波を安定して発
生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、単結晶基板1の表面1aに中間層2
を形成した状態を示す正面図であり、(b)は、中間層
2の分極を反転させる処理を行うことによって周期分極
反転構造を有する中間層2Aを形成した状態を示す斜視
図である。
【図2】(a)は、中間層2A上に、周期分極反転構造
を有する光導波層5を形成した状態を示す斜視図であ
り、(b)は、(a)における光導波層5を加工するこ
とによってリッジ型の光導波路11を形成した状態を示
す斜視図である。
【図3】(a)は、図2(b)の光導波路基板を切断し
て得たチップ形態の光導波路素子13を示す斜視図であ
り、(b)は、(a)の光導波路素子13を使用して構
成した第二高調波発生素子14を模式的に示す図であ
る。
【図4】本発明の第二高調波発生素子を製造する際に、
中間層および光導波路を液相エピタキシャル法によって
形成するために好適に使用できる温度スケジュールの一
例を示すグラフである。
【図5】(a)は、ルツボ15内に均一に溶融した溶融
体16を収容している状態を示す断面図であり、(b)
は、ルツボ15内の溶融体を、固相部分19と液相部分
18とが安定して共存しいてる状態としたときの断面図
である。
【図6】本発明の第二高調波発生素子を製造する際に、
中間層および光導波路を液相エピタキシャル法によって
形成するために好適に使用できる、他の例に係る温度ス
ケジュールを示すグラフである。
【符号の説明】
1 単結晶基板 1A チップ形態の光導波路素子用
の単結晶基板 2 中間層 2A 周期分極反転構
造を有する中間層 3、4 分極の方向が互いに異な
る各分極部分 5 光導波層 8 レーザー光源 9 光学系 10 光導波層5を加工して形成した薄
膜部分 11 リッジ型の光導波路 12 溝
13 光導波路素子 14 第二高調波発生素子
A 赤外光 B 第二高調波

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】LiNb1-x Tax 3 の組成を有する単
    結晶基板と、この単結晶基板上に形成されている、Li
    Nb1-y Tay 3 の組成を有する固溶体単結晶からな
    る中間層と、この中間層上に形成されている、LiNb
    1-z Taz 3 の組成を有する単結晶からなるリッジ型
    の光導波路とを備えており、ここでx、yおよびzが下
    記の関係を満足しており、少なくとも前記光導波路に周
    期分極反転構造が形成されていることを特徴とする、第
    二高調波発生素子。 0≦x、z<0.8 0<y≦0.8 x、z<y
  2. 【請求項2】前記単結晶基板がニオブ酸リチウム単結晶
    からなることを特徴とする、請求項1記載の第二高調波
    発生素子。
  3. 【請求項3】前記中間層および前記光導波路が液相エピ
    タキシャル法によって形成されていることを特徴とす
    る、請求項1または2記載の第二高調波発生素子。
  4. 【請求項4】LiNb1-x Tax 3 の組成を有する単
    結晶基板を第一の溶融体に接触させることによって、L
    iNb1-y Tay 3 の組成を有する固溶体単結晶を液
    相エピタキシャル成長させて中間層を形成し、次いでこ
    の中間層を第二の溶融体に接触させることによってLi
    Nb1-z Taz 3 の組成を有する単結晶からなる光導
    波層を形成し、ここでx、yおよびzが下記の関係を満
    足しており、少なくとも前記光導波層に周期分極反転構
    造を形成し、この光導波層をリッジ形状となるように加
    工することによってリッジ型の光導波路を形成すること
    を特徴とする、第二高調波発生素子の製造方法。 0≦x、z<0.8 0<y≦0.8 x、z<y
  5. 【請求項5】前記中間層に周期分極反転構造を形成した
    後にこの中間層を前記第二の溶融体に接触させることを
    特徴とする、請求項4記載の第二高調波発生素子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】前記光導波層を形成した後に、この光導波
    層に周期分極反転構造を形成し、次いでこの光導波層を
    加工してリッジ型の光導波路を形成することを特徴とす
    る、請求項4記載の第二高調波発生素子の製造方法。
  7. 【請求項7】前記第一の溶融体において液相部分と固相
    部分とを共存させ、次いで前記第一の溶融体の温度を下
    げて前記液相部分を過冷却状態にし、前記単結晶基板を
    この液相部分に接触させることによって前記中間層をエ
    ピタキシャル成長させることを特徴とする、請求項4〜
    6のいずれか一つの請求項に記載の第二高調波発生素子
    の製造方法。
  8. 【請求項8】前記第二の溶融体において液相部分と固相
    部分とを共存させ、次いで前記第二の溶融体の温度を下
    げて前記液相部分を過冷却状態にし、前記中間層をこの
    液相部分に接触させることによって前記光導波層をエピ
    タキシャル成長させることを特徴とする、請求項4〜7
    のいずれか一つの請求項に記載の第二高調波発生素子の
    製造方法。
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